JP2011225089A - ステアリング装置の伝達軸およびステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期にわたりガタや異音の発生を防止できるステアリング装置の伝達軸を提供。
【解決手段】中間軸5は筒状の第1軸41及び第2軸42と中実の連結軸43とを備える。第1軸41及び連結軸43は樹脂被膜を介してセレーション嵌合され、かしめ部46によって軸方向相対移動を規制されている。第2軸42及び連結軸43は転動体51を介してトルク伝達可能に結合され、通常時は、転動体51の転動を伴って伸縮量L2の範囲内で伸縮可能である。衝撃吸収時は、連結軸43の一端43aが十字軸54に当接して、連結軸43の収縮が収縮量L3(L3>L2)で規制され、その後、かしめ部46のかしめが外れて連結軸43と第1軸41が収縮し、衝撃吸収ストローク量L1を確保する。
【選択図】図2
【解決手段】中間軸5は筒状の第1軸41及び第2軸42と中実の連結軸43とを備える。第1軸41及び連結軸43は樹脂被膜を介してセレーション嵌合され、かしめ部46によって軸方向相対移動を規制されている。第2軸42及び連結軸43は転動体51を介してトルク伝達可能に結合され、通常時は、転動体51の転動を伴って伸縮量L2の範囲内で伸縮可能である。衝撃吸収時は、連結軸43の一端43aが十字軸54に当接して、連結軸43の収縮が収縮量L3(L3>L2)で規制され、その後、かしめ部46のかしめが外れて連結軸43と第1軸41が収縮し、衝撃吸収ストローク量L1を確保する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリング装置の伝達軸およびステアリング装置に関する。
ステアリング装置の中間軸は、例えばラック軸側からの突き上げ等の車両の挙動に伴って、比較的短いストローク範囲(例えば±7mm程度)で自在に伸縮する機能を要求される。このため、中間軸の内軸および外軸が、互いのセレーション歯を介して伸縮自在に嵌合されている。上記のセレーション歯に樹脂をコーティングすることが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
しかしながら、車両挙動に伴う伸縮時の内軸および外軸の摺動により、樹脂が摩耗し易く、摩耗した場合には、内軸と外軸間に回転方向にガタを生じたり、ラトル音を発生したり、また、伸縮時にスティックスリップに起因する異音が発生したりしていた。
一方、この種の中間軸では、車両の挙動に伴って比較的短いストローク範囲で伸縮する機能に加えて、衝撃吸収時に比較的長いストローク範囲(例えば±65mm程度)で収縮する機能も要求される。従来の中間軸では、衝撃吸収のためのストローク範囲の一部を常時摺動のストローク範囲として利用しており、すなわち、上記のセレーション嵌合部において、両機能に対応していた。このため、上記の摩耗の発生を避けられなかった。
一方、この種の中間軸では、車両の挙動に伴って比較的短いストローク範囲で伸縮する機能に加えて、衝撃吸収時に比較的長いストローク範囲(例えば±65mm程度)で収縮する機能も要求される。従来の中間軸では、衝撃吸収のためのストローク範囲の一部を常時摺動のストローク範囲として利用しており、すなわち、上記のセレーション嵌合部において、両機能に対応していた。このため、上記の摩耗の発生を避けられなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、長期にわたってガタや異音の発生を防止することができる、ステアリング装置の伝達軸およびステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ステアリング装置(1)の操舵力を伝達する伝達軸(5)において、第1軸(41)と、第2軸(42)と、第1軸および第2軸を同軸上に相対回転不能に連結し、第1軸に対して衝撃吸収時に収縮可能で且つ第2軸に対して常時伸縮可能な中実または中空の連結軸(43)と、所定荷重未満での第1軸に対する連結軸の収縮を規制する収縮規制部(46)と、衝撃吸収時に第2軸に対する連結軸の収縮量(L3)を規制するストッパ(54)と、を備え、第1軸および連結軸にそれぞれ設けられたセレーション(44,45)が、何れか一方のセレーションに被覆された樹脂被膜(48)を介して互いに嵌合し、第2軸および連結軸は、第2軸および連結軸にそれぞれ設けられた軸方向溝(49,50)間に介在する転動体(51)を介してトルク伝達可能に且つ転動体の転動を伴って常時伸縮可能に結合され、所定荷重以上の衝撃吸収荷重を受けたときに、上記ストッパによって第2軸に対する収縮量が規制された連結軸と第1軸とが収縮するようにしてあるステアリング装置の伝達軸を提供する(請求項1)。
