JP2011220208A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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卓 角岡
Yasuyuki Irisawa
泰之 入澤
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聡 吉嵜
Satoru Sato
哲 佐藤
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Abstract

【課題】低温始動時でも所望の濃度の気化燃料を筒内に速やかに供給し、始動性を向上させることが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン10の運転中に気化燃料タンク38内で気化燃料を生成する気化燃料生成制御において、噴射燃料の全てが気化し且つ気化した燃料の蒸気圧が飽和蒸気圧となるような噴射量Qを算出し(ステップ106〜108)タンク内噴射弁40から燃料を噴射する(ステップ114)。このとき、上記燃料の噴射に先立って気化燃料タンク38内を目標圧力P1に減圧する(ステップ110〜112)。目標圧力P1は、気化燃料タンク38から燃焼室に至るまでの空間(気化燃料タンク38、サージタンク20、吸気マニホールド22及び吸気ポート24の内部に形成された空間)の残留空気と燃料噴射量Qとの比率が所定比率となるための気化燃料タンク38内の圧力値として算出される。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えばアルコール燃料のように揮発性が低い燃料を用いる内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(特開2007−224878号公報)に開示されているように、アルコール燃料を用いる内燃機関の制御装置が知られている。アルコール燃料は、特に低温時に気化し難いため、従来技術の内燃機関には、始動時に燃料を気化させるための気化室が設けられている。この気化室は、外部から遮断された密閉構造を有し、絞り通路を介して吸気通路に接続されている。また、気化室には、その内部に燃料を噴射する始動用燃料噴射弁と、噴射燃料を加熱するためのヒータとが設けられている。
そして、内燃機関の始動時には、まず、内燃機関に対して始動信号が出力された時点でヒータを作動させ、その後に適宜時間が経過した時点で、始動用燃料噴射弁から気化室内に燃料を噴射する。燃料が噴射されるときに、気化室は、クランキングによる吸気負圧が作用することによって減圧状態となる。この結果、噴射燃料は、減圧状態の気化室内でヒータの熱を受けることにより気化し、吸気通路を介して各気筒に供給される。このように、従来技術では、始動時に燃料を気化室内で気化させることにより、冷間始動時等の始動性を確保するようにしている。
特開2007−224878号公報 特開2007−32526号公報 特開2008−223724号公報 特開平09−88740号公報
ところで、上述した従来技術では、始動時にヒータを作動させてから気化室内に燃料を噴射し、気化燃料を生成するようにしている。しかしながら、この場合には、内燃機関に対して始動信号が出力された後に、ヒータの昇温、噴射燃料の加熱及び気化室の減圧が行われ、その結果として気化燃料が生成される。このため、従来技術では、始動時に気化燃料を生成するのに時間がかかり、気化燃料を筒内に速やかに供給することができないという問題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、低温始動時等の燃料が気化し難い状況でも、所望の濃度の気化燃料を筒内に速やかに供給することができ、始動性を向上させることが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
燃料を貯留する燃料タンクと、
内燃機関の吸気通路の途中に接続され、前記燃料が気化した気化燃料を蓄える気化燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料を前記気化燃料タンクに供給するタンク内燃料供給手段と、
前記気化燃料タンクと前記吸気通路との接続部を開閉する常閉の気化燃料供給弁と、
前記内燃機関の運転中に前記気化燃料供給弁を閉弁した状態で前記タンク内燃料供給手段を駆動し、前記気化燃料タンク内に気化燃料を生成する気化燃料生成手段と、
前記内燃機関の始動時に前記気化燃料供給弁を開弁し、前記気化燃料タンク内に蓄えられた気化燃料を前記吸気通路へ供給する供給制御手段と、を備え、
前記気化燃料生成手段は、
前記タンク内燃料供給手段により前記気化燃料タンクに供給すべき燃料の供給量と、前記気化燃料タンク内および前記接続部の下流側の吸気通路内の空気量と、の比率が所定比率になるための前記気化燃料タンク内の目標圧力を算出する圧力算出手段と、
前記タンク内燃料供給手段の駆動に先立って、該気化燃料タンク内の圧力を前記目標圧力に制御する圧力制御手段と、
を含むことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記圧力制御手段は、
前記気化燃料供給弁を開弁することにより、前記気化燃料タンク内の圧力を前記目標圧力に減圧することを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記気化燃料生成手段は、
前記燃料の飽和蒸気圧を算出する飽和蒸気圧算出手段と、
前記燃料の飽和蒸気圧、前記気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、前記タンク内燃料供給手段により前記気化燃料タンクに供給すべき燃料の供給量を算出する燃料供給量算出手段と、
を含むことを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、
