JP2011225438A - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成石英ガラスの製造方法であって、フッ素濃度を1000質量ppm以上とすることが出来る方法を提供する。
【解決手段】(a)ガラス形成原料を火炎加水分解して得られる石英ガラス微粒子を、基材に堆積、成長させて、多孔質ガラス体を形成する工程と、(b)前記多孔質ガラス体を、反応槽内にて、400℃以下のフッ素単体(F)含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得る工程と、(c)前記フッ素を含有した多孔質ガラス体を、ガラス化炉内にて、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明ガラス体を得る工程とを有し、前記工程(b)において、前記反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、かつ前記反応槽内のガスを連続的または断続的に排出する。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成石英ガラスの製造方法に関する。
ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するために、光リソグラフィが広く利用されている。
光リソグラフィ用の光学系部材の基材としては、紫外線に対する透過率および耐久性が高い材料からなるものが必要とされる。該材料としては、たとえば、フッ素を含有させた合成石英ガラスが提案されている(特許文献1)。
また近年、集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光光源の短波長化が進められている。そのため、EUV光(代表的には波長13nmの光)を用いたリソグラフィが注目されている。
EUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がないため、EUVリソグラフィ用の露光装置の光学系部材は、すべて反射光学系となる。
EUVリソグラフィ用の光学系部材(フォトマスク、ミラー等)の基材としては、EUV光を照射した際に歪みが生じないように、低熱膨張係数を有する材料からなるものが必要とされる。該材料としては、たとえば、フッ素濃度が100質量ppm以上である、TiOを含有する合成石英ガラスが提案されている(特許文献2)。
合成石英ガラスにフッ素を導入する方法としては、下記の工程(a)〜(c)を有する方法が提案されている(特許文献1、2)。
(a)ガラス形成原料を火炎加水分解して得られる石英ガラス微粒子を、基材に堆積、成長させて、多孔質ガラス体を形成する工程。
(b)多孔質ガラス体を、フッ素化合物含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得る工程。
(c)フッ素を含有した多孔質ガラス体を、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明ガラス体を得る工程。
日本国特開2003−183034号公報 日本国特開2005−104820号公報
特許文献1、2には、工程(b)において用いるフッ素化合物として、SiF、SF、CHF、CF、F等が挙げられている。該フッ素化合物のうち、特許文献1、2の実施例においては、SiFが用いられている。しかし、SiFを用いて多孔質ガラス体に1000質量ppm以上のフッ素を導入するためには、400℃超の高温にする必要があり、下記の問題が生ずる。
(i)反応槽の気密性確保のため、Oリングを水冷する必要があり、反応槽が複雑になる。
(ii)反応槽として電気炉を用いる必要があるが、多孔質ガラス体のサイズが大きい場合、そのサイズにあった電気炉を用意することが困難である。
(iii)温度のバラツキ、気流の乱れ等に起因する、多孔質ガラス体へのフッ素の導入量のバラツキが発生する。EUVリソグラフィ用の光学系部材として用いる場合、フッ素濃度のバラツキが熱膨張係数のバラツキとなり、結果として、露光の際の解像度が低下する。
一方、前記フッ素化合物のうち、反応性の高いフッ素単体(F)を用いることで、多孔質ガラス体に1000質量ppm以上のフッ素を400℃以下の低温で導入できることを、本発明者らは確認している。
しかし、工程(b)においてフッ素単体(F)を用いた場合、つぎの工程(c)の透明ガラス化においてガラス体からフッ素が脱離して、得られる透明ガラス体のフッ素濃度が著しく低下することも判明している。
本発明は、多孔質ガラス体へのフッ素の導入を400℃以下の低温で実施ができ、かつ安定して、最終的に得られる合成石英ガラスのフッ素濃度を1000質量ppm以上とすることができる合成石英ガラスの製造方法を提供する。
本発明の合成石英ガラスの製造方法は、フッ素濃度が1000質量ppm以上である合成石英ガラスを製造する方法であって、
(a)ガラス形成原料を火炎加水分解して得られる石英ガラス微粒子を、基材に堆積、成長させて、多孔質ガラス体を形成する工程と、
(b)前記多孔質ガラス体を、反応槽内にて、400℃以下のフッ素単体(F)含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得る工程と、
(c)前記フッ素を含有した多孔質ガラス体を、ガラス化炉内にて、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明ガラス体を得る工程と
を有し、
前記工程(b)において、前記反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、かつ前記反応槽内のガスを連続的または断続的に排出することを特徴とする。
また、本発明の合成石英ガラスの製造方法は、フッ素濃度が1000質量ppm以上である、TiOを含有する合成石英ガラス(TiO−SiOガラス)を製造する方法であって、
(a)ガラス形成原料を火炎加水分解して得られるTiO−SiOガラス微粒子を、基材に堆積、成長させて、多孔質TiO−SiOガラス体を形成する工程と、
(b)前記多孔質TiO−SiOガラス体を、反応槽内にて、400℃以下のフッ素単体(F)含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得る工程と、
(c)前記フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を、ガラス化炉内にて、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を得る工程と
を有し、
前記工程(b)において、前記反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、かつ前記反応槽内のガスを連続的または断続的に排出することを特徴とする。
前記工程(b)において、下式で求められるフッ素単体(F)の消費速度が所定速度となるように、フッ素単体(F)の供給量、排出量および滞留時間を制御することが好ましい。
[消費速度]=([供給量]−[排出量])/[滞留時間]
ただし、[消費速度]は、単位時間、単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の消費量(モル)であり、[供給量]は反応槽に供給した単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の量(モル)であり、[排出量]は反応槽から排出された単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の量(モル)であり、[滞留時間]は下式から求められる時間である。
[滞留時間]=「反応槽内の気相部分の総量」/[供給速度]+[密閉保持時間]。
ただし、[反応槽内の気相部分の総量]は、反応槽内の気相に含まれるガス成分の総量(モル)であり、[供給速度]は、単位時間あたりに反応槽に供給されたフッ素単体(F)またはフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスの総供給量(モル)であり、[密閉保持時間]は、密閉保持の1回あたりの所要時間である。
前記工程(b)において、フッ素単体(F)の消費速度が3.1×10−4モル/(hr・kg)以上、0.08モル/(hr・kg)以下となることが好ましい。
