JP6968163B2 - ターゲットアセンブリ及び同位体製造システム - Google Patents

ターゲットアセンブリ及び同位体製造システム Download PDF

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Description

本明細書に開示される主題は、概して同位体製造システムに関し、より具体的には、粒子ビームで照射されるターゲット材料を有する同位体製造システムに関する。
放射性同位体(放射性核種とも称される)は、医学的治療、画像、及び研究におけるいくつかの用途、並びに医学に関連しない他の用途を有する。放射性同位体を製造するシステムは、典型的には、荷電粒子(例えば、H−イオン)のビームを加速させ、このビームをターゲット材料に誘導して同位体を生成する、サイクロトロンなど粒子加速器を含む。サイクロトロンは、電界及び磁界を使用して、加速チャンバ内の所定の軌道に沿って荷電粒子を加速させ、誘導する複雑なシステムである。粒子が軌道の外側部分に到達すると、荷電粒子は、同位体製造用のターゲット材料を保持するターゲットアセンブリに向けられる粒子ビームを形成する。
典型的には液体、ガス、又は固体であるターゲット材料は、ターゲットアセンブリのチャンバ内に収容される。ターゲットアセンブリは、粒子ビームを受容し、粒子ビームがチャンバ内のターゲット材料に入射できるようにするビーム通路を形成する。チャンバ内にターゲット材料を収容するために、ビーム通路は、1つ以上の箔によってチャンバから分離される。例えば、チャンバは、ターゲット本体内の空隙によって画定されてよい。ターゲット箔は片側の空隙を覆い、ターゲットアセンブリの一部は空隙の反対側を覆って、それらの間にチャンバを画定してよい。粒子ビームはターゲット箔を通過し、比較的少量のターゲット材料内に比較的大量の電力を堆積させ、それによって、チャンバ内で大量の熱エネルギーを発生させる。この熱エネルギーの一部は、ターゲット箔に伝達される。
ターゲット箔は、製造チャンバに接するターゲット箔の側面に沿って高温及び圧力を受ける。高温及び圧力は、ターゲット箔を破裂、融解、又は他の損傷に対して脆弱にする応力をもたらす。箔が損傷すると、製造チャンバに入るエネルギーのレベルが増加する。より大きいエネルギーレベルは、望ましくない同位体、又はターゲット材料を使用不能にする他の不純物を生成し得る。
加えて、ターゲット箔は、粒子ビームからエネルギーを吸収する。このエネルギーは、そうでなければ、製造チャンバ内の反応に有用であり得る。加えて、ターゲット箔は、経時的に高度に活性化し、ターゲット箔を交換しなければならない技術者に健康上の問題をもたらす。ターゲット箔はまた、活性化されたイオンがターゲット材料によってターゲット箔から吸収されるときにターゲット媒体を汚染し得る。更に、少なくともいくつかの反応のための同位体製造は、ターゲット材料の温度があまり上昇しないときに、より良好であり得る。
箔の過熱の課題に対処するために、従来のシステムは、ターゲット箔から熱エネルギーを移動させる冷却システムを含む。冷却システムは、冷却媒体(例えば、ヘリウム)に、箔から熱エネルギーを吸収する冷却チャンバを通過させる。しかしながら、冷却システムにもかかわらず、ターゲット箔及びターゲット材料の温度は、依然として過熱し、上記のような他の課題が残っている。
ある実施形態では、同位体製造システム用のターゲットアセンブリが提供される。このターゲットアセンブリは、製造チャンバと、製造チャンバに隣接するビームキャビティと、を有するターゲット本体を含む。製造チャンバは、ターゲット材料を保持するように構成されている。ビームキャビティは、ターゲット本体の外側に対して開口し、製造チャンバに入射する粒子ビームを受容するように構成されている。ターゲットアセンブリはまた、ビームキャビティ及び製造チャンバを分離するように位置付けられているターゲットシートを含む。ターゲットシートは、同位体の製造中にターゲットシートがターゲット材料と接触するように、製造チャンバに露出される側面を有する。ターゲットシートはグラフェンを含む。
いくつかの態様では、ターゲットシートはグラフェンから本質的になるグラフェン層を含む。
いくつかの態様では、ターゲットシートはまた、グラフェン層に対して積層されるチャンバ層を含む。チャンバ層はグラフェン層と製造チャンバとの間に位置付けられ、同位体の製造中にターゲット材料がチャンバ層と接触するように製造チャンバに露出される。任意選択的に、チャンバ層は、粒子ビームによる活性化時に長寿命同位体を生じさせる材料を含まない。任意選択的に、チャンバ層は、金、ニオブ、タンタル、チタン、又は上記のうちの1つ以上を含む合金を含む。
いくつかの態様では、ターゲットシートは、少なくとも20マイクロメートルの厚さを有する。
いくつかの態様では、ターゲットシートは、グラフェンから本質的になるグラフェン層を備え、このグラフェン層は、少なくとも20マイクロメートルの厚さを有する。
いくつかの態様では、ターゲット本体は、ビーム通路内に配置されたグリッド部を含む。グリッド部は、ターゲットシートの前面と接する背面を有する。グリッド部はターゲットシートを支持して、製造チャンバ内の高圧による破裂の可能性を低減する。
ある実施形態では、粒子ビームを生成するように構成されている粒子加速器を含む同位体製造システムが提供される。同位体ターゲットアセンブリは、製造チャンバと、製造チャンバに隣接するビームキャビティと、を有するターゲット本体を含み、製造チャンバは、ターゲット液体を保持するように構成されており、ビームキャビティは、ターゲット本体の外側に対して開口し、製造チャンバに入射する粒子ビームを受容するように構成されており、ターゲットアセンブリはまた、ビームキャビティ及び製造チャンバを分離するように位置付けられているターゲットシートを含み、ターゲットシートは、同位体の製造中にターゲット材料がターゲットシートと接触するように、製造チャンバに露出される側面を有し、ターゲットシートはグラフェンを含む。
いくつかの態様では、ターゲットシートはグラフェンから本質的になるグラフェン層を含む。
いくつかの態様では、ターゲットシートはまた、グラフェン層に対して積層されるチャンバ層を含む。チャンバ層はグラフェン層と製造チャンバとの間に位置付けられ、同位体の製造中にターゲット材料がチャンバ層と接触するように製造チャンバに露出される。任意選択的に、チャンバ層は、粒子ビームによる活性化時に長寿命同位体を生じさせる材料を含まない。任意選択的に、ターゲットシートは、少なくとも20マイクロメートルの厚さを有する。
いくつかの態様では、ターゲット本体は、ビーム通路内に配置されるグリッド部を含み、グリッド部は、ターゲットシートの前面と接する背面を有し、グリッド部は、ターゲットシートを支持して、製造チャンバ内の高圧による破裂の可能性を低減する。
いくつかの態様では、同位体製造システムはまた、硝酸中の硝酸68Znを製造チャンバに流し込むように構成されている流体制御システムを含む。
ある実施形態では、放射性同位体を生成する方法が提供される。本方法は、ターゲットアセンブリの製造チャンバにターゲット材料を供給することを含む。ターゲットアセンブリは、製造チャンバと、製造チャンバに隣接するビームキャビティと、を有する。製造チャンバは、ターゲット液体を保持するように構成されている。ビームキャビティは、製造チャンバに入射する粒子ビームを受容するように構成されている。ターゲットアセンブリはまた、ビームキャビティ及び製造チャンバを分離するように位置付けられているターゲットシートを含む。ターゲットシートは、同位体の製造中にターゲット材料がターゲットシートと接触するように、製造チャンバに露出される側面を有する。ターゲットシートはグラフェンを含む。本方法はまた、粒子ビームをターゲット材料へと方向付けることを含む。粒子ビームは、ターゲットシートを通過してターゲット材料に入射する。
いくつかの態様では、ターゲット材料は、硝酸中の硝酸68Znを含む。グラフェン層は、同位体の製造中にターゲット材料がグラフェン層と接触するように、製造チャンバに露出される。任意選択的に、ターゲット材料に入射する粒子ビームのエネルギーは、7〜24MeVである。
