JP2004353756A - 高速回転機械の振動抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転機械において振動が発生する場合に、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を最小限に抑制することができる高速回転機械の振動抑制方法を提供する。
【解決手段】高速回転機械1の回転軸を支持する軸受に給油圧力によりバネ定数及び/又は減衰係数が変化するすべり軸受を用い、すべり軸受の給油圧を変化させてバネ定数及び/又は減衰係数を変化させ、高速回転機械の共振点を運転回転数から遠ざける。
【選択図】 図3
【解決手段】高速回転機械1の回転軸を支持する軸受に給油圧力によりバネ定数及び/又は減衰係数が変化するすべり軸受を用い、すべり軸受の給油圧を変化させてバネ定数及び/又は減衰係数を変化させ、高速回転機械の共振点を運転回転数から遠ざける。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を抑制する高速回転機械の振動抑制装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターボ機械のすべり軸受は、高速で回転するジャーナルを小さい摩擦で支えるだけでなく、ローターに発生する様々な振動を抑制する機能を有する。すべり軸受は、その油膜の特性から振動抑制効果の点でころがり軸受よりも優れている。そのため、ガスタービン、蒸気タービン、コンプレッサ等の高速ターボマシンにはすべり軸受が多用されている。
【0003】
例えば、産業用ガスタービン等において、軸受はその運転領域において、振動が発生しないように、その剛性や減衰特性が設計される。また、軸受の特性を調整可能な軸受も、種々提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0004】
特許文献1の「スクイーズフィルムダンパ軸受」は、図5に示すように、軸受メタル52を内外面に突起を有しかつ周方向に等分割した1対の剛性の大きな同心化バネ53を介して軸受ケーシング54より支持し、軸受ケーシング内面と軸受メタル外面との間に均一な厚さの油膜を形成するものである。
【0005】
特許文献2の「減衰機能を備えたダンピング軸受」は、図6に示すように、回転軸61を支持するラジアル軸受62と、ラジアル軸受を支持する軸受サポート63と、軸受サポートを支持する軸受ハウジング64とを備える。軸受サポートは、軸受ハウジングにより半径方向に振動可能に弾性的に支持され、かつその間に油を密封させて振動を減衰させるようになっている。更に、軸受サポートに摩擦部材を軸方向に押付けるスラストダンパ装置を備えるものである。
【0006】
特許文献3の「軸受装置」は、図7に示すように、転がり軸受73の間座79の全体または一部を磁歪材料で構成し、その磁歪材量部分の磁気特性の変化を検出するコイル等の磁気特性変化検出手段72を設け、予圧の変化による間座79の磁気特性の変化を検出し、軸受の予圧を検出するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−261231号公報、「スクイーズフィルムダンパ軸受」
【特許文献2】
特開平9−269005号公報、「減衰機能を備えたダンピング軸受」
【特許文献3】
特開2001−254742号公報、「軸受装置」
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の「スクイーズフィルムダンパ軸受」は、軸の振れ回りを有効に減衰でき、フィルムダンパの性能予測の計算が可能であるが、運転中には剛性や減衰特性を変化できない。
特許文献2の「減衰機能を備えたダンピング軸受」は、運転中でも減衰力を調整できるが、構造が複雑であり、スクイズフィルムダンパを備えた軸受以外には適用が困難である。
特許文献3の「軸受装置」は、運転中でも予圧調整ができるが、軸受の剛性や減衰特性は調整できない。
【0009】
上述したように、軸受は、振動の発生を抑えるためのものであるが、設計計算の不一致等により実際の運転で振動が発生した場合、それを低減する手段がなく、回転機械において振動が発生すると、運転を中止するか、運転可能な回転速度範囲に制限する必要があった。
【0010】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、回転機械において振動が発生する場合に、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を最小限に抑制することができる高速回転機械の振動抑制方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、高速回転機械の回転軸を支持する軸受に給油圧力によりバネ定数及び/又は減衰係数が変化するすべり軸受を用い、すべり軸受の給油圧を変化させてバネ定数及び/又は減衰係数を変化させ、高速回転機械の共振点を運転回転数から遠ざける、ことを特徴とする高速回転機械の振動抑制方法が提供される。
