JP2011232413A - コントラスト向上フィルムの製造方法、コントラスト向上フィルム、及びこれを備えたディスプレイ用光学フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラスト向上フィルムを少ない工程数で効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】アニオン性基を有する化合物を含む表面処理層120が一方の表面上に形成された透明プラスチック基板110の、表面処理層120を有する面に、互いに平行な多数の帯状の溝が形成されるように表面処理層120及び透明プラスチック基板110の一部を除去し、多数の帯状の透明プラスチック露出溝部130を形成する工程、前記透明プラスチック露出溝部130を有する前記透明プラスチック基板110に、めっき触媒化合物溶液を接触させることにより、透明プラスチック露出溝部130の透明プラスチック表面上にめっき触媒層140を形成する工程、無電解めっき及び/又は電解めっきすることにより、めっき触媒層140上にめっき層150を形成し、透明プラスチック基板110に、多数の帯状の光吸収部を設ける工程、を含むコントラスト向上フィルムの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】アニオン性基を有する化合物を含む表面処理層120が一方の表面上に形成された透明プラスチック基板110の、表面処理層120を有する面に、互いに平行な多数の帯状の溝が形成されるように表面処理層120及び透明プラスチック基板110の一部を除去し、多数の帯状の透明プラスチック露出溝部130を形成する工程、前記透明プラスチック露出溝部130を有する前記透明プラスチック基板110に、めっき触媒化合物溶液を接触させることにより、透明プラスチック露出溝部130の透明プラスチック表面上にめっき触媒層140を形成する工程、無電解めっき及び/又は電解めっきすることにより、めっき触媒層140上にめっき層150を形成し、透明プラスチック基板110に、多数の帯状の光吸収部を設ける工程、を含むコントラスト向上フィルムの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ等の各種ディスプレイパネルの前面に設置し、外光によるディスプレイパネルのコントラストの低下を防止する機能等を有するコントラスト向上フィルムを製造する方法、その製造方法により得られるコントラスト向上フィルム、及びこのコントラスト向上フィルムを備えたディスプレイ用光学フィルタに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイやCRTは、近年、大画面表示が主流となり、次世代の大画面表示デバイスとして、PDPや液晶ディスプレイ等が一般的になってきている。このような大型ディスプレイを明室内で使用した場合、蛍光灯等の照明の光がディスプレイパネル内に流入することにより、その光とディスプレイパネル本体から発生された光とが重なりディスプレイパネルのコントラストが低下し、画像表示能力が低下することがある。その場合に、大型ディスプレイのコントラストを向上するため、ルーバー層を備えたコントラスト向上フィルムが使用される場合がある。
ルーバー層は、一般に、図5に示すように、帯状の光透過部510と帯状の光吸収部520とが所定の間隔で交互に配置された層であり、視野角を制御する機能を有している。また、最近、ルーバー層含む光学フィルタとして、例えば、特許文献1に、透明樹脂材質の基板の一面に平行に配列された多数の楔形ブラックストライプ(光吸収部)を有する層を含むフィルタが開示されている。また、特許文献2に、透明樹脂層と透明樹脂層の底面に対して略垂直に且つ相互に間隔をおいて平行に配列された光吸収層(ブラックストライプ(光吸収部))とからなり、光吸収層が所定の高さとピッチで形成されているルーバー層を含む光学フィルタが開示されている。
ここで、ルーバー層を形成する方法としては、特許文献1及び2には、以下のような、いくつかの方法が例示されている。
(1)透明基板の表面に、透明樹脂層を形成するための紫外線硬化性樹脂からなる塗布液を塗布した後、光吸収層(ブラックストライプ)用溝の形状の反対形状の凸部が表面に形成されているブラックストライプ成形用ロールの間に塗布層を有する透明基板を、凸部と塗布層が接触するように通過させる。これにより、透明基板の表面の塗布層にブラックストライプ成形用ロールの形状が転写され、その後この塗布層に紫外線を照射して硬化させることにより、最終的にブラックストライプ用溝が形成された透明樹脂層が透明基板上に設ける。そして、透明樹脂層の溝にカーボンブラック等の光吸収剤を含む紫外線硬化性樹脂を充填し、紫外線を照射して硬化させて、透明基板上にルーバー層を形成する。
(2)ブラックストライプ用溝の反対形状の凸部を有する金型とプラスチック樹脂(透明基板)のシートの間に紫外線硬化性樹脂を挟み込み、金型の形状を転写した状態で、紫外線を照射した後に離型し、これによりブラックストライプ用溝が形成された透明樹脂層が透明基板上に設ける。次いで、透明樹脂層の溝にカーボンブラック等の光吸収剤を含む紫外線硬化性樹脂を充填し、紫外線を照射して硬化させて、透明基板上にルーバー層を形成する。
(3)透明基板にネガ型フォトレジストを貼付し、マスクを用いてブラックストライプ用溝以外の部分に紫外線を照射し、未硬化部分を現像除去することにより、ブラックストライプ用溝が形成された透明樹脂層が透明基板上に設ける。その後、透明樹脂層の溝にカーボンブラック等の光吸収剤を含む紫外線硬化性樹脂を充填し、紫外線を照射して硬化させて、透明基板上にルーバー層を形成する。
(4)透明樹脂層と光吸収層とを別々に作製し、これらを交互に多数積層した積層体を形成する。次いで、この積層体を張り合わせ面と垂直方向にカットする(そぎ取る)ことで、ルーバー層を作製する。
また、ブラックストライプの反転形状の凹部を有する凹版ロールを用いて、ブラックストライプ用樹脂ペーストを透明基板に転写後、紫外線硬化する方法も考えられる。但し、特許文献2によると、ルーバー層のブラックストライプの高さは、20〜80μmの範囲が好ましいとされ、幅は、1〜10μmが好ましいとされ、ピッチ(隣接する光吸収層との間隔に光吸収層の幅を加えたもの)は50〜90μmが好ましいとされている。このようなパターンのブラックストライプを、凹版ロールで透明基板上に高精細に形成することは困難である。従って、(1)〜(3)のように、ブラックストライプ用溝を作製してから、ブラックストライプ用樹脂を充填する方法や、(4)のように透明樹脂層と光吸収層を交互に積層した積層体をカットしたりする方法が一般的である。
上述のように、従来のルーバー層の形成を含むコントラスト向上フィルムの製造方法は、いずれも工程数が多く、且つ連続的な生産方式で製造できないため、生産性が低く、多大な製造コストが掛かっている。
従って、本発明の目的は、コントラスト向上フィルムを少ない工程数で効率的に製造する方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、本発明の製造方法により得られたコントラスト向上フィルムを提供することにある。
更に、本発明の目的は、そのコントラスト向上フィルムを備えるディスプレイ用光学フィルタを提供することにある。
上記目的は、アニオン性基を有する化合物を含む表面処理層が一方の表面上に形成された透明プラスチック基板の、前記表面処理層を有する面に、互いに平行な多数の帯状の溝が形成されるように前記表面処理層及び透明プラスチック基板の一部を除去し、多数の帯状の透明プラスチック露出溝部を形成する工程、前記透明プラスチック露出溝部を有する前記透明プラスチック基板に、めっき触媒化合物溶液を接触させることにより、前記透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上にめっき触媒層を形成する工程、無電解めっき及び/又は電解めっきすることにより、前記めっき触媒層上にめっき層を形成し、前記透明プラスチック基板に、多数の帯状の光吸収部を設ける工程、を含むコントラスト向上フィルムの製造方法によって達成される。
