JP2011226912A - 磁気式回転角検出器 - Google Patents

磁気式回転角検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】回転ドラムの回転角検出における精度が従来に比べて向上可能な磁気式回転角検出器を提供する。
【解決手段】外周面に交番着磁された磁石3を有する磁気ドラム1に対向して配置され、規定ピッチにて配列した複数の磁気センサ素子12〜15をセンサ面106に配列した磁気センサ10を有する磁気式回転角検出器において、上記規定ピッチは、第1磁石3a及び第2磁石3bの各磁力線が上記センサ面と接する第1接点108及び第2接点111間の距離を元に規定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転移動体の位置検出に用いられる磁気式回転角検出器に関する。
従来の磁気式回転角検出器は、例えば特許文献1の図1及び図2に示されるように、回転ドラムの外周に着磁角度ピッチλでN極及びS極が交互に着磁された多極磁気パターンが作る磁界を、上記多極磁気パターンに対向して配置された磁気センサにて検出するものである。即ち、磁気センサとしてAMR素子などの磁気抵抗効果素子(MR素子)が用いられ、磁界の変化に対して電気抵抗が変化するという性質を利用することで、回転ドラムの回転による磁界の変化を磁気センサで検知し、磁気センサが出力する正弦波状の信号を元にして回転ドラムの回転角度を検出することができる。
更に詳細に述べると、磁気センサは、MR素子をアレイ状に並べることにより、位相が互いに90度ずれた正弦波(A相)及び余弦波(B相)を出力するよう構成可能である。よって、A相及びB相の逆正接演算を行うことで、回転ドラムの回転角が演算可能となる。また、A相及びB相の信号は、外乱要因による信号オフセットを除去するために、それぞれ90度ずつ位相の異なるA+相、B+相、A−相、B−相の4つの信号からA+相とA−相の差動増幅信号によりA相信号を、B+相とB−相の差動増幅信号によりB相信号をそれぞれ出力する。
上記4種類の信号を出力するためのMR素子の配置ピッチとしては、一般的には特許文献1の図13に示されているように、回転ドラムの多極磁気パターンの極位置を放射状に延長したときの磁気センサ面との交点(図13ではRa、Rbの位置)に、MR素子を配置する。しかしながら、このような配置ピッチでは、実際のA相及びB相の出力信号が90度の位相差にならないことから、特許文献1の発明では、θ’=θ(1−2/P)にて規定された角度θ’の放射状の直線と磁気センサ面との交点から、MR素子の配置ピッチを規定している。
特開平9−329411号(特許第2957130号)公報
特許文献1では、MR素子の配置ピッチを算出する過程において、図2のMR素子Ra’に印加される磁界(図2中「h」のベクトル)が、MR素子Rbの位置では、hのベクトルの大きさが一定でその角度がθ回転した形で印加されているとの前提条件にて、もともとの着磁間隔θに対する補正項(−2/P)を計算している。
しかしながら実際には、回転ドラムは曲率を持っているため、MR素子Ra’と回転ドラムとの間隔、及びMR素子Rbと回転ドラムとの間隔は異なり、MR素子Rbの位置にて印加される磁界ベクトルhの大きさは、MR素子Raの位置における大きさよりも小さくなる。よって、特に回転ドラムの外径が小さく曲率の影響が大きい場合には、特許文献1によるMR素子配置ピッチと、実際に磁気センサ面上に形成される回転ドラムからの磁束密度空間分布のピッチとの間には、ずれが生じる。
また、MR素子Rbに印加される磁界の方向もMR素子Ra’に印加される磁界の方向に対してθ回転した方向にならず、実際の磁気センサ面上に形成される回転ドラムからの磁束密度空間分布のピッチに対してずれが生じる要因となっている。