前記燃料供給量算出手段は、
前記燃料の飽和蒸気圧、前記気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、前記気化燃料タンク内で気化し得る最大燃料量を算出する最大燃料量算出手段と、
前記内燃機関の始動時の前記気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、該気化燃料タンク内に残留している液化燃料量を算出する液化燃料量算出手段と、を更に含み、
前記最大燃料量から前記液化燃料量を減算した値を前記気化燃料タンクに供給すべき供給量として算出することを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記気化燃料生成手段は、前記気化燃料タンク内の温度が所定の判定温度よりも高い場合に、前記タンク内燃料供給手段を駆動することを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、
前記燃料はガソリンとアルコールとの混合燃料であり、
前記混合燃料のアルコール濃度が低いほど前記判定温度を高い温度に設定する設定手段を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の運転中に気化燃料を生成し、この気化燃料を機関停止後の自然減圧を利用して気化燃料タンク内に蓄えておくことができる。これにより、始動時に気化燃料を生成する必要がないので、低温始動時でも、気化燃料を筒内に速やかに供給することができる。
第1の発明によれば、気化燃料タンク内に気化燃料を生成する場合に、タンク内燃料供給手段の実行に先立って、気化燃料タンク内に供給される燃料量と該気化燃料タンクおよびスロットル下流の吸気通路内の空気量との比率が所定比率になるように、該気化燃料タンク内の圧力が制御される。このため、本発明によれば、内燃機関の始動時に気化燃料を吸気通路に供給した場合に、該気化燃料の混合気を所望の空燃比にすることができるので、始動時にエミッション特性が悪化することを有効に抑止することができる。
第2の発明によれば、気化燃料供給弁を開弁することにより、気化燃料タンク内の圧力が目標圧力まで減圧される。このため、本発明によれば、簡易な構成で気化燃料タンク内の圧力を所望圧力まで減圧することができる。
第3の発明によれば、燃料の飽和蒸気圧、気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、気化燃料タンクに供給すべき燃料の供給量が算出される。飽和蒸気圧は、燃料を可能な限り気化させた状態での蒸気圧であるから、上記方法により算出された量の燃料を供給することにより、気化燃料タンク内に最大量の気化燃料を生成することができる。これにより、気化燃料タンクの容量を最大限に活用することができる。
第4の発明によれば、始動時の気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、該気化燃料タンク内に残留している液化燃料量が算出される。そして、燃料の飽和蒸気圧、気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて算出された気化可能な最大燃料量から当該液化燃料量を減算することにより、気化燃料タンクへ供給すべき燃料量が算出される。このため、本発明によれば、気化燃料タンク内に余剰に燃料が供給されることを有効に抑止しつつ気化燃料を最大限に生成することができる。
第5の発明によれば、気化燃料タンク内の温度が所定の判定温度よりも高い場合に、該気化燃料タンク内への燃料供給が実行される。このため、本発明によれば、該気化燃料タンク内に供給された燃料を有効に気化させることができる。
第6の発明によれば、判定温度は混合燃料のアルコール濃度が低いほど高い温度に設定される。このため、本発明によれば、ガソリン濃度が高いほど、混合燃料中のガソリンに含まれる高沸点成分を有効に気化させることができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。 アルコール濃度に対する燃料噴射判定温度T1の特性を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図4を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、FFV(Flexible Fuel Vehicle)に搭載される内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1には、4気筒エンジンを例示したが、本発明は、4気筒の内燃機関に限定されるものではない。エンジン10は、各気筒の燃焼室に吸入空気を吸込む吸気通路12と、燃焼室から排気ガスが排出される排気通路14とを備えている。
吸気通路12には、上流側から順にエアクリーナ16、スロットルバルブ18及びサージタンク20が設けられている。スロットルバルブ18は、電子制御式のバタフライ弁により構成され、後述のECU70により開閉駆動される。そして、スロットルバルブ18は、全閉位置と全開位置との間で開閉され、その開度に応じて吸気通路12を流れる吸入空気量を調整する。サージタンク20は、吸気通路12の途中に一定の広がりをもつ空間を形成し、吸気脈動の減衰効果等を発揮するものである。サージタンク20の下流側は、複数の吸気管からなる吸気マニホールド22を介して各気筒の吸気ポート24に接続されている。なお、サージタンク20、吸気マニホールド22及び吸気ポート24は、吸気通路12の一部を構成している。
また、エンジン10の各気筒には、吸気ポート24に燃料を噴射する吸気ポート噴射弁26と、燃焼室内(筒内)に燃料を直接噴射する筒内噴射弁28とが設けられている。これらの噴射弁26,28は、一般的な電磁駆動式の燃料噴射弁により構成されている。さらに、各気筒には、筒内に流入した混合気に点火する点火プラグ30(図2参照)と、それぞれ吸気ポート24及び排気ポートを開閉するための吸気弁及び排気弁(図示せず)とが設けられている。上述した噴射弁26,28には、車両の燃料タンク32内に液化状態で貯留されたアルコール燃料が供給される。
