JP2011234553A - ステータの製造方法およびステータ - Google Patents

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昭博 渡辺
Taro Miyakawa
太郎 宮川
Takahiro Tsutsui
隆裕 筒井
Kenji Fukuda
健児 福田
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Abstract

【課題】占積率の高いトロイダル巻のコイルを同一形状に効率よく形成することができるステータの製造方法およびステータの提供を課題とする。
【解決手段】各相コイル20a,20b,20cの+θ側の巻き始め端部35aと、2相隔てた各相コイル20a,20b,20cの−θ側の巻き終わり端部35bとに、θ方向に沿って順に各相バスリング(母線)67a,67b,67cを接続する各相バスリング接続工程と、各相バスリング67a,67b,67cが接続されていない+θ側の巻き始め端部35aおよび−θ側の巻き終わり端部35bに中性点バスリング(中性点)68を接続する中性点接続工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

この発明は、ステータの製造方法およびステータに関するものである。
近年、燃料電池自動車やハイブリッド自動車、電気自動車など、車両駆動用の電動機を搭載した車両が次々と開発されている。電動機としては、軸線周りに回転自在に支持されるとともに、永久磁石が配設されたロータと、ロータの周囲に配置されるとともに、コイルが配されたステータとを備えたものが一般的である。ここで、コイルの巻き回し方法の一つとして、トロイダル巻が知られている。
例えば、特許文献1の電動機の固定子(本願のステータに相当)は、環状のヨークと、ヨークの内径側および外径側の少なくとも一方にティースを有する固定子コア(本願のステータコアに相当)と、ステータコアを覆う絶縁カバー(本願のインシュレータに相当)と、固定子コアに絶縁カバーを介してトロイダル巻で巻き回された3相巻線とを有している。3相巻線の第1相、第2相および第3相のそれぞれは、複数のトロイダルコイル(本願のコイルに相当)とコイル間を接続する渡り線とを有しており、各相のコイルは直列に巻き回されている。
国際公開第2007/138923号パンフレット
ところで、トロイダル巻のステータでは、同相のコイル間に配置されたティースを通過する磁束の方向を同一にするため、ステータの周方向に沿って配置される同相のコイルを、正相と逆相とに交互に割り当てている。一般には、隣接する各相コイルの巻き回し方向を変えることで、各相コイルを正相と逆相とに割り当てる。しかし、この場合、隣接する各相のコイルの巻き回し方向が異なるため、各相のコイルを同一形状で形成することができない。したがって、各相のコイルを作り分ける必要があるため、同一形状に効率よくコイルを形成することができない。
また、特許文献1のようにコイルを直列に接続すると、導線長が長くなりコイルの電気抵抗値が増加する。そのため、一般に直列接続の場合、コイルの抵抗値の増加を抑制するために、断面積の大きい導線を使用する。しかし、断面積の大きい導線を使用すると、導線を巻き回す際に導線の曲げRが大きくなる、いわゆる巻太りが発生する。したがって、コイルの占積率が低下する。
そこで本発明は、占積率の高いトロイダル巻のコイルを同一形状に効率よく形成することができるステータの製造方法およびステータの提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のステータ(例えば、実施形態におけるステータ21)の製造方法は、複数の分割コア(例えば、実施形態における分割コア45)を円環状に連結して形成され、複数のティース(例えば、実施形態におけるティース32)と、隣り合う前記ティース間に形成されるヨーク(例えば、実施形態におけるヨーク33)と、を有するステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア41)に、複数のコイル(例えば、実施形態におけるコイル20)をトロイダル状に配置したステータの製造方法であって、前記ステータコアの周方向(例えば、実施形態におけるθ方向)の一方側に巻き始め端部(例えば、実施形態における巻き始め端部35a)が、前記周方向の他方側に巻き終わり端部(例えば、実施形態における巻き終わり端部35b)が配置されるように前記各コイルを形成するコイル形成工程(例えば、実施形態におけるコイル形成工程S10)と、前記各コイルを前記各分割コアの前記ヨークに挿入するコイル挿入工程(例えば、実施形態におけるコイル挿入工程S20)と、前記各コイルが挿入された6の倍数個の前記各分割コアを円環状に連結して、前記ステータコアを形成するステータコア形成工程(例えば、実施形態におけるステータコア形成工程S30)と、前記周方向に沿って順に、第1相コイル(例えば、実施形態におけるU相コイル20a)と第2相コイル(例えば、実施形態におけるV相コイル20b)と第3相コイル(例えば、実施形態におけるW相コイル20c)とに割り当て、前記第1相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第1相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に第1相母線(例えば、実施形態におけるU相バスリング67a)を接続し、前記第2相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第2相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に第2相母線(例えば、実施形態におけるV相バスリング67b)を接続し、前記第3相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第3相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に第3相母線(例えば、実施形態におけるW相バスリング67c)を接続する母線接続工程(例えば、実施形態における各相バスリング接続工程S50)と、前記各相母線が接続されていない前記一方側の巻き始め端部および前記他方側の巻き終わり端部に中性点(例えば、実施形態における中性点バスリング68)を接続する中性点接続工程(例えば、実施形態における中性点バスリング接続工程S60)と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、各相コイルの一方側の巻き始め端部と、2相隔てた各相コイルの他方側の巻き終わり端部とに各相母線を接続している。