JP2011229815A - 生体情報イメージング装置および生体情報イメージング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光を吸収した被検体内部の光吸収体から発生する音響波を検出し、検出信号に変換する検出器と、検出信号の強度に応じて増幅器の利得を決定する利得制御部と、決定された利得により検出信号を増幅する増幅器と、増幅された検出信号の加算回数を決定する回数決定部と、増幅された検出信号を加算回数の分だけ加算平均を行い、画像データを生成する信号処理部とを有し、回数決定部は、決定された利得により増幅を行った場合のSN比に基づいて、加算平均の後の信号のSN比があらかじめ設定された値以上になるように加算回数を決定する生体情報イメージング装置を用いる。
【選択図】図1
Description
P0=Γ・μa・Φ … 式(1)
ここで、Γはグリューナイゼン係数であり、体積膨張係数(β)と音速(c)の二乗の積を定圧比熱(CP)で割ったものである。μaは吸収体の吸収係数、Φは局所的な領域での光量(吸収体に照射された光量で、光フルエンスとも言う)である。
非特許文献1によれば、光音響波の大きさである音圧Pの変化を複数の個所で測定および解析することにより、被検体の初期発生音圧分布(P0)を画像化することができる。なお、Γは組織が決まれば、ほぼ一定の値をとることが知られているので、式(1)の関係から、μaとΦの積、すなわち、光エネルギー吸収密度分布も得ることができる。
場合に、得られた信号がノイズに隠れてしまい信号・ノイズ比(SN比)の低い画像しか得られなくなってしまう。つまり、光音響トモグラフィーを用いた生体情報イメージング装置においては、信号を増幅する増幅器のゲインをあらかじめ適切に決めておくことが困難であるという課題があった。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本実施例に係る生体情報イメージング装置の構成を示したものである。
生体情報イメージング装置は、光源101と、光音響波検出器(探触子ともいう)106と、増幅器107と、信号処理装置108と、加算回数決定部109と、利得制御部110と、表示装置111から構成される。
光源101は、光102を発する装置である。発せられた光102は、生体などの被検体103に照射される。図では、被検体103に対して両側から照射可能な形態になっているが、片側からの照射や別方向からの照射でもかまわない。また、複数の光源を同期させて利用することも可能である。
そこで、本実施例においては、実際の取得信号のデータに基づいて、増幅器107の増幅率と、探触子による検出回数の両方を自動調整する。これにより、取得信号のSN比を一定の値以上に保つよう制御する。
ステップS201では、信号処理装置が、このステップ以前に取得していた信号データから、被検体内の信号を取り出す。以前に取得していた信号としては、自動調整用に試行して計測した信号データを用いてもよいし、実際にイメージングのために計測した信号データを用いてもよい。ただし、今回測定する被検体内の部位と同じ部位を計測したデータを用いる必要がある。また、この信号データは一回の測定によるデータであっても、複数回の測定データを平均化したものであってもよい。
能となる。本実施例では、被検体の厚みは計測できているものとする。あるいは、被検体表面から発生する強度の高い光音響波信号を判別することによって被検体からの信号を判別することも可能である。
ステップS204では、利得制御部が、通知されたゲインの最適値と、以前に設定されているゲイン曲線から、ゲインテーブルの再生成を行う。ゲイン曲線の中間部分がどのようにカーブするかは、被検体内での光の減衰を補正することや光音響波の減衰を補正する目的などによって決まるが、ゲインの絶対値は、上記の最適なゲイン値によって決定される。
ステップS205では、利得制御部が、増幅器へのゲインテーブルの設定を行う。ゲインテーブルの設定においては、増幅器に直接設定できる場合や、増幅器への設定するための補助装置が設置されている場合もあるが、どのような方法であってもよい。
ステップS206では、加算回数決定部が、1回の計測におけるSN比の予測を行う。加算回数決定部にはあらかじめ、増幅器に与えるゲインの大きさと、回路から発生する白色雑音のレベルとの関係が、表や式によって記憶されている。したがって、信号処理装置内で決定された最適なゲイン値を参照して、回路から発生する白色雑音を推定できる。また、信号処理装置によって、最適なゲイン値のときに得られる信号強度の予測値が通知されているので、1回の計測に関してはこの時点でSN比の予測ができる。
されたSN比の目標値に到達するためには加算回数を何回にすればよいかが計算される。例えば目標とするSN比が、予測される1回の計測でのSN比の10分の1である場合には、加算回数を100回に設定する。