【0012】
この方法により、回転機械において振動が発生する場合に、すべり軸受の給油圧を変化させてバネ定数及び/又は減衰係数を変化させるので、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整することができ、高速回転機械の共振点を運転回転数から遠ざけて、振動を抑制することができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記すべり軸受に潤滑油を加圧して供給するオイルポンプと、該潤滑油の給油圧を調節する圧力調節弁と、回転軸の振動変位を検出する変位ピックアップと、該検出した振動変位により圧力調節弁を制御する制御ユニットとを備え、振動変位が最小になるように給油圧を調節する。
【0014】
この方法により、制御ユニットにより圧力調節弁を制御し、潤滑油の給油圧を運転中に調整して振動変位が最小になるように軸受の剛性や減衰特性を調整するので、振動を最小限に抑制することができる。
【0015】
また、較正運転と常用運転とからなり、較正運転において、高速回転機械の回転速度を所定のステップで徐々に変化させ、各回転速度毎に給油圧力を変化させて最も振動を抑えられる最適給油圧を取得して記憶し、
常用運転において、高速回転機械の回転速度に応じて較正運転で得られた最適給油圧に設定する。
【0016】
この方法により、較正運転において、各回転速度毎に給油圧力を変化させて最も振動を抑えられる最適給油圧を取得して記憶するので、常用運転において、高速回転機械の回転速度に応じて較正運転で得られた最適給油圧に設定するだけで、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を最小限に抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明に適用するジャーナル軸受の特性例である。この図において、(A)はゾンマーフェルト数Sとバネ定数との関係図、(B)はゾンマーフェルト数Sと減衰係数との関係図である。また図1(A)におけるKxx,Kxy,Kyy,Kyx,−Kyxは異なる方向のバネ定数であり、図1(B)におけるCxx,Cxy,Cyx,Cyyは異なる方向の減衰係数である。
【0019】
ゾンマーフェルト数Sは、次の式(1)で与えられる。ここで、ηは粘性係数、Nは回転速度、Pmは軸受平均面圧、Rはジャーナル半径、Cは半径隙間である。
S=(ηN/Pm)(R/C)2・・・(1)
【0020】
軸受に給油圧力を変化させると、PmとCが変化するため、ゾンマーフェルト数Sが変化する。従って、図1から、給油圧力の変化によりゾンマーフェルト数Sを変化させ、バネ定数及び減衰係数を変化させることができることがわかる。
【0021】
図2は、本発明に適用するティルティングパッドジャーナル軸受の特性例である。この図において、(A)はゾンマーフェルト数Sとバネ定数との関係図、(B)はゾンマーフェルト数Sと減衰係数との関係図である。また図2(A)におけるKxx,Kyy,Kyxはx方向とy方向のバネ定数であり、図2(B)におけるCxx,Cyyはx方向とy方向の減衰係数である。
【0022】
図2からも、給油圧力の変化によりゾンマーフェルト数Sを変化させることにより、バネ定数及び減衰係数を変化させることができることがわかる。なお、図1、2の特性は、一例であり、通常、軸受毎に特性は相違する。また、ラジアル軸受に限定されず、スラスト軸受も同様の特性がある。
【0023】
図3は、本発明の方法を実施する振動抑制装置の構成図である。この図において、振動抑制装置は、高速回転機械1の回転軸を支持するすべり軸受に潤滑油を加圧して供給するオイルポンプ2と、潤滑油の給油圧を調節する圧力調節弁4と、回転軸の振動変位を検出する変位ピックアップ6と、検出した振動変位により圧力調節弁を制御する制御ユニット8とを備える。なお3、5は潤滑油、7は応答変位である。
高速回転機械1は、ガスタービン、蒸気タービン、コンプレッサ等の高速ターボ機械である。また高速回転機械1の回転軸を支持するすべり軸受には、図1、2に例示した給油圧力によりバネ定数及び/又は減衰係数が変化するすべり軸受を用いる。
【0024】
図4は、本発明の方法のフロー図である。この図に示すように、本発明の方法は、較正運転と常用運転とからなる。
較正運転(A)では、高速回転機械の回転速度を所定のステップで徐々に変化させ(S1)、各回転速度毎に給油圧力を変化させ(S2)、最も振動を抑えられる最適給油圧を取得して記憶する(S3)。