本発明の合成石英ガラスの製造方法によれば、多孔質ガラス体へのフッ素の導入を400℃以下の低温で実施ができ、かつ、安定して、最終的に得られる合成石英ガラスのフッ素濃度を1000質量ppm以上とすることができる。そして、多孔質ガラス体へのフッ素の導入を400℃以下の低温で実施することによって、上述した(i)〜(iii)の問題が解消される。特に、(iii)の問題が解消されることによって、フッ素濃度が1000ppm以上で、かつフッ素濃度のバラツキが極めて小さい、EUVリソグラフィ用の露光装置の光学系部材として好適な合成石英ガラスを製造できる。
以下、本明細書において、特段の記載がない場合、ppmは質量ppmを意味し、%は質量%を意味する。
また、TiOを含有する合成石英ガラスを、TiO−SiOガラスと記す。
また、TiOを含有しない合成石英ガラスと、TiO−SiOガラスとをまとめて、合成石英ガラスと記す場合もある。
また、TiOを含有しない石英ガラス微粒子と、TiO−SiOガラス微粒子とをまとめて、石英ガラス微粒子と記す場合もある。
また、TiOを含有しない多孔質ガラス体と、多孔質TiO−SiOガラス体とをまとめて、多孔質ガラス体と記す場合もある。
また、TiOを含有しない透明ガラス体と、透明TiO−SiOガラス体とをまとめて、透明ガラス体と記す場合もある。
また、TiOを含有しない成形ガラス体と、成形TiO−SiOガラス体とをまとめて、成形ガラス体と記す場合もある。
<合成石英ガラスの製造方法>
本発明の合成石英ガラスの製造方法は、下記の工程(a)〜(e)を有する方法である。
(a)ガラス形成原料を火炎加水分解して得られる石英ガラス微粒子を、基材に堆積、成長させて、多孔質ガラス体を形成する工程。
(b)多孔質ガラス体を、反応槽内にて、400℃以下のフッ素単体(F)含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得る工程。
(c)フッ素を含有した多孔質ガラス体を、ガラス化炉内にて、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明ガラス体を得る工程。
(d)必要に応じて、工程(c)で得られたフッ素を含有した透明ガラス体を、軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形し、フッ素を含有した成形ガラス体を得る工程。
(e)必要に応じて、工程(c)で得られたフッ素を含有した透明ガラス体、または工程(d)で得られた成形ガラス体に、アニール処理を施す工程。
(工程(a))
スート法によって、ガラス形成原料であるSiO前駆体、またはSiO前駆体およびTiO前駆体を火炎加水分解して得られる石英ガラス微粒子(スート)を、基材に堆積、成長させて多孔質ガラス体を形成する。
SiO前駆体としては、ガス化可能な化合物であればよく、ハロゲン化ケイ素化合物、アルコキシシラン等が挙げられる。
ハロゲン化ケイ素化合物としては、塩化物(SiCl、SiHCl、SiHCl、SiHCl等)、フッ化物(SiF、SiHF、SiH等)、臭化物(SiBr、SiHBr等)、ヨウ化物(SiI等)が挙げられる。
アルコキシシランとしては、下式で表される化合物が挙げられる。
Si(OR)4−n
ただし、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、すべてのRは同一でなくてもよく、nは0〜3の整数である。
TiO前駆体としては、ガス化可能な化合物であればよく、ハロゲン化チタン化合物、アルコキシチタン等が挙げられる。
ハロゲン化チタン化合物としては、TiCl、TiBr等が挙げられる。
アルコキシチタンとしては、下式で表される化合物が挙げられる。
Ti(OR)4−n
ただし、Rは、炭素数1〜4のアルキル基であり、すべてのRは同一でなくてもよく、nは0〜3の整数である。
また、SiO前駆体およびTiO前駆体として、シリコンチタンダブルアルコキシド等のSiおよびTiを含有する化合物を用いてもよい。
石英ガラス微粒子を堆積させる基材としては、石英ガラス製の種棒(たとえば、特公昭63−24937号公報に記載された種棒)が挙げられる。また、棒状に限らず、板状の基材を用いてもよい。
(工程(a’))
工程(a)と工程(b)との間に、多孔質ガラス体の嵩密度を増加させるために、多孔質ガラス体の仮焼を行うことが好ましい。
多孔質ガラス体を構成する粒子の表面には、Si−OHが存在していると考えられる。嵩密度が高いほど、粒子の比表面積が小さくなり、相対的に多孔質ガラス体に存在するSi−OHの量が少なくなると考えられる。すなわち、多孔質ガラス体の嵩密度が高いほど、該多孔質ガラス体に存在するSi−OHの量が少なくなり、相対的に多孔質ガラス体にフッ素単体(F)を導入する際に起こる反応によって生成するHFの量が少なくなると考えられる。結果として、後述する理由により、工程(c)におけるガラス体からのフッ素の脱離を抑制できると考えられる。
仮焼温度は、1100℃以上が好ましく、1150℃以上がより好ましい。仮焼温度が低すぎると、粒子の焼結が進行せず、嵩密度が変化しないおそれがある。
仮焼温度は、1350℃以下が好ましく、1300℃以下がより好ましい。仮焼温度が高すぎると、粒子の焼結が進行しすぎて閉気孔が存在してしまうため、工程(b)で多孔質ガラス体にフッ素を導入した際にフッ素濃度にバラツキが生じる、工程(c)で透明ガラス化した後に泡が残ってしまう、Si−OHの量が極端に少なくなり、フッ素単体(F)との反応が遅くなる、等の問題が生ずるおそれがある。
仮焼後の多孔質ガラス体の嵩密度は、0.1g/cm以上が好ましく、0.2g/cm以上がより好ましく、0.4g/cm以上がさらに好ましく、0.6g/cm以上が特に好ましい。嵩密度が低すぎると、粒子の比表面積が大きくなり、Si−OHの量が増加することから、工程(c)でフッ素の脱離を抑制できず、透明ガラス体のフッ素濃度を1000ppm以上とすることが困難となるおそれがある。
仮焼後の多孔質ガラス体の嵩密度は、1.6g/cm以下が好ましく、1.4g/cm以下がより好ましく、1.2g/cm以下が特に好ましい。嵩密度が高すぎると、粒子の比表面積が小さくなり、Si−OHの量が非常に少なくなるため、反応速度が低くなるおそれがある。
(工程(b))
工程(a)で得られた多孔質ガラス体を、反応槽内にて、400℃以下のフッ素単体(F)含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得る。
反応槽としては、公知のものを用いることができる。具体的には、フッ素単体(F
と多孔質ガラス体との接触を効率よく行える点から、反応槽内に撹拌翼を有する内部撹拌方式の槽型反応槽、連続的または断続的にフッ素単体(F)を供給、排出できる連続槽型反応槽(CSTR)、ピストンフロー型反応槽(PFR)等が好適に用いられる。連続的または断続的にフッ素単体(F)を供給、排出できるように、上記反応槽には、流量および圧力を制御するための装置(減圧弁、背圧弁、コントロールバルブ、流量計等)が備え付けられる。
反応槽としては、内壁および内部設備をフッ素単体(F)に対し耐食性を有する材料で構成したものが好ましい。また、前記材料としては、工程(b)においてガス状の不純物を発生しない、またはガス状の物質を発生させても不純物とならない材料が好ましい。合成石英ガラスに不純物が混入すると、光学特性(ヘイズ等)や物理特性(熱膨張係数等)が悪化するおそれがある。
反応槽の内壁および内部設備として好適な材料としては、金属類(ニッケル、銅、鉄等)、合金類(ステンレス(SUS316)、モネル、インコネル、ハステロイ等)、ガラス類(合成石英ガラス、ソーダライムガラス等)、ハロゲン化金属(フッ化カルシウム、フッ化ニッケル等)、ペルハロゲン化樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、PFAと記す。)、ポリクロロトリフルオロエチレン等)等が挙げられる。
また、フッ素単体(F)に対する耐食性を向上させるために、反応槽の内壁および内部設備の表面にフッ化物もしくは酸化物の不動態化被覆層を形成するのが好ましい。フッ化物の不動態化被覆層を形成するのがより好ましい。フッ素単体(F)含有雰囲気に該表面を曝露させることで、該表面を不動態化させることができる。
本発明においては、多孔質ガラス体にフッ素を導入するためのフッ素源として反応性の高いフッ素単体(F)を用いることによって、上述したように、400℃以下の低温で、安定して、1000ppm以上のフッ素を含有した多孔質ガラス体を得ることができる。
フッ素単体(F)含有雰囲気は、工程(b)の初期の段階では、フッ素単体(F)のみ、またはフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスからなる雰囲気である。工程(b)の進行に伴い、該雰囲気には、多孔質ガラス体にフッ素を導入する際に起こる反応によって生成するHFが含まれる。