いくつかの態様では、ターゲット材料は天然14ガスを含む。任意選択的に、ターゲットシートは、製造チャンバとグラフェン層との間に配置されるチャンバ層を含む。チャンバ層は、グラフェン層から製造チャンバへの非活性炭素の流れを妨げる。
ある実施形態による同位体製造システムのブロック図である。 ある実施形態による抽出システム及びターゲットシステムの側面図である。 ある実施形態によるターゲットアセンブリの背面斜視図である。 図3のターゲットアセンブリの正面斜視図である。 図3のターゲットアセンブリの分解図である。 Z軸に対して横方向に取られたターゲットアセンブリの断面図であり、ターゲットアセンブリの熱エネルギーを吸収する冷却チャネルを示す。 X軸に対して横方向に取られた、図3のターゲットアセンブリの断面図である。 Y軸に対して横方向に取られた、図3のターゲットアセンブリの断面図である。 ある実施形態による方法を示すフローチャートである。
前述の概要、並びに以下の特定の実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、より良く理解されるであろう。図が様々な実施形態のブロックの図を示す範囲では、ブロックは、必ずしもハードウェアの区分を示すものではない。したがって、例えば、ブロックのうちの1つ以上は、単一のハードウェア又は複数のハードウェアで実施されてよい。様々な実施形態は、図面に示される構成及び手段に限定されないことを理解されたい。
本明細書で使用する場合、単数形で書かれ、単語「a」又は「an」が前に付く要素又は工程は、例外であることが明示されない限り、当該要素又は工程が複数であることを除外しないことを理解すべきである。更に、本発明の「一実施形態」という言及は、記載した特徴を含む追加の実施形態の存在を除外すると解釈されるべきではない。更に、明示的に反対のことが言及されない限り、特定の特性を有する1つの要素又は複数の要素を「備える」又は「有する」実施形態は、その特性を有さない、かかる追加の要素を含み得る。
図1は、ある実施形態による同位体製造システム100のブロック図である。同位体製造システム100は、イオン源システム104、電界システム106、磁界システム108、真空システム110、冷却システム122、及び流体制御システム125など複数のサブシステムを有する粒子加速器102(例えば、サイクロトロン)を含む。同位体製造システム100の使用中、ターゲット材料116(例えば、ターゲット液体又はターゲットガス)は、ターゲットシステム114の指定された製造チャンバ120に供給される。ターゲット材料116は、流体制御システム125を介して製造チャンバ120に供給されてよい。流体制御システム125は、1つ以上のポンプ及び弁(図示せず)を通って製造チャンバ120に至るターゲット材料116の流れを制御してよい。流体制御システム125はまた、製造チャンバ120に不活性ガスを供給することによって、製造チャンバ120内で受ける圧力を制御してよい。
粒子加速器102の動作中、荷電粒子は、イオン源システム104を介して粒子加速器102内に配置される、又は注入される。磁界システム108及び電界システム106は、荷電粒子の粒子ビーム112の生成時に互いに協働するそれぞれの界を生成する。
また、図1に示されるように、同位体製造システム100は抽出システム115を有する。ターゲットシステム114は、粒子加速器102に隣接して位置付けられてよい。同位体を生成するために、粒子ビーム112は、ビーム経路117に沿って抽出システム115を介してターゲットシステム114へと粒子加速器102によって方向付けられ、その結果、粒子ビーム112は、指定された製造チャンバ120に位置するターゲット材料116に入射する。いくつかの実施形態では、粒子加速器102及びターゲットシステム114は、空間又は間隙によって(例えば、距離によって)分離されず、及び/又は別個の部分ではないことに留意されたい。したがって、これらの実施形態では、粒子加速器102及びターゲットシステム114は、構成要素又は部分間にビーム経路117が設けられないように、単一の構成要素又は部分を形成してよい。
同位体製造システム100は、医学的画像、研究、及び治療に使用され得る放射性同位体(放射性核種とも呼ばれる)を生成するように構成されているが、科学的研究又は分析など医学に関連しない他の用途にも使用され得る。核医学(NM)画像又は陽電子放射断層撮影(PET)画像など医療目的で使用される場合、放射性同位体はトレーサーと呼ばれてよい。同位体製造システム100は、医学的画像又は治療に使用するための個々の用量など、所定の量又はバッチで同位体を製造し得る。例として、同位体製造システム100は、硝酸中の硝酸68Znを含むターゲット液体から68Ga同位体を生成し得る。同位体製造システム100はまた、18同位体を液体形態で作製する陽子を生成するように構成されてよい。これらの同位体を製造するために使用されるターゲット材料は、濃縮18O水又は16O−水であってよい。いくつかの実施形態では、同位体製造システム100はまた、15O標識水を製造するために陽子又は重水素を生成してよい。異なるレベルの活性を有する同位体が提供されてよい。
いくつかの実施形態では、同位体製造システム100は、技術を使用し、荷電粒子を、およそ10〜30μAのビーム電流で低エネルギー(例えば、約8MeV又は約14MeV)にする。かかる実施形態では、水素負イオンは加速させられ、粒子加速器102を介して抽出システム115へと誘導される。次いで、水素負イオンは、抽出システム115のストリッパ箔(図1には示されていない)に衝突し、それによって一対の電子を除去し、粒子を正イオンのにしてよい。しかしながら、代替実施形態では、荷電粒子は、、及びHeなど正イオンであってよい。かかる代替実施形態では、抽出システム115は、粒子ビームをターゲット材料116に向けて誘導する電界を作り出す静電偏向器を含んでよい。様々な実施形態は、より低いエネルギーシステムでの使用に限定されるものではなく、より高いエネルギーシステム、例えば、最大25MeV以上のビーム電流で使用され得ることに留意されたい。
同位体製造システム100は、それぞれの構成要素によって生成された熱を吸収するために、冷却流体(例えば、水又はヘリウムなどガス)を異なるシステムの様々な構成要素へと輸送する冷却システム122を含んでよい。例えば、1つ以上の冷却チャネルは、製造チャンバ120に近接して延在し、そこから熱エネルギーを吸収してよい。同位体製造システム100はまた、様々なシステム及び構成要素の動作を制御するために使用され得る制御システム118を含んでよい。制御システム118は、同位体製造システム100を自動的に制御するため、及び/又は特定機能の手動制御を可能にするために必要な回路を含んでよい。例えば、制御システム118は、1つ以上のプロセッサ又は他の論理ベース回路を含んでよい。制御システム118は、粒子加速器102及びターゲットシステム114に近接して、又はそこから離れて位置する1つ以上のユーザインターフェースを含んでよい。図1には示されていないが、同位体製造システム100はまた、粒子加速器102及びターゲットシステム114用の1つ以上の放射シールド及び/又は磁気シールドを含んでよい。
同位体製造システム100は、荷電粒子を所定のエネルギーレベルに加速させるように構成されてよい。例えば、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、荷電粒子をおよそ18MeV以下のエネルギーに加速させる。他の実施形態では、同位体製造システム100は、荷電粒子をおよそ16.5MeV以下のエネルギーに加速させる。特定の実施形態では、同位体製造システム100は、荷電粒子をおよそ9.6MeV以下のエネルギーに加速させる。より具体的な実施形態では、同位体製造システム100は、荷電粒子をおよそ7.8MeV以下のエネルギーに加速させる。しかしながら、本明細書に記載の実施形態はまた、18MeVを超えるエネルギーを有してよい。例えば、実施形態は、100MeV超、500MeV以上のエネルギーを有してよい。同様に、実施形態は、様々なビーム電流値を用いてよい。例として、ビーム電流はおよそ10〜30μAの間であってよい。他の実施形態では、ビーム電流は、30μA超、50μA超、又は70μA超であってよい。更に他の実施形態では、ビーム電流は、100μA超、150μA超、又は200μA超であってよい。
