JP2011220930A - ターゲットおよびターゲット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却能力の向上を図ることが可能なターゲット及びターゲット装置を提供すること。
【解決手段】ターゲット液体Lを収容する収容部に連通し、ターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部42を備える構成とする。バッファ部42は、収容部41aに近い第1の幅部Wよりも収容部41から遠い第2の幅部Wの方が大きい構成であるので、幅方向の外側にバッファ部42を広げることで、バッファ部壁面42aの表面積を拡大させることができる。これにより、バッファ部壁面42aの表面積を拡大して、ターゲット液体から蒸発した蒸気Vの凝縮熱伝達を有効活用することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ターゲット液体と放射線との核反応により放射性同位元素を製造する際に使用されるターゲット及びターゲット装置に関する。
脳や心臓、癌などの精密検査における検査方法として、ポジトロン断層撮影法(PET:Positron Emission Tomography)がある。このPET検査では、ポジトロン(陽電子)を放出する放射性同位元素(陽電子放出核種)で標識された検査用薬剤を、注射や吸入等により被験者の体内に導入する。体内に導入された検査用薬剤は、代謝されたり特定の部位(例えば、腫瘍や病変箇所)に蓄積されたりする。放射性同位元素から放出される陽電子と周囲の電子とが結合して消滅する際に放射線(消滅ガンマ線)が放出されるので、この放射線を検出してコンピュータで処理することにより、特定断面における断層撮影画像を得ることができるようになっている。
PET検査の検査用薬剤に使用される放射性同位元素としては、18F、15O、11C、13N等がある。これらは、半減期が2〜110分と極めて短いので、病院内の検査室に近い場所にサイクロトロン等の放射線源を設置し、この放射線源からの放射線(例えば、陽子線や重陽子線等の粒子線)をターゲットに導き、ターゲットに収容されているターゲット液体(例えば、ターゲット水(18O水))との核反応により放射性同位元素を製造する。そして、製造された放射性同位元素を所定の化合物(例えば、フルオロデオキシグルコース(FDG:Fluoro-Deoxy-Glucose))に組み込んだり、その一部を置き換えたりして合成することで、検査用薬剤(例えば、18F−FDG)を製造している。
このような放射性同位元素を製造するためのターゲットとして、従来、ターゲット液体を収容する凹部を有し、この凹部が、放射線を導入するための開口から離れる方向に窪む曲面を含んでいるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のターゲットとして、図5及び図6に示すものもある。図5は、従来のターゲット装置の断面図であり、図6は、従来のターゲットの正面図である。ターゲット1は、ターゲット液体Lを収容する収容部2と、ターゲット液体Lから蒸発した蒸気Vを収容するバッファ部3とを備える。このバッファ部3は、図6に示すように、正面視において矩形状を成し、バッファ部3の下部側は、収容部2の上部側に連通している。
ターゲット1は、図5に示すように、収容部3を冷却する冷却機構4を備えている。この冷却機構4は、ターゲット1の背面に向けて冷却水を放出することで、収容部2を冷却する。
国際公開第2008/149600号パンフレット
ここで、ターゲットにおける伝熱経路について図7を参照して説明する。ターゲット1における除熱(伝熱)では、収容部2内のターゲット液体Lの熱は、主に2つの経路をたどり、ターゲット1の外部に伝達される。
まず、ターゲット液体Lに荷電粒子ビームが照射されることで、収容部2のターゲット液体Lが加熱される。すなわち、ターゲット液体Lは、荷電粒子ビームの照射を受けて熱エネルギを得ることになる。ここで、ターゲット液体Lの熱は、2つの経路をたどる。1つ目は、ターゲット液体Lの熱が、収容部2を画成する背面壁2aに伝達される第1の伝熱経路T12であり、2つ目は、ターゲット液体Lから蒸発した蒸気Vがバッファ部3を画成する背面壁3aにおいて凝縮熱伝達される第2の伝熱経路T22である。
第1の伝熱経路T12においてに収容部2の背面壁2a伝達された熱は、背面壁2aにおける熱伝導T13、背面壁2aに接する冷却水による対流熱伝達T14によって、ターゲット1外へ伝達される。一方、第2の伝熱経路T22においてバッファ部3の背面壁3aに伝達された熱は、背面壁3aにおける熱伝導T23、背面壁3aに接する冷却水による対流熱伝達T24によって、ターゲット1外へ伝達される。