常用運転(B)では、高速回転機械の回転速度を検出し(S4)、回転速度に応じて較正運転(A)で得られた最適給油圧に設定する(S5)。
【0025】
以下、具体的に本発明の方法を説明する。
本発明の方法に基づく運転は、較正運転(A)と常用運転(B)の2段階に分かれる。
【0026】
較正運転(A)はまず、制御ユニット8にて高速回転機械1(例えばガスタービン本体)に回転数制御信号11を与える。制御ユニット8が圧力調節弁4を操作して軸受油圧を可変とする。その時の軸の振動を変位ピックアップ6で検出し、変位信号12として制御ユニット8が受け取る。さらに軸受油圧を可変制御し、変位が最小となる軸受給油圧を電磁弁開度フィードバック信号13として制御ユニット8が受け取る。この一連の動作をある一定の回転数ステップ毎に行い、回転数毎に最も振動を抑えられる最適給油圧を取得する。
【0027】
常用運転(B)では、較正運転(A)で得られた給油圧になるよう制御ユニット8が圧力調節弁4に最適軸受油油圧信号14を送ることにより、全ての回転数域で最も振動が小さい状態で運転することができる。
【0028】
上述したように、軸受給油圧を変更することにより、軸受の支持剛性、減衰特性、安定性を運転中に変化させることができるため、全ての回転数域において最も振動が小さい状態で運転することができる。また、振動が発生した場合、軸系の特性を変えるために大がかりな設計変更をする必要がない。
【0029】
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
上述したように、予め較正運転を行うことにより、回転数毎に最も振動を抑えられ最適給油圧を把握することができ、実際の運転において、較正運転で得られた給油圧になるようにバルブを制御することにより、全ての回転数域で最も振動が小さい状態で運転することができる。
従って、本発明の高速回転機械の振動抑制方法は、回転機械において振動が発生する場合に、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を最小限に抑制することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用するジャーナル軸受の特性例である。
【図2】本発明に適用するティルティングパッドジャーナル軸受の特性例である。
【図3】本発明の方法を実施する振動抑制装置の構成図である。
【図4】本発明の方法のフロー図である。
【図5】特許文献1の「スクイーズフィルムダンパ軸受」の模式図である。
【図6】特許文献2の「減衰機能を備えたダンピング軸受」の模式図である。
【図7】特許文献3の「軸受装置」の模式図である。
【符号の説明】
1 高速回転機械、2 オイルポンプ、3、5 潤滑油、
4 圧力調節弁、6 変位ピックアップ、7 応答変位、
8 制御ユニット、11 回転数制御信号、12 変位信号、
13 電磁弁開度フィードバック信号、14 最適軸受油油圧信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を抑制する高速回転機械の振動抑制装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターボ機械のすべり軸受は、高速で回転するジャーナルを小さい摩擦で支えるだけでなく、ローターに発生する様々な振動を抑制する機能を有する。すべり軸受は、その油膜の特性から振動抑制効果の点でころがり軸受よりも優れている。そのため、ガスタービン、蒸気タービン、コンプレッサ等の高速ターボマシンにはすべり軸受が多用されている。
【0003】
例えば、産業用ガスタービン等において、軸受はその運転領域において、振動が発生しないように、その剛性や減衰特性が設計される。また、軸受の特性を調整可能な軸受も、種々提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0004】
特許文献1の「スクイーズフィルムダンパ軸受」は、図5に示すように、軸受メタル52を内外面に突起を有しかつ周方向に等分割した1対の剛性の大きな同心化バネ53を介して軸受ケーシング54より支持し、軸受ケーシング内面と軸受メタル外面との間に均一な厚さの油膜を形成するものである。
【0005】
特許文献2の「減衰機能を備えたダンピング軸受」は、図6に示すように、回転軸61を支持するラジアル軸受62と、ラジアル軸受を支持する軸受サポート63と、軸受サポートを支持する軸受ハウジング64とを備える。軸受サポートは、軸受ハウジングにより半径方向に振動可能に弾性的に支持され、かつその間に油を密封させて振動を減衰させるようになっている。更に、軸受サポートに摩擦部材を軸方向に押付けるスラストダンパ装置を備えるものである。
【0006】