これにより、一方側の巻き始め端部から他方側の巻き終わり端部へかけて励磁電流が流れるコイルと、他方側の巻き終わり端部から一方側の巻き始め端部へかけて励磁電流が流れるコイルと、を形成することができる。すなわち、各相コイルに流す励磁電流の方向を変えて、各相コイルを正相と逆相とに割り当てている。このように、各相コイルの巻き回し方向が同一のまま、各相コイルを正相と逆相とに割り当てることができるので、各相コイルを作り分ける必要がなく、同一形状に効率よくコイルを形成することができる。また、本発明では、ステータの周方向にそって各相コイルの正相と逆相とが交互に配置されるので、滑らかな回転磁界が得られる。さらに、各相コイルの一方側の巻き始め端部と、2相隔てた同相コイルの他方側の巻き終わり端部とに、各相母線を接続することで、各相コイルを並列接続できる。ここで、各相コイルを並列接続することで各相コイルの励磁電流を分配できるため、各相コイルを直列接続した場合と比較して、各相コイルを流れる電流は小さくなる。これにより、各相コイルを直列接続した場合と比較して、断面積の小さい導線を使用してコイルを形成することができる。したがって、巻太りがなく、占積率の高いトロイダル巻のコイルを形成することができる。
また、前記各コイルの前記一方側の巻き始め端部と前記他方側の巻き終わり端部とが、それぞれ隣り合う前記各コイルの間に設けられており、前記母線接続工程および前記中性点接続工程は、前記各コイル間で、前記各相母線および前記中性点を前記コイルに接続することが望ましい。
本発明によれば、各コイル間のティースが配置されたスペースを有効に利用して、各コイルと各相母線および中性点とを接続する。したがって、軸方向にスペースを有することなく、コンパクトなステータを製造することができる。また、各コイル間で各コイルと各相母線および中性点とを接続するので、例えばヒュージングで接続する場合には、ヒュージング電極の挿入スペースを確保でき、ヒュージングを容易に行うことができる。
また、前記コイル形成工程は、筒状のインシュレータ(例えば、実施形態におけるインシュレータ50)に導線(例えば、実施形態における導線35)を巻きつけて前記コイルを形成し、前記コイル挿入工程は、前記コイルを前記インシュレータごと前記ヨークに挿入することが望ましい。
本発明によれば、インシュレータをヨークに挿入する前に、インシュレータに導線を巻き回してコイルを形成している。これにより、インシュレータをステータコアに組み付けた後に導線を巻き回す場合と比較して、簡単に導線を巻き回すことができる。したがって、ステータの生産性を向上することができる。また、筒状のインシュレータを用いることにより、コイルをインシュレータごとヨークに挿入するだけで、簡単にコイルとステータコアとの電気絶縁を確保することができる。
また、前記各相母線の相対移動を規制する規制クリップを前記各相母線に接続する母線規制工程(例えば、実施形態における各相バスリング規制工程S40)を有することが望ましい。
本発明によれば、母線規制工程後の母線接続工程で、各相母線の位置決めを一度に容易に行うことができる。したがって、ステータの生産性が向上する。
また、本発明のステータは、複数の分割コアを円環状に連結して形成され、複数のティースと、隣り合う前記ティース間に形成されるヨークと、を有するステータコアに、複数のコイルをトロイダル状に配置したステータであって、前記各コイルは、前記ステータコアの周方向の一方側に巻き始め端部が、前記周方向の他方側に巻き終わり端部が配置されて形成され、前記ステータコアは、前記各コイルが挿入された6の倍数個の前記各分割コアを円環状に連結して形成され、前記各コイルは、前記周方向に沿って順に、第1相コイルと第2相コイルと第3相コイルとに割り当てられ、前記第1相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第1相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に接続される第1相バスリングと、前記第2相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第2相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に接続される第2相バスリングと、前記第3相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第3相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に接続される第3相バスリングと、前記各相バスリングが接続されていない前記一方側の巻き始め端部と、前記他方側の巻き終わり端部とに接続される中性点バスリングと、を有しており、前記各相バスリングは、前記ステータの内周および前記ステータの外周のいずれか一方に沿って設けられ、前記中性点バスリングは、前記ステータの前記内周および前記外周のいずれか他方に沿って設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、各相コイルの一方側の巻き始め端部と、2相隔てた各相コイルの他方側の巻き終わり端部とに各相母線を接続しているので、各相コイルに流れる励磁電流の方向を変えて、各相コイルを正相と逆相とに割り当てることができる。したがって、各相コイルで巻き回し方向が同一のまま、各相コイルを正相と逆相とに割り当てることができるので、各相のコイルを作り分ける必要がなく、同一形状に効率よくコイルを形成することができる。また、ステータの周方向にそって各相コイルの正相と逆相とが交互に配置されるので、滑らかな回転磁界が得られる。さらに、各相コイルの一方側の巻き始め端部と、2相隔てた同相コイルの他方側の巻き終わり端部とに各相バスリングを接続することで、各相コイルを簡単に並列接続できる。これにより、巻太りがなく、占積率の高いトロイダル巻のコイルを形成することができる。
また、前記コイルは、筒状のインシュレータに導線を巻きつけて形成されており、前記インシュレータには、前記導線の前記一方側の巻き始め端部および前記他方側の巻き終わり端部を固定する位置決め部(例えば、実施形態における係止溝63,64)が形成されていることが望ましい。
本発明によれば、一方側の巻き始め端部および他方側の巻き終わり端部を固定する位置決め部が形成されているので、一方側の巻き始め端部および他方側の巻き終わり端部の位置を精度よく決めることができる。したがって、各相バスリングおよび中性点バスリングをコイルに精度良く接続することができる。
また、前記インシュレータには、前記各相バスリングおよび前記中性点バスリングのうち少なくとも一方を固定する固定溝が形成されていることが望ましい。
本発明によれば、固定溝に各相バスリングおよび中性点バスリングのうち少なくとも一方を挿入して固定することにより、各相バスリングおよび中性点バスリングのうち少なくとも一方をステータに対して強固に固定し、コイルとの電気絶縁を確保することができる。