不活性ガスは、多孔質ガラス体にフッ素を導入する際に起こる反応に対して不活性なガスである。不活性ガスとしては、窒素ガス、または希ガス(ヘリウムガス、アルゴンガス等)が挙げられる。
不活性ガス中に水分が含まれると、フッ素単体(F)と反応し、HFが生成する可能性がある。よって、不活性ガスの露点は、−10℃以下が好ましく、−40℃以下がより好ましく、−60℃以下が特に好ましい。
フッ素単体(F)含有雰囲気としては、反応の制御のしやすさの点および経済的な点から、フッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスが好ましく、フッ素単体(F)を窒素ガスで希釈した混合ガスが特に好ましい。
フッ素単体(F)を窒素ガスで希釈した混合ガス中のフッ素単体(F)の濃度は、
反応の制御のしやすさの点および経済的な点から、100molppm〜50mol%が好ましく、1000molppm〜30mol%がより好ましい。フッ素単体(F)の濃度が低すぎると、多孔質ガラス体にフッ素を導入する速度が低くなり、反応時間が長くなる。フッ素単体(F)の濃度が高すぎると、多孔質ガラス体にフッ素を導入する速度が高くなり、反応の制御が困難となるおそれがある。
また、多孔質ガラス体に均一に短時間でフッ素を導入するために、多孔質ガラス体が配置された反応槽内を大気圧未満の条件下に保持した後、反応槽内にフッ素単体(F)を所定の圧力になるまで供給することが好ましい。
反応槽内を大気圧未満の条件下に保持する際の反応槽内の圧力は、13000Pa以下が好ましく、1300Pa以下が特に好ましい。
反応槽内を大気圧未満の条件下に保持する際の反応槽内の反応槽内の温度は、脱気処理を効率的に行うために、30〜300℃が好ましく、50〜200℃がより好ましく、60〜150℃が特に好ましい。
反応槽内を大気圧未満の条件下に保持し、反応槽内の脱気処理を行うことによって、該反応槽内に存在する水分や揮発性有機物を除去でき、水分や揮発性有機物がフッ素単体(F)と反応してHFが発生することを防止できる。
本発明においては、工程(b)において、反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、かつ反応槽内のガスを連続的または断続的に排出する。
「反応槽内にフッ素単体(F)を連続的に供給し、かつ反応槽内のガスを連続的に排出する」とは、多孔質ガラス体を保持した反応槽内にフッ素単体(F)またはフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスを連続的に供給しつつ、反応槽内からHFを含むガスの一部を連続的に排出することを意味する。以下、「連続供給・排出方式」とも記す。
「反応槽内にフッ素単体(F)を断続的に供給し、かつ反応槽内のガスを断続的に排出する」とは、多孔質ガラス体を保持した反応槽内にフッ素単体(F)またはフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスを充満した状態で密閉保持した後、反応槽内からHFを含むガスを、すべて排出する工程を、2回以上繰り返すことを意味する。以下、「断続供給・排出方式」とも記す。
連続供給・排出方式は、断続供給・排出方式に比べ、常にHFを排出する点から、単位時間あたりのHFの除去性に優れる。一方で、断続供給・排出方式は、連続供給・排出方式に比べ、多孔質ガラス体の内部で生成したHFが反応槽内の気相部分へと拡散する時間を与えることができるため、単位排出ガス量あたりのHFの除去性に優れる。本発明においては、フッ素単体(F)の使用量を軽減できる点から、断続供給・排出方式が好ましい。
断続供給・排出方式において、多孔質ガラス体を保持した反応槽内にフッ素単体(F)またはフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスを充満した状態で密閉保持する回数は、2〜20回が好ましく、3〜15回がより好ましく、4〜10回がさらに好ましい。密閉保持する回数が1回では、HFの単位時間あたりの除去性が乏しく、工程(c)における透明ガラス化の際のフッ素の脱離を抑制できなくなる。密閉保持する回数が多くなりすぎると、操作が煩雑になる上、単位排出ガス量あたりのHFの除去性が低下する。
断続供給・排出方式において、密閉保持の1回あたりの保持時間は、反応槽内の気相部分の容積、反応槽内の温度、反応槽内の圧力、多孔質ガラス体の質量等によって決定される。断続供給・排出方式の場合、密閉保持の1回あたりの保持時間は0よりも大きい値となる。密閉保持の1回あたりの保持時間は、生産性の点から、短いほど好ましく、1日以下が好ましく、16時間以下がより好ましく、10時間以下がさらに好ましい。
密閉保持の1回あたりの保持時間は、単位排出ガス量あたりのHFの除去性の点から、長いほど好ましく、10秒以上が好ましく、1分以上がより好ましく、10分以上がさらに好ましい。
工程(b)において、反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、
かつ反応槽内のガスを連続的または断続的に排出することによって、反応場で生じたHFを連続的または断続的に排出でき、後述する理由により、多孔質ガラス体において、Si−OHが新たに生成することを抑制でき、多孔質ガラス体の内部のプロトン源を減少できる。結果として、後述する理由により、工程(c)において多孔質ガラス体を透明ガラス化する際に、工程(b)で多孔質ガラス体に導入されたフッ素が脱離することを抑制できる。
一方、多孔質ガラス体の内部のプロトン源が減少しすぎると、後述する理由により、多孔質ガラス体に、400℃以下の低温で1000ppm以上のフッ素を充分な速度で導入することが困難となる。
したがって、多孔質ガラス体の内部のプロトン源の量が、工程(b)における低温でのフッ素の導入と、工程(c)におけるガラス体から脱離するフッ素の量の低減と、を両立できるような範囲となるように、工程(b)において反応場内で生じるHFの除去を制御することが好ましい。
多孔質ガラス体の内部のプロトン源の量は、直接的には観察できないが、たとえば、フッ素単体(F)の消費速度として見積もることできる。また、単位時間あたりに排出されるHFの量は、排出されるガスをフッ化ナトリウムと接触させて、ガスに含まれるHFをフッ化ナトリウムに吸着させ、フッ化ナトリウムの質量変化から見積もることができる。
フッ素単体(F)の消費速度は、連続供給・排出方式、断続供給・排出方式のいずれにおいても、下式によって求めることができる。
[消費速度]=([供給量]−[排出量])/[滞留時間]
ただし、[消費速度]は、単位時間、単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の消費量(モル)であり、[供給量]は反応槽に供給した単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の量(モル)であり、[排出量]は反応槽から排出された単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の量(モル)であり、[滞留時間]は下式から求められる時間である。
[滞留時間]=「反応槽内の気相部分の総量」/[供給速度]+[密閉保持時間]。
ただし、[反応槽内の気相部分の総量]は、反応槽内の気相に含まれるガス成分の総量(モル)であり、[供給速度]は、工程(b)における雰囲気がフッ素単体(F)のみの場合は、単位時間あたりに反応槽に供給されたフッ素単体(F)の供給量(モル)であり、工程(b)における雰囲気がフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスからなる雰囲気の場合は、単位時間あたりに反応槽に供給されたフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスの総供給量(モル)であり、密閉保持時間は、密閉保持の1回あたりの所要時間である。断続供給・排出方式において、上記パラメータはいずれも1サイクルあたりの値を表す。1サイクルとは、多孔質ガラス体を保持した反応槽内にフッ素単体(F)またはフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスを充満し、その状態で密閉保持した後、反応槽内からHFを含むガスをすべて排出する工程を1度行うことを示す。
単位時間あたりに反応槽内から排出されるフッ素単体(F)の排出量は、たとえば排出されるガスをフッ化ナトリウムと接触させて、ガスに含まれるHFをフッ化ナトリウムに吸着させて除去した後、吸着除去されずに残ったガスを水酸化カリウム水溶液と接触させてガスに含まれるフッ素単体(F)を水酸化カリウム水溶液と反応させ、水酸化カリウム水溶液中に含まれるフッ素イオンを、Fイオン電極を用いて測定し、算出できる。