本発明によれば、車両挙動に伴って、第2軸および連結軸が転動体の転動を伴って伸縮する。常時伸縮においては、転がりを利用するので、抵抗なく非常にスムーズに伸縮でき、また、摩耗等がほとんど発生しない。また、所定以上の衝撃吸収荷重を受けたときには、ストッパによって第2軸に対する連結軸の収縮量が規制された後、第1軸および連結軸が収縮することにより、衝撃吸収のためのストロークを確保することができる。第1軸および連結軸のセレーションは、通常時は摺動しないので、樹脂被膜に摩耗による劣化を防止でき、したがって、長期にわたって、ガタや異音の発生を確実に防止することができる。換言すると、常時伸縮の機能を果たす嵌合部分と、衝撃吸収時に収縮する機能を果たす嵌合部分とを分離して構成したので、両機能を達成しつつ、セレーションの樹脂被膜の摩耗の発生を確実に防止して、長期にガタや異音の発生を防止することができる。
また、上記第2軸および連結軸のうち外側の軸によって、転動体に径方向の予圧が付与されている場合がある(請求項2)。この場合、常時伸縮する第2軸と連結軸との間に、ガタや異音が生ずることがない。
また、上記収縮規制部は、上記第1軸および連結軸の一方を他方にかしめたかしめ部(46)である場合がある(請求項3)。この場合、かしめ部によって、確実に衝撃吸収荷重を確保することができるとともに、樹脂被膜の摩耗の発生を確実に防止することができる。
また、上記収縮規制部は、上記第1軸および連結軸の一方を他方にかしめたかしめ部(46)である場合がある(請求項3)。この場合、かしめ部によって、確実に衝撃吸収荷重を確保することができるとともに、樹脂被膜の摩耗の発生を確実に防止することができる。
また、上記第2軸に固定されたヨーク(55)およびヨークによって支持された上記ストッパとしての十字軸(54)を含む自在継手(6)を備え、衝撃吸収時に、連結軸の一端(43a)が、ヨークに形成された挿通孔(63)を通して、上記ストッパとしての十字軸に当接することにより、第2軸に対する連結軸の収縮量(L3)が規制されるようにしてある場合がある(請求項4)。この場合、本伝達軸をステアリング装置の中間軸として好適に用いることができる。また、十字軸をストッパとして利用するので、別途にストッパを設ける場合と比較して構造を格段に簡素化することができ、製造コストを安くすることができる。
上記の伝達軸を用いたステアリング装置であれば、長期にわたってガタや異音の発生を防止することができ、且つ所要の衝撃吸収性能を確保することができる点で好ましい(請求項5)。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態の添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施の形態の、ステアリング装置の伝達軸としての中間軸を有するステアリング装置の概略構成図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結された操舵軸3と、操舵軸3に連結された自在継手4を一端に有する伝達軸としての中間軸5と、中間軸5の他端に設けられた自在継手6に連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有する転舵軸としてのラック軸8とを備えている。
図1は本発明の一実施の形態の、ステアリング装置の伝達軸としての中間軸を有するステアリング装置の概略構成図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結された操舵軸3と、操舵軸3に連結された自在継手4を一端に有する伝達軸としての中間軸5と、中間軸5の他端に設けられた自在継手6に連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有する転舵軸としてのラック軸8とを備えている。
ピニオン軸7およびラック軸8を含むラックアンドピニオン機構によって、転舵機構A1が構成されている。ラック軸8は、車体側部材9に固定されたハウジング10によって、車両の左右方向に沿う軸方向(紙面とは直交する方向)に移動可能に、支持されている。ラック軸8の各端部は、図示していないが、対応するタイロッドおよび対応するナックルアームを介して対応する転舵輪に連結されている。