同位体製造システム100は、別個のターゲット材料116A〜Cが位置する複数の製造チャンバ120を有してよい。移動装置又はシステム(図示せず)を使用して、粒子ビーム112が異なるターゲット材料116に入射するように、粒子ビーム112に対して製造チャンバ120を移動してよい。あるいは、粒子加速器102及び抽出システム115は、1つの経路のみに沿って粒子ビーム112を方向付けなくてよいが、それぞれ異なる製造チャンバ120A〜Cの固有の経路に沿って粒子ビーム112を方向付けてよい。更に、ビーム経路117は、粒子加速器102から製造チャンバ120まで実質的に直線状であってよく、あるいは、ビーム経路117は、それに沿った1つ以上の点において湾曲してよい、又は向きを変えてよい。例えば、ビーム経路117に沿って位置付けられる磁石は、異なる経路に沿って粒子ビーム112を方向転換するように構成されてよい。
ターゲットシステム114は、複数のターゲットアセンブリ130を含む。ただし他の実施形態では、ターゲットシステム114は、1つのターゲットアセンブリ130のみを含み得る。ターゲットアセンブリ130は、複数の本体部134、135、136を有するターゲット本体132を含む。ターゲットアセンブリ130はまた、ターゲット材料と衝突する前に粒子ビームが通過する1つ以上の箔を含むように構成されている。例えば、ターゲットアセンブリ130は、第1のシート138と、第2のシート140と、を含む。以下により詳細に記載されるように、第1のシート138及び第2のシート140はそれぞれ、ターゲットアセンブリ130のグリッド部(図1には図示せず)と係合してよい。第2シート140はまた、ターゲットシートと称されてよい。
特定の実施形態は、第1及び第2のシート用の直接冷却システムを含まなくてよい。従来のターゲットシステムは、第1のシートと第2のシートとの間に存在する空間を介して冷却媒体(例えば、ヘリウム)を方向付ける。冷却媒体は、第1及び第2のシートに接触し、第1及び第2のシートから熱エネルギーを直接吸収し、熱エネルギーを第1及び第2のシートから離すように移動させる。本明細書に記載の実施形態は、かかる冷却システムを含まなくてよい。例えば、この空間を取り囲む半径方向表面は、チャネルに流体的に連結されているポートを含まなくてよい。しかしながら、冷却システム122は、ターゲットシステム114の他の物体を冷却し得ることを理解されたい。例えば、冷却システム122は、本体部136を通るように冷却水を方向付けて、製造チャンバ120からの熱エネルギーを吸収してよい。しかしながら、実施形態は、半径方向表面に沿ってポートを含み得ることを理解されたい。かかるポートは、第1及び第2のシート138、140を冷却するため、又は第1及び第2のシート138、140間の空間を排気するための冷却媒体を提供するために使用されてよい。
本明細書に記載のサブシステムのうちの1つ以上を有する同位体製造システム及び/又はサイクロトロンの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0255646号に見出すことができる。更に、本明細書に記載の実施形態で使用され得る同位体製造システム及び/又はシクロトロンはまた、米国特許出願第12/492,200号、同第12/435,903号、同第12/435,949号、同第12/435,931号、及び同第14/754,878号に記載されており、これらはそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図2は、抽出システム150及びターゲットシステム152の側面図である。図示される実施形態では、抽出システム150は、箔ホルダ158と、1つ以上の抽出箔160(ストリッパ箔とも称される)と、をそれぞれ含む、第1及び第2の抽出ユニット156、158を含む。抽出プロセスは、ストリッピング箔の原理に基づき得る。より具体的には、荷電粒子(例えば、加速された負イオン)の電子は、荷電粒子が抽出箔160を通過する際にストリッピングされる。粒子の電荷は負電荷から正電荷に変化し、それにより、磁界内の粒子の軌跡を変化させる。抽出箔160は、正帯電粒子を含む外部粒子ビーム162の軌道を制御するように位置付けられてよく、外部粒子ビーム162を指定されたターゲット位置164の方向に導くために使用されてよい。
図示される実施形態では、箔ホルダ158は、1つ以上の抽出箔160を保持できる回転可能なカルーセルである。しかしながら、箔ホルダ158は回転可能である必要はない。箔ホルダ158は、トラック又はレール166に沿って選択的に位置付けられてよい。抽出システム150は、1つ以上の抽出モードを有してよい。例えば、抽出システム150は、1つの外部粒子ビーム162のみが出口ポート168へと誘導される単一ビーム抽出用に構成されてよい。図2では、1〜6として列挙される6つの出口ポート168が存在する。
抽出システム150はまた、2つの外部ビーム162が2つの出口ポート168へと同時に誘導されるデュアルビーム抽出用に構成されてよい。デュアルビームモードでは、抽出システム150は、抽出ユニット156、158を選択的に位置付けて、各抽出ユニットが、粒子ビームの一部(例えば、上半分及び下半分)を遮断してよい。抽出ユニット156、158は、異なる位置間でトラック166に沿って移動するように構成されている。例えば、駆動モータを使用して、抽出ユニット156、158をトラック166に沿って選択的に位置付けてよい。各抽出ユニット156、158は、出口ポート168のうちの1つ以上を担う動作範囲を有する。例えば、抽出ユニット156は、出口ポート4、5、及び6に割り当てられてよく、抽出ユニット158は出口ポート1、2、及び3に割り当てられてよい。各抽出ユニットは、割り当てられた出口ポートへと粒子ビームを方向付けるために使用されてよい。
箔ホルダ158は、ストリッピングされた電子の電流測定を可能にするように絶縁されてよい。抽出箔160は、ビームが最終エネルギーに到達するビーム経路の半径に位置する。図示される実施形態では、箔ホルダ158のそれぞれは、複数の抽出箔160(例えば、6つの箔)を保持し、軸170を中心として回転可能であり、ビーム経路内に異なる抽出箔160を位置付けることができる。
ターゲットシステム152は、複数のターゲットアセンブリ172を含む。合計6つのターゲットアセンブリ172が示され、それぞれが対応の出口ポート168に対応する。粒子ビーム162が選択された抽出箔160を通過すると、対応の出口ポート168を通って対応するターゲットアセンブリ172に入る。粒子ビームは、対応するターゲット本体174のターゲットチャンバ(図示せず)に入る。ターゲットチャンバは、ターゲット材料(例えば、液体、ガス、又は固体材料)を保持し、粒子ビームは、ターゲットチャンバ内のターゲット材料に入射する。粒子ビームは、以下により詳細に記載されるように、まずターゲット本体174内の1つ以上のターゲットシートに入射してよい。ターゲットアセンブリ172は電気的に絶縁されて、ターゲット材料、ターゲット本体174、及び/又はターゲット本体174内のターゲットシート若しくは他の箔への入射時に粒子ビームの電流を検出できるようにする。
