JP2011234529A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性および安全性を向上させることが可能な駆動装置を提供する。
【解決手段】この駆動装置は、誘電エラストマからなる変位層11を含む高分子アクチュエータ10と、高分子アクチュエータ10を略無負荷状態または所定方向に歪むような負荷状態に設定する予歪設定機構20と、高分子アクチュエータ10に駆動電圧を印加するドライバ回路150と、高分子アクチュエータ10が所定方向に歪んだことを検知する検知スイッチ160とを備えている。そして、上記高分子アクチュエータ10は、予歪設定機構20によって歪みが与えられた状態のときのみ、ドライバ回路150から駆動電圧が印加される。
【選択図】図1
【解決手段】この駆動装置は、誘電エラストマからなる変位層11を含む高分子アクチュエータ10と、高分子アクチュエータ10を略無負荷状態または所定方向に歪むような負荷状態に設定する予歪設定機構20と、高分子アクチュエータ10に駆動電圧を印加するドライバ回路150と、高分子アクチュエータ10が所定方向に歪んだことを検知する検知スイッチ160とを備えている。そして、上記高分子アクチュエータ10は、予歪設定機構20によって歪みが与えられた状態のときのみ、ドライバ回路150から駆動電圧が印加される。
【選択図】図1
Description
本発明は、駆動装置に関し、特に、高分子アクチュエータを備えた駆動装置に関する。
従来、微小変位を発生させるための変位素子として、高分子アクチュエータが知られている。このような高分子アクチュエータは、柔軟で大量作製が可能なうえ製造コストも安くできると考えられているため、様々な方式が研究されている。
一方、高分子アクチュエータ以外の従来のアクチュエータも進歩してきており、高分子ならではの特徴というものが重要視されつつある。その特徴中で注目されているものの1つが変位率であり、高分子アクチュエータの中で変位率が大きく取れる代表的なアクチュエータが誘電型ポリマーアクチュエータである。
誘電型ポリマーアクチュエータは、軟弾性誘電エラストマを軟弾性電極で挟んだ構成を有しており、電極間に電圧が印加されると、電極間に発生したクーロン力で誘電エラストマが弾性範囲内で押圧変形されて変位が出力される。
また、従来、誘電型ポリマーアクチュエータに用いた場合に、アクチュエータとしての性能を向上させることが可能な誘電エラストマが知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
上記特許文献1には、誘電エラストマを引き延ばすことによって予歪を与え、これによって誘電エラストマの応答性等を上げる手法が開示されている。すなわち、誘電エラストマは、延伸させたい方向に予歪を与えるとアクチュエータとしての性能(応答性、伸縮効率、絶縁抵抗)が向上するため、上記特許文献1では、誘電エラストマを延伸加工し、その状態を保持したまま誘電型ポリマーアクチュエータを作製している。なお、上記特許文献1では、誘電エラストマを塑性変形させた後にアクチュエータとして使用することにも言及している。
また、上記特許文献2には、予歪ではなく、加硫(重合硬化)前に圧延処理を行うことで、上記特許文献1と同様の効果を得ることが可能な誘電体エラストマ膜が開示されている。
ここで、大凡の高分子材料は破断応力に比べて小さな応力(たとえば、破断応力の50%程度)においても長時間のスパンで見れば変形してゆくクリープという現象が発生する。ましてや、誘電型ポリマーアクチュエータに使用される軟弾性誘電エラストマにおいては、このようなクリープ現象が顕著に現れる。
このため、上記特許文献1に開示されたような恒久的に予歪が付与された構造においては、時間とともにアクチュエータ(誘電エラストマ)の性能が変化してゆくという不都合が生じる。また、特許文献1において主張されている予歪の大きさからしてもその変化率は大きいものと予想される。したがって、上記特許文献1に開示されたような恒久的予歪付与構造では、耐久性と性能の安定性に課題を残す。
一方、上記特許文献2に開示された誘電体エラストマ膜では、加硫(重合硬化)前に圧延処理を行っているため、永久変形は生じないが、伸縮の方向性がなくなるため変位効率が低下してしまうという不都合が生じる。このため、特許文献2に開示された誘電体エラストマ膜を用いてアクチュエータを構成した場合、変位効率の低下を抑制するために、高電圧を印加する必要がある。したがって、上記特許文献2に開示されたような加硫前圧延材料では、その印加電圧の高さゆえに安全性に課題を残す。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、耐久性および安全性を向上させることが可能な駆動装置を提供することである。
この発明のもう1つの目的は、性能を向上させることが可能であり、かつ、その性能の安定性を図ることが可能な駆動装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による駆動装置は、誘電エラストマからなる変位層を含む高分子アクチュエータと、高分子アクチュエータを略無負荷状態または所定方向に歪むような負荷状態に設定する予歪設定機構とを備えている。
この一の局面による駆動装置では、上記のように、予歪設定機構を備えることによって、高分子アクチュエータを、予歪が与えられた状態で駆動させることができる。これにより、アクチュエータとしての性能(応答性、伸縮効率、絶縁抵抗等)を向上させることができる。また、上記予歪設定機構によって高分子アクチュエータを略無負荷状態とすることで、誘電エラストマからなる変位層において、クリープが発生するのを防止することができる。これにより、性能の変化(低下)を抑制することができるので、性能の安定性を図ることができる。加えて、耐久性を向上させることができる。
