JP2011220491A - 緩衝装置 - Google Patents

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JP2011220491A JP2010092385A JP2010092385A JP2011220491A JP 2011220491 A JP2011220491 A JP 2011220491A JP 2010092385 A JP2010092385 A JP 2010092385A JP 2010092385 A JP2010092385 A JP 2010092385A JP 2011220491 A JP2011220491 A JP 2011220491A
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崇志 寺岡
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Abstract

【課題】異音発生を防止することが可能な緩衝装置を提供することである。
【解決手段】上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ピストンロッド4の一端4aに嵌合される環状のピストン2をピストンロッド4のピストン2よりも一端4aの先端側に螺着されるハウジング15でピストンロッド4に固定する緩衝装置Dにおいて、ハウジング15がピストンロッド4の先端に螺着されるナット部21と、前記ナット部21に装着される有底筒状の筒部22とを備え、ナット部21に締め付けトルクを作用させる締付工具で把持可能な把持部21eをナット部21の外周に設けたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、緩衝装置の改良に関する。
従来、この種の緩衝装置にあっては、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、ピストンロッドの先端に固定されるとともにシリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を上室と下室に区画するピストンと、内部に圧力室を備えてピストンロッドのピストンより先端側に螺着されるハウジングと、ハウジング内に摺動自在に挿入されて圧力室をハウジングに設けた一方流路を介して下室に連通される一方室とピストンロッドに設けた他方流路を介して上室に連通される他方室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンを附勢するコイルバネとを備えて構成されている。
このように構成された緩衝装置は、入力周波数が低い場合には、フリーピストンの振幅が大きく、一方流路及び他方流路を通過する流量は少なく、その分、ピストンに設けた通路を通過する流量が多くなり、通路通過の際に積層された積層リーフバルブで抵抗が与えて大きな減衰力を発揮し、反対に、緩衝装置への入力周波数が高い場合には、フリーピストンの振幅が小さく、一方流路及び他方流路を通過する流量は多くなり、その分、ピストンに設けた通路を通過する流量が少なくなるので小さな減衰力を発揮することになり、車両における乗り心地を向上させることができる。
そして、この緩衝装置にあっては、ハウジングが緩衝装置のストローク長を無駄に短くしてしまうことを阻止するため、ハウジングがピストンロッドの先端に螺合される鍔付の内筒と、一端開口部を上記鍔へ加締めて内筒に固定される外筒と、外筒の他端開口部を閉塞するキャップとを備えて構成されており、このハウジングは、ピストンをピストンロッドの先端に固定するピストンナットとしての機能をも兼ね備えている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2008−215462号公報
従来の緩衝装置の構造では、ハウジングをピストンロッドに組付ける工程において、外筒を工具で把持してピストンロッドに対して周方向に回転させることで、内筒をピストンロッドに螺合せしめるようになっている。
また、ハウジングがピストンナットとして機能するため、内筒が弛んでしまわないように、内筒を所定の締付トルクでピストンロッドに螺合させる必要があり、この組付け工程において、内筒と外筒とが周方向に相対回転しないように、ハウジングを構成する内筒の外筒が加締められる部位、つまり、鍔の外周に溝を設けてある。
しかしながら、上記したように、外筒にトルクを付加して内筒に締付トルクを伝達する構造では、内筒と外筒とが周方向に相対回転しないようにすることはできても、上記組付け工程において、外筒を内筒に対して相対回転させるようにトルクを付加するため、万が一、内筒と外筒の加締め部分にガタが生じてしまうと、緩衝装置が異音を発生してしまうといった問題があると指摘される虞がある。