ターゲット装置では、荷電粒子ビームの入熱方向の反対側から冷却水が放出され冷却されている。この冷却水の流速、流量などを改善することで冷却能力の向上を図ることが考えられていたが、更なる冷却能力の向上が求められている。また、その他の冷却技術として、サーモサイフォン式や循環式などが考えられるが、ターゲット液体の充填量が増加したり、装置自体が複雑な構成となったりするなどの問題がある。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、冷却能力の向上を図ることが可能なターゲット及びターゲット装置を提供することを目的とする。
本発明者は、課題の解決のため鋭意研究を重ねる過程で、ターゲットの冷却において、ターゲット液体から蒸発した蒸気の凝縮熱伝達が考慮されていない点に着目し、バッファ部の面積を拡大することで、ターゲットにおける冷却能力を大幅に向上させることが可能であるとの知見を得て本発明に至った。
本発明によるターゲットは、ターゲット液体を収容する収容部と、当該収容部に連通しターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部とを備え、バッファ部は、収容部に近い第1の幅部よりも収容部から遠い第2の幅部の方が大きいことを特徴としている。
本発明のターゲットでは、ターゲット液体を収容する収容部に連通して、ターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部を備えている。このバッファ部は、収容部に近い第1の幅部よりも収容部から遠い第2の幅部の方が大きくなっている。これにより、バッファ部の幅方向の大きさが、収容部に近い側から遠い側に向かって拡大する形状とすることで、バッファ部壁面の表面積を拡大することができる。そのため、バッファ部壁面の表面積を拡大して、ターゲット液体から蒸発した蒸気の凝縮熱伝達を有効に活用し、ターゲットの冷却能力を向上させることができる。
ここで、バッファ部は、バッファ部の側部には、収容部から遠い方が、収容部から近い方よりも、幅方向の外側へ傾斜する斜辺が形成されていることが好適である。これにより、複雑な加工をせずに容易に、幅方向の外側にバッファ部を広げることが可能となり、バッファ部壁面の表面積が拡大される。そのため、バッファ部壁面の表面積を拡大して、ターゲット液体から蒸発した蒸気の凝縮熱伝達を有効に活用し、ターゲットの冷却能力を向上させることができる。また、このような斜辺が形成されていると、バッファ部で凝縮した液体ターゲットが斜辺に沿って流れて収容部に戻ることになり、冷却効率の向上を図ることができる。
また、バッファ部は、正面視において扇形に形成されていることが好ましい。これにより、形状を簡素とし壁面の表面積が拡大されたバッファ部を容易に加工することができる。
また、本発明のターゲット装置は、上記のターゲットと、収容部及びバッファ部を冷却する冷却機構と、を備えることを特徴としている。これにより、冷却機構によって収容部及びバッファ部を冷却することができるため、収容部内及びバッファ部内を好適に冷却することができる。
また、本発明のターゲットは、ターゲット液体を収容する収容部と、収容部に連通しターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部と、収容部の熱を伝熱する第1伝熱部と、バッファ部の熱を伝熱する第2伝熱部と、を備え、第2伝熱部の伝熱面積は、第1伝熱部の伝熱面積よりも大きいことを特徴としている。
本発明のターゲットでは、ターゲット液体を収容する収容部に連通して、ターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部を備えている。そして、バッファ部の熱を伝熱する第2伝熱部の伝熱面積が、収容部の熱を伝熱する第1伝熱部の伝熱面積よりも大きいため、ターゲット液体から蒸発した蒸気の凝縮熱伝達を有効に活用し、ターゲットの冷却能力を向上させることができる。
また、本発明のターゲット装置は、上記のターゲットと、第1伝熱部及び第2伝熱部を冷却する冷却機構と、を備えることを特徴としている。本発明のターゲット装置では、ターゲット液体を収容する収容部に連通して、ターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部を備えている。これにより、冷却機構によって収容部及びバッファ部を冷却することができるため、収容部内及びバッファ部内を好適に冷却することができる。
本発明によれば、冷却能力の向上させることが可能なターゲット及びターゲット装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るターゲット装置をビーム照射方向Xに沿って切った断面図である。 本発明の実施形態に係るターゲットをビーム照射方向Xに沿って切った断面図である。 本発明の実施形態に係るターゲットの正面図である。 ターゲット容器内の圧力、及び、RI製造量を示すグラフである。 従来のターゲットの正面図である。 従来のターゲット装置をビーム照射方向に沿って切った断面図である。 ターゲットにおける伝熱経路を示す断面図である。
