JP2011163158A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガソリンとアルコールとの混合燃料を使用する内燃機関において、冷間始動時のエミッション悪化を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関10の吸気ポート26に燃料を噴射する燃料噴射インジェクタ28と、吸気ポート26を加熱するPTCヒータ30と、混合燃料のアルコール濃度を取得する燃料性状センサ48と、を備え、内燃機関10の始動要求が出された場合に(ステップ100)、アルコール濃度が所定値Aよりも高く(ステップ104)、且つ、冷却水温が所定値Bよりも低い(ステップ108)と判定された場合に、始動装置46の駆動に先立ってPTCヒータ30を用いたプレヒート処理を実施する(ステップ110)。そして、プレヒート処理後のエンジン始動時に(ステップ112)、吸気同期噴射の実施を制限する(ステップ114〜116)。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、アルコールとガソリンとの混合燃料を使用可能な内燃機関の制御装置に関する。
エタノールあるいはメタノールなどのアルコールをガソリンと混合した混合燃料を用いることのできる内燃機関が知られている。図9は、E80(エタノール80%混合燃料)、およびE0(ガソリン100%)の蒸留割合と温度との関係を示す図である。ガソリンは、多成分からなり、低沸点成分を含むため、低温時においても、気化特性に優れる。一方、アルコールは、単一成分であるために沸点が決まっており、且つその沸点が高い(エタノールの場合には約78℃)。このため、図9から分かる通り、E80などのようにアルコール濃度の高い混合燃料は、アルコールの沸点より低い温度では極めて気化しにくいという欠点がある。
特開2007−332936号公報には、このような混合燃料を使用可能な内燃機関において、燃料の付着による点火栓の作動不良を抑制するための装置が開示されている。この装置では、より具体的には、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁を具備し、内燃機関の始動時において、使用燃料が気化しにくいと判別された場合には、吸気非同期噴射の割合を減少させることとしている。吸気非同期噴射では、吸気弁が閉じた状態で燃料が噴射されるため、噴射燃料が吸気ポート内に一時的に保持される。このため、噴射燃料が気化しにくい燃料、すなわちアルコール濃度が高い燃料の場合には、噴射燃料がポート壁面で粒径の大きな液滴に成長するおそれがある。この点、上記従来の装置によれば、使用燃料が気化しにくい燃料の場合には、吸気非同期噴射の実施割合が減少されるので、噴射燃料が大きな液滴となって燃焼室内へ流入する事態を抑制することができる。
特開2007−332936号公報 特開2009−2211号公報 特開2009−47055号公報 特開平11−270388号公報 特開昭62−243937号公報
アルコール濃度の高い混合燃料が使用されている場合には、内燃機関の冷間始動時に燃料インジェクタから噴射された混合燃料のうち、気化するのは実質的にガソリン成分のみで、アルコール成分はほとんど気化しない。このため、上記従来の装置のように始動時の吸気同期噴射を実施することとしても、燃焼に寄与する気化燃料の量が不足し、始動性が悪くなり易いという問題がある。また、噴射された混合燃料のうちのガソリン成分だけに頼って始動を行うようなものであるので、その不足を補うため、始動時に大量の燃料噴射が必要である。そして、燃焼に寄与したガソリン成分の何倍もの量のアルコール成分が気化できずに燃焼しないまま燃焼室を通過し、HCとなって排気通路へ流れる。その結果、冷間始動時に、大気中へのHC排出量が極めて多くなり易いという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ガソリンとアルコールとの混合燃料を使用する内燃機関において、冷間始動時のエミッション悪化を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ガソリンとアルコールとの混合燃料を使用可能な内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の吸気ポートに混合燃料を噴射する燃料インジェクタと、
前記吸気ポートの壁面を加熱する加熱装置と、
混合燃料のアルコール濃度を取得する濃度取得手段と、
前記内燃機関の冷間始動要求の有無を判定する判定手段と、
前記冷間始動要求があると判定され、且つ、前記アルコール濃度が所定値よりも高い場合に、始動に先立って前記加熱手段を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート手段と、