本発明においては、工程(b)において、フッ素単体(F)の消費速度が所定速度となるように、フッ素単体(F)の供給量、排出量および滞留時間を制御することが好ましい。
所定速度とは、工程(b)における低温でのフッ素の導入と、工程(c)におけるガラス体から脱離するフッ素の量の低減と、を両立できるような消費速度の好適な範囲である。フッ素単体(F)の消費速度の好適な範囲は、反応槽内の気相部分の容積、反応槽内の温度、フッ素単体(F)の分圧、多孔質ガラス体の質量等によって変化するため、実際に予備実験を実施することで求めることができる。
滞留時間の好適な範囲は、反応槽内の気相部分の容積、反応槽内の温度、フッ素単体(F)の分圧、多孔質ガラス体の質量等によって変化するため、実際に予備実験を実施することで求めることができる。
滞留時間は、生産性の点から、短いほど好ましく、1週以下が好ましく、5日以下がより好ましく、2日以下がさらに好ましい。
滞留時間は、単位排出ガス量あたりのHFの除去性の点から、長いほど好ましく、10秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上がさらに好ましい。
多孔質ガラス体に1000質量ppm以上、すなわち0.05モル/kgのフッ素を導入するための、消費速度の好適な範囲は、生産性の点から、3.1×10−4モル/(hr・kg)以上であることが好ましく、4.4×10−4モル/(hr・kg)以上が好ましく、1.1×10−3モル/(hr・kg)以上がさらに好ましい。また、消費速度が過度に高すぎると、後述の理由から透明ガラス化させる際にフッ素を含有した多孔質ガラス体から脱離するフッ素量の抑制が困難になることから、0.08モル/(hr・kg)以下であることが好ましく、0.06モル/(hr・kg)以下であることがより好ましく、0.05モル/(hr・kg)以下がさらに好ましい。
反応槽内の圧力は、ゲージ圧で1MPa以下が好ましく、0.6MPa以下がより好ましく、0.3MPa以下がさらに好ましい。反応槽内の圧力が低いほど、多孔質ガラス体の内部からのHFの除去を促進させ、HFを効率よく排出できる。
反応槽内の圧力は、ゲージ圧で0MPa以上が好ましい。反応槽内の圧力が大気圧未満になると、反応槽内に外気が吸引されるおそれがある。外気中に含まれる水分、揮発性有機物等は、フッ素単体(F)と反応してHFを生成する。
反応槽内の温度は、400℃以下であり、250℃以下が好ましく、220℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましく、100℃以下が特に好ましい。反応槽内の温度が低いほど、反応槽の材料の選択幅が広くなり、設備コストが抑えられる。
反応槽内の温度は、−50℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。反応槽内の温度が高いほど、多孔質ガラス体の内部へのフッ素単体(F)の拡散が進行しやすく、また、多孔質ガラス体へのフッ素の導入時間が短縮される。
工程(b)の終期には、多孔質ガラス体の内部のプロトン源の量が少なくなり、反応速度が低下する場合がある。該場合は、必要に応じて、上述した範囲内でフッ素単体(F)の濃度、密閉保持の1回あたりの保持時間、反応槽内の温度、反応槽内の圧力を高くしても問題はない。
(工程(b’))
工程(b)と工程(c)との間に、フッ素を含有した多孔質ガラス体中に吸着する未反応のフッ素単体(F)を多孔質ガラス体から除去するために、工程(b)で得られたフッ素を含有した多孔質ガラス体を、同反応槽内にて、大気圧未満の条件下に保持し、フッ素を含有した多孔質ガラス体の脱気処理を行うことが好ましい。
反応槽内の圧力は、13000Pa以下が好ましく、1300Pa以下が特に好ましい。
反応槽内の温度は、脱気処理を効率的に行うために、30〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましく、60〜200℃が特に好ましい。
(工程(c))
工程(b)で得られたフッ素を含有した多孔質ガラス体を、ガラス化炉内にて、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明ガラス体を得る。
ガラス化炉は、下記の透明ガラス化温度で使用するため、ガラス化炉としては、耐熱性の観点から、工程(b)で使用した反応槽をそのまま使うことはできない。そのため、工程(b)で得られたフッ素を含有した多孔質ガラス体は、反応槽からガラス化炉へと移動されることになる。移動の際、たとえば移動式密閉容器を使用し、大気に触れないように移動させる手法もあるが、操作が煩雑となる欠点がある。さらには、10kgを超える大きなサンプルを取り扱うためには、設備が大型化され、コストが増加する問題がある。すなわち、より簡便な手法で移動する際には必ず、フッ素を含有した多孔質ガラス体が大気と接触することとなる。
透明ガラス化温度は、通常は1350〜1800℃であり、1400〜1750℃が好ましい。
ガラス化炉内の雰囲気としては、不活性ガス(ヘリウムガス、アルゴンガス等)のみからなる雰囲気、または不活性ガス(ヘリウムガス、アルゴンガス等)を主成分とする雰囲気が好ましい。
ガラス化炉内の圧力は、大気圧でもよく、大気圧未満でもよい。大気圧未満の場合は、13000Pa以下が好ましい。
(工程(d))
工程(c)で得られたフッ素を含有した透明ガラス体を、軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形し、フッ素を含有した成形ガラス体を得る。
成形温度は、1500〜1800℃が好ましい。成形温度が1500℃以上であれば、フッ素を含有した透明ガラス体が実質的に自重変形する位に十分粘性が下がる。また、SiOの結晶相であるクリストバライトの成長(TiO−SiOガラス体の場合はさらにTiOの結晶相であるルチルもしくはアナターゼの成長)が起こりにくく、いわゆる失透の発生を防止できる。成形温度が1800℃以下であれば、SiOの昇華が抑えられる。
工程(d)を行う場合、工程(c)と工程(d)を連続的に行ってもよく、工程(c)と工程(d)を同時に行ってもよい。
(工程(e))
工程(c)で得られた透明ガラス体を、600〜1200℃の温度にて1時間以上保持した後、10℃/hr以下の平均降温速度で500〜900℃まで降温するアニール処理を行い、ガラスの仮想温度を制御する。
または、工程(d)で得られた1200℃以上の成形ガラス体を、60℃/hr以下の平均降温速度で500〜900℃まで降温するアニール処理を行い、ガラスの仮想温度を制御する。
ガラス体を500℃以下まで降温した後は放冷できる。
工程(e)における雰囲気は、不活性ガス(ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス等)のみからなる雰囲気であってもよく、不活性ガスを主成分とする雰囲気であってもよく、空気からなる雰囲気であってもよい。
工程(e)における圧力は、大気圧未満または大気圧が好ましい。
より低い仮想温度を達成するためには、ガラスの徐冷点や歪点付近の温度域をより低い冷却速度で冷却することが有効である。具体的には、工程(e)の冷却プロファイルにおいて、最も低い冷却速度が10℃/hr以下であることが好ましく、より好ましくは5℃/hr、さらに好ましくは3℃/hr、特に好ましくは2℃/hrである。
(作用効果)
以上説明した本発明の合成石英ガラスの製造方法にあっては、フッ素源として反応性の高いフッ素単体(F)を用いているため、多孔質ガラス体へのフッ素の導入を400℃以下の低温で実施ができる。また、下記の理由から、フッ素源としてフッ素単体(F)を用いているにもかかわらず、安定して、最終的に得られる合成石英ガラスのフッ素濃度を1000ppm以上とすることができる。
理由:
多孔質ガラス体には、該多孔質ガラス体を構成するSiO骨格中のSi−O結合のうち、構造的に不安定な部位があり、また、Si−OH等の不安定な官能基を有する部位がある。工程(b)においてこれら不安定な部位に、SiFよりも反応性が高いフッ素単体(F)を反応させることによって、Si−F結合の形成が促進される
さらに、Si−OH等のプロトン源は、フッ素源としてフッ素単体(F)を用いた場合、下式の反応によってHFを生成させる。
2Si−OH+2F→2Si−F+2HOF→2Si−F+2HF+O
2Si−OH+2F→2Si−OF+2HF→2Si−F+O+2HF
生成したHFは、多孔質ガラス体の安定なSi−O−Si骨格と反応して、再びSi−OHが形成される。再び形成されたSi−OHも同様にプロトン源として働き、HFを生成させることとなる。すなわち、プロトン源が触媒の働きをする。