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、異音発生を防止することが可能な緩衝装置を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともにピストンロッドの一端に嵌合されてシリンダ内を2つの作動室に区画する環状のピストンと、内部に圧力室を備えてピストンロッドのピストンよりも一端の先端側に螺着されてピストンをピストンロッドに固定するハウジングと、上記ハウジングの圧力室内に摺動自在に挿入されて圧力室をハウジングに形成の一方側流路を介して一方の作動室に連通される一方室とピストンロッドに形成の他方側流路を介して他方の作動室に連通される他方室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンの圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素とを備えた緩衝装置において、ハウジングは、ピストンロッドの先端に螺着されるナット部と、前記ナット部に装着される有底筒状の筒部とを備え、ナット部に締め付けトルクを作用させる締付工具で把持可能な把持部をナット部の外周に設けたことを特徴とする。
本発明の緩衝装置によれば、ピストンをピストンロッドに固定する際に、ハウジングを構成するナット部に締付工具で把持可能な把持部を備えていて、ナット部に装着される筒部を介さずナット部に直接に締め付けトルクを作用させることができるので、ナット部と筒部にガタが生じることがなく、異音発生を防止することができる。
一実施の形態における緩衝装置の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。
以下、図に基づいて本発明を説明する。本発明の緩衝装置Dは、図1および図2に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるピストンロッド4と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるとともにピストンロッド4の一端4aに嵌合されてシリンダ1内を2つの作動室である上室R1および下室R2に区画する環状のピストン2と、内部に圧力室R3を備えてピストンロッド4のピストン2よりも一端4aの先端側に螺着されてピストン2をピストンロッド4に固定するハウジング15と、上記ハウジング15の圧力室R3内に摺動自在に挿入されて圧力室R3をハウジング15に形成の一方側流路5を介して一方の作動室としての下室R2に連通される一方室7とピストンロッド4に形成の他方側流路6を介して他方の作動室としての上室R1に連通される他方室8とに区画するフリーピストン9と、フリーピストン9の圧力室R3に対する変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素10とを備えて構成され、車両における車体と車軸との間に介装されて減衰力を発生し車体の振動を抑制するものである。
そして、上室R1および下室R2さらには圧力室R3内には作動油等の液体が充満され、また、シリンダ1内の図中下方には、シリンダ1の内周に摺接して下室R2と気体室Gとを区画する摺動隔壁13が設けられている。
なお、上記した作動室たる上室R1、下室R2および圧力室R3内に充填される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体を使用することもできる。
なお、ピストンロッド4とシリンダ1との間は図示しないシールでシリンダ1内が液密状態とされている。図示したところでは、緩衝装置Dがいわゆる片ロッド型に設定されているため、緩衝装置Dの伸縮に伴ってシリンダ1内に出入りするピストンロッド4の体積は、気体室G内の気体の体積が膨張あるいは収縮して摺動隔壁13が図1中上下方向に移動することによって補償されるようになっている。このように緩衝装置Dは、単筒型に設定されているが、摺動隔壁13および気体室Gの設置に変えて、シリンダ1の外周や外部にリザーバを設けて当該リザーバによって上記ピストンロッド4の体積補償を行ってもよい。
以下、各部について詳細に説明する。シリンダ1は、その上端がピストンロッド15を摺動自在に軸支する図示しないヘッド部材で封止され、下端もまた図示しないボトム部材によって封止されている。
ピストンロッド4は、その図2中下端となる一端4aに小径部4cが形成されて段部4dが設けられており、小径部4cの先端に螺子部4eが形成されている。
