JP7209566B2 - 液体ターゲット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体ターゲット装置に関する。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1,2に記載の液体ターゲット装置が知られている。この液体ターゲット装置にはターゲット液体が収容され、粒子加速器で加速された荷電粒子線がターゲット液体に照射されてターゲット液体の放射性同位元素(RI)が生成される。
特許第4541445号公報 特許第5442523号公報
上記の液体ターゲット装置では、ターゲットの収容部の上流側の開口は所謂ターゲットフォイルで覆われている。このような装置構成の場合、荷電粒子線の照射時にターゲットフォイルが破損することがある。ターゲットフォイルが破損すると、ターゲット液体が粒子加速器側へ流れ込む可能性がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、ターゲットフォイルの破損時であってもターゲット液体の粒子加速器側への流出が防がれた液体ターゲット装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る液体ターゲット装置は、ターゲット液体を収容する液体収容部と、粒子加速器から出射された荷電粒子線を前記液体収容部まで通過させるビーム通過路と、前記ビーム通過路と前記液体収容部との間を区画するターゲットフォイルと、前記ビーム通過路の上流側に設けられた真空領域と前記ビーム通過路とを区画する真空フォイルと、を備え、前記ビーム通過路には、前記真空フォイル側で冷却ガスが供給される第1気体室と、前記第1気体室より前記ターゲットフォイル側で冷却ガスが供給される第2気体室と、が設けられ、前記第1気体室と前記第2気体室との間は中間フォイルによって区画されている。
上記の液体ターゲット装置によれば、液体収容部のターゲットフォイルと真空領域との間に、ビーム通過路を区画する真空フォイルと中間フォイルとが設けられている。したがって、仮にターゲットフォイルが破損して液体収容部に保持されるターゲット液体が第2気体室に流出したとしても、中間フォイルによってその移動が規制されるため、ターゲット液体が第1気体室を経て真空領域へ移動することが防がれる。したがって、ターゲットフォイルの破損時であってもターゲット液体の粒子加速器側への流出を防ぐことができる。
ここで、前記第1気体室に係る冷却ガスの流通系と、前記第2気体室に係る冷却ガスの流通系と、は互いに独立している態様とすることができる。
上記の構成とすることで、仮に第2気体室に対してターゲット液体が流出して、冷却ガスの移動と共に系外に排出されたとしても、第2気体室に係る冷却ガスの流通系と第1気体室に係る冷却ガスの流通系とは独立していることで、ターゲット液体が第1気体室等へ誤って供給されることを防ぐことができる。
前記第2気体室から排出される流体を流す配管と、前記配管に設けられて前記流体に含まれる異物を回収するための回収部と、をさらに有する態様とすることができる。
上記のように、第2気体室から排出される流体を流す配管に、当該流体に含まれる異物を回収するための回収部が設けられる構成とすることで、仮にターゲット液体が第2気体室に漏れて冷却ガスの移動と共に配管に流れたとしても、回収部においてターゲット液体を回収することができるため、後段へのターゲット液体の流出を防ぐことができる。
前記第1気体室に係る冷却ガスの流通系は、自装置とは異なる他の液体ターゲット装置と共有される態様とすることができる。
一つの粒子加速器には複数の液体ターゲット装置が設けられる場合、冷却ガスの流通系は他の液体ターゲット装置と共有され得る。この場合に、共有される流通系に、ターゲット液体等の冷却ガスとは異なる異物が混入すると影響が広範囲となる可能性がある。これに対して、ターゲット液体を収容する液体収容部から離れた側の第1気体室に係る冷却ガスの流通系を他の液体ターゲット装置と共有する構成とすることで、ターゲットフォイルの破損が生じた場合でも、他の液体ターゲット装置等への影響を防ぐことができる。
本発明によれば、ターゲットフォイルの破損時であってもターゲット液体の粒子加速器側への流出が防がれた液体ターゲット装置が提供される。
