JP2011235435A - 研磨布用ドレッサー - Google Patents

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Abstract

【課題】従来は達成し得なかった小粒径の砥粒を有するドレッサーを提供することを目的とする。
【解決手段】支持材の上に形成された0.05μm以上40μm未満の厚みを有する層状のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜と、0.1μm以上40μm以下の粒径を有する粒状のDLCとから構成され、層状のDLC皮膜の中に前記粒状のDLCの一部が埋まっている研磨布用ドレッサー。
【選択図】なし

Description

本発明は、化学的かつ機械的平面研磨(Chemical Mechanical Planarization、以下「CMP研磨」と略す)の工程で、研磨布の平坦性を維持するため、および、目詰まりや異物除去を行うために使用されるドレッサーに関する。
半導体ウェーハの表面を研磨する装置、あるいは、集積回路を製造する途中の配線や絶縁層の表面を平坦化する装置、磁気ハードディスク基板に使用されるAl板やガラス板の表面を平坦化する装置、等ではCMP研磨が用いられている。このCMP研磨とは、例えば、ウレタン製の研磨パッドが貼り付けられた回転基板に、微細な砥粒を含むスラリー液を供給しながら、被研磨面を押し当てて、被研磨面を平坦化する方法である。当然のことながら、この研磨パッドの研磨能力は使用時間と共に低下していくが、この低下を抑制するために、一定時間毎に研磨パッド表層部を研削して研磨パッドの平坦性を維持しながら、常に新しい面が出るようにドレッシングしている。このドレッシングに使用する部品をドレッサーと呼び、ドレッサーは、金属基板に砥粒(ダイヤモンド砥粒など)を電着、あるいは、ロウ付け等によって接合させて得られる。
最近では、集積回路のライン/スペ−スの極狭化によるパターン露光装置の浅焦点深度化、あるいは磁気ハードディスクの記録容量増加、などに伴って、被研磨面に発生するスクラッチ傷をなくすという従来からの要求に加えて、被研磨面のうねりを低減させるなど、平坦性への要求が益々高くなってきている。これらの要求に応えていくためには、ドレッシングによってパッド表面を均一に研削してパッドの平坦性を維持することが必要とされる。さらには、ドレッシングには、パッドの目詰まりや異物を除去できる、パッド研削力も必要とされる。
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)を構成部材の一部として使用している研削加工用具として、以下の技術が開示されている。特許文献1には、基板の表面に設けられた切刃凸部の耐摩耗性を向上させるために、突端面にDLC皮膜が形成されており、このDLC皮膜の脱落を抑制するためにDLC皮膜表面が水素終端処理されている軟質材加工用工具が開示されている。特許文献2には、金属基板表面に形成された多数の尖頭状の突起部の表面を硬質性皮膜で覆って、耐摩耗性を向上させたドレッサーが開示されており、その硬質性皮膜としてDLC皮膜が開示されている。特許文献3には、金属製台金の表面に平均粒径が30〜1000μmのダイヤモンド砥粒がニッケルめっき又はロウ材を主成分とする結合材によって固着されたCMP用パッドコンディショナーであって、表面を0.1〜50μmの膜厚のDLC皮膜で覆っているものが開示されている。
特開2008−246617号公報 特許第3679882号明細書 特開2001−210613号公報
前記したように従来技術として開示されているパッド研削用ドレッサーのパッドを研削する構成部は、ダイヤモンド砥粒をニッケルめっき、あるいは、ロウ材で基材に結合させた後にDLC皮膜を付けたもの、または、ダイヤモンド砥粒を使わずに、基材表面を突起形状として砥粒の役割を担わせ、その上にDLC皮膜を付けたものである。前者のドレッサーでは、砥粒を基材に結合させる工程が必要となるために生産性が低くなってしまう。また、砥粒の粒径が小さくなると従来のニッケルめっき等の手法では砥粒を基板に結合させることが難しくなる。後者のドレッサーでは、突起部の材質は金属製基板と同じものであるために、突起部にDLC皮膜を付けたとしてもパッド研削力の低下は免れない。
本発明は、従来は皮膜としてのみ使用されていたDLCを、皮膜のみではなく粒子状としても形成し、そのDLC粒子とDLC皮膜を用いることによって、従来は達成し得なかった小粒径の砥粒を有するドレッサーを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)支持材と、該支持材の上に形成された0.05μm以上40μm未満の厚みを有する層状のDLC皮膜と、0.1μm以上40μm以下の粒径を有する粒状のDLCとから構成される研磨布用ドレッサーであって、前記層状のDLC皮膜の中に前記粒状のDLCの一部が埋まっていることを特徴とする研磨布用ドレッサー。
