JP2011225931A - ナトリウムの製造方法およびナトリウム製造装置 - Google Patents

ナトリウムの製造方法およびナトリウム製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電解精製により不純物含有ナトリウムから精製ナトリウムを製造する方法であって、操作性、電解液の耐久性および安全性に優れたナトリウムの製造方法を提供する。
【解決手段】不純物含有ナトリウム180を陽極とし、かつNaTFSIとTFSIアニオンの非金属塩との混合物からなるイオン液体170を電解液として電気分解を行う。TFSIアニオンの非金属塩としては、テトラエチルアンモニウムTFSIまたはテトラブチルアンモニウムTFSIが好ましい。陽極では、不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムのみがナトリウムイオンとなって電解液に溶出し、その他の不純物は不純物含有ナトリウム中に残存する。一方、陰極では、電解液に含まれるナトリウム(ナトリウムイオン)のみが陰極の表面に析出する。結果として、不純物含有ナトリウムから高純度のナトリウムを製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナトリウムの製造方法およびナトリウム製造装置に関し、特に不純物含有ナトリウムを電解精製して精製ナトリウムを製造するナトリウムの製造方法およびナトリウム製造装置に関する。
ナトリウム硫黄電池は、正極に硫黄を、負極にナトリウムを、電解質にβアルミナを使用した二次電池である。ナトリウム硫黄電池は、電力貯蔵用の電池として注目されており、数多く製造されている。これに伴い、使用済みナトリウム硫黄電池が今後大量に発生することが予想されるため、使用済みナトリウム硫黄電池に含まれるナトリウムなどの有用資源を再利用する技術を開発することが求められている。
使用済みナトリウム硫黄電池から回収したナトリウムには、鉄や硫黄、カルシウムなどの不純物の混入が考えられる。したがって、使用済みナトリウム硫黄電池から回収したナトリウムを再利用するためには、これらの不純物を除去する必要がある。
近年、不純物含有ナトリウムから高純度のナトリウムを精製する方法として、電解液を用いた電解精製法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、不純物含有ナトリウムを陽極とし、アルミニウムのハロゲン化物(AlCl)およびアルカリ金属のハロゲン化物(NaClまたはKCl)からなる溶融塩を電解液として電気分解を行い、高純度のナトリウムを陰極上に析出させる方法が記載されている。また、特許文献2には、不純物含有ナトリウムを陽極とし、カーボネート系有機溶媒(炭酸エチレンまたは炭酸プロピレン)およびナトリウム塩(NaPFなど)からなる溶液を電解液として電気分解を行い、高純度のナトリウムを陰極上に析出させる方法が記載されている。
特許文献1,2に記載の方法では、陽極において、不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムのみがナトリウムイオンとなって電解液に溶出し、その他の多くの不純物は不純物含有ナトリウム中に残存する。一方、陰極では、電解液に含まれるナトリウム(ナトリウムイオン)のみが陰極の表面に析出する。その結果、不純物含有ナトリウムから高純度のナトリウムを製造することができる。
一方、ナトリウムを精製する技術ではないが、特許文献3には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下「TFSI」と略記する)のナトリウム塩と、TFSIのアルカリ金属塩(ナトリウム塩を除く)との混合物からなるイオン液体を電解液として、ナトリウムを電析する技術が記載されている。
特開2008−285728号公報 特開2010−13673号公報 国際公開第2006/101141号パンフレット
しかしながら、上記特許文献1,2に記載のナトリウムの精製方法には、操作性、電解液の耐久性または安全性が十分でない場合があった。
特許文献1に記載のナトリウムの精製方法では、長時間電解精製を行うと、アルミニウムのハロゲン化物(AlCl)が徐々に蒸発して、電解液の組成が変化するおそれがある。このような場合、蒸発した分のアルミニウムのハロゲン化物を足す必要があるが、電解槽の上部には溶融したナトリウムが全面に存在するため、アルミニウムのハロゲン化物を投入するのが困難なときがあった。このように、特許文献1に記載のナトリウムの精製方法には、操作性にさらなる改善の余地があった。