さらに、一の局面による駆動装置では、上記のように構成することによって、加硫(重合硬化)前に圧延処理を施すことなく誘電エラストマを作製した場合でも、アクチュエータの性能や耐久性等を向上させることができる。このため、誘電エラストマの作製時において、加硫前圧延処理を施さないようにすることで、加硫前圧延処理を施すことに起因する変位効率の低下を抑制することができる。これにより、より低い電圧で高分子アクチュエータを駆動させることが可能となるので、安全性を向上させることができる。
上記一の局面による駆動装置において、好ましくは、高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する電気回路部をさらに備え、高分子アクチュエータは、予歪設定機構によって歪みが与えられた状態のときのみ、電気回路部から駆動電圧が印加される。このように構成すれば、使用時には、予歪が与えられた状態で高分子アクチュエータを駆動させることができるとともに、非使用時には、高分子アクチュエータを略無負荷状態(予歪が与えられていない状態)に保つことができる。これにより、高分子アクチュエータにおける性能の向上と耐久性の向上との両立を容易に図ることができる。
上記一の局面による駆動装置において、高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを検知する検知スイッチをさらに有しているのが好ましい。
この場合において、高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する電気回路部と、高分子アクチュエータが所定量歪むと検知スイッチをオン状態にする操作部とを備えており、検知スイッチは、操作部によりオン状態にされると、電気回路部に検知信号を出力して、電気回路部を駆動電圧が印加可能な状態にするように構成されていればより好ましい。
また、この場合において、高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する電気回路部を備え、電気回路部は、高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを検知スイッチによって検知された後に、高分子アクチュエータに駆動電圧を印加するように構成することもできる。
上記一の局面による駆動装置において、高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する第1ドライバ回路と、高分子アクチュエータにおける略無負荷状態および負荷状態の間を駆動させる駆動源と、駆動源に通電して駆動源を駆動させる第2ドライバ回路と、第1ドライバ回路および第2ドライバ回路を制御する制御回路とをさらに備える構成とすることもできる。
この場合において、高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを検知する検知スイッチを備え、制御回路は、高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを検知スイッチによって検知された後に、第1ドライバ回路に通電するように制御するように構成されているのが好ましい。このように構成すれば、容易に、予歪が与えられた状態のときのみ高分子アクチュエータを駆動させることができる。
上記制御回路を備えた構成において、好ましくは、制御回路は、高分子アクチュエータに所定時間通電実績がないと判断すると、第2ドライバ回路に通電して、高分子アクチュエータが略無負荷状態に設定されるように、予歪設定機構を駆動させる。このように構成すれば、予歪状態にあっても無使用状態(駆動されていない状態)が長い場合には高分子アクチュエータを予歪状態から略無負荷状態に変更(予歪を解除)することができる。これにより、予歪状態で長時間放置されることによるクリープの発生をより効果的に防止することができる。
以上のように、本発明によれば、耐久性および安全性を向上させることが可能な駆動装置を容易に得ることができる。
また、本発明によれば、性能を向上させることが可能であり、かつ、その性能の安定性を図ることが可能な駆動装置を容易に得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、シート状の高分子アクチュエータを備えた駆動装置に本発明を適用した例について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による駆動装置の概略構成を示す模式図である。図2は、本発明の第1実施形態による高分子アクチュエータの概略構成を示す断面図である。図3〜図5は、軟弾性材料のクリープ現象等を説明するための図である。まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による駆動装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による駆動装置の概略構成を示す模式図である。図2は、本発明の第1実施形態による高分子アクチュエータの概略構成を示す断面図である。図3〜図5は、軟弾性材料のクリープ現象等を説明するための図である。まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による駆動装置の構成について説明する。
第1実施形態による駆動装置は、図1に示すように、高分子アクチュエータ10と、この高分子アクチュエータ10に予歪を与える予歪設定機構20とを備えている。
高分子アクチュエータ10は、図2に示すように、軟弾性材料である誘電エラストマからなる変位層11の両面を同じく軟弾性の電極層12で挟み込んだ誘電型ポリマーアクチュエータ(Electric Active Polymer:EAP)からなる。
上記高分子アクチュエータ10は、電極層12間に電圧が印加されると、変位層11が充電される。そして、印加された電圧によって発生する電界により電極層12間に静電引力(クーロン力)が働き、電極層12同士が引き合う。これにより、軟弾性体である変位層11が、層面に垂直な方向(B1方向)に収縮するとともに、層面に沿った方向(A1方向)に延伸する。すなわち、変位層11が圧縮されて、面積が広がるように変形する。一方、変位層11に充電された電荷が放電されると、上記とは逆方向に変位層11が変形する。なお、第1実施形態では、高分子アクチュエータ10は、その一端が後述する固定部100に固定されており、反対側の一端が出力として取り出される。