操舵軸3は、同軸上に連結された第1操舵軸11と第2操舵軸12とを備えている。第1操舵軸11は、セレーション嵌合を用いて、同伴回転可能に且つ軸方向に相対摺動可能に嵌合されたアッパーシャフト13およびロアーシャフト14を有している。アッパーシャフト13およびロアーシャフト14の何れか一方が内軸を構成し、他方が筒状の外軸を構成している。
また、第2操舵軸12は、ロアーシャフト14と同伴回転可能に連結された入力軸15と、中間軸5の自在継手4に連結された出力軸16と、入力軸15および出力軸16を相対回転可能に連結するトーションバー17とを有している。
操舵軸3は、車体側部材18,19に固定されたステアリングコラム20によって、図示しない軸受を介して回転可能に支持されている。
操舵軸3は、車体側部材18,19に固定されたステアリングコラム20によって、図示しない軸受を介して回転可能に支持されている。
ステアリングコラム20は、軸方向に相対移動可能に嵌め合わされた筒状のアッパージャケット21および筒状のロアージャケット22と、ロアージャケット22の軸方向下端に連結されたハウジング23とを備えている。ハウジング23内には、操舵補助用の電動モータ24の動力を減速して出力軸16に伝達する減速機構25が収容されている。
減速機構25は、電動モータ24の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤ26と、駆動ギヤ26に噛み合い出力軸16と同伴回転する被動ギヤ27とを有している。駆動ギヤ26は例えばウォーム軸からなり、従動ギヤ27は例えばウォームホイールからなる。
減速機構25は、電動モータ24の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤ26と、駆動ギヤ26に噛み合い出力軸16と同伴回転する被動ギヤ27とを有している。駆動ギヤ26は例えばウォーム軸からなり、従動ギヤ27は例えばウォームホイールからなる。
ステアリングコラム20には、車両後方側のアッパーブラケット28および車両前方側のロアーブラケット29を介して車体側部材18,19に固定されている。アッパーブラケット28は、後述するコラムブラケットを介してステアリングコラム20のアッパージャケット21に固定可能とされている。アッパーブラケット28は、車体側部材18から下方に突出する固定ボルト(スタッドボルト)30と、当該固定ボルト30に螺合するナット31と、アッパーブラケット28に離脱可能に保持されたカプセル32とを用いて、車体側部材18に固定されている。
ロアーブラケット29は、ステアリングコラム20のハウジング23に固定されている。また、ロアーブラケット29は、車体側部材19から突出する固定ボルト(スタッドボルト)33と当該固定ボルト33に螺合するナット34とを用いて、車体側部材19に固定されている。
図1および図2を参照して、伝達軸としての中間軸5は、筒状の第1軸41と、筒状の第2軸42と、第1軸41および第2軸42を軸方向X1の同軸上に相対回転不能に連結する連結軸43と、第1軸41に連結された自在継手4と、第2軸42に連結された自在継手6とを備えている。図2に示すように、連結軸43は、第1軸41に対して衝撃吸収時に、例えば衝撃吸収ストローク量L1(60〜70mm程度。例えば65mmに設定される)だけ軸方向X1に収縮可能であり、また、通常時に、第2軸42に対して軸方向X1に、例えば伸縮量L2(10〜15mm程度。例えば14mmに設定される)の範囲内で、常時伸縮可能な例えば中実軸である。
図1および図2を参照して、伝達軸としての中間軸5は、筒状の第1軸41と、筒状の第2軸42と、第1軸41および第2軸42を軸方向X1の同軸上に相対回転不能に連結する連結軸43と、第1軸41に連結された自在継手4と、第2軸42に連結された自在継手6とを備えている。図2に示すように、連結軸43は、第1軸41に対して衝撃吸収時に、例えば衝撃吸収ストローク量L1(60〜70mm程度。例えば65mmに設定される)だけ軸方向X1に収縮可能であり、また、通常時に、第2軸42に対して軸方向X1に、例えば伸縮量L2(10〜15mm程度。例えば14mmに設定される)の範囲内で、常時伸縮可能な例えば中実軸である。