回転ドラムからの磁束密度空間分布のピッチと、MR素子配置ピッチとの間にずれがあると、A相とB相との位相差が90度ではなくなり、また、A+、A−、B+、B−のそれぞれの位相差にもズレが生じる。このため差動増幅後のA相及びB相には、理想正弦波に対する波形歪が生じ、A相及びB相の出力信号から逆正接演算をする際には、角度検出誤差が生じる。よって、回転ドラムの回転角検出における精度が劣化するという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、ドラムの回転角検出における精度が従来に比べて向上可能な磁気式回転角検出器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様における磁気式回転角検出器は、円弧状の外周面にその周方向に沿って着磁角度ピッチθで交番着磁された磁石を有して上記周方向へ回転する磁気ドラムに対向して配置される磁気センサを備え、該磁気センサは、上記外周面の接線方向と平行に延在するセンサ面に上記接線方向に沿って規定ピッチにて配列した複数の磁気センサ素子を有する磁気式回転角検出器において、上記規定ピッチは、上記着磁角度ピッチθにて隣接して配置された第1磁石及び第2磁石の各磁力線が上記センサ面と接する第1接点及び第2接点間の距離を元に規定され、ここで、上記第1接点は、上記磁気ドラムの回転中心と上記第1磁石の両端とをそれぞれ結ぶ2直線、及び上記センサ面に接する第1円における上記センサ面との接点であり、上記第2接点は、上記回転中心と上記第2磁石の両端とをそれぞれ結ぶ2直線、及び上記センサ面に接する第2円における上記センサ面との接点である、ことを特徴とする。
本発明の一態様における磁気式回転角検出器によれば、磁気センサにおける磁気センサ素子は、磁気ドラムに交番着磁された第1磁石及び第2磁石の各磁力線が磁気センサのセンサ面と接する第1接点及び第2接点間の距離を元に規定したピッチにて配列される。このような構成を採ることで、磁気ドラムの磁石からの磁束密度空間分布のピッチと、磁気センサ素子の配置ピッチとの間のずれは、従来に比べて小さくなる。したがって、磁気ドラムの回転角検出における精度を従来に比べて向上させることができる。特に、大きな曲率を有する、つまり外径が小さい磁気ドラムであっても、磁気ドラムの回転角検出における精度を従来に比べて向上させることができる。
本発明の実施の形態1による磁気式回転角検出器の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す磁気センサと磁気ドラムとの配置を示す平面図であり、磁気センサ素子の配列ピッチを説明するための図である。 磁気センサ素子の配列ピッチを導出するために図2を時計回りにθ回転させた図である。 3次元磁界シミュレーションにて得られた磁気センサ素子面上での磁束密度空間分布を示すグラフである。 本発明の実施の形態2による磁気式回転角検出器において、外径の異なる磁気ドラムに対して磁気センサを共用する場合、外径寸法を補正するために用いられるグラフの一例を示す図である。
本発明の実施形態である磁気式回転角検出器について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1よる磁気式回転角検出器51の構成を示す図である。磁気式回転角検出器51は、基本的構成部分として磁気センサ10を備え、本実施形態ではさらに磁気ドラム1及び回転角度演算部20を設けている。
磁気ドラム1は、駆動部30に相当する例えばモータ軸などの回転軸と共に回転する円板状の回転体であり、磁気センサ10に磁界変化を与える回転ドラムに相当する。磁気ドラム1の外周部全周には、磁気媒体2が備わる。磁気媒体2は、ドラム回転方向(周方向)1aに沿って着磁角度ピッチθ(図2)にて磁極が交互に着磁され、複数の磁石3を形成している。ここで一つの磁石3は、一対のN極及びS極からなるものに相当し、各磁石3は、着磁角度ピッチθに相当する角度幅(θ)にて形成されている。また、磁極が交互に着磁されているとは、N極及びS極の向きが反転するように着磁角度ピッチθにて交互に着磁されていることを指す。磁気媒体2は、例えばフェライトやネオジムなどの磁石材料からなり、磁性粉を樹脂材料と混ぜ合わせて成形する方法や、塗料に磁性粉を混ぜて塗布するなどの方法により作製される。