また、前記固定溝には前記中性点バスリングが固定されており、前記各相バスリングは、前記各相バスリングの相対移動を規制する規制クリップ(例えば、実施形態における規制クリップ80)を備え、前記規制クリップは、前記周方向の前記各コイル間であって、前記各相バスリングおよび前記中性点バスリングと前記導線との接続部より、前記ステータコアの径方向(例えば、実施形態におけるR方向)の外側に固定されていることが望ましい。
本発明によれば、規制クリップは、各コイル間における、各相バスリングおよび中性点バスリングとコイルとの接続部の前記径方向の外側に配置されている。これにより、各コイルのインシュレータと規制クリップとで囲まれた領域が形成されるので、その領域に絶縁部材をポッティングすることで、接続部を覆うことができる。したがって、接続部の絶縁を確実に確保できる。また、絶縁部材を注入することで、固定溝に固定されていない各相バスリングもステータに固定されるので、ステータの耐振動性が向上する。
本発明によれば、各相コイルの一方側の巻き始め端部と、2相隔てた各相コイルの他方側の巻き終わり端部とに各相母線を接続している。これにより、一方側の巻き始め端部から他方側の巻き終わり端部へかけて励磁電流が流れるコイルと、他方側の巻き終わり端部から一方側の巻き始め端部へかけて励磁電流が流れるコイルと、を形成することができる。すなわち、各相コイルに流す励磁電流の方向を変えて、各相コイルを正相と逆相とに割り当てている。このように、各相コイルの巻き回し方向が同一のまま、各相コイルを正相と逆相とに割り当てることができるので、各相コイルを作り分ける必要がなく、同一形状に効率よくコイルを形成することができる。また、本発明では、ステータの周方向にそって各相コイルの正相と逆相とが交互に配置されるので、滑らかな回転磁界が得られる。さらに、各相コイルの一方側の巻き始め端部と、2相隔てた同相コイルの他方側の巻き終わり端部とに、各相母線を接続することで、各相コイルを並列接続できる。ここで、各相コイルを並列接続することで各相コイルの励磁電流を分配できるため、各相コイルを直列接続した場合と比較して、各相コイルを流れる電流は小さくなる。これにより、各相コイルを直列接続した場合と比較して、断面積の小さい導線を使用してコイルを形成することができる。したがって、巻太りがなく、占積率の高いトロイダル巻のコイルを形成することができる。
車両用電動機の概略構成断面図である。 図1のA−A線における断面図である。 本実施形態の分割コアの斜視図である。 本実施形態のインシュレータの斜視図である。 コイルの斜視図である。 給配電構造の概略説明図である。 各相バスリングの斜視図である。 中性点バスリングの斜視図である。 ステータの製造方法のフローチャートである。 コイル挿入工程の説明図である。 各相バスリング規制工程の説明図である。 各相バスリング規制工程の説明図であり、図12(a)は各相バスリング配置時の説明図であり、図12(b)は各相バスリング位置決め時の説明図である。 各相バスリング接続工程の説明図である。 ポッティングの説明図である。
(モータ)
以下に、本実施形態の電動機(以下「モータ」という。)につき図面を参照して説明する。本実施形態では車両に搭載される車両用電動機(以下「モータユニット」という。)を用いて説明する。
以下の説明では、モータの径方向をR方向、モータの軸方向をZ方向、モータの周方向をθ方向とし、必要に応じて、これらR、Zおよびθの円筒座標系を使用して説明する。なお、Z方向の一方側を+Z側とし、他方側を−Z側とする。R方向の外周側を+R側とし、内周側を−R側とする。また、+Z側から見て時計回り方向を+θ側とし、反時計周り方向を−θ側とする。
図1はモータユニット10の概略構成断面図である。
図2は図1のA−A線における断面図である。なお、図2では図面の簡略のため、インシュレータ、各相バスリングおよび中性点バスリングの図示を省略している。
図1および図2に示すように本実施形態のモータユニット10は、ステータ21およびロータ22を備えたモータ23がモータハウジング11内に収容されている。モータハウジング11の+Z側には、モータ23の出力軸24の回転数を検出する回転センサ(不図示)を収容するセンサハウジング13が締結されている。また、モータハウジング11の−Z側には、モータ23の出力軸24からの動力を伝達するギヤなどの動力伝達部(不図示)を収容するミッションハウジング12が締結されている。なお、モータ23の出力軸24は、モータユニット10の動力伝達部を介して車両の駆動軸に連結されている。この駆動軸が回転することにより、駆動軸に連結された車輪が回転して、車両を移動させることができる。
(モータハウジング)
モータハウジング11は、アルミ等からなる部材であり、ダイキャスト等により成型される。モータハウジング11は、モータ23を収容可能な略有底筒状に形成されている。モータハウジング11におけるセンサハウジング13が締結される+Z側は、出力軸24が挿通される貫通孔16を除いて壁部17で閉塞されている。一方、モータハウジング11におけるミッションハウジング12が締結される−Z側には、モータ23を挿入するための略円形の開口15が形成されている。また、モータハウジング11の内周面18には、−Z側から+Z側に向けて縮径する段差部19が形成されている。この段差部19には、ステータ21を支持固定するためのステータホルダ30が締結されるように構成されている。
(ステータホルダ)
図1および図2に示すように、ステータホルダ30は、鉄等からなる円筒状の部材であり、例えばプレスにより成型される。ステータホルダ30の円筒部30aには、後述するように、分割コア45が所定個数(本実施形態では、24個)円環状に連結された状態で固定される。また、ステータホルダ30の−Z側には、+R側へ突出したフランジ部34が形成されている。また、フランジ部34にはボルト孔が複数(本実施形態では、4個)形成されている。これにより、ボルト48を用いてモータハウジングにステータホルダ30を締結固定することができる。
また、モータハウジング11とミッションハウジング12との境界部における−Z側には、モータ23の出力軸24の一端を回転自在に支持するベアリング26が設けられ、モータハウジング11とセンサハウジング13との境界部におけるモータハウジング11の貫通孔16には、モータ23の出力軸24の+Z側を回転自在に支持するベアリング27が設けられている。
(ロータ)
出力軸24の外周面にはロータ22が取り付けられている。ロータ22は、出力軸24を挿通させるための貫通孔31を備え、例えば圧入により出力軸24に固定される。ロータ22が軸中心に回転することにより、出力軸24も同時に軸中心に回転可能に構成されている。なお、出力軸24は、中空形状に形成されている。これにより、出力軸24を軽量化できるとともに、モータ23を冷却する冷媒の通路としても利用することができる。
