JP2011224588A - 中空部品の深穴成形装置及び成形法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱されたワークの自重による変形を防止して高負荷での加工を可能とするとともに、その作業効率性と製品歩留まりとに優れた中空部品の深穴成形装置を提供する。
【解決手段】丸棒状ワークWの基端側を片持ち支持してその先端側に往復進退させるワーク把持部11と、ワークガイド12の前方側に取り付けられ挿入される丸棒状ワークWの下部側に当接して水平支持するワーク支持部13と、丸棒状ワークの周面を加圧する傾斜ローラ部14、15と、ローラ加圧され前進してくる前記丸棒状ワークの先端に当って丸棒状ワークの先端側を円筒状に傾斜圧延穿孔するマンドレル16と、を備えるように中空部品の深穴成形装置10を構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、傾斜圧延穿孔法を適用した中空部品の深穴成形装置及び成形法に関し、さらに詳しくは、自動車用部品としてのフォークシャフトや、深穴加工を必要とするエンジン動弁系部品、パワートレーン部品、ドライブトレーン部品、ステアリング部品等を軽量化してコストパフォーマンスに優れる止まり穴シャフトなどの中空部品の深穴成形装置及びその装置を用いた中空部品の深穴成形法に関するものである。
近年、自動車に対する燃費規制が年々厳しさを増しており、環境問題への対応が求められている。このため、自動車部品製造業においては、その燃料使用を抑えるべく「自動車の軽量化」への取り組みが求められている。各種自動車メーカーにおいての軽量化要請は厳しく、現在では、部品単体での軽量化までに進展する等、軽量化への期待は大きい。
その一方で、自動車メーカーからのコスト削減要請も一層の高まりを見せており、自動車部品製造企業では、軽量化と低コスト化の両立が実現できることが必要な競争力となっている。従前より、自動車部品の一つであるシャフトにおける軽量化の手段として、中実軸部分を一部残しつつ、シャフト両端より切削深穴あけ加工を施すことで軽量化を実現してきた。
しかし、このような加工法では、(a)設備投資と刃具交換により製品単価が上昇すること。(b)切粉の発生により切削深穴あけ加工を行うには材料歩留まりが悪い等の理由から、大幅な低コスト化は難しい。
(c)また、特許文献1に記載のような新たに開発された冷間塑性加工法を用いる場合でも穴深さ/穴直径比が約7倍以上になると1工程での加工は困難に近い。
一方、開放穴の鋼管に関してはマンネスマン穿孔技術を用いた塑性加工による製造法が提案されている。例えば特許文献2には、マンネスマン穿孔圧延する際にワークに内面疵が発生しないように加工発熱量を抑え、ビレット加熱温度を1200℃以下とし、軸方向平均歪み速度を規制する高炭素継目無鋼管の成形法がある。
特開2003−225730号公報 特開2001−137913号公報
しかしながら、従来技術では、加熱温度や歪み速度を制御することにより、オーバーヒート起因の内面疵発生を防止するとしているが、加熱温度を規制することによる作業効率の低下が問題とされる。一方、加熱温度の上昇はマンドレルが挿入されるワーク自体がその自重により垂れ下がって変形するために、その加工作業に支障をきたしたり、加工精度の悪化を招いたりして、最終的な製品歩留まりに影響するという課題があった。
また、自動車部品の軽量化のための技術の一つに中空部品の活用があるが、中空部品の加工に当って、管材を切断して素材として投入しようとすると、実用管の持つ内外径の精度のばらつきや切断切り口のゆがみ等の理由により、能率の良いシヤ切断が適用できないという問題点が生じる。このため、一般的には中実棒を用い、工程中シヤ切断・穿孔して加工を進める工法が採られている。しかし、中空部品への要求が広がり、穴深さ/穴直径比が約7以上の深穴になると、穿孔加工が極めて困難となるため、可能な限りの深穴をあけた後、次工程で軸径を絞って穴深さ/穴直径比を高めなくてはならず、工程数が増えて生産コストの増加を招いてしまう。もし、一工程で穴深さ/穴直径比を任意の大きさにまで成形できれば中空部品の適用域拡大に極めて有用である。本発明は、こうした深穴の成形法を提供しようとするものである。
