JP2011229294A - コイルの製造方法およびモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータコア片にコイルを装着した後に、ステータコア片をスムーズに円環状にしてステータを形成することが可能なコイルの製造方法およびモータを提供する。
【解決手段】コイルは、導線を巻枠に巻き回すことにより製造され、巻枠は、ティース部の傾斜に対応した傾斜面を有するスロット挿入部形成部78,79と、スロット部に挿入された状態における内径面から外径面に向かって距離が広がる傾斜面を有するコイル渡り部形成部76,77と、を有しており、一対の巻線端部の間に形成されるコイル渡り部に相当する位置の内径面側から導線を巻枠に導入する導線導入工程と、巻枠の内径面から外径面へ向かって導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け上げ工程と、導線駆け上げ工程の後に、導線駆け上げ工程において巻回された導線の上層に、巻枠の外径面から内径面に向かって導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け下げ工程と、を有する。
【選択図】図12

Description

本発明は、コイルの製造方法およびモータに関するものである。
インナーロータ型のモータは、円環状のステータの内側に形成された空間にロータ(回転子)が配置され、ロータがステータに対して軸中心に回転可能に構成されたものである。また、ステータコアにおける隣り合うティース部間に形成されるスロット部にはコイルが巻回されるが、コイルの巻回方法としては分布巻や集中巻などが知られている。一般的に、コイルを分布巻で巻回する方が高トルク密度性能を維持し易いため、高トルクが必要なモータにおいては分布巻を採用することが多い。
しかしながら、分布巻は集中巻と異なり、所定距離離れたスロット部間を架け渡すようにコイルが巻回されるため、巻回方法が複雑化し、コイルの巻回作業に時間が掛かり、生産効率が低下していた。また、分布巻は、ステータコアの軸方向端面においてコイル同士が干渉するために渡り部(コイルエンド)が大きくなり、モータを小型化することが困難であった。
そこで、特許文献1では、従来よりもコイルエンド(渡り部)を小さくし、かつ、電流密度の低減を図り、小型で高出力の回転電機(モータ)を得ることを目的として、断面が矩形形状の導体素線を重ね巻きし、両端の頭頂部を重ね巻きした素線の全幅だけずれるように、かつ、隣接するスロット間隔の範囲内の長さとなるようにクランク形状に形成し、固定子のスロットに差し込むことにより形成した回転電機が提案されている。
また、一方で、スロット部内のコイルの占積率を向上、コイルの巻回作業の効率化およびモータの小型化を図るために、帯状にステータコア片を配置した状態で、コイルを巻回し、その後ステータコア片を円環状にしてステータを製造する方法が提案されている。
特開2008−104293号公報
ここで、ステータコアを複数のステータコア片に分割し、ステータコア片にコイルを装着した後に、ステータコア片を円環状にすることでステータコアを形成する方法を採用する際に、装着されるコイル形状によっては、渡り部の高さが高くなることや、極間干渉することがある。その結果、コイルを構成する巻線の曲げ抵抗が大きくなり、ステータコア片を円環状にすることができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ステータコア片にコイルを装着した後に、ステータコア片をスムーズに円環状にしてステータを形成することが可能なコイルの製造方法およびモータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ティース部(例えば、実施形態におけるティース42)およびヨーク部(例えば、実施形態におけるヨーク46)が形成されたステータコア片(例えば、実施形態におけるコア片45)が複数連結されて円環状に形成されたステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア41)と、隣接する前記ステータコア片の前記ティース部間に形成されるスロット部(例えば、実施形態におけるスロット43)を架け渡すように挿入されるコイル(例えば、実施形態におけるコイル20)と、を備えたステータ(例えば、実施形態におけるステータ21)と、該ステータの内周側に配され、回転可能に支持されたロータ(例えば、実施形態におけるロータ22)と、を有するモータ(例えば、実施形態におけるモータ23)に使用される前記コイルの製造方法であって、前記コイルは、前記ステータコア片が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向する前記ティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有し、前記スロット部に挿入される一対のスロット挿入部(例えば、実施形態におけるスロット挿入部53,54)と、前記ステータコアの軸方向端面(例えば、実施形態における端面41a)において前記一対のスロット挿入部の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部(例えば、実施形態におけるコイル渡り部55,56)と、を備えるとともに、一方の前記コイル渡り部の両端部に電源部と接続される一対の巻線端部(例えば、実施形態における一端52a、他端52b)が配されており、前記コイルは、導線(例えば、実施形態における導線52)を巻枠(例えば、実施形態における巻枠70)に巻き回すことにより製造され、前記巻枠は、前記ティース部の傾斜に対応した傾斜面を有する一対のスロット挿入部形成部