JP2011235363A - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の振動抑制手法の適用が可能となる工作機械の主軸装置を提供する。
【解決手段】ハウジング10に対して主軸20の支持におけるバネ定数K、減衰係数C、および、主軸20を含む回転体の質量Mのうち少なくとも二つ以上の物理パラメータを変更する物理パラメータ変更手段を備える。そして、変更可能な物理パラメータによる組み合わせ種類の変更優先順位を予め設定し、主軸の振動を検出した場合に、予め設定された変更優先順位に従って物理パラメータ変更手段により変更可能な物理パラメータを変更させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、主軸の振動を抑制することができる工作機械の主軸装置に関するものである。
例えば、特開2009−78350号公報(特許文献1)に、主軸の振動を抑制する主軸装置について記載されている。この装置は、主軸に振動が発生する場合に、主軸の回転速度を変更するというものである。例えば、主軸の回転速度(一般に回転数ともいう)を低下させることで、主軸の振動を抑制することができる。しかし、主軸の回転速度を低下させることは、加工精度に影響を及ぼすと共に、加工時間が長くなるという問題がある。
また、主軸の回転速度を下げずに主軸の振動を抑制することができる主軸装置について、特開2008−229806号公報(特許文献2)に記載されている。この主軸装置は、ラジアル磁気軸受を備えており、ラジアル変位センサの出力に応じて制御する。例えば、ラジアル変位が閾値を超えている場合には、ラジアル磁気軸受の制御ゲインを高めて磁気軸受の剛性値を高くすることで、主軸の振動を抑制する。また、特開2010−71310号公報(特許文献3)には、転がり軸受の予圧を調整することにより主軸の振動を抑制できる主軸装置について記載されている。
また、特開2010−23187号公報(特許文献4)および特開2010−42464号公報(特許文献5)には、主軸に取り付ける錘の質量を任意に設定することにより、主軸の振動を抑制できる主軸装置について記載されている。具体的には、主軸に発生する振動を解析しておき、その振動に応じて主軸に取り付ける錘の質量を変更することで、主軸および錘を含む回転体の共振点を変更することができ、実際に使用している最中に主軸が振動することを抑制するというものである。
特開2009−78350号公報 特開2008−229806号公報 特開2010−71310号公報 特開2010−23187号公報 特開2010−42464号公報
上述したように主軸の振動抑制手法として種々存在する。そして、それぞれの振動抑制手法による他の影響も異なる。しかしながら、これまでは、複数の振動抑制手法について他の影響を考慮して使いこなすまでに至っていないのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数の振動抑制手法の適用が可能となる工作機械の主軸装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、円筒形状に形成されたハウジングと、前記ハウジングの内周面に回転可能に支持された主軸と、前記ハウジングに対する前記主軸の振動を検出する振動検出手段と、前記ハウジングに対して前記主軸の支持におけるバネ定数、減衰係数、および、前記主軸を含む回転体の質量のうち少なくとも二つ以上の物理パラメータを変更する物理パラメータ変更手段と、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類の変更優先順位を予め設定し、前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、予め設定された変更優先順位に従って前記物理パラメータ変更手段により変更可能な前記物理パラメータを変更させる振動抑制手段と、を備えることである。
請求項2に係る発明は、前記物理パラメータ変更手段は、少なくとも前記バネ定数を変更可能であって、前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記バネ定数の変更を最優先順位に設定し、前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数の変更を最初に変更させることである。
請求項3に係る発明は、前記物理パラメータ変更手段は、さらに前記減衰係数を変更可能であって、前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記減衰係数の変更を前記バネ定数の変更の次の優先順位に設定し、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数を変更したときに前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記減衰係数を次に変更させることである。
請求項4に係る発明は、前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記バネ定数および前記減衰係数の変更を前記減衰係数の変更の次の優先順位に設定し、前記物理パラメータ変更手段により前記減衰係数を変更したときに前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数および前記減衰係数を次に変更させることである。