以下、本発明に係るターゲット、及びこれを備えたターゲット装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。また、説明中、「上」及び「下」なる語を使用することがあるが、これは図面の上方向及び下方向に対応したものである。
図1に示すように、ターゲット装置10は、前面フランジ20、フォイル30、ターゲット容器40、冷却機構50を備えている。放射性同位元素製造装置は、ターゲット装置10と、図示しないサイクロトロンとを備える。サイクロトロンは、荷電粒子ビーム(以下、「ビーム」という。)を生成し、生成されたビームは、照射軸Xに沿ってターゲット装置10に照射される。ターゲット装置10に照射されるビームとしては、例えば、陽子線や重陽子線などの粒子線が挙げられる。ターゲット装置10は、サイクロトロンとの間に配置されたマニホールド(不図示)を介して、サイクロトロンのビームが導出される導出口に装着される。ターゲット装置10は、例えば、円柱状の外形を有している。
前面フランジ20は、ターゲット装置10の正面側(ビームの照射側)に配置されている。前面フランジ20は、例えばアルミ合金によって形成することができる。前面フランジ20には、ビームを通過させる貫通孔20aが形成されている。サイクロトロンから導出されたビームは、前面フランジ20の貫通孔20aを通り、ターゲット容器40に到達する。
前面フランジ20の背面側には、ターゲット容器40が配置されている。前面フランジ20およびターゲット容器40は、複数のボルトによって締結されて連結されている。前面フランジ20とターゲット容器40との間には、フォイル30が挟まれている。フォイル30は、前面フランジ20によって、ターゲット容器40に押し付けられて固定されている。フォイル30は、ビームの通過を許容する一方、ターゲット液体LやHeガスといった流体の通過を遮断する。例えばHeガスは、フォイル30の正面に吹き付けられて、フォイル30の冷却用ガスとして用いられる。フォイル30は、例えばTi等の金属又は合金から形成された円形状の薄い箔であり、その厚さが10μm〜50μm程度となっている。
ターゲット容器40は、図1〜図3に示すように、ターゲット液体Lを収容可能な収容部41と、この収容部41に連通するバッファ部42とを備えている。ターゲット容器40は、例えばNbによって形成することができる。正面視におけるターゲット容器40の外形は、例えば円形状を成している(図3参照)。そして、ターゲット容器40の中央には、収容部41が形成され、収容部41の上部にはバッファ部42が形成されている。
収容部41は、正面側から背面側へ窪む凹部であり、この凹部がターゲット液体Lを収容する領域を形成する。正面視における収容部41の外形は、例えば円形状を成している。ターゲット容器40の正面に形成された収容部41の開口は、フォイル30によって覆われている。これにより、収容部41内が密閉状態され、ターゲット液体が封入される空間が形成される。収容部41内には、ターゲット液体として、18O(ターゲット水)Lが封入される。そして、ターゲット液体Lを収容する凹部を構成するターゲット容器40の背面壁が、本発明の第1伝熱部41aに相当する。第1伝熱部41aは、収容部41のターゲット液体Lと接触し、ターゲット液体Lの熱が伝達される部分である。なお、図3では、ターゲット液体Lの液面L1を1点鎖線で示している。
バッファ部42は、ターゲット液体Lから蒸発した蒸気Vを収容する領域である。バッファ部42は、収容部41の上部に連通し、上方へ窪む凹部である。図2及び図3に示すように、ビーム照射方向Xにおいて、バッファ部42は、収容部41に近い下部側よりも収容部41から遠い上部側が背面側へ傾斜して形成されている。そして、ターゲット液体Lからの蒸気Vを収容する凹部を構成するターゲット容器40の背面壁が、本発明の第2伝熱部42aに相当する。第2伝熱部42aは、バッファ部42の蒸気Vと接触し、蒸気Vの熱が伝達される。このとき、第2伝熱部42aであるバッファ部42の背面壁によって蒸気Vが冷却され凝縮する(凝縮熱伝達)。
また、図3に示すように、正面視におけるバッファ部42の外形は、例えば扇形を成している。バッファ部42は、収容部41の上部において周方向に沿って形成され、バッファ部42の上端部42bの外形は、円弧状に形成されている。バッファ部42の側部42cは直線状を成し、収容部41よりも遠い側が近い側よりも幅方向Wの外側へ傾斜する斜辺を成している。また、バッファ部42は、収容部41に近い第1の幅部Wよりも収容部41から遠い第2の幅部Wの方が大きくなっている。扇形のバッファ部42は、例えば、ドリル加工によって形成される。