また、エンジン10は、始動時にクランク軸を回転駆動するスタータモータ36を備えている。車両の運転者がスタータスイッチをONにした場合には、ECU70に対してエンジンの始動要求が発生する。これにより、ECU70は、スタータモータ36を起動してクランク軸を回転させる動作(クランキング)を実行する。そして、エンジンが始動した時点、即ち、自立運転に移行した時点でクランキングを停止する。
次に、エンジン10に搭載された燃料気化系統について説明する。本実施の形態では、エンジンの運転中に生成した気化燃料をタンクに蓄えておき、この気化燃料を次回の始動時に使用することを特徴としている。そして、燃料気化系統は、以下に述べる気化燃料タンク38、タンク内噴射弁40、気化燃料供給弁42、大気導入弁44、リリーフ弁46等を備えている。
気化燃料タンク38は、密閉構造を有する耐圧容器として形成され、燃料タンク32内のアルコール燃料が気化した気化燃料を蓄えるように構成されている。また、気化燃料タンク38は、例えばエンジンルーム内において、エンジン10から熱が伝導し易い位置に設置されている。タンク内噴射弁40は、燃料タンク32に貯留された燃料を気化燃料タンク38内に噴射(供給)するもので、本実施の形態のタンク内燃料供給手段を構成している。タンク内噴射弁40は、例えば噴射弁26,28と同様の一般的な燃料噴射弁により構成され、その燃料噴射量は制御信号に応じて制御される。タンク内噴射弁40から噴射された燃料は、気化燃料タンク38内で受熱し気化することにより気化燃料となる。
気化燃料タンク38は、スロットルバルブ18の下流側でサージタンク20と接続されている。この接続部には、常閉(ノーマル・クローズ)の電磁弁等により構成された気化燃料供給弁42が設けられている。気化燃料供給弁42の閉弁時には、気化燃料タンク38とサージタンク20との間が遮断され、気化燃料タンク38内に気化燃料を蓄えることが可能となる。また、気化燃料供給弁42の開弁時には、前記タンク20,38が相互に連通され、気化燃料タンク38に蓄えられた気化燃料がサージタンク20に供給される。
また、気化燃料タンク38には、タンク内部と外部空間とを連通可能な位置に大気導入弁44が設けられている。大気導入弁44は常閉の電磁弁等により構成され、開弁時には気化燃料タンク38を大気解放するようになっている。気化燃料の供給時には、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とが多少の時間差をもって一緒に開弁され、気化燃料を供給した分だけ大気導入弁44から気化燃料タンク38内に大気が導入される。なお、これらの弁42,44は、気化燃料の供給時を除いて閉弁状態に保持される。また、大気導入弁44は、エアクリーナ16とスロットルバルブ18との間で吸気通路12に接続されている。このため、大気導入弁44の開弁時には、エアクリーナ16より清浄化され、かつ吸気負圧の影響を受けない空気が気化燃料タンク38に導入される。
さらに、気化燃料タンク38には、例えばチェック弁、リード弁等により構成された常閉のリリーフ弁46が設けられている。リリーフ弁46は、気化燃料タンク38内の圧力が所定の作動圧を超えたときに、この圧力を外部(例えば、吸気通路12)に解放するもので、リリーフ弁46の作動圧は、例えば大気圧程度の圧力か、または大気圧よりも数十kPa程度高い圧力に設定されている。この設定は、例えば気化燃料タンク38が常温程度かそれよりも少し高い温度に保持され、燃料の飽和蒸気圧がこの温度領域に対応した圧力となることを前提としている。これにより、リリーフ弁46は、気化燃料タンク38内に噴射された燃料が気化するときに、タンク内の空気を外部に逃がすように構成されている。また、リリーフ弁46は、気化燃料タンク38が密閉された状態において、タンク内の圧力が過大となるのを防止する安全弁としての機能も備えている。
次に、図2を参照しつつ、エンジン10の制御系統について説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。この図に示すように、本実施の形態のシステムは、後述する複数のセンサを含むセンサ系統と、エンジン10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)70とを備えている。
まず、センサ系統について説明すると、クランク角センサ48は、エンジン10のクランク軸の回転に同期した信号を出力するもので、ECU70は、この出力に基づいてエンジン回転数及びクランク角を検出する。また、エアフローセンサ50は吸入空気量を検出し、水温センサ52はエンジンの冷却水温を検出する。また、タンク圧センサ54は気化燃料タンク38内の圧力を検出し、タンク温度センサ56は気化燃料タンク38内の温度を検出する。また、燃料性状センサ58は、燃料の性状として、燃料中のアルコール濃度を検出する。
センサ系統には、上記センサの他にも、車両やエンジンの制御に必要な各種のセンサ(例えば排気空燃比を検出する空燃比センサ、スロットルバルブ18の開度を検出するスロットルセンサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ等)が含まれており、これらのセンサはECU70の入力側に接続されている。なお、本発明は、必ずしもタンク温度センサ56を必要とするものではなく、例えば、エンジンの温度や運転履歴、気化燃料タンク38への熱伝導特性等に基づいてタンク内温度を推定する構成としてもよい。