本実施の形態では、図1に示すように、磁気ドラム1は、さらに磁石4を設けたトラックを有する構成である。磁石4は、磁気ドラム1の一回転における原点位置を信号出力するためのもので、一周内に一つだけ着磁された部分である。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、一回転内の絶対位置を検出可能とするトラックであれば、その形態は問わない。また、一回転内の絶対位置を出力しないインクリメンタルタイプの回転角センサにも本実施の形態は適用可能である。
磁気センサ10は、磁気媒体2の外周面の接線方向1b(図2)と平行に延在するセンサ面106を有する板状の部材であり、図2に示すように、磁気ドラム1の磁気媒体2に対向して、かつ磁気媒体2と間隔Gを空けて配置される。センサ面106には、磁気媒体2により発生する磁界を検知する複数の磁気センサ素子が接線方向1bに沿って詳細後述する規定ピッチにて配列されている。尚、図2は、磁気ドラム1と、磁気センサ10に備わる複数の磁気センサ素子との相対的な位置関係を示している。また、図2に示すように、上記間隔Gは、磁気媒体2とセンサ面106との最近接箇所における距離に相当する。
上記磁気センサ素子としては、磁気抵抗効果素子(AMR素子)や、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)、トンネル効果磁気抵抗素子(TMR素子)などが使用可能である。本実施の形態では、上記磁気センサ素子として、代表して磁気抵抗効果素子(AMR素子、以下、「MR素子」と記す。)を使用する。磁気センサ10では、図2に示すように、
MR素子12、22が所定のセンサピッチPにて等間隔に配列されており、MR素子12に対して13〜15が、MR素子22に対して23〜25が以下に説明する所定の距離をあけて配置されている。尚、MR素子12〜15及びMR素子22〜25は、その長手方向が磁気媒体2における磁極の配列方向、換言すると磁気ドラム1の周方向、と直交するように配置される。
上述したように磁気媒体2は着磁角度ピッチθにて磁極が交互に着磁されていることから、図2に示すように磁気媒体2の磁石3は、ドラム回転方向(周方向)1aに沿って、ハッチング無にて示され第1磁石に相当する磁石3aと、ハッチングが付され第2磁石に相当する磁石3bとが交互に配置される。磁気ドラム1の一回転における着磁波数をMとすると、着磁角度ピッチθは、360/Mにて規定され、磁気センサ10の出力としては、MR素子を用いた場合には磁石3aと磁石3bとを区別できないため、磁気ドラム1の一回転に対して着磁波数Mの正弦波を出力する。このとき、磁気ドラム1の着磁角度ピッチθに対して、MR素子12、13、14、15は、MR素子配置ピッチPを元に規定された、P/4の間隔で配置される。このようなピッチにてMR素子12〜15を配列することで、MR素子12〜15のそれぞれは、A+相、B+相、A−相、B−相を出力する。
MR素子22に関するMR素子22〜25の配列方法も上述のMR素子12〜15の場合と同様である。MR素子12〜15及びMR素子22〜25は、ピッチPの間隔で配置されている。よって、MR素子12と22、MR素子13と23、MR素子14と24、MR素子15と25の、それぞれからの出力の位相は同一となり、別々の信号出力として回路上で信号加算される、もしくはMR素子上で直列接続されて一つの信号出力として出力される。
以下には、上記MR素子配置ピッチPの決定方法を説明する。
まず、上記MR素子配置ピッチPは、磁石3a及び磁石3bの各磁力線がセンサ面106と接する、センサ面106における第1接点108と第2接点111との間の直線距離にて規定される。
