以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する用語、例えば、「平行」、「対称」等の用語や角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、ホログラムを量産する際に不可避的に生じる誤差等を含めて解釈することとする。
図1〜図13は本発明による実施の形態を説明するための図である。このうち図1〜図8は本発明による第1の実施の形態およびその変形例を説明するための図であり、図8〜図13は本発明による第2の実施の形態を説明するための図である。第1の実施の形態では透過型体積ホログラムを例に挙げており、第2の実施の形態では反射型体積ホログラムを例に挙げている。
透過型および反射型の体積ホログラム10,50は、干渉縞12,52が記録されており、この干渉縞12,52の間隔、入射光の波長および入射角度に関するブラッグの反射条件(ブラッグ条件)が満たされた場合、当該入射光を高い回折効率で回折(反射)するようになる。後において詳述するように、複数の方向からの光が互いに干渉してなる干渉縞12a,52aを、一種の回折格子と同様に機能し得る縞状パターン12,52として、感光性を有するホログラム記録材料(感光材料)20.70に記録することによって、作製されている。そして、透過型ホログラム10および反射型ホログラム50は、このような入射光に対する波長選択性および角度選択性によって、当該ホログラム10,50が貼付された物品の意匠性を向上させることや、物品の真正性を標示することが可能であり、物品、とりわけ、包装材料、カード、証明書、有価証券、商品券等に貼付されて使用され得る。
<第1の実施の形態>
このうちまず、図1〜図8を参照して、第1の実施の形態およびその変形例について説明する。このうち図1には、以下に説明する製造方法により作製され得る透過型体積ホログラムの一例が示されている。以下の説明において、製造対象となる透過型体積ホログラム10(単に、透過型ホログラム、とも呼ぶ)は、特定方向からの入射光を回折して、入射方向とは異なる方向に出射させる光学素子として形成されている。
図1に示すように、透過型ホログラム10は、互いに平行な一方の面10aおよび他方の面10bを有している。透過型ホログラム10は、その一方の面10aへの法線方向nd1を通過するある面(図1に示された断面)において、当該法線方向nd1に対して時計回りを正として第1角度θ1をなす方向に進んで前記一方の面10aの側から入射する第1波長の再生照明光La1を、一方の面10aへの法線方向nd1に対して時計回りを正として第2角度θ2をなす方向に向けて他方の面10bの側から出射する再生光Lb1として、回折する。なお、本実施の形態において、透過型ホログラム10の第1面10aおよび第2面10bは互いに平行な平坦面として構成されている。したがって、第1面10aへの法線方向nd1と第2面10bへの法線方向nd1は一致し(平行となり)、以下においては、これら二つの法線方向を単に、透過型ホログラム10の法線方向nd1、とも呼ぶ。
すなわち、法線方向nd1に対して時計回りを正として第1角度θ1をなす方向に沿って一方の面10aから透過型ホログラム10へ入射する光La1は、透過型ホログラム10の縞状パターン(干渉縞)12のブラッグ条件を満たすようになる。ここで、ブラッグの反射条件が満たされるとは、次の式(1)が満たされることに相当する。
2×d×sinθ=λ ・・・ 式(1)
式(1)中のdは、光の進行方向と、当該光が入射する領域において縞状パターン12を構成する各筋状模様(各面状模様)への法線方向と、の両方に平行な断面(つまり、図1に示す断面)での、縞状パターン12を構成する各筋(各面)の間隔(濃淡の筋のピッチ)である。また、式(1)中のθは、前記断面において、光の入射方向(または光の干渉縞での回折方向)が干渉縞をなす各筋が延びる方向に対してなす角度である。さらに、式(1)中のλは、干渉縞への入射光の波長(本例では第1波長)である。
このブラッグ反射条件を示す式(1)は、入射光の波長λに対して適宜入射光の入射角度θが調節されることによって、あるいは、入射光の入射角度θに対して適宜入射光の波長λが設定されることによって、満たされるようになる。すなわち、ある体積型ホログラムの縞状パターン(干渉縞)によって高効率の回折効率で回折されるようになるのは、所定の特定波長の光が所定の特定入射角度でホログラムへ入射する場合だけではない。
なお、第1の実施の形態においては、図1に示すように、理解のしやすさの便宜を図り、透過型ホログラム10が、法線方向nd1に対して時計回りを正として第1角度θ1をなす方向に沿って一方の面10aから入射する平行光束としての再生照明光La1を、法線方向nd1に対して時計回りを正として第2角度θ2をなす方向に沿って他方の面10bから出射する平行光束からなる再生光Lb1として、回折する例を示している。ただし、これに限られず、再生照明光La1が、法線方向nd1に対して時計回りを正として第1角度θ1をなす方向を一つの光路として含む発散光束、収束光束または散乱光束であってもよい。同様に、再生光Lb1が、法線方向nd1に対して時計回りを正として第2角度θ2をなす方向を一つの光路として含む発散光束、収束光束または散乱光束であってもよい。
次に、主に図2〜図5を参照しながら、以上のような透過型ホログラム10を製造する方法の一例について説明する。
以下に説明するホログラムの製造方法は、図2に示すように、透過型ホログラム原版40を含み互いに対向する第1面30aおよび第2面30bを有した記録原版30をホログラム記録材料20に対して傾斜して配置する工程と、透過型ホログラム原版40のブラッグ条件を満たすように光を入射させて記録原版30から出射する0次光Lr1および1次光Lo1をホログラム記録材料20に照射し、0次光Lr1と1次光Lo1とが干渉してなる光の明暗縞(干渉縞)をホログラム記録材料20に記録する工程と、を含んでいる。すなわち、以下に説明するホログラムの製造方法では、体積型ホログラム10は、記録原版30を用いてホログラム記録材料20に干渉縞を記録する、いわゆるH1H2法により作製される。
まず、透過型ホログラム10の作製に用いられる記録原版30について説明し、その後、記録原版30をホログラム記録材料20に対して配置する工程と、ホログラム記録材料20に干渉縞12aを記録して縞状パターン12に形成する工程と、を説明する。
図2に示すように、記録原版30は、透過型ホログラム原版40を含み、互いに平行に対向する第1面30aおよび第2面30bを有している。また、本実施の形態においては、記録原版30は、透過型ホログラム原版40の第1面40aの側に配置されて記録原版30の第1面30aをなす第1反射防止層36と、透過型ホログラム原版40の第2面40bの側に配置されて記録原版30の第2面30bをなす第2反射防止層37と、をさらに有している。反射防止層36,37は反射を抑制する特性を有している。また、各反射防止層36,37と透過型ホログラム原版40との間には、急激な屈折率差が生じることや空隙が形成されることを防止するため、インデックスマッチング液からなるインデックスマッチング層が設けられてもよいし、その他、光学接着剤や粘着層付きフィルム等が設けられてもよい。
なお、第1反射防止層36は一定の厚みを有しており、透過型ホログラム原版40の第1面40aは記録原版30の第1面30aと平行になっている。また、第2反射防止層37も一定の厚みを有しており、透過型ホログラム原版40の第2面40aは記録原版30の第2面30aと平行になっている。