ロータ22の外周縁近傍には、ステータ21と対向するように永久磁石29が周方向に沿って複数(本実施形態では、8個)設けられている。なお、ロータ22の外周側にN極が着磁された永久磁石29Nと、ロータ22の外周側にS極が着磁された永久磁石29Sとが、ロータ22の周方向に交互に配されている。
ロータ22は、略円盤状の電磁鋼板等の磁性板からなる部材であり、プレスにより成型された磁性板を複数積層することにより形成される。このとき、各磁性板を重ねてカシメることにより、各磁性板には凸部(ダボ)が形成される。このダボにより各磁性板を連結して積層固定することができる。なお、各磁性板を接着することにより積層してもよい。
(ステータ)
図2に示すように、本実施形態のステータ21は、円環状に形成されたステータコア41と、トロイダル状に配置された複数のコイル20と、を備えている。
本実施形態のステータコア41は、分割コア45を円環状に複数個(本実施形態では24個)連結することにより形成されている。
図3は、本実施形態の分割コア45の斜視図である。
図3に示すように、分割コア45には、ティース32およびヨーク33がZ方向から見て略L字状になるように直交して配置されている。分割コア45は、電磁鋼板等の磁性板により形成された分割コア片43からなる部材である。分割コア45とすることにより、磁性板から分割コア片43を形成することで、良好な材料歩留まりとすることができる。前述のロータと同様に、各分割コア片43をカシメて積層固定することにより形成される。本実施形態では、ダボ44は、ティース32とヨーク33との境界部における外周縁近傍と、ヨーク33における隣接する分割コア45との境界部の外周縁近傍と、の2箇所に形成されている。2箇所のダボ44でカシメることにより、分割コア片43が位置ずれするのを防止している。
さらに、分割コア45は膨出部36を備えている。
図2に示すように本実施形態の膨出部36は、分割コア45のZ方向から見て略矩形状に、ティース32から+R側に突出して形成されている。膨出部36には、Z方向に貫通する肉抜き部37が形成されている。本実施形態の肉抜き部37は、Z方向から見て、ティース32のθ方向を長軸方向としR方向を短軸方向とした略長円形状に形成されている。この肉抜き部37によってフラックスバリアが形成される。このように形成された分割コア45を所定数(本実施形態では、24個)円環状に連結し、ステータホルダ30に固定することにより、図2に示す円環状のステータ21が形成される。
(インシュレータ)
図4はインシュレータ50の斜視図である。
インシュレータ50は、ステータコアに挿入され、ヨークおよびティースの周面を覆う略筒状の部材である。インシュレータ50は、例えば樹脂などの絶縁部材からなり、インジェクション成型により形成される。インシュレータ50は略筒状に形成されているので、インシュレータ50をステータコアに挿入するだけで簡単に装着することができる。
図4に示すように、インシュレータ50は、分割コアのヨークが挿入される挿入部51が形成された導線巻付部52と、導線巻付部52のθ方向における両端の開口縁部からフランジ状にZ方向およびR方向に立設された一対の壁部53,54とを備えている。導線巻付部52の−R側周面57および+R側周面58にはガイド溝59が形成されており、導線がガイド溝に案内されて隙間なく巻き回される。壁部53の−Z側には、後述するコイルの導線の巻き始め端部を係止するための係止溝63が、壁部54の+R側には、導線の巻き終わり端部を係止するための係止溝64がそれぞれ形成されている。
また、インシュレータ50の−θ側には、ティースの−Z側を覆うティースカバー部55が形成されている。導線巻付部52へ巻き回された導線の他端は、係止溝64に係止されてティースカバー部55上に配される。これにより、後述する給電端子および中点端子とコイルとのヒュージング部とティースとの電気絶縁を確保している。
図4に示すように、インシュレータ50の−Z側における内周側には、後述する中性点バスリングを挿入するための固定溝69が形成されている。固定溝69の幅は、中性点バスリングの導線の直径と略同一かそれよりも若干広く形成されている。固定溝69の深さは、中性点バスリングの導線の直径よりも深く形成されている。固定溝69は、Z方向から見て略円弧状に形成されており、インシュレータ50を分割コアに装着して分割コアを連結した際に、ステータコア41のティースの内周面に沿った略円環形状となる。この複数の固定溝69で形成された略円環形状の直径は、中性点バスリングの直径と略同一である。中性点バスリングを固定溝69に挿入することにより、中性点バスリングをステータコアのティースの内周面に沿って、インシュレータ50の−Z側に配置することができる。
(コイル)
図5はコイルの斜視図である。
図5に示すように、本実施形態のコイル20は、インシュレータ50に導線35を巻き回すことで形成される。コイル20が巻き回されたインシュレータ50を、コイル20ごと分割コア45のヨークに挿入して、U相、V相およびW相を構成する各相コイル20a,20b,20cを形成している。なお、詳細は後述するが、各相コイル20a,20b,20cは同一の巻き回し方向で同一に形成される。したがって、各相コイル20a,20b,20cを作り分ける必要がなく、同一形状に効率よく各相コイル20a,20b,20cを形成することができる。また、インシュレータ50に先に導線35を巻き回して各相コイル20a,20b,20cを形成し、その後ステータコアにインシュレータごと各相コイル20a,20b,20cを挿入する。したがって、容易にステータに各相コイル20a,20b,20cを形成することができる。
(各相バスリング)
図6は給配電構造の概略説明図である。
図7は各相バスリングの斜視図である。
図6および図7に示すように、本実施形態のステータは、U相コイル20aを接続するU相バスリング67aと、V相コイル20bを接続するV相バスリング67bと、W相コイル20cを接続するW相バスリング67cと、を有している。各相バスリング67a,67b,67cは、ステータコアの外周に沿って配置されている。これにより、各相バスリング67a,67b,67cと外部との電気的接続が容易となる。なお、各相バスリング67a,67b,67cは同様の構造であるため、以下ではU相バスリング67aを中心に説明する。
U相バスリング67aは、銅等の導電部材からなる円環状の部材である。U相バスリング67aの表面には樹脂等の絶縁被覆が形成されている。また、U相バスリング67aには、U相コイル20aとU相バスリング67aとの接続部となる、絶縁被膜が剥がされた露出部70aが形成されている。露出部70aは、U相コイル20aの巻き始め端部35aおよび2相隔てたU相コイル20aの巻き終わり端部35bに対応した位置に、Z方向から見て−R方向に突出するように略U字形状に湾曲形成されている。
