JP2011236815A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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卓 角岡
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泰之 入澤
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聡 吉嵜
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Abstract

【課題】低温始動時等の燃料が気化し難い状況において気化燃料を筒内に供給する制御装置において、始動不良時の気化燃料の供給状態が、供給不足なのか或いは供給過多なのかを簡易な構成で判定する。
【解決手段】気化燃料を蓄える気化燃料タンク38と、気化燃料タンク38とサージタンク20との接続部を開閉する常閉の気化燃料供給弁42と、を有し、運転中に気化燃料供給弁42を閉弁した状態でタンク内に燃料を噴射して気化燃料を生成し、エンジン始動時に気化燃料供給弁42を開弁し、タンク内に蓄えられていた気化燃料をサージタンク20へ供給する。エンジン始動時に回転数が正常に上昇しない場合には、更に圧縮行程の筒内燃料噴射を行う。そして噴射後の回転数挙動が所定の上昇挙動となった場合には気化燃料が供給不足であることを判定し、所定の上昇挙動とならない場合には供給過多であることを判定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えばアルコール燃料のように揮発性が低い燃料を用いる内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(特開2007−224878号公報)に開示されているように、アルコール燃料を用いる内燃機関の制御装置が知られている。アルコール燃料は、特に低温時に気化し難いため、従来技術の内燃機関には、始動時に燃料を気化させるための気化室が設けられている。この気化室は、外部から遮断された密閉構造を有し、絞り通路を介して吸気通路に接続されている。また、気化室には、その内部に燃料を噴射する始動用燃料噴射弁と、噴射燃料を加熱するためのヒータとが設けられている。
そして、内燃機関の始動時には、まず、内燃機関に対して始動信号が出力された時点でヒータを作動させ、その後に適宜時間が経過した時点で、始動用燃料噴射弁から気化室内に燃料を噴射する。燃料が噴射されるときに、気化室は、クランキングによる吸気負圧が作用することによって減圧状態となる。この結果、噴射燃料は、減圧状態の気化室内でヒータの熱を受けることにより気化し、吸気通路を介して各気筒に供給される。このように、従来技術では、始動時に燃料を気化室内で気化させることにより、冷間始動時等の始動性を確保するようにしている。
特開2007−224878号公報 特開2007−270654号公報 特開平5−86996号公報
ところで、上述した従来技術では、始動時にヒータを作動させてから気化室内に燃料を噴射し、気化燃料を生成するようにしている。しかしながら、この場合には、内燃機関に対して始動信号が出力された後に、ヒータの昇温、噴射燃料の加熱及び気化室の減圧が行われ、その結果として気化燃料が生成される。このため、従来技術では、始動時に気化燃料を生成するのに時間がかかり、気化燃料を筒内に速やかに供給することができないという問題がある。
また、上記従来技術では、気化室から供給される燃料量を正確に把握するための構成を有していない。このため、始動時に供給される気化燃料量によっては、燃料不足によって始動時の空燃比がリーン側にずれてしまうことや、逆に燃料過多によって始動時の空燃比がリッチずれてしまうことが想定される。始動不良の対策を有効に講じるためには、始動不良の原因が気化燃料の供給不足なのか或いは供給過多なのかを精度よく判定することが求められる。この点、上気従来技術では始動不良の原因を特定するための構成を有しておらず、改善が望まれていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、低温始動時等の燃料が気化し難い状況において気化燃料を筒内に供給する制御装置において、始動不良の発生時における気化燃料の供給状態が、供給不足なのか或いは供給過多なのかを簡易な構成で判定することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
燃料を貯留する燃料タンクと、