そして、ピストンロッド4には、小径部4cの先端から開口しピストンロッド4の段部4dより他端4b側に抜ける他方側流路6が形成されている。なお、図示したところでは、この他方側流路6の途中には、抵抗となる弁要素図示はしないが、絞り等の減衰力発生要素を設けるようにしてもよい。
ピストン2は、環状に形成されるとともに、ピストンロッド4の小径部4cの外周に嵌合される。また、このピストン2には、上室R1と下室R2とを連通する通路2a,2bが設けられ、通路2aの図中上端は減衰力発生要素である積層リーフバルブV1にて閉塞され、他方の通路2bの図中下端も減衰力発生要素である積層リーフバルブV2によって閉塞されている。
この積層リーフバルブV1,V2は、共に環状に形成され、ピストン2と同様に、ピストンロッド4の小径部4cの外周に嵌合される。積層リーフバルブV1の図2中上方には、外径が当該積層リーフバルブV1よりも小径な間座18が積層されており、積層リーフバルブV1の内周が固定されて外周の撓みが許容されている。積層リーフバルブV2の図2中下方には、外径が当該積層リーフバルブV2よりも小径な間座19、スペーサ17が積層されており、積層リーフバルブV2の内周が固定されて外周の撓みが許容されている。この積層リーフバルブV1の撓み量は、間座18を介して積層リーフバルブV1に積層されるとともに、ピストンロッド4の小径部4cに嵌合される環状のバルブストッパ16によって規制されるようになっている。
そして、積層リーフバルブV1は、緩衝装置Dの収縮時に下室R2と上室R1の差圧によって撓んで開弁し通路2aを開放して下室R2から上室R1へ移動する液体の流れに抵抗を与え、緩衝装置Dの伸長時には通路2aを閉塞するようになっており、他方の積層リーフバルブV2は、積層リーフバルブV1とは反対に緩衝装置Dの伸長時に通路2bを開放し、収縮時には通路2bを閉塞する。すなわち、積層リーフバルブV1は、緩衝装置Dの収縮時における圧側減衰力を発生する要素であり、他方の積層リーフバルブV2は、緩衝装置Dの伸長時における伸側減衰力を発生する要素である。このように、通路を一方通行とする場合には、緩衝装置Dのように、通路2a,2bを設けてそれぞれを緩衝装置Dの伸長時あるいは収縮時のみ液体が通過するように構成してもよく、また、通路が双方向流れを許容する場合には一つのみを設けるようにしてもよい。
そして、ピストンロッド4の小径部4cの先端側に設けた螺子部4eには、上記スペーサ17の下方から圧力室R3を形成するハウジング15が螺着されている。
このハウジング15とピストンロッド4に設けた段部4dによって、上記したピストン2、積層リーフバルブV1,V2、間座18,19、バルブストッパ16およびスペーサ17が挟持されてピストンロッド4に固定されている。このように、ハウジング15は、内部に圧力室R3を形成するだけでなく、ピストン2をピストンロッド4に固定する役割をも果たしている。
このハウジング15について説明すると、ハウジング15は、ピストンロッド4の螺子部4eに螺合されるナット部21と、前記ナット部21を覆う有底筒状の筒部22とを備えて構成され、このナット部21および筒部22で下室R2内に圧力室R3を画成している。
ナット部21は、環状の基部21aと、基部21aの内周側から垂下される筒状であって内周側に雌螺子21cを有するナット21bとを備えて構成され、基部21aの図2中下端外周には外周に向けて膨出する膨出部21dと、膨出部21dより上方に図示しない締付工具で把持するための把持部21eとが設けられている。
上記した把持部21eの断面形状は、図示しない締付工具で把持可能な形状とされており、たとえば、締付工具の形状に合わせて二面幅形状や六角形状といった真円形以外の形状とされる。
このように、把持部21eは、外方から締付工具でアクセス可能であって、当該締付工具で把持可能な軸方向長さを確保できればよいので、基部21aの膨出部21dより図2中上方の全部を把持部21eとせずともよい。
そして、筒部22は、底22bと筒22cとを備えて有底筒状とされて、筒22cにおける底22b側の内周径が縮径されていて内周の途中に段部22aが設けられていて、図2中上端となる開口端部を外周側からナット部21の基部21aの下端外周に設けられた膨出部21dへ加締めてナット部21と一体とされている。また、筒部22は、底22bを貫通する一方側流路5の一部を構成する固定オリフィス23が設けられている。
そして、上記したナット部21および筒部22で形成される圧力室R3内には、フリーピストン9が摺動自在に挿入され、このフリーピストン9によって圧力室R3内は、他方側流路6によって上室R1に連通される他方室8と、固定オリフィス23によって下室R2に連通される一方室7とに区画されている。