従来、継ぎ目なし管の代表的な成形法としてマンネスマン・プラグミル法が知られている。この方法では、両円錐型のローラを用いた傾斜圧延を行い、丸鋼片をスパイラル状に回転前進させながら圧縮加工し、外周部を連続的に加圧することによって素材中心部に割れを発生させ、これを押し広げて穴を成形している。この技術の最大の特徴は、マンネスマン効果と呼ばれる転造による中心割れの発生の活用であり、この中心部に発生した穴を待機しているプラグに押し付けて広げることによって所望の継ぎ目なし管を製造する方法である。この場合、内面の割れは製品としては望ましくないため、次工程で圧着させて材質を健全化させることが不可欠である。このための工程が、ピアサーに続くプラグミル、リーラーであり、図9に示すように継ぎ目なし管の製造にはこの一連の工程が使われている。
いま、このマンネスマン穿孔の原理を中空部品の止まり穴加工適用することを考えると、第一工程の穴の加工は可能なものの、内面に生じた割れを圧着する工程を追加することは技術的に極めて難しくて実現できない。このことから、マンネスマン穿孔の原理に改善を加え、割れを発生させることなく穿孔できれば、一工程で穴加工が済み、実用可能な加工法となりうるが、従来技術ではそのような加工条件を見出しておらず、一工程穿孔技術は存在しない。
(1)本発明の中空部品の深穴成形装置は、加熱された丸棒状ワークの基端側を片持ち支持してその先端側に往復進退させるワーク把持部と、前記丸棒状ワークの先端が挿入されるワークガイドと、前記ワークガイドの前方側に取り付けられ挿入される丸棒状ワークの下部側に当接して前記丸棒状ワークを水平支持する長尺状のワーク支持部と、前記ワークガイドの周囲に配置され前記丸棒状ワークの周面を加圧する傾斜ローラ部と、ローラ加圧され前進してくる前記丸棒状ワークの先端に当って丸棒状ワークの先端側を円筒状に傾斜圧延穿孔するマンドレルを備えたことを特徴とする。
(2)本発明の中空部品の深穴成形装置は、前記(1)において、前記ワーク支持部はそのワーク材質、穿孔径、深さに応じて複数長さ、形状の異なるものが配置され、前記ワークガイドに中間取付部材を介して着脱自在に取り付けられるように構成される。
(3)本発明の中空部品の深穴成形装置は、前記(1)又は(2)において、前記ワーク支持部に設けられた温度センサや前記丸棒状ワークの先端位置を取得する位置検出センサからの信号に基づいて前記ワークガイド、前記傾斜ローラ部、前記マンドレルの動きを連携制御して前記丸棒状ワークから所定形状の中空深穴を形成する制御部を備えたことを特徴とする。
(4)本発明の中空部品の深穴成形装置は、前記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記ワーク支持部は前記丸棒状ワークとの当接面にカーボン、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどの耐摩耗性セラミック材が配置されていることを特徴とする。
(5)本発明の中空部品の深穴成形法は、加熱された丸棒状ワークの基端側をワーク把持部によって片持ち支持してその先端側を進行させて、ワークガイドに挿入し、挿入された丸棒状ワークの下部側を前記ワークガイドの前方側に取り付けられた長尺状のワーク支持部に当接させて前記丸棒状ワークを水平支持し、前記ワークガイドの周囲に配置され傾斜ローラ部で前記丸棒状ワークの周面を加圧するとともに、軸推力により前記丸棒状ワークの先端を待機するマンドレルに押し込んで、丸棒状ワークの先端側に深穴を成形することを特徴とする。