アニオン性基を有する化合物を含む表面処理層には、めっき触媒化合物が吸着せず、透明プラスチック露出溝部にはめっき触媒化合物が吸着し易いため、透明プラスチック露出溝部に選択的にめっきすることができる。これにより、互いに平行な多数の帯状の光吸収部(即ち、ブラックストライプ)を少ない工程数で効率的に形成することができる。
本発明に係わるコントラスト向上フィルムの製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記めっき層を形成する工程が、前記めっき触媒層に導体化液を接触させることにより、導体化皮膜層を形成する工程、及び電解めっきすることにより、前記導体化皮膜層上にめっき層を形成する工程である。
無電解めっき処理には、「無電解めっき液の管理が困難である」、「無電解めっきの廃液処理コストが多大である」、「無電解めっき処理時間が長い」等の問題がある。従って、めっき方法として、めっき触媒層を導体化後、電解めっき処理を行うダイレクトめっきを採用することで、より効率的にコントラスト向上フィルムを製造することができる。
(2)前記表面処理層が、前記透明プラスチック基板の両方の表面上に形成されている。
これにより、めっき触媒化合物が透明プラスチック基板の透明プラスチック露出溝部が形成された面の反対側の面に吸着することを防ぐことができ、不必要な部分がめっきされることを防止することができる。
(3)前記透明プラスチック基板の材質が、ポリエステル樹脂である。これにより、透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上にめっき触媒化合物を、より十分に吸着させることができる。
(4)前記透明プラスチック基板の材質が、ポリエチレンテレフタレート、又はポリブチレンテレフタレートである。
(5)前記アニオン性基が、−COOM、−SO3M、−OSO3M、及び−PO3M2(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を示す)よりなる群から選択される少なくとも一種である。これにより、めっき触媒化合物の吸着をより十分に防止することができる。
(6)前記アニオン性基を有する化合物が、アニオン性基を有するバインダ樹脂、及び/又はアニオン性界面活性剤である。
(7)前記アニオン性基を有するバインダ樹脂が、アニオン性基を有するポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び酢酸ビニル樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である。
(8)前記アニオン性界面活性剤が、α−オレフィンスルホン酸塩である。
(9)前記めっき触媒化合物溶液が、貴金属化合物を含む水溶液である。
(10)前記貴金属化合物が、パラジウム化合物である。
(11)前記導体化液が、金属化合物、還元性化合物、及び金属水酸化物を含む水溶液である。
(12)前記導体化液が、パラジウム化合物、アミン化合物及び還元性化合物を含む水溶液である。
(13)前記めっき層の表面を、更に黒化処理する工程を含む。これにより光吸収部の光吸収性を高めることができ、コントラスト向上フィルムのコントラスト向上効果を高めることができる。
(14)前記黒化処理が、ニッケル及び亜鉛の合金、又はニッケル及びスズの合金を電気めっきすることにより行われる。
(15)前記透明プラスチック露出溝部の形状が、断面三角形状又は断面矩形状である。
無電解めっき処理には、「無電解めっき液の管理が困難である」、「無電解めっきの廃液処理コストが多大である」、「無電解めっき処理時間が長い」等の問題がある。従って、めっき方法として、めっき触媒層を導体化後、電解めっき処理を行うダイレクトめっきを採用することで、より効率的にコントラスト向上フィルムを製造することができる。
(2)前記表面処理層が、前記透明プラスチック基板の両方の表面上に形成されている。
これにより、めっき触媒化合物が透明プラスチック基板の透明プラスチック露出溝部が形成された面の反対側の面に吸着することを防ぐことができ、不必要な部分がめっきされることを防止することができる。
(3)前記透明プラスチック基板の材質が、ポリエステル樹脂である。これにより、透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上にめっき触媒化合物を、より十分に吸着させることができる。
(4)前記透明プラスチック基板の材質が、ポリエチレンテレフタレート、又はポリブチレンテレフタレートである。
(5)前記アニオン性基が、−COOM、−SO3M、−OSO3M、及び−PO3M2(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を示す)よりなる群から選択される少なくとも一種である。これにより、めっき触媒化合物の吸着をより十分に防止することができる。
(6)前記アニオン性基を有する化合物が、アニオン性基を有するバインダ樹脂、及び/又はアニオン性界面活性剤である。
(7)前記アニオン性基を有するバインダ樹脂が、アニオン性基を有するポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び酢酸ビニル樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である。
(8)前記アニオン性界面活性剤が、α−オレフィンスルホン酸塩である。
(9)前記めっき触媒化合物溶液が、貴金属化合物を含む水溶液である。
(10)前記貴金属化合物が、パラジウム化合物である。
(11)前記導体化液が、金属化合物、還元性化合物、及び金属水酸化物を含む水溶液である。
(12)前記導体化液が、パラジウム化合物、アミン化合物及び還元性化合物を含む水溶液である。
(13)前記めっき層の表面を、更に黒化処理する工程を含む。これにより光吸収部の光吸収性を高めることができ、コントラスト向上フィルムのコントラスト向上効果を高めることができる。
(14)前記黒化処理が、ニッケル及び亜鉛の合金、又はニッケル及びスズの合金を電気めっきすることにより行われる。
(15)前記透明プラスチック露出溝部の形状が、断面三角形状又は断面矩形状である。
また、上記目的は、透明プラスチック基板の一方の面に、互いに平行な多数の帯状の透明プラスチック露出溝部、及びその間にアニオン性基を有する化合物を含む表面処理層が設けられ、前記透明プラスチック露出溝部には、めっき触媒層、及びその層上にめっき層が設けられている、前記透明プラスチック基板に、互いに平行な多数の帯状の光吸収部が設けられたコントラスト向上フィルムによって達成される。
また、上記目的は、本発明のコントラスト向上フィルムの製造方法により得られるコントラスト向上フィルムによって達成される。
このようなコントラスト向上フィルムであれば、従来に比べ工程数が少なく、効率的に製造されたコントラスト向上フィルムであり、安価なコントラスト向上フィルムであるといえる。
更に、本発明の目的は、本発明のコントラスト向上フィルムを備えるディスプレイ用光学フィルタによって達成される。
本発明のコントラスト向上フィルムの製造方法では、表面処理層が形成された透明プラスチック基板に透明プラスチック露出溝部を形成し、その透明プラスチック露出溝部に選択的にめっき処理することにより、直接、互いに平行な多数の帯状の光吸収部(ブラックストライプ)を形成する。従って、透明プラスチック基板に別途ルーバー層を形成する場合に比べて、少ない工程数で効率的にコントラスト向上フィルムを製造することができ、連続的な製造にも対応できる。従って、本発明により、安価なコントラスト向上フィルムを提供することができる。
以下に図面を参照しながら本発明のコントラスト向上フィルムの製造方法について、詳細に説明する。図1は本発明のコントラスト向上フィルムの製造方法の代表的な一例を説明する概略断面図である。