一方、ECU70の出力側には、スロットルバルブ18、噴射弁26,28,40、点火プラグ30、スタータモータ36、気化燃料供給弁42、大気導入弁44等を含む各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU70は、センサ系統によりエンジンの運転情報を検出し、その検出結果に基づいて各アクチュエータを駆動することにより、運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ48の出力に基づいてエンジン回転数とクランク角とを検出し、エアフローセンサ50により吸入空気量を検出する。また、以下に述べる通常の燃料噴射制御を実行しつつ、クランク角に基づいて点火時期を決定し、点火プラグ30を駆動する。
通常の燃料噴射制御は、後述の気化燃料供給制御が実行される場合を除いて、エンジン10の運転中に実行されるもので、始動時の燃料噴射制御も含んでいる。この燃料噴射制御では、吸入空気量、エンジン回転数、エンジン冷却水の温度等に基づいて燃料噴射量を算出し、クランク角に基づいて燃料噴射時期を決定した後に、噴射弁26,28の何れか一方または両方を駆動する。この場合、吸気ポート噴射弁26と筒内噴射弁28の噴射量の比率は、エンジンの運転状態や燃料の性状に応じて可変に設定される。さらに、ECU70は、燃料気化系統の制御として、以下に述べる気化燃料生成制御と、気化燃料供給制御とを実行する。
[実施の形態1の動作]
(気化燃料生成制御)
気化燃料生成制御は、エンジン10の運転中(好ましくは、暖機終了後の運転中)に、気化燃料タンク38内で燃料を気化させ、気化燃料を生成するものである。具体的に述べると、気化燃料生成制御では、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁した状態で、タンク内噴射弁40から燃料を噴射する。このとき、燃料の噴射量は、噴射燃料の全てが気化し、かつ気化した燃料の蒸気圧が飽和蒸気圧となるように算出される。尚、燃料噴射量の具体的な算出処理については、図4を参照して後述する。
タンク内噴射弁40から噴射された燃料は、タンク内の空気をリリーフ弁46から追い出しつつ、速やかに気化して気化燃料となる。このとき、リリーフ弁46は、タンク内の空気圧により燃料の気化が抑制されるのを回避し、気化燃料の生成を促進することができる。この結果、燃料の気化が完了すると、タンク内の空気は殆ど排出され、気化燃料タンク38内には、気化燃料が飽和蒸気圧に近い圧力状態で充満した状態となる。
上述した気化燃料生成制御により、気化燃料タンク38内には、エンジンの運転中に気化燃料を蓄えることができる。そして、気化燃料タンク38は、タンク内で生じる自然減圧を利用して、エンジン停止後の冷間時にも、気化燃料の少なくとも一部を気相状態に保持することができる。
なお、気化燃料生成制御は、気化燃料タンク38内の温度(タンク内温度)Ttが所定の燃料噴射判定温度T1よりも高い場合にのみ実行する構成としてもよい。ここで、燃料噴射判定温度T1とは、気化燃料を生成しうる温度の下限値に対応して設定されるもので、タンク内での燃料噴射を許可するための判定温度である。タンク内温度Ttが燃料噴射判定温度T1よりも高い場合には、アルコール燃料が気化するのに十分な温度と判断できるので、上述した気化燃料生成制御を実行する。一方、タンク内温度Ttが燃料噴射判定温度T1以下の場合には、燃料の揮発性が低いので、気化燃料を効率よく生成することができないおそれがある。そこで、この場合には、気化燃料タンク38内への燃料噴射を禁止し、気化燃料生成制御を停止する。
上記構成によれば、高温時に気化燃料を効率よく生成することができ、低温時に無駄な燃料噴射が行われることを回避することができる。このように、燃料噴射判定温度T1を適切に設定することにより、例えば、エンジン暖機がある程度進んだ時点で気化燃料生成制御を実行することとすれば、エンジンから伝わる熱により気化燃料タンク38が暖められているので、タンク内に噴射した燃料を効率よく気化させることが可能となる。
尚、使用される燃料がアルコールとガソリンとの混合燃料である場合、該混合燃料の揮発性は燃料の性状によっても変化する。そこで、燃料噴射判定温度T1は、燃料の性状に応じて可変に設定する構成としてもよい。図3は、アルコール濃度に対する燃料噴射判定温度T1の特性を説明するための図である。この図に示すとおり、混合燃料のアルコール濃度が低いほど、燃料噴射判定温度T1を高い値に設定する。これは、ガソリン中に含まれるアルコール沸点よりも高沸点の成分を有効に気化させることを意図している。これにより、混合燃料中のアルコール濃度が変動する場合でも、これに対応して気化燃料を有効に生成することが可能となる。
(気化燃料供給制御)
気化燃料供給制御は、エンジンの始動時に気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを開弁し、気化燃料タンク38内に蓄えられていた気化燃料をサージタンク20に供給するものである。具体的に述べると、まず、ECU70は、スタータスイッチがONされたときに、始動要求が発生したことを検出する。そして、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁し、かつスロットルバルブ18を全閉位置に保持した状態で、スタータモータ36に通電し、クランキングを開始する。これにより、サージタンク20内には、クランキングによって吸気負圧が生じる。
そして、ECU70は、サージタンク20内の吸気負圧が十分に増大したときに、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを開弁する。これにより、気化燃料タンク38内の気化燃料は、吸気負圧によってサージタンク20内に供給される。このとき、気化燃料タンク38内には、気化燃料が流出した分だけ大気導入弁44から空気が流入するので、気化燃料の供給はスムーズに行われる。