以上の作用によって、フッ素源としてフッ素単体(F)を用いることによって、400℃以下の低温で、多孔質ガラス体に1000ppm以上のフッ素を導入できる。
一方で、工程(c)における反応場に、たとえばSi−OH等のプロトン源が存在した場合、該プロトン源を起点として、下式の反応によってHFが生じ、フッ素を含有した多孔質ガラス体から脱離する。
Si−OH+Si−F→Si−O−Si+HF
加えて、工程(c)において、HFは比較的安定なSi−O−Si骨格と反応し、たとえば、Si−O−SiFのO−Si骨格を切断し、SiF、SiFOH等の低分子量の化合物を形成させる。低分子量の化合物は、透明ガラス化の際、ガス化するため、反応場より脱離する。以上の作用によって、工程(c)においてフッ素を含有した多孔質ガラス体に導入したフッ素が減少すると考えられる。したがって、工程(c)の前に、多孔質ガラス体の内部に存在するプロトン源を減少させることによって、透明ガラス化させる際にフッ素を含有した多孔質ガラス体から脱離するフッ素の量を低減することができると考えられる。たとえば、本発明者らは、工程(b)において、反応槽内に、HFを吸着するフッ化ナトリウムを存在させ、多孔質ガラス体の内部に存在するプロトン源を減少させることを試みている(特願2008−259711)。しかし、工程(b)において触媒の働きをするプロトン源を減少させすぎると、多孔質ガラス体にフッ素を充分に導入できない。
以上のように、工程(b)において多孔質ガラス体にフッ素を充分な速度で導入するには多くのプロトン源が必要であるのに対して、工程(c)において透明ガラス化の際のフッ素の脱離を抑制するには、多孔質ガラス体中のプロトン源を極力減少させなければならず、工程(b)における低温でのフッ素の導入と、工程(c)におけるガラス体から脱離するフッ素の量の低減とは、トレードオフの関係となっている。
よって、本発明においては、工程(b)において、反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、かつ前記反応槽内のガスを連続的または断続的に排出することで、反応場内で生じるHFの除去を制御することによって、充分な反応速度を維持したまま、工程(c)において透明ガラス化させる際に脱離するフッ素の量を低減でき、安定して、最終的に得られる合成石英ガラスのフッ素濃度を1000ppm以上とすることができる。
<合成石英ガラス>
(フッ素濃度)
本発明の製造方法によれば、フッ素濃度が1000ppm以上である合成石英ガラスを製造できる。合成石英ガラスのフッ素濃度は、3000ppm以上が好ましく、5000ppm以上がより好ましく、7000ppm以上がより好ましい。
フッ素濃度は、蛍光X線にて、既知のフッ素濃度のサンプルを用い、FP法(ファンダメンタルパラメータ法)を用いて求められる。
本発明の製造方法によれば、フッ素濃度のバラツキ、すなわちフッ素濃度の変動幅ΔFがきわめて小さい合成石英ガラスを製造できる。合成石英ガラスのフッ素濃度の変動幅ΔFは、フッ素濃度の平均値に対して±10%以内が好ましく、±8%以内がより好ましく、±5%以内がさらに好ましく、±3%以内が特に好ましい。たとえば、フッ素濃度の平均値が1000ppmであるTiO−SiOガラスの場合、900ppm〜1100ppmの範囲が好ましく、970ppm〜1030ppmの範囲が特に好ましい。
工程(d)または工程(e)を経て得られた成形ガラス体のフッ素濃度の変動幅ΔFは、たとえば、下記の手順で測定できる。
外周部分を研削して直径:約85mm、厚さ:50mmに成形した円柱状の成形ガラス体において、円柱底面の任意の直径と円周との2つの交点から約6mm中心に移動した2点をそれぞれ点A、点Bとする。点A、点Bを通り、直径方向に直交する面(それぞれ面A、面Bとする。)でスライスし、外周部を除去する。面Aから面Bに向かって12mmの間隔で直径方向に直行する面でスライスし、厚さ:12mmのガラス片を6つ得る。得られた6つのガラス片に対し、それぞれのガラス片の面Aと同じ側にある面のフッ素濃度を6点、および面Bのフッ素濃度1点の計7点のフッ素濃度を、蛍光X線にて、既知のフッ素濃度のサンプルを用い、FP法(ファンダメンタルパラメータ法)を用いて求める。得られた7点のフッ素濃度の平均値と、最大値と最小値の差から、成形ガラス体全体におけるフッ素濃度の変動幅(ΔF=[最大値と最小値の差]/2)を求める。
(仮想温度)
本発明の製造方法によれば、仮想温度の変動幅(ΔTf)がきわめて小さい合成石英ガラスを製造できる。合成石英ガラスの仮想温度の変動幅ΔTfは、50℃以内が好ましく、30℃以内がより好ましく、15℃以内がさらに好ましく、5℃以内が特に好ましい。
工程(d)または工程(e)を経て得られた成形ガラス体の仮想温度の変化幅ΔTfは、たとえば、下記の手順で測定できる。
円柱状の成形ガラス体の中心部分から2箇所、外周部分から2箇所、中心部分と外周部分との中間部分から2箇所、それぞれガラス片を採取し、鏡面研磨を実施する。鏡面研磨されたガラス片について、赤外吸収スペクトルを、赤外分光計(Nicolet社製、Magna760)を用いて取得する。この際、データ間隔は約1.0cm−1にし、吸収スペクトルは、64回スキャンさせた平均値とする。得られた赤外吸収スペクトルにおいて、約2260cm−1付近に観察されるピークが合成石英ガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動の倍音に起因する。該ピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスによって検量線を作成し、仮想温度を求める。それぞれのガラス片について仮想温度を2点測定し、2点の仮想温度を平均して、中心部分、中間部分、外周部分それぞれの平均仮想温度を算出し、それらの平均仮想温度の最大値と最小値の差から、成形ガラス体全体における仮想温度の変動幅(ΔTf=[平均仮想温度の最大値と最小値の差])を求める。
(TiO−SiOガラス)
TiO−SiOガラスのTiO含有量は、1〜12%が好ましく、3〜10%がより好ましく、5〜8%が特に好ましい。TiO含有量が少なすぎると、ゼロ膨張にならないおそれがある。TiO含有量が多すぎると、熱膨張係数が負となるおそれがある。
TiO−SiOガラスの仮想温度は、1200℃以下が好ましく、1100℃以下がより好ましく、1000℃以下が特に好ましい。仮想温度が1200℃を超えると、ゼロ膨張の温度範囲が狭く、EUVリソグラフィ用の光学系部材として用いる材料としては不充分になるおそれがある。ゼロ膨張の温度範囲を広げるためには、仮想温度は950℃以下が好ましく、900℃以下がより好ましい。
本発明の製造方法によりTiO−SiOガラスを製造し、熱膨張係数を評価し、該結果をフッ素濃度、TiO含有量、仮想温度にフィードバックすることで、TiO−SiOガラスの熱膨張係数を調整できる。たとえば、本発明の製造方法で得られたTiO−SiOガラスであって、熱膨張係数0±5ppb/℃の温度範囲が18〜26℃であったものに対して、温度範囲を18〜40℃にする場合、フッ素濃度を増やす、仮想温度を下げる、TiO含有量を上げる、ことによって達成できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
例1〜3、7、12は比較例であり、例4〜6、8〜11は実施例である。
(フッ素濃度)
得られた成形TiO−SiOガラス体のフッ素濃度は、蛍光X線にて、既知のフッ素濃度のサンプルを用い、FP法(ファンダメンタルパラメータ法)を用いて求めた。
〔例1〕
(工程(a))
TiO−SiOガラスのガラス形成原料であるTiClおよびSiClを、そ
れぞれガス化させた後に混合し、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO−SiOガラス微粒子を基材に堆積、成長させて、多孔質TiO−SiOガラス体を形成した。
(工程(a’))
得られた多孔質TiO−SiOガラス体は、そのままではハンドリングしにくいため、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持した後、基材から外し、直径:約80mm、長さ:約100mm、嵩密度:0.3g/cmの多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(b))
多孔質TiO−SiOガラス体をPFA製の冶具に担持させ、冶具とともにニッケル製反応槽(容積:1L)に入れた。
オイルバスを用いて反応槽の外部から加熱し、反応槽内の温度を昇温速度0.5〜2℃/minの範囲で常温から80℃まで加熱した。
反応槽内を80℃に保ったまま、反応槽内の圧力が絶対圧で2660Pa以下となるまで真空脱気し、1時間保持した。