本発明の方法では、アニオン性基を有する化合物を含む表面処理層120が少なくとも一方の表面上に形成された矩形状の透明プラスチック基板110(好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂からなる)を用いる。まず、透明プラスチック基板110の表面処理層120を有する面に、互いに平行な多数の帯状(ストライプパターン状ともいう)の溝が形成されるように、表面処理層120及び透明プラスチック基板110の一部を除去することにより、多数の帯状の透明プラスチック露出溝部130を形成する工程(A)を実施する。ストライプパターン状の溝の形成は、後述するように、どのような方法を用いて行っても良い。溝の深さが光吸収部(ブラックストライプ)の高さとなり、溝のピッチ(隣り合う溝の間隔に溝の幅を加えた長さ)が光吸収部のピッチ(隣り合う光吸収部の間隔に光吸収部の幅を加えた長さ)となるため、製造するコントラスト向上フィルムの設計に応じた形状の溝を形成する。
次に、表面処理層120及び透明プラスチック露出溝部130を有する透明プラスチック基板110に、めっき触媒化合物溶液を接触させることにより、前記透明プラスチック露出溝部130に露出した透明プラスチック表面上にめっき触媒層140を形成する工程(B)を実施する。
めっき触媒化合物溶液として、パラジウム塩化合物等の貴金属化合物及びスズ塩化合物などを含む溶液を用いた場合、溶液中で貴金属化合物及びスズ塩化合物は[PdSn3Cl10+n]x-や[PdSn3Cl]4-等のマイナスの電荷を有する錯体を形成する。一方、透明プラスチック基板110上にはアニオン性基を有する化合物を含む表面処理層120が形成され、透明プラスチック露出溝部130は、透明プラスチック表面が露出している。従って、表面処理層120及び透明プラスチック露出溝部130を有する透明プラスチック基板110上にめっき触媒化合物溶液を接触させた際に、上記錯体が表面処理層120上にはマイナス電荷の反発により吸着しない。そして、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明プラスチックはプラス電荷を有するので上記錯体が吸着し易いため、上記錯体は透明プラスチック露出溝部130の透明プラスチック表面上にのみ効率的に吸着される。以上によりパラジウム化合物等のめっき触媒化合物からなるめっき触媒層140が透明プラスチック露出溝部130の透明プラスチック表面上に選択的に形成される。
次に、無電解めっき及び/又は電解めっきすることにより、めっき触媒層140上にめっき層150を形成する工程(C)を実施する。無電解めっき及び/又は電解めっきにより、めっき触媒層140上に、めっき金属を均一に析出させることができる。めっき金属は光吸収性があるため、透明プラスチック露出部130の形状の光吸収部が形成される。
以上により、透明プラスチック基板110に、互いに平行な多数の帯状の光吸収部(ブラックストライプ)が設けられたコントラスト向上フィルムを得ることができる。
このような本発明の方法によれば、従来の、ルーバー層を、紫外線硬化樹脂等を用いて作製する方法に比較して、少ない工程数でコントラスト向上フィルムを製造することができる。また、ロール状の透明プラスチック基板を用いることで、連続的な製造方法(ロールトゥロール方式)にも対応することができる。
以下に、本発明の方法を工程ごとに詳細に説明する。
本発明の方法では、初めに、アニオン性基を有する化合物を含む表面処理層120が一方の表面上に形成された透明プラスチック基板110の表面処理層120を有する面に、ストライプパターン状の溝が形成されるように表面処理層120及び透明プラスチック基板110の一部を除去することにより、ストライプパターン状の透明プラスチック露出溝部130を形成する工程(A)を実施する。
[表面処理層]
表面処理層は、アニオン性基を有する化合物を含む。本発明において、アニオン性基とは、アニオンを有する官能基、又は解離によってアニオンを生じる官能基を意味する。
表面処理層は、アニオン性基を有する化合物を含む。本発明において、アニオン性基とは、アニオンを有する官能基、又は解離によってアニオンを生じる官能基を意味する。
化合物におけるアニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−OSO3M、及び−PO3M2(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を示す)が好ましい。前記式におけるMは、カチオンを示し、具体的には、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属原子;バリウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属原子;アンモニウム(NH4 +)、アルカノールアミンなどのアミン類が好ましく挙げられる。なかでも、Mは、水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンであるのが好ましい。このようなアニオン性基は、触媒化合物溶液と接触することによりM+イオンの解離が容易に生じ、マイナスの電荷を有する錯体の吸着を防止することができる。
なかでも、アニオン性基としては、−COONa、−COOH、−SO3Na、−SO3Hが好ましく挙げられる。これらのアニオン性基は、めっき触媒層を形成する工程において、マイナスの電荷を有する錯体が表面処理層に吸着するのをより高く防止することができる。
表面処理層は、バインダ樹脂を少なくとも含み、その他、必要に応じて界面活性剤などの成分を含む。アニオン性基を有する化合物として、バインダ樹脂及び界面活性剤のうち少なくとも一方がアニオン性基を有するのが好ましい。
バインダ樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び酢酸ビニル樹脂が好ましく挙げられる。これらは一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。また、これらのバインダ樹脂として、ヒドロキシル基やアミノ基などの活性水素を含む基を有するバインダ樹脂を用いて、表面処理層において、前記バインダ樹脂を少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートなどの硬化剤により硬化させてもよい。
アニオン性基を有するバインダ樹脂を用いた場合、バインダ樹脂におけるアニオン性基の含有量は、0.1〜2mmol/g、特に0.8〜1.2mmol/gであるのが好ましい。
バインダ樹脂の数平均分子量は、5,000〜40,000、特に10,000〜35,000であるのが好ましい。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石けん、N−アシルアミノ酸およびその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩系;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩系などが挙げられる。これらは一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。なかでも、α−オレフィンスルホン酸塩、特にα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(オレフィンの炭素原子数2〜18、特に14〜16)が好ましく用いられる。
アニオン性界面活性剤におけるアニオン性基の量は、0.1〜2.0mmol/g、特に0.8〜1.2mmol/gであるのが好ましい。
表面処理層におけるアニオン性界面活性剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して、0.05〜10質量部、特に0.1〜5質量部であるのが好ましい。