内燃機関の吸気通路の途中に接続され、前記燃料が気化した気化燃料を蓄える気化燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料を前記気化燃料タンクに供給するタンク内燃料供給手段と、
前記気化燃料タンクと前記吸気通路との接続部を開閉する常閉の気化燃料供給弁と、
前記内燃機関の運転中に前記気化燃料供給弁を閉弁した状態で前記タンク内燃料供給手段を駆動し、前記気化燃料タンク内に気化燃料を生成する気化燃料生成手段と、
前記内燃機関の始動時に前記気化燃料供給弁を開弁し、前記気化燃料タンク内に蓄えられていた気化燃料を前記吸気通路へ供給する供給制御手段と、
前記燃料タンク内の燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内燃料噴射弁と、
前記供給制御手段を実行した場合に、前記内燃機関の回転数が所定回転数以下か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記回転数が所定回転数以下であると判定された場合に、前記気化燃料供給手段の実行に加えて、前記筒内燃料噴射弁を用いた圧縮行程中の燃料噴射を実行する筒内燃料噴射手段と、
前記筒内燃料噴射手段の実行した場合の回転数挙動に基づいて、前記供給制御手段による気化燃料量の供給状態を判定する第2の判定手段と、を備え、
前記第2の判定手段は、前記回転数挙動が所定の上昇挙動を示した場合に前記気化燃料量の供給不足を判定し、前記回転数挙動が所定の上昇挙動を示さない場合に前記気化燃料量の供給過多を判定することを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2の判定手段は、前記内燃機関の回転数が所定のしきい値を超えた場合に前記気化燃料量の供給不足を判定し、前記回転数が前記所定のしきい値以下である場合に前記気化燃料量の供給過多を判定することを特徴としている。
本発明によれば、内燃機関の運転中に気化燃料を生成し、この気化燃料を機関停止後の自然減圧を利用して気化燃料タンク内に蓄えておくことができる。これにより、始動時に気化燃料を生成する必要がないので、低温始動時でも、気化燃料を筒内に速やかに供給することができる。
第1の発明によれば、内燃機関の始動時において、気化燃料を吸気通路に供給したにもかかわらず機関回転数が所定回転数以下である場合に、筒内噴射弁を用いた圧縮行程の筒内燃料噴射が実行される。そして、筒内燃料噴射後の回転数挙動が所定の上昇挙動となるか否かによって、供給された気化燃料が不足(混合気がリーン)しているのか過多(混合気がリッチ)であるのかが判定される。筒内燃料噴射後の回転数挙動は、燃焼状態が回復方向に推移したか或いは悪化方向に推移したかを判断することができる。このため、本発明によれば、簡易な構成で気化燃料の供給不足または供給過多を判定することができる。
第2の発明によれば、筒内燃料噴射後の回転数が所定のしきい値よりも上昇した否かを判定することによって、回転数挙動が所定の上昇挙動となるか否かを判定することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。 気化燃料供給制御の実行時に始動不良が発生した場合のエンジン回転数の変化を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図5を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、FFV(Flexible Fuel Vehicle)に搭載される内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1には、4気筒エンジンを例示したが、本発明は、4気筒の内燃機関に限定されるものではない。エンジン10は、各気筒の燃焼室に吸入空気を吸込む吸気通路12と、燃焼室から排気ガスが排出される排気通路14とを備えている。
吸気通路12には、上流側から順にエアクリーナ16、スロットルバルブ18及びサージタンク20が設けられている。スロットルバルブ18は、電子制御式のバタフライ弁により構成され、後述のECU70により開閉駆動される。そして、スロットルバルブ18は、全閉位置と全開位置との間で開閉され、その開度に応じて吸気通路12を流れる吸入空気量を調整する。サージタンク20は、吸気通路12の途中に一定の広がりをもつ空間を形成し、吸気脈動の減衰効果等を発揮するものである。サージタンク20の下流側は、複数の吸気管からなる吸気マニホールド22を介して各気筒の吸気ポート24に接続されている。なお、サージタンク20、吸気マニホールド22及び吸気ポート24は、吸気通路12の一部を構成している。
