JP2011226376A - ターボ機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターボ機械である斜流ポンプ101は、羽根122を備えたインペラ120が回転することにより、流体を圧送することができる。円筒状のチップリング150は、インペラ120に対して同心状で、各羽根122の先端部を囲繞する状態で配置され、羽根122の先端部とチップリング150の内周面とが接合されている。羽根122の先端部の前縁部から後縁部の長さLbに対して、チップリング150の前縁部から羽根122の先端部に沿ってチップリング150の後縁部に至る長さLtは短くなっている。
【選択図】図1
Description
なお、図7に示す斜流ポンプは、オープン形、即ち、インペラの羽根先端部にシュラウドを有していないタイプの斜流ポンプである。また図8,図9に示す斜流ポンプは、クローズド形、即ち、インペラの羽根先端部にシュラウドを有しているタイプの斜流ポンプである。
斜流ポンプ1の回転軸10には、インペラ(羽根車)20が取り付けられている。より具体的には、回転軸10がインペラ20のハブ21に取付けられて、回転軸10とハブ21とが固定されている。インペラ20は、複数の羽根22を有しており、羽根22は、周方向に沿う複数箇所に配置されている。各羽根22は、液体の流れ方向に沿い湾曲しつつ伸びると共に、半径方向にも伸びている。
インペラ20の吐出側(液体の流れ方向に関して下流側)には、ディフューザベーン40が配置されている。このディフューザベーン40は、ケーシング30の内周面に固定設置されている。
インペラ20の吐出側(液体の流れ方向に関して下流側)には、ディフューザベーン40が配置されている。このディフューザベーン40は、ケーシング30の内周面に固定設置されている。
この例では、各羽根22の先端部の前縁部(液体の流れ方向に関して上流側)から後縁部(液体の流れ方向に関して下流側)に至る長さLbに対して、シュラウド50の前縁部から後縁部に至る長さLsの方が長くなっている。換言すると、各羽根22の先端部の前縁部から後縁部に至る部分は、シュラウド50の内周面で囲まれている。
クローズド形ポンプでは、一般的には、Lb≦Lsとなっている。
しかし、クローズド形の斜流ポンプ1Aでは、シュラウド50の外周面とケーシング30の内周面との間の隙間を、シュラウド50の後縁側から入り込んでシール部Seを通りシュラウド50の前縁側から流れ出る、循環する漏れ流れF2による損失Lo2が発生する。この漏れ流れF2は、シュラウド50の後縁側の液体が高圧で、前縁側の液体が低圧であるので、両者の圧力差により生ずるものである。
更に、クローズド形の斜流ポンプ1Aでは、シュラウド50の外周面とケーシング30の内周面との間で生ずる、液体の粘性摩擦による損失Lo3が発生する。
周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラを回転させることにより、流体を圧送するターボ機械、または流体の圧力差(落差)により、周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラが回転し動力を取出すターボ機械において、
前記インペラに対して同心状で、且つ、各羽根の先端部を囲繞する状態で配置されており、内周面が前記羽根の先端部に接合されている円筒状のチップリングを備え、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さに対して、前記チップリングの前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップリングの後縁部に至る長さが短くなっていることを特徴とする。
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さをLb、前記チップリングの前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップリングの後縁部に至る長さをLtとしたときに、
0.1Lb<Lt<0.8Lb
となっていること、または、
0.3Lb<Lt<0.5Lb
となっていること、または、
前記チップリングの外周面と、前記羽根の先端部のうち前記チップリングで覆われていない部分とが面一となっていることを特徴とする。
周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラを回転させることにより、流体を圧送するターボ機械、または流体の圧力差(落差)により、周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラが回転し動力を取出すターボ機械において
各羽根の先端部に、当該羽根の先端部から隣接する羽根の先端部に向けて周方向に沿って張り出したチップ突出板を備え、
前記チップ突出板相互は接触することなく対向しており、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さに対して、前記チップ突出板の前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップ突出板の後縁部に至る長さが短くなっていることを特徴とする。
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さをLb、前記チップ突出板の前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップ突出板の後縁部に至る長さをLtとしたときに、
0.1Lb<Lt<0.8Lb
となっていること、または、
0.3Lb<Lt<0.5Lb
となっていることを特徴とする。
インペラ120の吐出側(液体の流れ方向に関して下流側)には、ディフューザベーン140が配置されている。このディフューザベーン140は、ケーシング130の内周面に固定設置されている。
一体に構成する場合には、鋳造や削り出し等により、チップリング150とインペラ120の羽根122を一体的に形成する。このように一体に構成する場合には、チップリング150とインペラ120の羽根122との隅部にR形状のフィレットを設けて強度を高くすることが好ましい。
別体で構成する場合には、チップリング150の内周面と羽根122の先端部とを、溶接やビス止め等により結合する。
各羽根122の先端部の前縁部(液体の流れ方向に関して上流側)から後縁部(液体の流れ方向に関して下流側)に至る長さをLbとし、チップリング150の前縁部から羽根122の先端部に沿ってチップリング150の後縁部に至る長さをLtとすると、
0.1Lb<Lt<0.8Lb
より好ましくは、
0.3Lb<Lt<0.5Lb
としている。
詳細は後述するが、このようにすることにより、損失を低減して斜流ポンプ101の性能を向上させることができる。
このように、チップリング150の外周面と羽根122の先端部とを面一とし、チップリング150の断面形状を滑らかな流線型とすることにより、チップリング150を備えていても、液体の流れをスムーズにし剥離渦や乱れを可能な限り低減することができるようにしている。