一方、特許文献2に記載のナトリウムの精製方法では、長時間電解精製を行うと、ナトリウムと有機溶媒とが反応してしまうおそれがある。このようにナトリウムと有機溶媒とが反応してしまうと、電解液が電解液として機能できなくなるおそれがある。また、特許文献2に記載のナトリウムの精製方法では、高純度のナトリウムを液体の状態で回収したい場合に、ナトリウムの融点と有機溶媒の引火点とが近いため、引火してしまうおそれもある。このように、特許文献2に記載のナトリウムの精製方法には、電解液の耐久性および安全性にさらなる改善の余地があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電解精製により不純物含有ナトリウムから精製ナトリウムを製造する方法および製造装置であって、操作性、電解液の耐久性および安全性に優れたナトリウムの製造方法ならびにナトリウム製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は、TFSIアニオンのナトリウム塩(NaTFSI)とTFSIアニオンの非金属塩との混合物からなるイオン液体を電解液として電解精製を行うことで上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一は、以下のナトリウムの製造方法に関する。
[1]不純物含有ナトリウムを電解精製して精製ナトリウムを製造する方法であって:前記不純物含有ナトリウムを陽極とし、かつイオン液体電解液を電解質として、前記不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムを陰極に析出させるステップを含み;前記イオン液体電解液は、下記化学式(1)のTFSIアニオンのナトリウム塩であるNaTFSIと、前記TFSIアニオンのテトラエチルアンモニウム塩であるテトラエチルアンモニウムTFSIもしくは前記TFSIアニオンのテトラブチルアンモニウム塩であるテトラブチルアンモニウムTFSIまたはこれらの混合物とからなる、ナトリウムの製造方法。
Figure 2011225931
[2]前記イオン液体電解液は、前記NaTFSIおよび前記テトラエチルアンモニウムTFSIからなり;前記イオン液体電解液中の、前記NaTFSIと前記テトラエチルアンモニウムTFSIとのモル比は、1:4〜1:9の範囲内である、[1]に記載のナトリウムの製造方法。
[3]前記イオン液体電解液は、前記NaTFSIおよび前記テトラブチルアンモニウムTFSIからなり;前記イオン液体電解液中の、前記NaTFSIと前記テトラブチルアンモニウムTFSIとのモル比は、2:3〜1:9の範囲内である、[1]に記載のナトリウムの製造方法。
[4]前記イオン液体電解液の融点は、70〜150℃の範囲内である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のナトリウムの製造方法。
[5]前記不純物含有ナトリウムは、ナトリウム硫黄電池から得られたものである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のナトリウムの製造方法。
また、本発明の第二は、以下のナトリウム製造装置に関する。
[6]不純物含有ナトリウムを電解精製して精製ナトリウムを製造するナトリウム製造装置であって:下記化学式(1)のTFSIアニオンのナトリウム塩であるNaTFSIと、前記TFSIアニオンのテトラエチルアンモニウム塩であるテトラエチルアンモニウムTFSIもしくは前記TFSIアニオンのテトラブチルアンモニウム塩であるテトラブチルアンモニウムTFSIまたはこれらの混合物とからなるイオン液体電解液と;前記イオン液体電解液を収容する電解槽と;前記不純物含有ナトリウムを含む陽極と;陰極と;前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源手段と;前記電源手段と前記陽極との間、および前記電源手段と前記陰極との間を電気的に接続する一対の導電性部材と;前記イオン液体電解液および前記不純物含有ナトリウムを加熱する加熱手段とを有し;前記陽極および前記陰極を前記イオン液体電解液に接触させた状態で前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加して、前記不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムを陰極に析出させる、ナトリウム製造装置。
Figure 2011225931
本発明によれば、従来の技術に比べてより容易かつ安全に、不純物含有ナトリウムから精製ナトリウムを製造することができる。
本発明の一実施の形態に係るナトリウム製造装置の構成を示す断面図 図1のナトリウム製造装置を用いてナトリウムを製造する様子を示す模式図 本発明の別の実施の形態に係るナトリウム製造装置の構成を示す断面図 図3のナトリウム製造装置を用いてナトリウムを製造する様子を示す模式図 実施例で用いたナトリウム製造装置の構成を示す断面図 比較例の実験で得られた黒色残渣の蛍光X線元素分析の結果を示すグラフ
1.本発明のナトリウムの製造方法について