また、エンジン10の各気筒には、吸気ポート24に燃料を噴射する吸気ポート噴射弁26と、燃焼室内(筒内)に燃料を直接噴射する筒内噴射弁28とが設けられている。これらの噴射弁26,28は、一般的な電磁駆動式の燃料噴射弁により構成されている。さらに、各気筒には、筒内に流入した混合気に点火する点火プラグ30(図2参照)と、それぞれ吸気ポート24及び排気ポートを開閉するための吸気弁及び排気弁(図示せず)とが設けられている。上述した噴射弁26,28には、車両の燃料タンク32内に液化状態で貯留されたアルコール燃料が供給される。
また、エンジン10は、始動時にクランク軸を回転駆動するスタータモータ36を備えている。車両の運転者がスタータスイッチをONにした場合には、ECU70に対してエンジンの始動要求が発生する。これにより、ECU70は、スタータモータ36を起動してクランク軸を回転させる動作(クランキング)を実行する。そして、エンジンが始動した時点、即ち、自立運転に移行した時点でクランキングを停止する。
次に、エンジン10に搭載された燃料気化系統について説明する。本実施の形態では、エンジンの運転中に生成した気化燃料をタンクに蓄えておき、この気化燃料を次回の始動時に使用することを特徴としている。そして、燃料気化系統は、以下に述べる気化燃料タンク38、タンク内噴射弁40、気化燃料供給弁42、大気導入弁44、リリーフ弁46等を備えている。
気化燃料タンク38は、密閉構造を有する耐圧容器として形成され、燃料タンク32内のアルコール燃料が気化した気化燃料を蓄えるように構成されている。また、気化燃料タンク38は、例えばエンジンルーム内において、エンジン10から熱が伝導し易い位置に設置されている。タンク内噴射弁40は、燃料タンク32に貯留された燃料を気化燃料タンク38内に噴射(供給)するもので、本実施の形態のタンク内燃料供給手段を構成している。タンク内噴射弁40は、例えば噴射弁26,28と同様の一般的な燃料噴射弁により構成され、その燃料噴射量は制御信号に応じて制御される。タンク内噴射弁40から噴射された燃料は、気化燃料タンク38内で受熱し気化することにより気化燃料となる。
気化燃料タンク38は、スロットルバルブ18の下流側でサージタンク20と接続されている。この接続部には、常閉(ノーマル・クローズ)の電磁弁等により構成された気化燃料供給弁42が設けられている。気化燃料供給弁42の閉弁時には、気化燃料タンク38とサージタンク20との間が遮断され、気化燃料タンク38内に気化燃料を蓄えることが可能となる。また、気化燃料供給弁42の開弁時には、前記タンク20,38が相互に連通され、気化燃料タンク38に蓄えられた気化燃料がサージタンク20に供給される。
また、気化燃料タンク38には、タンク内部と外部空間とを連通可能な位置に大気導入弁44が設けられている。大気導入弁44は常閉の電磁弁等により構成され、開弁時には気化燃料タンク38を大気解放するようになっている。気化燃料の供給時には、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とが多少の時間差をもって一緒に開弁され、気化燃料を供給した分だけ大気導入弁44から気化燃料タンク38内に大気が導入される。なお、これらの弁42,44は、気化燃料の供給時を除いて閉弁状態に保持される。また、大気導入弁44は、エアクリーナ16とスロットルバルブ18との間で吸気通路12に接続されている。このため、大気導入弁44の開弁時には、エアクリーナ16より清浄化され、かつ吸気負圧の影響を受けない空気が気化燃料タンク38に導入される。
さらに、気化燃料タンク38には、例えばチェック弁、リード弁等により構成された常閉のリリーフ弁46が設けられている。リリーフ弁46は、気化燃料タンク38内の圧力が所定の作動圧を超えたときに、この圧力を外部(例えば、吸気通路12)に解放するもので、リリーフ弁46の作動圧は、例えば大気圧程度の圧力か、または大気圧よりも数十kPa程度高い圧力に設定されている。この設定は、例えば気化燃料タンク38が常温程度かそれよりも少し高い温度に保持され、燃料の飽和蒸気圧がこの温度領域に対応した圧力となることを前提としている。これにより、リリーフ弁46は、気化燃料タンク38内に噴射された燃料が気化するときに、タンク内の空気を外部に逃がすように構成されている。また、リリーフ弁46は、気化燃料タンク38が密閉された状態において、タンク内の圧力が過大となるのを防止する安全弁としての機能も備えている。
次に、図2を参照しつつ、エンジン10の制御系統について説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。この図に示すように、本実施の形態のシステムは、後述する複数のセンサを含むセンサ系統と、エンジン10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)70とを備えている。