(例えば、実施形態におけるスロット挿入部形成面78,79)と、前記スロット部に挿入された状態における前記ステータの内周側にあたる内径面から前記ステータの外周側にあたる外径面に向かって前記一対のコイル渡り部同士の距離が広がるような傾斜面を有する一対のコイル渡り部形成部(例えば、実施形態におけるコイル渡り部形成部面76,77)と、前記スロット挿入部形成部と前記コイル渡り部形成部との境界に形成された曲面部(例えば、実施形態における曲面部82,83,84,85)と、を有しており、前記一対の巻線端部の間に形成される前記コイル渡り部に相当する位置の前記内径面側から前記導線を前記巻枠に導入する導線導入工程と、前記巻枠の前記内径面から前記外径面へ向かって前記導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け上げ工程と、該導線駆け上げ工程の後に、前記導線駆け上げ工程において巻回された前記導線の上層に、前記巻枠の前記外径面から前記内径面に向かって前記導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け下げ工程と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載した発明は、ティース部およびヨーク部が形成されたステータコア片が複数連結されて円環状に形成されたステータコアと、隣接する前記ステータコア片の前記ティース部間に形成されるスロット部を架け渡すように挿入されるコイルと、を備えたステータと、該ステータの内周側に配され、回転可能に支持されたロータと、を有するモータであって、前記コイルは、導線が複数層に巻き回されて形成されており、前記ステータコア片が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向する前記ティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有し、前記スロット部に挿入される一対のスロット挿入部と、前記ステータコアの軸方向端面において前記一対のスロット挿入部の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部と、を備えるとともに、一方の前記コイル渡り部の両端部に電源部と接続される一対の巻線端部が配されており、該一対の巻線端部が配された側の前記コイル渡り部に、内周側導線層(例えば、実施形態における内周側導線層91)と該内周側導線層の上層に形成される外周側導線層(例えば、実施形態における外周側導線層92)との間に形成される導線移行部(例えば、実施形態における導線移行部86)が配されていることを特徴としている。
請求項1に記載した発明によれば、巻枠に導線を巻き回すだけで容易に、一対のスロット挿入部および一対のコイル渡り部を有するコイルを製造することができる。
また、製造されたコイルは、軸中心を指向するティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有する一対のスロット挿入部を有しているため、複数のステータコア片を円環状にする際に、変形してしまうのを防止することができる。つまり、複数のステータコア片を円環状にする際に、コイル渡り部に無理な力がかからず、導線の整列崩れを防止することができる。結果として、帯状に複数連結されたステータコア片にコイルを装着した後、該ステータコア片をスムーズに円環状にしてステータを形成することができる。さらに、一対の巻線端部の間に形成されるコイル渡り部に相当する位置の内径面側から導線を巻枠に導入して、該導線を巻枠の内径面から外径面へ向かって導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け上げ工程と、導線駆け上げ工程の後に、導線駆け上げ工程において巻回された導線の上層に、巻枠の外径面から内径面に向かって導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け下げ工程と、を有しているため、導線を巻枠に巻回する際に導線の位置がずれるのを防止することができる。
請求項2に記載した発明によれば、軸中心を指向するティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有する一対のスロット挿入部を有しているため、複数のステータコア片を円環状にする際に、変形してしまうのを防止することができる。つまり、複数のステータコア片を円環状にする際に、コイル渡り部に無理な力がかからず、導線の整列崩れを防止することができる。結果として、帯状に複数連結されたステータコア片にコイルを装着した後、該ステータコア片をスムーズに円環状にしてステータを形成することができる。さらに、一方のコイル渡り部の両端に一対の巻線端部を配し、該コイル渡り部に内周側導線層と外周側導線層との間に形成される導線移行部を配したため、コイルの性能を確保しつつ、導線の整列崩れを防止することができる。
