JP2011220425A - 高圧ガスタンク - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧ガスタンク両端のドーム部における衝撃緩和とタンク軽量化の両立を図る。
【解決手段】高圧ガスタンク10は、樹脂製ライナー20の外周に、熱硬化性樹脂を含浸した繊維の巻回を経て繊維強化樹脂層30を形成し、タンク両端側には、球面形状のドーム部を覆うドーム部パッド40を備える。このドーム部パッド40は、ドーム部24に加わった衝撃の緩和を図るべく、潤滑層42を境に上下の層が重なった層状構造を備え、潤滑層42を潤滑オイルから形成することで、潤滑層42を境にした上下の各層の界面に沿ったズレを許容する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ライナー外周に繊維強化樹脂層を形成した高圧ガスタンクに関する。
近年になり、燃料ガスの燃焼エネルギーや、燃料ガスの電気化学反応によって発電された電気エネルギーによって駆動する車両が開発されており、高圧ガスタンクには、天然ガスや水素等の燃料ガスが貯蔵され、車両に搭載される場合がある。このため、高圧ガスタンクの軽量化が求められており、炭素繊維強化プラスチックや、ガラス繊維強化プラスチック(以下、これらを総称して、繊維強化樹脂層と呼ぶ)で被覆するライナーを樹脂製ライナーとすることが検討されている。また、タンクへのガス充填当たりの車両航続距離を延ばすには、高圧でのガス充填とタンク容量増が必要であることから、樹脂製ライナーを薄肉とした上で繊維強化樹脂層による効果的な補強が求められている。
また、高圧タンクを車両に搭載するに当たっては、軽量化のみならず、車載の際、或いはタンク取扱の際等におけるタンク落下を想定し、タンク強度の確保も不可欠である。そして、高圧ガスタンクは、タンク両端に球面形状のドーム部を備え、タンク落下の際には、このドーム部に衝撃が加わり勝ちとなる。このため、ドーム部の耐衝撃性の向上を図る技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−108971号公報 特開2007−16988号公報
これら特許文献では、ドーム部を覆う保護部材に衝撃緩和の緩衝機能を持たせているものの、衝撃に伴うエネルギーを保護部材で全て緩衝させる必要があり、保護部材の厚肉化を招いていた。このため、例えば、大容量の高圧ガスタンクでは、タンクの軽量化が進まないのが現状である。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、高圧ガスタンク両端のドーム部における衝撃緩和とタンク軽量化の両立を図ることを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:高圧ガスタンク]
ライナーの外周に、熱硬化性樹脂を含浸した繊維の巻回を経て繊維強化樹脂層を備える高圧ガスタンクであって、
円筒状のシリンダー部の両側に接合された球面形状のドーム部を覆い、該ドーム部に加わった衝撃の緩和に寄与するドーム部パッドを備え、
該ドーム部パッドは、
少なくとも2層の層状構造とされ、層の重なる範囲に、各層の界面に沿ったズレを許容する層間部を有する
ことを要旨とする。
上記構成を備える高圧ガスタンクでは、ライナーの外周に繊維強化樹脂層を備えた上で、シリンダー部両側のドーム部をドーム部パッドで覆う。このドーム部パッドは、少なくとも2層の層状構造であって、層の重なる範囲の層間部において、各層の界面に沿ったズレを許容する。仮に、ドーム部に衝撃が加わると、その衝撃を受けて、ドーム部パッドは、重なった層を層間部を境に容易に滑らせる。このため、衝撃に伴う力(以下、衝撃力)は、ドーム部パッドにおける層の滑りにより、衝撃が加わった点(以下、衝撃点)に集中しなくなり、衝撃点からその周囲に効率よく分散され、この分散に伴い、衝撃力は衝撃点においても弱まる。よって、衝撃力がドーム部パッドの内側に位置する繊維強化樹脂層とその更に内側のライナーに及ぶ程度は小さくなり、高い実効性で衝撃緩和を図ることができる。しかも、衝撃緩和の実効性確保に当たり、ドーム部パッドについては、厚肉化を要しない。この結果、上記構成を有する高圧ガスタンクによれば、高圧ガスタンク両端のドーム部における衝撃緩和とタンク軽量化とを、容易に両立することができる。
