JP2011228483A - リアクトル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リアクトルコアがリアクトルコアの固定対象である筐体から脱落することを抑制することができるリアクトル装置を提供すること。
【解決手段】リアクトルケース22の開放部30側の端部に支持部23を形成し、支持部23を折り曲げて、開放部30から露出しているリアクトルコア21の端面に密着する。したがって、リアクトル装置20に車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わり、この振動によりリアクトルコア21がリアクトルケース22の開放部30側に移動しようとした場合、リアクトルコア21の開放部30側に対する動きは支持部23により係止される。よって、リアクトルケース22の一部を用いてリアクトルコア21の開放部30側への動きを抑えることができるため、少ない部品点数でリアクトルコア21がリアクトルケース22から脱落することを防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、通電により磁束を発生させるリアクトルコイルと、磁束の磁路となるリアクトルコアと、リアクトルコイルとリアクトルコアを収容するリアクトルケースとを備えたリアクトル装置に関する。
電気自動車やハイブリッド車両等に搭載される電力変換装置として、電源あるいは電池の電圧を適当に昇圧する昇圧機能を有する電圧変換装置が知られている。このような電圧変換装置には、その構成部品群の一つとして電磁エネルギーを蓄えるためのリアクトル装置が含まれる。リアクトル装置は、リアクトルコイルとリアクトルコアと筐体から構成され、リアクトルコイルとリアクトルコアは筐体に形成された開放部から収容されて形成される。
このような構成のリアクトル装置には車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わるため、リアクトルコイルとリアクトルコアが筐体の開放部から脱落してしまうという問題がある。
上記問題に対して特許文献1においては、筐体と別部品のリアクトル固定カバーを用意し、このリアクトル固定カバーで筐体の開放部を覆い、リアクトル固定カバーを筐体にネジ締めするという構成を採用している。この構成によれば、リアクトル固定カバーによって筐体の開放部を塞ぐことができるため、リアクトルコアが筐体から脱落することを防止することができる。
特開2005−73392号公報
しかし、特許文献1に記載の従来技術では、筐体とは別部材のリアクトル固定カバー及びリアクトル固定カバーを固定するためのネジが必要であるため、リアクトルコアの脱落防止用に複数の部品点数が必要となるという問題がある。
そこで、本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、少ない部品点数でリアクトルコアが固定対象である筐体から脱落することを防止することができるリアクトル装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、通電により磁束を発生させるリアクトルコイルと、前記リアクトルコイルの周囲に設けられ、前記リアクトルコイルが発生した磁束の磁路となる磁性体のリアクトルコアと、前記リアクトルコイル及び前記リアクトルコアを内部に収容するリアクトルケースとを備えたリアクトル装置であって、前記リアクトルケースは、前記リアクトルコアを露出させる開放部と、前記リアクトルケースの開放部側の端部に折り曲げ可能に形成された支持部とを有し、前記支持部は、折り曲げられて前記リアクトルケースの内面よりも内側に突出して前記リアクトルコアの端面と対向するように配置されていることを特徴とする。
このように構成すれば、リアクトルケースの開放部側の端部に支持部を形成し、支持部を折り曲げて、リアクトルケースの内面よりも内側へ突出させて、開放部から露出しているリアクトルコアの端面に密着する。したがって、リアクトル装置に車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わり、この振動によりリアクトルコアがリアクトルケースの開放部側に移動しようとした場合、リアクトルコアの開放部側に対する動きは支持部により係止される。よって、従来のようにリアクトル固定カバーと、このカバーを固定するネジを用いる場合と比較して、リアクトルケースの一部を用いてリアクトルコアの開放部側への動きを抑えることができるため、少ない部品点数でリアクトルコアがリアクトルケースから脱落することを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリアクトル装置であって、前記リアクトルケースは底壁部と、前記底壁部から立設された側壁部とを有し、前記開放部は前記底壁部と180度反対側に形成され、前記支持部は、前記側壁部の前記開放部側の端部に形成されていることを特徴とする。