本発明のナトリウムの製造方法は、不純物含有ナトリウムを電解精製して精製ナトリウムを製造する方法であって、不純物含有ナトリウムを陽極とし、イオン液体電解液を電解質として電気分解を行い、不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムを陰極に析出させるステップを含む。
なお、本明細書において「不純物含有ナトリウム」とは、ナトリウム以外の原子、例えば鉄や硫黄、カルシウムなどの不純物を含む、ナトリウムを主成分とする組成物を意味する。また、「精製ナトリウム」とは、前述の不純物含有ナトリウムよりも不純物の含有率が低い、ナトリウムを主成分とする組成物を意味する。
また、本明細書では、無機物からなる塩を溶解したものを「溶融塩」と称し、有機物を含む塩を溶解したものを「イオン液体」と称する。したがって、本明細書では、有機物を含む塩を溶解したものであれば、その融点が100℃を越えているかどうかに関係なく、「イオン液体」という。
上記のように不純物含有ナトリウムを陽極とし、イオン液体電解液を電解質として電気分解を行うと、陽極では、不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムがナトリウムイオンとなってイオン液体電解液に溶出する。後述するイオン液体電解液に対するナトリウムのイオン化傾向は、鉄や硫黄、カルシウムなどの不純物のイオン化傾向に比べて大きい。したがって、ナトリウムのみがナトリウムイオンとなってイオン液体電解液に溶出し、鉄や硫黄、カルシウムなどの不純物は不純物含有ナトリウム中に残存する。また、絶縁体はイオン液体電解液に溶解しないため、セラミックスなどの絶縁体も不純物含有ナトリウム中に残存する。
一方、陰極では、イオン液体電解液に含まれるナトリウムイオンがナトリウムとして陰極の表面に析出する。ナトリウムの電解精製法では、電解液中にカルシウムイオンが含まれている場合に、ナトリウムと共にカルシウムが析出することが特に問題となる。本発明のナトリウムの製造方法では、後述するイオン液体電解液を用いることで、ナトリウムとカルシウムの析出電位の差を300mV以上とすることができるため、カルシウムの析出を抑制して精製ナトリウムへのカルシウムの混入を防ぐことができる。陰極は、ナトリウムがその表面に析出できるものであれば特に限定されず、例えば、精製ナトリウムまたは導電性部材を用いることができる。
このように、本発明のナトリウムの製造方法では、不純物含有ナトリウムからナトリウムをイオン液体電解液に溶出させるとともに、イオン液体電解液に含まれるナトリウムを陰極の表面に析出させることで、不純物含有ナトリウムからナトリウムのみを取り出すことができる。
[イオン液体電解液について]
本発明のナトリウムの製造方法は、1)TFSIアニオンのナトリウム塩(NaTFSI)と、2)TFSIアニオンの非金属塩との混合物からなるイオン液体を電解精製を行う際の電解液として使用することを一つの特徴とする。
ここで、「TFSIアニオン」とは、下記化学式(1)のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(bis(trifluoromethane sulfonyl)imide;TFSI)アニオンを意味する。下記化学式(1)のアニオンは、IUPACの命名法に基づけばイミドではなくアミドが正しいとされているが、本明細書では慣用名として広く使用されている「TFSI(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)」の名称を使用する。
Figure 2011225931
まず、本発明のナトリウムの製造方法で使用する電解液は、TFSIアニオンのナトリウム塩である、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(NaTFSI)を含有する。TFSIアニオンはナトリウムと反応しないため、NaTFSIのイオン液体を電解液として用いることで、電解液の耐久性を向上させることができる。また、NaTFSIは、蒸気圧が低く、かつ不燃性であるため、NaTFSIの追加投入の必要性や引火の危険性もない。したがって、NaTFSIのイオン液体を電解液として用いることで、操作性および安全性を向上させることができる。
本発明者は、予備実験として、NaTFSIのイオン液体のみからなる電解液を用いて、NaTFSIの融点である230℃でナトリウムの電解精製を行った。その結果、電解液の耐久性および安全性については良好な結果を得られたが、陰極上に析出した精製ナトリウムの表面に黒色の皮膜が形成されるのが観察され、精製ナトリウムの純度が低下してしまった(後述の比較例参照)。これは、高温(230℃)で電解精製を行ったため、TFSIアニオンの一部が熱分解してしまい、熱分解により生じた硫黄が陰極上に析出した精製ナトリウムと反応してしまったためと推察された。
そこで、この精製ナトリウムの純度の低下を防止する観点から、本発明のナトリウムの製造方法で使用するイオン液体電解液は、前述のNaTFSIに加えて、さらにTFSIアニオンの非金属塩を含有する。TFSIアニオンの非金属塩を添加することで、電解液の融点を低下させることができ、電解精製中にTFSIアニオンが熱分解して精製ナトリウムと反応するのを防止することができる。