前記プレヒート処理の実施後の前記内燃機関の始動において、吸気弁が開弁された状態での燃料噴射を制限する制限手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記制限手段は、前記燃料噴射の終了時期が前記吸気弁の開時期よりも進角側になるように、燃料噴射期間を設定することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記制限手段は、アルコール濃度が高いほど前記燃料噴射期間を進角させることを特徴とする。
第4の発明は、第1または第2の発明において、
前記制限手段は、前記内燃機関の回転数の上昇率に応じて、燃料噴射期間を進角させることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の冷間始動時であって、混合燃料のアルコール濃度が所定値よりも高い場合に、その始動に先立って吸気ポートの壁面を加熱するプレヒート処理が実行される。そして、プレヒート処理後の内燃機関の始動において、吸気弁が開弁された状態での燃料噴射(吸気同期噴射)が制限される。このため、本発明によれば、噴射された混合燃料が、加熱された吸気ポート壁面に接触せずに燃焼室内へ流入することを効果的に抑制することができるので、始動不良によるHCエミッションの悪化を有効に抑制することができる。
第2の発明によれば、プレヒート処理後の内燃機関の始動において、燃料噴射の終了時期が吸気弁の開時期(IVO)よりも進角側となるように設定される。このため、本発明によれば、噴射された混合燃料が吸気ポート壁面に有効に接触して加熱されるので、混合燃料の気化促進を効果的に図ることができる。
第3の発明によれば、混合燃料のアルコール濃度が高いほど、燃料噴射期間の進角量が増大される。このため、本発明によれば、混合燃料の気化特性が低いほど、噴射された混合燃料が、加熱された吸気ポート壁面に接触している時間を長期化させることができるので、気化特性の低い混合燃料であっても、気化促進を有効に図ることができる。
第4の発明によれば、機関回転数の上昇割合が大きいほど、燃料噴射期間の進角量が増大される。このため、本発明によれば、行程時間が短時間になるほど、燃料噴射期間が進角されるので、噴射された混合燃料が、加熱された吸気ポート壁面に接触している時間が短期化する事態を有効に抑制することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 吸気同期噴射および吸気非同期噴射について説明するための図である。 内燃機関10の始動時の燃焼サイクルの推移を気筒別に示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである 吸気ポート28に噴射された混合燃料の気化率の時間変化を示す図である。 内燃機関10の始動時の各気筒の燃焼サイクルとエンジン回転数との関係を説明するための図である。 混合燃料のアルコール濃度と、HCエミッションの悪化度合との関係を説明するための図である。 混合燃料のアルコール濃度と燃料噴射時期の進角量との関係を説明するための図である。 E80およびE0の蒸留割合と温度との関係を示す図である。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は、例えば車両の動力源として用いられる。本実施形態の内燃機関10は、直列4気筒型であるものとするが、本発明における内燃機関の気筒数および気筒配置は特に限定されるものではない。図1には、内燃機関10の一つの気筒の断面が示されている。
この内燃機関10は、ガソリンを燃料として運転可能であるとともに、エタノールあるいはメタノールなどのアルコールと、ガソリンとを混合した燃料(以下、「混合燃料」と称する)によっても運転可能なものである。この場合、混合燃料としては、アルコール成分の濃度(アルコール成分の割合)が低濃度(例えば数%程度)のものから高濃度(例えば80%以上)のものまで、使用可能である。
内燃機関10には、吸気通路12および排気通路14が接続されている。吸気通路12には、吸入空気量を検出するエアフローメータ16が配置されている。エアフローメータ16の下流には、スロットル弁18が配置されている。スロットル弁18の開度は、スロットルモータ20の作動によって調整される。スロットル弁18の近傍には、スロットル弁18の開度を検出するためのスロットルポジションセンサ22が配置されている。排気通路14には、排気ガスを浄化するための触媒24が設置されている。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポート26内に燃料を噴射するための燃料インジェクタ28が配置されている。また、各気筒の吸気ポート26の壁面には、該ポート壁面を加熱するためのPTCヒータ30が埋め込まれている。また、内燃機関10の各気筒には、更に、吸気弁32、点火プラグ34および排気弁36が設けられている。