図2に示すように、記録原版30は、記録原版30の第1面30aの側から透過型ホログラム原版40のブラッグ条件を満たすようにして入射する第1波長の入射光Liの一部が、過型ホログラム原版40で回折された1次光Lo1として、記録原版30の第2面30bへの法線方向nd2を通過する基準断面(図2に示す断面)において当該法線方向nd2に対して反時計回りを正として第1角度θ1をなす方向に第2面30bの側から出射するとともに、入射光Liの別の一部が、透過型ホログラム原版40内を直進する0次光Lr1として、前記基準断面(図2に示す断面)において法線方向nd2に対して反時計回りを正として第2角度θ2をなす方向に第2面30bの側から出射するようになっている。なお、本実施の形態において、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bは互いに平行な平坦面として構成されている。したがって、第1面30aへの法線方向nd2と第2面30bへの法線方向nd2は一致し(平行となり)、以下においては、これら二つの法線方向を単に、記録原版30の法線方向nd2、とも呼ぶ。
ここで第1角度θ1および第2角度θ2は、±90°の範囲内の任意の角度であって、さらには、大きさの絶対値が互いに異なっている角度である。また、0次光Lr1の光量と1次光Lo1の光量とは、透過型ホログラム原版40の回折効率に主として依存して決定される。例えば、透過型ホログラム原版40の回折効率が50%であれば、理論的には、0次光Lr1の光量と1次光Lo1の光量とが等しくなり得る。
なお、実際には、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bにおいて、並びに、記録原版30内の層間において、屈折が生じる。さらには、ホログラム記録材料20の表面においても、屈折が生じる。しかしながら、本明細書における説明および添付図においては、後述する第2の実施の形態も含め、理解しやすさの便宜からこれらの入射面、反射面および層間での屈折を無視して、光が各界面を直進するようにしている。したがって、図2において、0次光Lr1の進行方向は一次光Lr1の進行方向と一致している。
図3には、記録原版30に含まれた透過型の体積型ホログラムからなる透過型ホログラム原版40の回折作用が図示されている。図3に示すように、互いに平行な第1面40aおよび第2面40bを有する透過型ホログラム原版40は、その法線方向nd2に対して反時計回りを正として第2角度θ2をなす方向に沿って第1面40aから入射する第1波長の再生照明光L31を回折して、その法線方向nd2に対して反時計回りを正として第1角度θ1をなす方向に沿って第2面40bの側から、再生光L32として、出射させるようになる。すなわち、透過型ホログラム原版40は、その法線方向nd2に対して反時計回りを正として第2角度θ2をなす方向に沿って第1面40aから入射する第1波長の光によってブラッグ反射条件が満たされるようになる縞状パターン(干渉縞)42を有している。
図3に示された回折機能を発揮し得る透過型ホログラム原版40は、一例として、図4に示すようにして、作製することができる。すなわち、第1波長のコヒーレントな光、典型的にはレーザ光源から発振された第1波長のレーザ光を、参照光L41と物体光L42として、感光性を有したホログラム記録材料45に第1面45aの側から入射させる。このうち参照光L41は、ホログラム記録材料45への法線方向nd2aに対して反時計回りを正として第2角度θ2をなす方向に進む。一方、物体光L42は、ホログラム記録材料45への法線方向nd2aに対して反時計回りを正として第1角度θ1をなす方向に進む。
この結果、ホログラム記録材料45が参照光L41および物体光L42によって露光され、参照光L41および物体光L42が干渉してなる明暗の縞42aがホログラム記録材料45内で生じる。ホログラム記録材料45は、明暗縞42aに対応したパターンで反応し、明暗縞42aが、縞状パターン42として、ホログラム記録材料45に記録される。干渉縞42が記録されたホログラム記録材料45に適当な後処理を施すことによって、上述した透過型ホログラム原版40が得られる。
この際、参照光L41と物体光L42とが干渉してなる明暗の縞42aは、参照光L41の進行方向と物体光L42の進行方向とのによってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。これにともなって、ホログラム記録材料45に記録される縞状パターン42も、参照光L41の進行方向と物体光L42の進行方向とのによってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。
ホログラム記録材料45の法線方向nd2aは、透過型ホログラム原版40の法線方向nd2に一致するようになる。また、ホログラム記録材料45の第1面45aおよび第2面45bが、それぞれ、透過型ホログラム原版40の第1面40aおよび第2面40bに一致するようになる。
また、透過型ホログラム原版40を作製する際に用いられた参照光L41(図4参照)は、透過型ホログラム原版40を再生する際の再生照明光L31(図3参照)と、同一の立体構成を有している。より厳密には、透過型ホログラム原版40を作製する際に用いられた参照光L41の、ホログラム記録材料45への法線方向nd2aに対して反時計回りを正として第2角度θ2をなす方向を基準とした、立体構成が、透過型ホログラム原版40を再生する際の再生照明光L31の、透過型ホログラム原版40への法線方向nd2に対して反時計回りを正として第2角度θ2をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
同様に、透過型ホログラム原版40を作製する際に用いられた物体光L42(図4参照)は、透過型ホログラム原版40によって再生された再生光L32(図3参照)と、同一の立体構成を有している。より厳密には、透過型ホログラム原版40を作製する際に用いられた物体光L42の、ホログラム記録材料45への法線方向nd2aに対して反時計回りを正として第1角度θ1をなす方向を基準とした、立体構成が、透過型ホログラム原版40によって再生された再生光L32の、透過型ホログラム原版40への法線方向nd2に対して反時計回りを正として第1角度θ1をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
なお、ここで立体構成とは、各光の光束として構成を指すものである。例えば、各光は、平行光束、散乱光束、発散光束、収束光束等として構成される。各光が平行光束であれば、光束が通過する領域や、当該領域内での光量等が、立体構成を特定する要素となる。また、各光が散乱光束であれば、散乱光束が通過する領域や、当該領域内での光量、散乱の程度等が、立体構成を特定する要素となる。さらに、各光が発散光束や収束光束である場合、光束が通過する領域や、当該領域内での光量、発散または収束の程度等が、立体構成を特定する要素となる。
次に、記録原版30をホログラム記録材料20に対して配置する工程について説明する。
ここでは、まず、透過型ホログラム10を作製するためのホログラム記録材料20を準備し、このホログラム記録材料20に対して記録原版30を位置決めする。透過型ホログラム10を作製するためのホログラム記録材料20としては、例えば、フォトポリマー、銀塩乳剤、重クロム酸ゼラチン、フォトレジスト等を用いることができる。また、ホログラム記録材料20の形体としては、フィルム単体であってもよいし、ガラス上に保持された材料であってもよいし、あるいは、一対のガラス間に注入された材料であってもよい。
なお、上述した透過型ホログラム原版40を作製するためのホログラム記録材料45についても、ここで例示した材料を用いることができる。
