JP2011231875A - ドラムブレーキ部材及びこの部材を用いたドラムブレーキ - Google Patents

ドラムブレーキ部材及びこの部材を用いたドラムブレーキ Download PDF

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Abstract

【課題】ブレーキシューと摩擦材との接着面に必要十分な接着性能を有し、制動時に強いせん断力を受けても、脱落のない安全安心なドラムブレーキ部材及びこの部材を用いたドラムブレーキを、提供する。
【解決手段】シューと、このシューに接着される摩擦材とを備え、この摩擦材が、シューとの接着面に、予め線状に塗布される接着剤を有し、この線状に塗布される接着剤が複数の線であり、線間幅を線幅よりも狭くする、ドラムブレーキ部材。複数の線が、最も外側となる2本の線幅に比べ、内側の線幅を太くする、ドラムブレーキ部材。複数の線の厚みを、全て等しくするドラムブレーキ部材。ドラムブレーキ部材を用いた、ドラムブレーキ。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車、オートバイ又は産業機器等に使用される、ドラムブレーキ部材及びこの部材を用いたドラムブレーキに関する。
ドラムブレーキは、ドラムに対し摩擦材を押し当て、運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで制動力を得るものであり、ドラムの外側から摩擦材を押し当てる外接式(自転車に多く用いられる)、ドラムの内側から摩擦材を押し当てる内拡式(自動車に多く用いられる)、ドラムの内外双方から摩擦材を押し当てる内外接式の、三種類のものが使用されている。
摩擦材は、これを支持するシューに固定されて使用され、自動車用のドラムブレーキを例にして説明すると、運転手がブレーキをかけることで、油圧シリンダー(但し、パーキングブレーキとして使用する際は、機械式となる。)を介してシューがドラムに対して押し出され、シュー外周面の摩擦材がドラムに押し当てられて、自動車を停止させる。
そのため、ドラムブレーキにとっては、摩擦材の性能も重要であるが、どんなに高性能な摩擦材であっても脱落しては意味をなさず、シューへの固定が前提となっており、それ故、摩擦材とシューとの固定が、非常に重要になってくる。
摩擦材と、シューとの固定は、接着剤によりなされるものが多く、液状の接着剤を摩擦材に予め面状に塗布し、この接着剤の塗布面とシューとを当接させ、加熱・加圧して接着剤を硬化させる。
更に、予め膜状接着剤を作製し、シューと摩擦材との間に挟接し、シューと摩擦材を接着固定させ、加熱・加圧して接着剤を硬化する接着方法についても、特許文献1にて提案されている。
用いる接着剤については、衝撃や曲げに強く、剥離に対する強い抵抗力を備えるものとして、熱硬化性樹脂が多く用いられ、より具体的には、フェノール樹脂を主剤とするフェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂を主剤とするエポキシ樹脂系接着剤を用いることが、特許文献2にて提案されている。
特開昭61−24843号公報 特開2007−92878号公報
しかしながら、前述した接着剤を膜状に塗布するには、塗布幅に合わせて、平面で幅が広いノズルを用いる必要があるため接着剤の切れが悪く、それ故接着剤を塗布する始点と終点での接着剤膜厚が制御できず、均等厚での接着が困難となっている。スプレーを用いて、膜状に塗布する場合は、接着剤が摩擦材からはみ出すように噴霧するため、接着剤を必要以上に消費してしまう。
また、膜状接着剤の場合は、接着剤の流動性が低下し、摩擦材への浸込みが困難であるため、シューの接着面と摩擦材の接着面の2つの面に介在して、化学的又は物理的な力を果たしにくいことにより、接着強度が低下する課題がある。
接着剤の摩擦材への塗布は、塗布された接着面に必要十分な量の接着剤を塗布することが求められる。十分な量で塗布されないと、固定が不十分になり、脱落する恐れが高まる。逆に、接着剤の量が多すぎると、接着剤が無駄になり製造コストが上がることに加え、摩擦材及びシュー端面からはみ出した接着剤を、除去する作業が必要になり、はみ出した接着剤により製造装置にトラブルが起こることも懸念される。