表面処理層において、バインダ樹脂及び界面活性剤のうち少なくとも一方がアニオン性基を有していればよい。マイナスの電荷を有する錯体の吸着をより高く防止できることから、アニオン性界面活性剤を少なくとも用いるのが好ましく、アニオン性基を有するバインダ樹脂及びアニオン性界面活性剤の双方を用いるのが特に好ましい。なお、アニオン性界面活性剤を用いた場合には、バインダ樹脂はアニオン性基を有していなくともよい。また、アニオン性基を有するバインダ樹脂を用いた場合には、界面活性剤としてカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤などのアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を用いてもよい他、界面活性剤を使用しなくてもよい。
表面処理層の表面におけるアニオン性基の量は、0.1〜2.0mmol/cm2、特に0.8〜1.2mmol/cm2であるのが好ましい。アニオン性基の量が前記範囲内であれば、表面処理層上にめっき触媒層が形成されるのを抑制することができる。なお、
表面処理層の表面とは、表面処理層の露出面から深さ20nmに至る領域を意味する。表面処理層の表面におけるアニオン性基の量は、FTIR(フーリエ変換赤外分光分析装置)、XPS(X線光電子分光分析装置)などにより分析することができる。
表面処理層の表面とは、表面処理層の露出面から深さ20nmに至る領域を意味する。表面処理層の表面におけるアニオン性基の量は、FTIR(フーリエ変換赤外分光分析装置)、XPS(X線光電子分光分析装置)などにより分析することができる。
透明プラスチック基板上に表面処理層を形成するには、バインダ樹脂の他、必要に応じて、界面活性剤などの各成分を、水や有機溶剤(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンなど)などの溶剤中に溶解又は分散させ、得られた樹脂組成物を透明プラスチック基板上に塗布する方法などが用いられる。
塗布方法は、グラビアコーター、リバースロールコーター、リバースキスコーター、エアーナイフコーター、バーコーター等の方法が用いられる。また、塗布以外にも、樹脂組成物中に透明プラスチック基板を浸漬させることにより透明プラスチック基板上に表面処理層を形成することもできる。透明プラスチック基板上に塗布された樹脂組成物は、80〜150℃、特に80〜120℃の温度で加熱乾燥させるのが好ましい。乾燥時間は、1〜10分程度であればよい。
表面処理層は、透明プラスチック基板の透明プラスチック露出溝部を形成する面上に少なくとも形成されていれば良いが、透明プラスチック基板の両方の表面上に形成されていることが好ましい。透明プラスチック基板の透明プラスチック露出溝部を形成する面とは反対側(裏面側ともいう)の面上にも形成されていることにより、めっき触媒化合物が、透明プラスチック基板の裏面側に吸着することを防ぐことができ、不必要な部分がめっきされることを防止することができる。特に、連続的に製造する際に、透明プラスチック基板をめっき触媒化合物溶液に浸漬するような場合は、表面処理層を両方の表面に形成する必要がある。
また、表面処理層を有する透明基材は、市販されている製品を直接用いることもできる。市販品としては、例えば、東洋紡績株式会社製の製品名A8300、A1300などを用いることができる。
表面処理層の厚さは、50〜150nm、特に65〜95nmであるのが好ましい。
[透明プラスチック基板]
透明プラスチック基板は、透明性及び可とう性を備え、めっき触媒化合物の吸着性を有し、本発明の工程に耐えるものであれば、特に制限は無い。透明プラスチック基板の材質としては、例えば、ポリエステル樹脂(例、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、セロファン等を挙げることができる、これらの中で、めっき触媒化合物の吸着性が高い、ポリエステル樹脂が好ましく、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による耐久性が高く、透明性の高い材料であるPET、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。
透明プラスチック基板は、透明性及び可とう性を備え、めっき触媒化合物の吸着性を有し、本発明の工程に耐えるものであれば、特に制限は無い。透明プラスチック基板の材質としては、例えば、ポリエステル樹脂(例、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、セロファン等を挙げることができる、これらの中で、めっき触媒化合物の吸着性が高い、ポリエステル樹脂が好ましく、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による耐久性が高く、透明性の高い材料であるPET、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。
なお、透明プラスチック基板を構成する樹脂には、めっき触媒化合物の錯体の吸着を阻害する、アニオン性基を実質的に有していないのが好ましい。アニオン性基の含有量は、0.1mmol/g以下、特に0.05mmol/g以下であるのが好ましい。
透明プラスチック基板の厚さは、製造するコントラスト向上フィルムの光吸収部(ブラックストライプ)の形状、必要とされる機械的強度等の設計に応じて適宜設定される。通常、100μm〜2mmであり、100μm〜1mmが好ましく、150〜500μmが更に好ましい。
[ストライプパターン状溝形成工程]
ストライプパターン状の溝の形成は、製造するコントラスト向上フィルムの光吸収部(ブラックスストライプ)の設計に応じた溝が形成されるように表面処理層及び透明プラスチック基板の一部を除去することができれば、どのような方法を用いて行っても良い。なお、溝の深さが光吸収部の高さに相当し、溝のピッチ(隣り合う溝の間隔に溝の幅を加えた長さ)が光吸収部のピッチ(隣り合う光吸収部の間隔に光吸収部の幅を加えた長さ)に相当し、溝の幅が光吸収部の幅に相当する。溝の形成方法としては、例えば、多数の微細なカッターがブラックストライプの設計に合わせて配置された切削装置を製造ライン上に設け、長尺状の透明プラスチック基板を通過させることにより、連続的にストライプ状の溝を切削する方法、エキシマレーザ、CO2レーザ、UV−YAGレーザ等を備えるレーザ加工装置を製造ライン上に設け、連続的に溝を形成する方法等が挙げられる。溝の形状は特に制限は無く、断面三角形状(楔形ブラックストライプが得られる)でも良く、断面矩形状(矩形状ブラックストライプが得られる)でも良く、断面多角形状でも良い。製造し易い点で、断面三角形状又は断面矩形状が好ましい。溝の深さ、ピッチおよび幅は特に制限は無く、光吸収部の設計に応じて設定する。例えば、溝の深さは20〜80μmが好ましく、溝のピッチは50〜90μmが好ましく、溝の幅は、5〜40μmが好ましい。
ストライプパターン状の溝の形成は、製造するコントラスト向上フィルムの光吸収部(ブラックスストライプ)の設計に応じた溝が形成されるように表面処理層及び透明プラスチック基板の一部を除去することができれば、どのような方法を用いて行っても良い。なお、溝の深さが光吸収部の高さに相当し、溝のピッチ(隣り合う溝の間隔に溝の幅を加えた長さ)が光吸収部のピッチ(隣り合う光吸収部の間隔に光吸収部の幅を加えた長さ)に相当し、溝の幅が光吸収部の幅に相当する。溝の形成方法としては、例えば、多数の微細なカッターがブラックストライプの設計に合わせて配置された切削装置を製造ライン上に設け、長尺状の透明プラスチック基板を通過させることにより、連続的にストライプ状の溝を切削する方法、エキシマレーザ、CO2レーザ、UV−YAGレーザ等を備えるレーザ加工装置を製造ライン上に設け、連続的に溝を形成する方法等が挙げられる。溝の形状は特に制限は無く、断面三角形状(楔形ブラックストライプが得られる)でも良く、断面矩形状(矩形状ブラックストライプが得られる)でも良く、断面多角形状でも良い。製造し易い点で、断面三角形状又は断面矩形状が好ましい。溝の深さ、ピッチおよび幅は特に制限は無く、光吸収部の設計に応じて設定する。例えば、溝の深さは20〜80μmが好ましく、溝のピッチは50〜90μmが好ましく、溝の幅は、5〜40μmが好ましい。