即ち、図2において例えば磁石3bの左端に位置する、磁気ドラム1の表面上における点102は、N極であり、その磁力線は、磁気ドラム1の表面に対して垂直に放射される。一方、磁石3bの右端に位置する、磁気ドラム1の表面上における点104は、S極であり、その磁力線は、磁気ドラム1の表面に対して垂直に入射する。よって、磁石3bにおける磁力線は、2つの点102,104を結ぶような楕円形にて空間的に分布し、磁気センサ10の各MR素子12〜15に対して磁界変化を及ぼす。このとき、MR素子は、図の左右方向の磁界変化にしか感度を持たない。これらのことより、ドラム回転方向(周方向)1aにおける磁石3bの中心位置の、磁気ドラム1の直径方向における直線(図2では点線にて示す)120と、センサ面106との交点位置130をMR素子の設置位置とすることは、不適切であることがわかる。
つまり、第2接点111は、以下のような接点に相当する。即ち、上記点102と磁気ドラム1の回転中心101とを結んだ放射状の直線103、上記点104と磁気ドラム1の回転中心101とを結んだ放射状の直線105、及び、センサ面106の3つの直線に接し、第2円に相当する楕円107を描く。この楕円107がセンサ面106に接する点が第2接点111に相当する。
これと同様に、第1接点108は、磁石3aに関して求まる。つまり、磁石3aの右端に位置する、磁気ドラム1の表面上における点112と回転中心101とを結んだ放射状の直線114、上記線105、及び、センサ面106の3つの直線に接し、第1円に相当する円110を描く。この円110がセンサ面106に接する点が第1接点108に相当する。
そして、第1接点108と第2接点111との間隔をMR素子配置ピッチPとする。
尚、このような第1接点108及び第2接点111は、ここでは図2に示すように、ドラム回転方向1aにおける磁石3aの中央が磁気センサ10のセンサ面106に最も接近して、上記中央とセンサ面106との距離が上記間隔Gとなるように配置した磁石3aと、該磁石3aに隣接する磁石3bとに着目して求められている。しかしながら、MR素子配置ピッチPを決定するに当たり、磁石3a及び磁石3bは、必ずしもそのように配置する必要はなく、間隔Gを形成する位置に対して、隣接する2つの磁石3a及び磁石3bが近接するように配置すればよい。
以下には、図2に示す状態においてMR素子12〜15の配置に関する配置ピッチPを導出する方法について、具体的に説明する。尚、上述のように、MR素子22〜25の配置に関してもMR素子12〜15の場合と同様である。
図3は、図2を磁気ドラム1の回転中心101(点Oとする)を中心に、時計回りにθ回転させた図である。また、図2において、ドラム回転方向1aにおける磁石3bの中心位置を通る直線120の傾きをQ(=tanθ)とすると、時計回りにθ回転させることにより、直線120が回転後のX軸(X’軸と呼ぶ)となる。図3において、点Oを原点とすると、上記第2接点111を形成する上記楕円107の中心は、X’軸上にあるため、上記中心の座標は、(x0,0)とおける。また、磁気ドラム1の外径をR、磁石3bの右端の上記点104(点Aとする)の、θ回転後の座標を点A'とすると、点A'の座標(x1,y1)は、(Rcos(θ/2),−Rsin(θ/2))とおける。また、上記第1接点108(点Bと呼ぶ)の、θ回転後の座標を点B’とすると、点B’の座標(x2,y2)は、(Gcosθ,−Gsinθ)とおける。また、上記第2接点111(点Cと呼ぶ)の、θ回転後の座標を接点C’とすると、接点C’の座標(x3,y3)は、下記のように表される。
楕円の一般的な式は、
Figure 2011226912
上記点A’を通る直線105の式は、y=(y1/x1)x である。
また、図3において、センサ面106を示す直線の式は、
y=(1/P)(x−x2)+y2 となる。
また、直線105と楕円107とは、点A'(x1,y1)にて接するという条件、及び、センサ面106と楕円107とは、接点C’(x3,y3)にて接するという条件から、楕円107の中心座標x0は、x1、y1、Q、A(=−(1/P)x2+y2にて定義する)を用いて、以下の様に求められる。
