JP2011220509A - 2方向クラッチ及び車両の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力側回転体の回転によって入力側回転体と出力側回転体との係合及び切り離しを切り替えることが可能な2方向クラッチを提供する。
【解決手段】共通の軸線回りを相対回転可能に設けられた入力軸101及び出力軸102と、入力軸101と出力軸102との間の空間103内に設けられたスプラグ104と、スプラグ104の一端104aを保持するポケット108を有し、空間103内に回転可能に設けられたインナーリテーナ105と、スプラグ104の他端104bが挿入されるポケット110を有し、インナーリテーナ105に対して相対回転可能に設けられたアウターリテーナ106とを備え、アウターリテーナ106がインナーリテーナ105に対して回転してスプラグ104が傾転することにより係合状態と解放状態とに切り替わる2方向クラッチ100において、出力軸102がアウターリテーナ106と一体回転するように連結されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、入力側回転体と出力側回転体とを備え、それら回転体の間に設けられた係合子を傾転させることにより入力側回転体と出力側回転体とが連結したりその連結が解除されたりする2方向クラッチ、及びその2方向クラッチを備えた車両の駆動装置に関する。
内燃機関と電動機とが走行用動力源として設けられた車両用駆動装置が知られている。例えば、内燃機関の動力が遊星歯車機構を介して伝達される出力ギアと電動機の動力が伝達される電動機出力ギアとが共通のアイドラギアとそれぞれ噛み合っており、出力ギアと遊星歯車機構の回転要素との間の動力伝達経路中に回転要素を制動可能なブレーキと、回転要素から出力ギアへの回転は伝達し、逆方向の回転伝達は阻止する一方向クラッチとが設けられた駆動装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
特開2002−316542号公報 特開平06−249266号公報
特許文献1の駆動装置では、後進走行を行う場合に電動機でアイドラギアを駆動するが、この際に回転要素がブレーキにて制動されていた場合は一方向クラッチによって出力ギアの回転が阻止される。そのため、後進走行を行うことができない。ブレーキによる制動を解除した場合には電動機による後進走行が可能となるが、この際に内燃機関が運転されていると内燃機関の動力がアイドラギアに伝達されて動力損失が発生するおそれがある。この駆動装置では一方向クラッチに代えて2方向クラッチを設け、この2方向クラッチで駆動輪側と内燃機関側とを切り離すことにより動力損失を抑制できる。この場合、2方向クラッチは、駆動輪側からの動力によって動力伝達が可能な係合状態と動力伝達を阻止する解放状態とに切り替わるものが望ましい。
そこで、本発明は、出力側回転体の回転によって入力側回転体と出力側回転体との係合及び切り離しを切り替えることが可能な2方向クラッチ、及びそのクラッチを備えた車両の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の2方向クラッチは、共通の軸線の回りを相対回転可能に設けられ、一方が有する円筒状の内周面と他方が有する円筒状の外周面とが空間を空けて径方向に対向するように配置された入力側回転体及び出力側回転体と、前記空間内に設けられた係合子と、前記係合子が周方向に傾転可能なように前記係合子の一端が挿入されるとともに径方向に貫通する第1ポケットを有し、前記空間内の前記出力側回転体寄りの部分に前記軸線回りに回転可能に設けられた第1保持器と、前記係合子の他端が挿入されるとともに径方向に貫通する第2ポケットを有し、前記空間内の前記入力側回転体寄りの部分に前記第1保持器に対して相対回転可能なように設けられた第2保持器と、を備え、前記出力側回転体が、前記第2保持器と一体回転するように連結され、前記第2保持器が前記第1保持器に対して相対回転して前記係合子が傾転することにより動力伝達方向が切り替わり、前記入力側回転体の回転速度が前記出力側回転体の回転速度よりも大きい場合に前記入力側回転体と前記出力側回転体とが一体に回転する係合状態となり、前記入力側回転体の回転速度が前記出力側回転体の回転速度よりも小さい場合に前記入力側回転体と前記出力側回転体とが別々に回転する解放状態に切り替わる(請求項1)。