[めっき触媒層形成工程]
本発明の方法では、次に、表面処理層及び透明プラスチック露出溝部を有する透明プラスチック基板に、めっき触媒化合物溶液を接触させることにより、透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上にめっき触媒層を形成する工程(B)を実施する。
本発明の方法では、次に、表面処理層及び透明プラスチック露出溝部を有する透明プラスチック基板に、めっき触媒化合物溶液を接触させることにより、透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上にめっき触媒層を形成する工程(B)を実施する。
めっき触媒化合物溶液は、従来公知のめっき触媒化合物溶液を使用することができる。例えば、貴金属化合物、スズ塩化合物及び酸を含む水溶液を使用できる。このような成分を含む水溶液中では、貴金属イオンとスズイオンとがマイナスの電荷を有する錯体を形成し、その錯体が透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上のみに選択的に吸着する。
スズ塩化合物に代えて、二塩化硫黄などの硫黄化合物、又は塩化第一銅若しくは塩化第二銅など銅化合物などを用いることができ、貴金属イオンと硫黄イオン又は銅イオンとがマイナスの電荷を有する錯体を形成し、スズ塩化合物を用いた場合と同様の効果が得られる。
貴金属化合物としては、塩化白金塩などの白金化合物;塩化金塩などの金化合物;塩化パラジウム、硫酸パラジウムなどのパラジウム化合物;及び硝酸銀、硫酸銀などの銀化合物などが挙げられる。なかでも、パターン状の樹脂層へ強く吸着できる錯体を形成できることから、パラジウム化合物、特に塩化パラジウムを用いるのが好ましい。
めっき触媒化合物溶液における貴金属化合物の含有量は、50〜500mg/リットル、特に100〜300mg/リットルであるのが好ましい。貴金属化合物の含有量が前記範囲内であれば、マイナスの電荷を有する錯体を十分に形成することができる。
スズ塩化合物としては、塩化第一スズ、及び硫酸第一スズが挙げられる。なかでも、パターン状の樹脂層へ強く吸着できる錯体を形成できることから、塩化第一スズを用いるのが好ましい。
めっき触媒化合物溶液におけるスズ塩化合物の含有量は、貴金属化合物の20〜50質量倍とするのが好ましい。スズ塩化合物の含有量は、10〜50g/リットル、特に10〜20g/リットルであるのが好ましい。
酸としては、塩酸、及び硫酸が好ましく挙げられる。めっき触媒化合物溶液における酸の含有量は、0.5〜3モル/リットル、特に1.0〜3モル/リットルであるのが好ましい。
また、スズ塩化合物を含まない、貴金属化合物を含む水溶液も使用できる。後述のように、めっき触媒層を導体化して、直接電解めっきを行う場合、より導体化し易い点でスズ塩化合物を含まない方が好ましい。この場合、貴金属化合物としては、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、[Pd(NH3)4]Cl2、PdCl2・2KCl、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等のパラジウム化合物、[Pt(NH3)4]Cl2、PtCl4等の白金化合物、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、フッ化銀、亜硝酸銀、塩化銀、臭化銀、プロピオン酸銀、酒石酸銀、メチルエチル酢酸銀、トリメチル酢酸銀、炭酸銀、シュウ酸銀等の銀化合物等が挙げられる。特に、触媒活性が高いパラジウム化合物が好ましい。
上記の貴金属化合物の含有量は、50〜500mg/リットル、特に100〜300mg/リットルであるのが好ましい。また、貴金属化合物を含む水溶液は、貴金属を金属イオンとして含有する溶液でも、0価パラジウム化合物粒子等の金属錯体粒子のコロイドとして含有する溶液でも良い。なお、酸、アンモニア水、カリウム塩、ナトリウム塩等を含有させることで溶解度や分散性を上げることもできる。コロイドの場合は分散安定化のために有機ポリマー等を含有させても良い。特に触媒活性が高く、吸着性が良好な0価パラジウム化合物粒子のコロイド溶液が好ましい。
表面処理層及び透明プラスチック露出溝部を有する透明プラスチック基板にめっき触媒化合物溶液を接触させる方法としては、透明プラスチック基板上に形成された表面処理層及び透明プラスチック露出溝部上にめっき触媒化合物溶液を噴霧する方法、表面処理層及び透明プラスチック露出溝部が形成された透明プラスチック基板をめっき触媒化合物溶液中に浸漬する方法などを用いることができる。接触させる際のめっき触媒化合物溶液の温度は、10〜50℃、特に25〜45℃であるのが好ましい。また、接触時間は、0.5〜10分程度行えばよい。
また、上述した通り、透明プラスチック基板の両方の表面上に表面処理層が形成されていれば、めっき触媒化合物溶液の噴霧、浸漬により透明プラスチック基板の裏面側にめっき触媒層が形成されるのを防止することができる。
透明プラスチック基板にめっき触媒化合物溶液を接触させた後は、透明プラスチック基板を水洗するのが好ましい。水洗を行うことにより、表面処理層上に付着しているめっき触媒化合物溶液を除去できる他、貴金属化合物及びスズ塩化合物が加水分解し、マイナスの電荷を有する錯体の形成及び透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面への吸着をより促進させることができる。
水洗に用いられる水は、水道水の他、脱イオン処理した水、ハロゲン、紫外線殺菌灯や各種酸化剤(オゾン、過酸化水素、塩素酸塩等)等によって殺菌された水を使用することができる。水洗に用いられる水の温度は、0〜50℃、特に30〜50℃であるのが好ましい。水洗時間は、5秒〜2分であればよい。
透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上に、上述した通り、めっき触媒化合物溶液を接触させた後、好ましくは水洗を行うことにより、パラジウム金属などの貴金属からなるめっき触媒層を形成することができる。めっき触媒層の厚さは、好ましくは10〜100nm、特に好ましくは20〜50nmである。
[めっき層形成工程]
本発明の方法では、次に、めっき触媒層上に、無電解めっき及び/又は電解めっきすることにより、前記めっき触媒層上にめっき層を形成する工程(C)を実施する。めっき層形成工程としては、従来既知の無電解めっき及び/又は電解めっき処理方法が適用できる。例えば、初めに無電解めっき処理を行った後に、電解めっき処理をさらに行う方法や、無電解めっきを行わずに、めっき触媒層を導体化後、電解めっき処理を行う方法等が適用できる。
本発明の方法では、次に、めっき触媒層上に、無電解めっき及び/又は電解めっきすることにより、前記めっき触媒層上にめっき層を形成する工程(C)を実施する。めっき層形成工程としては、従来既知の無電解めっき及び/又は電解めっき処理方法が適用できる。例えば、初めに無電解めっき処理を行った後に、電解めっき処理をさらに行う方法や、無電解めっきを行わずに、めっき触媒層を導体化後、電解めっき処理を行う方法等が適用できる。
無電解めっき処理には、「無電解めっき液の管理が困難である」、「無電解めっきの廃液処理コストが多大である」、「無電解めっき処理時間が長い」等の問題がある。従って、本発明の方法において、より効率的にコントラスト向上フィルムを製造するため、無電解めっき処理を行わずに、めっき触媒層を導体化後、電解めっき処理を行う工程を含む製造方法が好ましい。