本発明の実施形態におけるモータユニットの概略構成図である。 本発明の実施形態におけるステータの平面図である。 本発明の実施形態におけるステータの斜視図である。 本発明の実施形態におけるステータコアの平面図である。 本発明の実施形態におけるコア片の平面図である。 本発明の実施形態におけるコイルの斜視図である。 図6のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるステータの側面図である。 図8のB部拡大図である。 本発明の実施形態における巻枠の斜視図である。 本発明の実施形態における巻枠の側面図である。 図11のC−C線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における巻枠に導線を巻回する状態を示す平面図である。 本発明の実施形態における導線の巻回途中の状態を示す部分平面図である。 本発明の実施形態における導線の巻回状態を示す部分断面図である。 本発明の実施形態における導線押え治具を用いて導線を巻回する状態を示す側面図である。 本発明の実施形態における導線押え治具を用いて導線を巻回する状態を示す部分側面図である。 本発明の実施形態における導線巻回体における導線の配置状態を説明する部分断面図である。 本発明の実施形態における導線巻回体の正面図である。 本発明の実施形態におけるコア片の帯状時の斜視図である。 本発明の実施形態におけるスロットへのコイルの挿入方法を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるコイルをコア片に取り付ける方法を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるステータの概略平面図である。 本発明の実施形態におけるコイルをコア片に取り付ける途中の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるコア片の別の態様を示す部分平面図(1)である。 本発明の実施形態におけるコア片の別の態様を示す部分平面図(2)である。 本発明の実施形態におけるコア片の別の態様を示す部分平面図(3)である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図27に基づいて説明する。なお、本実施形態では車両用モータユニットに採用したモータについて説明する。なお、本実施形態において、軸方向は出力軸の回転軸中心方向を示し、径方向はステータ21およびロータ22の径方向を示し、周方向はステータ21およびロータ22の周方向を示す。
図1は車両用モータユニットの概略構成断面図である。図1に示すように、車両用モータユニット(以下、モータユニットという。)10は、コイル20が巻回された円環状のステータ21および永久磁石25が配されたロータ22を備えたモータ23を有している。また、モータユニット10は、モータ23を収容するモータハウジング11と、モータハウジング11の一方側に締結され、モータ23の出力軸24からの動力を伝達する動力伝達部(不図示)を収容するミッションハウジング12と、モータハウジング11の他方側に締結され、モータ23の回転センサ25を収容するセンサハウジング13と、を備えている。なお、モータハウジング11の内部はモータ室36として、ミッションハウジング12の内部はミッション室37として、センサハウジング13の内部はセンサ室38として、それぞれ構成されている。
モータハウジング11は、モータ23全体を覆うような略円筒形状で形成されている。モータハウジング11とミッションハウジング12との境界部のミッションハウジング12側には、モータ23の出力軸24の一端を回転自在に支持するベアリング26が設けられ、モータハウジング11とセンサハウジング13との境界部のセンサハウジング13側には、モータ23の出力軸24の他端を回転自在に支持するベアリング27が設けられている。
また、モータハウジング11の壁部31、ミッションハウジング12の壁部32およびセンサハウジング13の壁部33には、互いに連通するブリーザ通路35がそれぞれ形成されている。
さらに、モータハウジング11の壁部31内には、モータ23を冷却するためのウォータジャケット40がモータ23のステータ21を全周覆うように設けられている。また、ステータ21は、モータハウジング11に圧入されており、モータハウジング11の内周面に密着するように配されている。
図2はステータ21の平面図であり、図3はステータ21の斜視図である。図2、図3に示すように、ステータ21は、円環状に構成されたステータコア41と、ステータコア41の隣り合うティース42,42間に形成されたスロット43に配されたコイル20と、で構成されている。ステータ21の円環状の中心に形成された空間には、ロータ22が軸中心に回転可能に配置されている。
図4はステータコア41の平面図である。図4に示すように、ステータコア41は、複数のコア片45が円環状に連結されて構成されている。ステータコア41は、円環状の外周を構成するヨーク46と、ヨーク46から円環状の中心に指向して突出されたティース42と、を備えている。また、隣り合うティース42,42の間には、スロット43が形成されている。そして、スロット43にコイル20を配置することで、上記のようにステータ21が構成される。
図5コア片45の平面図である。図5に示すように、コア片45は、ヨーク46およびティース42が形成された平板鋼板47を積層して構成されている。このコア片45を構成する平板鋼板47は、プレス成型により容易に製造することができる。一つのコア片45には、一つのティース42が形成されている。つまり、ティース42毎にコア片45は分割されている。
ヨーク46の周方向両側面(外周部と内周部との間の両側部)における一方の側面48に凹部49が形成され、他方の側面50に凹部49と嵌合する凸部51が形成されている。凹部49と凸部51は、隣接するコア片45が帯状のときは離反しており、コア片45が帯状から円環状に変形したときに嵌合するように構成されている。
次に、コイル20の形状について詳細に説明する。
図6はコイル20の斜視図であり、図7は図6のA−A線に沿う断面図であり、図8はステータ21の側面図である。
図6〜図8に示すように、コイル20は、導線52が複数回巻き回されてリング状に形成されている。図6では導線52の両端の図示が省略されているが、導線52の両端は一方が中性点バスリング(不図示)に接続され、他方が3相配電バスリング(不図示)に接続されるように構成されている。