図2に示すように、第1軸41の内周41aに設けられたセレーション44(雌セレーション)が、連結軸43の外周に設けられたセレーション45(雄セレーション)に軸方向X1に摺動可能に嵌合している。第1軸41には、所定荷重未満での第1軸41に対する連結軸43の収縮を規制する収縮規制部としてのかしめ部46が設けられており、かしめ部46は、連結軸43の軸方向途中部の外周に形成された周溝47内へ膨出する塑性変形突起からなる。
第2軸42及び連結軸43は転動体51を介してトルク伝達可能に結合され、転動体51の転動を伴って伸縮量L2の範囲内で常時伸縮可能である。衝撃吸収時には、連結軸43の一端43aが、自在継手6の十字軸54に当接して、連結軸43の収縮が収縮量L3(L3>L2)で規制され、その後、かしめ部46のかしめが外れて連結軸43と第1軸41が収縮し、衝撃吸収ストローク量L1を確保するようにしている。
図2のIII −III 線に沿う断面図である図3に示すように、第1軸41および連結軸43の何れか一方、本実施の形態では、連結軸43のセレーション45に、例えばフッ素樹脂等の樹脂被膜48が被覆されている。すなわち、第1軸41および連結軸43のセレーション44,45は樹脂被膜48を介して互いに嵌合している。
図4および図6(a)に示すように、第2軸42および連結軸43には、互いに径方向に対向し軸方向X1に延びる軸方向溝49,50が複数組、形成されており、対応する軸方向溝49,50間にそれぞれ複数の転動体51(例えばボール)が転動可能に介在している。第2軸42および連結軸43は、転動体51を介してトルク伝達可能に且つ軸方向X1に、伸縮量L2の範囲内で常時伸縮可能に連結されている。図5に示すように、軸方向溝49は、第2軸42の周方向に等間隔に配置されており、軸方向溝50は、連結軸43の周方向に等間隔に配置されている。
図4および図6(a)に示すように、第2軸42および連結軸43には、互いに径方向に対向し軸方向X1に延びる軸方向溝49,50が複数組、形成されており、対応する軸方向溝49,50間にそれぞれ複数の転動体51(例えばボール)が転動可能に介在している。第2軸42および連結軸43は、転動体51を介してトルク伝達可能に且つ軸方向X1に、伸縮量L2の範囲内で常時伸縮可能に連結されている。図5に示すように、軸方向溝49は、第2軸42の周方向に等間隔に配置されており、軸方向溝50は、連結軸43の周方向に等間隔に配置されている。
図4および図6(a)に示すように、第2軸42の一端には、連結軸43を貫通させた環状の蓋52が固定されている。蓋52の中心孔に保持されたオイルシール53が、連結軸43を摺動可能に挿通させており、オイルシール53によって、蓋52と連結軸43との間が封止されている。
第2軸42に連結された自在継手6は、十字軸54を介して互いに連結された一対のヨーク55,56を備えている。ヨーク55は一対のタブ57を有し、ヨーク56は一対のタブ58を有している。各タブ57,58に設けられた嵌合孔59に保持された軸受60によって、十字軸54の対応するトラニオン61が支持されている。
第2軸42に連結された自在継手6は、十字軸54を介して互いに連結された一対のヨーク55,56を備えている。ヨーク55は一対のタブ57を有し、ヨーク56は一対のタブ58を有している。各タブ57,58に設けられた嵌合孔59に保持された軸受60によって、十字軸54の対応するトラニオン61が支持されている。
ヨーク55は、第2軸42を連結する円筒状の連結部62を有しており、その連結部62に、筒状の第2軸42が嵌合され、例えば溶接により固定されている。ヨーク55は、連結部62に設けられた挿通孔63を有している。連結軸43の一端43aは、挿通孔63内に進入している。
中間軸5が所定荷重以上の衝撃吸収荷重を受けたときは、図6(b)に示すように、連結軸43が、第2軸42に対して常時伸縮の範囲(図6(a)で伸縮量L2の範囲)を超えて収縮すると、その収縮した連結軸43の一端43aが挿通孔63を通して十字軸54に当接し、これにより、第2軸42に対する連結軸43の収縮が収縮量L3で規制される。すなわち、衝撃吸収時に、十字軸54が、第2軸42に対する連結軸43の収縮量を規制するストッパとして機能する。このように、ストッパとしての十字軸54によって、第2軸42に対する連結軸43の収縮が上記収縮量L3で規制された後は、連結軸43と第1軸41とが収縮し、衝撃吸収ストローク量L1が確保される。