(2)前記粒状のDLCがテトラヘドラルアモルファスカーボン、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボン、水素化アモルファスカーボンの少なくとも一種から構成されることを特徴とする前項(1)記載の研磨布用ドレッサー。
(3)前記粒状のDLCはテトラヘドラルアモルファスカーボンを少なくとも30%以上含むことを特徴とする前項(1)または(2)に記載の研磨布用ドレッサー。
(4)前記支持材の材質が金属であることを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッサー。
(5)前記支持材の材質がステンレス鋼であることを特徴とする(4)に記載の研磨布用ドレッサー。
(6)前記支持材の材質がセラミックスであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッサー。
(7)前記支持材の材質がガラスであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッサー。
小粒径の砥粒を有する本発明のドレッサーを用いることによって、パッド研削力を維持したままパッド表面の平坦性も確保できるようになる。さらに、ニッケルめっき等の結合材を使用しないためにドレッサーの生産性が向上する。
Alやガラスの磁気ハードディスク基板をCMP研磨する場合には、パッドの平坦性が特に重要となる。このため、ドレッサーに用いる砥粒の粒径もできるだけ小さくすることが望まれている。本発明者は、砥粒を支持材に固着させるために従来から用いられているニッケルめっき、あるいは、ロウ付けを行わずに、簡便に支持材の表面に砥粒を形成する方法を鋭意検討し、ダイヤモンドに次ぐ硬度を有するDLCに注目した。
従来のドレッサーにおけるDLC皮膜は、その皮膜の厚みを均一にすることが重要であったため、均一な厚みとするための製造条件が検討されてきた。そのため、当然ながら、ドロップレットを極力発生させないか、発生したドロップレットを除去するように製造条件を調整していた。ところが本発明者は、DLCドロップレットが、支持材上で粒子状のDLCとなって、砥粒としての機能を果たすことを見出した。そこで、DLC皮膜の製造条件を従来から大きく変更して、あえてDLCドロップレットが形成される条件を採用してDLCを形成する。
さらに、層状のDLC皮膜の中に、粒状のDLCの一部が埋まっている状態を実現することによって、粒状のDLCの支持材への固着力も十分となって、その脱落が抑制でき、層状のDLC皮膜から突き出している粒状のDLCによって、パッド研削力が確保できるようになる。
層状のDLC皮膜の厚みは、0.05μm以上40μm未満である。0.05μm未満の厚みでは粒状のDLCの固着力が十分ではなくなる。40μm以上の厚みでは、粒状DLCの粒径よりも大きな膜厚となるために、粒状DLCが層状のDLC皮膜に過剰に埋没して、研削レートが低下してしまうからである。
粒状のDLCの粒径は0.1μm以上40μm以下である。0.1μm未満の粒径ではパッド研削力が低下する。40μm超の粒径の粒状のDLCは、ドロップレッドとして形成することが難しくなるからである。粒状のDLCの粒径は10μm以下であれば、パット平坦性がさらに良くなるために好ましい。3μm以下の粒径であれば、さらに、優れたパッド平坦性が得られる。
層状のDLC皮膜の厚みをt、粒状のDLCの粒径をdとした場合、0.2≦t/d≦0.8が好ましい。t/dが0.2より小さくなると粒状のDLCの固着力が低下し、t/dが0.8より大きくなると粒状のDLCの突き出し高さが低くなってパッド研削力が低下する可能性が高まるからである。
ほぼ単層に配置される粒状のDLCは、隣接している粒状物同士が接触していてもよいし、離間していてもよい。粒状物同士の平均間隔が20d程度以下であれば、十分なパッド研削力が得られる。好ましくは、その間隔が2d(dは粒状DLCの大きさ)以下程度であれば、さらに優れたパッド研削力とパッド平坦性が得られる。
DLCは、その構造によって硬度が異なる。DLCの構造は、テトラヘドラルアモルファスカーボン、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボン、水素化アモルファスカーボンの少なくとも一種から構成されることが好ましい。これらのDLC構造は、よりダイヤモンド構造に近いために、粒状のDLCとなってもパッド研削に必要な硬度が十分に得られ、酸性あるいはアルカリ性のスラリーとも反応しにくいからである。
DLC構造は、電子軌道で見た場合、通常はsp、sp軌道からなるが、ダイヤモンド構造であるsp軌道が35%以上であることが好ましい。電子軌道の状態は、公知のラマン分光法などによって測定することができる。層状のDLCの構造と、粒状のDLCの構造は、同じ条件下でほぼ同時に形成されるために、通常はほぼ同じ構造となる。
粒状のDLCのうちの30%以上が、テトラヘドラルアモルファスカーボンのDLCである場合には、特にパッド研削力が大きくなるのでさらに好ましい。