図2に示すように、準備されたホログラム記録材料20に記録原版30の第2面30bが対面し、且つ、記録原版30の第2面30bへの法線方向nd2を通過する前記基準断面(図2に示す断面)における第2面30bがホログラム記録材料20の表面(図2に示す例では、第1面20a)に対して時計回りを正として、第1角度θ1および第2角度θ2を足し合わせた角度(θ1+θ2)だけ傾斜するようにして、記録原版30をホログラム記録材料20に対して位置決めする。図2に示す例において、第1角度θ1は30°であり、第2角度θ2は10°となっており、第1角度θ1および第2角度θ2を足し合わせた角度は40°となっている。このような位置決め状態で、次に説明するホログラム記録材料20に干渉縞12aを記録する工程が実施される。
次に、ホログラム記録材料20に干渉縞12aを記録して縞状パターン12を形成する工程について説明する。
この工程では、第1波長のコヒーレントな光Li、典型的にはレーザ光源で発生されたレーザ光Liを記録原版30へその第1面30aの側から入射させる。この際、第1波長の入射光Liは、記録原版30の透過型ホログラム原版40のブラッグ回折条件を満たすようになる方向から、記録原版30へ入射する。すなわち、第1波長の入射光Liの記録原版30への入射方向は、記録原版30の第2面30bへの法線方向nd2を通過する前記基準断面(図2に示す断面)において、記録原版30への法線方向ndに対して反時計回りを正として第2角度θ2だけ傾斜した方向となっている。
なお、記録原版30への入射光Liとしては、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、ネオジウムヤグレーザー等のレーザ光源から発振されたレーザ光を用いることができる。なお、上述した透過型ホログラム原版40を作製するために用いる参照光L41および物体光L42についても、ここで例示したレーザ光を用いることができる。
このような記録原版30への入射光Liの一部は、再生照明光として機能し、透過型ホログラム原版40の縞状パターン42によって回折され、進行方向を偏向される。そして、干渉縞42で回折されてなる1次光(再生光)は、記録原版30の法線方向nd2に対して反時計回りを正として第1角度θ1だけ傾斜した方向に向け、記録原版30を第2面30bの側から出射する。このような記録原版30からの1次光Lo1は、物体光として、ホログラム記録材料20へその第1面20aの側から入射する。
ただし、入射光Liの他の一部は、透過型ホログラム原版40の回折効率が100%ではないことに起因して、透過型ホログラム原版40の干渉縞42で回折されることなく、透過型ホログラム原版40内を、0次光として、直進する。そして、入射光Liの一部からなる0次光は、記録原版30の法線方向nd2に対して反時計回りを正として第2角度θ2だけ傾斜した方向に向け、記録原版30の第2面30bから出射する。このような記録原版からの0次光Lr1は、参照光として、ホログラム記録材料20へその第1面20aの側から入射する。
上述したように、前記基準断面(図2に示す断面)において、記録原版30の第2面30bがホログラム記録材料20の第1面20aに対して時計回りを正として、第1角度θ1および第2角度θ2を足し合わせた角度(θ1+θ2)だけ傾斜している。したがって、図2に示すように、0次光Lr1は、ホログラム記録材料20への法線方向nd1aに対して時計回りを正として第1角度θ1だけ傾斜した方向に進み、ホログラム記録材料20へ第1面20aの側から入射する。同様に、1次光Lo1は、ホログラム記録材料20への法線方向nd1aに対して時計回りを正として第2角度θ2だけ傾斜した方向に進み、ホログラム記録材料20へ第1面20aの側から入射する。
図5に簡略化して示すように、ホログラム記録材料20へ0次光Lr1および1次光Lo1が照射がされると、ホログラム記録材料20内において、参照光としての0次光Lr1と物体光としての1次光Lo1が干渉し、明暗の縞からなる光の干渉縞12aが形成される。感光性を有したホログラム記録材料20は、この明暗の縞12aに対応して反応する。この結果、ホログラム記録材料20内に、この明暗の縞12aに対応したパターンの縞状パターン(干渉縞)12が形成され、回折機能が付与される。一例として、ホログラム記録材料20がフォトポリマーからなる場合には、屈折率変調パターンからなる縞状パターン12として、干渉縞12aが記録される。とりわけ、本実施の形態による製造方法によれば、ホログラム記録材料20に記録される縞状パターン12は、理論的には、記録原版30の透過型ホログラム原版40の縞状パターン42と法線方向を対称軸線とした対称的な構成を有し、記録原版30の透過型ホログラム原版40の縞状パターン42と同一の空間周波数を有するようになる。
なお、参照光としての0次光Lr1と物体光としての1次光Lo1とが干渉してなる明暗の縞12aは、0次光Lr1の進行方向と1次光Lo1との進行方向によってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。これにともなって、ホログラム記録材料20に記録される縞状パターン12も、0次光Lr1の進行方向と1次光Lo1の進行方向とのによってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。
図2に示すように、ホログラム記録材料20の記録原版30に対面していない側の第2面20b上には、遮光層29が設けられている。これにより、ホログラム記録材料20内へ入射した0次光Lr1および1次光Lo1が、ホログラム記録材料20の第2面20bで反射され、不要な干渉縞がホログラム記録材料20に記録されてしまうことを防止することができる。
縞状パターン(干渉縞)12を形成されたホログラム記録材料20は、その後、後処理工程を施され、ホログラム記録材料20から透過型ホログラム10が得られるようになる。なお、後処理の内容は、ホログラム記録材料20をなす材料によって異なるが、一例として、紫外線照射および加熱処理が、一連の後処理としてホログラム記録材料20に実施され得る。
ホログラム記録材料20の法線方向nd1aは、作製された透過型ホログラム10の法線方向nd1に一致するようになる。また、ホログラム記録材料20の第1面20aおよび第2面20bが、それぞれ、透過型ホログラム10の第1面10aおよび第2面10bに一致するようになる。
なお、透過型ホログラム10を作製する際に用いられた0次光Lr1(図2および図5参照)の立体構成は、製造された透過型ホログラム10を再生するための再生照明光La1(図1参照)の立体構成と、同一となっている。より厳密には、透過型ホログラム10を作製する際に用いられた0次光Lr1の、ホログラム記録材料20への法線方向nd1aに対して時計回りを正として第1角度θ1をなす方向を基準とした、立体構成が、透過型ホログラム10を再生するための再生照明光La1の、透過型ホログラム10への法線方向nd1に対して時計回りを正として第1角度θ1をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
同様に、透過型ホログラム10を作製する際に用いられた1次光Lo1(図2および図5参照)の立体構成は、製造された透過型ホログラム10によって再生された再生光Lb1(図9参照)の立体構成と、同一となっている。より厳密には、透過型ホログラム10を作製する際に用いられた1次光Lo1の、ホログラム記録材料20への法線方向nd1aに対して時計回りを正として第2角度θ2をなす方向を基準とした、立体構成が、透過型ホログラム10によって再生される再生光Lb1の、透過型ホログラム10への法線方向nd1に対して時計回りを正として第2角度θ2をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