中間軸5が所定荷重以上の衝撃吸収荷重を受けたときは、図6(b)に示すように、連結軸43が、第2軸42に対して常時伸縮の範囲(図6(a)で伸縮量L2の範囲)を超えて収縮すると、その収縮した連結軸43の一端43aが挿通孔63を通して十字軸54に当接し、これにより、第2軸42に対する連結軸43の収縮が収縮量L3で規制される。すなわち、衝撃吸収時に、十字軸54が、第2軸42に対する連結軸43の収縮量を規制するストッパとして機能する。このように、ストッパとしての十字軸54によって、第2軸42に対する連結軸43の収縮が上記収縮量L3で規制された後は、連結軸43と第1軸41とが収縮し、衝撃吸収ストローク量L1が確保される。
本実施の形態の伝達軸としての中間軸5によれば、車両挙動に伴って、第2軸42および連結軸43が転動体51の転動を伴って伸縮する。常時伸縮においては、転動体51の転がりを利用するので、抵抗なく非常にスムーズに伸縮でき、また、摩耗等がほとんど発生しない。したがって、従来の常時摺動するタイプと比較して、耐久強度を格段に向上することができる。なお、本実施の形態では、軸方向溝49,50が4組設けられ、各組毎に2個の転動体51を配置したが、軸方向溝49,50の組数および各組の転動体51の個数については、使用条件に応じた所要の耐久性を確保するように、適宜に選択すればよい。
また、所定以上の衝撃吸収荷重を受けたときには、ストッパとしての十字軸54によって第2軸42に対する連結軸43の収縮が上記収縮量L3で規制された後、第1軸41および連結軸43が収縮することにより、衝撃吸収ストローク量L1を確保することができる。
このように、第1軸41および連結軸43のセレーション44,45は、通常時は摺動しないので、樹脂被膜48に摩耗による劣化を防止でき、したがって、長期にわたって、ガタや異音の発生を確実に防止することができる。換言すると、常時伸縮の機能を果たす嵌合部分と、衝撃吸収時に収縮する機能を果たす嵌合部分とを分離して構成したので、両機能を達成しつつ、セレーション45の樹脂被膜48の摩耗の発生を確実に防止して、長期にガタや異音の発生を防止することができる。
このように、第1軸41および連結軸43のセレーション44,45は、通常時は摺動しないので、樹脂被膜48に摩耗による劣化を防止でき、したがって、長期にわたって、ガタや異音の発生を確実に防止することができる。換言すると、常時伸縮の機能を果たす嵌合部分と、衝撃吸収時に収縮する機能を果たす嵌合部分とを分離して構成したので、両機能を達成しつつ、セレーション45の樹脂被膜48の摩耗の発生を確実に防止して、長期にガタや異音の発生を防止することができる。
また、第2軸42によって、転動体51に径方向の予圧が付与されているので、常時伸縮する第2軸42と連結軸43との間に、ガタや異音が生ずることがない。
また、通常時において第1軸41に対する連結軸43の収縮を規制する収縮規制部としてかしめ部46を用いているので、かしめ部46によって、確実に衝撃吸収荷重を確保することができるとともに、樹脂被膜48の摩耗の発生を確実に防止することができる。
また、通常時において第1軸41に対する連結軸43の収縮を規制する収縮規制部としてかしめ部46を用いているので、かしめ部46によって、確実に衝撃吸収荷重を確保することができるとともに、樹脂被膜48の摩耗の発生を確実に防止することができる。
また、両端に自在継手4,6を配した本伝達軸としての中間軸5において、衝撃吸収時に、連結軸43の一端43aが、ヨーク55に形成された挿通孔63を通して、ストッパとしての十字軸54に当接することにより、第2軸42に対する連結軸43の収縮量を規制するようにした。このように十字軸54をストッパとして利用するので、別途にストッパを設ける場合と比較して構造を格段に簡素化することができ、製造コストを安くすることができる。
また、上記中間軸5を用いたステアリング装置1であれば、長期にわたってガタや異音の発生を防止することができ、且つ所要の衝撃吸収性能を確保することができる点で好ましい。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、第1軸41を上側とし第2軸42を下側としたが、その逆としてもよい。また、上記実施の形態では、ステアリング装置1の伝達軸を中間軸5に適用した場合に則して説明したが、本発明の伝達軸を操舵軸3の第1操舵軸11に適用するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、ステアリング装置1が電動パワーステアリング装置である場合に則して説明したが、本発明の伝達軸をマニュアル式のステアリング装置に適用するようにしてもよい。