本明細書に記載のサブシステムのうちの1つ以上を有する同位体製造システム及び/又はサイクロトロンの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0255646号に見出すことができる。更に、本明細書に記載の実施形態で使用され得る同位体製造システム及び/又はシクロトロンはまた、米国特許出願第12/492,200号、同第12/435,903号、同第12/435,949号、同第12/435,931号、及び同第14/754,878号に記載されており、これらはそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図3及び4は、それぞれある実施形態に従って形成されたターゲットアセンブリ200の背面斜視図及び正面斜視図である。図4は、ターゲットアセンブリ200の分解図である。ターゲットアセンブリ200は、同位体製造システム100(図1)など同位体製造システムで使用するように構成されている。例えば、ターゲットアセンブリ200は、同位体製造システム100のターゲットアセンブリ130(図1)又はターゲットアセンブリ172(図2)と類似又は同一であってもよい。ターゲットアセンブリ200は、図3及び4で完全に組み立てられているターゲット本体201を含む。
ターゲット本体201は、3つの本体部202、204、206、ターゲットインサート220(図5)、及びグリッド部225(図5)から形成される。本体部202、204、206は、ターゲット本体201の外側構造又は外側を画定する。具体的には、ターゲット本体201の外側構造は、本体部202(前本体部又はフランジと称されることがある)、本体部204(中本体部と称されることがある)及び本体部206(後本体部と称されることがある)から形成される。本体部202、204、及び206は、チャネル及び凹部を有する剛性材料のブロックを含んで様々な特徴を形成する。チャネル及び凹部は、ターゲットアセンブリ200の1つ以上の構成要素を保持してよい。
ターゲットインサート220及びグリッド部225(図5)はまた、チャネル及び凹部を有する剛性材料のブロックを含んで、様々な特徴を形成する。本体部202、204、206、ターゲットインサート220、及びグリッド部225は、対応するワッシャ(図示せず)をそれぞれ有する複数のボルト208(図4及び5)として示される、好適な締結具によって互いに固定されてよい。互いに固定されると、本体部202、204、206のターゲットインサート220及びグリッド部225は、封止されたターゲット本体201を形成する。封止されたターゲット本体201は、ターゲット本体201からの流体又はガスの漏れを防止又は大幅に制限するように十分に構築される。
図3に示されるように、ターゲットアセンブリ200は、背面213に沿って位置付けられる複数の取り付け具212を含む。取り付け具212は、ターゲット本体201への流体アクセスを提供するポートとして動作してよい。取り付け具212は、流体制御システム125(図1)など流体制御システムに動作可能に連結されるように構成されている。取り付け具212は、ヘリウム及び/又は冷却水への流体アクセスを提供し得る。取り付け具212によって形成されたポートに加えて、ターゲットアセンブリ200は、第1の材料ポート214及び第2の材料ポート215(図6に示される)を含んでよい。第1及び第2の材料ポート214、215は、ターゲットアセンブリ200の製造チャンバ218(図5)と流れ連通している。第1及び第2の材料ポート214、215は、流体制御システムに動作可能に連結される。例示的な実施形態では、第2の材料ポート215は、製造チャンバ218にターゲット材料を供給してよく、第1の材料ポート214は、製造チャンバ218内のターゲット液体によって受ける圧力を制御するための作動ガス(例えば、不活性ガス)を供給してよい。しかしながら、他の実施形態では、第1の材料ポート214はターゲット材料を供給してよく、第2の材料ポート215は作動ガスを供給してよい。
ターゲット本体201は、粒子ビーム(例えば、陽子ビーム)が製造チャンバ218内のターゲット材料に入射できるようにするビーム通路221を形成する。粒子ビーム(図4の矢印Pによって示される)は、通路開口部219(図4及び5)を通ってターゲット本体201に入ってよい。粒子ビームは、通路開口部219から製造チャンバ218(図5)へとターゲットアセンブリ200を通って移動する。動作中、製造チャンバ218は、ターゲット液体又はターゲットガスで充填される。例えば、ターゲット液体は、指定された同位体(例えば、H 18O)を含む約2.5ミリリットル(mL)の水であってよい。製造チャンバ218は、例えば、ターゲットインサート220の片側で開口するキャビティ222(図5)を有するニオブ材料を含み得る、ターゲットインサート220内に画定される。ターゲットインサート220は、第1及び第2の材料ポート214、215を含む。第1及び第2の材料ポート214、215は、例えば、取り付け具又はノズルを受容するように構成されている。
図5に関しては、ターゲットインサート220は、本体部206と本体部204との間で整列される。ターゲットアセンブリ200は、本体部206とターゲットインサート220との間に位置付けられている封止リング226を含んでよい。ターゲットアセンブリ200はまた、ターゲットシート228及び封止境界236(例えば、Helicoflex(登録商標)境界)を含む。ターゲットシート228は、本体部204とターゲットインサート220との間に位置付けられ、キャビティ222を覆い、それによって製造チャンバ218を包囲する。本体部206はまた、封止リング226及びターゲットインサート220の一部を内部に受容する寸法及び形状であるキャビティ230(図5)を含む。
ターゲットアセンブリ200の前側シート240は、本体部204と本体部202との間に位置付けられてよい。前側シート240は、ターゲットシート228に類似の合金ディスクであってよい。前側シート240は、本体部204のグリッド部238と整列される。前側シート240及びターゲットシート228は、ターゲットアセンブリ228内で異なる機能を有してよい。いくつかの実施形態では、前側シート240は、粒子ビームPのエネルギーを低減するデグレーダシートと称されてよい。例えば、前側シート240は、粒子ビームのエネルギーを少なくとも10%低減してよい。ターゲット材料に入射する粒子ビームのエネルギーは、7MeV〜24MeVであってよい。より具体的な実施形態では、ターゲット材料に入射する粒子ビームのエネルギーは、13MeV〜15MeVであってよい。前側シート240及びターゲットシート228は、「特許請求の範囲」でのように、それぞれ第1シート及び第2シートと称されてよい。
いくつかの実施形態では、ターゲットシート228は、1つ以上のグラフェン層(例えば、多結晶グラフェン)を備える。特定の実施形態では、ターゲットシート228は、単一のグラフェン層のみである。グラフェン層(又は複数のグラフェン層)は、所定の品質を有するように設計又は選択されてよい。例として、グラフェン層は、0.1〜2.0mg/cmの面積密度を有してよい。グラフェン層密度は、およそ1.5〜2.0g/cmであってよい。グラフェン層は、十分な降伏強度特性をもたらす厚さを有してよい。特定の実施形態では、ターゲットシート228の厚さは、少なくとも20マイクロメートル又は少なくとも25マイクロメートルであってよい。より具体的な実施形態では、ターゲットシート228の厚さは、少なくとも30マイクロメートル、又は少なくとも35マイクロメートル、又は少なくとも40マイクロメートルであってよい。特定の実施形態では、ターゲットシート228の厚さは、最大で100マイクロメートル、又は最大で50マイクロメートルであってよい。しかしながら、様々な実施形態によって、他の寸法(例えば、厚さ)が使用されてよいことを理解されたい。例えば、本明細書に記載の厚さ以外のより大きい厚さ、又はより小さい厚さが使用され得る。
グラフェン層は、所定の熱伝導率特性を有してよい。例えば、いくつかの実施形態では、測定された熱拡散率は、少なくとも1308mm/sであり得る。面内熱伝導率は少なくとも1400W/mKであり、測定されたシート抵抗は約10〜270オーム/平方であってよい。この例では、グラフェン層は、25℃の温度及び特定の熱Cp0.73J/gKで1.55g/cmの嵩密度を有し得る。グラフェン箔試料の面内熱伝導率は1480W/mKであることが判明した。グラフェンフィルムの測定されたシート抵抗は、13〜260オーム/平方の範囲である。