図2に、本発明のコントラスト向上フィルムの製造方法の好適態様として、上記のめっき触媒層を導体化後、電解めっき処理を行う工程を含む製造方法を説明する概略断面図を示す。透明プラスチック露出溝部130を形成する工程(A)、めっき触媒層140を形成する工程(B)については、上述の通りである。
図2に示した方法においては、次に、めっき触媒層140を導体化することにより、導体化皮膜層145を形成する工程(C1)を実施する。導体化工程(C1)は、めっき触媒層140に、例えば、金属化合物、還元性化合物、及び金属水酸化物を含む導体化液を接触させることにより実施できる。本発明においては、上述の(A)、(B)の工程により、めっき触媒化合物が透明プラスチック露出溝部130の透明プラスチック表面上に均一な厚さで吸着し、めっき触媒層140が形成されているので、無電解めっき処理を行わずに、めっき触媒化合物を金属化するとともに透明プラスチック露出溝部130の透明プラスチック表面上に更に導体化液から金属を析出させて、直接、電解めっきが行える程度の導電性を有する導体化皮膜層145を形成することができる。
次に、電解めっきすることにより、導体化皮膜層145上にめっき層150を形成する工程(C2)を実施する。本発明においては、上記(C1)の工程により導体化皮膜層145が、透明プラスチック露出溝部130の透明プラスチック表面上に均一に形成されているので、電解めっきにより、めっき金属を均一に析出させることが可能となる。
以下にめっき層形成工程の各工程を説明する。
(無電解めっき工程)
めっき金属は、めっき可能である金属であれば使用することができ、金属単体、合金、導電性金属酸化物等であってもよく、均一な金属薄膜が一様に形成された微細な微粒子等からなるものであってもよい。
めっき金属は、めっき可能である金属であれば使用することができ、金属単体、合金、導電性金属酸化物等であってもよく、均一な金属薄膜が一様に形成された微細な微粒子等からなるものであってもよい。
無電解めっきにおけるめっき金属としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、白金、銅、チタン、コバルト、鉛等を用いることができる。透明プラスチック露出部に形成されるめっき層が、光吸収部(ブラックストライプ)として機能するので、特に、光吸収性が高いものが好ましい。好ましくは、銅又はニッケルが用いられる。
無電解めっきは、無電解めっき浴を用いて常法に従って常温または加温下で行うことができる。即ち、めっき金属塩、キレート剤、pH調整剤、還元剤などを基本組成として含むめっき液を建浴したものに透明プラスチック基板を浸漬して行うか、構成めっき液を2液以上と分けて添加方式でめっき処理を施すなど適宜選択すれば良い。
無電解めっきとして一例を挙げると、Cuからなるめっき層を形成する場合、硫酸銅等の水溶性銅塩1〜100g/L、特に5〜50g/L、ホルムアルデヒド等の還元剤0.5〜10g/L、特に1〜5g/L、EDTA等の錯化剤20〜100g/L、特に30〜70g/Lを含み、pH12〜13.5、特に12.5〜13に調整した溶液に、透明プラスチック基板を50〜90℃、30秒〜60分浸漬する方法を採用することができる。
無電解めっきをする際に、透明プラスチック基板を揺動、回転させたり、その近傍を空気撹拌させたりしてもよい。上述の通り、無電解めっきを行った後に、電解めっき処理をさらに行うのが好ましい。
(導体化工程)
本発明の方法では、電解めっき処理によりめっき触媒層上にめっき層を形成することもできる。上述の通り、無電解めっき処理を行わずに、電解めっきを行う場合は、めっき触媒層を導体化することにより、導体化皮膜層を形成する工程(図2(C1))を実施する。
本発明の方法では、電解めっき処理によりめっき触媒層上にめっき層を形成することもできる。上述の通り、無電解めっき処理を行わずに、電解めっきを行う場合は、めっき触媒層を導体化することにより、導体化皮膜層を形成する工程(図2(C1))を実施する。
導体化工程は、めっき触媒層に導体化液を接触させることにより実施できる。これにより、めっき触媒化合物を金属化するとともに透明プラスチック露出部の透明プラスチック表面に更に導体化液から金属を析出させて、直接、電解めっきが行える程度の導電性を有する導体化皮膜層を形成することができる。
導体化液は、例えば、金属化合物、還元性化合物、及び金属水酸化物を含む水溶液である。金属化合物としては、銅化合物が好ましく用いられる。銅化合物として具体的には、硫酸銅、塩化銅、炭酸銅、酸化銅、及び水酸化銅が好ましい。なかでも、めっき処理時にめっき触媒層の金属析出性能を向上させることができることから、硫酸銅が特に好ましい。導体化液における銅化合物の含有量は、銅換算で、0.1〜5g/リットル、特に0.8〜1.2g/リットルであるのが好ましい。
還元性化合物としては、塩化第一錫、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、蟻酸あるいはその塩類、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール、ブドウ糖、グルコース、ソルビット、セルロース、ショ糖、マンニット、グルコノラクトンなどの還元性糖類などが挙げられる。
金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムなどが挙げられる。導体化液における金属水酸化物の含有量は、10〜80g/リットル、特に30〜50g/リットルであるのが好ましい。
導体化液は、錯化剤をさらに含むのが好ましい。錯化剤としては、ヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,3−ジメチルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、アラントインなどのヒダントイン類;クエン酸、酒石酸、コハク酸及びこれらの塩類などの有機カルボン酸類などを挙げることができる。導体化液における錯化剤の含有量は、2〜50g/リットル、特に10〜40g/リットルであるのが好ましい。
導体化液のpHは、10.0〜14.0、特に11.55〜13.5であるのが好ましい。導体化液の温度は、20〜70℃、特に40〜60℃であるのが好ましい。めっき触媒層と導体化液との接触時間は、30秒〜20分、特に3〜10分であるのが好ましい。
また、導体化液として、パラジウム化合物、アミン化合物及び還元性化合物を含む水溶液を使用することができる。パラジウムは銅より酸化され難く、より導電性の高い導体化皮膜層を形成できるため、パラジウム化合物を含む導体化液が好ましい。
パラジウム化合物としては、例えば、酸化パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パラジウムカリウム、塩化パラジウムアンモニウム、硫酸パラジウム、テトラアンミンパラジウムクロライド等が挙げられる。パラジウム化合物の導体化液中の濃度は0.0001〜0.01mol/Lの範囲が好ましく、更に0.0005〜0.002mol/Lが好ましい。
アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン等のモノアミン類、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン類、エチレンジアミン四酢酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ニトリロ三酢酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、グリシン、イミノジ酢酸等が挙げられる。アミン化合物の濃度は、0.0001〜0.1mol/Lが好ましく、更に0.001〜0.02mol/Lが好ましい。これにより、パラジウムの錯体が安定的に形成される。