Figure 2011226912
上記x1、y1、Q、Aは、磁気ドラム1の外径R、磁気ドラム1とセンサ面106との間隔G、及び、各磁石3の着磁角度ピッチθを用いて表されるため、上記x0もR、G、θを用いて以下のように表される。
Figure 2011226912
また、上記x0より、センサ面106との接点C'(x3,y3)は以下のようになる。
Figure 2011226912
以上のように求められた接点C’を反時計回りにθ回転させて元に戻すことにより、点C(X3、Y3)が求まる。よって、MR素子12〜15の配列を規定する配置ピッチPは、R、G、θを用いてP=X3にて規定される。上述のように配置ピッチPは、センサ面106における第1接点108と第2接点111との間の直線距離にて規定され、MR素子12〜15と、MR素子22〜25とは、それぞれ配置ピッチPの間隔で配置され、各MR素子間は、それぞれP/4の間隔で配置される。尚、この配置は一例であり、配置ピッチPの間隔で、より多くのMR素子を配置することも可能であり、またMR素子12〜15のみで検出器を構成することも可能である。
また、配置ピッチP内に配置されるMR素子の数は、本実施形態に示す4個に限られず、後述するように、配置ピッチPを基準として、相当する電気角位置に波形歪を除去するためのMR素子を配置することも可能である。
また、MR素子12〜15、及びMR素子22〜25は、別々の信号出力として取り出す他に、例えばMR素子12と14の反転出力するMR素子用いてブリッジ出力としてMR素子12と14の中点電位を取り出すことも可能である。
以下では、磁気センサ10において、MR素子12〜15の場合について、上述したようなピッチにてMR素子12〜15を配置することが有効であることを、3次元磁界シミュレーションにて求めたセンサ面106上での磁束密度空間分布のピッチと、本実施形態におけるMR素子12〜15の配置ピッチとを比較することで検証する。
検証に当たり2つの条件を設定する。第1条件として、磁気ドラムの外径100mm、着磁波数M=512、着磁角度ピッチθ=360/512、磁気ドラムと磁気センサとの間隔G=0.5mmとし、第2条件として、磁気ドラムの外径50mm、着磁波数M=256、着磁角度ピッチθ=360/256、磁気ドラムと磁気センサとの間隔G=0.5mmとする。
図4に、シミュレーションにて求めた磁束密度空間分布波形の例を示す。磁気ドラムの曲率の影響で、センサ面上の外側に行く程、つまり間隔Gの位置から離れる程、磁力が低下しているが、このときのゼロクロス間隔により磁束密度空間分布のピッチを算出する。その結果、磁気ドラムの外径が100mmの場合、シミュレーションにて求めた磁束密度空間分布のピッチは、617.36μmであるのに対し、本実施の形態によるMR素子の配置ピッチPは、617.39μmであり、その誤差は、0.005%(電気角0.018度)である。また、磁気ドラムの外径が50mmの場合、シミュレーションにて求めた磁束密度空間分布のピッチは、621.30μmであるのに対し、本実施の形態によるMR素子の配置ピッチPは、621.39μmであり、その誤差は、0.0015%(電気角0.054度)である。このように、本実施の形態によるMR素子の配置ピッチPがシミュレーション値に対して非常に近い値を得ることができる。
一般に、逆正接演算時に正弦波と余弦波とが電気角90度の位相差から誤差Δ[度]を有する場合の角度検出誤差は、360×SinΔ/M[度]となる。上述の誤差を角度検出誤差に当てはめると、外径100mmの磁気ドラムで、約0.13秒となり、外径50mmの磁気ドラムで、約0.76秒となる。
このとき、上記特許文献1によるMRセンサピッチは、上述の条件で、磁気ドラムの外径が100mmの場合、617.33μmであり、誤差0.005%(電気角0.018度、角度検出誤差0.13秒)であり、磁気ドラムの外径が50mmの場合、621.09μmであり、誤差0.0134%(電気角0.12度、角度検出誤差1.68秒)である。このように、特に磁気ドラムの外径が小さい場合、本実施の形態による配列ピッチの方が実際の磁束密度空間分布のピッチに近く、より高精度な回転角検出器を得ることができるのがわかる。