上記した高圧ガスタンクは、次のような態様とすることができる。例えば、前記層間部を、前記重なる層と層に介在する流体または粉粒体とすれば、この両体または粉粒体により摩擦低減が容易に達成できて層のズレを許容するので、簡便である。特に、重なる層と層にオイルを塗布または封止すれば、より簡便であると共に、摩擦低減化も容易となる。
また、前記シリンダー部における前記繊維強化繊維層と前記ドーム部パッドとを覆う最外表繊維層を、熱硬化性樹脂を含浸した繊維の巻回を経て形成するようにすることもできる。こうすれば、次の利点がある。
ドーム部に加わった衝撃力は、最外表繊維層を経てその内側のドーム部パッドに加わるので、この最外表繊維層は、衝撃力のエネルギーを、最外表繊維層の破損および最外表繊維層での吸収により、低減させる。こうしてエネルギー低減後の衝撃力は、最外表繊維層の内側に位置するドーム部パッドに伝わるが、ドーム部パッドは、最外表繊維層の破損を経て重なった層の滑りをもたらすので、この滑りに伴う既述した衝撃力の分散により、衝撃力が繊維強化樹脂層とライナーに及ぶ程度はより一層小さくなる。このため、最外表繊維層を有する形態の高圧ガスタンクによれば、より高い実効性で衝撃緩和を図りつつ、タンク軽量化を達成できる。
本発明の実施例としての高圧ガスタンク10の構成を概略的に断面視して示す説明図である。 タンク製造過程を示す製造手順を説明する説明図である。 ドーム部パッド40の装着の一態様を示す説明図である。 高圧ガスタンク10がドーム部24の側から落下した場合の衝撃緩和の様子を説明する説明図である。 対比する従来タンクでの衝撃緩和の様子を説明する説明図である。 他の実施例の高圧ガスタンク10Aの構成を概略的に断面視して示す説明図である。 高圧ガスタンク10Aがドーム部24の側から落下した場合の衝撃緩和の様子を説明する説明図である。 最外表繊維樹脂層50にてドーム部24におけるドーム部パッドを覆う他の形態の高圧ガスタンク10Bの構成を概略的に断面視して示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の実施例としての高圧ガスタンク10の構成を概略的に断面視して示す説明図である。
図示するように、高圧ガスタンク10は、樹脂製ライナー20と、繊維強化樹脂層30と、タンク両端側のドーム部パッド40を備える。樹脂製ライナー20は、タンク長手方向の中央で2分割されたライナーパーツをナイロン系樹脂等の適宜な樹脂にて型成型し、その型成型品のライナーパーツを接合して形成され、円筒状のシリンダー部22の両側に球面形状のドーム部24を接合して備える。この樹脂製ライナー20は、ドーム部24の頂上箇所に金属製のタンク金具12、14を備える。上記した両タンク金具は、後述の繊維巻回の際の回転軸挿入に用いられ、一方のタンク金具12は、配管接続用の図示しないベース接続用にも用いられる。
繊維強化樹脂層30は、熱硬化性樹脂を含浸した繊維強化樹脂層をフィラメントワインディング法(以下、FW法)によりライナー外周に巻回させることで形成され、樹脂製ライナー20における円筒状のシリンダー部22の外周範囲に亘るフープ巻きによる繊維巻回と、ドーム部24の外周範囲に亘る低角度・高角度のヘリカル巻きによる繊維巻回を経て形成される。こうした繊維強化樹脂層30の形成には、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることが一般的であるが、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、FW法によりライナー外周に巻回させる補強用の繊維(スライバー繊維)としては、ガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維等が用いられる他、複数種類(例えば、ガラス繊維とカーボン繊維)のFW法による巻回を順次行うことで、繊維強化樹脂層30を異なる繊維からなる樹脂層を積層させて形成することもできる。本実施例では、繊維強化樹脂層30をカーボン繊維により形成した。