支持材は、砥粒と同様に、酸性あるいはアルカリ性のスラリーとの反応が生じにくいことが好ましく、具体的には金属製、セラミックス製、ガラス製、あるいは、樹脂製が好ましい。
金属製の場合には、代表的なステンレスであるSUS304、SUS316、SUS430、等のステンレス鋼が好適である。炭素鋼等の一般構造用鋼の表面にNi等のめっきをしたものも使用可能である。
セラミックス製の場合には、アルミナ、窒化珪素、炭化ケイ素が好ましい。特に、セラミックス製の場合には、その剛性が高く支持材の変形が生じ難いため、パッド表面に比較的長周期で存在する凹凸の低減に効果がある。ドレッサ−に荷重が加わった場合でもセラミックス製の支持材の長周期レベルの変形が生じ難いため、パッド表面上の比較的長周期の凹凸が効率的に平坦化されるからである。
ガラス製の場合には、アルカリガラス、無アルカリガラスが好ましい。特に、ガラス製の場合には、ガラス表面の微細な凹凸が小さいために、パッド表面に比較的短周期で存在する凹凸の低減に効果がある。ガラス製の場合、ガラス表面の短周期の凹凸が少ないために、パッド表面の短周期の凹凸が効率的に平坦化されるからである。また、ガラス製の支持材として、ガラス製ハードディスク基板そのものも使用可能である。
樹脂製の場合には、ポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂は、熱可塑性樹脂であるため、射出成形によって容易に基板を製造することができる一方で、樹脂の中でも耐熱性に優れているため、層状DLC、粒状DLCを形成させる場合に樹脂基板の変形などを抑制することが可能となるからである。
支持材の材質は、目的に応じて適宜選ぶことが可能である。
これらの支持材の形状は、特に限定されるものではなく、八角形、二十角形等の多角形の形状でもよいが、支持材自体が回転しながらパッドを研削するので、均一研削性を担保するためには円盤状であることが好ましい。
本発明の層状のDLCと粒状のDLCとを有するドレッサーは、以下のようにして製造できる。従来のDLC皮膜の製造では、イオン化蒸着法、スパッタ法、高周波プラズマ法、アークイオンプレーティング法、などを採用する。原料ソースとして、メタン、アセチレン、ベンゼンなどのCnHmガスを用いる方法や、グラファイトを用いる方法が知られている。本発明のドレッサーの製造においてグラファイトを用いることによって、ドロップレットを敢えて形成させることができる。グラファイトを用いる場合には、スパッタ法、アークイオンプレーティング法、が好適に採用される。
成膜速度が小さい場合には、層状のDLC皮膜が形成されるが、成膜速度を大きくしていくと、ドロップレットが形成され粒状のDLCが形成できるようになる。所定の条件では、層状のDLC皮膜と粒状のDLCとが所定の割合で含まれるようになる。
層状のDLC皮膜の厚みは、成膜速度と成膜時間で制御可能である。また、粒状のDLCの粒径は、支持材に接触する際のドロップレットの大きさに依存する。ドロップレットの粒径は、装置内に形成させるプラズマのエネルギー、すなわち、投入電力に依存する。投入電力と粒状のDLCの大きさとの関係は、各装置によって異なるため、予め両者の関係を求めておけばよい。粒状のDLC同士の平均間隔は、ドロップレットを発生させる時間によって制御可能である。
DLCの構造は、例えば、スパッタリングにおける導入ガスの種類によって制御されうる。例えば、スパッタリングにおける導入ガスをアルゴンのみにすれば、テトラヘドラルアモルファスカーボンとなり;アセチレン混入ガスにすれば、テトラヘドラルアモルファスカーボンとともに、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボンや、水素化アモルファスカーボンも形成される。
これらの層状のDLCと粒状のDLCとを、例えば、金属製、セラミックス製、ガラス製、あるいは、樹脂製の支持材などの表面に形成させることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
DCマグネトロンスパッタ装置を用いてDLCの形成を行った。タ−ゲットには、直径4インチ(〜100mm)、厚み5mmのグラファイトを用いた。ターゲットの純度は99.9%であった。ドレッサ−の支持材となる基板には、直径95mm、厚み4mmの金属製の円盤状SUS304ステンレス部材を用いた。基板表面はアセトンで脱脂処理した。
スパッタ条件を、投入電力200〜1200W、Arガス圧力0.1〜0.6Pa、スパッタ時間5min〜60minの範囲で調整して、表1に示すDLCを形成させた。表1における例のいずれにおいても、粒状DLC同士の間隔は0である(接触状態)か、または約18d(dは粒状DLCの大きさ)以下であった。
No.16〜No.19では、1回のスパッタで形成させたDLCの上に、再びスパッタして、層状DLCの厚み、あるいは、粒状DLCの数(粒状DLCの間隔)を調整した。