TFSIアニオンの非金属塩としては、TFSIアニオンのテトラアルキルアンモニウム塩であるテトラアルキルアンモニウムTFSIが好ましい。TFSIアニオンの非金属塩は、種類によってはナトリウムと反応したり、NaTFSIと混合できなかったりすることがあるが、テトラアルキルアンモニウムTFSIは、ナトリウムと反応せず、かつNaTFSIと均一に混合されうる。テトラアルキルアンモニウムTFSIの例には、TFSIアニオンのテトラエチルアンモニウム塩である、テトラエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下「テトラエチルアンモニウムTFSI」と略記する)や、TFSIアニオンのテトラブチルアンモニウム塩である、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下「テトラブチルアンモニウムTFSI」と略記する)などが含まれる。これらの化合物は、1種類のみで使用されてもよいし、2種類を組み合わせて使用されてもよい。
これらのテトラアルキルアンモニウムTFSIをNaTFSIのイオン液体のみからなる電解液に加えることで、電解液の耐久性および安全性を低下させることなく、電解液の融点を70〜150℃程度まで低下させることができる。これらのテトラアルキルアンモニウムTFSIの融点を明確に特定することは困難であるが、テトラエチルアンモニウムTFSIは約60℃で確実に液体になり、テトラブチルアンモニウムTFSIは約40℃で確実に液体になる。
また、NaTFSIのイオン液体のみからなる電解液を用いてナトリウムの電解精製を行う場合、ナトリウムイオンとカルシウムイオンの析出電位の差はわずか30mVであるため、電解液中にカルシウムイオンが存在する場合、ナトリウムと共にカルシウムも析出してしまうおそれがあった。これに対し、上記TFSIアニオンの非金属塩をNaTFSIのイオン液体のみからなる電解液に加えることで、ナトリウムイオンとカルシウムイオンの析出電位の差を300mVまで大きくすることができる。したがって、電解液中にカルシウムイオンが存在する場合であっても、容易かつ確実にナトリウムのみを析出させることができる。
なお、TFSIアニオンの金属塩(ナトリウム塩を除く)をNaTFSIのイオン液体のみからなる電解液に加えても、電解液の融点を低下させることができる(特許文献3参照)。しかしながら、TFSIアニオンの金属塩を添加した場合は、ナトリウム以外の金属がナトリウムと共に析出してしまい、精製ナトリウムの純度が低下してしまうおそれがある。高純度のナトリウムを精製するためには、電解液はナトリウム以外の金属元素を含まないことが好ましい。したがって、本発明のナトリウムの製造方法では、イオン液体電解液は、TFSIアニオンの金属塩(ナトリウム塩を除く)を含まず、TFSIアニオンの非金属塩(テトラアルキルアンモニウムTFSI)を含むことが好ましい。
1)NaTFSIと2)TFSIアニオンの非金属塩(テトラアルキルアンモニウムTFSI)とのモル比は、イオン液体の融点を十分に低下させることができ、かつ各イオン液体が分離することなく混合しうる範囲内であれば特に限定されない。具体的には、イオン液体電解液がNaTFSIおよびテトラエチルアンモニウムTFSIからなる場合は、NaTFSIとテトラエチルアンモニウムTFSIとのモル比は、1:4〜1:9の範囲内が好ましい。また、イオン液体電解液がNaTFSIおよびテトラブチルアンモニウムTFSIからなる場合は、NaTFSIとテトラブチルアンモニウムTFSIとのモル比は、2:3〜1:9の範囲内が好ましい。
モル比を上記範囲内とすることで、イオン液体電解液の融点を70〜150℃程度まで低下させることができ、かつナトリウムイオンとカルシウムイオンの析出電位の差を0.3V程度まで大きくすることができる。テトラエチルアンモニウムTFSIまたはテトラブチルアンモニウムTFSIの比率がこれよりも少ない場合、イオン液体電解液の融点を十分に低下させることができず、TFSIアニオンの熱分解を防止することができない。一方、テトラエチルアンモニウムTFSIまたはテトラブチルアンモニウムTFSIの比率がこれよりも多い場合、NaTFSIのイオン液体と混ざり合わずに分離してしまう。
特に好ましくは、イオン液体電解液がNaTFSIおよびテトラエチルアンモニウムTFSIからなる場合は、NaTFSIとテトラエチルアンモニウムTFSIとのモル比は1:4であり、イオン液体電解液がNaTFSIおよびテトラブチルアンモニウムTFSIからなる場合は、NaTFSIとテトラブチルアンモニウムTFSIとのモル比は2:3である。ナトリウムイオンの濃度がより高くなり、電流がより流れやすくなるからである。