溜込方式:
フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内に供給し、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.21MPaとなったところで供給を停止した。圧力:ゲージ圧で0.21MPa、温度:140℃の条件下で24時間保持し、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(c))
フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を、大気に接触する状態でガラス化炉に移した。ガラス化炉にて減圧条件下で1360℃まで加熱し、3時間保持した後、ヘリウムガス100%の雰囲気下で透明ガラス化温度(1450℃)まで加熱し、4時間保持し、フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(d))
フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を、カーボン炉に移し、アルゴンガス雰囲気下で軟化点以上の温度(1700℃)に加熱して円柱状に成形して、フッ素を含有した成形TiO−SiOガラス体を得た。成形TiO−SiOガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
〔例2〕
工程(b)にて、反応槽内に多孔質TiO−SiOガラス体を入れた後、さらにフッ化ナトリウムのペレット(ステラケミファ製)を、多孔質TiO−SiOガラス体と接しないように反応槽内に挿入した以外は、例1と同様にしてフッ素を含有した成形TiO−SiOガラス体を得た。成形TiO−SiOガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
〔例3〕
工程(b)における圧力をゲージ圧で0.18MPaに変更し、温度を80℃に変更した以外は、例2と同様にしてフッ素を含有した成形TiO−SiOガラス体を得た。成形TiO−SiOガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
〔例4〕
工程(b)における溜込方式を、下記の連続供給・排出方式に変更し、その後工程(b’)を実施した以外は、例1と同様にしてフッ素を含有した成形TiO−SiOガラス体を得た。成形TiO−SiOガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
(工程(b))
連続供給・排出方式:
フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内の圧力が大気圧となるまで供給した。
フッ素単体(F)を窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、25ml/minの流量で連続的に供給しつつ、反応槽内の圧力が大気圧で一定となるように、反応槽内のガスを連続的に排出しながら、圧力:ゲージ圧で0.0MPa、温度:80℃の条件下で6時間保持し、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(b’):脱気処理)
同じ反応槽内にて、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を、圧力:絶対圧で2660Pa以下、温度:140℃の条件下で3時間保持し、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を脱気処理した。
〔例5〕
工程(b)における溜込方式を、下記の断続供給・排出方式に変更し、その後工程(b’)を実施した以外は、例1と同様にしてフッ素を含有した成形TiO−SiOガラス体を得た。成形TiO−SiOガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
(工程(b))
断続供給・排出方式:
(1)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内に供給し、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.18MPaとなったところで供給を停止した。圧力:ゲージ圧で0.18MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
(2)反応槽内のガスをパージして大気圧まで降圧し、フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを100ml/minで20分間流通させて反応槽内のフッ素単体(F)を更新した。
(3)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内に供給し、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.18MPaとなったところで供給を停止した。圧力:ゲージ圧で0.18MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
その後、(2)〜(3)の操作をさらに2回繰り返し、多孔質TiO−SiOガラス体を密閉保持する時間を合計で24時間とし、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(b’):脱気処理)
同じ反応槽内にて、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を、圧力:絶対圧で2660Pa以下、温度:140℃の条件下で3時間保持し、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を脱気処理した。
〔例6〕
(工程(a))
TiO−SiOガラスのガラス形成原料であるTiClおよびSiClを、そ
れぞれガス化させた後に混合し、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO−SiOガラス微粒子を基材に堆積、成長させて、多孔質TiO−SiOガラス体を形成した。
(工程(a’))
得られた多孔質TiO−SiOガラス体は、そのままではハンドリングしにくいため、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持した後、基材から外し、直径:約300mm、長さ:約250mm、嵩密度:0.65g/cmの多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(b))
多孔質TiO−SiOガラス体をSUS316L製の冶具に担持させ、冶具とともにSUS316L製反応槽(容積:50L)に入れた。
マントルヒータを用いて反応槽の外部から加熱し、反応槽内の温度を昇温速度0.5〜2℃/minの範囲で常温から80℃まで加熱した。
反応槽内を80℃に保ったまま、反応槽内の圧力が絶対圧で13000Pa以下となるまで真空脱気し、1時間保持した。
断続供給・排出方式:
(1)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.05MPaとなるまで供給し、圧力:ゲージ圧で0.05MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
(2)反応槽内のガスをパージして大気圧まで降圧し、フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを400ml/minで流通させて反応槽内のフッ素単体(F)を更新した。
(3)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.05MPaとなるまで供給し、圧力:ゲージ圧で0.05MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
その後、(2)〜(3)の操作をさらに4回繰り返し、多孔質TiO−SiOガラス体を密閉保持する時間を合計で36時間とし、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(b’):脱気処理)
反応槽内を140℃まで加熱した後、反応槽内の圧力が絶対圧で13000Pa以下となるまで真空脱気した状態で3時間保持し、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(c))
フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を、ガラス化炉に移し、減圧条件下で1360℃まで加熱し、3時間保持した後、ヘリウムガス100%の雰囲気下で透明ガラス化温度(1450℃)まで加熱し、4時間保持し、フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(d))
フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を、カーボン炉に移し、アルゴンガス雰囲気下で軟化点以上の温度(1700℃)に加熱して円柱状に成形して、フッ素を含有した成形TiO−SiOガラス体を得た。成形TiO−SiOガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
(フッ素濃度の変動幅ΔF)
例6で得られた円柱状の成形TiO−SiOガラス体の外周部分を研削して、直径:85mm、厚さ:50mmの円柱状とし、上述の方法によって得られる厚さ:12mmの6つのガラス片に対し、それぞれのガラス片の面Aと同じ側にある面のフッ素濃度を6点、および面Bのフッ素濃度1点の計7点のフッ素濃度を、蛍光X線にて、既知のフッ素濃度のサンプルを用い、FP法(ファンダメンタルパラメータ法)を用いて求めた。7点のフッ素濃度の最大値と最小値から成形TiO−SiOガラス体全体におけるフッ素濃度の変動幅(ΔF)を求めた。平均フッ素濃度が4300ppm、最大値が4700ppm、最小値が3900ppmとなり、フッ素濃度の変動幅ΔFがフッ素濃度の平均値に対して±9%であった。
〔例7〕
(工程(a))
合成石英ガラスのガラス形成原料であるSiClを酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られる石英ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて、多孔質ガラス体を形成した。
(工程(a’))
得られた多孔質ガラス体は、そのままではハンドリングしにくいため、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持した後、基材から外し、直径:約80mm、長さ:約100mm、嵩密度:0.65g/cmの多孔質ガラス体を得た。
(工程(b))
多孔質ガラス体をPFA製の冶具に担持させ、冶具とともにニッケル製反応槽(容積:1L)に入れた。
オイルバスを用いて反応槽の外部から加熱し、反応槽内の温度を昇温速度0.5〜2℃/minの範囲で常温から80℃まで加熱した。
反応槽内を80℃に保ったまま、反応槽内の圧力が絶対圧で2660Pa以下となるまで真空脱気し、1時間保持した。
溜込方式:
フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内に供給し、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.05MPaとなったところで供給を停止した。圧力:ゲージ圧で0.05MPa、温度:80℃の条件下で24時間保持し、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得た。
(工程(c))
フッ素を含有した多孔質ガラス体を、ガラス化炉に移し、減圧条件下で1360℃まで加熱し、3時間保持した後、ヘリウムガス100%の雰囲気下で透明ガラス化温度(1450℃)まで加熱し、4時間保持し、フッ素を含有した透明ガラス体を得た。
(工程(d))
フッ素を含有した透明ガラス体を、カーボン炉に移し、アルゴンガス雰囲気下で軟化点以上の温度(1700℃)に加熱して円柱状に成形して、フッ素を含有した成形ガラス体を得た。成形ガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
〔例8〕
工程(b)における溜込方式を、下記の断続供給・排出方式に変更した以外は、例7と同様にしてフッ素を含有した成形ガラス体を得た。成形ガラス体のフッ素濃度を測定した。結果を表1に示す。
(工程(b))
断続供給・排出方式:
(1)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.05MPaとなるまで供給し、圧力:ゲージ圧で0.05MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
(2)反応槽内のガスをパージして大気圧まで降圧し、フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを400ml/minで2時間流通させて反応槽内のフッ素単体(F)を更新した。
(3)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.05MPaとなるまで供給し、圧力:ゲージ圧で0.05MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
その後、(2)〜(3)の操作をさらに2回繰り返し、多孔質ガラス体を密閉保持する時間を合計で24時間とし、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得た。
Figure 2011225438
フッ化ナトリウムを用いず、連続供給・排出方式を採用した例4においては、フッ化ナトリウムを用いた溜込方式の例3と同様のフッ素濃度を達成でき、連続供給・排出方式の効果が確認できる。断続供給・排出方式を採用した例5、6においては、例4の場合と同様もしくはそれ以上のフッ素濃度を達成でき、断続供給・排出方式の効果が確認できる。
例7と例8において、TiOを含有しない多孔質ガラス体を用い、溜込方式と断続供給・排出方式を採用したものとを比較すると、最終的に得られる成形ガラス体のフッ素濃度が溜込方式では500ppmと低くなった。これは、工程(b)において、HFによって形成されるプロトン源(Si−OH)を減少させることができず、結果として、工程(c)でフッ素の脱離を引き起こしたためだと考えられる。一方で、断続供給・排出方式を採用した例8においては、3000ppmを超えるフッ素濃度を達成でき、断続供給・排出方式の効果が確認できる。
〔例9〕
(工程(a))
TiO−SiOガラスのガラス形成原料であるTiClおよびSiClを、そ
れぞれガス化させた後に混合し、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO−SiOガラス微粒子を基材に堆積、成長させて、多孔質TiO−SiOガラス体を形成した。
(工程(a’))
得られた多孔質TiO−SiOガラス体は、そのままではハンドリングしにくいため、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持した後、基材から外し、直径:約300mm、長さ:約250mm、嵩密度:0.30g/cmの多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(b))
多孔質TiO−SiOガラス体をSUS316L製の冶具に担持させ、冶具とともにSUS316L製反応槽(容積:50L)に入れた。
マントルヒータを用いて反応槽の外部から加熱し、反応槽内の温度を昇温速度0.5〜2℃/minの範囲で常温から80℃まで加熱した。
反応槽内を80℃に保ったまま、反応槽内の圧力が絶対圧で13000Pa以下となるまで真空脱気し、1時間保持した。
断続供給・排出方式:
(1)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.05MPaとなるまで供給し、圧力:ゲージ圧で0.05MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
(2)反応槽内のガスをパージして大気圧まで降圧し、フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを400ml/minで流通させて反応槽内のフッ素単体(F)を更新した。
(3)フッ素単体(F)を露点が−60℃以下の窒素ガスで20mol%に希釈した混合ガスを、反応槽内の圧力がゲージ圧で0.05MPaとなるまで供給し、圧力:ゲージ圧で0.05MPa、温度:80℃の条件下で6時間密閉保持した。
その後、(2)〜(3)の操作をさらに4回繰り返し、多孔質TiO−SiOガラス体を密閉保持する時間を合計で24時間とし、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
上記操作(1)〜(3)における、フッ素単体(F)の供給量、排出量および滞留時間を測定したところ、それぞれ2.29モル、0.20モルおよび34.7時間であった。消費速度を算出したところ、0.060モル/hrであった。結果を表2に示す。