このフリーピストン9は、有底筒状に形成されて、内側をナット部21のナット部本体21aに向け筒9aの外周を筒部22における筒22cの大径側の内周に摺接させて、すなわち、筒22cの内周であって図2中段部22aより上方に摺接させて、圧力室R3内に挿入されている。また、フリーピストン9は、底9bに筒部22の底22b側に突出する凸部9cを備えている。
さらに、このフリーピストン9に、フリーピストン9の圧力室R3に対する変位量に比例してその変位を抑制する附勢力を作用させるバネ要素10として、ナット部21の基部21aとフリーピストン9の底9b内側との間、および、筒部22の底22bとフリーピストン9の底9bの外側との間にそれぞれコイルバネ25,26を介装してある。これらコイルバネ25,26によってフリーピストン9は、圧力室R3内の所定の中立位置に位置決められた上で弾性支持されている。
コイルバネ25は、フリーピストン9の筒9a内の内周によって半径方向への著しい位置ずれが防止され、また、コイルバネ26は、その内周にフリーピストン9の凸部9cが挿通されることによって、著しい位置ずれが防止されており、これによって安定的にフリーピストン9に附勢力を作用させることが可能となる。また、フリーピストン9は、有底筒状となっているので、コイルバネ25を収容しつつ筒部22との軸方向の摺動長を確保することができ、ハウジング15の軸方向の全長の長大化を招くことなく筒部22に対しての軸ぶれを防止することができ、摺動抵抗が過大とならないようになっている。
さらに、フリーピストン9は、筒9aの上端がハウジング15におけるナット部21の基部21aに当接するとそれ以上の図2中上方側への移動が規制され、反対に、底9bの外周が筒部22の段部22aに当接するとそれ以上の図2中下方側への移動が規制されるようになっている。
そして、フリーピストン9には、その筒9aの外周に円周に沿って形成される環状溝9dが設けられ、さらに、フリーピストン9の肉厚内部を通り環状溝9dと一方室7とを連通する孔9eが設けられている。
また、筒部22における筒22cであって大径な内周を持つ部位には、下室R2と筒部22内を連通する可変オリフィス24が設けられており、この可変オリフィス24は、フリーピストン9がバネ要素10によって弾性支持されて中立位置にあるときには必ず上記環状溝9dに対向して一方室7と下室R2とを連通するとともに、フリーピストン9がストロークエンドまで変位する、すなわち、ナット部21の基部21aあるいは筒部22の段部22aに当接するまで変位するとフリーピストン9の筒9aの外周に完全にオーバーラップされて閉塞されるようになっている。すなわち、この場合、一方側流路5は、環状溝9d、可変オリフィス24、孔9eおよび固定オリフィス23で構成されている。なお、図中では、可変オリフィス24を二つ設けているが、その数は任意である。
つまり、この緩衝装置Dの場合、フリーピストン9の中立位置からの変位量が任意の変位量となるときに、可変オリフィス24の開口全てが環状溝9dに対向する状況から筒9aの外周に対向し始める状況に移行して徐々に可変オリフィス24の流路面積が減少し始め、一方側流路5における流路抵抗が徐々に増加する。したがって、上記任意の変位量は、環状溝9dの図中上下方向幅の設定および、可変オリフィス24の筒部22の内周側の開口位置によって設定される。そして、この実施の形態では、フリーピストン9の変位量の増加に伴って徐々に可変オリフィス24の流路面積が減少し、フリーピストン9がストロークエンドに達すると、可変オリフィス24が完全に筒9aに対向して閉塞され、一方側流路5における流路抵抗が最大となり一方室7が固定オリフィス23のみによって下室R2に連通されるようになっている。
このように、この実施の形態の緩衝装置Dにあっては、圧力室R3が上述したナット部21と筒部22とで形成されており、基部21aの外周に設けた把持部21eの断面形状が円形以外の形状とされていて、当該把持部21eを工具で把持して回転させることでナット部21をピストンロッド4の螺子部4eへ容易に螺着することができるようになっている。
緩衝装置Dは以上のように構成されるが、続いて緩衝装置Dの作動について説明する。従来の緩衝装置と同様に、緩衝装置Dへ入力される振動の周波数が低い場合には、フリーピストン9の振幅が大きく、一方側流路5および他方側流路6を通過する流量は少なく、その分、ピストン2に設けた通路2a,2bを通過する流量が多くなり、当該通路2a,2bを液体が通過する際に積層リーフバルブV1,V2で抵抗が与えて大きな減衰力を発揮し、反対に、緩衝装置Dへ入力される振動の周波数が高い場合には、フリーピストン9の振幅が小さく、一方側流路5および他方側流路6を通過する流量は多くなり、その分、ピストン2に設けた通路2a,2bを通過する液体の流量が少なくなるので小さな減衰力を発揮することになり、車両における乗り心地を向上させることができる。