ターゲット容器40には、図2に示すように、バッファ部42内に不活性ガス(例えばHeガス)を導入するためのガス導入孔40aが形成されている。このガス導入孔40aは、バッファ部42に連通し、ターゲット容器40の背面に設けられた開口部まで延在している。このターゲット容器40の背面の開口部には、さらに後方へ延びる配管経路45が接続されている。そして、Heガスは、配管経路45及びガス導入孔40aを通過してバッファ部42内に導入される。このようにバッファ部42内に高圧(例えば3MPa)の不活性ガスを導入することで、ターゲット液体Lの沸騰温度が上げることができる。
ターゲット容器40には、収容部41内にターゲット液体Lを充填する際に利用されると共に、収容部41内のターゲット液体Lを排出する際に利用される流通孔40bが形成されている。この流通孔40bは、収容部41に連通し、ターゲット容器40の背面に設けられた開口部まで延在している。このターゲット容器40の背面の開口部には、さらに後方へ延びる配管経路46が接続されている。そして、ターゲット液体Lは、配管経路46及び流通孔40bを通過して収容部41内に導入される。また、収容部41内のターゲット液体Lは、流通孔40b及び配管経路46を通過して排出される。
また、ターゲット容器40の背面の中央部には、図2に示すように、正面側へ窪む背面凹部40cが形成されている。この背面凹部40cは、その底部(正面側)に向かうにつれて縮径されている。そして、ターゲット容器40の背面凹部40c内に、冷却機構50の先端部分が挿入される(図1参照)。
冷却機構50は、ターゲット容器40を冷却するものである。具体的には、ターゲット容器40の背面側(第1伝熱部41a、第2伝熱部42a)に対して冷却水を放水することで、ターゲット容器40の背面壁を冷却し、収容部41及びバッファ部42を冷却する。冷却機構50は、図示しないポンプに接続されて冷却水を供給する冷却水供給配管51、この冷却水供給配管51の先端に設けられ冷却水を噴出させるノズル52、ターゲット40に固定されノズル52を支持する支持部材53を備えている。なお、冷却水に代えてその他の冷媒を用いた冷却機構でもよい。
支持部材53は、ターゲット容器40の背面凹部40cに挿入されて、ターゲット容器40に装着されている。支持部材53の中央には、ビーム照射方向に延在する貫通孔53aが設けられている。この貫通孔53内には冷却水供給配管51が挿通されている。そして、ノズル52は、支持部材53の正面側において、貫通孔53に嵌められて、冷却水供給配管51に接続されている。
ノズル52の先端部の外形は、ターゲット容器40の背面凹部に対応する形状となっている。ターゲット容器40の背面壁(41a,42b)とノズル52の先端部との間の隙間には、冷却水が流通する経路が形成されている。ノズル52から放出された冷却水は、ターゲット容器40の背面壁(41a,42b)の外面に沿って流れる。また、支持部材53には、冷却水を回収するための排出経路53bが設けられている。
このように構成されたターゲット装置では、収容部41にビームが照射されて、収容部41内の液体ターゲットが核反応し、放射性同位元素が製造される。そして、収容部41の液体ターゲットが加熱され、その一部が蒸発し、液体ターゲットから蒸発した蒸気Vは、バッファ部42内に存在することになる。冷却機構50は、冷却水をターゲット容器40の背面側に供給している。
ビームが照射された液体ターゲットLは、ビームからの入熱を受けて加熱される。液体ターゲットLの熱は、収容部41において、第1伝熱部41aを介して、冷却水に伝達される一方、液体ターゲットLから蒸発した蒸気Vは、バッファ部42において、第2伝熱部42aを介して、冷却水に伝達される。バッファ部42の蒸気Vは、背面壁に接して熱が奪われて凝縮する(凝縮熱伝達)。第2伝熱部42aによって冷却されて凝縮したターゲット液体は、下方へ移動し収容部41に戻る。
このようなターゲットによれば、収容部41の熱を伝熱する第1伝熱部と、バッファ部42の熱を伝熱する第2伝熱部とを備え、第2伝熱部の伝熱面積は、第1伝熱部の伝熱面積よりも大きくされているため、バッファ部42における凝縮熱伝達を有効活用することができる。これにより、凝縮熱伝達を考慮してターゲットにおける冷却能力の向上を図ることができる。本発明では、従来のターゲット容器と比較してバッファ部42における除熱量を多くすることができ、ターゲット容器40における熱サイクルを速くすることによって、ターゲット容器の除熱効果を向上させることができる。