気化燃料タンク38からサージタンク20に供給された気化燃料は、吸気ポート24を介して筒内に流入し、筒内で点火されて燃焼する。そして、ECU70は、エンジン回転数の上昇等により始動を確認した時点で、クランキングを停止する。また、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁し、気化燃料供給制御を終了する。そして、通常の燃料噴射制御を開始し、吸気ポート噴射弁26や筒内噴射弁28から燃料を噴射する。なお、気化燃料から通常の燃料噴射への切換は、必ずしもエンジンの始動を確認してから行う必要はない。一例を挙げれば、始動時に必要な量の気化燃料を供給した時点で、通常の燃料噴射に切換えてもよい。また、各気筒に対して1サイクル目の燃焼時のみ気化燃料を供給し、2サイクル目以降の燃焼時には通常の燃料噴射制御を実行してもよい。
このように、エンジンの運転中に蓄えておいた気化燃料を使用すれば、始動時に気化燃料を生成する場合と比較して、気化燃料を筒内に速やかに供給することができ、燃料が気化し難い低温始動時でも、始動性を向上させることができる。なお、気化燃料供給制御は、始動時の機関温度(例えば、エンジン冷却水の温度等)が気化燃料を必要とする所定の判定温度以下の場合にのみ実行するのが好ましい。
(本実施の形態の特徴)
ところで、上述した気化燃料の供給開始時には、気化燃料タンク38から燃焼室に至るまでの空間(具体的には、気化燃料タンク38、サージタンク20、吸気マニホールド22及び吸気ポート24の内部に形成された空間)に空気(残留空気)が存在している。このため、気化燃料の供給が開始されると、気化燃料タンク38内に蓄えられていた気化燃料は、該残留空気と一緒に筒内へ流入する。
ここで、例えば、残留空気量が多量であり筒内へ流入する気化燃料の濃度が点火に必要なレベルに達しない場合には、点火を行うことができない。したがって、この筒内に流入した気化燃料は、そのまま未燃燃料として排気通路14に流出することになる。この結果、始動時に気化燃料が無駄に消費され、始動性が低下するだけでなく、排気エミッションが悪化するという問題がある。また、反対に残留空気量が少量であり筒内へ流入する気化燃料の濃度が点火に必要なレベルを超えて極端に高い場合にも、未燃燃料が排気通路14に流出してしまい、排気エミッションが悪化してしまう。
そこで、本実施の形態のシステムでは、筒内に流入する気化燃料濃度の最適化を図るべく、気化燃料タンク38内へ供給される燃料量に応じて、気化燃料タンク38内の空気量を制御することとする。より具体的には、先ず、気化燃料生成制御において燃料噴射をする前に、気化燃料タンク38内の圧力を目標圧力P1まで減圧する。減圧動作は気化燃料供給弁42を開弁することで実行することができる。気化燃料タンク38内の圧力は、該タンク内に残存する空気量を決定する。つまり、気化燃料タンク38内の圧力が高く維持された場合、すなわち目標圧力P1が高く設定された場合には、気化燃料タンク38内の空気量が多量になる。その結果、気化燃料タンク38内の空気を含む残留空気量が多量となるため、燃料供給制御において筒内に供給される気化燃料濃度は低くなる。一方、気化燃料タンク38内の圧力が減圧された場合、すなわち目標圧力P1が低く設定された場合には、気化燃料タンク38内の空気量が少量になる。その結果、気化燃料タンク38内の空気を含む残留空気量が少量となるため、燃料供給制御において筒内に供給される気化燃料濃度は高くなる。
本実施の形態のシステムでは、燃料噴射量Qと残留空気との比率が所望の所定比率(例えば、理論空燃比)となるための目標圧力P1の値が、燃料噴射量Qに関連付けられてECU70に記憶されている。このため、燃料噴射量Qに対応する目標圧力P1を算出し、気化燃料生成制御時に気化燃料タンク38内をかかる目標圧力P1まで減圧しておくことにより、その後の燃料供給制御時に筒内に流入する気化燃料濃度の最適化を図ることができる。これにより、始動時のエミッション悪化および燃費の悪化を有効に抑制することができる。
尚、上記気化燃料生成制御においては、リリーフ弁46の作動圧を高く設定することが好ましい。これにより、気化燃料タンク38の空気がリリーフ弁46から外部に解放されてしまうことを有効に抑止することができる。
[実施の形態1の具体的な処理]
次に、図4を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。まず、図4は、本発明の実施の形態1において、ECU70により実行される気化燃料生成制御を示すフローチャートである。図4に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図4に示すルーチンでは、まず、燃料性状センサ58の出力に基づいて燃料中のアルコール濃度が検出される(ステップ100)。そして、タンク温度センサ56により気化燃料タンク38内の温度Ttが検出され(ステップ102)、このタンク内温度Ttが燃料噴射判定温度T1よりも大きいか否かが判定される(ステップ104)。ECU70は、図3に示すアルコール濃度と判定温度T1との関係を規定したマップデータを記憶している。ここでは、具体的には、かかるマップデータを用いて、上記ステップ100において検出されたアルコール濃度に対応する判定温度T1が算出される。
上記ステップ104において、Tt>T1の成立が認められない場合には、気化燃料タンク38がガソリン燃料中の高沸点成分を気化しうる状態にないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。一方、上記ステップ104において、Tt>T1の成立が認められた場合には、気化燃料タンク38がガソリン燃料中の高沸点成分を気化しうる状態にあると判断されて、次にステップに移行し、気化燃料タンク38内に噴射する燃料の噴射量Qが算出される。