上記イオン液体電解液を使用する場合、電解精製する際の電解液の温度は、融点以上であれば特に限定されないが、電流の流れやすさおよび精製ナトリウムと電解液との反応を防止する観点から、120〜170℃の範囲内が好ましく、160℃程度が特に好ましい。180℃を超えると、精製ナトリウムと電解液とが反応し始めるおそれがある。
[陽極と陰極との間に印加する電圧について]
本発明のナトリウムの製造方法では、陽極(不純物含有ナトリウム)と陰極との間に直流電圧を印加して電気分解を行う。このとき電極間に印加する電圧は、反応に必要な過電圧以上の電圧であって、かつ陽極においてナトリウムのみがナトリウムイオンとしてイオン液体電解液に溶解する電圧であれば特に限定されない。電極間に印加する電圧が大きすぎると、陽極において鉄や硫黄、カルシウムなどの不純物が電解液に溶出してしまう可能性がある。ナトリウムを析出させる陰極の電位は、電解液の温度や導電性部材の材質などに応じて適宜設定すればよいが、例えば白金参照電極に対して−3.5V以下、好ましくは−3V以下とすればよい。
[不純物の溶出を監視する方法について]
本発明のナトリウムの製造方法では、不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムの大半がイオン液体電解液に溶出してしまうと、不純物含有ナトリウム中に残存している不純物も電解液に溶出してしまう可能性がある。もし、鉄や硫黄、カルシウムなどの不純物が電解液に溶出してしまうと、これらの不純物はナトリウムよりも先に陰極の表面に析出してしまうため、ナトリウムの純度が低下してしまうことになる。したがって、本発明では、不純物含有ナトリウムからの不純物の溶出を監視するために、定電流電解または定電位(電圧)電解により電解精製を行うことが好ましい。
例えば、定電流電解によりナトリウムを精製する場合は、一定の電流密度で電流を印加しているときの陽極と陰極との間の電圧を監視することで、陽極における不純物の溶出を監視することができる。すなわち、不純物含有ナトリウムからナトリウムのみが溶出している間は、電圧はほぼ一定の値を示すが、不純物が溶出し始めた後は、電圧が急激に上昇するのである。
同様に、定電位電解によりナトリウムを精製する場合は、陽極と陰極との間の電圧を一定の値に維持しているときの電流値を監視することで、陽極における不純物の溶出を監視することができる。すなわち、不純物含有ナトリウムからナトリウムのみが溶出している間は、電流はほぼ一定の値を示すが、不純物が溶出し始めた後は、電流値が急激に下降するのである。
このように、電圧または電流の急激な変化の有無を監視することで、不純物の溶出の有無を確認することができる。高純度のナトリウムを精製するためには、不純物がイオン液体電解質に溶出する前に(すなわち、電圧または電流の急激な変化が生じる前に)原料となる不純物含有ナトリウムを陽極にさらに提供すればよい。このようにすることで、不純物の溶出を防ぐことができるので、陰極にナトリウムのみを析出させることができる。
2.本発明のナトリウム製造装置について
本発明のナトリウムの製造方法は、例えば以下に示す装置を用いて不純物含有ナトリウムを電解精製することにより実施すればよい。
図1は、本発明のナトリウム製造装置の一例を示す模式図(断面図)である。この例では、不純物含有ナトリウムを陽極とし、精製ナトリウムを陰極としている。
図1において、ナトリウム製造装置100は、イオン液体電解液170を収容する電解槽110、隔壁120、加熱部130、第1の導電性部材140、第2の導電性部材150および電源160を有する。ナトリウム精製装置100を使用する際には、図1に示すように、不純物含有ナトリウム180を第1の導電性部材140およびイオン液体電解液170と接触するように配置し、精製ナトリウム190を第2の導電性部材150およびイオン液体電解液170と接触するように配置する。
電解槽110は、イオン液体電解液170を収容する絶縁性の容器である。電解槽110の材質は、イオン液体電解液170、不純物含有ナトリウム180および精製ナトリウム190の電解時の温度に耐えうる耐熱性を有し、かつナトリウムおよびイオン液体電解液170と反応しないものであれば特に限定されない。たとえば、電解槽110として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の容器やアルミナセラミックス製の容器などを用いることができる。
隔壁120は、不純物含有ナトリウム180および精製ナトリウム190が電解槽110内に提供された際に、不純物含有ナトリウム180と精製ナトリウム190とを隔離する絶縁性の部材である。隔壁120の材質は、イオン液体電解液170、不純物含有ナトリウム180および精製ナトリウム190の電解時の温度に耐えうる耐熱性を有し、かつナトリウムおよびイオン液体電解液170と反応しないものであれば特に限定されない。たとえば、隔壁120として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の部材やアルミナセラミックス製の部材などを用いることができる。