また、露出部70aには、+Z側に延びる給電端子85が設けられている。給電端子85の両端には、+Z側および−Z側に開口部を有する略U字形状の一対の把持部85aが形成されている。一方側の把持部85aは、例えばヒュージングにより、予めU相バスリング67aに接続されている。また、他方側の把持部85aは、例えばヒュージングによりコイル20の巻き始め端部35aまたは巻き終わり端部35bに接続される。ここで、各相バスリング67a,67b,67cはZ方向に積層されている。したがって、コイル20の巻き始め端部35aおよび巻き終わり端部35bまでのZ方向における距離が、各相バスリング毎に異なる。しかし、各相バスリングの露出部70a,70b,70cをZ方向に湾曲させることにより、各相バスリングの露出部70a,70b,70cと、コイル20の巻き始め端部35aまたは巻き終わり端部35bとのZ方向における距離を同一としている。したがって、各相バスリング67a,67b,67cに設けられる給電端子85を共用化することができる。さらに、各相におけるコイル20の巻き始め端部35aおよび巻き終わり端部35bと給電端子85とのヒュージング部が、R方向およびZ方向で同じ位置となる。したがって、各相におけるヒュージング端子を共用化することができる。
このように形成された各相バスリング67a,67b,67cは、複数の規制クリップ80で各相バスリング67a,67b,67cの相対移動を規制しつつ、Z方向に沿って同軸に積層して配置される。
規制クリップ80は、底面部80aと、底面部80aのθ方向の両端から底面部80aに対して−R側に立設された一対の側面部80bと、を有する樹脂等からなる部材である。一対の側面部80bの先端には、各相バスリング67a,67b,67cの直径と略同一の幅を有する切り欠き部80cが、所定のピッチで3箇所形成されている。そして、R方向から、規制クリップ80の切り欠き部80cに各相バスリング67a,67b,67cを挿入することにより、各相バスリング67a,67b,67cの相対移動を規制しつつ、Z方向に同軸に積層して各相バスリング67a,67b,67cを配置することができる。
また、規制クリップ80の+Z側には、+Z方向に突出して先端が開口し、θ方向から見て略U字形状をした位置決め部81が形成されている。位置決め部81で、ステータコア41の膨出部36の外周面と、肉抜き部37の+R側内周面(図3参照)とを挟み込むことにより、規制クリップ80をステータコアに固定することができる。
(中性点バスリング)
図8は中性点バスリングの斜視図である。
図6および図8に示すように、本実施形態のステータは、U相コイル20a、V相コイル20bおよびW相コイル20cの中点を接続する中性点バスリング68を有している。中性点バスリング68は、各相バスリング67a,67b,67cと同様、銅等の導電部材からなる円環状の部材である。また、各相コイル20a,20b,20cの中点に対応した位置には、+R側に延びる中点端子86が設けられている。中点端子86は、+Z側に開口部を有する略U字形状の把持部86aが2箇所形成されている。中点端子86は、例えばヒュージングにより、予め中性点バスリング68に接続されている。また、把持部86aは、例えばヒュージングによりコイル20の巻き始め端部35aおよび巻き終わり端部35bに接続される。ここで、各相コイル20a,20b,20cは同一形状に形成されている。したがって、コイル20の巻き始め端部35aおよび巻き終わり端部35bに対する中性点バスリング68の中点端子86のヒュージング部は、前述の各相バスリング67a,67b,67cの給電端子85のヒュージング部と、R方向およびZ方向で同じ座標となる。したがって、中性点バスリング68のヒュージング時に使用するヒュージング端子は、前述の各相バスリング67a,67b,67cのヒュージング時の使用したヒュージング端子と共用化することができる。
なお、後述するように、本実施形態の中性点バスリング68は、インシュレータの固定溝69(図4参照)に挿入されてステータに配置されるため、固定溝69により中性点バスリング68とコイルとの絶縁が確保できる。したがって、中性点バスリング68の表面には、絶縁被覆を形成しなくてもよい。
(給配電構造)
図6に示すように、上述した各相バスリング67a,67b,67cおよび中性点バスリング68は、各相コイル20a,20b,20cに接続される。
具体的には、U相コイル20a(U1+)の+θ側の巻き始め端部35aにU相バスリング67aの給電端子85が接続されている。また、+θ方向に2相隔てたU相コイル20a(U2−)の−θ側の巻き終わり端部35bに、U相バスリング67aの給電端子85が接続されている。以降、U相バスリング67aは同様の順序で接続され、U相コイル20a(U8−)の−θ側の巻き終わり端部35bに、U相バスリング67aの給電端子85が接続されている。
また、V相コイル20b(V1−)の−θ側の巻き終わり端部35bにV相バスリング67bの給電端子85が接続されている。また、+θ方向に2相隔てたV相コイル20b(V2)の+θ側の巻き始め端部35aに、V相バスリング67bの給電端子85が接続されている。以降、V相バスリング67bは同様の順序で接続され、V相コイル20b(U8+)の+θ側の巻き始め端部35aに、V相バスリング67bの給電端子85が接続されている。
また、W相コイル20c(W1+)の+θ側の巻き始め端部35aにW相バスリング67cの給電端子85が接続されている。また、+θ方向に2相隔てたW相コイル20c(W2−)の−θ側の巻き終わり端部35bに、W相バスリング67cの給電端子85が接続されている。以降、W相バスリング67cは同様の順序で接続され、W相コイル20c(U8−)の−θ側の巻き終わり端部35bに、W相バスリング67cの給電端子85が接続されている。
また、図6に示すように、上述した中性点バスリング68は、各相コイル20a,20b,20cの中点に接続される。
具体的には、U相コイル20a(U1+)の−θ側の巻き終わり端部35bと、V相コイル20b(V1−)の+θ側の巻き始め端部35aとに中性点バスリング68の中点端子86が接続されている。また、U相コイル20a(U1+)とV相コイル20a(V1−)との中点から+θ方向に2相隔てた、V相コイル20b(V2+)の−θ側の巻き終わり端部35bと、W相コイル20c(W2−)の+θ側の巻き始め端部35aとに、中性点バスリング68の中点端子86が接続されている。以降、中性点バスリング68は、各相バスリングが接続されていない各相の+θ側の巻き始め端部35aと−θ側の巻き終わり端部35bとに、同様に接続されている。