燃料噴射量Qの算出処理では、先ず、上記ステップ100において検出されたアルコール濃度と、上記ステップ102において検出されたタンク内温度Ttとに基づいて飽和蒸気圧算出マップデータを参照し、気化燃料タンク38内での燃料の飽和蒸気圧Pgが算出される(ステップ106)。次に、飽和蒸気圧Pg、タンク内温度Tt及び気化燃料タンク38のタンク容積に基づいて噴射量算出マップデータを参照し、燃料噴射量Qが算出される(ステップ108)。上述した2つのマップデータと、既知であるタンク容積とは、ECU70に予め記憶されている。飽和蒸気圧算出マップデータは、アルコールの物性に基づいて、任意のアルコール濃度及び温度での飽和蒸気圧を求めるためのデータである。また、噴射量算出マップデータは、噴射した燃料が全て蒸発した場合に、その蒸気圧が飽和蒸気圧となるような噴射量(最大燃料量)を求めるためのデータであり、実験等により予め求められている。これらのマップデータを用いることにより、気化燃料タンク38内に気体として存在し得る最大量の気化燃料を生成し且つ噴射燃料を余らせないための最適な燃料噴射量Qが算出される。
図4に示すルーチンでは、次に、気化燃料タンク38内が減圧される(ステップ110)。ここでは、具体的には、気化燃料供給弁42が所定の微小期間開弁される。次に、気化燃料タンク38内のタンク圧力Ptが目標圧力P1に達したか否かが判定される(ステップ112)。ここでは、具体的には、先ず、上記ステップ106において算出された燃料噴射量Qに基づいて目標圧力算出マップデータを参照し、目標圧力P1が算出される。目標圧力算出マップデータは、燃料噴射量Qと残存空気との比率が所定比率となるための気化燃料タンク38内の圧力を規定したデータであり、実験等により予め求められてECU70に記憶されている。次に、タンク圧センサ54を用いてタンク圧力Ptが検出される。そして、検出されたタンク圧力Ptが、算出された目標圧力P1まで減圧されたか否かが判定される。その結果、Pt=P1の成立が認められない場合には、タンク圧力Ptが未だ目標圧力P1よりも高いと判断されて、上記ステップ110の処理が再度実行される。
一方、上記ステップ112において、Pt=P1の成立が認められた場合には、タンク圧力Ptが目標圧力P1まで減圧されたと判断されて、次のステップに移行し、燃料噴射量Qに基づいてタンク内噴射弁40を駆動し、気化燃料タンク38内に燃料が噴射される(ステップ114)。
以上説明したとおり、本実施の形態1のシステムによれば、気化燃料生成制御を実行することにより、気化燃料タンク38内に最大量の気化燃料と所望量の空気とを蓄えることができる。これにより、気化燃料タンク38の容量を最大限に活用するとともに、燃料供給制御によって筒内に供給される気化燃料の濃度、すなわち気化燃料と残留空気との比率を所望の値に制御することができる。これにより、エンジン始動時のエミッション悪化および燃費の悪化を有効に抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態1のシステムでは、吸気通路12に対する気化燃料の供給部位として、サージタンク20を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、スロットルバルブ18の下流側であれば、吸気通路12の任意の部位に気化燃料タンク38を接続し、この部位に気化燃料を供給する構成としてよい。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、気化燃料タンク38をエンジン10からの熱が伝わり易い場所に配置する構成としている。しかしながら、本発明はこれに限らず、エンジン10で発生する熱により気化燃料タンク38を積極的に加熱する構成としてもよい。一例を挙げれば、エンジン10と気化燃料タンク38との間に冷却水配管を設け、エンジン冷却水により気化燃料タンク38を加熱する構成としてもよい。また、排気通路14と気化燃料タンク38との間にヒートパイプ等の熱伝導部材を設け、排気熱により気化燃料タンク38を加熱する構成としてもよい。これらの構成により、気化燃料タンク38内での燃料の飽和蒸気圧を高め、蓄えられる気化燃料の量を増やすことができる。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、アルコール燃料を使用するエンジン10を例に挙げて説明している。しかしながら、本発明はこれに限らず、通常のガソリンや、ガソリンにアルコール以外の成分を添加した各種の燃料に対して適用することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、気化燃料タンク38内を減圧する際に気化燃料供給弁42を開弁することとしているが、該気化燃料供給弁42に替えて大気導入弁44を開弁することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、燃料のアルコール濃度に基づいて算出された燃料噴射判定温度T1を使用することとしているが、使用可能な判定値はこれに限られない。すなわち、気化燃料タンク38内において燃料が容易に気化することを判断することができるのであれば、例えば燃料噴射判定温度T1は固定値でもよい。また、タンク内温度Ttと燃料噴射判定温度T1との比較を行わなくても、例えば、エンジンの暖機完了有無を当該判定に替えることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、タンク内噴射弁40が前記第1の発明における「タンク内燃料供給手段」に相当しているとともに、ECU70が、上記ステップ114の処理を実行することにより、前記第1の発明における「気化燃料生成手段」が、上記ステップ112の処理を実行することにより、前記第1の発明における「圧力算出手段」が、上記ステップ110〜112の処理を実行することにより、前記第1の発明における「圧力制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ106の処理を実行することにより、前記第3の発明における「飽和蒸気圧算出手段」が、上記ステップ108の処理を実行することにより、前記第3の発明における「燃料供給量算出手段」がそれぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第5の発明における「気化燃料生成手段」および前記第6の発明における「設定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成および図2に示す制御構成を用いて、ECU70に後述する図5に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施の形態2のシステムは、実施の形態1と同様の構成及び制御(図1〜図4)を採用しているものの、燃料噴射量Qを算出する際に、気化燃料タンク38内に残存している液化燃料を考慮した点を特徴としている。