本発明は、ブレーキシューと摩擦材との接着面に必要十分な量の接着剤を供給すると共に、十分な接着性能を有し、制動時に強いせん断力を受けても、脱落のない安全安心なドラムブレーキ部材及びこの部材を用いたドラムブレーキを、提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)シューと、このシューに接着される摩擦材とを備え、この摩擦材が、シューとの接着面に、予め線状に塗布される接着剤を有し、この線状に塗布される接着剤が複数の線であり、線間幅を線幅よりも狭くする、ドラムブレーキ部材。
(2)項(1)において、複数の線が、最も外側となる2本の線幅に比べ、内側の線幅を太くする、ドラムブレーキ部材。
(3)項(1)又は(2)において、複数の線の厚みを、全て等しくするドラムブレーキ部材。
(4)項(1)乃至(3)の何れかに記載されるドラムブレーキ部材を用いた、ドラムブレーキ。
本発明によれば、ドラムブレーキ部材の接着では、接着面に必要十分な量の接着剤を、摩擦材からはみ出すことがなく、均一に供給することができる。
また、最も外側となる2本の線幅に比べ、内側の線幅を太くした場合は、最も外側の接着剤量が、内側に比べ少なくなっているので、摩擦材とシューとの当接面より外側に、接着剤がはみ出すことがない。
複数の線の厚みを、全て等しくした場合には、接着時の流動性を確保すると同時に、乾燥時に、線状接着剤ごとの内部組成溶剤量のばらつきが生じることによる接着不良を解消し、均一な接着層を形成することができる。
本発明のドラムブレーキは、ブレーキ作動時に、シュー外周面の摩擦材がドラムに押し当てられた際に、一様な厚さを形成する接着層を有することで衝撃や曲げに強く、剥離に対する強い抵抗力を備え、摩擦材がシューから脱落することがない。また、摩擦材に線状に直接塗布することによる自動作業、工程の短縮が可能になる。
本発明に用いるシューの1実施例を示す概略斜視図である。 本発明に用いる別の、1実施例を示すシューの概略側面図である。 本発明の1実施例であるパーキングドラムブレーキの分解斜視図を示す。 本発明の1実施例である、筒状のドラムブレーキ部材を示すものであり、(a)はドラムブレーキ部材の正面図、(b)は摩擦材の接着前の底面図である。
<シュー>
本発明に用いるシューは、その外周面に、後述する摩擦材を接着可能なものであれば、特に制限されるものではない。
シューの材質としては、軟鋼、アルミニウム、焼結合金、鋳鉄、樹脂、金属と樹脂又は補強繊維と樹脂との複合材料等を用いることができ、特に軟鋼は強度が高いので好ましい。
シューの形状は、様々なものを用いることができるが、シングルブレーキシューであれば、図1に示すように、略筒状にした摩擦材接着部1と、この摩擦材接着部1の両端側部より延設されるウェブ2とを、備えたものを用いることができる。図1に示すシングルブレーキシュー3は、筒状にした摩擦材接着部1に切欠部4を有しており、ここに図示を省略する機械式シリンダーを配置する。ブレーキをかける際は、機械式シリンダーにより切欠部4が押し広げられ、結果としてシングルブレーキシュー3が拡管し、摩擦材接着部1に接着される摩擦材が、ドラムに当接する。
尚、切欠部4の両端が、ウェブ2間の距離を縮めるように押しつぶされているのは、先に述べた機械式シリンダーを設置する際に、シングルブレーキシュー3の形状が変形しないよう、強度を持たせるために行っている。
また、摩擦材接着部1の摩擦材を接着する面は、摩擦材を接着する前に、ローレット(ナーリング)加工や、ショットブラスト加工しておくことが、接着力を向上させることができ、好ましい。
シングルブレーキシュー3と摩擦材とを接着する前には、摩擦材接着部1に、プライマーと呼ばれる接着剤溶液を塗布して、シューと摩擦材との接着をし易くすると共に、シングルブレーキシュー3の接着面以外にも接着剤溶液を塗布して、シングルブレーキシュー3の防錆処理を行うことが好ましい。
前述したプライマーとしては、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等の接着剤をメタノール、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に5〜30質量%の濃度に溶解させたものが用いられ、特に、均一な塗膜が迅速に形成でき易く、乾燥し易いものが好ましい。