ドーム部パッド40は、球面形状のドーム部24をその外側から覆うことができる形状に予め賦形されたゴム成型品であり、ドーム部24に装着されて、当該ドーム部に加わった衝撃の緩和に寄与する。ドーム部パッド40の成型に用いるゴムは、ウレタン、シリコーン等の合成ゴムであり、加わった衝撃に対して圧縮・伸張の変形を起こすことで衝撃力の分散・吸収を図る。本実施例では、ドーム部パッド40を、後述するFW法での熱硬化性樹脂の硬化に際してドーム部24に接着するため、FW法で用いる熱硬化性樹脂との接着性も考慮して、ゴム材料を選定した。
ドーム部パッド40は、本実施例では、その内部に潤滑層42を備え、この潤滑層42を挟んで上下の2層のゴムが重なるような層状構造とされている。こうしたドーム部パッド40の成型に当たっては、ドーム部24の球面形状に倣った大小の略半球状のゴムシートを、図示しないゴム成型機にて重ね合わせ、その重なり範囲に、潤滑オイルを塗布する。そして、オイル塗布領域を図示するように封じ込めるよう、ゴムシートを加熱・加硫して一体とすることで、潤滑層42が形成される。この他、大小の略半球状のゴムシートの重なり範囲のシート表面に、シート形状に倣った面状の窪みを設け、当該窪みに潤滑オイルを封止した上で、窪みを取り囲む範囲においてゴムシートを加熱・加硫して一体として、潤滑層42を形成することもできる。
次に、高圧ガスタンク10の製造手法について説明する。図2はタンク製造過程を示す製造手順を説明する説明図である。
図2に示すように、まず、FW法による繊維巻回を実施して、樹脂製ライナー20の外周に繊維強化樹脂層30を形成する(図2(A)参照)。つまり、タンク両側のタンク金具12とタンク金具14を図示しないFW装置の回転軸に係合させ、樹脂製ライナー20をタンク中心軸AXの回りに回転するよう軸支する。そして、樹脂製ライナー20をタンク中心軸AXの回りに回転させながら、FW法による繊維巻回を行う。このFW法では、カーボン繊維31を巻き取ったリール35から当該繊維を送り出す際にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をカーボン繊維31に予め含浸させ、その上で、リール35をタンク軸方向に移動させるリール移動と上記したライナー回転とを行い、カーボン繊維31をリール35から送り出しつつライナー外周に巻回する。本実施例では、まず、リール移動速度とライナー回転速度とを調整することで、シリンダー部22の外周範囲に亘ってFW法によりフープ巻きによる繊維巻回を繰り返し実行する。この場合の上記した速度調整は、シリンダー部22のタンク中心軸AXと巻き付け繊維のなす角度がほぼ垂直な巻き角度となるよう、調整される。なお、上記した「巻き角度」は、カーボン繊維31の巻き付け方向(リール35の移動方向)に対するカーボン繊維31の繊維方向の角度を意味する。
次いで、改めてリール移動速度とライナー回転速度とを調整することで、シリンダー部22の両端のドーム部24にカーボン繊維31を掛け渡すようFW法により高角度・低角度のヘリカル巻きによる繊維巻回を繰り返し実行する。この場合にあっても、ヘリカル巻きの巻き角度が一定となるよう調整され、カーボン繊維31は、ドーム部24の外表において、巻き付け方向を折り返して螺旋状に巻き付けられる。これにより、繊維強化樹脂層30が樹脂製ライナー20の外周に形成される(図2(B)参照)。