任意選択的に、ターゲットシート228は、グラフェン層ではない層を含んでよい。例えば、チャンバ層はグラフェン層に対して積層されてよい。図7は、1つのかかるターゲットシート228を示している。示されるように、ターゲットシート228は、グラフェン層294と、互いに対して積層されたチャンバ層292と、を含む。本明細書で使用するとき、チャンバ層及びグラフェン層のそれぞれの側面が互いに対向し、側面が、(a)互いに対して本質的に固定され、例えば、側面が互いに接合される、若しくは一方の層が他方の層にめっき又はコーティングされる、(b)別個であるが、互いに直接係合する(例えば、一緒に押圧される)、又は(c)それらの間に位置付けられる1つ以上の他の層を有し、この1つ以上の他の層に本質的に固定される、若しくはこの1つ以上の他の層に直接係合する場合、チャンバ層及びグラフェン層は「互いに対して積層されている」。例えば、側面のそれぞれは、共通層の両側に直接係合してよい、又はその両側に接合されてよい。複数の層が存在する場合、複数の層は一緒に挟まれてよい。グラフェン層及びチャンバ層は、サンドイッチ構造の両側と係合する、又はこれらに接合される。いくつかの実施形態では、グラフェン層は、グラフェン層の両側で他の層と係合してよい。
特定の実施形態では、チャンバ層は、製造チャンバ内のターゲット材料に露出されるように構成されている。チャンバ層は、粒子ビームによって活性化され、ターゲット材料に露出されたときに、長寿命同位体を生じさせる材料を含まなくてよい。例えば、チャンバ層は不活性金属材料であってよい。チャンバ層は、例えば、金、ニオブ、タンタル、チタン、又は上記のうちの1つ以上を含む合金を含んでよい。特定の実施形態では、チャンバ層は、金、ニオブ、タンタル、又はチタンから本質的になってよい。
ターゲット及び前側シート228、240は、ディスク又は円形形状に限定されず、異なる形状、構造、及び構成で提供されてよいことに留意されたい。例えば、ターゲット及び前側シート228、240又は追加シートの一方又は両方は、とりわけ、正方形、矩形、又は楕円形であってよい。また、ターゲット及び前側シート228、240はグラフェンのみから形成されることに限定されるものではないが、様々な実施形態では、本明細書でより詳細に記載されるように、内部で放射能を誘発し得る中度又は高度の活性化材料など活性化材料を含むことに留意されたい。いくつかの実施形態では、ターゲット及び前側シート228、240は、1つ以上の金属層を含んでよい。層は、例えばHavarを含んでよい。いくつかの実施形態では、Havarは、ターゲット材料に露出されず、グラフェン層を支持するバッキングを提供してよい。Havarは、Co(42%)、Cr(19.5%)、Ni(12.7%)、W(2.7%)、Mo(2.2%)、Mn(1.6%)、C(0.2%)、Feバランスの公称組成を有する。
動作中、粒子ビームが本体部202から製造チャンバ218へとターゲットアセンブリ200を通過するとき、ターゲット及び前側シート228、240は、重度に活性化されてよい(例えば、その内部で放射能が誘発される)。ターゲット及び前側シート228、240は、キャビティ222内のターゲット材料から加速器チャンバ内の真空を分離する。グリッド部238は、ターゲット及び前側シート228、240の間に配置され、それぞれと係合してよい。任意選択的に、ターゲットアセンブリ200は、冷却媒体がターゲット及び前側シート228、240の間を通過できるようには構成されていない。ターゲット及び前側シート228、240は、粒子ビームが通過できる厚さを有するように構成されていることに留意されたい。したがって、ターゲット及び前側シート228、240は高度に放射され、活性化され得る。
いくつかの実施形態は、ターゲットアセンブリ200を能動的に遮蔽して、活性化されたターゲット及び前側シート228、240からの放射線を遮蔽する、及び/又はこれらからの放射線がターゲットアセンブリ200を離れないようにする、ターゲットアセンブリ200の自己遮蔽を提供する。したがって、ターゲット及び前側シート228、240は、能動的な放射線遮蔽体によって封入される。具体的には、本体部202、204及び206のうちの少なくとも1つ、いくつかの実施形態では、そのすべてが、ターゲットアセンブリ200内の放射線、特にターゲット及び前側シート228、240からの放射線を減衰させる材料から形成される。本体部202、204及び206は、同一材料、異なる材料、又は同一材料若しくは異なる材料の異なる量若しくは組み合わせから形成されてよいことに留意されたい。例えば、本体部202及び204は、アルミニウムなど同一材料から形成されてよく、本体部206は、組み合わせ又はアルミニウム及びタングステンから形成されてよい。
本体部202、本体部204及び/又は本体部206は、それぞれの厚さ、特にターゲット及び前側シート228、240と、ターゲットアセンブリ200の外側との間の厚さによって遮蔽され、そこから放射される放射線を低減するように形成される。なお、本体部202、本体部204及び/又は本体部206は、アルミニウムの密度値よりも大きい密度値を有する任意の材料から形成されてよいことに留意されたい。また、本体部202、本体部204及び/又は本体部206のそれぞれは、本明細書でより詳細に記載されるように、異なる材料又は組み合わせ又は材料から形成されてよい。
図6は、ターゲットアセンブリ200の断面図である。参照用に、ターゲットアセンブリ200は、互いに垂直なX、Y、及びZ軸に関して方向付けられる。この断面図は、Z軸に対して横方向に、かつ本体部204を通って方向付けられる平面290によって作製される。図示される実施形態では、本体部204は、グリッド部238及び冷却ネットワーク242を含むように成形される材料の本質的に均一のブロックである。例えば、本体部204は、本明細書に記載の物理的特徴を含むように成型又はダイカストされてよい。他の実施形態では、本体部204は、互いに固定されている2つ以上の要素を備えてよい。例えば、グリッド部238は、グリッド部225(図5)と同様に成形されてよく、本体部204の残りの部分に対して分離し、別個であってよい。この代替の実施形態では、グリッド部238は、残りの部分の空隙又はキャビティ内に位置付けられてよい。
示されるように、本体部204を通る平面290は、グリッド部238及び冷却ネットワーク242と交差する。冷却ネットワーク242は、互いに相互接続して冷却ネットワーク242を形成する冷却チャネル243〜248を含む。冷却ネットワーク242はまた、ターゲット本体201の他のチャネル(図示せず)と流れ連通するポート249、250を含む。冷却ネットワーク242は、ターゲット本体201から熱エネルギーを吸収し、ターゲット本体201から離すように熱エネルギーを伝達する冷却媒体(例えば、冷却水)を受容するように構成されている。例えば、冷却ネットワーク242は、グリッド部238又はターゲットチャンバ218(図5)のうちの少なくとも1つから熱エネルギーを吸収するように構成されてよい。示されるように、冷却チャネル244、246は、対応の熱経路252、254(破線で概ね示される)がグリッド部238と冷却チャネル244、246との間に形成されるように、グリッド部238に近接して延在する。例えば、グリッド部238と冷却チャネル244、246との間の間隙は、10mm未満、8mm未満、6mm未満であってよく、特定の実施形態では、4mm未満であってよい。熱経路は、例えば、モデリングソフトウェア又は実験準備中の赤外線画像を使用して特定されてよい。
グリッド部238は、互いに連結されてグリッド又はフレーム構造を形成する内壁256の構成を含む。内壁256は、(a)ターゲット及び前側シート228、240(図5)に十分な支持を提供し、(b)ターゲット及び前側シート228、240と密接に係合し、その結果、熱エネルギーは、ターゲット及び前側シート228、240から内壁256及びグリッド部238又は本体部204の周辺領域に伝達され得るように構成されてよい。