コイル20は、コア片45が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向するティース42の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有する一対のスロット挿入部53,54と、ステータコア41の軸方向端面41aにおいて一対のスロット挿入部53,54の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部55,56と、を備えている。一対のスロット挿入部53,54は、4つのスロット43を空けたスロット43内に配されている。つまり、コイル渡り部55,56の周方向の長さは4つのスロット43を空けて一対のスロット挿入部53,54が配される周方向長さを有している。
また、コイル渡り部55,56は、スロット挿入部53,54がスロット43から突出した後、ヨーク46の軸方向端面に沿うように径方向外側に湾曲形成されるとともに、一方端部から他方端部へ向かって軸方向高さが傾斜するスロープ部57,58がそれぞれ形成されている。つまり、コイル渡り部55,56は、軸方向から見て略C字状に形成されている。また、コイル渡り部55,56は、隣接する異相のコイル20(コイル渡り部55,56)との干渉を回避するようにスロープ部57,58が形成されている。例えば、本実施形態では、一方のスロット挿入部53側のコイル渡り部55,56の軸方向高さが一番高く、他方のスロット挿入部54側のコイル渡り部55,56の軸方向高さが一番低くなるようにスロープ部57,58がそれぞれ形成されている。
なお、スロープ部57,58の傾斜角度A°は略同一の角度で形成されており、図9に示すように、コイル20のスロット挿入部53,54間の基準ピッチをpとし、コイル渡り部55,56の最大高さをHとし、コイル渡り部55,56の最小高さをhとすると、
Figure 2011229294
となる。つまり、ステータコア41の大きさやコイル20の導線52の巻数などにより基準ピッチp、最大高さHおよび最小高さhを設定することにより、スロープ部57,58の傾斜角度A°を算出することができる。
ここで、複数のコア片45を円環状に連結してステータコア41を構成したときに形成されるスロット43は全て軸中心を指向するように形成されている。一対のスロット挿入部53,54は、ステータコア41を構成したときにスロット43が軸中心を指向する方向と略一致するように一方のスロット挿入部53に対して他方のスロット挿入部54が傾斜するように形成されている。つまり、スロット挿入部53,54は、スロット43と略同一の方向(軸中心)を指向するように予め形成されている。
また、図2、図3にも示すように、隣り合うコイル20同士は、コイル渡り部55,56において交差しなければならず、かつ、スロット挿入部53,54とコイル渡り部55,56は略同一の断面形状のまま各所で折曲させる必要があるため、一方のスロット挿入部53とコイル渡り部55,56との境界部において、張出部59,60が形成されている。張出部59,60は、スロット挿入部53の端部からスロット挿入部54から遠ざかる方向に折曲し、交差するコイル20との干渉を回避可能な大きさの円弧を描くように湾曲してコイル渡り部55,56に繋がるように形成されている。
さらに、スロット挿入部53,54とコイル渡り部55,56は略同一の断面形状のまま各所で折曲させる必要があるため、他方のスロット挿入部54とコイル渡り部55,56との境界部において、張出部61,62が形成されている。張出部61,62は、スロット挿入部54の端部からスロット挿入部53から遠ざかる方向に折曲し、高屈曲を避ける大きさの円弧を描くように湾曲してコイル渡り部55,56に繋がるように形成されている。つまり、スロット挿入部54側のコイル渡り部55,56の軸方向高さは一番低く、スロット挿入部54とコイル渡り部55,56との距離が近接しているため、導線52を高屈曲させるのを避けるために張出部61,62が形成されている。
次に、上述したコイル20を製造する方法について説明する。
本実施形態では、まず導線52を巻枠70に巻き回すことにより、導線巻回体71(図19参照)を作製し、該導線巻回体71をコイル成型装置(不図示)により成型することでコイル20を製造する。
図10が巻枠70の斜視図であり、図11が巻枠70の側面図であり、図12が巻枠70のカバー部材72を取り外した状態の正面図である。
図10〜図12に示すように、巻枠70は、導線52が巻き回される導線巻回部73と、該導線巻回部73の両側に配される着脱可能なカバー部材72および支持部材74と、を備えている。
導線巻回部73は、導線52の被覆を傷つけないために例えば樹脂で形成された部材である。導線巻回部73の両端面はそれぞれカバー部材72および支持部材74に当接している。つまり、導線巻回部73は、カバー部材72および支持部材74に挟持されている。また、導線巻回部73の厚さは、コイル20の厚さ(径方向の長さ)と略同一の大きさで構成されている。さらに、導線巻回部73の周面は、導線52が巻回される導線巻回面75として構成されている。導線巻回面75は断面略長方形状になっており、短辺側が一対のコイル渡り部形成面76,77として構成され、長辺側が一対のスロット挿入部形成面78,79として構成されている。また、導線巻回面75の四隅はそれぞれ曲面部82,83,84,85が形成されており、導線52の被覆が損傷しないように構成されている。
コイル渡り部形成面76,77は、カバー部材72が配される側から支持部材74が配される側に向かって、対向するコイル渡り部形成面76,77同士の距離が遠ざかる方向にそれぞれ傾斜している。また、コイル渡り部形成面76,77は、コイル20のコイル渡り部55,56に形成されるスロープ部57,58の傾斜角度A°と略同一の角度を有する傾斜面が形成されている。