図1は、実施形態に係る液体ターゲット装置の断面図である。 図2は、液体ターゲット装置の冷却ガスの供給系を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、放射性同位元素製造システムに用いられる液体ターゲット装置の概略構成図である。液体ターゲット装置1を含む放射性同位元素製造システム(以下、「RI製造システム」)は、荷電粒子線Bをターゲット液体Tに照射して放射性同位元素(以下、「RI」)を製造する装置である。当該システムで製造されたRIは、例えば放射性同位元素標識化合物である放射性薬剤(放射性医薬品を含む)の製造に用いられる。ターゲット液体Tは、例えば18O水、及び、68Zn、65Ni、natYなど金属元素を含む酸性溶液等である。これらのターゲット液体Tから生成される放射性同位元素標識化合物としては、病院等のPET検査(陽電子断層撮影検査)に使用されるものとして、18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)、68Ga-PSMA、64Cu-DOTA-trastuzumab、89Zr-trastuzumab等がある。
RI製造システムには、液体ターゲット装置1のほか粒子加速器が含まれる。粒子加速器は、荷電粒子線Bを出射する加速器である。荷電粒子としては、例えば陽子、重粒子(重イオン)などが挙げられる。なお、粒子加速器としては、例えばサイクロトロン、線形加速器(ライナック)等が使用される。荷電粒子線としては、例えば、陽子線、重陽子線、α線等が使用される。以下の説明においては、粒子加速器3から出射される荷電粒子線の上流、下流に対応させて、「上流側」、「下流側」等の語を用いるものとする。
液体ターゲット装置1は、当該サイクロトロンに設けられる荷電粒子線を出射するポートに設けられたマニホールド90に対して装着される。サイクロトロンは加速空間内の荷電粒子線の軌道を調整して、ポートから荷電粒子線を取り出す。取り出された荷電粒子線は、マニホールド90に入射して液体ターゲット装置1に到達する。
液体ターゲット装置1は、冷却ユニット10とターゲット保持ユニット20と、を含んで構成される。なお、本実施形態では冷却ユニット10とターゲット保持ユニット20とを分けて説明するが、ユニットの区分の仕方は適宜変更することができる。
冷却ユニット10は、サイクロトロンのマニホールド90から突出した状態に設けられている。冷却ユニット10は、荷電粒子線Bの照射軸に対応する位置に当該荷電粒子線Bを通過させるためのビーム通過路11を備えている。ビーム通過路11は、荷電粒子線Bの照射軸を中心線として断面円形に形成され、当該照射軸に沿って延びるように形成されている。
冷却ユニット10は、ビーム通過路11上に2組のフォイルを備えている。真空フォイル31は、ビーム通過路11のうち、真空フォイル31より上流側の領域を真空に保つ。換言すると真空フォイル31よりも上流側の領域は真空領域A1となる。また、中間フォイル32は、ビーム通過路11のうち真空フォイル31よりも下流側に設けられる。真空フォイル31及び中間フォイル32は、は、フォイルは、チタン又はクロム等の金属やその合金から形成された円形状の薄い箔であり、厚みが10μm~100μm程度となっている。フォイルとしては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、マンガン、タングステン等を含むハーバーフォイル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、中間フォイル32は、上記のフォイルが2枚重ねて設けられていてもよい。図1では、2枚のフォイル32a,32bを重ねて中間フォイル32が形成されている状態を示している。2枚のフォイル32a,32bを重ねて中間フォイル32を形成すると、中間フォイル32の機械的強度を高めることができる。
また、冷却ユニット10は、ビーム通過路11にヘリウムなどの冷却ガスを吹き出す2組の冷却流路12,13を有している。冷却流路12は、一対の冷却流路12a,12bを含んで構成される。また、冷却流路13は、一対の冷却流路13a,13bを含んで構成される。