図7及び8は、それぞれX軸及びY軸に対して横方向に取られた、ターゲットアセンブリ200の断面図である。示されるように、ターゲットアセンブリ200は、本体部202、204、206、ターゲットインサート220、及びグリッド部225が、Z軸に沿って互いに対して積層され、互いに固定されている、動作可能状態である。図に示されるターゲット本体201は、ターゲット本体が構成され、組み立てられ得る方法の1つの特定の例であることを理解されたい。動作可能な特徴(例えば、グリッド部)を含む他のターゲット本体の設計が企図される。
ターゲット本体201は、粒子ビームPが通って延在する一連のキャビティ又は空隙を含む。例えば、ターゲット本体201は、製造チャンバ218と、ビーム通路221と、を含む。製造チャンバ218は、動作中にターゲット材料(図示せず)を保持するように構成されている。ターゲット材料は、例えば、第1の材料ポート214を通って、製造チャンバ218に流入し、そこから流出してよい。製造チャンバ218は、ビーム通路221を通るように方向付けられる粒子ビームPを受容するように位置付けられる。粒子ビームPは、例示的な実施形態ではシクロトロンである、粒子加速器102(図1)など粒子加速器(図示せず)から受容される。
ビーム通路221は、通路開口部219から前側シート240まで延在する第1の通路区分(又は前側通路区分)260を含む。ビーム通路221はまた、前側シート240とターゲットシート228との間に延在する第2の通路区分(又は後側通路区分)262を含む。例示のために、前側シート240及びターゲットシート228は、識別しやすくするために厚くなっている。グリッド部225は、第1の通路区分260の端部に位置付けられる。グリッド部238は、第2の通路区分262の全体を画定する。図示される実施形態では、グリッド部238は本体部204の一体部分であり、グリッド部225は、本体部202と本体部204との間に挟まれる、分離した、別個の要素である。
したがって、ターゲット本体201のグリッド部225、238は、ビーム通路221内に配置される。図7に示されるように、グリッド部225は、前面270と、背面272と、を有する。グリッド部238はまた、前面274と、背面276と、を有する。グリッド部225の背面272及びグリッド部238の前面274は、それらの間の境界面280と互いに当接する。グリッド部238の背面276は、製造チャンバ218に面する。図示される実施形態では、グリッド部238の背面276は、ターゲットシート228と係合する。前側シート240は、境界面280においてグリッド部225、238の間に位置付けられる。
また、図7に示されるように、グリッド部225は、ビーム通路221を包囲し、ビーム通路221の一部分の輪郭を画定する半径方向表面281を有する。この輪郭は、X軸及びY軸によって画定される平面に平行に延在する。グリッド部238は、ビーム通路221を包囲し、ビーム通路221の一部分の輪郭を画定する半径方向表面283を有する。この輪郭は、X軸及びY軸によって画定される平面に平行に延在する。図示される実施形態では、半径方向表面283は、ターゲット本体のチャネルに流体的に連結されているポートを含まない。より具体的には、第2の通路区分262は、いくつかの実施形態では、ターゲット及び前側シート228、240を冷却するために、それを通って強制的に送り込まれる流体を有さなくてよい。しかしながら、代替的な実施形態では、冷却媒体は、そこを通って送り込まれてよい。更に他の実施形態では、ポートは、第2の通路区分262からの排出に使用されてよい。
グリッド部225、238は、内部を通るグリッドチャネル286、288を画定するそれぞれの内壁282、284を有する。グリッド部225、238の内壁282、284は、それぞれ、前側シート240の両側と係合する。グリッド部238の内壁284は、ターゲットシート228及び前側シート240と係合する。グリッド部225の内壁282は、前側シート240のみと係合する。前側及びターゲットシート240、228は、粒子ビームPのビーム経路に対して横方向に方向付けられる。粒子ビームPは、製造チャンバ218に向かってグリッドチャネル286、288を通過するように構成されている。
いくつかの実施形態では、内壁282によって形成されるグリッド構造及び内壁284によって形成されるグリッド構造は、グリッドチャネル286、288が互いに整列するように同一である。しかしながら、実施形態は、同一のグリッド構造を有する必要はない。例えば、グリッド部225は、内壁282のうちの1つ以上を含まなくてよく、及び/又は内壁282のうちの1つ以上は、対応する内壁284と整列されなくてよく、又はその逆であってもよい。更に、他の実施形態では、内壁282及び内壁284は異なる寸法を有し得ることが企図される。
任意選択的に、前側シート240は、粒子ビームPの前側シート240への入射時に、粒子ビームPのエネルギーレベルを著しく低減するように構成されている。より具体的には、粒子ビームPは、第1の通路区分260での第1のエネルギーレベルと、第2の通路区分262での第2のエネルギーレベルと、を有してよく、第2のエネルギーレベルは、第1のエネルギーレベルよりも著しく低い。例えば、第2のエネルギーレベルは、第1のエネルギーレベルよりも5%超低くてよい(つまり、第1のエネルギーレベルの95%以下)。特定の実施形態では、第2のエネルギーレベルは、第1のエネルギーレベルよりも10%超低くてよい(つまり、第1のエネルギーレベルの90%以下)。更に、より具体的な実施形態では、第2のエネルギーレベルは、第1のエネルギーレベルよりも15%超低くてよい(つまり、第1のエネルギーレベルの85%以下)。更に、より具体的な実施形態では、第2のエネルギーレベルは、第1のエネルギーレベルよりも20%超低くてよい(つまり、第1のエネルギーレベルの80%以下)。例として、第1のエネルギーレベルは約18MeVであってよく、第2のエネルギーレベルは約14MeVであってよい。しかしながら、他の実施形態では、第1のエネルギーレベルは異なる値を有してよく、他の実施形態では、第2のエネルギーレベルは異なる値を有してよいことを理解されたい。
前側シート240が粒子ビームPのエネルギーレベルを著しく低減する実施形態では、前側シート240は、デグレーダシートとして特徴付けられてよい。デグレータシート240は、粒子ビームPが前側シート240を通過する際に著しい損失を生じさせる厚さ及び/又は組成を有し得る。例えば、前側シート240及びターゲットシート228は、異なる組成及び/又は厚さを有してよい。前側シート240はアルミニウムを含んでよく、ターゲットシート228は、本明細書に記載のようにグラフェンを含んでよい。あるいは、前側シート240はまた、グラフェン層を備えてよい。
特定の実施形態では、前側シート240及びターゲットシート228は、異なる厚さを有する。例えば、前側シート240の厚さは、少なくとも0.10ミリメートル(mm)(つまり100マイクロメートル)であってよい。特定の実施形態では、前側シート240は、0.15mm〜0.50mmの厚さを有する。
いくつかの実施形態では、ターゲットシート228は、ストリッパシート160よりも少なくとも5倍(5X)厚い、又はストリッパシート160よりも少なくとも8倍(8X)厚い。特定の実施形態では、ターゲットシート228は、ストリッパシート160よりも少なくとも10倍(10X)厚い、ストリッパシート160よりも少なくとも15倍(15X)厚い、又はストリッパシート160よりも少なくとも20倍(20X)厚い。
いくつかの実施形態では、前側シート240はデグレータシートとして特徴付けられてよいが、他の実施形態では、前側シート240はデグレータシートでなくてよい。例えば、前側シート240は、粒子ビームPのエネルギーレベルを著しく低減しなくてよい、又は名目上のみ低減してよい。かかる場合において、前側シート240は、ターゲットシート228の特性に類似の特性(例えば、厚さ及び/又は組成)を有してよい。
前側シート240での損失は、前側シート240内で生成される熱エネルギーに対応する。前側シート240内で生成される熱エネルギーは、グリッド部238を含む本体部204によって吸収され、熱エネルギーがターゲット本体201から伝達される冷却ネットワーク242に伝えられてよい。