内燃機関10のクランク軸38の近傍には、該クランク軸38の回転角度(クランク角度)を検出可能なクランク角センサ40が設置されている。クランク角センサ40によれば、内燃機関10のクランク角度や機関回転数を検出することができる。
また、本実施形態のシステムは、図示しない燃料供給通路の途中に、燃料性状センサ48を備えている。混合燃料のアルコール濃度は、ユーザーが給油を選択した燃料のアルコール濃度に応じて増減する。燃料性状センサ48によれば、この混合燃料のアルコール濃度を検出することができる。尚、燃料性状センサ48としては、例えば、燃料の誘電率、屈折率などを測定することによってアルコール濃度を検出するものを用いることができる。
また、本実施形態のシステムは、内燃機関10が搭載された車両の運転席のアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ42と、内燃機関10の冷却水温を検出する水温センサ44と、内燃機関10の始動時にクランク軸38を回転駆動する電動機を有する始動装置(スタータ)46と、ECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。ECU50には、上述したものを含む各種のセンサおよびアクチュエータが電気的に接続されている。
[実施の形態1の動作]
(プレヒート処理について)
先ず、本実施の形態1の内燃機関10において実施されるプレヒート処理について説明する。アルコール濃度の高い混合燃料が使用されている場合には、内燃機関10の冷間始動時に燃料インジェクタ28から噴射された混合燃料のうち、気化するのは実質的にガソリン成分のみで、アルコール成分はほとんど気化しない。このため、燃焼に寄与する気化燃料の量が不足し、始動性が悪くなり易いという問題がある。また、噴射された混合燃料のうちのガソリン成分だけに頼って始動を行うようなものであるので、その不足を補うため、始動時に大量の燃料噴射が必要である。そして、燃焼に寄与したガソリン成分の何倍もの量のアルコール成分が気化できずに燃焼しないまま燃焼室を通過し、HCとなって排気通路へ流れる。その結果、冷間始動時に、大気中へのHC排出量が極めて多くなり易いという問題がある。
そこで、本実施の形態1では、混合燃料が気化しにくい条件で内燃機関10を始動する場合に、始動装置44の駆動に先立ってポート壁面を加熱するプレヒート処理を実施することとする。より具体的には、内燃機関10の始動要求が出された場合において、混合燃料が気化しにくいと判定された場合に、吸気ポート26の壁面に埋め込まれたPTCヒータ30への通電を実施することとする。混合燃料が気化しにくいか否かの判定は、混合燃料のアルコール濃度が所定値より高いか否か、およびポート壁温(冷却水温)が所定値よりも低いか否か等によって判定することができる。これにより、吸気ポート26内に噴射された混合燃料を有効に加熱して気化促進を図ることができる。
(燃料噴射動作について)
次に、図2を参照して、本実施の形態1の内燃機関10において実施される燃料噴射動作について説明する。本実施の形態1の内燃機関10において実施される燃料噴射動作は、その噴射タイミングによって吸気同期噴射と吸気非同期噴射とに分類される。図2は、吸気同期噴射および吸気非同期噴射について説明するための図である。尚、この図において、(A)は吸気非同期噴射の様子を、(B)は吸気同期噴射の様子を、それぞれ示している。
図2(A)に示すとおり、吸気非同期噴射では、吸気弁32が閉じている時期に燃料噴射が実施される。吸気非同期噴射が実施されると、噴射された混合燃料は吸気ポート26内に一時的に留まることとなる。このため、ポート壁面やバルブ表面が高温である場合には、かかる部位との接触によって、混合燃料の気化特性を有効に促進させることができる。
一方、図2(B)に示すとおり、吸気同期噴射では、吸気弁32が開いている時期に燃料噴射が実施される。吸気同期噴射が実施されると、噴射された燃料は吸気ポート26内に留まることなくそのまま燃焼室へと流入する。つまり、吸気同期噴射では、噴射燃料がポート壁面やバルブ表面から多量の熱を受け取ることなく燃焼室へと流入する。このため、吸気同期噴射による混合燃料の気化特性の促進効果は、上述した吸気非同期噴射のそれと比較して小さいものとなる。
(本実施の形態の特徴的動作)
次に、図3を参照して本実施の形態1の特徴的動作について説明する。上述したとおり、混合燃料が気化しにくい条件で内燃機関10を始動する場合には、プレヒート処理が実施される。これにより、吸気ポート26のポート壁面を燃料噴射前に予め加熱しておくことができるので、噴射された混合燃料の気化促進を図ることができる。