加熱部130は、イオン液体電解液170、不純物含有ナトリウム180および精製ナトリウム190を電気分解を行いうる温度に加熱する。例えば、加熱部130は、電解槽110の下面および/または側面に配置されたヒーターである。加熱部130が加熱する温度は、例えば、イオン液体電解液170が120〜170℃(好ましくは160℃)程度になるように加熱すればよい。この温度では、不純物含有ナトリウム180および精製ナトリウム190も、溶融して液体状態となる。
第1の導電性部材140は、電源160と電気的に接続されており、不純物含有ナトリウム180(陽極)に正の電圧を印加する導電性の部材である。同様に、第2の導電性部材150は、電源160と電気的に接続されており、精製ナトリウム190(陰極)に負の電圧を印加する導電性の部材である。第1の導電性部材140および第2の導電性部材150の材質は、イオン液体電解液170、不純物含有ナトリウム180および精製ナトリウム190の電解時の温度に耐えうる耐熱性を有し、かつナトリウムおよびイオン液体電解液170と反応しないものであれば特に限定されない。たとえば、第1の導電性部材140または第2の導電性部材150として、タングステンやモリブデンなどの高融点金属やガラス状カーボンからなる部材を用いることができる。第1の導電性部材140および第2の導電性部材150は、電気分解の進行とともに不純物含有ナトリウム180または精製ナトリウム190の量が変化しても、不純物含有ナトリウム180または精製ナトリウム190との電気的接続をそれぞれ維持できるように配置されることが好ましい。
電源160は、不純物含有ナトリウム180を陽極とし、精製ナトリウム190を陰極として、電極間に直流電圧を印加する。不純物含有ナトリウム180と精製ナトリウム190との間に印加する電圧は、イオン液体電解液170の温度や導電性部材140,150の材質などに応じて適宜設定すればよい。
図2は、ナトリウム精製装置100を用いてナトリウムを精製する様子を示す模式図である。図2では、加熱部130および電源160の図示を省略する。
図2Aに示すように、不純物含有ナトリウム180を陽極とし、精製ナトリウム190を陰極として電極間に直流電圧を印加すると、陽極(不純物含有ナトリウム180)では、不純物含有ナトリウム180に含まれるナトリウムがナトリウムイオンとなってイオン液体電解液170に溶出し、陰極では、イオン液体電解液170に含まれるナトリウムイオンがナトリウムとして精製ナトリウム190の表面に析出する。この反応は電極間に直流電圧を印加している限り続くため、図2Bに示すように、不純物含有ナトリウム180は時間の経過とともに減少し、精製ナトリウム190は時間の経過とともに増加する。したがって、陽極側に不純物含有ナトリウム180を提供し、陰極側で析出した精製ナトリウム190を回収することで、不純物含有ナトリウム180から精製ナトリウム190を製造することができる。精製ナトリウム190を回収する方法は、特に限定されないが、例えば図2Bに示すように電解槽110の陰極側の側壁の高さを一部低くして、精製ナトリウム190を電解槽110の外に流出させるようにすればよい。
図3は、本発明のナトリウム精製装置の別の例を示す模式図(断面図)である。この例では、不純物含有ナトリウムを陽極とし、導電性部材を陰極としている。図3において、図1のナトリウム精製装置と同じ構成要素については同一の符号を付し、重複箇所の説明を省略する。
図3において、ナトリウム精製装置200は、イオン液体電解液170を収容する電解槽110、隔壁120、加熱部130、第1の導電性部材140、第2の導電性部材210および電源160を有する。ナトリウム精製装置200を使用する際には、図3に示すように、不純物含有ナトリウム180を第1の導電性部材140およびイオン液体電解液170と接触するように配置する。
第2の導電性部材210は、電源160と電気的に接続されており、それ自身が陰極としても機能する導電性の部材である。第2の導電性部材210の材質は、前述の導電性部材と同様のものを用いることができる。第2の導電性部材210は、イオン液体電解液170に浸漬されていることが好ましい。
図4は、ナトリウム精製装置200を用いてナトリウムを精製する様子を示す模式図である。図4では、加熱部130および電源160の図示を省略する。
図4Aに示すように、不純物含有ナトリウム180を陽極とし、第2の導電性部材210を陰極として電極間に直流電圧を印加すると、陽極では、不純物含有ナトリウム180に含まれるナトリウムがナトリウムイオンとなってイオン液体電解液170に溶出し、陰極では、イオン液体電解液170に含まれるナトリウムイオンがナトリウムとして第2の導電性部材210の表面に析出する。この反応は電極間に直流電圧を印加している限り続くため、図4Bに示すように、不純物含有ナトリウム180は時間の経過とともに減少し、精製ナトリウム190は時間の経過とともに増加する。第2の導電性部材210(陰極)の表面に一定量の精製ナトリウム190が析出すると、析出した精製ナトリウム190はイオン液体電解液170上に浮上する。したがって、陽極側に不純物含有ナトリウム180を提供し、陰極側で浮上した精製ナトリウム190を回収することで、不純物含有ナトリウム180から精製ナトリウム190を製造することができる。