本発明の2方向クラッチによれば、出力側回転体を回転させることによって第2保持器を回転させることができるので、これにより係合子を動かすことができる。そのため、出力側回転体の回転によって入力側回転体と出力側回転体とを一体回転するように係合させたり、別々に回転するように切り離したりすることができる。
本発明の車両の駆動装置は、上述した2方向クラッチと、相互に差動回転可能な第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を有し、前記第1回転要素が内燃機関と連結され、前記第2回転要素が第1回転電機と連結され、前記第3回転要素が前記2方向クラッチの前記入力側回転体と連結された差動機構と、車両の駆動輪に動力を出力するために設けられ、前記2方向クラッチの前記出力側回転体が連結された出力部と、前記出力部に連結された第2回転電機と、前記第3回転要素を制動する制動状態及びその制動を解除する制動解除状態に切替可能なブレーキ手段と、前記車両の発進時に、前記ブレーキ手段を前記制動状態に切り替えるとともに前記第2回転電機を動作させ、前記第2回転電機にて前記車両が発進するように前記ブレーキ手段及び前記第2回転電機をそれぞれ制御する制御手段と、を備えている(請求項2)。
本発明の駆動装置によれば、上述した2方向クラッチが差動機構と出力部との間に設けられているので、出力部から2方向クラッチに伝達された回転によって2方向クラッチの状態を切り替えることができる。また、この駆動装置では、車両を発進させる場合にブレーキ手段で第3回転要素を制動し、第2回転電機によって車両を発進させるが、この際に2方向クラッチは出力部からの回転によって状態が切り替わる。そのため、2方向クラッチが係合状態に維持されて出力部がブレーキ手段によって制動されることを防止できる。また、この駆動装置によれば、上述した2方向クラッチがこのように動作するので、ブレーキ手段にて第3回転要素を制動しているときの2方向クラッチの状態の切り替えを複雑な制御を行うことなく実施することができる。そのため、装置の制御を簡略化することができる。
以上に説明したように、本発明の2方向クラッチによれば、出力側回転体と第2保持器とが連結されているので、出力側回転体を回転させることによって係合子を動かすことができる。そのため、出力側回転体を回転させることによって入力側回転体と出力側回転体とを係合させたり切り離したりすることができる。また、本発明の駆動装置では、この2方向クラッチが差動機構と出力部との間に設けられているので、車両の発進時に出力部がブレーキ手段によって制動されることを防止できる。
本発明の第1の形態に係る駆動装置のスケルトン図。 2方向クラッチの断面の一部を拡大して示す図。 入力軸と出力軸とが図2とは逆方向に回転しているときの2方向クラッチを示す図。 2方向クラッチにおいて入力軸と出力軸とがスプラグで連結される条件を説明するための図。 前進走行時における駆動装置の各動作モードのエンジン、ブレーキ、及び2方向クラッチの作動係合表を示す図。 シリーズHVモード及びEVモードにおける駆動装置の共線図。 パワースプリットHVモードにおける駆動装置の共線図。 後進走行時における駆動装置の各動作モードのエンジン、ブレーキ、及び2方向クラッチの作動係合表を示す図。 高SOCモード及び低SOCモードにおける駆動装置の共線図。
図1は、本発明の一形態に係る駆動装置のスケルトン図を示している。この駆動装置10は、ハイブリッド車両1に搭載されるものであり、内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)11と、第1回転電機としての第1モータジェネレータ(以下、第1MGと称することがある。)12と、第2回転電機としての第2モータジェネレータ(以下、第2MGと称することがある。)13とを備えている。エンジン11は、ハイブリッド車両に動力源として搭載される周知のものであるため、詳細な説明は省略する。第1MG12は、ケース2に回転不能に固定されるステータ12aと、そのステータ12aの内周側に同軸に配置されたロータ12bとを備えている。第2MG13も同様にケース2に回転不能に固定されるステータ13aと、そのステータ13aの内周側に同軸に配置されたロータ13bとを備えている。これら第1MG12及び第2MG13は、それぞれ電動機及び発電機として機能する周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