このように構成すれば、支持部は側壁部の開放部側の端部に形成される。したがって、折り曲げられた支持部はリアクトルコアの外周側を抑えることになる。よって、複数の支持部を用いる場合、広範囲に分散してリアクトルコアを抑えることができるため、脱落防止性能を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリアクトル装置であって、前記リアクトルケースは、その内側空間に前記開放部に向かって立設された中芯部を有しており、前記支持部は、前記中芯部の開放部側の端部に形成されていることを特徴とする。
このように構成すれば、リアクトルケースに設けられた中芯部の開放部側の端部に支持部を形成し、支持部を折り曲げて、中芯部の外面より外側に突出させて、リアクトルコアの上面に密着する。そのため、折り曲げられた支持部はリアクトルコアの内周側を抑えることになる。したがって、リアクトル装置に車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わり、この振動によりリアクトルコアがリアクトルケースの開放部側に移動しようとした場合、リアクトルコアの開放部側に対する動きは支持部により係止される。よって、従来のようにリアクトル固定カバーと、このカバーを固定するネジを用いる場合と比較して、リアクトルケースの一部を用いてリアクトルコアの開放部側への動きを抑えることができるため、少ない部品点数でリアクトルコアがリアクトルケースから脱落することを防止することができる。
請求項4に記載の発明は、通電により磁束を発生させるリアクトルコイルと、前記リアクトルコイルの周囲に設けられ、前記リアクトルコイルが発生した磁束の磁路となる磁性体のリアクトルコアと、前記リアクトルコイル及び前記リアクトルコアを内部に収容するリアクトルケースとを備えたリアクトル装置であって、前記リアクトルケースは、底壁部と前記底壁部から立設された側壁部と、前記底壁部と180度反対側に形成され前記リアクトルコアを露出させる開放部と、前記底壁部に設けられ前記リアクトルコイルを設置するコイル位置決め台とを有し、前記コイル位置決め台の周縁部には、支持部が形成され、前記支持部は、前記側壁部の立設方向に対して交差する方向に、前記コイル位置決め台の側面より突出した状態で前記リアクトルコアの内部に埋設されていることを特徴とする。
このように構成すれば、コイル位置決め台の周縁部に支持部が形成される。そして、支持部は側壁部の立設方向に対して交差する方向に、コイル位置決め台の側面より突出した状態でリアクトルコアの内部に埋設されている。したがって、リアクトル装置に車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わり、この振動によりリアクトルコアがリアクトルケースの開放部側に移動しようとした場合、リアクトルコアの開放部側に対する動きはリアクトルケース内に形成された支持部により係止される。よって、従来のようにリアクトル固定カバーと、このカバーを固定するネジを用いる場合と比較して、リアクトルケースの一部を用いてリアクトルコアの開放部側への動きを抑えることができるため、少ない部品点数でリアクトル装置の体格を大きくせずリアクトルコアがリアクトルケースから脱落することを防止することができる。
実施例における、電力変換装置を示す回路図。 実施例1における、リアクトル装置を示す断面図。 実施例1における、リアクトル装置を示す平面図。 実施例1におけるリアクトル装置の製造方法を示す説明図であり、(a)はリアクトルコイル等の配置工程の説明図、(b)はリアクトルコアの形成工程の説明図、(c)は支持部の折り曲げ工程の説明図。 実施例2における、リアクトル装置を示す断面図。 実施例2における、リアクトル装置を示す平面図。 実施例2におけるリアクトル装置の製造方法を示す説明図であり、(a)はリアクトルコイル等の配置工程の説明図、(b)はリアクトルコアの形成工程の説明図、(c)は支持部の折り曲げ工程の説明図。 実施例3における、リアクトル装置を示す平面図。 実施例3におけるリアクトル装置の製造方法を示す説明図であり、(a)はリアクトルコイル等の配置工程の説明図、(b)はリアクトルコアの形成工程の説明図。 実施例1乃至3の支持部を全て備えたリアクトル装置を示す断面図。