上述のように各相バスリング67a,67b,67cおよび中性点バスリング68を各相コイル20a,20b,20cに接続することにより、θ方向に沿って各相コイル20a,20b,20cの正相と逆相とが交互に配置される。したがって、滑らかな回転磁界が得られる。さらに、各相コイル20a,20b,20cの+θ側の巻き始め端部と、2相隔てた同相コイルの−θ側の巻き終わり端部とに、各相バスリング67a,67b,67cを接続することで、各相コイル20a,20b,20cを並列接続できる。これにより、各相コイル20a,20b,20cを直列接続した場合と比較して、各相コイル20a,20b,20cを流れる電流は小さくなる。したがって、断面積の小さい導線35を使用してコイル20を形成することができ、巻太りがなく、占積率の高いトロイダル巻のコイル20を形成することができる。
上述した各相バスリング67a,67b,67cおよび中性点バスリング68と、各相コイル20a,20b,20cとの接続部の周辺には絶縁部材が充填される。具体的には、各相バスリング67a,67b,67cをステータコアに配置すると、インシュレータと、規制クリップ80とで囲まれた領域が形成され、この領域の内側に、例えばシリコン樹脂等の絶縁部材をポッティングする。これにより、各相バスリング67a,67b,67cおよび中性点バスリング68と、各相コイル20a,20b,20cとの接続部を確実に絶縁することができる。
(ステータの製造方法)
次に、本実施形態のステータの製造方法について説明する。
図9は本実施形態のステータの製造方法のフローチャートである。
図9に示すように、本実施形態のステータの製造方法は、主に、コイル形成工程S10と、コイル挿入工程S20と、ステータコア形成工程S30と、各相バスリング(母線)規制工程S40と、各相バスリング(母線)接続工程S50と、中性点バスリング(中性点)接続工程S60と、を有している。
(コイル形成工程)
図10はコイル形成工程S10およびコイル挿入工程S20の説明図である。
まず、インシュレータ50の導線巻付部52(図4参照)に導線35を巻き回してコイル20を形成するコイル形成工程S10を行う。
具体的には、インシュレータ50の+θ側に配置された係止溝63に導線35を係止して巻き始め端部35aを形成する。次に、導線巻付部の周面に沿うように所定回数かつ所定の方向に導線35を巻き回す。最後に、インシュレータ50の−θ側に配置された係止溝64に導線35を係止して巻き終わり端部35bを形成する。
前述のとおり、各相コイル20a,20b,20cの巻き回し方向が同一のまま、各相コイル20a,20b,20cを正相と逆相とに割り当てることができるので、各相コイル20a,20b,20cで巻き回し方向を変える必要がない。したがって、同一形状に効率よくコイル20を形成することができる。また、インシュレータ50をヨークに挿入する前に、導線35を巻き回してコイル20を形成するので、簡単に導線35を巻き回すことができる。
また、前述のとおり、各相コイルは20a,20b,20c並列接続されるため、各相コイル20a,20b,20cを直列接続した場合と比較して、各相コイル20a,20b,20cを流れる電流は小さくなる。したがって、各相コイル20a,20b,20cを直列接続した場合と比較して、断面積の小さい導線35を使用してコイル20を形成している。これにより、巻太りがなく、占積率の高いトロイダル巻のコイル20を形成することができる。さらに、導線35の断面積が小さいので、インシュレータに導線35を低いテンションで巻きまわすことができる。したがって、導線35表面の絶縁被膜にかかる負担を軽くできるので、廉価な導線35を使用することができる。
(コイル挿入工程)
次に、コイル20を分割コア45に挿入するコイル挿入工程S20を行う。コイル挿入工程S20では、インシュレータ50に導線35を巻き回して形成したコイル20を、インシュレータ50ごと分割コア45のヨーク33に挿入する。インシュレータ50は略筒状に形成されているので、インシュレータ50を分割コア45に挿入するだけで、簡単にコイル20と分割コア45とを絶縁することができる。
(ステータコア形成工程)
次に、分割コア45を円環状に連結して、ステータコア41(図2参照)を形成するステータコア形成工程S30を行う。
具体的には、コイル20およびインシュレータ50が挿入された分割コア45を、所定個数(本実施形態では、24個)円環状に連結する。その後、ステータホルダ30の円筒部30aに、ステータコア41の膨出部36を圧入して円環状のステータ21を形成する(図2参照)。膨出部36の肉抜き部37によりフラックスバリアが形成されるので、ステータコア41からステータホルダ30への磁束漏れを抑制することができる。また、ステータコア41およびステータホルダ30は、同じ鉄系の材料で形成されるため、略同一の線膨張係数を有している。したがって、高温および低温環境下でもステータコア41およびステータホルダ30の固定状態が緩むことはない。なお、ステータコア41とステータホルダ30との固定方法は圧入に限らず、例えば焼き嵌めでもよい。
(各相バスリング規制工程)
図11は各相バスリング規制工程S40の説明図である。
次に、図11に示すように、各相バスリング67a,67b,67cの相対移動を規制する各相バスリング規制工程S40を行う。
具体的には、−Z側から+Z側に向かって、同軸にU相バスリング67a,V相バスリング67b,W相バスリング67cの順に各相バスリングを積層して配置する。その後、+R側から−R側に向かって規制クリップ80を移動させ、規制クリップ80の切り欠き部80cに各相バスリング67a,67b,67cを挿入して固定する。これにより、各相バスリング67a,67b,67cの相対移動を規制することができるので、後述のように、各相バスリング67a,67b,67cの位置決めを一度に容易に行うことができる。したがって、ステータの生産性が向上する。
図12は各相バスリング規制工程S40の説明図であり、図12(a)は各相バスリング配置時の説明図であり、図12(b)は各相バスリング位置決め時の説明図である。
各相バスリング規制工程S40では、続いて、各相バスリング67a,67b,67cを各相コイル20a,20b,20cに接続できるように、所定位置に各相バスリング67a,67b,67cを配置する。具体的には、各相コイル20a,20b,20cの+θ側の巻き始め端部35aおよび−θ側の巻き終わり端部35bに、各相バスリング67a,67b,67cの給電端子85の把持部85aを挿入して配置する。なお、各相コイル20a,20b,20cと各相バスリング67a,67b,67cとの接続箇所については、給配電構造の説明の際に詳述しているので省略する。
ここで、規制クリップ80の+Z側には、+Z方向に突出して先端が開口し、θ方向から見て略U字形状をした位置決め部81が形成されている。図12(b)に示すように、位置決め部81でステータコア41の膨出部36の外周面36aと、肉抜き部37の+R側内周面37aとを挟み込んで各相バスリング67a,67b,67cを配置する。これにより、各相バスリング67a,67b,67cを精度良く位置決めすることができる。規制クリップ80は、各コイル20間における、各相バスリング67a,67b,67cとコイル20との接続部の+R側に配置される。