特許文献3の「軸受装置」は、図7に示すように、転がり軸受73の間座79の全体または一部を磁歪材料で構成し、その磁歪材量部分の磁気特性の変化を検出するコイル等の磁気特性変化検出手段72を設け、予圧の変化による間座79の磁気特性の変化を検出し、軸受の予圧を検出するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−261231号公報、「スクイーズフィルムダンパ軸受」
【特許文献2】
特開平9−269005号公報、「減衰機能を備えたダンピング軸受」
【特許文献3】
特開2001−254742号公報、「軸受装置」
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の「スクイーズフィルムダンパ軸受」は、軸の振れ回りを有効に減衰でき、フィルムダンパの性能予測の計算が可能であるが、運転中には剛性や減衰特性を変化できない。
特許文献2の「減衰機能を備えたダンピング軸受」は、運転中でも減衰力を調整できるが、構造が複雑であり、スクイズフィルムダンパを備えた軸受以外には適用が困難である。
特許文献3の「軸受装置」は、運転中でも予圧調整ができるが、軸受の剛性や減衰特性は調整できない。
【0009】
上述したように、軸受は、振動の発生を抑えるためのものであるが、設計計算の不一致等により実際の運転で振動が発生した場合、それを低減する手段がなく、回転機械において振動が発生すると、運転を中止するか、運転可能な回転速度範囲に制限する必要があった。
【0010】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、回転機械において振動が発生する場合に、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を最小限に抑制することができる高速回転機械の振動抑制方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、高速回転機械の回転軸を支持する軸受に給油圧力によりバネ定数及び/又は減衰係数が変化するすべり軸受を用い、すべり軸受の給油圧を変化させてバネ定数及び/又は減衰係数を変化させ、高速回転機械の共振点を運転回転数から遠ざける、ことを特徴とする高速回転機械の振動抑制方法が提供される。
【0012】
この方法により、回転機械において振動が発生する場合に、すべり軸受の給油圧を変化させてバネ定数及び/又は減衰係数を変化させるので、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整することができ、高速回転機械の共振点を運転回転数から遠ざけて、振動を抑制することができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記すべり軸受に潤滑油を加圧して供給するオイルポンプと、該潤滑油の給油圧を調節する圧力調節弁と、回転軸の振動変位を検出する変位ピックアップと、該検出した振動変位により圧力調節弁を制御する制御ユニットとを備え、振動変位が最小になるように給油圧を調節する。
【0014】
この方法により、制御ユニットにより圧力調節弁を制御し、潤滑油の給油圧を運転中に調整して振動変位が最小になるように軸受の剛性や減衰特性を調整するので、振動を最小限に抑制することができる。
【0015】
また、較正運転と常用運転とからなり、較正運転において、高速回転機械の回転速度を所定のステップで徐々に変化させ、各回転速度毎に給油圧力を変化させて最も振動を抑えられる最適給油圧を取得して記憶し、
常用運転において、高速回転機械の回転速度に応じて較正運転で得られた最適給油圧に設定する。
【0016】
この方法により、較正運転において、各回転速度毎に給油圧力を変化させて最も振動を抑えられる最適給油圧を取得して記憶するので、常用運転において、高速回転機械の回転速度に応じて較正運転で得られた最適給油圧に設定するだけで、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を最小限に抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明に適用するジャーナル軸受の特性例である。この図において、(A)はゾンマーフェルト数Sとバネ定数との関係図、(B)はゾンマーフェルト数Sと減衰係数との関係図である。また図1(A)におけるKxx,Kxy,Kyy,Kyx,−Kyxは異なる方向のバネ定数であり、図1(B)におけるCxx,Cxy,Cyx,Cyyは異なる方向の減衰係数である。
【0019】
ゾンマーフェルト数Sは、次の式(1)で与えられる。ここで、ηは粘性係数、Nは回転速度、Pmは軸受平均面圧、Rはジャーナル半径、Cは半径隙間である。
S=(ηN/Pm)(R/C)2・・・(1)
【0020】