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、図1以降の説明において同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図1は、リアクトル装置20が適用される電力変換装置1の回路図を示す図である。図1に示す電力変換装置1は、昇圧コンバータ部(DC−DCコンバータ)10とインバータ部11とを有する自動車用インバータである。電力変換装置1は、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータ12に通電する駆動電流の生成に用いられる。
昇圧コンバータ部10は外部電源13に接続され、昇圧コンバータ部10と外部電源13との間には、フィルタコンデンサ14が接続されている。フィルタコンデンサ14は、直流の外部電源13から昇圧コンバータ部10に入力される電源電流に含まれるリップル電流を吸収して、電源電流を安定化する。
昇圧コンバータ部10は、リアクトルコイル15とIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子161A(半導体素子)及びダイオード162Aを内蔵した2個の半導体モジュール16Aとを備え、入力電圧を昇圧する。リアクトルコイル15は、外部電源13側に接続されている。昇圧コンバータ部10のIGBT素子161Aはリアクトルコイル15の交流モータ12側に接続され、各IGBT素子161Aにダイオード162Aが一対として接続されている。IGBT素子161Aは、制御回路(不図示)による制御によりスイッチング動作を行う。
また、昇圧コンバータ部10のIGBT素子161Aとインバータ部11との間には、平滑コンデンサ17が接続されている。平滑コンデンサ17は、断続電流となる昇圧コンバータ部10の出力電流を平滑化して、安定した直流電流をインバータ部11に入力させる。
インバータ部11は、IGBT素子161B(半導体素子)及びダイオード162Bを内蔵した6個の半導体モジュール16Bとスナバコンデンサ18とを備えている。インバータ部11のIGBT素子161Bは平滑コンデンサ17に接続され、各IGBT素子161Bにダイオード162Bが一対となって接続されている。IGBT素子161Bは制御部(不図示)による制御によりスイッチング動作を行う。スナバコンデンサ18は、IGBT素子161Bに接続され、IGBT素子161Bの動作時に発生する電圧サージを抑制して、過電圧によるIGBT素子161Bの破損を防止している。
また、インバータ部11には、三相の交流モータ12が接続されており、インバータ部11によって生成された駆動電流を交流モータ12に供給する。
次に、上記電力変換装置1に配置されたリアクトルコイル15を含むリアクトル装置20の具体的構成について説明する。
図2は実施例1におけるリアクトル装置20の断面図、図3は実施例1におけるリアクトル装置20の平面図を示している。
リアクトル装置20は、通電により磁束を発生させるリアクトルコイル15と、リアクトルコイル15が発生した磁束の磁路となる磁性体のリアクトルコア21と、リアクトルコイル15とリアクトルコア21を内部に収容するリアクトルケース22とを備えている。
リアクトルケース22は円筒形状であり、リアクトルコア21の側面全周を覆う側壁部222と、側壁部222の端部でリアクトルコア21の端面を覆う円板状の底壁部221が配置される構成になっている。リアクトルケース22は底壁部221と180度反対側にリアクトルコア21を露出させた開放部30を有している。そのため、底壁部221は開放部30と180度反対側のリアクトルコア21の端面を覆っているといえる。また、側壁部222と底壁部221は連続して一体に形成され、底壁部221から開放部30の方向に対して側壁部222が立設されている。
底壁部221にはリアクトルコイル15の位置を決定するコイル位置決め台40が設けられている。コイル位置決め台40は直方体状に形成され、図2に示すように、実施例1では2個のコイル位置決め台40が対向して配置されている。
リアクトルケース22内には、リアクトルコイル15とリアクトルコア21が収容されている。リアクトルコイル15は2つのコイル位置決め台40に載置されている。その結果、リアクトルコイル15はリアクトルケース22の底壁部221に対し所定距離離間した状態でリアクトルケース22内に配置されている。リアクトルコイル15の周り全体はリアクトルコア21で囲まれている。リアクトルコイル15を内包したリアクトルコア21は円柱状に形成され、リアクトルケース22の側壁部222と底壁部221に密着している。
リアクトルコア21には、磁性鉄粉と樹脂を混入したダストコア(磁性鉄粉混合樹脂)が用いられている。ダストコアは、リアクトルコイル15の周囲全体に充填され、固化されてリアクトルコイル15並びにリアクトルケース22の側壁部222と底壁部221に密着している。ダストコアに用いられる磁性鉄粉としては、軟磁性を示すソフトフェライト粉末、樹脂としては、耐熱性や絶縁性、密着性に優れるエポキシ樹脂の他、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが用いられる。また、リアクトルコア21としてダストコアの代わりに、圧粉磁心材料を用いて形成した固定子コアや、電磁鋼板を用いてもよい。