請求項5に係る発明は、前記物理パラメータ変更手段は、さらに前記回転体の質量を変更可能であって、前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記回転体の質量の変更を前記バネ定数および前記減衰係数の変更の次の優先順位に設定し、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数および前記減衰係数を変更したときに前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記回転体の質量を次に変更させることである。
請求項6に係る発明は、前記主軸の軸方向一側には、刃具または被加工物が取り付けられ、前記工作機械の主軸装置は、前記ハウジングの内周面に対して前記主軸の外周面を支持する軸受を備え、前記ハウジングのうち前記軸受が配置される軸方向位置よりも軸方向において刃具または被加工物の取付端側に第一エアシール用開口部が形成され、前記ハウジングのうち前記第一エアシール用開口部が形成される軸方向位置よりも軸方向において刃具またはワークの取付端側に第二エアシール用開口部が形成され、前記物理パラメータ変更手段は、前記第二エアシール用開口部にシール用エアと共に油またはクーラントを供給することにより、前記減衰係数を変更することである。
請求項1に係る発明において、変更可能な物理パラメータが二つ以上ある。この場合には、それらの物理パラメータによる組み合わせ種類が複数となる。そして、本発明によれば、物理パラメータによる複数の組み合わせ種類のうち、ユーザにとって影響の少ない組み合わせ種類の変更順位を優先することができる。ここで、振動検出手段は、ハウジングに取り付けられ主軸の実際の振動を検出する振動検出センサを適用することもできるし、加工条件および工作機械の主軸装置の各部の機械構成の情報を用いた振動解析により振動の発生を解析する解析ツールを適用することもできる。
バネ定数の変更は、例えば、転がり軸受の予圧の変更により行うことができる。転がり軸受の予圧の変更は容易に行うことができると共に、発熱が低い変更手段である。従って、請求項2に係る発明によれば、バネ定数を最優先に変更することで、容易に実現できると共に、発熱を抑制することができる。
また、減衰係数の変更は、例えば、主軸の外周面とハウジングの内周面との微小隙間に粘性流体を介在させて、減衰係数を大きな値にできる。減衰係数の変更は、振動の抑制に大きな効果が期待できるが、粘性流体のせん断抵抗による発熱の影響を考慮する必要がある。従って、請求項3に係る発明によれば、減衰係数の変更をバネ定数の変更の次の優先順位とすることで、発熱の影響を軽減できる。
請求項4に係る発明によれば、バネ定数の変更と減衰係数の変更を同時に行うことで、主軸の振動の抑制効果をより発揮できる。ただし、バネ定数のみの変更や減衰係数のみの変更の場合に比べると、調整が容易とはいえない。そこで、両者を含む場合の優先順位をそれぞれの場合の優先順位より下げることで、適切な処理が可能となる。
請求項5に係る発明によれば、回転体の質量を変更することで、主軸の振動を抑制することができる。ここで、回転体の質量を変更する手段としては、例えば、質量部材(マス)を着脱することで実現できる。しかし、回転体の質量を連続的に変更することは容易ではない。そこで、調整の自由度が高いものおよび振動抑制効果が大きいものほど優先順位を上位として、調整の自由度が低い回転体の質量の変更の優先順位を低くすることで、適切に主軸の振動を抑制することができる。
請求項6に係る発明によれば、確実に減衰係数を変更することができる。さらに、油またはクーラントが供給される第二エアシール用開口部は、第一エアシール用開口部より刃具またはワークの取付端側に配置されている。従って、第一エアシール用開口部より刃具またはワークの取付端側の反対側へ、油またはクーラントが侵入することを防止できる。
工作機械の主軸装置における支持構造のモデル図である。 物理パラメータの優先順位を示す図である。 工作機械の主軸装置の制御ブロック図である。 解析部の処理を示すフローチャートである。 第一実施例における工作機械の主軸装置の軸方向断面図である。 図5に示す工作機械の主軸装置の前側部分(刃具の取付端側)の拡大軸方向断面図である。 第二実施例における工作機械の主軸装置の前側部分(刃具の取付端側)の拡大軸方向断面図である。
<基本構成>
本実施形態の工作機械の主軸装置における支持構造について、図1を参照して説明する。図1に示すように、主軸20は、円筒形状に形成されたハウジング10の内周面に回転可能に支持される。ハウジング10に対する主軸20の支持に関する物理パラメータは、バネ定数Kおよび減衰係数Cにより表される。このバネ定数Kは、例えば、主軸20を支持する軸受装置に付与する予圧を変更することにより変更される。また、減衰係数Cは、主軸20の外周面とハウジング10の内周面との径方向微小隙間に油を供給することによる油膜ダンピング効果を付加することで変更される。また、主軸20には、質量部材140が着脱可能に設けられており、この質量部材140の着脱により主軸20を含む回転体の質量Mを変更できる。