ここで、高分子アクチュエータ10に用いられる誘電エラストマは、その殆どがゴムである。ゴムは軟弾性材料であるため、その応力ひずみ線図は図4に示すようになり、ゴムの応力ひずみ線図は、金属材料の応力ひずみ線図とは異なるカーブとなる。また、軟弾性材料は、クリープし易い材料でもある。クリープとは、図3に示すように、破断応力以下の応力においても時間とともに永久変形していく現象のことであり、環境温度が高いほど、応力が小さい場合においても小さいながら進行していく。
再び図4のゴムの応力ひずみ線図に注目すると、歪み始めに1つ目の変曲点Rが現れる。そして、しばらく線形領域があり、再び変曲して破断するまで伸びていく。高分子アクチュエータ10に予歪を与える行為は、最初の変曲点Rを超えさせるための行為である。
また、最初の変曲点Rを超えるまでの領域では、絡み合ったゴムの分子がほぐれながら歪み方向に並び直っている。この領域では、クーロン力による圧縮応力のみではゴムの分子がうまくほぐれないため、変形効率が悪い。このため、予歪を与えずに高分子アクチュエータ10を駆動させた場合、伸縮効率等が悪くなる。なお、この領域においてもゴムは弾性であるが、この領域は、初期長さまで復帰するのに時間がかかってしまう領域でもある。
変曲点Rを超えた線形領域では、その傾きが寝ており弾性率が最も小さくなる。すなわち、この線形領域は、変形効率が一番高い領域でもある。線形領域の次に現れる変曲領域では、徐々に弾性率が大きくなってきており変形効率が悪いことが伺える。
このため、本実施形態では、変形効率が一番高い線形領域を図5に示すような最適領域として主に使用している。なお、図5では、最適領域の一例を示しているが、この最適領域は用いる材料によっても異なる。
また、誘電エラストマなどの軟弾性材料にクリープが発生すると、図4の破線のように、最初のほつれ解除領域は小さくなるものの、位置と出力との関係がずれてくる。
予歪設定機構20は、図1に示すように、高分子アクチュエータ10を略無負荷状態または所定方向に歪むような負荷状態に設定する。このため、第1実施形態による駆動装置は、高分子アクチュエータ10を、略無負荷状態と、延伸させたい方向に予歪を与えた状態とに設定可能となっている。
具体的な構成としては、第1実施形態による駆動装置は、高分子アクチュエータ10の一端が固定される固定部100と、高分子アクチュエータ10の反対側の一端が固定される移動端子110と、移動端子110を所定方向に移動可能にガイドするガイド機能を有するスイッチ端子120と、スイッチ端子120と係合することにより、スイッチ端子120を所定位置で固定する係合部材130と、スイッチ端子120と係合部材130との係合を解除して、スイッチ端子120をもとの位置に戻す開放端子140とを備えている。
さらに、第1実施形態による駆動装置は、高分子アクチュエータ10を駆動させるための電圧(駆動電圧)を電極層12間に印加するドライバ回路150と、高分子アクチュエータ10が所定方向に歪んだことを検知する検知スイッチ160とを備えている。なお、スイッチ端子120は、本発明の「操作部」の一例であり、ドライバ回路150は、本発明の「電気回路部」の一例である。
高分子アクチュエータ10を固定する固定部100および移動端子110は、それぞれ、絶縁材料から構成されている。また、上記固定部100は、スイッチ端子120および開放端子140を支持している。
スイッチ端子120は、その略中央部に上記係合部材130と係合する係合部121を有している。また、スイッチ端子120には、移動端子110が接続されており、この移動端子110と係合部121との間には圧縮バネ122が配されている。すなわち、スイッチ端子120は、圧縮バネ122を介して移動端子110と接続されている。また、この状態で、移動端子110は、スイッチ端子120によって、高分子アクチュエータ10の延伸方向(A方向)に移動可能に保持されている。さらに、スイッチ端子120は、固定部100の外装面より外部に突出するように支持されており、押し込み操作によって移動端子110に負荷をかけることが可能に構成されている。なお、スイッチ端子120が押し込まれて移動端子110に負荷がかかると、高分子アクチュエータ10が所定量歪み、同時に検知スイッチ160がオン状態とされる。
係合部材130は、略L字状に形成されており、その折れ曲がり部分で支持軸135によってD方向に回動可能に支持されている。また、係合部材130の一方の端部には、スイッチ端子120の押し込み位置において、スイッチ端子120の係合部121と係合するラッチ爪131が設けられている。なお、係合部材130は、引張バネ137によって、C1方向に付勢されており、係合部材130におけるラッチ爪131とは反対側(ラッチ爪131が設けられていない方)の部材部が、操作可能な開放端子140と係合している。
開放端子140は、固定部100の外装面より外部に突出するように支持されており、押し込み操作によって係合部材130を回動させることが可能に構成されている。
検知スイッチ160は、スイッチ端子120の移動方向(C2方向)側に設けられており、スイッチ端子120の押し込み位置でオン状態となる。これにより、高分子アクチュエータ10が所定方向(A方向)に歪んだことを検知する。また、検知スイッチ160は、オン状態にされると、ドライバ回路150に対して検知信号を出力する。
ドライバ回路150は、検知スイッチ160からの検知信号が入力されると、高分子アクチュエータ10に通電可能な状態となるように構成されている。
すなわち、第1実施形態による駆動装置は、スイッチ端子120の押し込み位置で検知スイッチ160がオンになり、検知スイッチ160がオン状態になると、この検知スイッチ160の情報がドライバ回路150に伝達されるように構成されている。なお、ドライバ回路150と検知スイッチ160との関係は、単純に直結されていてもよいし、信号のみ伝達されるように構成されていてもよい。