エンジン11のクランク軸11a及び第1MG12のロータ12bは、動力分割機構14と接続されている。エンジン11のクランク軸11aはオイルポンプOPにも接続されている。また、動力分割機構14には、車両1の駆動輪3に動力を出力するための出力部15も接続されている。出力部15は、第1ドライブギア16と、第1ドライブギア16と噛み合うカウンタギア17と、カウンタギア17と一体に回転する中間ギア18と、中間ギア18の回転が伝達されるディファレンシャル装置19とを備えている。ディファレンシャル装置19は、伝達された動力を左右の駆動輪3に分配する周知のものである。
動力分割機構14は、差動機構としての遊星歯車機構20を備えている。遊星歯車機構20は、シングルピニオン型の遊星歯車機構であり、外歯歯車であるサンギアSと、そのサンギアSに対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアRと、これらのギアS、Rに噛み合うピニオンギアPを自転可能かつサンギアSの周囲を公転可能に保持するキャリアCとを備えている。キャリアCにはエンジン11のクランク軸11aが連結されている。サンギアSには第1MG12のロータ12bが連結されている。リングギアRには、2方向クラッチ100を介して第1ドライブギア16が連結されている。そのため、サンギアSが本発明の第2回転要素に、キャリアCが本発明の第1回転要素に、リングギアRが本発明の第3回転要素にそれぞれ相当する。
図2は、2方向クラッチ100の断面の一部を拡大して示している。この図に示すように2方向クラッチ100は、入力側回転体としての入力軸101と、入力軸22の内側に設けられた出力側回転体としての出力軸102とを備えている。入力軸101と出力軸102とは、それぞれ円筒状をしており、共通の軸線の回りを相対回転可能に設けられている。また、入力軸101と出力軸102とは、入力軸101の内周面101aと出力軸102の外周面102aとが空間103を空けて対向するように配置されている。この空間103には、複数(図2では1つのみを示す。)の係合子としてのスプラグ104と、各スプラグ104を保持する第1保持器としてのインナーリテーナ105及び第2保持器としてのアウターリテーナ106とが設けられている。インナーリテーナ105は、入力軸101及び出力軸102のそれぞれと相対回転可能に設けられている。アウターリテーナ106は、出力軸102と連結部材107にて連結されている。そのため、出力軸102とアウターリテーナ106とは一体に回転する。インナーリテーナ105には径方向に貫通する貫通孔105aが設けられている。連結部材107は、その貫通孔105aを通過してアウターリテーナ106と出力軸102とを連結する。この図に示すように貫通孔105aの周方向の幅は、連結部材107の周方向の厚さより大きい。
インナーリテーナ105には、径方向に貫通する第1ポケットとしてのポケット108が設けられている。スプラグ104の一端104aはこのポケット108に挿入されている。ポケット108の周方向の幅は、スプラグ104の一端104aよりも大きい。ポケット108には、スプラグ104が径方向を向くようにその一端104aを周方向両側から付勢する一対の板バネ109が設けられている。これら一対の板バネ109によって付勢されることにより、スプラグ104は周方向に傾転可能なようにポケット108に保持される。アウターリテーナ106にも径方向に貫通する第2ポケットとしてのポケット110が設けられている。このポケット110は、インナーリテーナ105のポケット108と径方向に対向するように設けられている。ポケット110には、スプラグ104の他端104bが挿入される。この図に示したようにポケット110の大きさは、スプラグ104の他端104bと略同じである。
インナーリテーナ105は、摩擦クラッチ111を介してスイッチングプレート112と連結されている。スイッチングプレート112には径方向外側に突出する凸部112aが設けられている。その凸部112aは、ハウジング113に設けられた凹部113a内に配置されている。この図に示すように凹部113aの周方向の長さは、凸部112aの周方向の幅よりも大きく設定されている。