これらの物理パラメータK,C,Mを変更することで、ハウジング10に対して主軸20のびびり振動の発生を抑制できる。本実施形態においては、軸受装置の予圧を変更するための予圧バルブ205(図3に示す)の開度を変更することにより、バネ定数Kが変更される。また、主軸20の外周面とハウジング10の内周面との径方向微小隙間への油の供給を制御する減衰付加用バルブ206(図3に示す)を油供給ON状態と油供給OFF状態とを切り換えることにより、減衰係数Cが変更される。また、質量部材連結スイッチ207(図1および図3に示す)のON,OFFを切り換えることにより、質量部材140が主軸20に対して一体的状態と分離状態とを切り換えられる。つまり、質量部材連結スイッチ207をONの場合には、OFFの場合に比べて、主軸20を含む回転体の質量Mが増加する。
本実施形態においては、変更可能な物理パラメータK,C,Mの変更優先順位を決定している。この変更優先順位について、図2を参照して説明する。変更する物理パラメータの第1番目の優先順位は、バネ定数Kに設定する。つまり、主軸20にびびり振動が発生する場合には、バネ定数Kを大きくする。例えば、予圧バルブ205(図3に示す)の開度を大きくすることにより、軸受装置の予圧を高くすることを最優先に行う。
そして、バネ定数Kを大きくしてもなお主軸20にびびり振動が発生する場合には、バネ定数Kを元に戻して、減衰係数Cを大きくする。つまり、変更する物理パラメータの第2番目の優先順位は、減衰係数Cに設定する。例えば、主軸20の外周面とハウジング10の内周面との径方向微小隙間への油の供給を制御する減衰付加用バルブ206(図3に示す)を油供給OFF状態から油供給ON状態に切り換える。
そして、減衰係数Cを大きくしてもなお主軸20にびびり振動が発生する場合には、バネ定数Kと減衰係数Cを共に大きくする。つまり、変更する物理パラメータの第3番目の優先順位は、バネ定数Kおよび減衰係数Cに設定する。そして、バネ定数Kおよび減衰係数Cを大きくしたとしてもなお主軸20にびびり振動が発生する場合には、主軸20を含む回転体の質量を変更する。本実施形態では、質量部材連結スイッチ207をONにすることにより、主軸20を含む回転体に質量部材140を含ませることで、当該回転体の質量を大きくする。つまり、変更する物理パラメータの第4番目の優先順位は、主軸20を含む回転体の質量Mに設定する。
なお、本実施形態においては、上記のように変更する物理パラメータの優先順位を設定したが、例えば、変更する物理パラメータの第5番目以降の優先順位として、回転体の質量Mに加えて、バネ定数Kや減衰係数Cを重畳させるものを設定しても良い。
次に、主軸装置のびびり振動抑制に関する制御ブロックについて、図3および図4を参照して説明する。図3に示すように、びびり振動抑制に関する制御ブロックは、変位センサ201、加工条件,刃具ホルダ情報202、解析部203、制御部204、予圧バルブ205、減衰付加バルブ206、および質量部材連結スイッチ207とから構成される。
変位センサ201は、図1に示すように、ハウジング10に固定され、ハウジング10に対する主軸20の外周面の径方向変位を検出する。加工条件および刃具ホルダ情報202は、作業者によって入力される。解析部203は、変位センサ201の検出値、または、加工条件,刃具ホルダ情報202の何れかを用いて、かつ、物理パラメータK,C,Mを適宜変更した状態において、径方向のびびり振動の発生の有無について解析により算出する。制御部204は、解析部203により得られた解析結果に従って、予圧バルブ205の開度、減衰付加バルブ206の油供給ON状態または油供給OFF状態への動作、および質量部材連結スイッチ207のONまたはOFF動作を制御する。
この解析部203の処理について図4を参照して説明する。図4に示すように、解析部203は、作業者によって入力された解析処理の種類を判定する(S1)。解析処理の種類としては、加工条件,刃具ホルダ情報に基づいた解析と、変位センサ201の検出値に基づいた解析とがある。
そして、作業者によって加工条件,刃具ホルダ情報に基づいた解析処理の種類が選択されている場合には、加工条件および刃具ホルダ情報を入力する(S2)。一方、作業者によって変位センサ201に基づいた解析処理の種類が選択されている場合には、変位センサ201の検出値、すなわちハウジング10に対する主軸20の径方向変位を入力する(S3)。続いて、入力した主軸20の径方向変位を元情報として、FFT解析を行う(S4)。
続いて、初期状態における主軸20の径方向のびびり振動解析を行う(S5)。初期状態とは、バネ定数K、減衰係数Cを初期設定値に設定しておき、かつ、質量部材連結スイッチ207をOFFとした状態である。なお、加工条件および刃具ホルダ情報に基づいた解析処理の場合には、当該情報を用いて、初期状態における主軸20の径方向のびびり振動解析を行う(S5)。一方、変位センサの検出値に基づいた解析処理の場合には、FFT解析の結果を用いて、初期状態における主軸20の径方向のびびり振動解析を行う(S5)。