スロット挿入部形成面78,79は、カバー部材72が配される側から支持部材74が配される側に向かって、対向するスロット挿入部形成面78,79同士の距離が遠ざかる方向にそれぞれ傾斜している。このスロット挿入部形成面78,79の傾斜角度は、コイル20のスロット挿入部53,54に形成される傾斜角度、つまり、軸中心を指向するティース42の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度で形成されている。
カバー部材72は、例えば樹脂で形成され、正面視で導線巻回部73よりも大きい平面形状を有する略板状部材である。つまり、カバー部材72と導線巻回部73との境界には段差が形成されており、導線巻回部73に巻き回される導線52が該段差において支持されるように構成されている。また、カバー部材72には導線52を巻き回す際に導線52の一端を支持する溝部80が形成されている。
図13は、巻枠70に導線52を巻回する状態を示す平面図である。図13に示すように、溝部80は、導線巻回部73の一方のコイル渡り部形成面76に対向する位置に形成されている。また、溝部80は、導線52が導線巻回部73における導線52の巻回方向に対して斜め方向から挿入されるように、カバー部材72の周面を外側面から導電巻回部73が配される内側面に向かって斜めに横切るように形成されている。さらに、溝部80における内側面の端部80aは、導線巻回部73のコイル渡り部形成面76とスロット挿入部形成面78との境界の曲面部82よりも若干コイル渡り部形成面76側の位置に形成されている。そして、カバー部材72の外側面には、導線52の一端を固定する固定部81(図10参照)が形成されている。なお、カバー部材72は導線巻回部73に対して着脱可能に構成されている。
支持部材74は、例えば樹脂で形成され、正面視で導線巻回部73よりも大きい平面形状を有する略板状部材である。つまり、支持部材74と導線巻回部73との間には段差が形成されており、導線巻回部73に巻き回される導線52が該段差において支持されるように構成されている。また、支持部材74には回転軸69が連結されており、回転軸69が回転することにより巻枠70が同期して回転し、導線巻回部73に導線52を巻回することができるように構成されている。
上述した巻枠70を用いて、導線巻回体71を製造する方法を説明する。
まず、導線52の一端を固定部81に固定するとともに、導線52を溝部80に挿入し、導線52を支持固定する。
続いて、図13に示すように、導線52を導線巻回部73の周面に巻き回していく。具体的には、巻枠70を回転軸69に取り付け、回転軸69を回転することにより、導線52を導線巻回部73の周面に巻きつけていく。このとき、溝部80の端部80aが曲面部82よりも若干コイル渡り部形成面76側の位置に形成されているため、導線52を巻回していく際に、導線52がずれにくくなる。まずは、導線巻回部73の周面上に隣り合う導線52,52が密着するようにカバー部材72側から支持部材74側に向かって傾斜面を駆け上げるように巻回していく。
導線52が導線巻回部73と支持部材74との境界まで巻回されたら、導線52をこれまで巻回した導線層(内周側導線層91)の上にこれまでとは逆方向の支持部材74側からカバー部材72側に向かって導線52を巻回する。このとき、図14に示すように、下層の内周側導線層91と上層の外周側導線層92との間で導線52が交差する導線移行部86が形成されるが、溝部80の位置を上述した位置に形成していることにより、コイル渡り部形成面76上において導線52が交差する。
そして、図15に示すように、導線52が導線巻回部73とカバー部材72との境界まで巻回したら、再度折り返し、導線52が所望の巻数になるまで、導線52の巻回を継続し、導線巻回体71を製造する。
ここで、導線52を導線巻回部73に巻き回す際に、導線52の位置ズレを防止するために、図16に示すような導線押え治具88を用いてもよい。導線押え治具88は、導線52に当接するローラ部89と、該ローラ部89を回転可能に支持する支持部90と、を備えており、本実施形態ではこの導線押え治具88を2個用いている。なお、図16ではカバー部材72の図示を省略している。図17に示すように、2つの導線押え治具88は、導線移行部86が形成されるコイル渡り部形成面76において、該コイル渡り部形成面76に配される導線52の両端をローラ部89,89でそれぞれ押えながら導線52を巻回することができ、導線52を所望の位置に確実に保持しながら導線巻回体71を製造することができる。
また、導線52を導線巻回部73に巻き回す際には、巻枠70を回転させながら導線52を巻回していく。その際に、導線押え治具88のローラ部89は、導線52が導線巻回部73の所望の位置に配されるように導線52を導線巻回面75に押し付けるように作用する。また、ローラ部89の表面は、導線巻回面75の傾斜角度と略同一の傾斜角度を有している。なお、支持部90は巻枠70に対して当接離間する方向に移動可能に構成されている。このような導線押え治具88を用いることにより、導線52の整列崩れをより確実に防止することができる。
なお、図18に示すように、外周側導線層92の1本の導線52Aは、内周側導線層91の2本の導線52B,52Cと接触するように配される。このとき、導線52Aと導線52Bとの接点Dと、導線52Aと導線52Cとの接点Eとの間に、導線52を巻回する際に生じるフォースベクトルF(導線52Aにかかる張力のベクトル方向)が存在すると、導線52を巻回する際に導線52がずれにくくなる。導線52が断面円形の場合には、巻枠70の導線巻回部73に形成される傾斜角度が30°以内であれば、フォースベクトルFが上記条件を満たすこととなる。