ここで、プレヒート処理による気化促進効果を高めるためには、より多量の燃料を該ポート壁面に接触させることが好ましい。この点、上述した燃料噴射形態に着目すると、吸気非同期噴射では、吸気同期噴射に比してより多量の燃料をポート壁面に接触させることができるため、混合燃料の気化促進効果を有効に高めることが可能となる。
そこで、本実施の形態1の装置では、プレヒート処理後の機関始動において、吸気同期噴射の実行を禁止することとする。以下、図3を参照して具体例を説明する。図3は、内燃機関10の始動時の燃焼サイクルの推移を気筒別に示す図である。この図に示す燃焼サイクルでは、第2気筒が吸気行程から開始される。このため、かかる吸気行程において吸気同期噴射を実施することとすれば、初爆のタイミングを有効に早めることも可能となる。しかしながら、上述したとおり、吸気同期噴射では、プレヒート処理による気化促進効果を十分に得ることができないおそれがある。このため、第2気筒の吸気行程において吸気同期噴射を実行することとすると、燃焼不良によるエミッション悪化を招くおそれがある。
そこで、図3に示す燃焼サイクルでは、第2気筒の吸気同期噴射を禁止し、吸気非同期噴射が可能な第1気筒から燃料噴射を開始することとする。これにより、プレヒート処理による気化促進効果を十分に得た状態で始動を行うことができるので、始動性を有効に向上させるとともにHCエミッションの悪化を有効に抑制することができる。
[本実施の形態の具体的処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態の具体的処理について説明する。図4は、上述した始動時制御を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンでは、先ず、エンジンの始動要求の有無が判定される(ステップ100)。ここでは、具体的には、運転者が近い将来にエンジンを始動するであろうことを検知する信号(例えば、着座信号やイグニッション信号等)が出されたか否かが判定される。その結果、未だエンジンの始動要求が無いと判定された場合には、本ステップ100が繰り返し実行される。
一方、上記ステップ100において、エンジンの始動要求が有ると判定された場合には、次のステップに移行し、燃料性状センサ48の検出信号に基づいて、混合燃料のアルコール濃度が取得される(ステップ102)。次に、上記ステップ102において取得されたアルコール濃度が所定値Aよりも大きいか否かが判定される。所定値Aは、冷間始動時に許容できない気化不良が発生する濃度として、予め設定された値が読み込まれる。その結果、アルコール濃度>所定値Aの成立が認められない場合には、混合燃料中に相当量の低沸点成分が含まれており、プレヒート処理を実施しなくても気化不良は発生しないと判断されて、後述するステップ116に移行し、燃料噴射が許可される。
一方、上記ステップ104において、アルコール濃度>所定値Aの成立が認められた場合には、混合燃料中に含まれる低沸点成分が不足しているため、プレヒート処理を実施しないと気化不良が発生するおそれがあると判断されて、次のステップに移行し、水温センサ44の検出信号に基づいて、冷却水温が取得される(ステップ106)。次に、冷却水温が所定値Bよりも小さいか否かが判定される(ステップ108)。所定値Bは、内燃機関10のポート壁温がプレヒート処理を必要とする温度であるか否かを判定するためのしきい値として、予め設定された値が読み込まれる。その結果、冷却水温<所定値Bの成立が認められない場合には、プレヒート処理を実施しなくてもポート壁温が十分に高いと判断されて、後述するステップ116に移行し、燃料噴射が許可される。
一方、上記ステップ108において、冷却水温<所定値Bの成立が認められた場合には、ポート壁温が低いため、プレヒート処理を実施しないと気化不良が発生するおそれがあると判断されて、次のステップに移行し、プレヒート処理が実行される(ステップ110)。ここでは、具体的には、上記ステップ106において取得された冷却水温に基づいて、ポート壁面の要求加熱量が設定される。そして、PTCヒータ30が所定期間駆動されて、要求加熱量分の熱量がポート壁面に受熱される。
図4に示すルーチンでは、次に、始動装置46が駆動されてクランキングが開始される(ステップ112)。次に、吸気非同期噴射を実施可能か否かが判定される(ステップ114)。ここでは、具体的には、先ず、クランク角センサ40検出信号に基づいて、各気筒の次行程が、吸気、圧縮、膨張、或いは排気の何れに属するのかが判定される。そして、各気筒のそれぞれの行程において、吸気非同期噴射を実施可能か否かが判定される。その結果、吸気非同期噴射を実施できないと判定された気筒については、次行程において再度本ステップ114が実行される。一方、本ステップ114において吸気非同期噴射を実施できないと判定された気筒については、次のステップに移行し、燃料噴射が許可される(ステップ116)。