また、一般的にMR素子の出力に含まれる波形歪成分を除去するために、例えば基本正弦波に対して2次の歪成分を除去する場合には、MR素子を電気角180度の位置に配置して差動をとる(ブリッジを組む)ことにより、下記のMR1及びMR2の出力の差動後波形から2次歪成分を除去することが知られている。
MR1:sinθ+αsin2θ
MR2:sin(θ+π)+αsin2(θ+π)=−sinθ+αsin2θ
このとき、基準となるMR素子配置ピッチが実際の磁束密度空間分布波形ピッチに対してΔずれていると、差動後の正弦波形に上記の場合では2次歪が残る。
MR1:sinθ+αsin2θ
MR2:sin(θ+π+Δ/2)+αsin2(θ+π+Δ/2)
=−sin(θ+Δ/2)+αsin2(θ+Δ/2)
差動後の2次歪残留成分:−2αsin(Δ/4)cos(2θ+Δ/4)
(振幅2αsin(Δ/4)の2次歪成分が残る)
上記特許文献1において磁気ドラムの外径が50mmの場合、Δ=0.12度から2次歪残留成分は、α=50%のとき0.05%残留するのに対し、本実施の形態の構成では、Δ=0.054度から、2次歪残留成分は0.02%となる。よって、波形歪が低減することにより、角度検出精度を向上させることができる。
実施の形態2
一般に、異なる外径の磁気ドラムに対して磁気センサを共通して適用する場合、実施の形態1で述べたように、例えば外径100mmのドラムで着磁波数512とすると、外径50mmのドラムでは着磁波数を256にする、即ち外径に対して着磁波数を比例させて変更することにより、MRセンサ面上での磁束密度空間分布波形ピッチをほぼ共通化させることができる。
しかしながら、実施の形態1で述べたシミュレーションにより求められた磁束密度空間分布波形ピッチは、磁気ドラム1と磁気センサ10との間隔Gを0.5mmとした場合で、磁気ドラムの外径が100mmで、617.36μmであるのに対して、磁気ドラムの外径が50mmの場合には、621.30μmとなり、両者に共通した磁気センサを適用した場合には、誤差が0.64%(電気角2.3度)発生する。
本実施の形態では、例えば外径100mmの磁気ドラムを基準の磁気ドラムとした場合、実施の形態1にて求められる、MR素子12〜15、22〜25に関する配置ピッチPは、P=617.39μmである。この基準磁気ドラムに対して、他の外径、例えば外径50mmの磁気ドラムでは、621.39μmと求められるMR素子配置ピッチPを、磁気ドラムの外径を50mmから小さくして49.68mmとすることにより、MR素子配置ピッチPを617.39μmとすることができる。このように磁気ドラムの外径を変化させることで、外径100mmの上記基準磁気ドラムと磁束密度空間分布のピッチを共通化することができる。
また、磁気ドラムの外径を例えば200mmのように、上記基準磁気ドラムよりも大きくする場合には、逆にMR素子の配置ピッチPは、615.51μmと小さくなる。よって、磁気ドラムの外径を200mmよりも大きくすることにより、例えば外径200.64mmとすることにより、MR素子配置ピッチPは、617.39μmとなり、上記基準磁気ドラムの場合と同じになる。したがって、磁束密度空間分布のピッチを共通化することができ、異なる外径の磁気ドラムに対して同一の磁気センサを用いることができ、かつ高精度にて角度検出を行うことが可能となる。
上述の説明では、磁気ドラムの外径が50mm、100mm、200mmの場合を例に採ったが、本実施の形態はこれに限るものではない。即ち、外径がΦ1で、着磁波数がM1である基準磁気ドラムに対して、磁気センサを共用化したい他の磁気ドラムの着磁波数がM2のとき、その外径Φ2は、Φ1×(M2/M1)×βにて求めることができる。ここで、βは、Φ1<Φ2のときβ>1、Φ1>Φ2のときβ<1という補正項に相当し、磁気ドラムと磁気センサとの間隔Gが一定の値を取る条件の下で、実施の形態1の算式にて求まる配置ピッチP、及び磁気ドラムの外径を元に求めることができる。