図6〜図8は、本発明の第1実施形態による駆動装置の動作を説明するための模式図である。次に、図6〜図8を参照して、本発明の第1実施形態による駆動装置の動作について説明する。
まず、図6に示すように、ユーザによりスイッチ端子120が押し込まれると、スイッチ端子120の係合部121と移動端子110との間に配された圧縮バネ122がチャージされる。チャージされた圧縮バネ122は、スイッチ端子120のストロークを負荷に変換して、変換した負荷を移動端子110に伝達する。
一方、スイッチ端子120が操作される(押し込まれる)ことにより、スイッチ端子120がC2方向に移動すると、スイッチ端子120の係合部121が係合部材130のラッチ爪131に当接し、係合部材130をD1方向に回動させる。係合部材130は、引張バネ137によってC1方向に付勢されているため、スイッチ端子120の係合部121がラッチ爪131をこえた位置でD2方向に回動し、図7に示すように、スイッチ端子120の係合部121と係合部材130のラッチ爪131とが係合する。これにより、スイッチ端子120は、自身の移動端近傍(押し込み位置)で係合部121のラッチ爪131にラッチ(係止)される。そして、上記スイッチ端子120は、ラッチ爪131によるラッチとほぼ同じタイミングで、その移動端近傍に設けられた検知スイッチ160をオン状態にする。
圧縮バネ122により負荷を受けた移動端子110は、高分子アクチュエータ10を負荷方向(C2(A)方向)へと延伸させる。これにより、高分子アクチュエータ10に予歪が与えられる。高分子アクチュエータ10(誘電型ポリマーアクチュエータ)の性質として、平面方向に予歪が与えられると、予歪方向への変位と応答性が大きくなり、また耐電圧も向上する。このため、延伸されることによって予歪が与えられた上記高分子アクチュエータ10は、性能が向上した状態となっている。
このように、ユーザによるスイッチ端子120の押し込み操作により、高分子アクチュエータ10に予歪が与えられるとともに、その状態が保持される。また、スイッチ端子120の押し込み位置で、検知スイッチ160がオン状態となることから、検知スイッチ160がオン状態の時には、高分子アクチュエータ10は予歪が与えられた状態となっている。すなわち、検知スイッチ160がオン状態とされることにより、高分子アクチュエータ10に予歪が与えられたことが検知される。
検知スイッチ160がオン状態にされると、検知スイッチ160からドライバ回路150に、高分子アクチュエータ10に予歪が与えられたことを知らせる検知信号が出力される。そして、検知スイッチ160からの検知信号がドライバ回路150に入力されると、ドライバ回路150は高分子アクチュエータ10に対して駆動電圧を印可することが可能な状態(通電可能な状態)となる。この状態の時にユーザからドライバ回路150に駆動指示が出されると、指示通りに高分子アクチュエータ10に駆動電圧が印可される。このとき、高分子アクチュエータ10には予歪が与えられているため、性能が向上した状態となっている。そのため、駆動電圧の印可により、高分子アクチュエータ10はキビキビ反応する。
なお、上記と異なり、検知スイッチ160がオフ状態のときは、高分子アクチュエータ10は予歪が与えられていない状態(略無負荷状態)にある。この場合には、検知スイッチ160から検知信号が出力されないため(予歪状態を検知しないため)、ドライバ回路150は高分子アクチュエータ10に対して駆動電圧を印可できない状態(通電不可能な状態)となっている。このため、高分子アクチュエータ10を動かそうとして、ユーザからドライバ回路150に駆動指示が出されたとしても、ドライバ回路150が反応しないので、高分子アクチュエータ10には電圧が印可されない。
続いて、高分子アクチュエータ10の駆動が終了すると、ユーザによる開放端子140の押し込み操作により、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態とされる。具体的には、図8に示すように、ユーザにより開放端子140が押し込まれると、開放端子140の先端部が係合部材130と係合し、係合部材130をD1方向に回動させる。係合部材130がD1方向に回動すると、スイッチ端子120の係合部121とラッチ爪131との係合が解除される。係合が解除されたスイッチ端子120は再度移動可能な状態となる。また、高分子アクチュエータ10は、予歪させていた力が解放されたため自身の弾性力により無負荷状態へと収縮する。これにより、スイッチ端子120も初期位置へと復帰し、また、検知スイッチ160もオフ状態となる。
第1実施形態による駆動装置では、上記のように、予歪設定機構20を備えることによって、高分子アクチュエータ10を、予歪が与えられた状態で駆動させることができる。これにより、アクチュエータとしての性能(応答性、伸縮効率、絶縁抵抗等)を向上させることができる。また、上記予歪設定機構20によって高分子アクチュエータ10を略無負荷状態とすることで、誘電エラストマからなる変位層11において、クリープが発生するのを防止することができる。これにより、性能の変化(低下)を抑制することができるので、性能の安定性を向上させることができる。加えて、耐久性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように構成することによって、加硫(重合硬化)前に圧延処理を施すことなく誘電エラストマを作製した場合でも、アクチュエータの性能や耐久性等を向上させることができる。このため、誘電エラストマの作製時において、加硫前圧延処理を施さないようにすることで、加硫前圧延処理を施すことに起因する変位効率の低下を抑制することができる。これにより、より低い電圧で高分子アクチュエータ10を駆動させることが可能となるので、安全性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、予歪設定機構20によって高分子アクチュエータ10に歪みが与えられた状態のときのみ、ドライバ回路150から駆動電圧が印加されるように構成することによって、使用時には、予歪が与えられた状態で高分子アクチュエータ10を駆動させることができるとともに、非使用時には、高分子アクチュエータ10を略無負荷状態(予歪が与えられていない状態)に保つことができる。これにより、高分子アクチュエータ10における性能の向上と耐久性の向上との両立を容易に図ることができる。