次に、実施例1の要部について説明する。
リアクトルケース22の側壁部222における開放部30側の端部には、折り曲げ可能な支持部23(以下、側壁部222に形成された支持部23を第1の支持部23と称す)が形成されている。図3に示すように、第1の支持部23は側壁部222の端部周縁に沿って等間隔(90度毎)に4個形成されている。第1の支持部23は板状に形成されている。また、第1の支持部23は側壁部222から連続して形成され、側壁部222と同じ板厚に形成されている。第1の支持部23は、第1の支持部23と側壁部222との境界、つまり、第1の支持部23の基端部を支点として内側(開放部30側)に折り曲げられている。そして、第1の支持部23は、側壁部222の内面よりも内側へ突出し、折り曲げられた状態の先端がリアクトルコイル15の外縁近傍に位置する程度の長さに形成されている。第1の支持部23の一側面は開放部30から露出しているリアクトルコア21の端面(以下、リアクトルコア21の上面と称する)に密着している。そして、第1の支持部23はリアクトルコア21を底壁部221に向かって押圧している。なお、図2に示す点線は折り曲げる前の第1の支持部23を示している。
次に、実施例1におけるリアクトル装置20の製造方法の一例について、図4を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、側壁部222の端部に対し第1の支持部23が側壁部222の立設方向に沿って直立した状態のリアクトルケース22を用意する。次いで、リアクトルケース22内におけるコイル位置決め台40に、リアクトルコイル15を配置する。次いで、図4(b)に示すように、リアクトルケース22の開放部30からダストコアとなる磁性粉末混合樹脂液50を注入する。この磁性粉末混合樹脂液50はリアクトルケース22内において側壁部222と第1の支持部23との境界部分、つまり第1の支持部23の基端部まで注入される。なお、側壁部222と第1の支持部23との境界部分とは、図4においては、第1の支持部23の先端から底壁部221方向に向かって第1の支持部23の長さ分(図4(a)、(b)中のL)離間した位置までをいう。そして、所定加熱温度にて所定時間保持し、磁性粉末混合樹脂液50を固化させてリアクトルコア21を形成する。この固化により、リアクトルコア21とリアクトルケース22の側壁部222及び底壁部221とは密着する。次いで、図4(c)に示すように、第1の支持部23を、第1の支持部23と側壁部222との基端部を支点として、リアクトルケース22の内側、つまり開放部30側へ折り曲げる。このとき、第1の支持部23は、その一側面がリアクトルコア21の上面に接触し、かつリアクトルコア21を押圧した状態となるまで折り曲げられる。その結果、リアクトルコア21は、第1の支持部23からリアクトルケース22の底壁部221方向に対して押止されるため、リアクトルコア21は底壁部221と側壁部222と第1の支持部23との間に固定される。
次に、実施例1の作用効果について説明する。
実施例1においては、リアクトルケース22の開放部30側の端部に第1の支持部23を形成し、第1の支持部23を折り曲げて、側壁部222の内面よりも内側へ突出させて、リアクトルコア21の上面に密着させている。したがって、リアクトル装置20には車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わり、この振動によりリアクトルコア21がリアクトルケース22の開放部30側に移動しようとした場合、リアクトルコア21の開放部30側に対する動きは第1の支持部23により係止される。よって、従来のようにリアクトル固定カバーと、このカバーを固定するネジを用いる場合と比較して、リアクトルケース22の一部を用いてリアクトルコア21の開放部30側への動きを抑えることができるため、少ない部品点数でリアクトルコア21がリアクトルケース22から脱落することを防止することができる。
また、第1の支持部23は側壁部222の開放部30側の端部に形成される。したがって、折り曲げられた第1の支持部23はリアクトルコア21の外周側を抑えることになる。よって、複数の第1の支持部23を用いる場合、広範囲に分散してリアクトルコア21を抑えることができるため、脱落防止性能を向上させることができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。