1つのドラムに対し、複数(通常は2個)のシューを持たせる場合には、図1に示すような、筒状を成すシューである必要はなく、図2に示すように、円弧状の摩擦材接着部5と、この摩擦材接着部5に直交するように設けられるウェブ6を有した、円弧状シュー7を用いることができる。
図1及び図2にて前述したシューの、摩擦材接着部とウェブとは、別体であっても一体であっても良いが、強度、耐久性が共に高いことから一体であることが好ましく、材質として軟鋼、アルミニウム、金属同士の複合材料等を用いるのであれば、折り曲げ成形により、焼結金属、鋳鉄等を用いるのであれば、鋳造により一体成形できる。また、補強繊維と樹脂との複合材料を用いるのであれば、射出成形により一体成形できる。
<摩擦材>
本発明に用いる摩擦材は、ドラムに押し当てられることで、制動力を発揮するものであれば、特に限定されるものではない。
より具体的には、一般に公知の材料が用いられ、例えばスチール繊維、黄銅繊維、銅繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、フェノール繊維、セラミック繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊維等の繊維状物質を、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、カシュー樹脂等の熱硬化性樹脂にて成形したものである。
尚、上記摩擦材の配合割合は、摩擦特性により異なり、適宜決定される。
摩擦材の形状は、特に制限されるものではないが、少なくとも接着するシューの外周に沿った面(シュー面)を有し、この面と対向する面に、ドラムの内周(摩擦材が当接する部分)に沿った面(ドラム面)を形成する。
シュー面とドラム面以外の側面は、シュー面及びドラム面に直交するようにしても、テーパーを設けるようにしても良く、テーパーを設けることによりブレーキ鳴きが改善される場合がある。
<接着剤>
本発明に用いる接着剤は、摩擦材のシュー面に、予め線状に塗布可能なものであれば、特に制限されるものではないが、摩擦材の温度として、180〜250℃の高温になることから、熱硬化性樹脂を好適に用いることができる。
より具体的には、例えばフェノール系、エポキシ系接着剤と、NBR(ニトリルゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)等のゴム組成分とを、アセトン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール等の溶剤に溶解させたものが、好適に用いられる。
更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等の充填剤や、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、コハク酸ジエチル、エチレングリコールアセテート、リン酸トリブチル等の可塑剤、ポリアミド樹脂、BF−MEA(モノエタノールアミン)、エチレン、アクリル酸エステル等の硬化剤、ジフェニルメタンジイソシアナート、ジイソシアナトトルエン、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の架橋剤、二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、BHT(ジターシャリーブチルヒドロキシトルエン)、DPPD(N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン)等の酸化防止剤を、添加することもできる。
上記材料の他に、必要に応じてカーボン繊維、ガラス繊維等の繊維状物質や、黄銅、銅等の金属粉を添加することもできる。
尚、上記接着剤材料の配合割合は、接着特性により変化させることができるが、接着剤全体を100質量%として、不揮発分を20〜50質量%とすることが好ましい。
車両のドラムブレーキ用の接着剤(接着剤溶液)は、被塗布物を塗布してから乾燥させることが好ましい。乾燥温度は、溶剤の沸点が50〜120℃程度なので、蒸発できる温度、具体的には、乾燥炉等の加熱乾燥装置を用い、70〜120℃にて行うことができる。
(接着剤の塗布)
接着剤の塗布は、摩擦材に行う。
接着剤は、摩擦材に塗布することにより、塗布後は、接着剤に溶剤が含まれているので摩擦材に接着剤が浸込みやすく、求められる本来の接着強度が確保できる。また、質量の大きなシューに塗布することよりも、質量の小さな摩擦材に塗布した方が運搬しやすくなる利点がある。