冷却流路12は、ビーム通過路11上の真空フォイル31と中間フォイル32との間に設けられる。冷却流路12a,12bはビーム通過路11を挟んで対向して設けられる。また、冷却流路12a,12bは、それぞれ上流側に向いた部分と下流側に向いた部分とに分岐している。冷却流路12aのうち上流側に向いた部分は、上流側の真空フォイル31に対して冷却ガスを吹き付け、下流側に向いた部分は、中間フォイル32に対して冷却ガスを吹き付ける(図2も参照)。冷却流路12bは、冷却流路12aから吹き付けられた冷却ガスをビーム通過路11から排出するための流路として設けられる。
冷却流路13は、ビーム通過路11上の中間フォイル32よりも下流側に設けられる。冷却流路13a,13bはビーム通過路11を挟んで対向して設けられる。また、冷却流路13a,13bは、それぞれ上流側に向いた部分と下流側に向いた部分とに分岐している。冷却流路13aのうち上流側に向いた部分は、上流側の中間フォイル32に対して冷却ガスを吹き付け、下流側に向いた部分は、後述するターゲット収容部23(液体収容部)に対して冷却ガスを吹き付ける(図2も参照)。冷却流路13bは、冷却流路13aから吹き付けられた冷却ガスをビーム通過路11から排出するための流路として設けられる。
ターゲット保持ユニット20は、略円柱状であって、ターゲットフォイル33、ターゲット容器部21、冷却機構22を備えている。ターゲット保持ユニット20は、冷却流路13よりも下流側において冷却ユニット10と連結されている。
ターゲット容器部21は、ターゲット保持ユニット20の上流側に配置されている。ターゲット容器部21と上流側の冷却ユニット10との間にはターゲットフォイル33が挟み込まれている。なお、ターゲット保持ユニット20を構成する部材によってターゲットフォイル33を挟み込んで支持する構成としてもよいし、図1に示すように冷却ユニット10を構成する部材によってターゲットフォイル33を挟み込んで支持する構成としてもよい。
図1に示す構成の場合、ターゲットフォイル33の正面側の面の一部は、ビーム通過路11に対して露出している。ターゲットフォイル33は、ビームの通過を許容する一方、ターゲット液体Tやヘリウムガスといった流体の通過を遮断する。ターゲットフォイル33は、例えばハーバーフォイルまたはニオブ等の金属又は合金から形成された円形状の薄い箔であり、その厚さが10μm~50μm程度となっている。
ターゲット容器部21は、正面視中央部に形成されターゲット液体Tを収容可能なターゲット収容部23と、ターゲット収容部23の上方に位置しターゲット収容部23に連通するバッファ部24とを備えている。ターゲット収容部23及びバッファ部24は、ターゲット容器部21の正面側がターゲットフォイル33により塞がれて形成される閉鎖空間で構成される。この閉鎖空間の一部が、ターゲット液体Tが貯留されるターゲット収容部23であり、上記閉鎖空間のうちターゲット液体Tの液面より上方の部分がバッファ部24である。換言すると、ターゲット収容部23及びバッファ部24とビーム通過路11との間は、ターゲットフォイル33によって区画される。ターゲット収容部23には、配管41を通じてターゲット液体Tが供給充填され、処理後のターゲット液体Tは再び配管41を通じて回収される。
ターゲット収容部23及びバッファ部24を構成する背面壁43の更に背面側に、冷却機構22が設けられている。冷却機構22は、背面壁43に接触する冷却水を供給してターゲット収容部23及びバッファ部24を冷却する。冷却機構22は、背面壁43の直ぐ背面側の背面水路45と、この背面水路45に冷却水を導入する導水路47と、背面水路45から冷却水を排出する排水路49と、を有している。冷却水は、導水路47に接続された冷却水供給配管を通じて外部から供給される。このような冷却機構22によって、ターゲット収容部23内のターゲット液体Tが冷却される。また、冷却機構22によってバッファ部24が冷却されることにより、ターゲット収容部23内のターゲット液体Tから蒸発した蒸気はバッファ部24で凝縮され、自重でターゲット収容部23内に戻る。なお、ターゲット収容部23及びバッファ部44は、配管51を通じて供給される不活性ガス(例えばHe)によって加圧され、これにより、ターゲット液体Tの沸点が上昇する。