(各相バスリング接続工程)
図13は各相バスリング接続工程S50の説明図である。
続いて、ヒュージングにより各相バスリング67a,67b,67cを各相コイル20a,20b,20cに接続する各相バスリング接続工程S50を行う。具体的には、図13に示すように、給電端子85の把持部85aのR方向からヒュージング電極77で把持部85aを挟んで加圧しつつ、ヒュージング電極77に電流を流してヒュージングする。本実施形態では、各コイル20間のティース32が配置されたスペースに各相バスリング67a,67b,67cとコイル20との接続部が設けられている。したがって、ヒュージングの際に、ヒュージング電極77を挿入するスペースを確保できるので、ヒュージングを容易に行うことができる。また、前述のとおり、給電端子85を各相で共用化しており、各相におけるコイル20の巻き始め端部35aおよび巻き終わり端部35bと給電端子85とのヒュージング部が、R方向およびZ方向で同じ位置となる。したがって、各相におけるヒュージング端子を共用化することができる。
(中性点バスリング接続工程)
次に、中性点バスリング68を各相コイル20a,20b,20cに接続する中性点バスリング接続工程S60を行う。図13に示すように、インシュレータ50の−R側に形成された固定溝69に中性点バスリング68を挿入する。このように、インシュレータ50の固定溝69に中性点バスリング68を挿入して固定することにより、中性点バスリング68をステータに対して強固に固定することができる。
このとき、前述の各相バスリングと同様に、各相コイル20a,20b,20cの+θ側の巻き始め端部35aおよび−θ側の巻き終わり端部35bに、中性点バスリング68の中点端子86の把持部86a(図8参照)を挿入して配置する。さらに、インシュレータ50の固定溝69はZ方向に十分な深さを有しているので、中性点バスリング68とコイル20との間には、固定溝69の深さと略同等の沿面距離が形成される。したがって、中性点バスリング68とコイル20との間で絶縁距離を確保できるので、中性点バスリング68とコイル20とで電気絶縁を確保することができる。
その後、中性点バスリング68をコイル20にヒュージング接続する。ヒュージングの方法は、前述した各相バスリングのヒュージングと同様であるため、説明は省略する。ここで、前述のとおり、中性点バスリング68のヒュージング部は、前述の各相バスリング67a,67b,67cのヒュージング部と、R方向およびZ方向で同じ座標となる。したがって、中性点バスリング68のヒュージング時に使用するヒュージング端子は、前述の各相バスリング67a,67b,67cのヒュージング時の使用したヒュージング端子と共用化することができる。
図14はポッティングの説明図である。
図14に示すように、各相バスリング67a,67b,67cを所定位置に配置して、規制クリップ80を固定すると、インシュレータ50の壁部53と、+θ方向に隣接するインシュレータ50の壁部54と、固定溝69と、規制クリップ80とで囲まれた領域Sが形成される。この領域Sの内側に、例えばシリコン樹脂等の絶縁部材90をポッティングすることで、給電端子85および中点端子86を絶縁部材90で覆うことができる。したがって、各相バスリング67a,67b,67cおよび中性点バスリング68と、コイル20との接続部の電気絶縁を確実に確保できる。さらに、絶縁部材90を領域Sにポッティングすることで、各相バスリング67a,67b,67cがステータ21に固定されるので、ステータ21の耐振動性を向上することができる。
本実施形態によれば、図6に示すように、各相コイル20a,20b,20cの+θ側の巻き始め端部35aと、2相隔てた各相コイル20a,20b,20cの−θ側の巻き終わり端部35bとに各相バスリング67a,67b,67cを接続している。これにより、+θ側の巻き始め端部35aから−θ側の巻き終わり端部35bへかけて励磁電流が流れる正相のコイルと、−θ側の巻き終わり端部35bから+θ側の巻き始め端部35aへかけて励磁電流が流れる逆相のコイルと、を形成することができる。すなわち、各相コイル20a,20b,20cに流す励磁電流の方向を変えて、各相コイル20a,20b,20cを正相と逆相とに割り当てている。このように、各相コイル20a,20b,20cの巻き回し方向が同一のまま、各相コイル20a,20b,20cを正相と逆相とに割り当てることができるので、各相コイル20a,20b,20cを作り分ける必要がなく、同一形状に効率よくコイルを形成することができる。また、θ方向に沿って各相コイル20a,20b,20cの正相と逆相とが交互に配置されるので、滑らかな回転磁界が得られる。さらに、各相コイル20a,20b,20cの+θ側の巻き始め端部と、2相隔てた同相コイルの−θ側の巻き終わり端部とに、各相バスリング67a,67b,67cを接続することで、各相コイル20a,20b,20cを並列接続できる。ここで、各相コイル20a,20b,20cを並列接続することで、各相コイル20a,20b,20cの励磁電流を分配できるため、各相コイル20a,20b,20cを直列接続した場合と比較して、各相コイル20a,20b,20cを流れる電流は小さくなる。これにより、各相コイル20a,20b,20cを直列接続した場合と比較して、断面積の小さい導線35を使用してコイル20を形成することができる。したがって、巻太りがなく、占積率の高いトロイダル巻のコイル20を形成することができる。さらに、導線35の断面積が小さいので、インシュレータに導線35を低いテンションで巻きまわすことができる。したがって、インシュレータの肉厚を薄くすることができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態では、ヒュージングにより各相バスリングおよび中性点バスリングをコイルに接続しているが、接続方法はヒュージングに限られない。例えば、各相バスリングの給電端子および中性点バスリングの給電端子をコイルの導線に圧着して接続することができる。ただし、強固に接続できる点で本実施形態に優位性がある。
本実施形態では、インシュレータの固定溝に中性点バスリングが挿入されて配置されているが、固定溝に各相バスリングを挿入して固定してもよい。この場合には、規制クリップで中性点バスリングをステータコアに固定してもよい。また、固定溝はステータの内径側に形成されているが、ステータの外径側に形成してもよいし、前記内径側および外径側の双方に形成してもよい。
本実施形態では、規制クリップを用いて各相バスリングの相対位置を規制しているが、例えば、アウトサート成型により規制部材を形成して、各相バスリングの相対位置を規制してもよい。ただし、部品の成型のしやすさという点で、本実施形態の規制クリップに優位性がある。