還元性化合物としては、例えば、次亜リン酸及びその塩、水素化ホウ素及びその塩、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、ヒドラジン類等が挙げられる。還元性化合物は、パラジウムイオンに対する還元剤として働き、その濃度は0.01〜1mol/Lが好ましく、更に0.05〜0.5mol/Lが好ましい。
この場合、導体化液のpHはpH8以下が好ましく、更にpH6〜8の範囲が好ましい。処理温度は、20〜80℃の範囲が好ましく、特に40〜80℃が好ましい。処理時間は0.5〜20分が好ましく、更に3〜10分が好ましい。
めっき触媒層と導体化液とを接触させる方法としては、めっき触媒層が形成された透明プラスチック基板を導体化液に浸漬する方法が好ましく用いられる。この他、透明プラスチック基板に形成されためっき触媒層上に導体化液を噴霧する方法を用いてもよい。
(電解めっき工程)
本発明においては、上述の通り、無電解めっきを行った後、又はめっき触媒層の導体化の後に、電解めっきすることによりめっき層を形成する工程(図2(C2))を実施することができる。これにより、ストライプパターン状の光吸収部を形成することができる。
本発明においては、上述の通り、無電解めっきを行った後、又はめっき触媒層の導体化の後に、電解めっきすることによりめっき層を形成する工程(図2(C2))を実施することができる。これにより、ストライプパターン状の光吸収部を形成することができる。
電解めっきにおけるめっき金属としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、白金、銅、チタン、コバルト、鉛等を用いることができる。透明プラスチック露出部に形成されるめっき層が、光吸収部として機能するので、特に、光吸収性が高いものが好ましい。好ましくは、銅又はニッケルが用いられる。
電解めっきは、電解めっき浴を用いて常法に従って行うことができる。例えば、銅をめっき金属とする場合、硫酸銅めっき液を使用して行う。硫酸銅めっき液としては、例えば、硫酸銅100〜250g/リットル、硫酸20〜120g/リットル、及び塩素イオン20〜70ppmを含有する水溶液に、公知の光沢剤を添加しためっき浴を使用できる。硫酸銅めっきの条件は、通常と同様で良く、例えば、液温25℃、電流密度3A/dm2程度でめっきを行い、所定の膜厚までめっきを行えばよい。
めっき触媒層上に、無電解めっき及び/又は電解めっきにより形成されるめっき層の厚さは、0.5〜200μm、特に0.5〜10μmであるのが好ましい。
[黒化処理]
本発明の方法では、めっき層を黒化処理し、めっき層の表面の少なくとも一部に黒化処理層を形成する工程をさらに実施するのが好ましい。黒化処理により、ストライプパターン状の光吸収部の光吸収性を向上することが可能となる。
本発明の方法では、めっき層を黒化処理し、めっき層の表面の少なくとも一部に黒化処理層を形成する工程をさらに実施するのが好ましい。黒化処理により、ストライプパターン状の光吸収部の光吸収性を向上することが可能となる。
黒化処理は、ニッケル及び亜鉛の合金、又はニッケル及びスズの合金を電気めっきすることにより行われるのが好ましい。これらの合金からなる黒化処理層は、黒色度合いに優れる。
ニッケルと亜鉛又はスズとの合金からなる黒化処理層おけるニッケルに対する亜鉛又はスズの質量比(Ni:Zn又はSn)は、0.4〜1.4、特に0.2〜1.2とするのが好ましい。前記合金からなる黒化処理層の厚さは、0.001〜1μm、特に0.01〜0.1μmとするのが好ましい。
また、黒化処理は、金属導電層の金属の酸化処理又は硫化処理によって行うこともできる。特に酸化処理は、より優れた光吸収性向上効果を得ることができ、さらに廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
黒化処理層の厚さは、特に制限されないが、0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmとするのがよい。
[その他]
本発明の方法において、透明プラスチック基板の透明プラスチック露出溝部にめっき処理等を行った後、透明プラスチック基板表面のめっき処理後の溝部については、開口したままでも良く、黒色等の着色樹脂や透明樹脂を充填しても良い。また、後述のようにディスプレイ用光学フィルタの一部として使用する場合、接着剤層やハードコート層等を形成する際に、溝部に接着剤層等の樹脂を充填しても良い。
本発明の方法において、透明プラスチック基板の透明プラスチック露出溝部にめっき処理等を行った後、透明プラスチック基板表面のめっき処理後の溝部については、開口したままでも良く、黒色等の着色樹脂や透明樹脂を充填しても良い。また、後述のようにディスプレイ用光学フィルタの一部として使用する場合、接着剤層やハードコート層等を形成する際に、溝部に接着剤層等の樹脂を充填しても良い。
[コントラスト向上フィルム]
図3に、本発明のコントラスト向上フィルムの代表的な一例を示す。本発明のコントラスト向上フィルムは、透明プラスチック基板210の一方の面に、互いに平行な多数の帯状の透明プラスチック露出溝部230、及びその間の透明プラスチック基板210の表面上にアニオン性基を有する化合物を含む表面処理層220が設けられており、透明プラスチック露出溝部230には、めっき触媒層240、及びめっき触媒層240上にめっき層250が設けられている。これにより、透明プラスチック基板210に、互いに平行な多数の帯状の光吸収部300(即ち、ブラックストライプ)が設けられている。
図3に、本発明のコントラスト向上フィルムの代表的な一例を示す。本発明のコントラスト向上フィルムは、透明プラスチック基板210の一方の面に、互いに平行な多数の帯状の透明プラスチック露出溝部230、及びその間の透明プラスチック基板210の表面上にアニオン性基を有する化合物を含む表面処理層220が設けられており、透明プラスチック露出溝部230には、めっき触媒層240、及びめっき触媒層240上にめっき層250が設けられている。これにより、透明プラスチック基板210に、互いに平行な多数の帯状の光吸収部300(即ち、ブラックストライプ)が設けられている。
光吸収部300はどのような形状、大きさでも良く、従来公知のコントラスト向上フィルムとして有効なストライプパターンで形成されている(例えば、特許文献2)。光吸収部300の形状は、図4に示したような、断面三角形状(楔形ブラックストライプ)でも良く、断面矩形状(矩形状ブラックストライプ)でも、断面多角形状でも良い。光吸収部300の形状は、断面三角形状又は断面矩形状のものが好ましい。また、光吸収部300の高さHは20〜80μmが好ましく、光吸収部300の幅Dは5〜40μmが好ましい。また、光吸収部300のピッチP(隣り合う光吸収部300の底辺部の間隔Aに光吸収部300の底辺部の幅Dを加えた長さ)は50〜90μmが好ましい。光吸収部300光吸収部300のピッチPに対する幅Dの比(D/P)が大き過ぎると、コントラスト向上フィルムの透過率が低下し、小さ過ぎるとコントラスト向上の効果が低くなるので、D/Pは0.1〜0.5が好ましい。
このようなコントラスト向上フィルムとしては、上述の本発明のコントラスト向上フィルムの製造方法により製造されたコントラスト向上フィルムが好ましい。本発明の製造方法により製造されたコントラスト向上フィルムは、少ない工程数で効率的に製造されているので、安価なコントラスト向上フィルムであるといえる。
本発明のコントラスト向上フィルムは、視野角向上性が要求される用途、例えば、PDP、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ等のディスプレイ装置のディスプレイ面、特にPDP、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイのディスプレイ用光学フィルタに好適に用いられる。
[ディスプレイ用光学フィルタ]
本発明のディスプレイ用光学フィルタは本発明のコントラスト向上フィルムを備えていることを特徴とする。
本発明のディスプレイ用光学フィルタは本発明のコントラスト向上フィルムを備えていることを特徴とする。