軸受に給油圧力を変化させると、PmとCが変化するため、ゾンマーフェルト数Sが変化する。従って、図1から、給油圧力の変化によりゾンマーフェルト数Sを変化させ、バネ定数及び減衰係数を変化させることができることがわかる。
【0021】
図2は、本発明に適用するティルティングパッドジャーナル軸受の特性例である。この図において、(A)はゾンマーフェルト数Sとバネ定数との関係図、(B)はゾンマーフェルト数Sと減衰係数との関係図である。また図2(A)におけるKxx,Kyy,Kyxはx方向とy方向のバネ定数であり、図2(B)におけるCxx,Cyyはx方向とy方向の減衰係数である。
【0022】
図2からも、給油圧力の変化によりゾンマーフェルト数Sを変化させることにより、バネ定数及び減衰係数を変化させることができることがわかる。なお、図1、2の特性は、一例であり、通常、軸受毎に特性は相違する。また、ラジアル軸受に限定されず、スラスト軸受も同様の特性がある。
【0023】
図3は、本発明の方法を実施する振動抑制装置の構成図である。この図において、振動抑制装置は、高速回転機械1の回転軸を支持するすべり軸受に潤滑油を加圧して供給するオイルポンプ2と、潤滑油の給油圧を調節する圧力調節弁4と、回転軸の振動変位を検出する変位ピックアップ6と、検出した振動変位により圧力調節弁を制御する制御ユニット8とを備える。なお3、5は潤滑油、7は応答変位である。
高速回転機械1は、ガスタービン、蒸気タービン、コンプレッサ等の高速ターボ機械である。また高速回転機械1の回転軸を支持するすべり軸受には、図1、2に例示した給油圧力によりバネ定数及び/又は減衰係数が変化するすべり軸受を用いる。
【0024】
図4は、本発明の方法のフロー図である。この図に示すように、本発明の方法は、較正運転と常用運転とからなる。
較正運転(A)では、高速回転機械の回転速度を所定のステップで徐々に変化させ(S1)、各回転速度毎に給油圧力を変化させ(S2)、最も振動を抑えられる最適給油圧を取得して記憶する(S3)。
常用運転(B)では、高速回転機械の回転速度を検出し(S4)、回転速度に応じて較正運転(A)で得られた最適給油圧に設定する(S5)。
【0025】
以下、具体的に本発明の方法を説明する。
本発明の方法に基づく運転は、較正運転(A)と常用運転(B)の2段階に分かれる。
【0026】
較正運転(A)はまず、制御ユニット8にて高速回転機械1(例えばガスタービン本体)に回転数制御信号11を与える。制御ユニット8が圧力調節弁4を操作して軸受油圧を可変とする。その時の軸の振動を変位ピックアップ6で検出し、変位信号12として制御ユニット8が受け取る。さらに軸受油圧を可変制御し、変位が最小となる軸受給油圧を電磁弁開度フィードバック信号13として制御ユニット8が受け取る。この一連の動作をある一定の回転数ステップ毎に行い、回転数毎に最も振動を抑えられる最適給油圧を取得する。
【0027】
常用運転(B)では、較正運転(A)で得られた給油圧になるよう制御ユニット8が圧力調節弁4に最適軸受油油圧信号14を送ることにより、全ての回転数域で最も振動が小さい状態で運転することができる。
【0028】
上述したように、軸受給油圧を変更することにより、軸受の支持剛性、減衰特性、安定性を運転中に変化させることができるため、全ての回転数域において最も振動が小さい状態で運転することができる。また、振動が発生した場合、軸系の特性を変えるために大がかりな設計変更をする必要がない。
【0029】
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
上述したように、予め較正運転を行うことにより、回転数毎に最も振動を抑えられ最適給油圧を把握することができ、実際の運転において、較正運転で得られた給油圧になるようにバルブを制御することにより、全ての回転数域で最も振動が小さい状態で運転することができる。
従って、本発明の高速回転機械の振動抑制方法は、回転機械において振動が発生する場合に、軸受の剛性や減衰特性を運転中に調整して振動を最小限に抑制することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用するジャーナル軸受の特性例である。
【図2】本発明に適用するティルティングパッドジャーナル軸受の特性例である。
【図3】本発明の方法を実施する振動抑制装置の構成図である。
【図4】本発明の方法のフロー図である。
【図5】特許文献1の「スクイーズフィルムダンパ軸受」の模式図である。
【図6】特許文献2の「減衰機能を備えたダンピング軸受」の模式図である。
【図7】特許文献3の「軸受装置」の模式図である。
【符号の説明】
1 高速回転機械、2 オイルポンプ、3、5 潤滑油、
4 圧力調節弁、6 変位ピックアップ、7 応答変位、