導線52を所望の巻数まで巻回し導線巻回体71が製造されたら、導線52の他端を切断する。そして、導線52の一端を固定部81から外し、カバー部材72を導線巻回部73から取り外した後、導線巻回部73から導線巻回体71を取り出すことができる。図19に示すように、導線巻回体71はコイル渡り部55の両端に導線52の一端52aと他端52bが位置するように形成される。
その後、図19に示す導線巻回体71をコイル成型装置(不図示)により成型することでコイル20を製造することができる。
次に、コア片45およびコイル20を用いてステータ21を形成する手順を説明する。
図20はコア片45の帯状時の斜視図である。図20に示すように、複数の平板鋼板47を積層・接合して所望の厚みを有したコア片45を複数形成する。そして、コア片45を同じ向きに帯状に並べる。
コア片45を全て帯状に配置した後、スロット43にコイル20を配置する。なお、コイル20の周面は絶縁紙(不図示)で覆われている。
具体的には、まずリング状のコイル20を複数形成する。このとき、コイル20を構成する導線52の両端部はリングから延出させて、中性点バスリングや3相配電バスリング(ともに不図示)に接続できるようにしておく。なお、本実施形態では、24個のコイル20を製造しておく。
そして、帯状のコア片45を円環状にしていくと、隣り合うコア片45,45の間に形成されるスロット43の入口の幅が徐々に小さくなるとともに、スロット43の面積が徐々に小さくなる。すると、隣り合うスロット43,43の距離が徐々に近づく。そのため、まずコイル20の一方のスロット挿入部53を所望のスロット43内に挿入した後、コア片45を円環状にしていくと、ある時点で他方のスロット挿入部54が所望のスロット43内に挿入される。このようにしてスロット43にコイル20を順次配置していく。
図21は、コイル20のスロット43への挿入状態を示す説明図である。図21に示すように、コイル20は、三相のU相、V相、W相のいずれかを構成している。本実施形態においては、コア片45を48個用いてステータコア41を構成している。つまり、スロット43が48箇所形成される。ここで、U相を構成するコイル20Uは、リング状のコイル20を8個(リングU1〜U8)用いて構成されている。同じく、V相を構成するコイル20Vは、リングV1〜V8を用いて構成され、W相を構成するコイル20WはリングW1〜W8を用いて構成されている。なお、これらのリングは所定間隔置いた2つのスロット43,43に挿入できる大きさで形成されている。そして、コイル20を製造した後に、コイル20をスロット43に挿入する。
具体的には、U相のコイル20Uは、スロット番号1とスロット番号6のスロット43にリングU1を挿入し、スロット番号7とスロット番号12のスロット43にリングU2を挿入し、同様に繰り返し、スロット番号43とスロット番号48のスロット43にリングU8を挿入する。また、V相のコイル20Vは、スロット番号45とスロット番号2のスロット43にリングV1を挿入し、スロット番号3とスロット番号8のスロット43にリングV2を挿入し、同様に、スロット番号39とスロット番号44のスロット43にリングV8を挿入する。さらに、W相のコイル20Wは、スロット番号47とスロット番号4のスロット43にリングW1を挿入し、スロット番号5とスロット番号10のスロット43にリングW2を挿入し、同様に、スロット番号41とスロット番号46のスロット43にリングW8を挿入する。
次に、スロット43にコイル20を挿入する手順を説明する。なお、以下の説明ではスロット43に関しては、スロット番号のみを用いて説明する。
図22はコイル20の配置方法を示す斜視図であり、図23はコア片45の円環状時の概略正面図である。なお、本実施形態では円環化前の帯状のコア片45に対してコイル20を挿入するが、ここでは円環化後のコア片45を示す図23を参照しつつ説明する。
図21〜図23に示すように、V相を構成するコイル20VのリングV1をスロット番号2に挿入する。このとき、リングV1の他方側(図21のA部)は、コア片45がまだ帯状であるためスロット番号45には挿入されない。次に、W相を構成するコイル20WのリングW1をスロット番号4に挿入する。このとき、リングW1の他方側(図21のB部)は、リングV1と同様にスロット番号47には挿入されない。
続いて、U相を構成する20UのリングU1をスロット番号1に挿入する。スロット番号1には、コイル20Uのコイル挿入部53を挿入する。このとき、コア片45が帯状の場合は、コイル20Uのコイル挿入部54はスロット番号6に挿入することができない。そこで、コア片45を帯状から円環状に変形させることにより、スロット番号1とスロット番号6との距離が近づき、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点で、スロット番号6にコイル20のコイル挿入部54を挿入することができる。これでリングU1の挿入が完了する。なお、一対のスロット挿入部53,54は、ステータコア41を構成したときにスロット43が軸中心を指向する方向と略一致するように一方のスロット挿入部53に対して他方のスロット挿入部54が傾斜するように形成されているため、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点で、スロット番号6にコイル20のコイル挿入部54が挿入される。また、コイル渡り部55,56はヨーク46の軸方向端面に沿うように配される。