続いて、初期状態におけるびびり振動解析の結果において、びびり振動の有無を判定して(S6)、びびり振動が発生していない場合には、その解析結果を記憶する(S10)。一方、初期状態におけるびびり振動解析においてびびり振動が発生した場合には、カウンタiを1に設定する(S7)。続いて、第i番目の優先順位の物理パラメータを変更した状態で、主軸20の径方向のびびり振動解析を行う(S8)。最初は、カウンタiが1であるので、第1番目の優先順位の物理パラメータであるバネ定数Kを所定の範囲内で変更し、主軸20の径方向のびびり振動解析を行う。
続いて、第i番目の優先順位の物理パラメータを変更した状態におけるびびり振動解析の結果において、びびり振動の有無を判定する(S9)。その結果、びびり振動が発生していない場合には、その解析結果を記憶する(S11)。つまり、第i番目の優先順位の物理パラメータを変更する情報を記憶する。
一方、第i番目の優先順位の物理パラメータを変更した状態におけるびびり振動解析の結果におけるびびり振動解析においてびびり振動が発生した場合には、現在のカウンタiが最大値maxであるか否かを判定する(S11)。現在のカウンタiが最大値maxでない場合には、カウンタiに1加算する(S12)。そして、ステップS8に戻り処理を繰り返す。現在のカウンタiが1であった場合には、次に、第2番目の優先順位の物理パラメータである減衰係数Cを大きくした状態で、主軸20の径方向のびびり振動解析を行う。その結果、びびり振動が無ければその解析結果を記憶する。
一方、びびり振動が発生していれば、次の優先順位(第3番目)の物理パラメータであるバネ定数Kを所定の範囲内で変更し且つ減衰係数Cを大きくした状態について、主軸20の径方向のびびり振動解析を行う。その結果、びびり振動が無ければその解析結果を記憶する。一方、びびり振動がまだ発生していれば、次の優先順位(第4番目)の物理パラメータである回転体の質量Mを大きくした状態について、主軸20の径方向のびびり振動解析を行う。その結果、びびり振動が無ければその解析結果を記憶する。
それでもなお、びびり振動が発生している場合には、カウンタiが最大値maxになるので(S11:Y)、加工条件を変更して(S13)、ステップS5から繰り返す。例えば、主軸20の回転速度を低くする。そして、物理パラメータK,C,Mを初期状態として、びびり振動解析を行い、びびり振動が発生しない場合には、その解析結果を記憶する。一方、加工条件を変更してもなおびびり振動が発生する場合には、さらに物理パラメータK,C,Mを変更優先順位に従って変更し、びびり振動解析を行う。
このように、変更する物理パラメータの優先順位を設定して、その変更優先順位に従って順次物理パラメータを変更していきながら、びびり振動が発生しない状態となるまで解析を行う。さらに、加工条件の変更を最終段階に設定することで、加工条件を変更することなく、物理パラメータK,C,Mの変更によりびびり振動の発生を抑制できる状態を得ることができる。
ここで、バネ定数Kの変更は、上述したように、例えば、軸受装置の予圧の変更により行うことができる。軸受装置の予圧の変更は容易に行うことができると共に、発熱が低い変更手段である。従って、バネ定数Kを最優先に変更することで、容易に実現できると共に、発熱を抑制できる。
また、減衰係数Cの変更は、上述したように、例えば、主軸20の外周面とハウジング10の内周面との径方向微小隙間に油などの粘性流体を介在させることにより、減衰係数Cの値を大きくできる。減衰係数Cの変更は、振動の抑制に大きな効果が期待できるが、油などの粘性流体のせん断抵抗による発熱の影響を考慮する必要がある。つまり、粘性流体を径方向微小隙間に介在させると、主軸20の回転に伴う粘性流体のせん断抵抗により発熱する。そこで、バネ定数Kの変更を減衰係数Cの変更よりも優先とすることで、発熱の影響を軽減できる。
また、第3番目の優先順位に、バネ定数Kの変更と減衰係数Cの変更を同時に行うこととすることで、主軸20の振動の抑制効果をより発揮できる。ただし、バネ定数Kのみの変更や減衰係数Cのみの変更の場合に比べると、調整が容易とはいえない。そこで、両者を含む場合の優先順位をそれぞれの場合の優先順位より下げることで、適切な処理が可能となる。
さらに、第4番目の優先順位である回転体の質量Mの変更により、回転体の共振点を変更することができ、結果として主軸20のびびり振動を抑制することができる。ただし、回転体の質量Mを変更するために質量部材140を着脱する場合には、回転体の質量Mを連続的に変更することは容易ではない。そこで、この優先順位をバネ定数Kおよび減衰係数Cの変更よりも低くする。つまり、調整の自由度が高いものおよび振動抑制効果が大きいものほど優先順位を上位として、調整の自由度が低い回転体の質量Mの変更の優先順位を低くすることで、適切に主軸20のびびり振動を抑制することができる。
<第一実施例>
上記においては、工作機械の主軸装置の機械構成を図1に示したようにモデル化したものとして説明した。このモデルの具体的な第一実施例として、図5および図6を参照して説明する。本実施例の工作機械の主軸装置は、図5に示すように、主として、ハウジング10と、主軸20と、転がり軸受装置30、40、50と、予圧付与ピストン部材60と、モータ70と、着脱部材130とを備えている。
ハウジング10は、前側ハウジング11と、中央ハウジング12と、第一後側ハウジング13と、第二後側ハウジング14と、スリーブ部材15と、ハウジングキャップ16とにより構成される。それぞれの部材11〜16は略円筒状に形成されており、それらの部材11〜16が一体に連結固定されることで、ハウジング10が略円筒状に形成されている。