提案する加工法は、既知のマンネスマン穿孔法の傾斜圧延条件を拡張し、軸推力を高めた上でマンネスマン割れを発生させることなく、ワークをマンドレルに押込み一工程穿孔で内面に割れの無い健全な中空体を成形する技術である。
本発明の中空部品の深穴成形装置は、加熱された丸棒状ワークの基端側を片持ち支持してその先端側に往復進退させるワーク把持部と、前記丸棒状ワークの先端が挿入されるワークガイドと、前記ワークガイドの前方側に取り付けられ挿入される丸棒状ワークの下部側に当接して前記丸棒状ワークを水平支持する長尺状のワーク支持部と、前記ワークガイドの周囲に配置され前記丸棒状ワークの周面を加圧する傾斜ローラ部と、ローラ加圧され前進してくる前記丸棒状ワークの先端に当って丸棒状ワークの先端側を円筒状に傾斜圧延穿孔するマンドレルと、を備えるので、ワークがマンドレルに押し込まれる際に加熱されたワークがその自重により変形するのを防止して高負荷での加工を可能とし、これによってマンネスマン欠陥などの発生を抑制して、その作業効率性と製品歩留まりとに優れた深穴を成形することができる。
本発明において、マンネスマン穿孔における傾斜圧延条件を改善し、割れ発生直前の複合負荷状態でプラグの押込みを最も容易化できる条件を見出し、この条件での加工力に型強度が耐えうれば一工程穿孔が可能となる。すなわち、ローラ形状、傾斜角、ローラ間隔、ガイドの間隔、プラグ形状、プラグ先進、ワーク加熱温度等マンネスマン穿孔法で標準的に用いられている加工条件域を中心に幅広く条件値を変更して実験したところ、目的とする製品毎に適正条件を見出すことができる。
この条件下では、傾斜圧延に伴う軸推力によって穴加工が実現でき、プラグ保持力も小さくて済むため、穴深さ/穴直径比が20を超える深穴の加工が実現できる。マンネスマン割れを回避した条件設定のため製品内部の材質欠陥が生じない。
すなわち、本発明では、傾斜圧延穿孔法を適用してフォークシャフトやエンジン動弁系部品、パワートレーン部品、ドライブトレーン部品、ステアリング部品等の自動車部品を製造する際に、マンネスマン穿孔法の原理を割れ発生直前の段階で活用し、一工程穿孔で内面に割れのない健全な中空体を成形することができる。
本発明の実施形態に係る中空部品の深穴成形装置の要部斜視図である。 同中空部品の深穴成形装置の要部断面図である。 同中空部品の深穴成形装置の平面図である。 同中空部品の深穴成形装置の正面図である。 同中空部品の深穴成形装置の側面図である。 同中空部品の深穴成形装置を用いた穿孔工程の説明図である。 傾斜圧延穿孔法における加工原理の説明図である。 中空部品の深穴を塑性加工する際の計算式の説明図である。 従来の継ぎ目なし管の製造方法を示す概略説明図である。
本実施形態の中空部品の深穴成形装置は、炭素鋼やステンレス鋼などからなる丸棒状ワークWの片側を傾斜ローラにより傾斜圧延しながらワーク先端がマンドレルバーに押し込まれて円筒状に塑性加工する装置である。図1及び図2に示すように、本実施形態の中空部品の深穴成形装置10は、高周波等で加熱された丸棒状ワークWの基端側を片持ち支持してその先端側に往復進退させるためのワーク把持部11と、丸棒状ワークWの先端が挿入されるワークガイド12と、ワークガイド12の前方側に取り付けられ挿入される丸棒状ワークWの下部側に当接して水平支持するためのワーク支持部13と、ワークガイド12の周囲に配置され丸棒状ワークWの周面を加圧してその軸中央部を傾斜圧延するための一対の傾斜ローラ部14、15と、ローラ加圧され前進してくる前記丸棒状ワークW中央の軸端側から押し込まれて丸棒状ワークWの先端側周囲を円筒状に所定長さで傾斜圧延穿孔させるためのマンドレル16と、を備えている。