以上のような第1の実施の形態による製造方法によれば、記録原版30とホログラム記録材料20との間には空気のみが介在している。すなわち、ホログラム記録材料20と対向して配置される記録原版30の第2面30bは、ホログラム記録材料20から離間して配置されている。
その一方で、記録原版の第2面上にホログラム記録材料が密着して配置される方法では、通常、記録原版上にインデックスマッチング液を塗布する必要が生じ、さらには、インデックスマッチング液の塗布にともなった清掃作業等の取り扱い作業も必要となっていた。このようなインデックスマッチング液の取り扱いは、記録原版上に次のホログラム記録材料を配置する度に行う必要があり、極めて煩雑な作業となっていた。この点において、本実施の形態による製造方法によれば、記録原版上にインデックスマッチング液を塗布する必要がなく、このような不具合の発生を防止することができる。
また、記録原版の第2面上にホログラム記録材料を都度配置する場合、記録原版を損傷してしまう可能性がある。ホログラム作製用の記録原版には、わずかな傷等も許されないため、損傷してした記録原版は、もはやホログラムの作製に用いることができず、廃棄するしかなかった。この点においても、本実施の形態による製造方法によれば、記録原版上に他の部材を密着させる必要がないことから、このような不具合の発生を防止することができる。
なお、記録原版130がホログラム記録材料120から離間した状態で、ホログラム記録材料120に干渉縞を記録する方法として、図14に示すように、記録原版130をホログラム記録材料120から平行に離間させて配置する方法も考えられる。このような方法によれば、上述した実施の形態による製造方法と同様に、記録原版130をホログラム記録材料120に密着させることに起因した不具合の発生を防止することができる。しかしながら、記録原版130をホログラム記録材料120に対して平行に離間させる方法では、製造されたホログラムによって、視認され得る程度に空間周波数が低い不要な明暗縞が再生されてしまう、といった不具合が生じていた。
記録原版130とホログラム記録材料120とが空気層からなる空間をあけて配置されている場合、いくら反射防止ガラス等からなる反射防止層によって空間との界面が形成されていたとしても、現状、ホログラム記録材料120または記録原版130と空気層との間での反射を完全に防止することができない。したがって、図14に示すように、ホログラム記録材料120と記録原版130との間を繰り返し反射する本来意図していない光(以下においては反射光Lfとも呼ぶ)が発生してしまう。そして、この反射光Lfは、記録原版130からホログラム記録材料120へ入射する参照光や物体光(以下においては、直接光Ldとも呼ぶ)と、干渉し合うことになる。
一方、可視光線の波長オーダーのレベルで評価した平行度において、ホログラム記録材料120を、都度、記録原版130に対し平行に保持することは実質的に困難である。また、通常、ホログラム記録材料120および記録原版130の対向する各表面120a,130bは、平坦面として構成されている。ホログラム記録材料120と記録原版130との間隔は、ある方向に沿って連続的に変化、例えば、しだいに広がっていく(長くなっていく)。このため、反射光Lfと直接光Ldとの光路差が当該光の波長の整数倍となって、明るく観察される部位は、ホログラム記録材料120と記録原版130との間隔が変化していく方向に、間隔をあけて並ぶようになる。この結果、ホログラム記録材料と記録原版との間隔が変化していく方向に、明暗の縞が並んで形成されるようになる。そして、ホログラム記録材料120と記録原版130との傾斜角度が僅かであるほど、明暗縞のピッチは長くなる、言い換えると、明暗縞の空間周波数が小さくなる。ホログラム記録材料120と記録原版130とによってなされる角度が小さい場合には、目視で認識可能な明暗縞が現れるようになる。
このようにして現れた不要な明暗縞もホログラム記録材料120に記録される。そして、作製されたホログラムの使用時にも、この明暗縞が目視で認識可能に再生されるようになる。そして、このような不要な明暗縞が出現すると、ホログラムの意匠性および識別性を著しく損なうことになる。
一方、上述してきた本実施の形態による方法で作製された透過型ホログラム10によれば、図2に示すように、記録原版30が、第1角度θ1と第2角度θ2とを足し合わせた角度分だけ、ホログラム記録材料20に対して傾斜している。このような方法によれば、図6に示すように、ホログラム記録材料20と記録原版30との間隔が変化していく方向(即ち図6の左右方向)に僅かにずれた二つの位置の間で、ホログラム記録材料20と記録原版30との間隔が、可視光線の波長オーダーとは全く異なる大きなオーダーで変化することになる。すなわち、明暗縞が出現していたとしても、目視では、当該明暗縞の明部と暗部とを分解して識別すること不可能となる。
以上のようなことから、第1の実施の形態によれば、視認され得る程度の不要な明暗縞がホログラム記録材料20に記録されることを安定して防止することができる。さらには、記録原版30を用いたホログラムの量産において、ホログラム記録材料20上に、都度、反射防止層を形成するといった極めて煩雑な作業を省くことも可能にすることができる。この結果、優れた意匠性と高い識別性を有した透過型ホログラム10を安定して容易に製造することができる。
なお、上述した第1の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
例えば、以上の第1の実施の形態において、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bが互いに対して平行な平坦面からなる例を示したが、これに限られない。例えば、図7に示すように、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bが互いに対して傾斜した平坦面からなるようにしてもよい。
図7に示すように、ホログラム記録材料で反射された光は、その後、記録原版30の第2面30bで反射する場合だけでなく、いったん記録原版30内に入射し、その後、空気層との界面を形成する記録原版30の第1面30aで反射することもある。そして、第2面30bで反射した第1反射光Lf1は、図14および図6を参照しながら説明したように直接光Ldと干渉して空間周波数の低い明暗縞を形成するだけでなく、第1面30bで反射した第2反射光Lf2とも干渉し合う。
そして、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bとの間で、可視光線の波長オーダーでの平行度が、実現されていないこともあり得る。とりわけ、上述した実施の形態で説明したように、記録原版30が、透過型ホログラム原版40と反射防止層36,37との積層体からなっている場合には、第1面30aおよび第2面30bとの間で、可視光線の波長オーダーでの平行度を実現することは実質的に困難となる。
この場合、図7に示すように、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bを互いに対して積極的に傾斜させておくことにより、第2面30aで反射した第1反射光Lf1と第1面30bで反射した第2反射光Lf2との干渉によって生じる明暗縞の空間周波数を、視認不可能な程度にまで、小さくすることができる。これにより、視認され得る程度の不要な明暗縞がホログラム記録材料20に記録されることを、さらに安定して、防止することができる。