図5は実施例2におけるリアクトル装置20の断面図、図6は実施例2におけるリアクトル装置20の平面図を示している。
実施例2においては、リアクトルケース22に設けられた中芯部24の開放部30側の端部に支持部25(以下、中芯部24に形成された支持部25を第2の支持部25と称す)を形成し、この第2の支持部25によってリアクトルコア21の開放部30側への動きを抑えている点で実施例1と異なる。
図5に示すように、リアクトルケース22の内側空間である底壁部221の中心部には、開放部30側に向かって立設された中芯部24が設けられている。中芯部24は円柱形状であり、底壁部221と一体に形成されている。また、中芯部24は側壁部222の先端よりも開放部30側に突出して形成されている。コイル位置決め台40は中芯部24を挟んで両側に配置され、リアクトルコイル15は中芯部24を囲うように配置されている。また、リアクトルコイル15を内包したリアクトルコア21は円筒状に形成され、リアクトルケース22の側壁部222、底壁部221、並びに中芯部24に密着している。
次に、実施例2の要部について説明する。
中芯部24の開放部30側には、中芯部24の先端周縁に沿って折り曲げ可能な第2の支持部25が形成されている。図6に示すように、第2の支持部25は中芯部24の先端周縁に対向して2個形成されている。第2の支持部25は板状に形成されている。また、第2の支持部25は中芯部24から連続して形成されている。第2の支持部25は、第2の支持部25と中芯部24との境界、つまり、第2の支持部25の基端部を支点として中芯部24の外側(開放部30側)に折り曲げられている。そして、第2の支持部25は、中芯部24の外面よりも外側へ突出し、折り曲げられた状態の先端がリアクトルコイル15の内縁近傍に位置する程度の長さに形成されている。第2の支持部25の一側面はリアクトルコア21の上面に密着している。そして、第2の支持部25はリアクトルコア21を底壁部221に向かって押圧している。図5に示す点線は折り曲げる前の第2の支持部25を示している。
なお、上記以外の構成は実施例1と同様である。
次に、実施例2におけるリアクトル装置20の製造方法の一例について、図7を用いて説明する。
まず、図7(a)に示すように、中芯部24の先端周縁に沿って第2の支持部25が側壁部222の立設方向に直立した状態のリアクトルケース22を用意する。次いで、リアクトルケース22内におけるコイル位置決め台40に、リアクトルコイル15を配置する。次いで、図7(b)に示すように、リアクトルケース22の開放部30からダストコアとなる磁性粉末混合樹脂液50を注入する。この磁性粉末混合樹脂液50は中芯部24と第2の支持部25との境界部分、つまり第2の支持部25の基端部まで注入される。なお、中芯部24と第2の支持部25との境界部分とは、側壁部222の開放部30側の端面のことをいう。そして、所定加熱温度にて所定時間保持し、磁性粉末混合樹脂液50を固化させてリアクトルコア21を形成する。この固化により、リアクトルコア21とリアクトルケース22の側壁部222及び底壁部221とは密着する。次いで、図7(c)に示すように、第2の支持部25を、中芯部24と第2の支持部25との基端部を支点として、中芯部24の外側、つまり開放部30側へ折り曲げる。このとき、第2の支持部25は、その一側面がリアクトルコア21の上面に接触し、かつリアクトルコア21を押圧した状態となるまで折り曲げられる。その結果、リアクトルコア21は、第2の支持部25からリアクトルケース22の底壁部221方向に対して押止されるため、リアクトルコア21は底壁部221と側壁部222と第2の支持部25との間に固定される。
次に、実施例2の作用効果について説明する。
実施例2においては、リアクトルケース22に設けられた中芯部24の開放部30側の端部に第2の支持部25を形成し、第2の支持部25を折り曲げて、中芯部24の外面より外側に突出させて、リアクトルコア21の上面に密着させている。そのため、折り曲げられた第2の支持部25はリアクトルコア21の内周側を抑えることになる。したがって、リアクトル装置20には車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わり、この振動によりリアクトルコア21がリアクトルケース22の開放部30側に移動しようとした場合、リアクトルコア21の開放部30側に対する動きは第2の支持部25により係止される。よって、従来のようにリアクトル固定カバーと、このカバーを固定するネジを用いる場合と比較して、リアクトルケース22の一部を用いてリアクトルコア21の開放部30側への動きを抑えることができるため、少ない部品点数でリアクトルコア21がリアクトルケース22から脱落することを防止することができる。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。