まず、センサ系統について説明すると、クランク角センサ48は、エンジン10のクランク軸の回転に同期した信号を出力するもので、ECU70は、この出力に基づいてエンジン回転数及びクランク角を検出する。また、エアフローセンサ50は吸入空気量を検出し、水温センサ52はエンジンの冷却水温を検出する。また、タンク圧センサ54は気化燃料タンク38内の圧力を検出し、タンク温度センサ56は気化燃料タンク38内の温度を検出する。また、燃料性状センサ58は、燃料の性状として、燃料中のアルコール濃度を検出する。
センサ系統には、上記センサの他にも、車両やエンジンの制御に必要な各種のセンサ(例えば排気空燃比を検出する空燃比センサ、スロットルバルブ18の開度を検出するスロットルセンサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ等)が含まれており、これらのセンサはECU70の入力側に接続されている。なお、本発明は、必ずしもタンク温度センサ56を必要とするものではなく、例えば、エンジンの温度や運転履歴、気化燃料タンク38への熱伝導特性等に基づいてタンク内温度を推定する構成としてもよい。
一方、ECU70の出力側には、スロットルバルブ18、噴射弁26,28,40、点火プラグ30、スタータモータ36、気化燃料供給弁42、大気導入弁44等を含む各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU70は、センサ系統によりエンジンの運転情報を検出し、その検出結果に基づいて各アクチュエータを駆動することにより、運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ48の出力に基づいてエンジン回転数とクランク角とを検出し、エアフローセンサ50により吸入空気量を検出する。また、以下に述べる通常の燃料噴射制御を実行しつつ、クランク角に基づいて点火時期を決定し、点火プラグ30を駆動する。
通常の燃料噴射制御は、後述の気化燃料供給制御が実行される場合を除いて、エンジン10の運転中に実行されるもので、始動時の燃料噴射制御も含んでいる。この燃料噴射制御では、吸入空気量、エンジン回転数、エンジン冷却水の温度等に基づいて燃料噴射量を算出し、クランク角に基づいて燃料噴射時期を決定した後に、噴射弁26,28の何れか一方または両方を駆動する。この場合、吸気ポート噴射弁26と筒内噴射弁28の噴射量の比率は、エンジンの運転状態や燃料の性状に応じて可変に設定される。さらに、ECU70は、燃料気化系統の制御として、以下に述べる気化燃料生成制御と、気化燃料供給制御とを実行する。
[実施の形態1の動作]
(気化燃料生成制御)
気化燃料生成制御は、エンジン10の運転中(好ましくは、暖機終了後の運転中)に、気化燃料タンク38内で燃料を気化させ、気化燃料を生成するものである。具体的に述べると、気化燃料生成制御では、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁した状態で、タンク内噴射弁40から燃料を噴射する。このとき、燃料の噴射量は、気化燃料タンク38内の温度や燃料中のアルコール濃度等に基づいて、噴射燃料の全てが気化するように決定される。噴射された燃料は、タンク内の空気をリリーフ弁46から追い出しつつ、速やかに気化して気化燃料となる。このとき、リリーフ弁46は、タンク内の空気圧により燃料の気化が抑制されるのを回避し、気化燃料の生成を促進することができる。この結果、燃料の気化が完了すると、タンク内の空気は殆ど排出され、気化燃料タンク38内には、気化燃料が飽和蒸気圧に近い圧力状態で充満した状態となる。
上述した気化燃料生成制御により、気化燃料タンク38内には、エンジンの運転中に気化燃料を蓄えることができる。そして、気化燃料タンク38は、タンク内で生じる自然減圧を利用して、エンジン停止後の冷間時にも、気化燃料の少なくとも一部を気相状態に保持することができる。尚、気化燃料生成制御は、気化燃料タンク38内の温度が気化燃料を生成しうる所定の判定温度より高い場合にのみ実行することが好ましい。
(気化燃料供給制御)
気化燃料供給制御は、エンジンの始動時に気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを開弁し、気化燃料タンク38内に蓄えられていた気化燃料をサージタンク20に供給するものである。具体的に述べると、まず、ECU70は、スタータスイッチがONされたときに、始動要求が発生したことを検出する。そして、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁し、かつスロットルバルブ18を全閉位置に保持した状態で、スタータモータ36に通電し、クランキングを開始する。これにより、サージタンク20内には、クランキングによって吸気負圧が生じる。