ステップS208では、加算回数決定部が、計算した加算回数を信号処理装置に通知し、信号処理回路は繰り返し回数を設定する。
ただし、このような場合には、先に計測したデータの設定ゲインが、それ以降の最適化されたゲインとは異なっている。したがって、先に計測した信号データと、ゲインを変更して計測した信号データを加算する場合には、加算時にゲインの補正を行うことが好ましい。そのために、例えば先に計測した信号データに対してゲイン補正分の係数の乗算を行って補正することができる。
実施例1においては、最適なゲインの決定も、加算回数の決定も、一連の計測の最初に一度だけ行っていた。一方、本実施例においては、毎回の信号計測において最適なゲインの再設定と加算回数の決定(加算を終了するかの判定)を行う。
本実施例では、最適なゲインを決定するプロセス(信号処理装置の処理であるステップS301〜S303)において、今回の計測より前に計測した信号の加算平均を用いる(ステップS301)。これにより、これまでの計測信号の全てを反映した最適ゲインを、毎回設定することが可能になる。
利得処理部の処理(ステップS304,305)は、実施例1と同様に行う。
具体的には、まずステップS306において、それまでに計測した信号の加算平均信号から、信号のSN比を計算する。続いてステップS307において、計算した値が設定されたSN比を超えていたら、その計測は終了とする(S307=YES)。もし超えていなければ、計測を繰り返す(S307=NO)。このようにすると、加算回数は実際のSN比を計算しながら決定されるので、確実に設定されたSN比を超えた信号が計測される
。
Claims (7)
- 光源から照射された光を吸収した被検体内部の光吸収体から発生する音響波を検出し、検出信号に変換する検出器と、
前記検出信号の信号強度に応じて増幅器の利得を決定する利得制御部と、
前記利得制御部が決定した利得により前記検出信号を増幅する増幅器と、
前記増幅された検出信号を加算する回数である加算回数を決定する回数決定部と、
前記増幅された検出信号の前記加算回数の分の加算平均を行い、画像データを生成する信号処理部と
を有する生体情報イメージング装置であって、
前記回数決定部は、前記利得制御部により決定された利得により増幅を行った場合のSN比に基づいて、加算平均の後の信号のSN比があらかじめ設定された値以上になるように前記加算回数を決定する
ことを特徴とする生体情報イメージング装置。 - 前記回数決定部は、前記利得制御部により決定された利得、および、あらかじめ記憶されている利得とノイズの関係から、1回の検出におけるSN比を推定し、当該推定したSN比に基づいて前記加算回数を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報イメージング装置。 - 前記検出器は、画像データを生成するための音響波の検出を行う前に、少なくとも1回、音響波の検出を試行して検出信号に変換し、
前記利得制御部は、前記試行により得られた検出信号の信号強度に応じて利得を決定し、
前記回数決定部は、前記試行により得られた検出信号の信号強度に応じて決定された利得に基づいて前記加算回数を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の生体情報イメージング装置。 - 前記利得制御部は、すでに取得された検出信号を加算平均した信号の強度に応じて利得を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の生体情報イメージング装置。 - 前記回数決定部は、すでに取得された検出信号の信号強度の加算平均からSN比を求め、
前記検出器は、当該SN比があらかじめ設定された値以上であれば、音響波の検出を終了する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。 - 前記回数決定部は、前記加算回数にあらかじめ上限値を設定している
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。 - 光源から照射された光を吸収した被検体内部の光吸収体から発生する音響波を検出し、検出信号に変換するステップと、
前記検出信号の信号強度に応じて増幅器の利得を決定し、決定した利得により前記検出信号を増幅するステップと、
前記増幅された検出信号を加算する回数である加算回数を決定するステップと、
前記増幅された検出信号の前記加算回数の分の加算平均を行い、画像データを生成するステップと
を有する生体情報イメージング方法であって、
前記決定するステップでは、前記決定した利得により増幅を行った場合のSN比に基づ
いて、加算平均の後の信号のSN比があらかじめ設定された値以上になるように前記加算回数を決定する
ことを特徴とする生体情報イメージング方法。
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