繊維強化樹脂層30の形成に続いて、ドーム部パッド40をドーム部24にその外側から装着し(図2(C)参照)、この装着したドーム部パッド40がドーム部24に接着されるよう、熱硬化性樹脂を硬化させる。つまり、FW法実施済みおよびドーム部パッド40の打擲済みの樹脂製ライナー20を、熱乾燥機内にセットして養生に付す。養生が済むと、ドーム部パッド40でドーム部24を覆った高圧ガスタンク10が得られることになる。
図3はドーム部パッド40の装着の一態様を示す説明図である。図示するように、ドーム部パッド40は、内周側から外周周縁に掛けてスリット44を備え、潤滑層42をスリット44で分断されないように、封止して備える。この態様のドーム部パッド40は、繊維強化樹脂層30の形成後において、スリット44にて開かれて、ライナー保持シャフトSの装着状態において、ドーム部24に装着される。スリット44を有しないドーム部パッド40を補強環状体26に装着するには、FW法での繊維巻回の際に、ライナー保持シャフトSに予めドーム部パッド40をセットしておき、ドーム部パッド40と干渉しないようにFW法による繊維巻回を行えばよい。或いは、熱硬化性樹脂の熱硬化のための熱乾燥機内へのセットに際して、ドーム部パッド40をドーム部24に装着すればよい。
以上説明した本実施例の高圧ガスタンク10によれば、次のような利点がある。図4は高圧ガスタンク10がドーム部24の側から落下した場合の衝撃緩和の様子を説明する説明図、図5は対比する従来タンクでの衝撃緩和の様子を説明する説明図である。
図4に示すように本実施例の高圧ガスタンク10がそのドーム部24の側から地面に落下した場合、落下に伴う衝撃力は、ドーム部パッド40に加わる。ドーム部パッド40は、この衝撃力を受けて、潤滑層42を境にその上下の層を滑らせる。潤滑層42は、潤滑オイルによる層であるため、上下の層の滑りの摩擦力を低減するので、ドーム部パッド40における潤滑層42の上下の層は、潤滑層42を境にして容易に滑る。こうした層の滑りは、図における衝撃Pの左右方向では、衝撃Pから矢印Aおよび矢印Bに示すようにして起きる。
衝撃力は、ドーム部パッド40におけるこの上下の層の滑りにより、衝撃が加わった点(図中の衝撃P)で最も大きな力としてドーム部パッド40に及ぶ。ところが、衝撃力は、上記したドーム部パッド40における層の滑りにより、衝撃Pに集中しなくなり、衝撃Pの周囲(図における左右方向の他、図における紙面手前側と奥側)に効率よく分散され、この分散に伴う衝撃緩和により、衝撃力は衝撃Pにおいても弱まる。よって、本実施例の高圧ガスタンク10では、衝撃力がドーム部パッド40の内側に位置する繊維強化樹脂層30とその更に内側の樹脂製ライナー20に及ぶ程度は小さくなり、高い実効性で衝撃緩和を図ることができる。しかも、こうした衝撃緩和の実効性の確保に当たり、ドーム部パッド40については、厚肉化を要しない。この結果、本実施例の高圧ガスタンク10によれば、高圧ガスタンク両端のドーム部24における衝撃緩和とタンク軽量化とを、容易且つ確実に両立することができる。
また、本実施例の高圧ガスタンク10では、潤滑層42を潤滑オイルを塗布或いは封止することによりドーム部パッド40において形成したので、潤滑層42の上下の層の滑り摩擦を確実且つ簡便に低減できる。このため、上記した衝撃緩和の実効性をより容易に高めることができる。
これに対し、図5に示すように、タンク端部側のドーム部にゴム製のパッドを単に装着しただけの従来タンクでは、ゴム製のパッドは、タンク落下に伴う衝撃力をうけて衝撃Pにて圧縮しつつ、その周囲において変形するものの、この変形は、ゴムの性質だけでもたらせられるに過ぎない。このため、衝撃Pでの衝撃力はこの衝撃Pにて集中して大きいままとなる。そして、この大きい衝撃力がパッド内側の繊維強化樹脂層やライナーの変形を招かないようにするには、パッドを厚くせざるを得ないので、従来タンクではタンクの軽量化に制約を受ける。これに対し、本実施例の高圧ガスタンク10によれば、既述したように、タンク軽量を図った上で、衝撃緩和を達成できる。