なお、図7に示す変形例において、記録原版30は、透過型ホログラム原版40と、第1および第2反射防止層36,37と、透過型ホログラム原版40と第1反射防止層36との間に設けられた透明部材38と、を有している。透明部材38は、互いに対して傾斜した一対の平坦な主面38a,38bを有しており、透明部材38の断面形状はくさび形となっている。ただし、この例に限られず、透明部材38が透過型ホログラム原版40と第2反射防止層37との間に配置される等、種々の方法で、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bを互いに対して傾斜させるようにしてもよい。
ところで、上述してきたように記録原版30のホログラム記録材料20に対面する側の第2面30bは、ホログラム記録材料20の表面に対して所定の角度をなすように、位置決めされている。したがって、記録原版30の第1面30aおよび第2面30bを互いに対して傾斜させる場合には、ホログラム記録材料20に対面する第2面30bのホログラム記録材料20に対する角度を維持しながら、第2面30bに対して第1面30aを傾斜させるようにする。
また、上述した第1の実施の形態において、記録原版30の透過型ホログラム原版40で回折されてなる1次光Lo1の出射方向が、記録原版30への法線方向nd2に対して反時計回りを正としてなす角度である第1角度θ1と、記録原版30の透過型ホログラム原版40で回折されることなく透過型ホログラム原版40を透過した0次光Lr1の出射方向が記録原版30への法線方向nd2に対して反時計回りを正としてなす角度である第2角度θ2とが、同一符号(例えば、第1角度θ1が30°で、第2角度θ2が10°であり、両角度θ1,θ2とも正の値)となっている例を示したが、これに限られない。例えば、図8に示すように、第1角度θ1が−10°で、第2角度θ2が30°となるようにしてもよい。
図8に示す例においては、記録原版30の第2面30bがホログラム記録材料20に対面し、且つ、記録原版30の第2面30bがホログラム記録材料の表面に対して時計回りを正として第1角度θ1(−10°)および第2角度θ2(30°)を足し合わせた角度である20°だけ傾斜するようにして、記録原版20とホログラム記録材料20とを配置した状態で、上述したホログラム記録材料20の露光を行うことにより、上述した実施の形態と同様の作用効果を享受することができる。また、製造された透過型ホログラム10は、その一方の面10aへの法線方向nd1を通過するある面(図1に示された断面)において、当該法線方向nd1に対して時計回りを正として第1角度θ1をなす方向に進んで前記一方の面10aの側から入射する第1波長の再生照明光La1を、一方の面10aへの法線方向nd1に対して時計回りを正として第2角度θ2をなす方向に向けて他方の面10bの側から出射する再生光Lo1として、回折するようになる。
さらに、上述した第1の実施の形態において、透過型ホログラム10を作製する際に用いられる0次光Lr1および1次光Lo1の波長を、製造された透過型ホログラム10の使用時に当該透過型ホログラム10で回折すべき再生照明光La1および再生光Lb1と同様に、第1波長とした例を示したが、これに限られない。記録原版30の透過型ホログラム原版40は、第1波長以外の波長を有する光であっても、そのブラッグ回折条件を満たす入射角度で入射する光を、高い回折効率で回折するようになる。そして、ホログラム記録材料20と記録原版30とを上述した条件で配置した状態で、記録原版30の透過型ホログラム原版40のブラッグ条件を満たすようにして、第1波長以外の波長の光を入射させた場合においても、上述した実施の形態と同様の作用効果を享受しながら、図1に示された透過型ホログラム10を作製することができる。
なお、以上において第1の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
<第2の実施の形態>
次に、図9〜図13を参照して、第2の実施の形態およびその変形例について説明する。このうち図9には、以下に説明する製造方法により作製され得る反射型体積ホログラムの一例が示されている。すなわち、以下の説明において、製造対象となる反射型体積ホログラム50(反射型ホログラムとも呼ぶ)は、特定方向からの入射光を回折して、入射方向とは異なる方向に反射して出射させる光学素子として形成されている。
なお、以下に説明する第2の実施の形態においては、製造対象となるホログラムが透過型ホログラムではなく反射型ホログラムである点について、上述の第1の実施の形態とは異なっている。そして、以下の第2の実施の形態の説明において、上述の第1の実施の形態と同様にすることができる部分については、適宜、重複する記載を省略する。
図9に示すように、反射型ホログラム50は、互いに平行な一方の面50aおよび他方の面50bを有している。反射型ホログラム50は、その一方の面50aへの法線方向nd3を通過するある面(図9に示された断面)において、当該法線方向nd3に対して時計回りを正として第2角度θ4をなす方向に進んで一方の面50aの側から入射する第1波長の再生照明光La2を、一方の面50aへの法線方向nd3に対して時計回りを正として第1角度θ3をなす方向に向けて一方の面50aの側から反射して出射する再生光Lo2として、回折する。なお、本実施の形態において、反射型ホログラム50の第1面50aおよび第2面50bは互いに平行な平坦面として構成されている。したがって、第1面50aへの法線方向nd3と第2面50bへの法線方向nd3は一致し(平行となり)、以下においては、これら二つの法線方向を単に、反射型ホログラム50の法線方向nd3、とも呼ぶ。
すなわち、法線方向nd3に対して時計回りを正として第2角度θ4をなす方向に沿って一方の面50aから反射型ホログラム50へ入射する光La2は、反射型ホログラム50の縞状パターン(干渉縞)52のブラッグ条件を満たすようになる。ここで、ブラッグの反射条件が満たされるとは、第1の実施の形態において説明した式(1)が満たされることに相当する。
なお、第2の実施の形態においては、図9に示すように、理解のしやすさの便宜を図り、反射型ホログラム50が、法線方向nd3に対して時計回りを正として第2角度θ4をなす方向に沿って一方の面50aから入射する平行光束としての再生照明光La2を、法線方向nd3に対して時計回りを正として第1角度θ3をなす方向に沿って一方の面50aから出射する平行光束からなる再生光Lb2として、回折する例を示している。ただし、これに限られず、第2の実施の形態においても上述した第1の実施の形態と同様に、再生照明光La2が、法線方向nd3に対して時計回りを正として第2角度θ4をなす方向を一つの光路として含む発散光束、収束光束または散乱光束であってもよい。同様に、再生光Lb2が、法線方向nd3に対して時計回りを正として第1角度θ3をなす方向を一つの光路として含む発散光束、収束光束または散乱光束であってもよい。
次に、主に図10〜図13を参照しながら、以上のような反射型ホログラム50を製造する方法の一例について説明する。
以下に説明するホログラムの製造方法は、図10に示すように、反射型ホログラム原版90を含み互いに対向する第1面80aおよび第2面80bを有した記録原版80を、ホログラム記録材料70に対して傾斜して且つホログラム記録材料70に対向するようして配置する工程と、ホログラム記録材料70を透過した後に、反射型ホログラム原版90のブラッグ条件を満たすようにして記録原版80へ第1面80aの側から入射するよう、ホログラム記録材料70へ一方の面70aの側から光Lr2を照射するとともに、反射型ホログラム原版80で回折されてなる1次光(回折光)Lo2をホログラム記録材料70へ他方の面70bの側から照射する工程と、を含んでいる。すなわち、以下に説明するホログラムの製造方法では、体積型ホログラム50は、記録原版80を用いてホログラム記録材料70に干渉縞を記録する、いわゆるH1H2法により作製される。