粒子ビームの入射時にはターゲットシート228内で多少の熱エネルギーが生成され得るが、ターゲットシート228からの熱エネルギーの大部分は、粒子ビームPのターゲット材料への入射時に製造チャンバ218内で生成されてよい。製造チャンバ218は、ターゲットインサート220の内部表面266及びターゲットシート228によって画定される。粒子ビームPがターゲット材料と衝突すると、熱エネルギーが生成される。この熱エネルギーは、ターゲットシート228を通って本体部204へと伝えられ、又は伝達され、冷却ネットワーク242を通って流れる冷却媒体によって吸収されてよい。
ターゲットアセンブリ200の動作中、異なるキャビティは、異なる圧力を受け得る。例えば、粒子ビームPがターゲット材料に入射すると、第1の通路区分260は第1の動作圧を有してよく、第2の通路区分262は第2の動作圧を有してよく、製造チャンバ218は第3の動作圧を有してよい。第1通路区分262は、排出され得る粒子加速器と流れ連通している。製造チャンバ218内で生成された熱エネルギー及び気泡により、第3の動作圧は著しく大きくなり得る。例えば、圧力は、0.50〜15.00メガパスカル(MPa)、より具体的には0.50〜11.00MPaであってもよい。更に、ターゲットシート228がターゲット材料に応じて爆発的な高圧を受けるように、圧力が急激に増減する場合がある。
図示される実施形態では、第2の動作圧は、グリッド部238の動作温度に応じてよい。したがって、第1の動作圧は第2の動作圧よりも小さくてよく、第2の動作圧は第3の動作圧よりも小さくてよい。
グリッド部225、238は、前側シート240の両側と密接に係合するように構成されている。加えて、内壁282は、第2の通路区分262と第1の通路区分260との圧力差によって、前シート240が内壁284から離れる方向へと移動しないようにさせてよい。内壁284は、製造チャンバ218と第2の通路区分262との圧力差によって、ターゲットシート228が第2の通路区分262内へと移動しないようにさせてよい。製造チャンバ218内のより大きな圧力は、ターゲットシート228を内壁284に押し付ける。したがって、内壁284は、前側シート240及びターゲットシート228と密接に係合し、そこから熱エネルギーを吸収してよい。また、図7及び図8に示されるように、周囲の本体部204はまた、前側シート240及びターゲットシート228と密接に係合し、そこから熱エネルギーを吸収してよい。
特定の実施形態では、ターゲットアセンブリ200は、粒子加速器に有害であり得る液体内に配置される同位体を生成するように構成されている。例えば、68Ga同位体を生成するための出発物質は、強酸性溶液を含み得る。この溶液の流れを妨げるために、前側シート240は、第1の通路区分260及び第2の通路区分262が流れ連通しないように、ビーム通路221を完全に被覆し得る。このようにして、望ましくない酸性材料は、第2及び第1の通路区分262、260を通って製造チャンバ218から粒子加速器へと不用意に流れ得ない。この可能性を低減するために、前側シート240は、破裂に対してより強い耐性を有し得る。例えば、前側シート240は、破裂の可能性を低減する厚さ及び更なる構造的一体性を有する材料(例えば、アルミニウム)を含んでよい。
他の実施形態では、ターゲットアセンブリ200はターゲットシート228を含まないが、前側シート240を含む。かかる実施形態では、グリッド部238は、製造チャンバの一部を形成してよい。例えば、ターゲット材料はガスであってよく、前側シート240とキャビティ222との間に画定される製造チャンバ内に位置してよい。グリッド部238は、製造チャンバ内に配置されてよい。かかる実施形態では、単一シート(例えば、前側シート240)のみが製造中に使用され、単一シートは2つのグリッド部225、238の間に保持される。
図9は、放射性同位体を生成する方法300を示す。方法300は、例えば、本明細書に記載の様々な実施形態(例えば、同位体製造システム、ターゲットシステム、及び/又は方法)の構造又は態様を用いてよい。本方法は、302において、ターゲット体201又はターゲットアセンブリ200などターゲット本体又はターゲットアセンブリの製造チャンバ内にターゲット材料を供給することを含む。いくつかの実施形態では、ターゲット材料は酸性溶液である。特定の実施形態では、方法300は、水溶液中での68Zn(p,n)68Ga反応により68Gaを生成するように構成されている。より具体的には、方法300は、硝酸中の硝酸68Znから68Ga同位体を生成するように構成されている。
しかしながら、この実施形態は、68Ga同位体を生成する必要はないことを理解されたい。他の同位体を生成するために、様々なターゲット材料が使用されてよい。例として、放射性同位体製造システムは、18同位体を液体形態で、11C同位体をCOとして、及び13N同位体をNHとして生成する陽子を生成してよい。これらの同位体を製造するために使用されるターゲット材料は、濃縮18O水、天然14ガス、16O−水であってよい。放射性同位体製造システムはまた、15Oガス(酸素、二酸化炭素、及び一酸化炭素)及び15O標識水を製造するために陽子又は重水素を生成してよい。
特定の実施形態では、ターゲット材料は天然14ガスであってよく、ターゲットシートは、製造チャンバからグラフェンを分離するチャンバ層を備えてよい。例えば、チャンバ層は、金、ニオブ、タンタル、チタン、上記のうちの1つ以上を含む合金、又は意図される用途のための別の不活性材料を含んでよい。チャンバ層は、グラフェン層から製造チャンバへの非活性炭素の流れを妨げてよい。
ターゲット本体は、粒子ビームを受容し、粒子ビームがターゲット材料に入射することを可能にするビーム通路を有する。ターゲット本体はまた、ビーム通路内に配置されたグリッド部238などグリッド部も含む。グリッド部238は、グラフェン層を備えるターゲットシートを支持するように構成されている。ターゲットシートは、ターゲット材料(例えば、液体)に露出される。任意選択的に、グリッド部225など追加のグリッド部は、ビーム通路内に配置される。前側シート(例えば、デグレータ箔)は、2つのグリッド部の間に位置付けられてよい。第1及び第2のグリッド部のそれぞれは、前面及び背面を有する。第1のグリッド部の背面及び第2のグリッド部の前面は、それらの間の境界面と互いに当接する。第2のグリッド部の背面は、製造チャンバに面する。
代替的な実施形態では、ターゲット本体は、ターゲットシートを支持するための任意のグリッド部を含まない。かかる実施形態では、製造チャンバで生成される圧力は、同位製造中にターゲットシートがその圧力に耐えることができるように、十分に低くてよい。あるいは、又は上記に加えて、グラフェン層は、同位体の製造中にターゲットシートがその圧力に耐えることができるように、指定された厚さ及び/又は引張強度を有してよい。あるいは、又は上記に加えて、追加の層を位置付けて、グラフェン層を支持してよい。例えば、Havarの層は、同位体の製造中にターゲットシートが製造チャンバとHavarの層との間に位置付けられるように、ターゲットシートの背後に位置付けられてよい。
本方法はまた、304において、粒子ビームをターゲット材料へと方向付けることを含む。いくつかの実施形態では、同位体製造システム100は、技術を使用し、およそ10〜30μAの指定されたビーム電流エネルギーで、指定されたエネルギーを荷電粒子にもたらす。粒子ビームは、任意の前側シート(例えば、デグレータシート又は箔)を通過し、ターゲットシートを通過して、製造チャンバに入る。いくつかの実施形態では、前側シートは、粒子ビームのエネルギーを少なくとも10%低減してよい。ターゲット材料に入射する粒子ビームのエネルギーは、24MeV未満、18MeV未満、又は8MeV未満であってよい。ターゲット材料に入射する粒子ビームのエネルギーは、7MeV〜24MeVであってよい。特定の実施形態では、ターゲット材料に入射する粒子ビームのエネルギーは、12MeV〜18MeVであってよい。より具体的な実施形態では、ターゲット材料に入射する粒子ビームのエネルギーは、約13MeV〜約15MeVであってよい。しかしながら、粒子ビームのエネルギーは、上記の値よりも大きくても小さくてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、粒子ビームのエネルギーは24MeVを超えてよい。