即ち、上記間隔Gは、磁気ドラム及び磁気センサの組み付け上の制約から、一意に設定される値である。間隔Gの値が設定されることで、磁気センサを共用化したい他の磁気ドラムの外径に対して実施の形態1に示した算式にて、MR素子の配置ピッチPを求めることができる。一方、磁気センサ共用化のための、磁気ドラムの外径の上記補正項としてのβに関して、予め、図5に示すような、βと、基準配置ピッチからのズレとの関係を求めておく。上記基準配置ピッチとは、間隔G=0.5で、外径Φ1の上記基準磁気ドラムに対するMR素子の配置ピッチPに相当する。尚、図5に示す点線は、磁気ドラムの外径Φ1=100mm、Φ2=50mmのときの、βと、基準ピッチからのズレとの関係を示し、実線は、外径Φ2=200mmのときの、βと、基準ピッチからのズレとの関係を示している。
そして、例えば図5に示すような、βと、基準ピッチからのズレとの関係から、基準ピッチからのズレがない、つまり図5の縦軸における「100%」に対するβ値を求め、磁気センサ共用化用の磁気ドラムの外径Φ2を求めることができる。
このように磁気ドラムの外径を補正することで、外径が異なる磁気ドラムに対して共通の磁気センサを用いることが可能となる。よって、磁気ドラムの外径ごとに磁気センサを用意する必要が無くなり、低コスト化を図ることができると共に、磁気ドラムの外径の差に対する角度検出精度の劣化が無く、かつ高精度な磁気式回転角検出器を得ることが可能となる。
1 磁気ドラム、 3 磁石、 10 磁気センサ、 12〜15 MR素子、
51 磁気式回転角検出器、
106 センサ面、 107 第2円、 108 第1接点、 110 第1円、
111 第2接点。

Claims (3)

  1. 円弧状の外周面にその周方向に沿って着磁角度ピッチθで交番着磁された磁石を有して上記周方向へ回転する磁気ドラムに対向して配置される磁気センサを備え、該磁気センサは、上記外周面の接線方向と平行に延在するセンサ面に上記接線方向に沿って規定ピッチにて配列した複数の磁気センサ素子を有する磁気式回転角検出器において、
    上記規定ピッチは、上記着磁角度ピッチθにて隣接して配置された第1磁石及び第2磁石の各磁力線が上記センサ面と接する第1接点及び第2接点間の距離を元に規定され、ここで、上記第1接点は、上記磁気ドラムの回転中心と上記第1磁石の両端とをそれぞれ結ぶ2直線、及び上記センサ面に接する第1円における上記センサ面との接点であり、上記第2接点は、上記回転中心と上記第2磁石の両端とをそれぞれ結ぶ2直線、及び上記センサ面に接する第2円における上記センサ面との接点である、
    ことを特徴とする磁気式回転角検出器。
  2. 上記磁気ドラムの外径をR、上記磁気ドラムと上記磁気センサとの間隔をG、上記第1磁石と上記第2磁石との上記着磁角度ピッチをθとしたとき、上記第1円又は上記第2円における中心座標(X0、Y0)は、下記式にて表される、
    X0=xcosθ
    Y0=xsinθ
    Figure 2011226912
    請求項1記載の磁気式回転角検出器。
  3. 上記磁気ドラムを基準磁気ドラムとし、該基準磁気ドラムの第1外径φ1とは異なる第2外径φ2を有する第2磁気ドラムに対して、上記基準磁気ドラムに対して求めた上記規定ピッチに従い磁気センサ素子を配列した上記磁気センサを共用する磁気式回転角検出器において、上記基準磁気ドラムの着磁波数をM1、上記第2磁気ドラムの着磁波数をM2として、上記第2磁気ドラムの上記第2外径φ2は、下記式、
    φ2=φ1×(M2/M1)×β
    φ1<φ2のとき、β>1 φ1>φ2のとき、β<1
    にて規定される、請求項1又は2記載の磁気式回転角検出器。
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