そして、ECU70は、サージタンク20内の吸気負圧が十分に増大したときに、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを開弁する。これにより、気化燃料タンク38内の気化燃料は、吸気負圧によってサージタンク20内に供給される。このとき、気化燃料タンク38内には、気化燃料が流出した分だけ大気導入弁44から空気が流入するので、気化燃料の供給はスムーズに行われる。
また、大気導入弁44を開弁するにあたり、気化燃料タンク38内の圧力が大気圧以上である場合には、最初に気化燃料供給弁42を開弁してから大気導入弁44を開弁する。一方、タンク内の圧力が大気圧よりも低い場合には、最初に大気導入弁44を開弁してから気化燃料供給弁42を開弁する。これにより、タンク内の気化燃料が大気中に流出したりサージタンク20から気化燃料タンク38内へ空気が逆流することを有効に防止することができる。
気化燃料タンク38からサージタンク20に供給された気化燃料は、吸気ポート24を介して筒内に流入し、筒内で点火されて燃焼する。これにより、各気筒での燃焼が連続するようになると、エンジン回転数が上昇し、エンジンが自立運転に移行する。ECU70は、自立運転が開始されたことをエンジン回転数の上昇により確認した時点で、クランキングを停止する。また、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁し、気化燃料供給制御を終了する。そして、吸気ポート噴射弁26や筒内噴射弁28から燃料を噴射する通常の燃料噴射制御を開始する。
このように、エンジンの運転中に蓄えておいた気化燃料を使用すれば、始動時に気化燃料を生成する場合と比較して、気化燃料を筒内に速やかに供給することができ、燃料が気化し難い低温始動時でも、始動性を向上させることができる。なお、気化燃料供給制御は、始動時の機関温度(例えば、エンジン水温等)が気化燃料を必要とする所定の判定温度以下の場合にのみ実行するのが好ましい。
(本実施の形態の特徴)
ところで、上述した気化燃料の供給制御では、エンジンの運転中に十分な量の気化燃料を蓄えておくことにより効果を発揮することができる。しかしながら、例えば、エンジンが始動されてから短時間で停止される運転(いわゆるショートトリップ運転)が繰り返し行われた場合等においては、気化燃料タンク38内に蓄えられている気化燃料の量が不足し易い。この状態でエンジン始動時の気化燃料供給制御を行うこととすると、吸気系に十分な量の気化燃料が供給されず、燃料不足(空燃比がリーン)による始動不良が発生するおそれがある。
一方、気化燃料タンク38内に多量の気化燃料が蓄えられている状態でエンジン始動時の気化燃料供給制御が実行された場合には、吸気系に必要量以上の気化燃料が供給されてしまい、燃料過多(空燃比がリッチ)による始動不良が発生するおそれがある。このため、エンジン始動時にエンジン回転数が上昇しないことを理由に、始動不良の原因を一概に気化燃料の供給量不足と判断することはできない。
そこで、本実施の形態のシステムでは、気化燃料供給制御の実行時に始動不良が発生した場合に、気化燃料の供給状態が供給不足であるのか或いは供給過多であるのかを判定することとする。以下、図3を参照して更に詳しく説明する。
図3は、気化燃料供給制御の実行時に始動不良が発生した場合のエンジン回転数の変化を示すタイミングチャートである。この図に示すとおり、先ず時点t1において気化燃料の供給が開始されると、クランキングが開始されてエンジン回転数が上昇する。この後各気筒での燃焼が連続するようになると、図中の時点t2以降の点線(a)で示すように、エンジン回転数が上昇する。しかしながら、気化燃料の供給不足或いは供給過多によって不完全な燃焼が起きると、図中の時点t2以降の実線(b)で示すように、エンジン回転数が点線(a)のように上昇しない。そこで、本実施の形態のシステムでは、エンジン回転数の大きさが所定回転数以下である場合に、エンジンに始動不良が発生していると判定することとする。尚、所定回転数は、不完全燃焼と正常な燃焼とのしきい値となる回転数として予め設定された値が使用される。