また、扇形のターゲットを備える構成であるので、バッファ部42における伝熱面積を容易に拡大することができる。また、バッファ部42の幅方向の両側に形成された側部42cを、収容部41から離れるほど幅方向の外側に傾斜する斜辺とすることで、バッファ部42の加工を容易として、バッファ部42における伝熱面積を拡大することができる。本発明のターゲット容器では、バッファ部42の形状を扇形とすることで、複雑な加工をせずにバッファ部42の冷却面積を最大限とし、冷却能力の向上を図っている。また、バッファ部42は、幅方向の両側に斜辺(42c)を有する構成であるため、バッファ部42で凝縮した液体ターゲットが斜辺に沿って流れて収容部41に戻ることになる。これにより、凝縮した液体ターゲットを効率良く収容部41に復帰させることが可能となり、冷却能力の更なる向上が図られている。
図4(A)は、ターゲット容器内の圧力を示すグラフであり、左側に示す棒グラフは、従来のターゲット容器における内圧Pを示し、右側に示す棒グラフは、本発明のターゲット容器における内圧Pを示している。内圧P,Pは、照射されたビームによる入熱量を等しくした場合の測定値である。図4(A)に示すように、従来のターゲット容器の内圧Pは、約2.6MPaであり、本発明のターゲット容器の内圧Pは、約2.2MPaであった。本発明のターゲット容器によれば、従来と比較して容器内の圧力を低下させることができる。
図4(B)は、ターゲット装置による放射性同位元素(RI)の製造量を示すグラフであり、左側に示す棒グラフは、従来のターゲット装置におけるRI製造量Mを示し、右側に示す棒グラフは、本発明のターゲット容器におけるRI性増量Mを示している。RI製造量M,Mは、ターゲット容器の内圧を等しくした場合の測定値である。図4(B)に示すように、従来のターゲット容器によるRI製造量Mは、約40GBqであり、本発明のターゲット容器によるRI製造量Mは、約51GBqであった。本発明のターゲット容器によれば、従来と比較してRI製造量を増加させることができる。
また、本実施形態のターゲット装置では、冷却能力が向上され、ターゲット容器40内の圧力上昇が抑制されるので、装置の信頼性を向上させることができる。例えば、従来と同程度の内部圧力となるようにビーム照射を行った場合には、ビームの照射量を増加させることができるので、放射性同位電素の製造量を増加させることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、バッファ部が扇形に形成されているが、バッファ部の形状は、例えば三角形、台形などその他の形状でもよい。また、例えば、バッファ部にフィンを設けることで、伝熱面積を増加させてもよい。
また、バッファ部42は、その側部42cに斜辺が形成されていない構成であってもよい。例えば、上下方向に直線状に形成された部分を有する側部や、曲線状に形成された側部を備えるバッファ部42でもよい。バッファ部は、収容部に近い第1の幅部よりも収容部から遠い第2の幅部の方が大きい構成であればよい。
10…ターゲット装置、40…ターゲット容器(ターゲット)、41…収容部、41a…第1伝熱部、42…バッファ部、42a…第2伝熱部、42c…側部(斜辺)、50…冷却機構、W…第1の幅部、W…第2の幅部、X…ビーム照射方向。

Claims (6)

  1. ターゲット液体を収容する収容部と、
    前記収容部に連通し前記ターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部と、を備え、
    前記バッファ部は、前記収容部に近い第1の幅部よりも前記収容部から遠い第2の幅部の方が大きいことを特徴とするターゲット。
  2. 前記バッファ部の側部には、前記収容部から遠い方が、前記収容部から近い方よりも、幅方向の外側へ傾斜する斜辺が形成されていることを特徴とする請求項1記載のターゲット。
  3. 前記バッファ部は、正面視において扇形に形成されていることを特徴とする請求項2記載のターゲット。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のターゲットと、
    前記収容部及び前記バッファ部を冷却する冷却機構と、を備えることを特徴とするターゲット装置。
  5. ターゲット液体を収容する収容部と、
    前記収容部に連通しターゲット液体から蒸発した蒸気を収容するバッファ部と、
    前記収容部の熱を伝熱する第1伝熱部と、
    前記バッファ部の熱を伝熱する第2伝熱部と、を備え、
    前記第2伝熱部の伝熱面積は、前記第1伝熱部の伝熱面積よりも大きいことを特徴とするターゲット。
  6. 請求項5に記載のターゲットと、
    前記第1伝熱部及び前記第2伝熱部を冷却する冷却機構と、を備えることを特徴とするターゲット装置。
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