まず、反射型ホログラム50の作製に用いられる記録原版80について説明し、その後、記録原版80をホログラム記録材料70に対して配置する工程と、ホログラム記録材料70に干渉縞52aを記録して縞状パターン52を形成する工程と、を説明する。
図10に示すように、記録原版80は、反射型ホログラム原版90を含み、互いに平行に対向する第1面80aおよび第2面80bを有している。また、本実施の形態においては、記録原版80は、反射型ホログラム原版90の第1面90aの側に配置されて記録原版80の第1面80aをなす反射防止層96と、反射型ホログラム原版90の第2面90bの側に配置されて記録原版80の第2面80bをなす光吸収層97と、をさらに有している。反射防止層96は反射を抑制する特性を有し、光吸収層97は光を吸収する特性を有している。また、反射防止層96および光吸収層97と反射型ホログラム原版90との間には、急激な屈折率差が生じることや空隙が形成されることを防止するため、インデックスマッチング液からなるインデックスマッチング層が設けられてもよいし、その他、光学接着剤や粘着層付きフィルム等が設けられてもよい。
なお、反射防止層96は一定の厚みを有しており、反射型ホログラム原版80の第1面90aは記録原版80の第1面80aと平行になっている。また、光吸収層97も一定の厚みを有しており、反射型ホログラム原版90の第2面90aは記録原版80の第2面80aと平行になっている。
図10に示すように、記録原版80は、記録原版80の第1面80aへの法線方向nd4を通過する基準断面(図10に示す断面)において当該法線方向nd4に対して反時計回りを正として第1角度θ3をなす方向から記録原版80へ第1面80aの側から入射する光Lr2が、反射型ホログラム原版90で回折された回折光Lo4として、前記基準断面(図10に示す断面)において法線方向nd4に対して反時計回りを正として第2角度θ4をなす方向に反射されて第1面80aの側から出射するようになっている。なお、本実施の形態において、記録原版80の第1面80aおよび第2面80bは互いに平行な平坦面として構成されている。したがって、第1面80aへの法線方向nd4と第2面80bへの法線方向nd4は一致し(平行となり)、以下においては、これら二つの法線方向を単に、記録原版80の法線方向nd4、とも呼ぶ。またここで、第1角度θ3および第2角度θ4は、±90°の範囲内の任意の角度であって、さらには、大きさの絶対値が互いに異なっている角度である。
ところで、実際には、記録原版80の第1面80aにおいて、並びに、記録原版80内の層間において、屈折が生じる。さらには、後述するホログラム記録材料70の第1面70aおよび第2面70bにおいても、屈折が生じ、ホログラム記録材料70に反射防止層との別途の層が積層されていれば、当該反射防止層に起因した屈折も生じる。しかしながら、本明細書における説明および添付図においては、理解しやすさの便宜から、これらの屈折を無視して、光が各界面を直進するようにしている。
図11には、記録原版80に含まれた透過型の体積型ホログラムからなる反射型ホログラム原版90の回折作用が図示されている。図11に示すように、互いに平行な第1面90aおよび第2面90bを有する反射型ホログラム原版90は、その法線方向nd4に対して反時計回りを正として第1角度θ3をなす方向に沿って第1面90aの側から入射する第1波長の再生照明光L111を回折して、その法線方向nd4に対して反時計回りを正として第2角度θ4をなす方向に反射させて第2面90bの側から、再生光L112として、出射させるようになる。すなわち、反射型ホログラム原版90は、その法線方向nd4に対して反時計回りを正として第1角度θ3をなす方向に沿って第1面90aの側から入射する第1波長の光によってブラッグ反射条件が満たされるようになる縞状パターン(干渉縞)92を有している。
図11に示された回折機能を発揮し得る反射型ホログラム原版90は、一例として、図12に示すようにして、作製することができる。すなわち、第1波長のコヒーレントな光、典型的にはレーザ光源から発振された第1波長のレーザ光を、参照光L121として感光性を有したホログラム記録材料95に第1面95aの側から入射させるとともに、物体光L122としてホログラム記録材料95に第1面95aに対向する第2面95bの側から入射させる。このうち参照光L121は、ホログラム記録材料95への法線方向nd4aに対して反時計回りを正として第1角度θ3をなす方向に進む。一方、物体光L122は、ホログラム記録材料95への法線方向nd4aに対して反時計回りを正として第2角度θ4をなす方向に進む。
この結果、ホログラム記録材料95が参照光L121および物体光L122によって露光され、参照光L121および物体光L122が干渉してなる明暗の縞92aが縞状パターン92として記録される。干渉縞92aが縞状パターン92として記録されたホログラム記録材料95に適当な後処理を施すことによって、上述した反射型ホログラム原版90が得られる。
この際、参照光L121と物体光L122とが干渉してなる明暗の縞92aは、参照光L121の進行方向と物体光L122の進行方向とのによってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。これにともなって、ホログラム記録材料95に記録される縞状パターン92も、参照光L121の進行方向と物体光L122との進行方向によってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。
ホログラム記録材料95の法線方向nd4aは、反射型ホログラム原版90の法線方向nd4に一致するようになる。また、ホログラム記録材料95の第1面95aおよび第2面95bが、それぞれ、反射型ホログラム原版90の第1面90aおよび第2面90bに一致するようになる。
また、反射型ホログラム原版90を作製する際に用いられた参照光L121(図12参照)は、反射型ホログラム原版90を再生する際の再生照明光L111(図11参照)と、同一の立体構成を有している。より厳密には、反射型ホログラム原版90を作製する際に用いられた参照光L121の、ホログラム記録材料95への法線方向nd4aに対して反時計回りを正として第1角度θ3をなす方向を基準とした、立体構成が、反射型ホログラム原版90を再生する際の再生照明光L111の、反射型ホログラム原版90への法線方向nd4に対して反時計回りを正として第1角度θ3をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
同様に、反射型ホログラム原版90を作製する際に用いられた物体光L122(図12参照)は、反射型ホログラム原版90によって再生された再生光L112(図11参照)と、同一の立体構成を有している。より厳密には、反射型ホログラム原版90を作製する際に用いられた物体光L122の、ホログラム記録材料95への法線方向nd4aに対して反時計回りを正として第2角度θ4をなす方向を基準とした、立体構成が、反射型ホログラム原版90によって再生された再生光L112の、反射型ホログラム原版90への法線方向nd4に対して反時計回りを正として第2角度θ4をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