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、第1軸41を上側とし第2軸42を下側としたが、その逆としてもよい。また、上記実施の形態では、ステアリング装置1の伝達軸を中間軸5に適用した場合に則して説明したが、本発明の伝達軸を操舵軸3の第1操舵軸11に適用するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、ステアリング装置1が電動パワーステアリング装置である場合に則して説明したが、本発明の伝達軸をマニュアル式のステアリング装置に適用するようにしてもよい。
1…ステアリング装置、2…操舵部材、3…操舵軸、4…自在継手、5…中間軸(ステアリング装置の伝達軸)、6…自在継手、11…第1操舵軸、12…第2操舵軸、24…電動モータ、25…減速機構、41…第1軸、42…第2軸、43…連結軸、44,45…セレーション、46…かしめ部(収縮規制部)、47…周溝、48…樹脂被膜、49,50…軸方向溝、51…転動体、52…蓋、53…オイルシール、54…十字軸(ストッパ)、55,56…ヨーク、57,58…タブ、59…嵌合孔、60…軸受、61…トラニオン、62…連結部、63…挿通孔、A1…転舵機構、L1…衝撃吸収ストローク量、L2…(常時伸縮の)伸縮量、L3…(衝撃吸収時の第2軸に対する連結軸の)収縮量、X1…軸方向
Claims (5)
- ステアリング装置の操舵力を伝達する伝達軸において、
第1軸と、第2軸と、第1軸および第2軸を同軸上に相対回転不能に連結し、第1軸に対して衝撃吸収時に収縮可能で且つ第2軸に対して常時伸縮可能な中実または中空の連結軸と、所定荷重未満での第1軸に対する連結軸の収縮を規制する収縮規制部と、衝撃吸収時に第2軸に対する連結軸の収縮量を規制するストッパと、を備え、
第1軸および連結軸にそれぞれ設けられたセレーションが、何れか一方のセレーションに被覆された樹脂被膜を介して互いに嵌合し、
第2軸および連結軸は、第2軸および連結軸にそれぞれ設けられた軸方向溝間に介在する転動体を介してトルク伝達可能に且つ転動体の転動を伴って常時伸縮可能に結合され、 所定荷重以上の衝撃吸収荷重を受けたときに、上記ストッパによって第2軸に対する収縮量が規制された連結軸と第1軸とが収縮するようにしてあることを特徴とするステアリング装置の伝達軸。 - 請求項1において、上記第2軸および連結軸のうち外側の軸によって、転動体に径方向の予圧が付与されているステアリング装置の伝達軸。
- 請求項1または2において、上記収縮規制部は、上記第1軸および連結軸の一方を他方にかしめたかしめ部であるステアリング装置の伝達軸。
- 請求項1から3の何れか1項において、
上記第2軸に固定されたヨークおよびヨークによって支持された上記ストッパとしての十字軸を含む自在継手を備え、
衝撃吸収時に、連結軸の一端が、ヨークに形成された挿通孔を通して、上記ストッパとしての十字軸に当接することにより、第2軸に対する連結軸の収縮量が規制されるようにしてあるステアリング装置の伝達軸。 - 請求項1から4の何れか1項に記載のステアリング装置の伝達軸を用いたステアリング装置。
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JP (1) | JP2011225089A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106827482A (zh) * | 2017-03-24 | 2017-06-13 | 苍南县中港塑业有限公司 | 一种pvc热收缩膜360°旋转制造机 |
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2010
- 2010-04-19 JP JP2010096347A patent/JP2011225089A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106827482A (zh) * | 2017-03-24 | 2017-06-13 | 苍南县中港塑业有限公司 | 一种pvc热收缩膜360°旋转制造机 |
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