このように、液体ターゲット装置1では、真空フォイル31、中間フォイル32及びターゲットフォイル33によって、ビーム通過路11上に冷却ガスが通過する2つの気体室が形成されている。すなわち、冷却流路12(12a,12b)により冷却ガスが供給される第1気体室R1と、冷却流路13(13a,13b)により冷却ガスが供給される第2気体室R2と、がビーム通過路11上に形成される。第1気体室R1と第2気体室R2との間は中間フォイル32によって区画されている。
次に、図2を参照しながら、第1気体室R1と第2気体室R2に対して供給される冷却ガスの流れについて説明する。液体ターゲット装置1では、第1気体室R1に対して供給される冷却ガスの流通系と第2気体室R2に対して供給される冷却ガスの流通系とは互いに独立させることができる。なお、冷却ガスの流通系とは、気体室への冷却ガスの供給及び気体室からの冷却ガスの排出に係る配管系統のことをいう。
図2では、3つの液体ターゲット装置1(1A,1B,1C)を示している。図1では、1つの液体ターゲット装置1について説明したが、実際には1つの粒子加速器に対して複数の液体ターゲット装置1が取り付けられる場合がある。例えば、粒子加速器がサイクロトロンである場合、サイクロトロンには複数のポートが設けられて、各ポートに対してマニホールドを介して液体ターゲット装置1が取り付けられる場合がある。このような場合、複数の液体ターゲット装置1同士はある程度近接した状態で設置される。図2では、3つの液体ターゲット装置1(1A,1B,1C)が平行に配置されている状態を模式的に示しているが、実際には粒子加速器の構成等に応じて、隣接する液体ターゲット装置1間で設置角度が異なる場合がある。
このような場合、上流側の第1気体室R1に対して供給される冷却ガスは、隣接する液体ターゲット装置1間で共有することができる。すなわち、第1気体室R1に対して供給される冷却ガスの流通系S1は、他の液体ターゲット装置と共有されている。図2に示す例の場合、液体ターゲット装置1Aに対して供給された冷却ガスは、冷却流路12bから排出された後配管L1を経由して液体ターゲット装置1Bの冷却流路12aから液体ターゲット装置1Bのビーム通過路11(第1気体室R1)へ供給される。そして、液体ターゲット装置1Bの第1気体室R1へ供給された冷却ガスは、冷却流路12bから排出された後、配管L2を経由して液体ターゲット装置1Cの冷却流路12aから液体ターゲット装置1Cへ供給される。このように、第1気体室R1に対する冷却ガスの流通系については、複数の液体ターゲット装置1近隣の液体ターゲット装置1の第1気体室R1に対して設けられた冷却流路同士を配管により接続し、当該配管を介して冷却ガスを供給する構成とすることができる。
一方、第2気体室R2への冷却ガスの流通系S2は、隣接する液体ターゲット装置1とは独立して設けることができる。図2では、液体ターゲット装置1Bに対して供給される冷却ガスの流通系S2を示している。この供給系では、ヘリウム冷却加圧装置61において冷却された冷却ガス(ヘリウムガス)が配管L3を経て冷却流路13aに対して送られ、冷却流路13aから第2気体室R2へ供給される。このように、第1気体室R1に係る冷却ガスの流通系と、第2気体室R2に係る冷却ガスの流通系とは互いに独立とすることができる。
なお、第2気体室R2から冷却流路13bを経て排出された冷却ガスは、配管L4を経てヘリウム冷却加圧装置61へ返送される。なお、配管L4上には、気水分離装置62及びフィルタ63が設けられている。気水分離装置62及びフィルタ63は、ターゲットフォイル33が破損し、ターゲット液体Tが配管L4に流入した場合にターゲット液体Tを含む異物を回収する回収部として機能する。ここでの「異物」とは、本来流通系S1,S2を流れる流体である冷却ガスとは異なる物質全般のことをいう。本来配管L4を流れる流体はヘリウムガスのみである。
気水分離装置62は、配管L4に流れる流体(ヘリウムガス)にターゲットフォイル33の破損によりターゲット液体Tが含まれる場合に当該液体が後段へ流れることを防ぐために設けられる。気水分離のための装置構成は特に限定されないが、図2のようにタンクの形状を変更して気水分離が可能な構成としてもよい。また、気水分離装置62において回収された液体または気体に対して中和処理を行う機能を有していてもよい。