なお、ここで立体構成とは、既に第1の実施の形態において説明した通りであり、各光の光束として立体的な構成を指すものである。
次に、記録原版80をホログラム記録材料70に対して配置する工程について説明する。
ここでは、まず、反射型ホログラム50を作製するためのホログラム記録材料70を準備し、このホログラム記録材料70に対して記録原版80を位置決めする。反射型ホログラム50を作製するためのホログラム記録材料70としては、上述の第1の実施の形態で説明した透過型ホログラム10を作製するためのホログラム記録材料20と同様に、例えば、フォトポリマー、銀塩乳剤、重クロム酸ゼラチン、フォトレジスト等を用いることができる。また、ホログラム記録材料90の形体としては、フィルム単体であってもよいし、ガラス上に保持された材料であってもよいし、あるいは、一対のガラス間に注入された材料であってもよい。なお、上述した反射型ホログラム原版90を作製するためのホログラム記録材料95についても、ここで例示したものを用いることができる。
図10に示すように、準備されたホログラム記録材料70の第2面70bに記録原版80の第1面80aが対面し、且つ、記録原版80の第1面80aへの法線方向nd4を通過する前記基準断面(図10に示す断面)における第1面80aがホログラム記録材料70の第2面70bに対して時計回りを正として、第2角度θ4および第1角度θ3を足し合わせた角度(θ1+θ2)だけ傾斜するようにして、記録原版80をホログラム記録材料70に対して位置決めする。図10に示す例において、第1角度θ3は10°であり、第2角度θ4は30°となっており、第1角度θ3および第2角度θ4を足し合わせた角度は40°となっている。このような位置決め状態で、次に説明するホログラム記録材料70に干渉縞52aを記録する工程が実施される。
次に、ホログラム記録材料70に干渉縞52を記録する工程について説明する。
この工程では、第1波長のコヒーレントな参照光Lr2、典型的にはレーザ光源で発生された参照光L2rを、ホログラム記録材料70に第1面70aの側から入射させる。ホログラム記録材料70に入射した参照光L2rは、その後、ホログラム記録材料70を透過して、反射型ホログラム原版90のブラッグ条件を満たすようにして、記録原版80へ第1面80aの側から入射する。
なお、記録原版80へ入射させる参照光Lr2としては、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、ネオジウムヤグレーザー等のレーザ光源から発振されたレーザ光を用いることができる。なお、上述した反射型ホログラム原版90を作製するために用いる参照光L121および物体光L122についても、ここで例示したレーザ光を用いることができる。
図10に示す例においては、参照光Lr2のホログラム記録材料70への入射方向は、記録原版80の法線方向nd4を通過する前記基準断面(図10に示す断面)において当該記録原版80に対して所定角度傾斜して配置されたホログラム記録材料70への法線方向nd3aに対し、前記基準断面を通る断面において(図10に示す断面)、時計回りを正として第2角度θ4だけ傾斜した方向となっている。
上述したように、前記基準断面(図10に示す断面)において、記録原版80の第1面80aがホログラム記録材料70の第2面70bに対して時計回りを正として、第1角度θ3および第2角度θ4を足し合わせた角度(θ3+θ4)だけ傾斜している。したがって、図10に示すように、ホログラム記録材料70を透過した参照光Lr2は、記録原版80の第1面80aへの法線方向nd4に対して反時計回りを正として第1角度θ3だけ傾斜して記録原版80へ第1面80aの側から入射する。このような参照光Lr2は、再生照明光として機能し、反射型ホログラム原版90の縞状パターン92によって回折され、その進行方向を偏向される。そして、縞状パターン92で回折されてなる1次回折光(再生光)Lo2は、記録原版80の法線方向nd4に対して反時計回りを正として第2角度θ4だけ傾斜した方向に向け、記録原版80の第1面80aの側から出射するようになる。
次に、記録原版80からの1次光Lo2は、ホログラム記録材料70へ第2面70bの側から入射するようになる。このとき、図10に示すように、記録原版80で反射された1次光Lo2は、ホログラム記録材料70の第2面70bへの法線方向nd3aに対して時計回りを正として第1角度θ3だけ傾斜して、ホログラム記録材料70へ第2面70bの側から、物体光として、入射する。なお、ホログラム記録材料70はフィルム状に形成され、第1面70aおよび第2面70bは互いに平行な平坦面として構成されている。この結果、図13に簡略化して示すように、参照光Lr2が、ホログラム記録材料70の法線方向nd3aに対して正面方向を正として第2角度θ4だけ傾斜した方向に沿って、ホログラム記録材料70へ第1面70aの側から入射するとともに、物体光Lo2が、ホログラム記録材料70の法線方向nd3aに対して正面方向を正として第1角度θ3だけ傾斜した方向に沿って、ホログラム記録材料70へ第2面70bの側から入射する。
ホログラム記録材料70へ参照光Lr2および物体光(1次光)Lo2が露光されると、ホログラム記録材料70内において、参照光Lr2と物体光Lo2とが干渉し、明暗の縞からなる光の干渉縞52aが形成される。感光性を有したホログラム記録材料70は、この明暗の縞52aに対応して反応する。この結果、ホログラム記録材料70内に、この明暗の縞52aに対応したパターンの干渉縞(縞状パターン)52が形成され、回折機能が付与される。一例として、ホログラム記録材料70がフォトポリマーからなる場合には、屈折率変調パターンからなる縞状パターン52として干渉縞52aが記録される。とりわけ、本実施の形態による製造方法によれば、ホログラム記録材料70に形成される縞状パターン52は、理論的には、記録原版80の透過型ホログラム原版90の縞状パターン92と法線方向を対称軸線として対称的な構成を有し、記録原版80の透過型ホログラム原版90の干渉縞92と同一の空間周波数を有するようになる。
なお、参照光Lr2と物体光Lo2とが干渉してなる明暗の縞は、参照光Lr2の進行方向と物体光Lo2の進行方向とのによってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。これにともなって、ホログラム記録材料70に記録される干渉縞52も、参照光Lr2の進行方向と物体光Lo2の進行方向とのによってなされる角の二等分線と平行な方向に延びるようになる。
なお、図10に示すように、記録原版80のホログラム記録材料70に対面していない側の面上には、遮光層97が設けられている。この遮光層97により、記録原版90の第2面90bでの意図しない反射を防止することができ、これにより、不要な干渉縞がホログラム記録材料70に記録されてしまうことを防止することができる。
縞状パターン(干渉縞)52が形成されたホログラム記録材料70は、その後、後処理工程を施され、ホログラム記録材料70から反射型ホログラム50が得られるようになる。ホログラム記録材料70の法線方向nd3aは、作製された反射型ホログラム50の法線方向nd3に一致するようになる。また、ホログラム記録材料70の第1面70aおよび第2面70bが、それぞれ、反射型ホログラム50の第1面50aおよび第2面50bに一致するようになる。