なお、ワーク支持部13は、約1000〜1200℃に高周波などで加熱処理され片持ち水平支持された丸棒状ワークWの下端周面を支持するように長尺状に形成されたものであり、そのワークWの材質、穿孔径、深さに応じて複数の長さ、形状の異なるものが予め配備される。このようなワーク支持部13はワークガイド12との間に接続される中間取付部材12aを介してボルトナットなどにより着脱できるようにしている。
ワークガイド12は、ワーク把持部11を介して供給される丸棒状ワークWを傾斜ローラ部14、15に誘導するための部材である。加熱されて軟化した状態にある丸棒状ワークWは、その自重により片持ち把持された先端側が垂れ下がることによって、ワークガイド12などに接触して傷や変形などの欠陥が生じ易く、その品質や生産性に支障をきたすことがある。
本実施形態では、このような丸棒状ワークWの下端側を支持するワーク支持部13を中間取付部材12aを介してワークガイド12の先端に取り付けることで回避している。なお、必要に応じて,ワーク把持部11における丸棒状ワークWとの当接面に、カーボン、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどの耐熱性や耐摩耗性に優れた薄肉状のセラミック材を被覆配置することで、傾斜圧延穿孔加工時における褶動抵抗を下げるとともに耐久性を付与させるようにしてもよい。これによって、加熱されたワークがその自重による変形を防止するとともに、傾斜圧延穿孔処理やメンテナンス処理を効果的に行うことができる。
傾斜ローラ部14、15の背面側(図1において左斜め上側)には、ワークガイド12を介して挿入される丸棒状ワークWの先端位置などを検知するためのリミットセンサや光学センサなどの位置検出センサ17が設けられ、中空部品の深穴成形装置10の動きを制御するための図示しないコンピュータやシーケンサなどの制御部に接続されている。これによって、制御部は、ワーク支持部13に設けられた温度センサや丸棒状ワークの先端位置を取得する位置検出センサ17からの信号に基づいて、ワーク把持部11やワークガイド12、傾斜ローラ部14、15、マンドレル16の動きを連携制御して丸棒状ワークWから所定形状の中空深穴Kが効率的に形成できるようになっている。
ここで、図3〜図5は中空部品の深穴成形装置10の全体構成を示す正面図、平面図、側面図であり、図示するように傾斜圧延穿孔技術が適用される傾斜ローラ部14、15やワークガイド12などを含む主要部が装置中央配置されている。中空部品の深穴成形装置10は、マンドレル16やワーク把持部11などを駆動するための駆動部20を備え、これらを制御するための制御部となる電気制御盤21やその操作パネル21aなどを備えるとともに、ワークガイド12に挿入される丸棒状ワークWを加熱するための高周波加熱器22、高周波加熱器22を作動させるための高周波発振器23などが設けられている。
続いて、以上のように構成される中空部品の深穴成形装置10を用いた中空部品の深穴の成形法について、図6を参照しながら説明する。
傾斜圧延穿孔法を適用して丸棒状ワークWから中空深穴Kを成形するに際しては、まず、高周波加熱器22により丸棒状ワークWを所定温度に加熱した後、ワーク把持部11に片持ち支持された丸棒状ワークWの先端をワーク支持部13に載置させるように移動させる(図6(a))。
これによって、加熱により軟化した丸棒状ワークWを水平維持したまま、丸棒状ワークWの先端をワークガイド12に挿入することができる。
なお、高周波加熱器22により加熱した後、穿孔圧延後のワークWの表面温度を所定温度範囲、例えば1100〜1200℃になるように、ワーク加熱温度および穿孔速度を設定するようにしてもよい。また、穿孔圧延後の穿孔部内面の表面温度を制御するためには、ワーク加熱温度および穿孔時に発生する加工発生熱を制御する必要があり、この加工発熱量に関わる要因としては穿孔速度(ローラ径、ローラ角度、ローラ回転数)などが挙げられる。