また、第1実施形態では、スイッチ端子120の移動方向(C2方向)側に検知スイッチ160を設けることによって、スイッチ端子120が操作されたことを検知することができるので、これにより、高分子アクチュエータ10が所定方向に歪んだことを容易に検知することができる。なお、上記のように、検知スイッチ160がオン状態にされると、検知スイッチ160からドライバ回路150に検知信号が出力され、これにより、ドライバ回路150を、通電可能な状態(駆動電圧を印加可能な状態)となるように構成することによって、予歪が与えられた状態のときのみ高分子アクチュエータ10が駆動するように容易に構成することができる。
さらに、第1実施形態では、高分子アクチュエータ10が無負荷状態(予歪が与えられていない状態)のときには通電されない(駆動電圧を印加できない)ように構成することによって、耐電圧の低い無負荷状態のときに高分子アクチュエータ10に電圧が印加されるのを容易に抑制することができる。このため、耐電圧が低い状態のときに電圧が印加されることに起因する高分子アクチュエータ10の絶縁破壊を容易に防止することができる。これにより、高分子アクチュエータ10の絶縁破壊を未然に防止することができる。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態による駆動装置の概略構成を示す模式図である。次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による駆動装置の構成について説明する。なお、図9において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
図9は、本発明の第2実施形態による駆動装置の概略構成を示す模式図である。次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による駆動装置の構成について説明する。なお、図9において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第2実施形態による駆動装置は、基本的な原理構成は上記第1実施形態と同様であるが、図9に示すように、高分子アクチュエータ10に予歪を与える方向が一見面直方向にある。
高分子アクチュエータ10の周囲は、絶縁体で構成された固定部材(固定枠)200に固定されており、中央部の湾曲が出力として取り出される。
また、スイッチ端子120には、圧縮バネ122を介して移動端子210が接続されている。この移動端子210は、スイッチ端子120によって、高分子アクチュエータ10の面直方向(B方向)に移動可能にガイドされており、その移動端近傍において高分子アクチュエータ10の中央部と当接する。なお、移動端子210は、その先端部に、高分子アクチュエータ10と当接する当接部211を有している。
スイッチ端子120は、外装面より外部に突出するように固定部100に支持されており、押し込み操作によって移動端子210に負荷をかけることが可能に構成されている。また、スイッチ端子120には係合部220が設けられており、押し込まれた位置において係合部材130のラッチ爪131と係合する。ラッチ爪131は、操作可能な開放端子140と係合している。
なお、上記第1実施形態と同様、スイッチ端子120の移動方向側には検知スイッチ160が設けられており、スイッチ端子120の押し込み位置で検知スイッチ160がオン状態となる。そして、この検知スイッチ160の情報が、高分子アクチュエータ10の両電極層間に電圧を印可するドライバ回路150に伝達される。また、係合部材130は、引張バネ137によってE1方向に付勢されている。
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による駆動装置の動作について説明する。
ユーザによりスイッチ端子120が操作される(押し込まれる)と、スイッチ端子120の係合部220と移動端子210との間に配された圧縮バネ122がチャージされる。チャージされた圧縮バネ122は、スイッチ端子120のストロークを負荷に変換して、変換した負荷を移動端子210に伝達する。
スイッチ端子120は、自身の移動端近傍でラッチ爪131によりラッチ(係止)される。そして、スイッチ端子120は、ラッチ爪131によるラッチとほぼ同じタイミングでその移動端近傍に設けられた検知スイッチ160をオン状態にする。
一方、圧縮バネ122により負荷を受けた移動端子210は、E2方向に移動し、当接部211で高分子アクチュエータ10の略中央部を押し上げることによって、図9の二点鎖線Pで示すように、高分子アクチュエータ10を平面延伸させる。これにより、高分子アクチュエータ10に予歪が与えられる。
上述したように、高分子アクチュエータ10(誘電型ポリマーアクチュエータ)の性質として、平面方向に予歪が与えられると、予歪方向への変位と応答性が大きくなり、また耐電圧も向上する。このため、延伸されることによって予歪が与えられた上記高分子アクチュエータ10は、性能が向上した状態となっている。
このように、ユーザによるスイッチ端子120の押し込み操作により、高分子アクチュエータ10に予歪が与えられるとともに、その状態が保持される。
また、検知スイッチ160がオン状態のときは、高分子アクチュエータ10は予歪が与えられた状態となっている。そのため、上記第1実施形態と同様、ドライバ回路150にユーザからの駆動指示がくると、指示通りに高分子アクチュエータ10に駆動電圧が印可される。予歪が与えられた高分子アクチュエータ10は性能が向上した状態にあるので、高分子アクチュエータ10はキビキビ反応する。