スリーブ部材15は、軸方向中央部に径方向外方へ突出するリング状のフランジ部を有する。このスリーブ部材15のフランジ部が、前側ハウジング11と中央ハウジング12との軸方向間に配置される。さらに、スリーブ部材15におけるフランジ部の軸方向両側にある円筒部分が、中央ハウジング12の前側(軸方向において、刃具81の取付端側、図5において左側)端部の内周と前側ハウジング11の内周に嵌合されている。スリーブ部材15の内周面のうち軸方向中央部には、中央ハウジング12およびスリーブ部材15に形成された流体供給路91の油排出開口部が形成されている。この流体供給路91には、ポンプユニット(図示せず)が接続され、そのポンプユニットより所定の圧力に調整された油が供給される。
ハウジングキャップ16は、前側ハウジング11およびスリーブ部材15の軸方向前側端に取り付けられる。このハウジングキャップ16とスリーブ部材15とにより、第一前側転がり軸受装置30の外輪を軸方向間に挟んでいる。このハウジングキャップ16には、径方向の変位センサ201が固定されている。この変位センサ201は、ハウジングキャップ16に対する主軸20の外周面の径方向変位を検出する。
第二後側ハウジング14の内周面のうち軸方向前側は、軸方向前側が大径となるような段差形状に形成されている。この段差部分の大径部に、後述する着脱部材130が配置される。この第二後側ハウジング14には、エア供給路14aが形成されている。このエア供給路14aのエア排出開口部が、第二後側ハウジング14の内周面の大径側周面に形成されている。
主軸20は、略円筒状に形成されており、ハウジング10の内周面に転がり軸受装置30,40,50を介して回転自在に支持されている。主軸20の中空内部には、刃具81が固定されたホルダ82をクランプするクランプユニット83や、クランプユニット83を作動させるプッシュロッド84およびドローバー85が収容されている。また、主軸20の軸方向後側であって、第二後側ハウジング14の中空内部には、クランプユニット83を操作するためのシリンダ組立体86が配置されている。主軸20の外周面の軸方向中央部には、モータ70のロータ71が固定されている。このロータ71の外周側には、モータ70のステータ72が設けられている。このステータ72は、中央ハウジング12の内周面に嵌合固定されている。主軸20は、このモータ70により回転駆動されるようになっている。
第一,第二前側転がり軸受装置30,40は、それぞれ二対のアンギュラ玉軸受を備えて構成されている。第一前側転がり軸受装置30は、モータ70の軸方向前側(刃具81の取付端側)であって、前側ハウジング11の内周面と主軸20の外周面との間に嵌合される。第二前側転がり軸受装置40は、モータ70の軸方向前側であり、第一前側転がり軸受装置30の軸方向後側(刃具81の取付端側とは反対側)に配置される。この第二前側転がり軸受装置40は、スリーブ部材15の内周側に設けられた予圧付与ピストン部材60の内周面と主軸20の外周面との間に嵌合される。
第一前側転がり軸受装置30のアンギュラ玉軸受の接触角と、第二前側転がり軸受装置40のアンギュラ玉軸受の接触角は、軸直交平面に対して対称となるように設けられている。具体的には、第一前側転がり軸受装置30の外輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向後側(第二前側転がり軸受装置40側)に位置し、第二前側転がり軸受装置40の外輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向前側(刃具81の取付端側)に位置する。また、第一前側転がり軸受装置30の内輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向前側(刃具81の取付端側)に位置し、第二前側転がり軸受装置40の内輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向後側(モータ70側)に位置する。
後側転がり軸受装置50は、図5に示すように、一個の円筒ころ軸受を備えて構成されている。後側転がり軸受装置50は、モータ70の軸方向後側(刃具81の取付端側と反対側)であって、第一後側ハウジング13の内周面と主軸20の外周面との間に嵌合される。
予圧付与ピストン部材60は、略円筒状に形成されている。この予圧付与ピストン部材60は、スリーブ部材15の内周面と第二前側転がり軸受装置40の外輪の外周面との間に嵌合されている。この予圧付与ピストン部材60の外周面とスリーブ部材15に形成された流体供給路91の油排出開口部との間には、流体供給路91を介して供給された油が滞留する油滞留部92が環状に形成されている。この油滞留部92における油の圧力が高くなると、予圧付与ピストン部材60には、スリーブ部材15に対して軸方向後側へ移動する力が発生する。つまり、予圧付与ピストン部材60は、第二前側転がり軸受装置40の外輪を軸方向後側へ押圧する力が発生する。