次に、図6(b)に示すように、ワークガイド12を介して傾斜ローラ部14、15間に導入された丸棒状ワークWをその周囲から1〜3%程度の圧延(直径での減少率)を施して、前進してくる丸棒状ワークWの軸心がマンドレル16に押し込まれることによって、丸棒状ワークWの先端側を円筒状に傾斜圧延穿孔(中空深穴の成形)する。
すなわち、図7の原理図に示されるように丸棒状ワークWをその周囲から圧縮することによって、中心部に圧縮と直角方向に最大引張応力が生じ、丸棒を圧縮と共に回転させると中心部はあらゆる方向へ引張を受け、亀裂を生じやすくし、傾斜圧延に伴う軸推力によってワークを前進させて深穴を成形する。
なお、本実施形態ではワーク先端に亀裂が入るまでマンドレル16による押入れがなされないように傾斜ローラ部14、15やワーク把持部11などの駆動系が電気制御盤21を介して制御される。これによって、丸棒の中心に亀裂を発生させることなく中実で直径D、長さL0の丸棒状ワークWを、その先端側から所定深さLdまで穿孔して、底付き(止まり)で中空化した直径D、全長Lの中空深穴Kを成形加工するのである。すなわち、丸棒状ワークWがマンドレル16に押し込まれてその先端が深さLdに達したことが位置検出センサ17により検知されることにより、傾斜ローラ部14、15の回転方向が逆転制御され、丸棒状ワークWがワーク把持部11によって引き戻される(図6(c))。
これによって、亀裂発生による強度劣化を防止するとともに、傾斜圧延穿孔加工により生じる繊維状の鋼組織を備えてねじり剛性などの機械的強度に優れ、自動車用部品として好適な中空深穴を効率的に製造することができるようにしている。
なお、傾斜ローラ部14、15のローラ径が小さすぎると、ローラの周速が低下するため、製造ラインの生産性が低下し、逆に、ローラ径が大きすぎると、設備が大型化してローラ替に要する時間が長くなる傾向にある。このようにローラ径により制約を受けるため、加工発熱量を制御するには、ローラ角度、ローラ回転数を適切に組み合わせるようにする。
例えば、種々な丸棒状ワークのサイズにおいて、加熱温度、ローラ角度およびローラ回転数を多様に組み合わせて、穿孔を実施することができる。丸棒状ワークに対して設定されるローラ角度を浅く設定したときは、穿孔速度が遅くなりすぎて、加工発熱量過少となり、加熱温度およびローラ回転数を組み合わせても、内面表面温度が低くなる。逆に、ローラ角度を深く設定したときには、穿孔速度が速くなりすぎて加工発熱量過多となる傾向にある。
ローラ回転数についても、その回転数と加工発熱量や加工欠陥の発生率とは同様な相関があり、高周波加熱器22による加熱温度およびローラ回転数を適正範囲に組み合わせて傾斜圧延穿孔法を実施することが必要となる。なお、傾斜ローラ部14、15におけるローラ回転数やその回転方向などは制御部となる電気制御盤21を介して駆動部20などが制御される。すなわち、電気制御盤21は、位置検出センサ17からのセンサ信号に基づいてワークガイド12に挿入される丸棒状ワークWの先端位置がマンドレル16先端に対して所定値になったのを検知して、その穿孔深さを判定して、ワーク把持部11の進退動作を切り替えたり、傾斜ローラ部14、15のローラの正逆方向への回転や、その回転数を切り替えたりできるようなプログラム設定がなされる。
ここで、図8は丸棒状ワークWからフォークシャフトなどの中空深穴Kを塑性加工する際の基礎となる計算式の一例である。すなわち、塑性加工の前後で丸棒状ワークWと製品Kとの体積がそれぞれ等しいことから、π/4・D×L0=π/4・D×L−π/4×d×dであり、これから、L0=L−(d/D)×Ldの関係式が成立する。(但し、L0:ワークの仕込み材料長、L:加工後の完成全長、Ld:マンドレルによる穿孔深さ、d:マンドレルによる穿孔径(仕上がり穴径)、D:ワーク外径(=仕上がり外径))である。