また、フリーピストン9の振幅が大きくストロークエンドまで変位するような場合には、緩衝装置Dの伸縮方向が変わらなければ、フリーピストン9はストロークエンドに位置して反対方向へ変位することはなく、液体は一方側流路5および他方側流路6を通過することはないので、フリーピストン9がストロークエンドに達してからは上室R1と下室R2の液体の行き来は通路2a,2bのみを介して行われるので、緩衝装置Dは、振動周波数に関わらず積層リーフバルブV1,V2による大きな減衰力を発揮することになる。ここで、フリーピストン9がストロークエンドまで達するまでに、可変オリフィス24を徐々に閉じることになるので、フリーピストン9の変位は急激なものとならず、可変オリフィス24を閉じ始めるとフリーピストン9が変位しづらくなって液体は一方側流路5および他方側流路6を通過しづらくなる。したがって、フリーピストン9が可変オリフィス24を閉じ始めると、液体は一方側流路5および他方側流路6を通過しづらくなり、フリーピストン9がストロークエンドへ達すると、液体は通路2a,2bのみを通過するようになる。
このことから、フリーピストン9がストロークエンドまで変位してしまうような高周波数で大振幅の振動が緩衝装置Dに対し入力されても、フリーピストン9の中立位置からの変位量が可変オリフィス24を閉じ始める変位量を超えるとフリーピストン9がストロークエンドに達するまでに緩衝装置Dは徐々に発生減衰力を大きくするので、低い減衰力から急激に高い減衰力に変化することが無くなる。つまり、フリーピストン9がストロークエンドに達して圧力室R3内と上室R1、下室R2との液体の交流ができなくなるときに急激に減衰力の大きさが変化してしまうことがなくなり、低減衰力から高減衰力への減衰力変化がなだらかとなる。さらに、フリーピストン9が圧力室R3における両端側のストロークエンドまで到る際に、徐々に発生減衰力を大きくするので、減衰力の急激な変化を抑制する機能は、緩衝装置Dの伸圧の両行程で発揮される。したがって、この緩衝装置Dにあっては、高周波数で振幅が大きい振動が入力されても、発生減衰力がなだらかに変化することになって、搭乗者に減衰力の変化によるショックを知覚させずにすみ、車両における乗り心地を向上することができ、特に、急激な減衰力変化によって車体が振動しボンネットが共振して異音が発生してしまう事態も防止でき、この点でも車両における乗り心地を向上することができる。
つづいて、ピストンロッド4の一端4aにピストン2、積層リーフバルブV1,V2、間座18,19、バルブストッパ16、スペーサ17、ハウジング15を組み付ける手順について説明する。まず、ピストンロッド4の小径部4cに、バルブストッパ16、間座18、積層リーフバルブV1、ピストン2、積層リーフバルブV2、間座19およびスペーサ17(以下、「組付部材」という)を順に組付ける。
そうしておいてから、ピストンロッド4の小径部4cの先端に設けた螺子部4eにハウジング15を螺着して、組付部材をピストンロッド4の段部4dとハウジング15で挟んで仮止めする。
このように、組付部材の仮止めが終了すると、ハウジング15のナット部21の外周に設けた把持部21eを図外の締付工具で把持して周方向へ回転させてナット部21に締め付けトルクを作用させてナット部21をピストンロッド4の螺子部4eに締め込む。
すると、組付部材が段部4dとナット部21とで強く挟持され、ナット部21にはその反力として図2中押下げる方向の押圧力が加わり、ハウジング15が螺子部4eに対して弛み止めされる。
このように、本実施の形態の緩衝装置Dにあっては、ピストン2をピストンロッド4に固定する際に、ハウジング15を構成するナット部21に締付工具で把持可能な把持部21eが設けられていて、ナット部21に装着される筒部22を介さずナット部21に直接に締め付けトルクを作用させることができるので、ナット部21と筒部22にガタが生じることがなく、異音発生を防止することができる。
筒部22には締め付けトルクが付加されることがないので、特許文献1に開示されている従来の緩衝装置のようにナット部21の膨出部21dの外周に溝や凹凸を設けて加締め部分において回り止めを図る必要も無くなり、ナット部21の構造が簡素化され、加工工数を低減できるので経済性も向上することになる。