以上説明したとおり、本実施の形態1の装置によれば、プレヒート処理が実施された場合に、吸気非同期噴射が可能な気筒から燃料噴射が許可される。これにより、吸気同期噴射の実行が有効に制限されるので、プレヒート処理による混合燃料の気化促進効果を有効に高めることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、プレヒート処理として、ポート壁面に埋め込まれたPTCヒータ30への通電を行うこととしているが、プレヒート処理の方法はこれに限られない。すなわち、ポート壁面を加熱することができるのであれば、例えば、温水をシリンダヘッド内に供給する蓄熱温水供給システムを用いることとしてもよい。尚、このことは、後述する実施の形態2および3についても同様とする。
また、上述した実施の形態1においては、燃料性状センサ48を用いて混合燃料のアルコール濃度を検出することとしているが、アルコール濃度を検出する方法はこれに限定されるものではない。例えば、空燃比フィードバック制御における学習値から燃料のアルコール濃度を検出(推定)するようにしてもよい。すなわち、ガソリンとアルコールとでは理論空燃比の値が異なるので、アルコール混合燃料の理論空燃比の値は、そのアルコール濃度に応じて異なる。このため、排気通路14に設けられた空燃比センサ(図示せず)の信号をフィードバックすることによって学習される理論空燃比の値に基づいて、タンク内燃料のアルコール濃度を検出(推定)することが可能である。尚、このことは、後述する実施の形態2および3についても同様とする。
尚、上述した実施の形態1においては、PTCヒータ30が前記第1の発明における「加熱装置」に、燃料性状センサ48が前記第1の発明における「濃度取得手段」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ100および108の処理を実行することにより、前記第1の発明における「判定手段」が、上記ステップ110の処理を実行することにより、前記第1の発明における「プレヒート手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより、前記第1の発明における「制限手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、プレヒート処理後の始動において、吸気同期噴射の実行を禁止して、吸気非同期噴射の可能な気筒から燃料噴射を実行することとしている。これにより、噴射された混合燃料のポート壁面への接触量を増やすことができるので、プレヒート処理による気化促進効果を有効に高めることができる。
しかしながら、上述したとおり、混合燃料のアルコール濃度が高いほど、該混合燃料の気化特性は悪化する。このため、高濃度の混合燃料を使用する場合等においては、該混合燃料をポート壁面に接触させたとしても、気化促進が不十分となることも想定される。
図5は、吸気ポート28に噴射された混合燃料の気化率の時間変化を示す図である。この図に示すとおり、混合燃料の気化率は、時間が経過するほど上昇している。そこで、本実施の形態2では、混合燃料とポート壁面との接触時間を長期化することにより、混合燃料の更なる気化促進を図ることとする。より具体的には、上述した実施の形態1の制御に加えて、混合燃料のアルコール濃度が高いほど、吸気非同期噴射の噴射時期を早期化(進角)することとする。これにより、混合燃料の気化特性が悪いほど、該混合燃料とポート壁面との接触時間を長期化させる事ができるので、混合燃料のアルコール濃度が高い場合であっても、有効に気化促進を図ることができる。
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
上述した実施の形態1および2では、プレヒート処理後の始動において、吸気非同期噴射を実施することとしている。ここで、内燃機関10の燃焼サイクル時間は、エンジン回転数に応じて変動する。図6は、内燃機関10の始動時の各気筒の燃焼サイクルとエンジン回転数との関係を説明するための図である。尚、この図では、時間t0において始動装置46を駆動した場合を示している。図6に示すとおり、時間t1において第1気筒で初爆が実施されると、その後のエンジン回転数が上昇する。エンジン回転数が上昇すると、各行程に要する時間が短くなる。このため、初爆後の燃料噴射(例えば第2気筒)においては、燃料噴射が終了する前に吸気行程が開始されてしまい、結果的に吸気同期噴射が実施されてしまうことが想定される。