図8は実施例3におけるリアクトル装置20の断面図を示している。
実施例3においては、コイル位置決め台40の周縁部に支持部26(以下、コイル位置決め台40に形成された支持部26を第3の支持部26と称す)を形成し、この第3の支持部26によってリアクトルコア21の開放部30側への動きを抑えている点で実施例1、実施例2と異なる。
次に、実施例3の要部について説明する。
コイル位置決め台40の周縁部には、第3の支持部26が形成されている。図8に示すように、第3の支持部26はコイル位置決め台40に対してそれぞれに1個ずつ、計2個形成されている。第3の支持部26は板状に形成されている。そして、第3の支持部26は側壁部222の立設方向に対して交差する方向に、コイル位置決め台40の側面より突出した状態でリアクトルコア21の内部に埋設されている。実施例3においては、それぞれのコイル位置決め台40に配置された第3の支持部26が、リアクトルケース22の中心方向に対するコイル位置決め台40の側面より突出している。
なお、上記以外の構成は実施例1と同様である。
次に、実施例3におけるリアクトル装置20の製造方法の一例について、図9を用いて説明する。
まず、図9(a)に示すように、コイル位置決め台40の周縁部に第3の支持部26が側壁部222の立設方向に対して交差した状態のリアクトルケース22を用意する。次いで、リアクトルケース22内におけるコイル位置決め台40に、リアクトルコイル15を配置する。次いで、図9(b)に示すように、リアクトルケース22の開放部30からダストコアとなる磁性粉末混合樹脂液50を注入する。この磁性粉末混合樹脂液50は中芯部24と第2の支持部25との境界部分、つまり側壁部222の開放部30側の端面まで注入される。そして、所定加熱温度にて所定時間保持し、磁性粉末混合樹脂液50を固化させてリアクトルコア21を形成する。この固化により、リアクトルコア21とリアクトルケース22の側壁部222及び底壁部221とは密着する。そして、第3の支持部26はコイル位置決め台40の側面より突出した状態でリアクトルコア21の内部に埋設される。
次に、実施例3の作用効果について説明する。
実施例3においては、コイル位置決め台40の周縁部に第3の支持部26が形成される。そして、第3の支持部26は側壁部222の立設方向に対して交差する方向に、コイル位置決め台40の側面より突出した状態でリアクトルコア21の内部に埋設されている。したがって、リアクトル装置20には車両の走行時の路面状況や駆動機関の駆動によって振動が加わり、この振動によりリアクトルコア21がリアクトルケース22の開放部30側に移動しようとした場合、リアクトルコア21の開放部30側に対する動きはリアクトルケース22内に形成された第3の支持部26により係止される。よって、従来のようにリアクトル固定カバーと、このカバーを固定するネジを用いる場合と比較して、リアクトルケース22の一部を用いてリアクトルコア21の開放部30側への動きを抑えることができるため、少ない部品点数でリアクトル装置20の体格を大きくせずリアクトルコア21がリアクトルケース22から脱落することを防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されることはなく、本発明の技術的範囲に存在する限り、以下のように変形させてもよい。
・上記実施例1では、第1の支持部23を複数個設け、折り曲げられた状態の先端がリアクトルコイル15の外縁近傍に位置する程度の長さに形成したが、第1の支持部23を1個配置し、その長さをリアクトルケース22の外径と同一長さにしてリアクトルコア21の開放部30側を覆ってもよい。このように構成した場合、第1の支持部23は、開放部30を横切って配置され、その先端が側壁部222に接合される。
・上記実施例1では、第1の支持部23は側壁部222と同じ板厚に形成されているが、側壁部222の板厚より細くても太くてもよい。
・上記実施例1において、第1の支持部23は側壁部222から連続して形成されているが、第1の支持部23と側壁部222を別体としてもよい。
・上記実施例2では、第2の支持部25は側壁部222と同じ板厚に形成されているが、側壁部222の板厚より細くても太くてもよい。
・上記実施例2において、第2の支持部23は中芯部24から連続して形成されているが、第2の支持部23と中芯部24を別体としてもよい。
・上記実施例3では、第3の支持部26はリアクトルケース22の中心方向に対するコイル位置決め台40の側面より突出しているが、リアクトルケース22の側壁部222方向に対するコイル位置決め台40の側面より突出してもよい。