次に図2及び図3を参照して2方向クラッチ100の動作について説明する。なお、これらの図においては矢印Fで示した左回りの回転を正回転とし、矢印Bで示した右回りの回転を逆回転とする。そして、各軸101、102の回転数は正回転時をプラスとし、逆回転時をマイナスとする。そのため、逆回転時は、回転速度が速いほど回転数は小さくなる。
まず、図2を参照して入力軸101が正回転している場合について説明する。以降ではこの矢印Fの方向を正方向と称することがある。この際、入力軸101の回転数Ninが出力軸102の回転数Noutよりも大きい場合は、この図に示すように入力軸101が出力軸102に対して正方向に相対回転するので、スプラグ104が正方向に傾いて入力軸101及び出力軸102と噛み合う。また、連結部材107が貫通孔105aの回転方向前側の壁面に接する。そのため、入力軸101と出力軸102との間で動力が伝達される。一方、入力軸101の回転数Ninが出力軸102の回転数Nout以下の場合は、スプラグ24が逆方向に傾くため、スプラグ24が入力軸101及び出力軸102と噛み合わない。そのため、入力軸101と出力軸102との間の動力の伝達が遮断される。
次に図3を参照して入力軸101が逆回転している場合について説明する。以降ではこの矢印B方向を逆方向と称することがある。この際、入力軸101の回転数Ninが出力軸102の回転数Noutよりも小さい場合、すなわち入力軸101の回転速度の方が出力軸102の回転速度よりも速い場合は、この図に示すように入力軸101が出力軸102に対して逆方向に相対回転するので、スプラグ104が逆方向に傾いて入力軸101及び出力軸102と噛み合う。また、連結部材107が貫通孔105aの回転方向前側の壁面に接する。そのため、入力軸101と出力軸102との間で動力が伝達される。一方、入力軸101の回転数Ninが出力軸102の回転数Nout以上の場合、すなわち入力軸101の回転速度が出力軸102の回転速度と同じ又は遅い場合には、スプラグ104が正方向に傾くため、入力軸101及び出力軸102と噛み合わない。そのため、入力軸101と出力軸102との間の動力の伝達は遮断される。
このように2方向クラッチ100では、入力軸101が正方向に回転しており、かつ入力軸101の回転数Ninが出力軸102の回転数Noutより大きい場合に、入力軸101と出力軸102との間で動力が伝達される。また、入力軸101が逆方向に回転しており、かつ入力軸101の回転数Ninが出力軸102の回転数Noutより小さい場合にも入力軸101と出力軸102との間で動力が伝達される。図4は、この関係を示している。なお、この図において斜線で示した部分は、この2方向クラッチ100では存在しない領域を示している。この斜線の領域の条件では、スプラグ104が傾いて入力軸101と出力軸102とが連結されるので、入力軸101の回転数Ninと出力軸102の回転数Noutとが同じになる。すなわち、これらの領域の条件ではこの図の線A上の関係になる。
この2方向クラッチ100では、出力軸102がアウターリテーナ106と連結されている。そのため、出力軸102が回転してアウターリテーナ106がインナーリテーナ105に対して相対回転した場合に、各スプラグ104の傾いている方向が切り替わる。例えば図2に示した状態から図3に示した状態には、出力軸102が逆回転し、スプラグ104が逆方向に傾くことによって切り替わる。同様に図3に示した状態から図2に示した状態には、出力軸102が正回転し、スプラグ104が正方向に傾くことによって切り替わる。このように2方向クラッチ100では、出力軸102が回転することによって動力伝達方向が切り替わる。以下では、スプラグ104が入力軸101及び出力軸102と噛み合っている状態を係合状態と称し、スプラグ104が入力軸101及び出力軸102の少なくともいずれか一方と噛み合っていない状態を解放状態と称する。
この2方向クラッチ100は、入力軸101がリングギアRと連結され、出力軸102が第1ドライブギア16と連結されるように駆動装置10に設けられている。また、この2方向クラッチ100は、上述した2方向クラッチ100の正方向が、車両1の前進走行時に第1ドライブギア16が回転する方向になるようにリングギアRと第1ドライブギア16との間に設けられている。