導入ガスにArのみを用いた場合には、テトラヘドラルアモルファスカーボン(ta-C)が選択的に形成される。導入ガスにアセチレンを混合した場合には、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボン(ta-C:H)や、水素化アモルファスカーボン(a-C:H)も形成される。表1における各例において、導入ガスの割合を調整してDLCを形成した。表1における「導入ガス欄」に記載の割合で、アルゴンにアセチレンガス(C)を混合させた。DLCの各構造の割合は、ラマン分光法とNMR(固体核磁気共鳴法)を用いて求めた。
以上の条件で、粒径40μm超の粒状DLCを形成させることを試みたが、適切に形成できなかった。そこで、比較例として、平均粒径が55μmの人工ダイヤモンド砥粒を、従来公知のNi系ろう材を用いて、SUS304製の支持材に接合させて、ドレッサ−を作製した。Ni系ろう材の厚みは30μm、ろう付け処理は、1000℃、真空中で行った。
作製した各ドレッサーを用いて、実際にパッドを研削し、研削後のパッド厚み減少量からパッドの研削レート、及び、パッド平坦性を求めた。パッドは発砲ポリウレタン製であり、パッドの直径は250mmである。このパッドを研磨盤の上に貼り付けた。ドレッサーを、回転機構とパッドの半径方向に揺動する機構を備えた装置に固定し、加圧機構によって1kgの加重を加えて、パッドに押し付けた。ドレッサーの中心をパッド半径方向にパッド中心から30mm〜90mmの範囲で半径方向に揺動させた。パッド回転数は120rpm、ドレッサー回転数は100rpm、揺動は11往復/minとした。パッド回転方向とドレッサーの回転方向は同じである。研削全面が水の膜で覆われる程度に水を供給しながら研削を行った。
研削開始後3分が経過した時点で一端、研削を中断して、互いに直交する2本の直径上に沿ってパッド厚みを測長顕微鏡で測定した。1つの直径を等間隔で10等分し、等分した部位のほぼ真中付近を合計で20点測定し、平均値を求めた。
再び研削を続けて、10時間後に同様の測定を行った。パッド厚みの平均値から、研削開始後3分から10時間の間におけるパッド研削レートの平均を求めた。平坦性は、10時間後に測定した20点の値の中で最大値から最小値を引いた値として求めた。これらの結果を表1に示した。
表1における「DLCの構造」の欄における記載は、以下を意味する。
ta-C ;テトラヘドラルアモルファスカーボン
ta-C:H ;水素化テトラヘドラルアモルファスカーボン
a-C:H ;水素化アモルファスカーボン
Figure 2011235435
表1に示される結果から、層状のDLC皮膜の厚みが、0.05μm以上40μm未満であって、粒状のDLCの粒径が0.1μm以上40μm以下である本発明の範囲であれば、0.5μm/min以上の研削レートが得られると同時に、0.40μm以下の平坦性が得られる。
No.1の比較例では、層状のDLC皮膜の厚みが0.05μm未満であったために、粒状のDLCの固着力が十分ではなくなり、多数の脱落が生じた。No.19の比較例では、層状のDLC皮膜の厚みが40μm以上であるために、粒状DLCが埋没して研削レートが低下するとともに、不均一な研削状態となるために平坦性も劣化した。従来のダイヤ砥粒のドレッサーを用いたNo.20の比較例では、カットレイトは十分な値となるが、平坦性が0.40μmより大きくなった。
粒状のDLCの粒径が10μm以下であれば(No.2〜10)、0.2μm以下の優れたパット平坦性が得られた。さらに、粒状のDLCの粒径が3μm以下であれば(No.2〜6)、0.05μm以下のさらに優れたパッド平坦性が得られた。また、t/dが0.2以上0.8以下である場合には(No.2,No.4〜16)、粒状DLCの脱落が抑制され、かつ、平坦性、カットレイトが優れたものとなる。
(実施例2)
セラミックス製の支持材として、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素の焼結体を使用した。支持材のサイズは直径95mm、厚み4mmの円盤状であり、表面はそれぞれ鏡面研磨仕上げを行った後、アセトンで脱脂処理を行った。層状DLC、および、粒状DLCを形成させるスパッタ条件は、実施例1のNo.4、No.9、No.14、および、No.15と同じ条件とした。
作製した各ドレッサ−を用いて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2011235435
表2に示される結果から、層状のDLC皮膜の厚み、および、粒状のDLCの粒径が本発明の範囲であれば、0.5μm/min以上の研削レートが得られると同時に、0.40μm以下の平坦性が得られる。
粒状のDLCの粒径が10μm以下であれば(No.21〜26)、0.2μm以下の優れたパット平坦性が得られた。さらに、粒状のDLCの粒径が3μm以下であれば(No.21〜23)、0.05μm以下のさらに優れたパッド平坦性が得られた。また、t/dが0.2以上0.8以下である場合には(No.21〜32)、粒状DLCの脱落が抑制され、かつ、平坦性、カットレイトが優れたものとなる。