なお、検知スイッチ160がオフ状態のときは、高分子アクチュエータ10は略無負荷状態にあるので、上記第1実施形態と同様、ユーザによって高分子アクチュエータ10を駆動させようとしても、ドライバ回路150が反応しない。このため、高分子アクチュエータ10には駆動電圧が印可されない。
高分子アクチュエータ10の駆動が終了すると、ユーザによる開放端子140の押し込み操作により、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態とされる。具体的には、ユーザにより開放端子140が押し込まれると、開放端子140の先端部が係合部材130と係合し、係合部材130を回動させる。これにより、スイッチ端子120の係合部220とラッチ爪131との係合が解除される。係合が解除されたスイッチ端子120は再度移動可能な状態となる。また、高分子アクチュエータ10は、予歪させていた力が解放されたため自身の弾性力により無負荷状態へと収縮する。これにより、スイッチ端子120も初期位置へと復帰し、また、検知スイッチ160もオフ状態となる。
なお、第2実施形態による駆動装置の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態による駆動装置の概略構成を示した模式図である。次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態による駆動装置の構成について説明する。なお、図10において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
図10は、本発明の第3実施形態による駆動装置の概略構成を示した模式図である。次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態による駆動装置の構成について説明する。なお、図10において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第3実施形態による駆動装置は、図10に示すように、高分子アクチュエータ10の一端が絶縁体で構成された固定部300に固定されており、反対側の一端が出力として取り出される。出力側の一端は同じく絶縁体で構成された移動端子110に固定されており、この移動端子110は、スイッチ端子120によって移動可能にガイドされている。また、移動端子110は、上記第1および第2実施形態と同様、圧縮バネ122を介してスイッチ端子120と接続されている。
ここで、第3実施形態による駆動装置では、スイッチ端子120を操作(移動)させる駆動源310を備えており、この駆動源310によってスイッチ端子120が移動されることにより、移動端子110に負荷をかけることが可能に構成されている。すなわち、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態とは異なり、スイッチ端子120は、ユーザによる操作ではなく、駆動源310によって操作(移動)される。なお、上記駆動源310としては、たとえば、モータなどを用いることができる。
また、第3実施形態では、高分子アクチュエータ10を駆動させるための電圧(駆動電圧)を電極層12間に印加する第1ドライバ回路320(150)と、上記駆動源310を駆動させる第2ドライバ回路330と、これら2つのドライバ回路(第1ドライバ回路320、第2ドライバ回路330)を制御する制御回路340とを備えている。制御回路340は、計時機能をも有しており、高分子アクチュエータ10に所定時間通電実績がないと判断すると、第2ドライバ回路330に通電して、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態に設定されるように制御する。
なお、第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と同様、スイッチ端子120の移動方向側(C2方向側)には検知スイッチ160が設けられており、スイッチ端子120の移動端近傍で検知スイッチ160がオン状態となる。そして、この検知スイッチ160の情報が制御回路340に伝達される。制御回路340と検知スイッチ160との関係は、単純に直結されていてもよいし、信号のみ伝達されるように構成されていてもよい。
図11は、本発明の第3実施形態による駆動装置の動作を説明するためのフローチャートである。次に、図10および図11を参照して、本発明の第3実施形態による駆動装置の動作(高分子アクチュエータを動かすシーケンス)について説明する。
高分子アクチュエータを作動状態にもってくる設定のシーケンスでは、まず設定指令が制御回路340に出される。制御回路340に設定指令が届くと、図11のステップS1において、制御回路340により、駆動源310を駆動させるように第2ドライバ回路330が制御され、駆動源310が予歪状態へと駆動される。
次に、ステップS2において、高分子アクチュエータ10が予歪状態にあるか否かが判断される。
具体的には、第2ドライバ回路330によって駆動源310が駆動されると、図10に示したように、駆動源310はスイッチ端子120をC2方向に移動させることにより、移動端子110との間に配された圧縮バネ122をチャージする。チャージされた圧縮バネ122は、スイッチ端子120のストロークを負荷に変換して移動端子110に伝達する。スイッチ端子120は、自身の移動端近傍で駆動源310により保持されるとともに、その移動端近傍に設けられた検知スイッチ160をオン状態にする。一方、圧縮バネ122による負荷を受けた移動端子110は、高分子アクチュエータ10を負荷方向(A(C2)方向)へと延伸させる。これにより、高分子アクチュエータ10に予歪が与えられるとともに、検知スイッチ160がオン状態とされることで、高分子アクチュエータ10が予歪状態にあることが検知される。なお、高分子アクチュエータ10(誘電型ポリマーアクチュエータ)の性質として、平面方向に予歪が与えられると、予歪方向への変位と応答性が大きくなり、また耐電圧も向上する。このため、延伸されることによって予歪が与えられた上記高分子アクチュエータ10は、性能が向上した状態となっている。