フィルタ63は、配管L4を流れる気体中に含まれる水蒸気等を除去するために設けられる。また、気体中にヘリウムガスとは異なる成分のガス等が含まれる場合には、当該成分を吸着可能なフィルタを用いてもよい。
第2気体室R2から流れるガスは、配管L4上の気水分離装置62及びフィルタ63を経てヘリウム冷却加圧装置61へ返送される。ガスが気水分離装置62及びフィルタ63を経ることで、ターゲットフォイル33が破損した際でも流入したターゲット液体Tを除去することが可能となるため、ヘリウム冷却加圧装置61の損傷を防ぐことができる。
上記のように、本実施形態に係る液体ターゲット装置1では、ターゲット収容部23(液体収容部)を区画するターゲットフォイル33と上流側の真空領域A1との間に、ビーム通過路11を区画する真空フォイル31と中間フォイル32とが設けられている。したがって、仮にターゲットフォイル33が破損してターゲット収容部23に保持されるターゲット液体が第2気体室R2に流出したとしても、中間フォイル32によってその移動が規制される。したがって、ターゲット液体が第1気体室R1を経て上流側の真空領域へ移動することが防がれる。したがって、ターゲットフォイル33の破損時であってもターゲット液体が粒子加速器側へ流出することを防ぐことができる。
従来の構成では、中間フォイル32が設けられておらず、冷却ガスが通過する気体室は1室で構成されているため、ターゲットフォイル33が破損してターゲット液体Tが気体室に漏れ出した場合、真空フォイル31の下流側までターゲット液体Tが流れる可能性がある。この場合、仮に真空フォイル31が破損すると、上流の真空領域A1までターゲット液体Tが流れる可能性がある。真空領域A1までターゲット液体Tが流れると、上流側の粒子加速器に影響を与える可能性がある。特に、酸性のターゲット液体Tを用いる場合は、真空領域A1が酸により腐食し、重大な影響を与える可能性がある。これに対して、本実施形態に係る液体ターゲット装置1では、ビーム通過路11に中間フォイル32によって区画された2つの気体室を設けることで、ターゲット液体Tの漏れ出しが真空フォイル31まで到達することを防いでいる。したがって、ターゲットフォイル33が破損したとしても、粒子加速器側へのターゲット液体Tの移動を抑制することができる。
また、第1気体室R1に係る冷却ガスの流通系S1と、第2気体室R2に係る冷却ガスの流通系S2と、は互いに独立している態様とすることができる。このような構成とすることで、仮に第2気体室R2に対してターゲット液体Tが流出して、冷却ガスの移動と共に流通系S2を経て系外に排出されたとしても、第2気体室R2に係る冷却ガスの流通系S2と第1気体室R1に係る冷却ガスの流通系S1とは独立していることで、ターゲット液体Tが第1気体室R1等へ誤って供給されることを防ぐことができる。すなわち、第2気体室R2のみがターゲット液体Tに触れることになり、第1気体室R1はターゲット液体Tに触れることを防ぐことが可能となるため、粒子加速器側へのターゲット液体Tの移動を防ぐことができる。
また、第2気体室R2から排出される流体を流す配管L4と、配管L4に設けられて流体に含まれる異物を回収するための回収部としての気水分離装置62及びフィルタ63と、をさらに有する態様とすることができる。このような構成とすることで、仮にターゲット液体Tが第2気体室R2に漏れて冷却ガスの移動と共に配管L4に流れたとしても、回収部においてターゲット液体Tに係る異物を回収することができるため、後段へのターゲット液体Tの流出を防ぐことができる。すなわち、系外へのターゲット液体Tに係る異物の排出を防ぐことができると同時に、ヘリウム冷却加圧装置61等の第2気体室R2に対して冷却ガスを供給するためのポンプ及び配管等がターゲット液体Tに係る物質に触れることを防ぐことができる。
また、上記のように、第1気体室R1に係る冷却ガスの流通系S1は、自装置とは異なる他の液体ターゲット装置と共有される。一つの粒子加速器には複数の液体ターゲット装置が設けられる場合、冷却ガスの流通系は他の液体ターゲット装置と共有され得る。このような場合、共有される流通系にターゲット液体T等の冷却ガスとは異なる異物が混入すると影響が広範囲となる可能性があるが、上記の液体ターゲット装置1のように、ターゲット収容部23から離れた側の第1気体室R1に係る冷却ガスの流通系を他の液体ターゲット装置と共有する構成とすることで、ターゲットフォイル33の破損が生じた場合でも、他の液体ターゲット装置等への影響を防ぐことができる。