8 制御ユニット、11 回転数制御信号、12 変位信号、
13 電磁弁開度フィードバック信号、14 最適軸受油油圧信号
Claims (3)
- 高速回転機械の回転軸を支持する軸受に給油圧力によりバネ定数及び/又は減衰係数が変化するすべり軸受を用い、すべり軸受の給油圧を変化させてバネ定数及び/又は減衰係数を変化させ、高速回転機械の共振点を運転回転数から遠ざける、ことを特徴とする高速回転機械の振動抑制方法。
- 前記すべり軸受に潤滑油を加圧して供給するオイルポンプと、該潤滑油の給油圧を調節する圧力調節弁と、回転軸の振動変位を検出する変位ピックアップと、該検出した振動変位により圧力調節弁を制御する制御ユニットとを備え、振動変位が最小になるように給油圧を調節する、ことを特徴とする請求項1に記載の高速回転機械の振動抑制方法。
- 較正運転と常用運転とからなり、
較正運転において、高速回転機械の回転速度を所定のステップで徐々に変化させ、各回転速度毎に給油圧力を変化させて最も振動を抑えられる最適給油圧を取得して記憶し、
常用運転において、高速回転機械の回転速度に応じて較正運転で得られた最適給油圧に設定する、ことを特徴とする請求項2に記載の高速回転機械の振動抑制方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151869A JP2004353756A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 高速回転機械の振動抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003151869A JP2004353756A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 高速回転機械の振動抑制方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004353756A true JP2004353756A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34047236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003151869A Pending JP2004353756A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 高速回転機械の振動抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004353756A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008131713A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Nishishiba Electric Co Ltd | 回転機の潤滑油装置 |
JP2011235363A (ja) * | 2010-05-06 | 2011-11-24 | Jtekt Corp | 工作機械の主軸装置 |
EP2813317A1 (en) * | 2013-06-10 | 2014-12-17 | Jtekt Corporation | Main spindle unit with damper bearing |
CN114688157A (zh) * | 2020-12-25 | 2022-07-01 | 上海电气电站设备有限公司 | 一种用于汽轮机的液磁耦合轴承装置及汽轮机 |
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2003
- 2003-05-29 JP JP2003151869A patent/JP2004353756A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008131713A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Nishishiba Electric Co Ltd | 回転機の潤滑油装置 |
JP2011235363A (ja) * | 2010-05-06 | 2011-11-24 | Jtekt Corp | 工作機械の主軸装置 |
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CN114688157A (zh) * | 2020-12-25 | 2022-07-01 | 上海电气电站设备有限公司 | 一种用于汽轮机的液磁耦合轴承装置及汽轮机 |
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