・上記実施例1及び2では、リアクトルコア21を形成した後、第1の支持部23及び第2の支持部25を折り曲げていたが、リアクトルコア21を形成する前に第1の支持部23及び第2の支持部25を折り曲げてもよい。
・上記実施例1乃至3では、第1の支持部23は4個、第2の支持部25は2個、第3の支持部26はコイル位置決め台40につき1個設けられていたが、これらの数に限定されるものではない。
・上記実施例1乃至3においてリアクトルケース22は、電力変換装置1と別体となるよ0うに構成されているが、リアクトルコイル15、及びリアクトルコア21を電力変換装置1内に配置し、リアクトルケース22を電力変換装置1の一部で構成してもよい。
・上記実施例1乃至3において、リアクトルケース22は円筒形状であるが、四角柱形状であってもよい。
・上記実施例1では、リアクトルケース22の側壁部222に第1の支持部23を形成し、上記実施例2では、中芯部24に第2の支持部25を形成し、上記実施例3では、コイル位置決め台40に第3の支持部26を形成していたがこれらを適宜組み合わせてもよい。具体的には、図10に示すように、第1の支持部23、第2の支持部25、及び第3の支持部26を全て設ける構成としてもよい。このようにすれば、リアクトルコア21の外周側、内周側並びに内部において、第1の支持部23、第2の支持部25、及び第3の支持部26がリアクトルコア21の動きを規制するため、少ない部品点数でリアクトルコア21がリアクトルケース22から脱落することをより強く防止することができる。
1 電力変換装置
15 リアクトルリアクトルコイル
20 リアクトル装置
21 リアクトルコア
22 リアクトルケース
221 底壁部
222 側壁部
23、25、26 支持部
24 中芯部
30 開放部
40 コイル位置決め台

Claims (4)

  1. 通電により磁束を発生させるリアクトルコイル(15)と、
    前記リアクトルコイル(15)の周囲に設けられ、前記リアクトルコイル(15)が発生した磁束の磁路となる磁性体のリアクトルコア(21)と、
    前記リアクトルコイル(15)及び前記リアクトルコア(21)を内部に収容するリアクトルケース(22)とを備えたリアクトル装置(20)であって、
    前記リアクトルケース(22)は、前記リアクトルコアを露出させる開放部(30)と、前記リアクトルケース(22)の開放部(30)側の端部に折り曲げ可能に形成された支持部(23、25)とを有し、
    前記支持部(23、25)は、折り曲げられて前記リアクトルケースの内面よりも内側に突出して前記リアクトルコア(21)の端面と対向するように配置されていること、
    を特徴とするリアクトル装置(20)。
  2. 前記リアクトルケース(22)は底壁部(221)と、
    前記底壁部(221)から立設された側壁部(222)とを有し、
    前記開放部(30)は前記底壁部(221)と180度反対側に形成され、
    前記支持部(23)は、前記側壁部(222)の前記開放部(30)側の端部に形成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル装置(20)。
  3. 前記リアクトルケース(22)は、その内側空間に前記開放部(30)に向かって立設された中芯部(24)を有しており、
    前記支持部(25)は、前記中芯部(24)の開放部(30)側の端部に形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル装置(20)。
  4. 通電により磁束を発生させるリアクトルコイル(15)と、
    前記リアクトルコイル(15)の周囲に設けられ、前記リアクトルコイル(15)が発生した磁束の磁路となる磁性体のリアクトルコア(21)と、
    前記リアクトルコイル(15)及び前記リアクトルコア(21)を内部に収容するリアクトルケース(22)とを備えたリアクトル装置(20)であって、
    前記リアクトルケース(22)は、底壁部(221)と前記底壁部(221)から立設された側壁部(222)と、
    前記底壁部(221)と180度反対側に形成され前記リアクトルコア(21)を露出させる開放部(30)と、
    前記底壁部(221)に設けられ前記リアクトルコイル(15)を設置するコイル位置決め台(40)とを有し、
    前記コイル位置決め台(40)の周縁部には、支持部(26)が形成され、
    前記支持部(26)は、前記側壁部(222)の立設方向に対して交差する方向に、前記コイル位置決め台(40)の側面より突出した状態で前記リアクトルコア(21)の内部に埋設されていること、
    を特徴とするリアクトル装置(20)。
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