続いて、V相を構成する20VのリングV2をスロット番号3に挿入する。スロット番号3には、コイル20Vのコイル挿入部53を挿入する。ここで、スロット番号6にリングU1を構成するコイル20Uのコイル挿入部54が挿入された状態(当該部分が円環状になっている状態)では、スロット番号3のスロット入口が狭くなっているため、リングV2が挿入できない。そのため、スロット番号3付近のコア片45を一旦帯状に戻して、スロット番号3にコイル20のコイル挿入部53を挿入する。そして、上記リングU1の場合と同様に、コア片45を再度帯状から円環状に変形させることにより、スロット番号3とスロット番号8との距離が近づき、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点でスロット番号8にコイル20のコイル挿入部54が挿入される。これでリングV2の挿入が完了する。なお、コイル渡り部55,56はスロープ部57,58が形成されているため、隣り合う異相のコイル20とは干渉せずに配することができる(図8参照)。
続いて、W相を構成する20WのリングW2をスロット番号5に挿入する。スロット番号5には、コイル20Wのコイル挿入部53を挿入する。ここで、スロット番号8にリングV2を構成するコイル20のコイル挿入部54が挿入された状態では、スロット番号5のスロット入口が狭くなっているため、リングW2が挿入できない。そのため、スロット番号5付近のコア片45を一旦帯状に戻して、スロット番号5にコイル20のコイル挿入部53を挿入する。そして、上記リングU1の場合と同様に、コア片45を再度帯状から円環状に変形させることにより、スロット番号5とスロット番号10との距離が近づき、スロット同士の距離が所定距離まで近づいた時点でスロット番号10にコイル20のコイル挿入部54が挿入される。これでリングW2の挿入が完了する。
W相のコイル20WのリングW2をスロット番号5とスロット番号10を掛け渡すように挿入した後は上記工程を繰り返し、リングU2→V3→W3→U3→V4→…→V8→W8→U8をそれぞれスロット43内に挿入する。このようにコイル20をスロット43内に挿入すると、コイル20U,20V,20Wはステータコア41の軸方向両端面41aから突出したコイル渡り部56,57が、軸方向から見て互いに交差するようにしながら配置される。なお、図24は、円環化装置65を用いてコア片45にコイル20を取り付けていく途中の状態を示している。
そして、リングV1のA部およびリングW1のB部以外のコイル20をスロット43に挿入し、最後にA部、B部を専用治具などを用いてスロット43内に挿入することで、ステータ21が完成する。その後、ステータ21をモータハウジング11内に取り付け、スロット43に挿入された各コイル20U,20V,20Wに緩みがないように導線52を調整した後、各コイル20U,20V,20Wの両端部から延出している導線52をU相、V相およびW相の3相配電バスリングおよび中性点バスリング(不図示)に接続することで、モータユニット10へのステータ21の取り付けが完了する。
本実施形態によれば、巻枠70に導線52を巻き回すだけで容易に、一対のスロット挿入部53,54および一対のコイル渡り部55,56を有するコイル20を製造することができる。また、製造されたコイル20は、軸中心を指向するティース42の傾斜(スロット43の方向)に沿う角度と略同一の傾斜角度を有する一対のスロット挿入部53,54を有しているため、複数のコア片45を円環状にする際に、変形してしまうのを防止することができる。つまり、複数のコア片45を円環状にする際に、コイル渡り部55,56に無理な力がかからず、導線52の整列崩れを防止することができる。結果として、帯状に複数連結されたコア片45にコイル20を装着した後、該コア片45をスムーズに円環状にしてステータ21を形成することができる。さらに、導線52の一端52aと他端52bとの間に形成されるコイル渡り部55に相当する位置の内径面側から導線52を巻枠70に導入して、該導線52を巻枠70の内径面から外径面へ向かって導線52同士を密着させながら巻き進める導線駆け上げ工程と、導線駆け上げ工程の後に、導線駆け上げ工程において巻回された導線52の上層に、巻枠70の外径面から内径面に向かって導線52同士を密着させながら巻き進める導線駆け下げ工程と、を有しているため、導線52を巻枠70に巻回する際に導線52の位置がずれるのを防止することができる。
また、コイル20は、軸中心を指向するティース42の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有する一対のスロット挿入部53,54を有しているため、複数のコア片45を円環状にする際に、変形してしまうのを防止することができる。つまり、複数のコア片45を円環状にする際に、コイル渡り部55,56に無理な力がかからず、導線52の整列崩れを防止することができる。結果として、帯状に複数連結されたコア片45にコイル20を装着した後、該コア片45をスムーズに円環状にしてステータ21を形成することができる。さらに、一方のコイル渡り部55の両端に導線52の一端52aと他端52bを配し、該コイル渡り部55に内周側導線層91と外周側導線層92との間に形成される導線移行部86を配したため、コイル20の性能を確保しつつ、導線52の整列崩れを防止することができる。
また、本実施形態のコイル20は、コイル渡り部55,56の高さを低く抑えることができるため、導線52の全長を短くすることができる。このように導線52の全長が短くなったコイル20を分布巻でステータコア41に取り付けることで、高トルク密度性能を維持することができ、高性能のモータ23のステータ21を製造することができる。
また、予め導線52を巻回してスロット43に対応した大きさの円環状のコイル20を形成したため、リング状に形成されたコイル20をスロット43に挿入するだけで、コイル20を取り付けることができる。したがって、コア片45を準備してから巻線機などを用いて導線52をスロット43に巻き付けながらコイルを形成する場合よりも生産効率を向上することができる。