このことは、混合燃料のアルコール濃度にも関係している。すなわち、混合燃料使用時の要求噴射期間は、ガソリン使用時のそれよりも増大する。これは、燃料の低位発熱量の違いに起因するものであり、混合燃料のアルコール濃度が高いほど要求噴射期間は長期化する。このため、アルコール濃度の高低による噴射期間の長短を考慮せずに燃料噴射時期を設定すると、燃料噴射が終了する前に吸気行程が開始されてしまい、結果的に燃料噴射期間の後半が吸気同期噴射となってしまうことが想定される。
そこで、本実施の形態3では、エンジン回転数の上昇および混合燃料のアルコール濃度に応じた燃料噴射時期の早期化を実施することとする。より具体的には、エンジン回転数の上昇に基づいて対象気筒のIVOを特定し、燃料噴射の終了時期が該IVOより進角側になるように制御することとする。また、高濃度の混合燃料の使用によって燃料噴射期間が増大した場合には、燃料噴射の開始時期をその増大分早期化することとする。これにより、エンジン回転数が上昇した場合であっても、混合燃料のアルコール濃度が変化した場合であっても、吸気非同期噴射を確実に実施することができる。
尚、エンジン回転数が上昇すると、吸気非同期噴射によって噴射された混合燃料がポート壁面と接触している時間、すなわち混合燃料の受熱時間が短縮されてしまう。そこで、エンジン回転数に応じて燃料噴射期間を早期化(進角)する場合には、かかる受熱時間の確保分も考慮して、燃料噴射期間を更に進角側へ設定することが好ましい。これにより、混合燃料の更なる気化促進を図ることができる。
また、実施の形態2において上述したとおり、気化特性の悪い高濃度の混合燃料を使用する場合等においては、吸気非同期噴射によって噴射された混合燃料がポート壁面と接触している時間が不足してHCエミッションが悪化するおそれがある。図7は、混合燃料のアルコール濃度とHCエミッションの悪化度合いとの関係を説明するための図である。この図に示すとおり、HCエミッションは、混合燃料の気化特性の悪化に起因して、所定のアルコール濃度以降で急激に悪化する傾向がある。
そこで、混合燃料のアルコール濃度に応じて燃料噴射期間を早期化(進角)する場合には、図7に示すHCエミッションの悪化度合に応じて変化させることが好ましい。図8は、混合燃料のアルコール濃度と燃料噴射時期の進角量との関係を説明するための図である。この図に示すとおり、所定のアルコール濃度以下では、混合燃料の低位発熱量の変化に応じて線形的に燃料噴射時期を進角し、上記所定のアルコール濃度以降では、上述した低位発熱量の変化分に加えて、HCエミッションの悪化分、つまり混合燃料の気化特性の悪化分を更に進角することが好ましい。これにより、混合燃料の更なる気化促進を図ることができる。
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアフローメータ
18 スロットル弁
24 触媒
26 吸気ポート
28 燃料インジェクタ
30 PTCヒータ
32 吸気弁
34 点火プラグ
36 排気弁
38 クランク軸
40 クランク角センサ
42 アクセルポジションセンサ
44 水温センサ
46 始動装置
48 燃料性状センサ
50 ECU

Claims (4)

  1. ガソリンとアルコールとの混合燃料を使用可能な内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の吸気ポートに混合燃料を噴射する燃料インジェクタと、
    前記吸気ポートの壁面を加熱する加熱装置と、
    混合燃料のアルコール濃度を取得する濃度取得手段と、
    前記内燃機関の冷間始動要求の有無を判定する判定手段と、
    前記冷間始動要求があると判定され、且つ、前記アルコール濃度が所定値よりも高い場合に、始動に先立って前記加熱手段を用いたプレヒート処理を実施するプレヒート手段と、
    前記プレヒート処理の実施後の前記内燃機関の始動において、吸気弁が開弁された状態での燃料噴射を制限する制限手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制限手段は、前記燃料噴射の終了時期が前記吸気弁の開時期よりも進角側になるように、燃料噴射期間を設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制限手段は、アルコール濃度が高いほど前記燃料噴射期間を進角させることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制限手段は、前記内燃機関の回転数の上昇率に応じて、燃料噴射期間を進角させることを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の制御装置。
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