次に、他の実施例について説明する。図6は他の実施例の高圧ガスタンク10Aの構成を概略的に断面視して示す説明図、図7は高圧ガスタンク10Aがドーム部24の側から落下した場合の衝撃緩和の様子を説明する説明図である。この実施例の高圧ガスタンク10Aは、ドーム部パッド40を、繊維強化樹脂層30とは別の繊維をFW法にて巻回した最外表繊維樹脂層50で覆っている点に特徴がある。
図6に示すように、高圧ガスタンク10Aは、樹脂製ライナー20と、繊維強化樹脂層30と、タンク両端側のドーム部パッド40とを備え、ドーム部パッド40および繊維強化樹脂層30における円筒状のシリンダー部の外側に最外表繊維樹脂層50を備える。樹脂製ライナー20と繊維強化樹脂層30およびドーム部パッド40については、既述した実施例の高圧ガスタンク10と同様に形成される。最外表繊維樹脂層50の形成に当たっては、図2で説明したドーム部パッド40の装着済みの高圧ガスタンク10(図2(C)参照)を、改めてFW法を行う装置にセットする。そして、シリンダー部22の外側の繊維強化樹脂層30の外周範囲に亘るフープ巻きによる繊維巻回と、ドーム部24に装着済みのドーム部パッド40の外周範囲に亘る低角度・高角度のヘリカル巻きによる繊維巻回を経ることで、最外表繊維樹脂層50が形成される。本実施例では、繊維強化樹脂層30で用いたカーボン繊維より強度に優れるガラス繊維をポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂に含浸させ、ガラス繊維により、最外表繊維樹脂層50を形成した。この場合、繊維強化樹脂層30については、タンク全体の強度確保のため厚く形成し、最外表繊維樹脂層50については、繊維強化樹脂層30より繊維巻回数を減らして薄い樹脂層とした。ドーム部パッド40は、最外表繊維樹脂層50にて覆われるので、ドーム部24への装着に際しては、パッド保持のためだけの接着剤を必要としない。
図7に示すように、この高圧ガスタンク10Aがそのドーム部24の側から地面に落下した場合、落下に伴う衝撃力は、最外表繊維樹脂層50を経てその内側のドーム部パッド40に加わる。よって、最外表繊維樹脂層50は、衝撃力のエネルギーを、最外表繊維樹脂層50の破損および最外表繊維樹脂層50での吸収により、低減させる。こうしてエネルギー低減後の衝撃力は、最外表繊維樹脂層50の内側に位置するドーム部パッド40に伝わるが、ドーム部パッド40は、最外表繊維樹脂層50の破損を経て、既述したような潤滑層42を境にした上下の層の滑りを起こす。このため、衝撃力は、最外表繊維樹脂層50でのエネルギー低減、およびドーム部パッド40の層の滑りに伴う既述した衝撃力の分散により、ドーム部24における繊維強化樹脂層30や樹脂製ライナー20に及び難くなる。よって、本実施例の高圧ガスタンク10Aによれば、より高い実効性で衝撃緩和を図りつつ、タンク軽量化を達成できる。
なお、樹脂製ライナー20の外周に2層の繊維樹脂層、例えば繊維強化樹脂層30と最外表繊維樹脂層50とを備え、ドーム部24における最外表繊維樹脂層50に、ゴム製のパッドを単に装着しただけのタンクでは、次の理由から上記した利点は得られない。ドーム部24における最外表繊維樹脂層50にゴム製のパッドを装着したタンクは、図5に示した従来タンクにおいて、パッドの内側に2層の繊維樹脂層(繊維強化樹脂層30と最外表繊維樹脂層50)を備えたものに相当する。このため、既述したように、ゴム製のパッドは、タンク落下に伴う衝撃力をうけて衝撃Pにて圧縮しつつ、その周囲において変形するものの、この変形は、ゴムの性質だけでもたらせられるに過ぎず、パッド内側の2層の繊維樹脂層(繊維強化樹脂層30と最外表繊維樹脂層50)やライナーの変形を招かないようにするには、パッドを厚くせざるを得ない。