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して、変形例を構成することも可能である。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
例えば、液体ターゲット装置1を構成する各部の形状等は適宜変更することができる。例えば、第2気体室R2は冷却ユニット10の一部として説明したが、第2気体室R2に係る構成をターゲット保持ユニット20の一部として構成してもよい。
また、フォイルを支持する構造等は上記実施形態で説明したものに限定されない。また、中間フォイル32は2枚重ねとしなくてもよく、1枚のフォイルから構成されていてもよい。
また、ビーム通過路11に設けられる気体室の数は3以上であってもよい。ただし、気体室の数が増える度に気体室を区画するための部材(中間フォイル32に対応する部材)の数が増えるため、ターゲット液体Tに対する荷電粒子線の照射効率は低下することが考えられる。
また、第1気体室R1に係る冷却ガスの流通系S1と第2気体室R2に係る冷却ガスの流通系S2とが独立していない構成であってもよい。ただし、例えば、第2気体室R2から排出される冷却ガスが第1気体室R1に直接供給されることを防ぐ構成とすることで、上記のように第2気体室R2にターゲット液体Tが漏れた場合に第1気体室R1へターゲット液体Tに係る異物が流れることを防ぐことができる。また、第1気体室R1に係る冷却ガスの流通系S1については、他の液体ターゲット装置1と共有されていない構成であってもよい。
また、回収部としての気水分離装置62及びフィルタ63は、液体ターゲット装置1に異常が発生していないとき、すなわち、ターゲットフォイル33が破損していないときは回収部としての機能を発揮しない状態としてもよい。この場合、何らかの異常を検知した段階で回収部としての機能を発揮するように制御する構成とすることで、上記実施形態で説明した回収部としての機能を実現することができる。
1,1A,1B,1C…液体ターゲット装置、3…粒子加速器、10…冷却ユニット、11…ビーム通過路、12,12a,12b,13,13a,13b…冷却流路、20…ターゲット保持ユニット、21…ターゲット容器部、22…冷却機構、23…ターゲット収容部、24…バッファ部、31…真空フォイル、32…中間フォイル、33…ターゲットフォイル、61…ヘリウム冷却加圧装置、62…気水分離装置、63…フィルタ。

Claims (4)

  1. ターゲット液体を収容する液体収容部と、
    粒子加速器から出射された荷電粒子線を前記液体収容部まで通過させるビーム通過路と、
    前記ビーム通過路と前記液体収容部との間を区画するターゲットフォイルと、
    前記ビーム通過路の上流側に設けられた真空領域と前記ビーム通過路とを区画する真空フォイルと、
    を備え、
    前記ビーム通過路には、前記真空フォイル側で冷却ガスが供給される第1気体室と、前記第1気体室より前記ターゲットフォイル側で冷却ガスが供給される第2気体室と、が設けられ、
    前記第1気体室と前記第2気体室との間は中間フォイルによって区画され
    前記第1の気体室には、前記真空フォイルと前記中間フォイルとの間の位置に冷却ガスが供給され、
    前記第2の気体室には、前記中間フォイルと前記ターゲットフォイルとの間の位置に冷却ガスが供給される、液体ターゲット装置。
  2. 前記第1気体室に係る冷却ガスの流通系と、前記第2気体室に係る冷却ガスの流通系と、は互いに独立している、請求項1に記載の液体ターゲット装置。
  3. 前記第2気体室から排出される流体を流す配管と、
    前記配管に設けられて前記流体に含まれる異物を回収するための回収部と、
    をさらに有する、請求項1または2に記載の液体ターゲット装置。
  4. 前記第1気体室に係る冷却ガスの流通系は、自装置とは異なる他の液体ターゲット装置と共有される、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体ターゲット装置。
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