従って、油滞留部92における油の圧力を高めることで、予圧付与ピストン部材60により第一,第二前側転がり軸受装置30,40に付与される予圧を高くすることになる。逆に、油滞留部92における油の圧力を低くすることで、第一,第二前側転がり軸受装置30,40に付与される予圧を低くすることになる。そして、油滞留部92には滞留する油の圧力を変更することで、第一,第二前側転がり軸受装置30,40には付与される予圧が変更される。これにより、バネ定数Kを変更することができる。
また、予圧付与ピストン部材60の外周面とスリーブ部材15の内周面との間において、油滞留部92の軸方向両側には、軸方向への油の漏洩を防止するためにOリングなどのシール部材が配置されている。
また、図5および図6に示すように、スリーブ部材15の内周面のうち第一前側転がり軸受装置30と第二前側転がり軸受装置40との軸方向間は、軸方向後側に向かって拡径するテーパ状に形成されている。このスリーブ部材15の内周テーパ面の径方向内側には、第一前側転がり軸受装置30と第二前側転がり軸受装置40の軸方向間に挟まれる内輪間座110が配置されている。そして、内輪間座110の外周面は、スリーブ部材15の内周テーパ面に対して径方向に対向するように軸方向後側に向かって拡径するテーパ状に形成されている。
スリーブ部材15の内周テーパ面の軸方向中央には、油供給用環状溝121が形成されている。この油供給用環状溝121には、図示しないポンプユニットに接続された油供給路121aの油排出開口部が形成されている。そして、油供給用環状溝121には、油排出開口部から油またはクーラントが排出される。このように、油供給用環状溝121に油またはクーラントを供給すると、油供給用環状溝121の軸方向両側に形成される微小隙間部122に油またはクーラントが滞留する。これにより、主軸20に対して減衰効果を発揮する。つまり、油またはクーラントが微小隙間部122に滞留することによる油膜ダンピング効果により、減衰係数Cが変更される。
また、スリーブ部材15の内周テーパ面のうち油供給用環状溝121より軸方向前側には、エア供給用環状溝125が形成されている。このエア供給用環状溝125には、図示しないポンプユニットに接続されたエア供給路125aのエア排出開口部が形成されている。つまり、エア供給用環状溝125には、エア排出開口部からエアが排出される。そして、エア排出開口部からエア供給用環状溝125にエアが排出されることにより、油供給用環状溝121に排出される油またはクーラントが第一前側転がり軸受装置30側へ侵入することを防止するためのエアシールを構成する。
また、図5および図6に示すように、スリーブ部材15の内周テーパ面のうち油供給用環状溝121より軸方向後側には、ドレン用環状溝126が形成されている。このドレン用環状溝126には、ドレン穴126aが連通している。つまり、油供給用環状溝121に供給される油またはクーラントおよびエア供給用環状溝125に供給されるエアが、ドレン用環状溝126を介してドレン穴126aから排出される。なお、スリーブ部材15の内周面を軸方向後側に向かって拡径するテーパ状とすることで、主軸20の中心軸よりも重力方向下側(図5および図6の中心軸より下側)において、エア供給用環状溝125の位置よりもドレン用環状溝126の位置が重力方向下側となる。これにより、油供給用環状溝121に供給される油またはクーラントおよびエア供給用環状溝125に供給されるエアを確実にドレンに導くことができる。
着脱部材130は、図5に示すように、第二後側ハウジング14の内周面のうち段差形状の大径部に配置される。着脱部材130は、クランプ装置150と、質量部材140とを備えて構成される。
質量部材140は、円環状に形成されており、第二後側ハウジング14の内周面の段差形状の大径部に配置される。この質量部材140は、主軸20と質量部材140の合計質量が主軸20の質量に対して回転体として影響を及ぼす程度の質量とされている。この質量部材140の外周面のうち軸方向前端に周溝141が形成されている。
そして、質量部材140の最外周面は、第二後側ハウジング14の内周面の段差形状の大径部との間に、微小隙間を介するように配置されている。さらに、質量部材140は、周溝141に対して第二後側ハウジング14のエア供給路14aのエア排出開口部が径方向に対向するように配置されている。つまり、周溝141は、エア供給路14aのエア排出開口部から排出されたエアが滞留するエア滞留領域140aを形成する。
このように、質量部材140は、第二後側ハウジング14に対して、エアを介して配置されている。つまり、質量部材140は、第二後側ハウジング14に対して相対回転可能に支持されていることになる。さらに、質量部材140の内部には、周溝141から軸方向前側端面に連通する連通路144が形成されている。つまり、エア滞留領域140aに滞留するエアは、この連通路144に流れ込む。
クランプ装置150は、本体部151とクランパ152とにより構成される。このクランプ装置150は、本体部151に高圧エアが供給されることで、クランパ152の径方向内側の突出量を変化する装置である。このクランプ装置150は、質量部材140の軸方向前側に固定され、質量部材140の連通路144の軸方向前側開口部から高圧エアの供給を受ける。そして、クランプ装置150の本体部151が、エア供給路14aおよび質量部材140の連通路144を介して高圧エアが供給されると、クランプ装置150のクランパ152の径方向内側への突出量が大きくなる。