チップリング150の配置位置は、羽根122の負荷部分やチップリング150の長さLt等を考慮して、最適位置に配置する。例えば、羽根122の負荷の大きい部分に、チップリング150を配置する。
この斜流ポンプ101では、羽根122の先端部の一部が、チップリング150により覆われる。このため、羽根122の先端部のうちチップリング150で覆われていない部分でのみ、漏れ流れによる損失Lo1が生じる。このため、漏れ流れによる損失Lo1が低減する。
また、チップリング150の長さLtが短いため、循環する漏れ流れによる損失Lo2と、液体の粘性摩擦による損失Lo3も低減する。特に、本実施例のような斜流ポンプの場合においては、チップリング150を液体の流れ方向に関して上流側に配置すると、下流側に配置した場合に比べて、チップリング150の径を小さくすることができ、それだけ周速が小さくなり、液体の粘性摩擦による損失Lo3をより効果的に低減することができる。
図3において、Lt/Lbが0とはチップリング150を配置していない状態(つまり、従来のオープン形と同じ状態)であり、Lt/Lbが1とはチップリング150により羽根122の先端部の前縁側から後縁側までの全てを覆っている状態(つまり、従来のシュラウドを配置したクローズド形と同じ状態)を示している。
0.1Lb<Lt<0.8Lb
より好ましくは、
0.3Lb<Lt<0.5Lb
とすることにより、損失を効果的に低減することができる。
このように損失低減を図ることができるため、斜流ポンプ101の効率を向上させることができる。
図4は斜流ポンプ101Aを示す子午面図であり、図5はケーシング130を省略した状態でインペラ120及びチップ突出板151を示す外観図であり、図6は図5のA−A矢視図である。
しかも、隣接するチップ突出板151相互は、接触することなく隙間を介して対向している。
このような効果を効率的に奏するため、各羽根22の先端部の前縁部から後縁部に至る長さをLbとし、チップ突出板151の前縁部から羽根22の先端部に沿ってチップ突出板151の後縁部に至る長さをLtとすると、
0.1Lb<Lt<0.8Lb
より好ましくは、
0.3Lb<Lt<0.5Lb
とすることがよい。
またエロージョン対策として、チップ突出板151の角部分は丸い方がよく、丸くすることにより液体の流れ方向の変化に対して鈍感にすることができる。
また、流体として液体を用いて説明したが気体でも構わない。
更に本発明は、ターボ機械のうち、斜流形や軸流形のターボ機械に適用できると共に、インペラの入口にチップリングを配置することにより遠心形のターボ機械にも適用することができる。
10,110 回転軸
20,120 インペラ(羽根車)
21,121 ハブ
22,122 羽根
30,130 ケーシング
31 凹溝
40,140 ディフューザベーン
50 シュラウド
150 チップリング
151 チップ突出板
Se シール部
Lo1,Lo2,Lo3 損失
Claims (7)
- 周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラを回転させることにより、流体を圧送するターボ機械、または流体の圧力差により、周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラが回転し動力を取出すターボ機械において、
前記インペラに対して同心状で、且つ、各羽根の先端部を囲繞する状態で配置されており、内周面が前記羽根の先端部に接合されている円筒状のチップリングを備え、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さに対して、前記チップリングの前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップリングの後縁部に至る長さが短くなっていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1において、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さをLb、前記チップリングの前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップリングの後縁部に至る長さをLtとしたときに、
0.1Lb<Lt<0.8Lb
となっていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1において、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さをLb、前記チップリングの前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップリングの後縁部に至る長さをLtとしたときに、
0.3Lb<Lt<0.5Lb
となっていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、
前記チップリングの外周面と、前記羽根の先端部のうち前記チップリングで覆われていない部分とが面一となっていることを特徴とするターボ機械。 - 周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラを回転させることにより、流体を圧送するターボ機械、または流体の圧力差により、周方向に沿う複数箇所に羽根を配置したインペラが回転し動力を取出すターボ機械において、
各羽根の先端部に、当該羽根の先端部から隣接する羽根の先端部に向けて周方向に沿って張り出したチップ突出板を備え、
前記チップ突出板相互は接触することなく対向しており、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さに対して、前記チップ突出板の前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップ突出板の後縁部に至る長さが短くなっていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項5において、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さをLb、前記チップ突出板の前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップ突出板の後縁部に至る長さをLtとしたときに、
0.1Lb<Lt<0.8Lb
となっていることを特徴とするターボ機械。 - 請求項5において、
前記羽根の先端部の前縁部から後縁部に至る長さをLb、前記チップ突出板の前縁部から前記羽根の先端部に沿ってチップ突出板の後縁部に至る長さをLtとしたときに、
0.3Lb<Lt<0.5Lb
となっていることを特徴とするターボ機械。
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