なお、反射型ホログラム50を作製する際に用いられた参照光Lr2(図10および図13参照)の立体構成は、製造された反射型ホログラム50を再生するための再生照明光La2(図9参照)の立体構成と、同一となっている。より厳密には、反射型ホログラム50を作製する際に用いられた参照光Lr2の、ホログラム記録材料70への法線方向nd3aに対して時計回りを正として第2角度θ4をなす方向を基準とした、立体構成が、反射型ホログラム50を再生するための再生照明光La2の、反射型ホログラム50への法線方向nd3に対して時計回りを正として第2角度θ4をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
同様に、反射型ホログラム50を作製する際に用いられた物体光(1次光)Lo2(図10および図13参照)の立体構成は、製造された反射型ホログラム50によって再生された再生光Lb2(図9参照)の立体構成と、同一となっている。より厳密には、反射型ホログラム50を作製する際に用いられた物体光(1次光)Lo2の、ホログラム記録材料70への法線方向nd3aに対して時計回りを正として第1角度θ3をなす方向を基準とした、立体構成が、反射型ホログラム50によって再生される再生光Lb2の、反射型ホログラム50への法線方向nd3に対して時計回りを正として第1角度θ3をなす方向を基準とした、立体構成と同一となっている。
以上のような第2の実施の形態による製造方法によれば、記録原版80とホログラム記録材料70との間には空気のみが介在している。すなわち、記録原版80は、ホログラム記録材料70から離間して配置されている。この点において、第2の実施の形態による製造方法によれば、第1の実施の形態による製造方法と同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、新たなホログラム記録材料70に干渉縞52を記録する度に、記録原版80とホログラム記録材料70とをインデックスマッチング液を介して積層する必要を省くことができる。これにより、インデックスマッチング液の塗布およびその清掃といった煩雑な作業を省くことができ、且つ、この煩雑な作業中に生じる記録原版の損傷といった不具合を回避することができる。
また、第2の実施の形態によれば、ホログラム記録材料70と記録原版80とを互いに対して傾斜して配置した状態で、ホログラム記録材料70への露光を行うようになっている。このため図6を参照しながら説明した第1の実施の形態と同様に、ホログラム記録材料70と記録原版80との間隔が変化していく方向(即ち図6の左右方向)に僅かにずれた二つの位置の間で、ホログラム記録材料70と記録原版80との間隔が、可視光線の波長オーダーとは異なる大きなオーダーで変化することになる。この結果、いわゆる薄膜干渉の原理にしたがい、ホログラム記録材料70と記録原版80との間で反射を繰り返す反射光Lf(図7参照)と、ホログラム記録材料70から記録原版80へと進む参照光Lr2または記録原版80からホログラム記録材料70へと進む物体光(1次光)Lo2と、の干渉に起因した明暗縞が出現していたとしても、目視では、当該明暗縞の明部と暗部とを分解して識別すること不可能となる。したがって、視認され得る程度に空間周波数が低い不要な明暗縞がホログラム記録材料70に記録されてしまうことを防止することができる。
すなわち、第2の実施の形態によれば、視認され得る程度の不要な明暗縞がホログラム記録材料70に記録されることを安定して防止することができる。さらには、記録原版80を用いたホログラムの量産において、ホログラム記録材料70上に、都度、反射防止層を形成するといった極めて煩雑な作業を省くことも可能にすることもできる。この結果、優れた意匠性と高い識別性を有した反射型ホログラム50を安定して容易に製造することができる。
なお、以上の第2の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
例えば、上述した第2の実施の形態において、記録原版80が、反射型ホログラム原版90と、反射防止層96と、光吸収層97と、からなる例を示したが、これに限られない。一例として、光吸収層97を記録原版80から省いてもよいし、光吸収層97に代えて第2の反射防止層を設けてもよい。なお、記録原版80から光吸収層97を省く場合には、記録原版80の第2面80bに対面する位置に、記録原版80から離間して、光を吸収する機能を有した光吸収層を設けても良い。
また、上述した第2の実施の形態において、記録原版80の第1面80aおよび第2面80bが互いに対して平行な平坦面からなる例を示したが、これに限られない。第1の実施の形態に対する変形例として図7を参照しながら既に説明したように、記録原版80の第1面80aおよび第2面80bが互いに対して傾斜した平坦面からなるようにしてもよい。このような変形例によれば、図7を参照しながら既に説明したように、記録原版80の第1面80aでの反射光と第2面80bでの反射光との干渉によって生じる明暗の縞を目立たなくさせることができる。なお、一例として、互いに対して傾斜した一対の平坦な主面38a,38bを有した透明部材38(図7参照)を、記録原版80に組み込むことによって、記録原版80の第1面80aおよび第2面80bを互いに対して傾斜させることができる。
なお、上述してきたように記録原版80のホログラム記録材料20に対面する第1面80aは、ホログラム記録材料70の表面に対して所定の角度をなすように、位置決めされている。したがって、記録原版80の第1面80aおよび第2面80bを互いに対して傾斜させる場合には、ホログラム記録材料70に対面する第1面80aのホログラム記録材料20に対する角度を維持しながら、第1面80aに対して第2面80bを傾斜させるようにする。
また、上述した第2の実施の形態において、記録原版80の反射型ホログラム原版90で回折されてなる物体光(1次光)Lo2の出射方向が、記録原版80への法線方向nd4に対して反時計回りを正としてなす角度である第2角度θ4と、記録原版80の反射型ホログラム原版90のブラッグ回折条件を満たすようになる参照光Lr2の記録原版80への入射方向が、記録原版80への法線方向nd4に対して反時計回りを正としてなす角度である第1角度θ3とが、同一符号(例えば、第1角度θ3が10°で、第2角度θ4が30°であり、両角度θ1,θ2とも正の値)となっている例を示したが、これに限られない。例えば、第1角度θ1が−10°で、第2角度θ2が30°となるようにしてもよい。このような変形例によっても、その一方の面50aへの法線方向nd3を通過するある面において、当該法線方向nd3に対して時計回りを正として第2角度θ4をなす方向に進んで前記一方の面50aの側から入射する第1波長の再生照明光La2を、一方の面50aへの法線方向nd3に対して時計回りを正として第1角度θ3をなす方向に向けて一方の面50aの側から反射して出射する再生光Lo2として、回折する、ように構成された反射型ホログラム50を作製することができる。
さらに、上述した第2の実施の形態において、反射型ホログラム50を作製する際に用いられる参照光Lr2および物体光Lo2の波長を、製造された反射型ホログラム50の使用時に当該反射型ホログラム50で回折すべき再生照明光La2および再生光Lb2と同様に、第1波長とした例を示したが、これに限られない。記録原版80の反射型ホログラム原版90は、第1波長以外の波長を有する光であっても、そのブラッグ回折条件を満たす入射角度で入射する光を、高い回折効率で回折するようになる。そして、ホログラム記録材料70と記録原版80とを上述した条件で配置した状態で、記録原版80の反射型ホログラム原版90のブラッグ条件を満たすようにして、第1波長以外の波長の光を入射させた場合においても、上述した実施の形態と同様の作用効果を享受しながら、図9に示された反射型ホログラム50を作製することができる。
なお、以上において第2の実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。