グラフェン層を備えるターゲットシートは、同一の同位体製造プロセス用の従来の箔(例えば、アルミニウム、Havar)と比較して、同位体の製造中にターゲットシートにより低い温度を生じさせ得る。したがって、ターゲットシートは、より低い温度を望み、以前はターゲットシステムによって実行できなかった同位体製造プロセスを可能にすることによってターゲットシステムの能力を向上させ得る。更に、グラフェン層を備えるターゲットシートは、同一の同位体製造プロセス用の従来の箔と比較して、粒子ビームからより少ないエネルギーを吸収し得る。加えて、グラフェン層を備えるターゲットシートは、同一の同位体製造プロセス用の従来の箔と比較して、経時的に活性化されにくくなってよい。グラフェン層を備えるターゲットシートは、同一の同位体製造プロセス用の従来の箔と比較して、ターゲット溶媒を汚染しにくくてよい。
本明細書に記載の実施形態は、医療用の放射線同位体を生成することに限定されることを意図するものではなく、他の同位体を生成し、他のターゲット材料を使用してよい。また、様々な実施形態は、異なる方向(例えば、垂直又は水平に方向付けられる)を有する異なる種類のシクロトロン、並びに螺旋状加速器の代わりに、線形加速器又はレーザー誘導加速器など異なる加速器に関連して実施されてよい。更に、本明細書に記載の実施形態は、上記の同位体製造システム、ターゲットシステム、及びサイクロトロンを製造する方法を含む。
本明細書に記載の実施形態は、医療用の放射線同位体を生成することに限定されることを意図するものではなく、他の同位体を生成し、他のターゲット材料を使用してよい。また、様々な実施形態は、異なる方向(例えば、垂直又は水平に方向付けられる)を有する異なる種類のシクロトロン、並びに螺旋状加速器の代わりに、線形加速器又はレーザー誘導加速器など異なる加速器に関連して実施されてよい。更に、本明細書に記載の実施形態は、上記の同位体製造システム、ターゲットシステム、及びサイクロトロンを製造する方法を含む。
上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことを意図することを理解されたい。例えば、上記の実施形態(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて使用されてよい。加えて、本発明の主題の教示に特定の状況又は材料を適合させるために、その範囲から逸脱することなく多くの修正を行ってよい。本明細書に記載の様々な構成要素の寸法、材料の種類、方向、並びに様々な構成要素の数及び位置は、特定の実施形態のパラメータを定義することを意図しており、限定することを意図せず、例示的な実施形態に過ぎない。「特許請求の範囲」の趣旨及び範囲内の多くの他の実施形態及び修正は、上記の説明を検討する際に当業者には明らかとなろう。したがって、本発明の主題の範囲は、添付の「特許請求の範囲」を参照して、かかる「特許請求の範囲」が権利となる均等物の全範囲と共に決定されるべきである。添付の「特許請求の範囲」において、「含む(including)」及び「in which」という用語は、それぞれ「備える(comprising)」及び「wherein」という用語に相当する平易な英語として使用される。更に、以下の「特許請求の範囲」において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などの用語は単にラベルとして使用され、それらの対象物に数値的要件を課すためのものではない。更に、以下の「特許請求の範囲」の制限は、ミーンズプラスファンクション形式(means−plus−function format)では書かれず、かかる「特許請求の範囲」の制限が明確に「〜の手段(means for)」という語句を使用し、続いて更なる構造のない機能に言及するまで、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されるものではない。
本明細書の説明は、例を用いて様々な実施形態を開示し、また、任意の装置又はシステムを作製及び使用し、任意の組み込まれた方法を実行するなど様々な実施形態を当業者が実施することも可能にする。様々な実施形態の特許性のある範囲は、「特許請求の範囲」によって定義され、当業者が思い付く他の例を含み得る。かかる他の例は、それらが「特許請求の範囲」の文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが「特許請求の範囲」の文言からわずかに異なる等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
本発明の主題の特定の実施形態の前述の説明は、添付の図面と併せて読むと、より良く理解されるであろう。図が様々な実施形態の機能ブロックの図を示す範囲では、機能ブロックは、必ずしもハードウェア回路の区分を示すものではない。したがって、例えば、1つ以上の機能ブロック(例えば、プロセッサ又はメモリ)は、単一のハードウェア(例えば、汎用信号プロセッサ、マイクロコントローラ、ランダムアクセスメモリ、ハードディスクなど)で実施されてよい。同様に、プログラムはスタンドアロンプログラムであってよく、オペレーティングシステムにサブルーチンとして組み込まれてよく、インストールされたソフトウェアパッケージなどの機能であってよい。様々な実施形態は、図面に示される構成及び手段に限定されない。

Claims (7)

  1. 同位体製造システムであって、
    粒子ビームを生成する粒子加速器であって、ストリッパ箔を含む粒子加速器と、
    ターゲットアセンブリであって、
    製造チャンバと、前記製造チャンバに隣接するビームキャビティと、を有するターゲット本体であって、前記製造チャンバは、ターゲット材料を保持するように構成されており、前記ビームキャビティは、前記ターゲット本体の外側に対して開口し、前記製造チャンバに入射する粒子ビームを受容するように構成されている、ターゲット本体と、
    前記ビームキャビティ及び前記製造チャンバを分離するように位置付けられているターゲットシートであって、前記ターゲットシートは、同位体の製造中に前記ターゲットシートが前記ターゲット材料と接触するように前記製造チャンバに露出される側面を有するターゲットシートと
    を含むターゲットアセンブリと
    を備え、
    前記ターゲットシートはグラフェンを含み、
    前記ターゲットシートが前記ストリッパ箔よりも少なくとも15倍厚い、同位体製造システム
  2. 前記ターゲットシートは、グラフェンから本質的になるグラフェン層を含む、請求項1に記載の同位体製造システム
  3. 前記ターゲットシートはまた、前記グラフェン層に対して積層されるチャンバ層を含み、前記チャンバ層は、前記グラフェン層と前記製造チャンバとの間に位置付けられ、同位体の製造中に前記ターゲット材料が前記チャンバ層と接触するように前記製造チャンバに露出される、請求項2に記載の同位体製造システム
  4. 前記チャンバ層は、前記粒子ビームによる活性化時に長寿命同位体を生じさせる材料を含まない、請求項3に記載の同位体製造システム
  5. 前記チャンバ層は、金、ニオブ、タンタル、チタン、又は上記のうちの1つ以上を含む合金を含む、請求項3に記載の同位体製造システム
  6. 前記ターゲットシートは、少なくとも20マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の同位体製造システム
  7. 前記ターゲット本体は、ビーム通路内に配置されるグリッド部を含み、前記グリッド部は、前記ターゲットシートの前面と接する背面を有し、前記グリッド部は、前記ターゲットシートを支持して、前記製造チャンバ内の高圧による破裂の可能性を低減する、請求項1に記載の同位体製造システム
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