図8は最外表繊維樹脂層50にてドーム部24におけるドーム部パッドを覆う他の形態の高圧ガスタンク10Bの構成を概略的に断面視して示す説明図である。図示するように、この高圧ガスタンク10Bは、既述した高圧ガスタンク10Aと同様に、最外表繊維樹脂層50にてドーム部24におけるドーム部パッドを覆う点で共通する。そして、高圧ガスタンク10Bでは、ドーム部パッド140を、潤滑層42を備えないゴム製のものとしている。この高圧ガスタンク10Bであっても、ドーム部24に加わった衝撃力は、最外表繊維樹脂層50を経て、ドーム部パッド140、およびその内側の繊維強化樹脂層30、樹脂製ライナー20に加わることから、次の利点がある。
図7にて説明したように、この高圧ガスタンク10Bにあっても、ドーム部24に加わる衝撃力は、最外表繊維樹脂層50を経てその内側のドーム部パッド140に加わる。よって、最外表繊維樹脂層50は、衝撃力のエネルギーを、最外表繊維樹脂層50の破損および最外表繊維樹脂層50での吸収により、低減させる。このため、ドーム部パッド140に加わる衝撃力は、エネルギー低減後の衝撃力となるので、ドーム部パッド140は、ゴム製のパッドであっても、ゴムの性質による圧縮と変形により、衝撃力のエネルギー吸収と衝撃力の分散をもたらす。よって、ドーム部パッド140の内側に位置する繊維強化樹脂層30や樹脂製ライナー20には、よりエネルギーが小さくなった状態でしか衝撃力が加わらないので、高い実効性で衝撃緩和を図ることができる。しかも、ドーム部パッド140については、エネルギー低減後の衝撃力の緩和ができればよいことから、不用意な厚肉化を必要としない。よって、高圧ガスタンク10Bによっても、衝撃緩和とタンク軽量化を両立できる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、ドーム部パッド40は、一つの潤滑層42にて2層の層状構造としたが、潤滑層42を複数備えて、それぞれの潤滑層42にて3層或いはこれより多い数の層状構造とすることができる。
また、潤滑層42を、潤滑オイルを用いて形成するほか、パウダー状の微細粒径の粉粒体を用いて形成するようにすることもできる。粉粒体を用いる場合には、粉粒体を、ドーム部24の球面形状に倣った大小の略半球状のゴムシートの重なり範囲に塗布したり、大小の略半球状のゴムシートの重なり範囲のシート表面に設けたシート形状に倣った面状の窪みに封止すればよい。
10、10A、10B…高圧ガスタンク
12…タンク金具
14…タンク金具
20…樹脂製ライナー
22…シリンダー部
24…ドーム部
26…補強環状体
30…繊維強化樹脂層
31…カーボン繊維
35…リール
40…ドーム部パッド
42…潤滑層
44…スリット
50…最外表繊維樹脂層
140…ドーム部パッド
S…ライナー保持シャフト
AX…タンク中心軸

Claims (4)

  1. ライナーの外周に、熱硬化性樹脂を含浸した繊維の巻回を経て繊維強化樹脂層を備える高圧ガスタンクであって、
    円筒状のシリンダー部の両側に接合された球面形状のドーム部を覆い、該ドーム部に加わった衝撃の緩和に寄与するドーム部パッドを備え、
    該ドーム部パッドは、
    少なくとも2層の層状構造とされ、層の重なる範囲に、各層の界面に沿ったズレを許容する層間部を有する
    高圧ガスタンク。
  2. 前記層間部は、前記重なる層と層に介在する流体または粉粒体とされている請求項1に記載の高圧ガスタンク。
  3. 前記層間部は、前記重なる層と層にオイルを塗布または封止して形成されている請求項2に記載の高圧ガスタンク。
  4. 熱硬化性樹脂を含浸した繊維を、前記シリンダー部における前記繊維強化繊維層と前記ドーム部パッドとを覆うように巻回した最外表繊維層を備える請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高圧ガスタンク。
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