つまり、気化燃料タンク38内には、気化しなかった噴射燃料、或いは一旦気化したもののその後再度液化した燃料が残存している場合がある。このため、これらの残存燃料の存在を考慮せずに燃料噴射量Qを算出すると、結果的に気化燃料タンク38内の燃料が余剰になってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態のシステムでは、エンジン始動時に気化燃料タンク38内の液化燃料量を推定し、算出された燃料噴射量からかかる液化燃料分を減算することとする。これにより、気化燃料タンク38内を飽和蒸気圧Pgに対応した最適な燃料量に制御することができるので、燃料が余剰に噴射されることを有効に抑止することができる。
液化燃料量Qの算出は、例えば以下の方法で行うことができる。エンジン始動時の気化燃料タンク38内には、前回の気化燃料生成制御によって生成された気化燃料が蓄えられている。この気化燃料量は、該タンク内の温度Tt、圧力Ptおよび容積に基づいて容易に算出することができる。したがって、前回の気化燃料生成制御における燃料供給量から上記気化燃料量を減算することにより、該気化燃料タンク38内で液化した液化燃料量Qを算出することが可能となる。本実施の形態のシステムでは、前回の気化燃料生成制御における燃料供給量、エンジン始動時の気化燃料タンク38内の温度Ttおよび圧力Ptを液化燃料量Qに関連付けた液化燃料量算出マップデータを記憶している。このため、かかるマップデータを用いることにより、気化燃料タンク38内の液化燃料量を精度よく算出することができる。
算出された液化燃料量Qは、気化燃料生成制御における燃料噴射量Qの算出の際に使用される。より具体的には、噴射量算出マップデータを参照して算出された燃料噴射量Qから上記液化燃料量Qが減算された値が、液化燃料分の補正を施した噴射量Q´として算出される。これにより、気化燃料タンク38内に余剰な燃料が噴射されることを有効に抑止することができる。
[実施の形態2の具体的な処理]
次に、図5を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。まず、図5は、本発明の実施の形態2において、ECU70により実行される気化燃料生成制御を示すフローチャートである。図5に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図5に示すルーチンでは、気化燃料タンク38内の液化燃料量Qが算出される(ステップ200)。ここでは、具体的には、先ず、エンジン始動時に検出された気化燃料タンク38内の温度Ttおよび圧力Pt、および前回のトリップの気化燃料生成制御において算出された噴射量算出マップデータに基づく燃料噴射量Qが取り込まれる。そして、これらの値に基づいて上述した液化燃料量算出マップデータを参照することにより、液化燃料量Qが算出される。
次に、燃料性状センサ58の出力に基づいて燃料中のアルコール濃度が検出される(ステップ202)。そして、タンク温度センサ56により気化燃料タンク38内の温度Ttが検出され(ステップ204)、このタンク内温度Ttが燃料噴射判定温度T1よりも大きいか否かが判定される(ステップ206)。ここでは、具体的には、上記ステップ100〜104の処理と同様の処理が実行される。
上記ステップ206において、Tt>T1の成立が認められない場合には、気化燃料タンク38がガソリン燃料中の高沸点成分を気化しうる状態にないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。一方、上記ステップ206において、Tt>T1の成立が認められた場合には、気化燃料タンク38がガソリン燃料中の高沸点成分を気化しうる状態にあると判断されて、次のステップに移行し、気化燃料タンク38内での燃料の飽和蒸気圧Pgが算出される(ステップ208)。ここでは、具体的には、上記ステップ106と同様の処理が実行される。
次に、液化燃料分の補正が施された燃料噴射量Q´が算出される(ステップ210)。ここでは、具体的には、先ず、上記ステップ108と同様の処理が実行されて、噴射量算出マップデータに基づく燃料噴射量Qが算出される。そして、算出された燃料噴射量Qから上記ステップ100において算出された液化燃料量Qを減算することにより補正後の燃料噴射量Q´が算出される。
次に、気化燃料タンク38内が減圧される(ステップ212)。次に、気化燃料タンク38内のタンク圧力Ptが目標圧力P1に達したか否かが判定される(ステップ214)。ここでは、具体的には、上記ステップ110〜114と同様の処理が実行される。そして、上記ステップ214において、Pt=P1の成立が認められた場合には、次のステップに移行し、燃料噴射量Q´に基づいてタンク内噴射弁40を駆動し、気化燃料タンク38内に燃料が噴射される(ステップ216)。
以上説明したとおり、本実施の形態2のシステムによれば、気化燃料生成制御において、気化燃料タンク38内に残存している液化燃料分を考慮した燃料噴射量Q´を算出することができる。これにより、余剰な燃料が該気化燃料タンク38内に噴射されることを有効に抑止することができる。