図1に戻って駆動装置10の説明を続ける。駆動装置10は、リングギアRを回転不能に制動する制動状態と、その制動を解除する制動解除状態とに切り替え可能なブレーキ手段としてのブレーキ21を備えている。第2MG13のロータ13bは、カウンタギア17と噛み合う第2ドライブギア22と一体回転するように連結されている。第1MG12及び第2MG13は、バッテリ23と電気的に接続されている。バッテリ23には、バッテリ23の充電状態、言い換えれば蓄電率を検出するためのSOCセンサ23が設けられている。
駆動装置10の動作は、制御手段としての制御装置30にて制御される。制御装置30は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータユニットとして構成され、車両1の走行状態、エンジン11の運転状態、及びバッテリ23の充電状態等に応じて駆動装置10の動作を制御する。制御装置30には、車両1の走行状態及びエンジン11の運転状態を検出するためのセンサとして車両1の速度に対応する信号を出力する車速センサ31、及びエンジン11のクランク軸11aの回転速度に対応した信号を出力するクランク角センサ32等が接続されている。また、制御装置30には、上述したSOCセンサ24も接続されている。この他にも制御装置30には各種センサが接続されているが、それらの図示は省略した。制御装置30には、センサの他にシフト操作装置33が接続されている。シフト操作装置33は、前進走行レンジとしてのドライブレンジ(Dレンジ)、及び後進走行レンジとしてのリバースレンジ(Rレンジ)を含む複数のレンジ間で切り替え操作可能な周知のものである。
次に図5〜図9を参照して駆動装置10の動作モードについて説明する。まず、車両1を前進走行させる場合について説明する。この駆動装置10では、車両1を前進走行させる際は、EVモード、シリーズHVモード、又はパワースプリットHVモードに動作モードが切り替えられる。また、これらに加えて回生モードにも切り替えられる。EVモードでは、エンジン1を停止させ、第2MG13で車両1を走行させる。回生モードでは、駆動輪3の回転で第2MG13を回転駆動して発電を行う。シリーズHVモードでは、エンジン11で第1MG12を回転駆動して発電を行い、第2MG13で車両1を走行させる。パワースプリットHVモードでは、エンジン11及び第2MG13で車両1を走行させる。図5は、これらの動作モードにおけるエンジン11、ブレーキ21、及び2方向クラッチ100の状態を示す作動係合表である。なお、EVモードと回生モードとはまとめて示している。この図においてエンジン11の欄の「○」はエンジン11を運転することを示し、「×」はエンジン11を停止することを示している。また、ブレーキ21の欄の「○」は制動状態を示し、「×」は制動解除状態を示している。2方向クラッチ100の欄の「○」は2方向クラッチ100が係合状態であることを示し、「×」は2方向クラッチ100が解放状態であることを示している。なお、この図には上述した各動作モードの他に、EVモードからエンジン11を始動する場合、及び回生モードにおいてバッテリ33への充電量を制限する電池受入制限時の場合のエンジン11、ブレーキ21、及び2方向クラッチ100の状態も示した。
図5に示したようにEV/回生モードでは、エンジン11が停止され、ブレーキ21が制動解除状態に切り替えられ、2方向クラッチ100は解放状態になる。なお、これらのモードでは、車両1の走行状態によってはブレーキ21を制動状態にするため、図中に括弧付きで「○」を示した。図6は駆動装置10の共線図を示し、線L1はEVモードにおける各回転要素の関係を示している。なお、この図において「ENG」はエンジン11を、「MG1」は第1MG12を、「MG2」は第2MG13を、「OUT」は第1ドライブギア16をそれぞれ示している。また、「S」、「C」、「R」は、それぞれ遊星歯車機構20のサンギアS、キャリアC、リングギアRを示している。この図に示すようにEVモードでは、第2MG13の動力で車両1を駆動する。
図5に示すようにEVモードからエンジン11を始動する場合は、ブレーキ21を制動状態に切り替える。これにより出力部5側からの動力の伝達が遮断された状態でエンジン11が始動される。電池受入制限時の回生モードでは、第1MG12によってエンジン11を回転させる、いわゆるモータリングを行って第2MG13で回生発電したエネルギを消費し、バッテリ23が過度に充電されることを防止する。図6の線L2は、この場合の各回転要素の関係を示している。