20・・・コイル 20a・・・U相(第1相)コイル 20b・・・V相(第2相)コイル 20c・・・W相(第3相)コイル 21・・・ステータ 22・・・ロータ 30・・・ステータホルダ 32・・・ティース 33・・・ヨーク 35・・・導線 35a・・・巻き始め端部 35b・・・巻き終わり端部 41・・・ステータコア 45・・・分割コア 50・・・インシュレータ 63・・・係止溝 64・・・係止溝 67a・・・U相バスリング(第1相母線) 67b・・・V相バスリング(第2相母線) 67c・・・W相バスリング(第3相母線) 68・・・中性点バスリング 69・・・固定溝 76・・・吐出孔 80・・・規制クリップ S10・・・コイル形成工程 S20・・・コイル挿入工程 S30・・・ステータコア形成工程 S40・・・各相バスリング(母線)規制工程 S50・・・各相バスリング(母線)接続工程 S60・・・中性点バスリング(中性点)接続工程

Claims (8)

  1. 複数の分割コアを円環状に連結して形成され、複数のティースと、隣り合う前記ティース間に形成されるヨークと、を有するステータコアに、複数のコイルをトロイダル状に配置したステータの製造方法であって、
    前記ステータコアの周方向の一方側に巻き始め端部が、前記周方向の他方側に巻き終わり端部が配置されるように前記各コイルを形成するコイル形成工程と、
    前記各コイルを前記各分割コアの前記ヨークに挿入するコイル挿入工程と、
    前記各コイルが挿入された6の倍数個の前記各分割コアを円環状に連結して、前記ステータコアを形成するステータコア形成工程と、
    前記周方向に沿って順に、前記各コイルを、第1相コイルと第2相コイルと第3相コイルとに割り当て、
    前記第1相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第1相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に第1相母線を接続し、
    前記第2相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第2相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に第2相母線を接続し、
    前記第3相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第3相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に第3相母線を接続する母線接続工程と、
    前記各相母線が接続されていない前記一方側の巻き始め端部および前記他方側の巻き終わり端部に中性点を接続する中性点接続工程と、
    を有することを特徴とするステータの製造方法。
  2. 請求項1に記載のステータの製造方法であって、
    前記各コイルの前記一方側の巻き始め端部と前記他方側の巻き終わり端部とが、それぞれ隣り合う前記各コイルの間に設けられており、
    前記母線接続工程および前記中性点接続工程は、前記各コイル間で、前記各相母線および前記中性点を前記コイルに接続することを特徴とするステータの製造方法。
  3. 請求項1に記載のステータの製造方法であって、
    前記コイル形成工程は、筒状のインシュレータに導線を巻きつけて前記コイルを形成し、
    前記コイル挿入工程は、前記コイルを前記インシュレータごと前記ヨークに挿入することを特徴とするステータの製造方法。
  4. 請求項1に記載のステータの製造方法であって、
    前記各相母線の相対移動を規制する規制クリップを前記各相母線に接続する母線規制工程を有することを特徴とするステータの製造方法。
  5. 複数の分割コアを円環状に連結して形成され、複数のティースと、隣り合う前記ティース間に形成されるヨークと、を有するステータコアに、複数のコイルをトロイダル状に配置したステータであって、
    前記各コイルは、前記ステータコアの周方向の一方側に巻き始め端部が、前記周方向の他方側に巻き終わり端部が配置されて形成され、
    前記ステータコアは、前記各コイルが挿入された6の倍数個の前記各分割コアを円環状に連結して形成され、
    前記各コイルは、前記周方向に沿って順に、第1相コイルと第2相コイルと第3相コイルとに割り当てられ、
    前記第1相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第1相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に接続される第1相バスリングと、
    前記第2相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第2相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に接続される第2相バスリングと、
    前記第3相コイルの前記一方側の巻き始め端部と、2相隔てた前記第3相コイルの前記他方側の巻き終わり端部とに、前記周方向に沿って順に接続される第3相バスリングと、
    前記各相バスリングが接続されていない前記一方側の巻き始め端部と、前記他方側の巻き終わり端部とに接続される中性点バスリングと、
    を有しており、
    前記各相バスリングは、前記ステータの内周および前記ステータの外周のいずれか一方に沿って設けられ、前記中性点バスリングは、前記ステータの前記内周および前記外周のいずれか他方に沿って設けられていることを特徴とするステータ。
  6. 請求項5に記載のステータであって、
    前記コイルは、筒状のインシュレータに導線を巻きつけて形成されており、
    前記インシュレータには、前記導線の前記一方側の巻き始め端部および前記他方側の巻き終わり端部を固定する位置決め部が形成されていることを特徴とするステータ。
  7. 請求項6に記載のステータであって、
    前記インシュレータには、前記各相バスリングおよび前記中性点バスリングのうち少なくとも一方を固定する固定溝が形成されていることを特徴とするステータ。
  8. 請求項7に記載のステータであって、
    前記固定溝には前記中性点バスリングが固定されており、
    前記各相バスリングは、前記各相バスリングの相対移動を規制する規制クリップを備え、
    前記規制クリップは、前記周方向の前記各コイル間であって、前記各相バスリングおよび前記中性点バスリングと前記導線との接続部より、前記ステータコアの径方向の外側に固定されていることを特徴とするステータ。

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