(実施例3)
ガラス製の支持材として、汎用の無アルカリガラス、および、ハードディスク用ガラス基板を使用した。支持材のサイズは直径95mm、厚み4mmの円盤状である。ハードディスク用ガラス基板には垂直磁気記録に使用しているものを用いた。表面をアセトンで脱脂処理を行った後、DLC処理を行った。層状DLC、および、粒状DLCを形成させるスパッタ条件は、実施例1のNo.4、No.9、No.14、および、No.15と同じ条件とした。
作製した各ドレッサ−を用いて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2011235435
表3に示される結果から、層状のDLC皮膜の厚み、および、粒状のDLCの粒径が本発明の範囲であれば、0.5μm/min以上の研削レートが得られると同時に、0.40μm以下の平坦性が得られる。
粒状のDLCの粒径が10μm以下であれば(No.41〜44)、0.2μm以下の優れたパット平坦性が得られた。さらに、粒状のDLCの粒径が3μm以下であれば(No.41〜42)、0.05μm以下のさらに優れたパッド平坦性が得られた。また、t/dが0.2以上0.8以下である場合には(No.41〜48)、粒状DLCの脱落が抑制され、かつ、平坦性、カットレイトが優れたものとなる。
(実施例4)
支持材として、ポリイミド樹脂を使用した。支持材のサイズは直径95mm、厚み4mmの円盤状である。表面をアセトンで脱脂処理を行った後、DLC処理を行った。層状DLC、および、粒状DLCを形成させるスパッタ条件は、実施例1のNo.4、No.9、No.14、および、No.15と同じ条件とした。
作製した各ドレッサ−を用いて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2011235435
表4に示される結果から、層状のDLC皮膜の厚み、および、粒状のDLCの粒径が本発明の範囲であれば、0.5μm/min以上の研削レートが得られると同時に、0.40μm以下の平坦性が得られる。
粒状のDLCの粒径が10μm以下であれば(No.51、52)、0.2μm以下の優れたパット平坦性が得られた。さらに、粒状のDLCの粒径が3μm以下であれば(No.51)、0.05μm以下のさらに優れたパッド平坦性が得られた。また、t/dが0.2以上0.8以下である場合には(No.51〜54)、粒状DLCの脱落が抑制され、かつ、平坦性、カットレイトが優れたものとなる。
本発明は、半導体ウェーハの表面を研磨するCMP装置、あるいは、集積回路を製造する途中の配線や絶縁層の表面を平坦化するCMP装置、磁気ハードディスク基板に使用されるAl板やガラス板の表面を平坦化するCMP装置、等の研磨用パッドのドレッシングに利用できる。

Claims (7)

  1. 支持材と、該支持材の上に形成された0.05μm以上40μm未満の厚みを有する層状のDLC皮膜と、0.1μm以上40μm以下の粒径を有する粒状のDLCとから構成される研磨布用ドレッサーであって、
    前記層状のDLC皮膜の中に前記粒状のDLCの一部が埋まっていることを特徴とする研磨布用ドレッサー。
  2. 前記粒状のDLCがテトラヘドラルアモルファスカーボン、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボン、水素化アモルファスカーボンの少なくとも一種から構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨布用ドレッサー。
  3. 前記粒状のDLCは、テトラヘドラルアモルファスカーボンを少なくとも30%以上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の研磨布用ドレッサー。
  4. 前記支持材の材質が金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッサー。
  5. 前記支持材の材質がステンレス鋼である請求項4に記載の研磨布要ドレッサー。
  6. 前記支持材の材質がセラミックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッサー。
  7. 前記支持材の材質がガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨布用ドレッサー。
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JP2017031001A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 神港精機株式会社 ダイヤモンドライクカーボン粉末およびその作製方法

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