図5に示すようにシリーズHVモードでは、エンジン11が運転され、ブレーキ21が制動状態に切り替えられ、2方向クラッチ100は解放状態になる。これによりエンジン11で第1MG12を回転駆動して発電を行うことができる。そして、車両1の走行は第2MG13によって行われる。この場合の各回転要素の関係も図6の線L2となる。図5に示すようにパワースプリットHVモードでは、エンジン11が運転され、ブレーキ21が制動解除状態に切り替えられ、2方向クラッチ100は係合状態になる。この場合、カウンタギア17にはエンジン11の動力の少なくとも一部及び第2MG13の動力がそれぞれ伝達され、これら両方の動力によって車両1の走行が行われる。図7は、このパワースプリットHVモードにおける駆動装置10の共線図を示している。
次に車両1を後進走行させる場合について説明する。この駆動装置10では、第2MG13にてカウンタギア17を車両1の前進走行時に回転させる正転方向とは逆の逆転方向に回転させて車両1を後進走行させる。上述したように第1ドライブギア16はカウンタギア17と噛み合っているため、第1ドライブギア16も車両1の前進走行時に回転する方向とは逆の方向に回転する。車両1を後進走行させる場合、駆動装置10は、バッテリ23の蓄電率に応じて動作モードを切り替える。バッテリ23の蓄電率が所定の判定値以上である場合は高SOCモードに、蓄電率が判定値未満である場合には低SOCモードに動作モードが切り替えられる。図8は、これらの高SOCモード及び低SOCモードにおけるエンジン11、ブレーキ21、及び2方向クラッチ100の状態を示す作動係合表である。なお、この表中の「○」、「×」の意味は図5と同じである。
この図に示したように高SOCモードでは、エンジン11が停止され、ブレーキ21が制動解除状態に切り替えられ、2方向クラッチ21は解放状態になる。なお、このモードでは、車両1の走行状態によってはブレーキ21を制動状態にするため、図中に括弧付きで「○」を示した。図9の線L3は、高SOCモードにおける駆動装置10の共線図を示している。この図に示したように高SOCモードでは、エンジン11及び第1MG12の回転数が0に維持され、第2MG13によって車両1が後進走行される。一方、図8に示すように低SOCモードでは、エンジン11が運転され、ブレーキ21が制動状態に切り替えられ、2方向クラッチ100は解放状態になる。そのため、エンジン11で第1MG12を回転駆動して発電しつつ第2MG13で車両1を後進走行させることができる。図9の線L4は、この低SOCモードにおける各回転要素の関係を示している。
制御装置30は、車両1の走行状態、エンジン11の運転状態、バッテリ23の充電状態、及びシフト操作装置33の出力信号等に基づいてエンジン11、第1MG12、第2MG13、及びブレーキ21の動作を制御し、これにより駆動装置10の動作モードを上述した各モードに切り替える。
この他にも制御装置30は、車両1を発進させるべき所定の発進条件が成立した場合には車両1が発進するように駆動装置10を制御する。なお、発進条件は、例えばシフト操作装置33がDレンジでアクセルが開けられた場合に成立する。発進条件が成立した場合、制御装置30はまずブレーキ21を制動状態に切り替える。その後、制御装置30は第2MG13を動作させてカウンタギア17を駆動し、これにより車両1を発進させる。
以上に説明したように、この駆動装置10では、出力軸102の回転によってスプラグ104の傾いている方向、すなわち動力伝達方向が切り替わる2方向クラッチ100が設けられている。そのため、第2MG13でカウンタギア17を駆動することにより、2方向クラッチ100の動力伝達方向を切り替えることができる。上述したように車両1の発進時は、ブレーキ21でリングギアR及び2方向クラッチ100の入力軸101を制動し、その状態で第2MG13を動作させて車両1を発進させる。この際、2方向クラッチ100のスプラグ104が出力軸102の回転方向とは逆の方向に傾いているとブレーキ21によってカウンタギア17が制動されるおそれがある。例えば、車両1を前進方向に発進させる場合に、2方向クラッチ100のスプラグ104が図3に示した状態に維持されるとスプラグ104によって入力軸101と出力軸102とが係合されるので、カウンタギア17がブレーキ21によって制動される。