なお、可変オリフィス24とこれに連通される環状溝9d、孔9eを廃止してもよく、また、ナット部21を直接締付工具で把持して締め付けトルクをナット部21に作用させる構成となっていればよいので、ハウジング15のナット部21および筒部22、フリーピストン9の形状や構造についても適宜設計変更することができる。
さらに、他方側流路6から分岐して下室R2へ通じるバイパスあるいはナット部21の基部21aを貫いて他方室8と下室R2を連通するバイパスを設けておき、当該バイパスに他方室8から下室R2への流れを許容し上流側の圧力が所定圧となるとリリーフするリリーフ弁を設けるようにしてもよい。このようにすることで、車両が路面上の大きな突起などに乗り上げるような場合に、緩衝装置Dに入力される過大振幅の振動入力があっても、リリーフ弁がバイパスを開放して上室R1と下室R2とを連通させて減衰力を低下させることで、乗り心地を向上させることができる。
またさらに、ハウジング15の内周にフリーピストン9の外周に摺接してフリーピストン9のハウジング15に対する変位を抑制する摩擦力を発揮する摩擦部材、あるいはフリーピストン9の外周にハウジング15の内周に摺接してフリーピストン9のハウジング15に対する変位を抑制する摩擦力を発揮する摩擦部材を設けておくこともできる。このようにすることで、緩衝装置Dに入力される低周波数域の振動では一方室7と他方室8の差圧が小さく当該摩擦部材で発生する摩擦力でフリーピストン9のハウジング15に対する変位を抑制し、高周波数域の振動では一方室7と他方室8の差圧が大きくフリーピストン9がハウジング15に対して変位するので、車両が路面の凹凸を乗り越えるような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させ、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を確実に発生させることができる。なお、摩擦部材としては、摩擦力で上記の如くの作用を得ることができるものであればよく、具体的には、たとえば、ゴム製や樹脂製のOリングや角リングを用いることができ、また、摩擦部材を設ける代わりに、ハウジング15の内面やフリーピストン9の外面の粗度を荒くして上記の如くの作用を得るようにしてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の緩衝装置は、車両の制振用途に利用することができる。
1 シリンダ
2 ピストン
2a,2b 通路
4 ピストンロッド
4a ピストンロッドにおける一端
4b ピストンロッドにおける他端
4c 小径部
4d 段部
4e 螺子部
5 一方側流路
6 他方側流路
7 一方室
8 他方室
9 フリーピストン
9a 筒
9b 底
9c 凸部
9d 環状溝
9e 孔
10 バネ要素
13 摺動隔壁
15 ハウジング
16 バルブストッパ
17 スペーサ
18,19 間座
21 ナット部
21a 基部
21b ナット
21c 雌螺子
21d 膨出部
21e 把持部
22 筒部
22a 段部
22b 底
22c 筒
23 固定オリフィス
24 可変オリフィス
25,26 バネ要素たるコイルバネ
D 緩衝装置
G 気体室
R1 他方の作動室たる上室
R2 一方の作動室たる下室
R3 圧力室
V1,V2 積層リーフバルブ

Claims (1)

  1. シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともにピストンロッドの一端に嵌合されてシリンダ内を2つの作動室に区画する環状のピストンと、内部に圧力室を備えてピストンロッドのピストンよりも一端の先端側に螺着されてピストンをピストンロッドに固定するハウジングと、上記ハウジングの圧力室内に摺動自在に挿入されて圧力室をハウジングに形成の一方側流路を介して一方の作動室に連通される一方室とピストンロッドに形成の他方側流路を介して他方の作動室に連通される他方室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンの圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素とを備えた緩衝装置において、ハウジングは、ピストンロッドの先端に螺着されるナット部と、前記ナット部に装着される有底筒状の筒部とを備え、ナット部に締め付けトルクを作用させる締付工具で把持可能な把持部をナット部の外周に設けたことを特徴とする緩衝装置。
JP2010092385A 2010-04-13 2010-04-13 緩衝装置 Pending JP2011220491A (ja)

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