さらに、モータ23の回転磁界を形成するU相、V相、W相を構成するコイル20(20U,20V,20W)を、全て同一形状で形成したため、U相、V相、W相からなる三相モータを製造するにあたって、各相に対応したコイル20(20U,20V,20W)を同じ工程で製造することができる。したがって、生産効率を向上することができる。
尚、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、コア片45の形状は本実施形態の形状に限らず、図25、図26に示すような形状であってもよい。図25は隣り合うコア片145,145をリンクピン67にて連結する構造であり、図26は隣り合うコア片245,245をリンクプレート68およびリンクピン67にて連結する構造である。また、図27に示すようにヨーク346の径方向の厚さを薄肉状にして帯状のコア片345を一体で形成し、ヨーク346を湾曲させることにより円環状に変形できるように構成してもよい。
また、本実施形態では、巻枠70に導線52を巻回する際に導線押え治具88を用いた場合の説明をしたが、導線押え治具88はなくてもよい。
さらに、本実施形態では、巻枠70を回転軸69により回転させながら導線52を巻回する場合の説明をしたが、逆に巻枠70を固定して、導線52を巻枠70に巻きつけるようにして導線巻回体71を製造してもよい。
20…コイル 21…ステータ 22…ロータ 23…モータ 41…ステータコア 41a…端面(軸方向端面) 42…ティース(ティース部) 43…スロット(スロット部) 45…コア片(ステータコア片) 46…ヨーク(ヨーク部) 52…導線 52a…一端(巻線端部) 52b…他端(巻線端部) 53…スロット挿入部 54…スロット挿入部 55…コイル渡り部 56…コイル渡り部 70…巻枠 76…コイル渡り部形成面(コイル渡り部形成部) 77…コイル渡り部形成面(コイル渡り部形成部) 78…スロット挿入部形成面(スロット挿入部形成部) 79…スロット挿入部形成面(スロット挿入部形成部) 82…曲面部 83…曲面部 84…曲面部 85…曲面部 86…導線移行部 91…内周側導線層 92…外周側導線層

Claims (2)

  1. ティース部およびヨーク部が形成されたステータコア片が複数連結されて円環状に形成されたステータコアと、隣接する前記ステータコア片の前記ティース部間に形成されるスロット部を架け渡すように挿入されるコイルと、を備えたステータと、該ステータの内周側に配され、回転可能に支持されたロータと、を有するモータに使用される前記コイルの製造方法であって、
    前記コイルは、前記ステータコア片が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向する前記ティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有し、前記スロット部に挿入される一対のスロット挿入部と、前記ステータコアの軸方向端面において前記一対のスロット挿入部の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部と、を備えるとともに、一方の前記コイル渡り部の両端部に電源部と接続される一対の巻線端部が配されており、
    前記コイルは、導線を巻枠に巻き回すことにより製造され、
    前記巻枠は、前記ティース部の傾斜に対応した傾斜面を有する一対のスロット挿入部形成部と、前記スロット部に挿入された状態における前記ステータの内周側にあたる内径面から前記ステータの外周側にあたる外径面に向かって前記一対のコイル渡り部同士の距離が広がるような傾斜面を有する一対のコイル渡り部形成部と、前記スロット挿入部形成部と前記コイル渡り部形成部との境界に形成された曲面部と、を有しており、
    前記一対の巻線端部の間に形成される前記コイル渡り部に相当する位置の前記内径面側から前記導線を前記巻枠に導入する導線導入工程と、
    前記巻枠の前記内径面から前記外径面へ向かって前記導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け上げ工程と、
    該導線駆け上げ工程の後に、前記導線駆け上げ工程において巻回された前記導線の上層に、前記巻枠の前記外径面から前記内径面に向かって前記導線同士を密着させながら巻き進める導線駆け下げ工程と、を有することを特徴とするコイルの製造方法。
  2. ティース部およびヨーク部が形成されたステータコア片が複数連結されて円環状に形成されたステータコアと、隣接する前記ステータコア片の前記ティース部間に形成されるスロット部を架け渡すように挿入されるコイルと、を備えたステータと、該ステータの内周側に配され、回転可能に支持されたロータと、を有するモータであって、
    前記コイルは、導線が複数層に巻き回されて形成されており、前記ステータコア片が連結されて円環状になった際に、軸中心を指向する前記ティース部の傾斜に沿う角度と略同一の傾斜角度を有し、前記スロット部に挿入される一対のスロット挿入部と、前記ステータコアの軸方向端面において前記一対のスロット挿入部の端部同士の間を連結する一対のコイル渡り部と、を備えるとともに、一方の前記コイル渡り部の両端部に電源部と接続される一対の巻線端部が配されており、
    該一対の巻線端部が配された側の前記コイル渡り部に、内周側導線層と該内周側導線層の上層に形成される外周側導線層との間に形成される導線移行部が配されていることを特徴とするモータ。
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