以上のように、本発明のナトリウムの製造方法およびナトリウム製造装置は、操作性、耐久性および安全性に優れるNaTFSIとTFSIアニオンの非金属塩(テトラアルキルアンモニウムTFSI)との混合物からなるイオン液体を電解液として使用するため、従来の技術に比べてより容易かつ安全に、不純物含有ナトリウムから精製ナトリウムを製造することができる。
たとえば、本発明のナトリウムの製造方法およびナトリウム製造装置は、使用済みのナトリウム硫黄電池から回収した鉄や硫黄、カルシウムなどの不純物を含むナトリウムからナトリウムを精製するのに好適である。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
[実施例]
HTFSI(99%;関東化学株式会社)を水に溶解して0.1mol/dmのHTFSI水溶液を調製した。同様に、水酸化ナトリウム(99.99%)を水に溶解して0.1mol/dmの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。これらの水溶液を同量混合し、中和後に水分を除去することで、NaTFSIを合成した。
得られたNaTFSIとテトラエチルアンモニウムTFSI(99.0%;キシダ化学株式会社)をガラスビーカー内に入れ、混合物を加熱して、NaTFSIおよびテトラエチルアンモニウムTFSIからなるイオン液体電解液を調製した。NaTFSIとテトラエチルアンモニウムTFSIとのモル比は、1:4または1:9とした。
同様に、NaTFSIとテトラブチルアンモニウムTFSI(東京化成工業株式会社)を別のガラスビーカー内に入れ、混合物を加熱して、NaTFSIおよびテトラブチルアンモニウムTFSIからなるイオン液体電解液を調製した。NaTFSIとテトラブチルアンモニウムTFSIとのモル比は、2:3または1:9とした。
図5に示されるように、ガラスビーカー(電解槽)310内のイオン液体電解液320に陽極330、陰極340および参照電極350を浸漬した。陽極330には、金属ナトリウム(99%;アルドリッチ社)を用いた。金属ナトリウムは、ブロック状の塊からカッターナイフを用いて切り出したものをクリップで挟み、すぐに電解液中に浸漬した。この金属ナトリウムには、カルシウムがわずかに含まれていることがわかっている。陰極340には、ガラス状カーボンを用いた。参照電極350には、白金線を用いた。陽極330、陰極340および参照電極350は、直流電源装置370に接続されている。また、ヒーター360を用いて電解液320の温度を120℃、140℃または160℃に維持した。
上記構成を有する電気分解セルを用いて定電流20mAで2時間電解を行ったところ、陰極340上に液体のナトリウムが析出するのが確認された。
陽極とした精製前のナトリウムと、陰極上に析出した精製後のナトリウムについて、ICP発光分光装置を用いて不純物濃度の測定を行った。陽極とした金属ナトリウムにはカルシウムがわずかに含まれることがわかっていることから、本実施例ではカルシウムについて定量分析を行った。サンプルは、約100mgのナトリウム(精製前のナトリウムまたは精製後のナトリウム)を500mLの水に溶解させたものを用いた。定量分析の結果からナトリウム中のカルシウムの濃度を算出したところ、精製前のナトリウムには、カルシウムが540ppm含まれていた。一方、精製後のナトリウムには、カルシウムが40〜380ppm含まれていた。
精製後のナトリウム中のカルシウム濃度と、精製前のナトリウムに対する精製後のナトリウムのカルシウムの除去率を表1に示す。
Figure 2011225931
表1の結果から、本発明の方法により、原料の金属ナトリウムからカルシウムを30〜93%除去して、より純度の高いナトリウムを製造できたことがわかる。
[比較例]
実施例と同様の手順により得られたNaTFSIのみをガラスビーカー内に入れ、230℃に加熱して、NaTFSIのみからなるイオン液体電解液を調製した。
実施例と同様の電気分解セル(図5参照)を用いて、定電流20mAで2時間電解を行った。このとき、ヒーターを用いて電解液の温度を230℃に維持した。その結果、陰極上に液体のナトリウムが析出するのが確認された。また、析出したナトリウムの表面に薄い黒色の皮膜が形成されているのが確認された。
陽極とした精製前のナトリウムと、陰極上に析出した精製後のナトリウムについて、ICP発光分光装置を用いて定量分析を行った。精製前のナトリウムのサンプルは、44mgのナトリウムを500mLの水に溶解させたものを用いた。精製後のナトリウムのサンプルは、40mgのナトリウム(黒色皮膜を含む)を500mLの水に溶解させ、ろ過したものを用いた。本比較例ではナトリウムおよび硫黄について定量分析を行い、定量分析の結果からナトリウム中のナトリウムおよび硫黄の量を算出した。その結果、精製前のナトリウムには、ナトリウムが43mg、硫黄が0.0mg含まれていた。一方、精製後のナトリウムには、ナトリウムが18mg、硫黄が18mg含まれていた。