接着剤の塗布は、線状に行われるものであり、線の方向は、回転体(タイヤ等)の回転方向と平行となるようにすることが好ましい。これは、ドラムブレーキ及びドラムブレーキ部材が、円周方向に沿って円弧状になっており、前記回転体の軸方向に摩擦材の幅が短く、接着剤を塗布することが困難で、はみ出しが発生し易いためである。
接着剤の塗布は、複数の線状に行われ、線間隔を線幅よりも狭くして行われる。このようにすることで、接着剤は、加圧・加熱接着が行われる際に、線状の接着剤が線間方向に広がり、シューと摩擦材との接着面全体に行きわたることで、高い温湿度雰囲気下において長期間でも、十分な接着面積を確保できる。
また、複数の線は、線幅を全て同じでも、異ならせても良く、異ならせたせた場合には、隣接する両隣の線幅の、狭い方の線幅を基準にして、線間隔を決定する。
更に、線幅を異ならせる場合には、最も外側の2本の線幅に比べ、この2本の線の間に塗布した線の線幅を太くすることが好ましく、このようにすることで、接着剤のはみ出しを少なくすることができる。
接着剤の線の厚みは、限定されるものではないが、全て等しくすることが好ましく、このようにすることで、加圧する際に均一な接着膜を形成し易く、また接着剤の乾燥を等しくして接着強度が低下することを防ぐ。
(接着剤の塗布方法)
接着剤を線状に塗布する方法は、特に限定されないが、具体的には、加圧することにより複数孔から接着剤を吐出する塗布器具(ノズル等)から、回転が可能な設備(回転ローラ等)に載置された摩擦材の接着面に対し、線状に接着剤を供給するようにできる。
また、接着剤の塗布は、前述したものとは逆に、摩擦材の位置を固定し、塗布機具を直線状に移動させることで行うこともできる。
(接着)
摩擦材とシューとの接着は、摩擦材を必要に応じて、研磨加工処理を施して、内周側に接着剤を塗布乾燥したものを、予め脱脂洗浄、化成処理、プライマー処理を適宜施したシューの完成品上に載せ、接着治具等を用いて0.3〜3MPa、180〜250℃で加熱加圧して接着する。これによりブレーキ部材の熱変形を防止すること、接着剤に有効な接着性を発揮させることができる。
但し、上記圧力及び温度の条件は、使用する接着剤により適宜変更することができる。
(ドラムブレーキ)
本発明にて述べるドラムブレーキは、先に述べた摩擦材を有するシューであるドラムブレーキ部材を用いた物であれば、他に制限されるものでない。
より具体的には、図3に示す車両用のパーキングブレーキを例にして説明する。
ドラムブレーキ8は、筒状のブレーキシュー9と、このブレーキシュー9の外周面に取り付けられた摩擦材10とを有するドラムブレーキ部材11が、バックプレート12に固定され、ブレーキシュー9の切欠部に設けられた機械式シリンダー13により、切欠部を押し広げることによってブレーキシュー9を拡径させ、摩擦材10をドラムの内周面に当接させる。また、2つの端部を押し広げる動作を、機械式シリンダー13による拡径をやめることで、ブレーキシュー9を縮径させて、摩擦材10とドラムとの当接を解除させる。
以下、本発明の実施例について、詳細に説明する。図4は、本発明の1実施例である、筒状のドラムブレーキ部材を示すものであり、(a)はドラムブレーキ部材の正面図、(b)は摩擦材の接着前の底面図である。
筒状のブレーキシュー14は、切断した帯状鋼板をプレス加工により、リブの曲げ成形及び金属板体両端部の湾曲部成形を行って成形したものである。
ブレーキシュー14は、予めアルコール脱脂洗浄し、表面にリン酸皮膜を形成する化成処理を施した。更に、前記処理の施したブレーキシュー10個をハンガーに整列し、パレットに3列並べた。このパレットを真空容器(1000mm×550mm×1000mm)に入れ、真空容器に蓋をした。真空容器を20torrに減圧し、バルブを開いて40℃に加熱したプライマー溶液500リットルを容器内に供給し、次いで減圧を解除しプライマー溶液にブレーキシューを30秒浸漬し、40℃まで加熱した。その後ポンプでプライマー溶液を30秒かけて真空容器の底部からゆっくり排出することによるシューの表面に均一なプライマー溶液膜を形成したものである。