(工程(b’):脱気処理)
反応槽内を140℃まで加熱した後、反応槽内の圧力が絶対圧で13000Pa以下となるまで真空脱気した状態で5時間保持し、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(c))
フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を、ガラス化炉に移し、減圧条件下で1360℃まで加熱し、3時間保持した後、ヘリウムガス100%の雰囲気下で透明ガラス化温度(1450℃)まで加熱し、4時間保持し、フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(d))
フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を、カーボン炉に移し、アルゴンガス雰囲気下で軟化点以上の温度(1700℃)に加熱して円柱状に成形して、フッ素を含有した成形TiO−SiOガラス体を得た。
(工程(e))
工程(d)で得られた成形ガラス体を、1000℃にて1時間以上保持した後、940℃まで降温するアニール処理を行い、940℃で1時間以上保持した後、降温および放冷した。
(フッ素濃度の変動幅ΔFと工程(c、d)におけるF脱離量)
工程(e)で得られた円柱状の成形TiO−SiOガラス体の外周部分を研削して、直径:85mm、厚さ:50mmの円柱状とし、上述の方法によって得られる厚さ:12mmの6つのガラス片に対し、それぞれのガラス片の面Aと同じ側にある面のフッ素濃度を6点、および面Bのフッ素濃度1点の計7点のフッ素濃度を、蛍光X線にて、既知のフッ素濃度のサンプルを用い、FP法(ファンダメンタルパラメータ法)を用いて求めた。7点のフッ素濃度の最大値と最小値から成形TiO−SiOガラス体全体におけるフッ素濃度の変動幅(ΔF)を求めた。平均フッ素濃度が4900ppm、最大値が5250ppm、最小値が4660ppmとなり、フッ素濃度の変動幅ΔFが590ppmと、フッ素濃度の平均値に対して±6%であった。また、工程(c、d)におけるF脱離量は7300ppmであった。
(平均仮想温度)
工程(e)で得られた成形円柱状の成形ガラス体の中心部分から1箇所、外周部分から1箇所、中心部分と外周部分との中間部分から1箇所、それぞれガラス片を採取し、鏡面研磨を実施した。鏡面研磨したガラス片について、赤外吸収スペクトルを、赤外分光計(Nicolet社製、Magna760)を用いて取得し、本文中記載の方法で仮想温度を算出した。平均仮想温度は920℃、仮想温度変動幅は20℃であった。結果を表3に示す。
〔例10〕
工程(b)の反応温度を140℃とし、(2)〜(3)の操作を合計6回行った以外は〔例9〕と同様にしてフッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。フッ素単体(F)の供給量、排出量および滞留時間を測定したところ、それぞれ3.43モル、0.03モルおよび52.0時間であった。消費速度を算出したところ、0.065モル/hrであった。結果を表2に示す。
工程(b’)、(c)、(d)、(e)およびフッ素濃度、仮想温度測定において〔例9〕と同様に行った。結果を表3に示す。
〔例11〕
工程(b)の反応温度を80℃とし、(2)〜(3)の操作を合計2回行った以外は〔例9〕と同様にしてフッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得た。フッ素単体(F)の供給量、排出量および滞留時間を測定したところ、それぞれ1.14モル、0.29モルおよび17.3時間であった。消費速度を算出したところ、0.049モル/hrであった。結果を表2に示す。
工程(b’)、(c)、(d)、(e)およびフッ素濃度、仮想温度測定において〔例9〕と同様に行った。結果を表3に示す。
〔例12〕
〔例1〕と同様に工程(a)、(a’)、(b)、(c)、(d)を実施し、供給量、排出量、滞留時間、消費速度、脱離量を算出した。結果を表2、3に示す。
Figure 2011225438
Figure 2011225438
消費速度が0.095モル/(hr・kg)である例12では、脱離量が極めて多く、フッ素導入量は500ppmと低くなった。これに対して、消費速度が約0.01モル/(hr・kg)となるように供給量、排出量および滞留時間を制御した例9、10、11では、3000ppmを大きく超えるフッ素導入量を達成できた。さらに、フッ素濃度変動幅と仮想温度変動幅を小さくすることができた。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本発明の製造方法によって製造される合成石英ガラスは、紫外線を扱う光学素子や光学部材、屈折率が制御された光学素子や光学部材として好適である。また、本発明の製造方法によって製造されるTiO−SiOガラスは、超低熱膨張特性が要求される光学部材、特にEUVリソグラフィ用の露光装置の光学系部材として好適である。

Claims (4)

  1. フッ素濃度が1000質量ppm以上である合成石英ガラスを製造する方法であって、
    (a)ガラス形成原料を火炎加水分解して得られる石英ガラス微粒子を、基材に堆積、成長させて、多孔質ガラス体を形成する工程と、
    (b)前記多孔質ガラス体を、反応槽内にて、400℃以下のフッ素単体(F)含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質ガラス体を得る工程と、
    (c)前記フッ素を含有した多孔質ガラス体を、ガラス化炉内にて、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明ガラス体を得る工程と
    を有し、
    前記工程(b)において、前記反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、かつ前記反応槽内のガスを連続的または断続的に排出する、合成石英ガラスの製造方法。
  2. フッ素濃度が1000質量ppm以上である、TiOを含有する合成石英ガラス(TiO−SiOガラス)を製造する方法であって、
    (a)ガラス形成原料を火炎加水分解して得られるTiO−SiOガラス微粒子を、基材に堆積、成長させて、多孔質TiO−SiOガラス体を形成する工程と、
    (b)前記多孔質TiO−SiOガラス体を、反応槽内にて、400℃以下のフッ素単体(F)含有雰囲気下に保持して、フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を得る工程と、
    (c)前記フッ素を含有した多孔質TiO−SiOガラス体を、ガラス化炉内にて、透明ガラス化温度まで加熱して、フッ素を含有した透明TiO−SiOガラス体を得る工程と
    を有し、
    前記工程(b)において、前記反応槽内にフッ素単体(F)を連続的または断続的に供給し、かつ前記反応槽内のガスを連続的または断続的に排出する、合成石英ガラスの製造方法。
  3. 前記工程(b)において、下式で求められるフッ素単体(F)の消費速度が所定速度となるように、フッ素単体(F)の供給量、排出量および滞留時間を制御する、請求項1または2に記載の合成石英ガラスの製造方法。
    [消費速度]=([供給量]−[排出量])/[滞留時間]
    ただし、[消費速度]は、単位時間、単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の消費量(モル)であり、[供給量]は反応槽に供給した単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の量(モル)であり、[排出量]は反応槽から排出された単位多孔質ガラス重量あたりのフッ素単体(F)の量(モル)であり、[滞留時間]は下式から求められる時間である。
    [滞留時間]=「反応槽内の気相部分の総量」/[供給速度]+[密閉保持時間]。
    ただし、[反応槽内の気相部分の総量]は、反応槽内の気相に含まれるガス成分の総量(モル)であり、[供給速度]は、単位時間あたりに反応槽に供給されたフッ素単体(F)またはフッ素単体(F)を不活性ガスで希釈した混合ガスの総供給量(モル)であり、密閉保持時間は、密閉保持の1回あたりの所要時間である。
  4. 前記工程(b)において、フッ素単体(F)の消費速度が3.1×10−4モル/(hr・kg)以上、0.08モル/(hr・kg)以下となる、請求項3に記載の合成石英ガラスの製造方法。
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