こうして本実施形態では、中空深穴Kとして、例えば、仕上がり穴径d、仕上がり外径D、仕込み全長L0、完成穴深さLdの各具体的データを入力値として、全長伸びΔL(=L−L0=(d/D)×Ld)などを算出して、実測値との差異を図示するように評価することができる。
本発明は、自動車用部品としてのフォークシャフトなどの他、深穴加工を必要とするエンジン動弁系部品、パワートレーン部品、ドライブトレーン部品、ステアリング部品等を傾斜圧延穿孔法により製造する際に広く適用できる。これによって、製品の軽量化を図るとともに、コストパフォーマンス性に優れた深穴シャフトの成形装置を提供することができる。
上記では、特に止まり穴の加工について特徴を説明したが、この本発明の成形法は開放穴の加工にも適用でき、しかもプラグの保持力さえ維持できれば原理的に穴深さ/穴直径比に制限されないため、広い範囲の応用が期待できる。さらに本発明の成形法は、鋼材に限らずあらゆる材料に適用の可能性を有する。
10 中空部品の深穴成形装置
11 ワーク把持部
12 ワークガイド
12a 中間取付部材
13 ワーク支持部
14、15 傾斜ローラ部
16 マンドレル
17 位置検出センサ
20 駆動部
21 電気制御盤
21a 操作パネル
22 高周波加熱器
23 高周波発振器
W 丸棒状ワーク
K 中空深穴

Claims (5)

  1. 加熱された丸棒状ワークの基端側を片持ち支持してその先端側に往復進退させるワーク把持部と、前記丸棒状ワークの先端が挿入されるワークガイドと、前記ワークガイドの前方側に取り付けられ挿入される丸棒状ワークの下部側に当接して前記丸棒状ワークを水平支持する長尺状のワーク支持部と、前記ワークガイドの周囲に配置され前記丸棒状ワークの周面を加圧する傾斜ローラ部と、ローラ加圧され前進してくる前記丸棒状ワークW中央の軸端側から押し込まれて丸棒状ワークWの先端側周囲を円筒状に傾斜圧延穿孔するマンドレルと、を備えたことを特徴とする傾斜圧延穿孔法による中空部品の深穴成形装置。
  2. 前記ワーク支持部はそのワーク材質、穿孔径、深さに応じて複数長さ、形状の異なるものが配置され、前記ワークガイドに中間取付部材を介して着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の中空部品の深穴成形装置。
  3. 前記ワーク支持部に設けられた温度センサや前記丸棒状ワークの先端位置を取得する位置検出センサからの信号に基づいて前記ワークガイド、前記傾斜ローラ部、前記マンドレルの動きを連携制御して前記丸棒状ワークから所定形状の中空深穴を形成する制御部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の中空部品の深穴成形装置。
  4. 前記ワーク支持部は前記丸棒状ワークとの当接面にカーボン、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどの耐摩耗性セラミック材が配置されていることを特徴とする請求項1〜3の内いずれか1項に記載の中空部品の深穴成形装置。
  5. 加熱された丸棒状ワークの基端側をワーク把持部によって片持ち支持してその先端側を進行させて、
    前記丸棒状ワークの先端をワークガイドに挿入し、挿入された丸棒状ワークの下部側を前記ワークガイドの前方側に取り付けられた長尺状のワーク支持部に当接させて前記丸棒状ワークを水平支持し、前記ワークガイドの周囲に配置され傾斜ローラ部で前記丸棒状ワークの周面を加圧するとともに、前記丸棒状ワークの先端がマンドレルに押し込まれて丸棒状ワークの先端側を円筒状に傾斜圧延穿孔することを特徴とする中空部品の深穴成形法。
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