このとき、クランパ152の内周面は、主軸20の外周面を押圧する。その結果、クランプ装置150は、主軸20と一体的状態となる。このようにクランプ装置150が主軸20と一体的状態となるとき、着脱部材130全体が主軸20に一体的状態となる。つまり、着脱部材130が主軸20と共に回転する。従って、主軸20と着脱部材130が回転体を構成する。このときの回転体の質量は、主軸20の質量に加えて、着脱部材130の質量が加算される。
一方、クランプ装置150の本体部151に供給されるエアの圧力が低くなると、クランパ152の径方向内側への突出量が小さくなる。そうすると、クランパ152の内周面は主軸20の外周面から離脱する。その結果、クランプ装置150を含む着脱部材130全体が、主軸20に対して分離状態となる。つまり、着脱部材130は主軸20と共に回転しない。従って、主軸20を含む回転体には、着脱部材130を含まない。このときの回転体の質量は、着脱部材130の質量は含まれない。このように、クランプ装置150の本体部151に供給されるエアの圧力を変更することにより、主軸20を含む回転体の質量Mを変更することができる。
<第二実施例>
また、第二実施例としての工作機械の主軸装置について、図7を参照して説明する。ここで、第二実施例の主軸装置は、第一実施例の主軸装置に対して、軸方向前側のみ相違する。そこで、以下、相違点のみについて説明し、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。ここで、第二実施例の主軸装置は、第一実施例の主軸装置に対して、減衰係数Cを変更するための構成が相違する。
第二実施例の主軸装置を構成するスリーブ部材315は、第一実施例におけるスリーブ部材15に対して、油供給用環状溝121、エア供給用環状溝125、油供給路121a、エア供給路125aが形成されていない構成としている。そして、スリーブ部材315の内周面のうち第一前側転がり軸受装置30と第二前側転がり軸受装置40との軸方向間は、テーパ状ではなく円筒内周面形状に形成されている。また、第二実施例の主軸装置を構成する第一前側転がり軸受装置30と第二前側転がり軸受装置40の軸方向間に挟まれる内輪間座310の外周面は、円筒外周面形状に形成されている。
また、ハウジングキャップ316の内周面のうち軸方向後側には、エア供給用環状溝321が形成されている。このエア供給用環状溝321には、図示しないポンプユニットに接続されたエア供給路321aのエア排出開口部が形成されている。そして、エア供給用環状溝321には、エア排出開口部からエアが排出される。つまり、エア排出開口部からエア供給用環状溝321にエアが排出されることにより、加工領域におけるクーラントや切粉が第一前側転がり軸受装置30側に侵入することを防止するためのエアシールを構成する。
さらに、ハウジングキャップ316の内周面のうち、エア供給用環状溝321よりも軸方向前側には、混合流体供給用環状溝322が形成されている。この混合流体供給用環状溝322には、図示しないポンプユニットに接続された混合流体供給路322aの混合流体排出開口部が形成されている。そして、混合流体供給用環状溝322には、混合流体排出開口部から、油またはクーラントと、エアのうち選択された流体が排出される。
ここで、混合流体供給路322aに供給する流体は、切替弁300によって、油またはクーラントと、エアとの選択が行われる。つまり、切替弁300によりエア供給源側が選択されている場合には、混合流体供給用環状溝322にはエアが排出される。このように、混合流体排出開口部から混合流体供給用環状溝322にエアが排出されることにより、加工領域におけるクーラントや切粉が第一前側転がり軸受装置30側に侵入することを防止するためのエアシールを構成する。つまり、エア供給用環状溝321と混合流体供給用環状溝322による二段階のエアシールが形成される。
一方、切替弁300により油またはクーラントの供給源側が選択されている場合には、混合流体供給用環状溝322には油またはクーラントが排出される。そして、混合流体供給用環状溝322に油またはクーラントを供給すると、混合流体供給用環状溝322の軸方向両側に形成される微小隙間部323に油またはクーラントが滞留する。これにより、主軸20に対して減衰効果を発揮する。つまり、油またはクーラントが微小隙間部322に滞留することによる油膜ダンピング効果により、減衰係数Cが変更される。
ここで、混合流体供給用環状溝322は、エア供給用環状溝321より第一前側転がり軸受装置30より軸方向前側に位置する。従って、混合流体供給用環状溝322に油またはクーラントが供給されるとしても、エア排出開口部からエア供給用環状溝321にエアが排出されることにより、混合流体供給用環状溝322に排出される油またはクーラントが第一前側転がり軸受装置30側へ侵入することを防止するためのエアシールとしても機能する。
10:ハウジング、 11:前側ハウジング、 12:中央ハウジング
13:第一後側ハウジング、 14:第二後側ハウジング、 14a:エア供給路
15:スリーブ部材、 16:ハウジングキャップ
20:主軸、 30,40,50:軸受装置、 60:予圧付与ピストン部材
70:モータ、 71:ロータ、 72:ステータ
81:刃具、 82:ホルダ、 83:クランプユニット、 84:プッシュロッド