図4は、本発明のディスプレイ用光学フィルタの一例を示す概略断面図である。図4においては、透明基板420の表面上にメッシュ状の導電層430が形成され、その上に接着剤層435を介して本発明のコントラスト向上フィルム440が形成され、更にその上に、ハードコート層450、及び反射防止層460がこの順で積層されている。図4においては、コントラスト向上フィルムの光吸収部500が、断面三角形状で、その底辺がディスプレイパネル側(視聴者側と反対側)に向いているが、逆に、断面三角形状の底辺が視聴者側に向いていても良い。また、透明基板420の導電層430が形成された反対側の表面には近赤外線吸収層470、及び接着剤層475がこの順で形成されている。これらの各層の積層の順序は、目的に応じて決定される。これらの各層については、従来公知の機能層を利用することができる(例えば、特許文献2)。
本発明のディスプレイ用光学フィルタは、一般に、接着剤層485を介して、PDP等のディスプレイパネルの表示面に貼付したり、ガラス基板等に貼付し、ディスプレイの前面に配置したりして使用する。また、通常、導電層430から導電性テープ等を介して、ディスプレイ本体の筐体等へ導通させ、アースを取ることで電磁波シールド性を達成する(図示していない)。
本発明のディスプレイ用光学フィルタは、効率的に製造できる本発明のコントラスト向上フィルムを備えているので、多大なコストを掛けずに視野角向上性が付与されたディスプレイ用光学フィルタであるといえる。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、安価なコントラスト向上フィルム、及びそれを備えたディスプレイ用光学フィルタを提供することができる。
110、210 透明プラスチック基板
120、220 表面処理層
130、230 透明プラスチック露出溝部
140、240 めっき触媒層
145 導体化皮膜層
150、250 めっき層
300、500 光吸収部
420 透明基板
430 導電層
435、475 接着剤層
440 コントラスト向上フィルム
450 ハードコート層
460 反射防止層
470 近赤外線吸収層
510 光透過部
520 光吸収部
120、220 表面処理層
130、230 透明プラスチック露出溝部
140、240 めっき触媒層
145 導体化皮膜層
150、250 めっき層
300、500 光吸収部
420 透明基板
430 導電層
435、475 接着剤層
440 コントラスト向上フィルム
450 ハードコート層
460 反射防止層
470 近赤外線吸収層
510 光透過部
520 光吸収部
Claims (15)
- アニオン性基を有する化合物を含む表面処理層が一方の表面上に形成された透明プラスチック基板の、前記表面処理層を有する面に、互いに平行な多数の帯状の溝が形成されるように前記表面処理層及び透明プラスチック基板の一部を除去し、多数の帯状の透明プラスチック露出溝部を形成する工程、
前記透明プラスチック露出溝部を有する前記透明プラスチック基板に、めっき触媒化合物溶液を接触させることにより、前記透明プラスチック露出溝部の透明プラスチック表面上にめっき触媒層を形成する工程、
無電解めっき及び/又は電解めっきすることにより、前記めっき触媒層上にめっき層を形成し、前記透明プラスチック基板に、多数の帯状の光吸収部を設ける工程、
を含むコントラスト向上フィルムの製造方法。 - 前記めっき層を形成する工程が、前記めっき触媒層に、導体化液を接触させることにより、導体化皮膜層を形成する工程、及び
電解めっきすることにより、前記導体化皮膜層上にめっき層を形成する工程である請求項1に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。 - 前記表面処理層が、前記透明プラスチック基板の両方の表面上に形成されている請求項1又は2に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記透明プラスチック基板の材質が、ポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記アニオン性基が、−COOM、−SO3M、−OSO3M、及び−PO3M2(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、又はアルカリ土類金属原子を示す)よりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記めっき触媒化合物溶液が、貴金属化合物を含む水溶液である請求項1〜5のいずれか1項に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記貴金属化合物が、パラジウム化合物である請求項6に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記導体化液が、金属化合物、還元性化合物、及び金属水酸化物を含む水溶液である請求項2〜7のいずれか1項に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記導体化液が、パラジウム化合物、アミン化合物及び還元性化合物を含む水溶液である請求項2〜7のいずれか1項に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記めっき層の表面を、更に黒化処理する工程を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記黒化処理が、ニッケル及び亜鉛の合金、又はニッケル及びスズの合金を電気めっきすることにより行われる請求項10に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 前記透明プラスチック露出溝部の形状が、断面三角形状又は断面矩形状である請求項1〜11に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法。
- 透明プラスチック基板の一方の面に、互いに平行な多数の帯状の透明プラスチック露出溝部、及びその間にアニオン性基を有する化合物を含む表面処理層が設けられ、
前記透明プラスチック露出溝部には、めっき触媒層、及び
その層上にめっき層が設けられている、
前記透明プラスチック基板に、互いに平行な多数の帯状の光吸収部が設けられたコントラスト向上フィルム。 - 請求項1〜12のいずれか1項に記載のコントラスト向上フィルムの製造方法により得られるコントラスト向上フィルム。
- 請求項13又は14に記載のコントラスト向上フィルムを備えるディスプレイ用光学フィルタ。
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---|---|---|---|
JP2010100531A JP2011232413A (ja) | 2010-04-26 | 2010-04-26 | コントラスト向上フィルムの製造方法、コントラスト向上フィルム、及びこれを備えたディスプレイ用光学フィルタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020022680A1 (ko) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | 엘지이노텍 주식회사 | 광 경로 제어 부재 및 이를 포함하는 표시 장치 |
WO2023162935A1 (ja) * | 2022-02-25 | 2023-08-31 | 富士フイルム株式会社 | 視野角制御フィルム及びその製造方法、並びに、表示装置 |
-
2010
- 2010-04-26 JP JP2010100531A patent/JP2011232413A/ja active Pending
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