また、精製後のナトリウムの水溶液をろ過した際に得られた黒色の残渣を鉄の基板に載せて、蛍光X線元素分析法で分析した。その結果、図6に示されるように、硫黄が検出された。なお、図6のグラフにおいて、鉄のピークが見られるが、これは鉄基板によるものである。
以上のように、NaTFSIのみからなるイオン液体電解液を用いて230℃で電解精製を行うと、精製ナトリウムの表面に硫黄を含む黒色皮膜が形成されてしまい、精製ナトリウムの純度が低下してしまった。この黒色皮膜は、電解液中のTFSIアニオンが活性金属と反応して分解され、生じた硫黄が精製ナトリウムと反応することにより精製された、硫黄とナトリウムの化合物であると考えられる。
本発明によれば、低温仕様の設備および安価な電解質を用いて、塩素ガスを発生させることなくかつ少ないエネルギー消費量で、不純物含有ナトリウムからナトリウムを製造(精製)することができる。例えば、本発明のナトリウムの製造方法およびナトリウム製造装置は、使用済みのナトリウム硫黄電池から回収したナトリウムをリサイクルする上で有用である。
100,200 ナトリウム製造装置
110 電解槽
120 隔壁
130 加熱部
140 第1の導電性部材
150,210 第2の導電性部材
160 電源
170,320 イオン液体電解液
180 不純物含有ナトリウム
190 精製ナトリウム
310 ガラスビーカー
330 陽極
340 陰極
350 参照電極
360 ヒーター
370 直流電源装置

Claims (6)

  1. 不純物含有ナトリウムを電解精製して精製ナトリウムを製造する方法であって、
    前記不純物含有ナトリウムを陽極とし、かつイオン液体電解液を電解質として、前記不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムを陰極に析出させるステップを含み、
    前記イオン液体電解液は、下記化学式(1)のTFSIアニオンのナトリウム塩であるNaTFSIと、前記TFSIアニオンのテトラエチルアンモニウム塩であるテトラエチルアンモニウムTFSIもしくは前記TFSIアニオンのテトラブチルアンモニウム塩であるテトラブチルアンモニウムTFSIまたはこれらの混合物とからなる、
    ナトリウムの製造方法。
    Figure 2011225931
  2. 前記イオン液体電解液は、前記NaTFSIおよび前記テトラエチルアンモニウムTFSIからなり、
    前記イオン液体電解液中の、前記NaTFSIと前記テトラエチルアンモニウムTFSIとのモル比は、1:4〜1:9の範囲内である、請求項1に記載のナトリウムの製造方法。
  3. 前記イオン液体電解液は、前記NaTFSIおよび前記テトラブチルアンモニウムTFSIからなり、
    前記イオン液体電解液中の、前記NaTFSIと前記テトラブチルアンモニウムTFSIとのモル比は、2:3〜1:9の範囲内である、請求項1に記載のナトリウムの製造方法。
  4. 前記イオン液体電解液の融点は、70〜150℃の範囲内である、請求項1に記載のナトリウムの製造方法。
  5. 前記不純物含有ナトリウムは、ナトリウム硫黄電池から得られたものである、請求項1に記載のナトリウムの製造方法。
  6. 不純物含有ナトリウムを電解精製して精製ナトリウムを製造するナトリウム製造装置であって、
    下記化学式(1)のTFSIアニオンのナトリウム塩であるNaTFSIと、前記TFSIアニオンのテトラエチルアンモニウム塩であるテトラエチルアンモニウムTFSIもしくは前記TFSIアニオンのテトラブチルアンモニウム塩であるテトラブチルアンモニウムTFSIまたはこれらの混合物とからなるイオン液体電解液と、
    前記イオン液体電解液を収容する電解槽と、
    前記不純物含有ナトリウムを含む陽極と、
    陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源手段と、
    前記電源手段と前記陽極との間、および前記電源手段と前記陰極との間を電気的に接続する一対の導電性部材と、
    前記イオン液体電解液および前記不純物含有ナトリウムを加熱する加熱手段と、
    を有し、
    前記陽極および前記陰極を前記イオン液体電解液に接触させた状態で前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加して、前記不純物含有ナトリウムに含まれるナトリウムを陰極に析出させる、
    ナトリウム製造装置。
    Figure 2011225931
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