図11のステップS2において、高分子アクチュエータ10が予歪状態にない(検知スイッチ160がオン状態でない)と判断された場合には、ステップS1に戻り、ステップS1およびS2の処理が繰り返される。一方、ステップS2において、高分子アクチュエータ10が予歪状態にある(検知スイッチ160がオン状態にある)と判断された場合には、ステップS3において、制御回路340により、検知スイッチ160がオン状態になったときから計時が開始される。そして、ステップS4に進む。
ここで、検知スイッチ160がオン状態のときは、高分子アクチュエータ10は予歪が与えられた状態となっている。また、このときには、第1ドライバ回路320は、高分子アクチュエータ10に対して駆動電圧を印可することが可能な状態(通電可能な状態)となっている。このため、ユーザから、高分子アクチュエータ10に駆動電圧を印加するための駆動指示が出された場合には、指示通りに高分子アクチュエータ10を駆動させることが可能となる。
続いて、ステップS4において、ユーザからの駆動指示(高分子アクチュエータ10に駆動電圧を印加するための指示)があるか否かが判断される。ステップS4において、ユーザから駆動指示がある場合には、ステップS5において、アクチュエータへの通電処理が行われ、指示通りに高分子アクチュエータ10が駆動される。予歪が与えられた高分子アクチュエータ10は性能が向上した状態にあるので、高分子アクチュエータ10はキビキビ反応する。アクチュエータへの通電処理が終了すると、ステップS7に進む。
一方、ステップS4において、ユーザからの駆動指示がないと判断された場合には、ステップS6において、制御回路340により、計時を開始してから所定時間が経過したか否かが判断される。ステップS6において、所定時間が経過していないと判断された場合には、ステップS4に戻り、ユーザからの駆動指示があるか否かの判断が繰り返される。ステップS6において、所定時間が経過したと判断された場合には、ステップS7に進み、ステップS7において、高分子アクチュエータ10を無負荷状態とするために駆動源310が駆動される。
すなわち、予歪状態に設定されてから所定時間内にユーザから高分子アクチュエータ10を駆動させるための駆動指示が出されたか否かが判断され、予歪が与えられた状態で所定時間、高分子アクチュエータ10の駆動(操作)が行われない場合には、予歪状態が解除される。また、第3実施形態においては、上記所定時間はクリープが発生するような時間ではなく分単位レベルを想定しているが、クリープが問題になる時間は材料によって区々であるためこれに限定されるわけではない。
なお、ステップS5において、アクチュエータの通電処理が終了した場合も、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態とされる(ステップS7)。
ステップS7では、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態となるように再び第2ドライバ回路330に指令が出される。そして、制御回路340からの指令により、駆動源310が駆動されて、スイッチ端子120がC1方向に移動される。これにより、スイッチ端子120が初期位置に復帰する。スイッチ端子120が初期位置に復帰すると、圧縮バネ122の負荷がなくなり、移動端子110もまた高分子アクチュエータ10の弾性力により元の位置に復帰する。
続いて、ステップS8に進み、ステップS8において、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態か否かが判断される。すなわち、スイッチ端子120が初期位置に復帰することによって、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態となるとともに、検知スイッチ160がオフ状態となるので、ステップS8では、検知スイッチ160がオフ状態にあるか否かが判断される。
ステップS8において、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態でない(検知スイッチ160がオフ状態でない)と判断された場合には、ステップS7に戻り、ステップS7およびS8の処理が繰り返される。一方、ステップS8において、高分子アクチュエータ10が略無負荷状態である(検知スイッチ160がオフ状態である)と判断された場合には、アクチュエータの設定のシーケンスが終了する。
第3実施形態による駆動装置では、上記のように、使用時以外には高分子アクチュエータ10を略無負荷状態とすることによって、クリープの発生を抑制することができる。これにより、耐久性を向上させることができる。また、使用時のみ予歪を与えた後に高分子アクチュエータ10に電圧印加するように構成することによって、アクチュエータの性能を向上させることができるとともに、性能の安定性を向上させることができる。すなわち、クリープ時間から見て短時間内に負荷が除去されるのでクリープの発生を効果的に防止することができる。また、高分子アクチュエータ10の駆動時には十分な予歪を与えることで、アクチュエータの性能も確保される。
また、第3実施形態では、上記のように構成することによって、予歪状態にあっても無使用状態(駆動されていない状態)が長い場合には高分子アクチュエータを予歪状態から略無負荷状態に変更(予歪を解除)することができるので、予歪状態で長時間放置されることによるクリープの発生をより効果的に防止することができる。すなわち、制御手段による予歪状態での時間管理と駆動手段による無負荷状態への強制復帰により長時間放置によるクリープの進行を未然に防止することができる。