摩擦材15は、日本ブレーキ工業株式会社製(商品名:LE44)を用いた。線状接着剤16は、セメダイン株式会社製(商品名:CS2711「溶剤型熱硬化性フェノール樹脂系接着剤」)を用いて、1MPa、200℃で40分加熱することにより硬化する。
以下の手順に従い、被塗布物としての摩擦材に対して、溶剤型熱硬化性フェノール樹脂系接着剤を塗布した。
先ず、自動車用ドラムブレーキ部品の摩擦材(制動有効径:190mm×幅:22.5mm)の表面を研磨機で研磨処理して、真空容器内で加圧貯留される接着剤溶液を、塗布機のノズルから摩擦材の接着面に、5本の線状接着剤として塗布する。この際、各線状接着剤の幅:2.5mm、厚み:0.2mm、線間距離:1.5mmとした。
次に、コンベア式熱風循環乾燥ラインを用いて、接着剤を塗布した摩擦材をコンベアに載せ、90℃の雰囲気下にて、25分間乾燥させる。その後、室温(25℃)にて5日放置する。
接着する際は、先ず、接着治具を用いて1MPa、200℃で40分加熱加圧して、ブレーキシュー14、摩擦材15を接着する。接着して得られた摩擦材の外周研磨を施してドラムブレーキ部材17が得られる。
ドラムブレーキにおいて、前記ドラムブレーキ部材を取り付け、ドラムブレーキに設けられる油圧シリンダーによって押し広げることによって、ドラムブレーキ部材をドラムに向けて広げて、摩擦材をドラムの内周面に当接させ、また、押し広げる動作をやめることによってドラムブレーキ部材を収縮させて、当接を解除させる。
上記方法で作製した実施例のドラムブレーキのせん断強度及び接着面積を、「JIS D4422−2007」に従い測定した。
尚、接着面積は、ブレーキシューと摩擦材との接触面積全体を100%として、接着剤が介在している部分の面積を求めている。
上記方法で作製した実施例のドラムブレーキを、株式会社島津製作所製精密万能試験機(商品名:オートグラフAG−100KNX)で、クロスヘッド移動速さ:10mm/minで試料が完全に破壊(接着面における破壊)するまで加圧し、破壊したときの最大荷重を測定した。また、接着面積は、破壊した後、接着剤と摩擦材との間の破壊面の状態を、目分量で判断した。測定結果を、以下の表1に示す。
Figure 2011231875
上記した表1の測定結果から、接着力も、接着面積も、メーカ規格値を満たす結果を得られた。尚、メーカ規格は、一般的な使用形態によっては、摩擦材が脱落することのない値を意味する。
よって、本発明は、ブレーキシューと摩擦材との接着面に必要十分な量の接着剤を供給すると共に、十分な接着性能を有し、制動時に強いせん断力を受けても、脱落のない安全安心なドラムブレーキ部材及びこの部材を用いたドラムブレーキを、提供できる。
次に、目視で前記ドラムブレーキ部材の完成品の外観を確認した結果、接着剤のはみ出しを見られなかった。よって、この方法を使用することで接着剤は必要以上に消費しない。
尚、上記実施例では、接着剤の幅:2.5mm、厚み:0.2mm、線間距離:1.5mmとしているが、接着剤の幅:1.8mm、厚み:0.2mm、線間距離:2.7mmとし、線間幅を線幅よりも広くしたものは、接着強度:19.9kN、接着面積:78%となり、接着強度は、実施例に比較して、弱いながらもメーカ規格を満たしたが、接着面積は、80%未満となって、メーカ規格を満足するものではなかった。
1…摩擦材接着部、2…ウェブ、3…シングルブレーキシュー、4…切欠部、5…摩擦材接着部、6…ウェブ、7…円弧状シュー、8…ドラムブレーキ、9…ブレーキシュー、10…摩擦材、11…ドラムブレーキ部材、12…バックプレート、13…機械式シリンダー、14…ブレーキシュー、15…摩擦材、16…線状接着剤、17…ドラムブレーキ部材

Claims (4)

  1. シューと、このシューに接着される摩擦材とを備え、この摩擦材が、シューとの接着面に、予め線状に塗布される接着剤を有し、この線状に塗布される接着剤が複数の線であり、線間幅を線幅よりも狭くする、ドラムブレーキ部材。
  2. 請求項1において、複数の線が、最も外側となる2本の線幅に比べ、内側の線幅を太くする、ドラムブレーキ部材。
  3. 請求項1又は2において、複数の線の厚みを、全て等しくするドラムブレーキ部材。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載されるドラムブレーキ部材を用いた、ドラムブレーキ。
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