しかしながら、この2方向クラッチ100では、このような場合でもカウンタギア17が回転すると出力軸102が回転してスプラグ104の状態が図3に示した状態から図2に示した状態に切り替わる。そのため、2方向クラッチ100が解放状態に切り替わり、カウンタギア17がブレーキ21によって制動されることを防止できる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明の2方向クラッチにおいて入力軸と出力軸とが配置されている位置は逆でもよい。すなわち、内側に入力軸が配置され、外側に出力軸が配置されていてもよい。この場合、ポケット内に板バネが設けられたリテーナが外周側に配置される。そして、内周側に配置されたリテーナと出力軸とが一体回転するように連結される。この場合においても出力軸の回転によってスプラグの傾いている方向を切り替えることができるので、出力軸の回転によって2方向クラッチの動力伝達方向を切り替えることができる。
本発明の2方向クラッチが適用される装置は車両の駆動装置に限定されない。動力伝達方向を規制する必要がある種々の装置に適用してよい。
1 車両
3 駆動輪
10 駆動装置
11 内燃機関
12 第1モータジェネレータ(第1回転電機)
13 第2モータジェネレータ(第2回転電機)
15 出力部
16 第1ドライブギア(出力部材)
17 カウンタギア(伝達部材)
20 遊星歯車機構(差動機構)
21 ブレーキ(ブレーキ手段)
30 制御装置(制御手段)
100 2方向クラッチ
101 入力軸(入力側回転体)
101a 内周面
102 出力軸(出力側回転体)
102a 外周面
103 空間
104 スプラグ(係合子)
104a スプラグの一端
104b スプラグの他端
105 インナーリテーナ(第1保持器)
106 アウターリテーナ(第2保持器)
108 インナーリテーナのポケット(第1ポケット)
110 アウターリテーナのポケット(第2ポケット)
S サンギア(第2回転要素)
R リングギア(第3回転要素)
C キャリア(第1回転要素)

Claims (2)

  1. 共通の軸線の回りを相対回転可能に設けられ、一方が有する円筒状の内周面と他方が有する円筒状の外周面とが空間を空けて径方向に対向するように配置された入力側回転体及び出力側回転体と、前記空間内に設けられた係合子と、前記係合子が周方向に傾転可能なように前記係合子の一端が挿入されるとともに径方向に貫通する第1ポケットを有し、前記空間内の前記出力側回転体寄りの部分に前記軸線回りに回転可能に設けられた第1保持器と、前記係合子の他端が挿入されるとともに径方向に貫通する第2ポケットを有し、前記空間内の前記入力側回転体寄りの部分に前記第1保持器に対して相対回転可能なように設けられた第2保持器と、を備え、
    前記出力側回転体が、前記第2保持器と一体回転するように連結され、前記第2保持器が前記第1保持器に対して相対回転して前記係合子が傾転することにより動力伝達方向が切り替わり、前記入力側回転体の回転速度が前記出力側回転体の回転速度よりも大きい場合に前記入力側回転体と前記出力側回転体とが一体に回転する係合状態となり、前記入力側回転体の回転速度が前記出力側回転体の回転速度よりも小さい場合に前記入力側回転体と前記出力側回転体とが別々に回転する解放状態に切り替わる2方向クラッチ。
  2. 請求項1に記載の2方向クラッチと、相互に差動回転可能な第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を有し、前記第1回転要素が内燃機関と連結され、前記第2回転要素が第1回転電機と連結され、前記第3回転要素が前記2方向クラッチの前記入力側回転体と連結された差動機構と、車両の駆動輪に動力を出力するために設けられ、前記2方向クラッチの前記出力側回転体が連結された出力部と、前記出力部に連結された第2回転電機と、前記第3回転要素を制動する制動状態及びその制動を解除する制動解除状態に切替可能なブレーキ手段と、前記車両の発進時に、前記ブレーキ手段を前記制動状態に切り替えるとともに前記第2回転電機を動作させ、前記第2回転電機にて前記車両が発進するように前記ブレーキ手段及び前記第2回転電機をそれぞれ制御する制御手段と、を備えた車両の駆動装置。
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