第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、シート状の高分子アクチュエータを備えた駆動装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、シート状以外の高分子アクチュエータを備えた駆動装置に本発明を適用することもできる。
また、上記第1〜第3実施形態では、それぞれ、高分子アクチュエータに予歪を与える予歪設定機構の一例を示したが、本発明はこれに限らず、予歪設定機構は、上記第1〜第3実施形態で示した構成以外の構成にすることもできる。
また、上記第1〜第3実施形態では、高分子アクチュエータの予歪状態を検知する検知スイッチに、接触式の検知スイッチを用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、高分子アクチュエータの予歪状態を検知するために、光学式などの非接触の検知スイッチを用いてもよい。
また、上記第3実施形態では、上記第1実施形態と同様、高分子アクチュエータに層面に沿った方向に負荷をかけるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、第2実施形態で示したように、層面に垂直な方向に負荷をかけるように構成することもできる。
10 高分子アクチュエータ
11 変位層
12 電極層
20 予歪設定機構
100、300 固定部
110、210 移動端子
120 スイッチ端子(操作部)
121、220 係合部
122 圧縮バネ
130 係合部材
131 ラッチ爪
135 支持軸
137 引張バネ
140 開放端子
150 ドライバ回路(電気回路部)
160 検知スイッチ
200 固定部材(固定枠)
211 当接部
310 駆動源
320 第1ドライバ回路(電気回路部)
330 第2ドライバ回路
340 制御回路
11 変位層
12 電極層
20 予歪設定機構
100、300 固定部
110、210 移動端子
120 スイッチ端子(操作部)
121、220 係合部
122 圧縮バネ
130 係合部材
131 ラッチ爪
135 支持軸
137 引張バネ
140 開放端子
150 ドライバ回路(電気回路部)
160 検知スイッチ
200 固定部材(固定枠)
211 当接部
310 駆動源
320 第1ドライバ回路(電気回路部)
330 第2ドライバ回路
340 制御回路
Claims (8)
- 誘電エラストマからなる変位層を含む高分子アクチュエータと、
前記高分子アクチュエータを略無負荷状態または所定方向に歪むような負荷状態に設定する予歪設定機構とを備えることを特徴とする、駆動装置。 - 前記高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する電気回路部をさらに備え、
前記高分子アクチュエータは、前記予歪設定機構によって歪みが与えられた状態のときのみ、前記電気回路部から駆動電圧が印加されることを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。 - 前記高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを検知する検知スイッチをさらに有することを特徴とする、請求項1または2に記載の駆動装置。
- 前記高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する電気回路部と、前記高分子アクチュエータが所定量歪むと前記検知スイッチをオン状態にする操作部とを備え、
前記検知スイッチは、前記操作部によりオン状態にされると、前記電気回路部に検知信号を出力して、前記電気回路部を駆動電圧が印加可能な状態にすることを特徴とする、請求項3に記載の駆動装置。 - 前記高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する電気回路部を備え、
前記電気回路部は、前記高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを前記検知スイッチによって検知された後に、前記高分子アクチュエータに駆動電圧を印加するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の駆動装置。 - 前記高分子アクチュエータに駆動電圧を印加する第1ドライバ回路と、前記高分子アクチュエータにおける前記略無負荷状態および前記負荷状態の間を駆動させる駆動源と、前記駆動源に通電して前記駆動源を駆動させる第2ドライバ回路と、前記第1ドライバ回路および前記第2ドライバ回路を制御する制御回路とをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 前記高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを検知する検知スイッチを備え、
前記制御回路は、前記高分子アクチュエータが所定方向に歪んだことを前記検知スイッチによって検知された後に、前記第1ドライバ回路に通電するように制御することを特徴とする、請求項6に記載の駆動装置。 - 前記制御回路は、前記高分子アクチュエータに所定時間通電実績がないと判断すると、前記第2ドライバ回路に通電して、前記高分子アクチュエータが略無負荷状態に設定されるように、前記予歪設定機構を駆動させることを特徴とする、請求項6または7に記載の駆動装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010103335A JP2011234529A (ja) | 2010-04-28 | 2010-04-28 | 駆動装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2010
- 2010-04-28 JP JP2010103335A patent/JP2011234529A/ja active Pending
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