尚、上述した実施の形態2においては、タンク内噴射弁40が前記第1の発明における「タンク内燃料供給手段」に相当しているとともに、ECU70が、上記ステップ216の処理を実行することにより、前記第1の発明における「気化燃料生成手段」が、上記ステップ214の処理を実行することにより、前記第1の発明における「圧力算出手段」が、上記ステップ212〜214の処理を実行することにより、前記第1の発明における「圧力制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ208の処理を実行することにより、前記第3の発明における「飽和蒸気圧算出手段」が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第3の発明における「燃料供給量算出手段」がそれぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第4の発明における「燃料供給量算出手段」が、上記ステップ200の処理を実行することにより、前記第4の発明における「液化燃料量算出手段」が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第4の発明における「最大燃料量算出手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第5の発明における「気化燃料生成手段」および前記第6の発明における「設定手段」が、それぞれ実現されている。
10 エンジン(内燃機関)
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアクリーナ
18 スロットルバルブ
20 サージタンク
22 吸気マニホールド
24 吸気ポート
26 吸気ポート噴射弁
28 筒内噴射弁
32 燃料タンク
36 スタータモータ
38 気化燃料タンク
40 タンク内噴射弁
42 気化燃料供給弁
44 大気導入弁
46 リリーフ弁
48 クランク角センサ
50 エアフローセンサ
52 水温センサ
54 タンク圧センサ
56 タンク温度センサ
58 燃料性状センサ
70 ECU

Claims (6)

  1. 燃料を貯留する燃料タンクと、
    内燃機関の吸気通路の途中に接続され、前記燃料が気化した気化燃料を蓄える気化燃料タンクと、
    前記燃料タンク内の燃料を前記気化燃料タンクに供給するタンク内燃料供給手段と、
    前記気化燃料タンクと前記吸気通路との接続部を開閉する常閉の気化燃料供給弁と、
    前記内燃機関の運転中に前記気化燃料供給弁を閉弁した状態で前記タンク内燃料供給手段を駆動し、前記気化燃料タンク内に気化燃料を生成する気化燃料生成手段と、
    前記内燃機関の始動時に前記気化燃料供給弁を開弁し、前記気化燃料タンク内に蓄えられた気化燃料を前記吸気通路へ供給する供給制御手段と、を備え、
    前記気化燃料生成手段は、
    前記タンク内燃料供給手段により前記気化燃料タンクに供給すべき燃料の供給量と、前記気化燃料タンク内および前記接続部の下流側の吸気通路内の空気量と、の比率が所定比率になるための前記気化燃料タンク内の目標圧力を算出する圧力算出手段と、
    前記前記タンク内燃料供給手段の駆動に先立って、該気化燃料タンク内の圧力を前記目標圧力に制御する圧力制御手段と、
    を含むことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記圧力制御手段は、
    前記気化燃料供給弁を開弁することにより、前記気化燃料タンク内の圧力を前記目標圧力に減圧することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記気化燃料生成手段は、
    前記燃料の飽和蒸気圧を算出する飽和蒸気圧算出手段と、
    前記燃料の飽和蒸気圧、前記気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、前記タンク内燃料供給手段により前記気化燃料タンクに供給すべき燃料の供給量を算出する燃料供給量算出手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記燃料供給量算出手段は、
    前記燃料の飽和蒸気圧、前記気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、前記気化燃料タンク内で気化し得る最大燃料量を算出する最大燃料量算出手段と、
    前記内燃機関の始動時の前記気化燃料タンク内の温度および容積に基づいて、該気化燃料タンク内に残留している液化燃料量を算出する液化燃料量算出手段と、を更に含み、
    前記最大燃料量から前記液化燃料量を減算した値を前記気化燃料タンクに供給すべき供給量として算出することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記気化燃料生成手段は、前記気化燃料タンク内の温度が所定の判定温度よりも高い場合に、前記タンク内燃料供給手段を駆動することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記燃料はガソリンとアルコールとの混合燃料であり、
    前記混合燃料のアルコール濃度が低いほど前記判定温度を高い温度に設定する設定手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012241634A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Nippon Soken Inc 燃料供給装置
CN105089825A (zh) * 2014-05-12 2015-11-25 福特环球技术公司 双燃料加注
US10370238B2 (en) 2013-10-10 2019-08-06 Ford Global Technologies, Llc Refueling systems and methods for mixed liquid and gaseous fuel

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