85:ドローバー、 86:シリンダ組立体
91:流体供給路、 92:油滞留部、 110:内輪間座
121:油供給用環状溝、 121a:油供給路、 122:微小隙間部
125:エア供給用環状溝、 125a:エア供給路
126:ドレン用環状溝、 126a:ドレン穴
130:着脱部材、 140:質量部材、 140a:エア滞留領域
141:周溝、 144:連通路
150:クランプ装置、 151:本体部、 152:クランパ
201:変位センサ、 207:質量部材連結スイッチ
310:内輪間座、 315:スリーブ部材、 316:ハウジングキャップ
321:エア供給用環状溝、 321a:エア供給路
322:混合流体供給用環状溝、 322a:混合流体供給路
323:微小隙間部

Claims (6)

  1. 円筒形状に形成されたハウジングと、
    前記ハウジングの内周面に回転可能に支持された主軸と、
    前記ハウジングに対する前記主軸の振動を検出する振動検出手段と、
    前記ハウジングに対して前記主軸の支持におけるバネ定数、減衰係数、および、前記主軸を含む回転体の質量のうち少なくとも二つ以上の物理パラメータを変更する物理パラメータ変更手段と、
    変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類の変更優先順位を予め設定し、前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、予め設定された変更優先順位に従って前記物理パラメータ変更手段により変更可能な前記物理パラメータを変更させる振動抑制手段と、
    を備えることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  2. 請求項1において、
    前記物理パラメータ変更手段は、少なくとも前記バネ定数を変更可能であって、
    前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記バネ定数の変更を最優先順位に設定し、前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数の変更を最初に変更させることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  3. 請求項2において、
    前記物理パラメータ変更手段は、さらに前記減衰係数を変更可能であって、
    前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記減衰係数の変更を前記バネ定数の変更の次の優先順位に設定し、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数を変更したときに前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記減衰係数を次に変更させることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  4. 請求項3において、
    前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記バネ定数および前記減衰係数の変更を前記減衰係数の変更の次の優先順位に設定し、前記物理パラメータ変更手段により前記減衰係数を変更したときに前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数および前記減衰係数を次に変更させることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  5. 請求項4において、
    前記物理パラメータ変更手段は、さらに前記回転体の質量を変更可能であって、
    前記振動抑制手段は、変更可能な前記物理パラメータによる組み合わせ種類のうち前記回転体の質量の変更を前記バネ定数および前記減衰係数の変更の次の優先順位に設定し、前記物理パラメータ変更手段により前記バネ定数および前記減衰係数を変更したときに前記振動検出手段が前記主軸の振動を検出した場合に、前記物理パラメータ変更手段により前記回転体の質量を次に変更させることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項において、
    前記主軸の軸方向一側には、刃具または被加工物が取り付けられ、
    前記工作機械の主軸装置は、
    前記ハウジングの内周面に対して前記主軸の外周面を支持する軸受を備え、
    前記ハウジングのうち前記軸受が配置される軸方向位置よりも軸方向において刃具または被加工物の取付端側に第一エアシール用開口部が形成され、
    前記ハウジングのうち前記第一エアシール用開口部が形成される軸方向位置よりも軸方向において刃具またはワークの取付端側に第二エアシール用開口部が形成され、
    前記物理パラメータ変更手段は、前記第二エアシール用開口部にシール用エアと共に油またはクーラントを供給することにより、前記減衰係数を変更することを特徴とする工作機械の主軸装置。
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