エンジンの始動不良が判定された場合には、次に、図中時点t3に示すように、筒内噴射弁28を用いて圧縮行程の筒内燃料噴射を行う。この筒内燃料噴射は、気化燃料の供給状態を確認するために行うものなので、火種になる程度の微量の噴射が好ましい。その結果、時点t3以降の回転数挙動が一点鎖線(c)に示すような所定の上昇挙動となった場合には、筒内噴射燃料の供給によって燃焼状態が改善される方向に変化したと判断することができる。したがって、かかる場合には気化燃料の供給が不足していると判定することができる。一方、二点鎖線(d)で示すように、時点t3以降の回転数が所定の上昇挙動とならない場合には、筒内噴射燃料の供給によって燃焼状態が改善されていない或いは悪化したと判断することができる。したがって、かかる場合には気化燃料の供給が過多になっていると判断することができる。
尚、上述した所定の上昇挙動は、エンジンの始動時に正常な燃焼が行われた場合の上昇挙動であって、例えば、エンジン回転数の大きさや上昇割合等に所定のしきい値を設けて、これらの値が所定のしきい値を超えた場合に、所定の上昇挙動となったことを判定することができる。
[実施の形態1の具体的な処理]
次に、図4および図5を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。先ず、図4は、本発明の実施の形態1において、ECU70により実行される気化燃料生成制御を示すフローチャートである。図4に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図4に示すルーチンでは、先ず、タンク温度センサ56により気化燃料タンク38内の温度Tが検出される(ステップ100)。次に、このタンク内温度Tが判定温度T1よりも大きいか否かが判定される(ステップ102)。ここで、判定温度T1とは、気化燃料を生成し得る温度の下限値に対応して設定されるもので、タンク内での燃料噴射を許可するための判定温度である。その結果、T>T1の成立が認められた場合には、燃料が気化し易い温度状態であると判断されて、気化燃料タンク38内に噴射する燃料の噴射量が算出されて、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁した状態でタンク内噴射弁40が駆動される(ステップ104)。これにより、気化燃料タンク38内には気化燃料が蓄えられる。
次に、図5は、本発明の実施の形態1において、ECU70により実行される気化燃料供給制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、イグニッションスイッチ(IGSW)がONになった場合に実行されるものとする。図5に示すルーチンでは、先ず、始動時の温度環境および燃料性状に基づいて、始動時に必要な気化燃料の供給量が算出される(ステップ200)。ここで、温度環境とは、例えばエンジンの機関温度などである。ECU70には、機関温度(例えばエンジン水温)および燃料性状(例えばアルコール濃度)に基づいて、始動時の気化燃料供給量を算出するためのマップデータが予め記憶されている。ここでは、水温センサ52の出力および燃料性状センサ58の出力に基づいて、かかるマップデータを参照して、温度環境および燃料性状に応じた適切な気化燃料供給量が算出される。
次に、スタータモータ36が起動されてクランキングが開始される(ステップ202)。次に、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とが開弁されて気化燃料の供給が行われる(ステップ204)。
次に、エンジン回転数が所定回転数以下か否かが判定される(ステップ206)。所定回転数は、エンジンの正常な始動を判定するためのしきい値として、予め設定された値が使用される。その結果、エンジン回転数が所定回転数よりも大きいと判定された場合には、エンジンが正常に始動したと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ206において、エンジン回転数が所定回転数以下であると判定された場合には、エンジンに始動不良が発生していると判断されて、次のステップに移行し、筒内噴射弁28を用いた圧縮行程の筒内燃料噴射が行われる(ステップ208)。次に、気化燃料供給状態が判定される(ステップ210)。ここでは、具体的には、筒内燃料噴射の実行後のエンジン回転数挙動が取得される。そして、かかる回転数挙動が所定の上昇挙動となった場合には、エンジンの燃焼状態が改善されたと判断されて、気化燃料の供給不足状態であることが判定される。また、反対に、かかる回転数挙動が所定の上昇挙動とならない場合には、エンジンの燃焼状態が改善されたい或いは更に悪化していると判断されて、気化燃料の供給過多状態であることが判定される。
以上説明したとおり、本実施の形態1のシステムによれば、気化燃料の供給時に始動不良が発生した場合に、簡易な構成で気化燃料の供給不足か供給過多かを判定することができる。
ところで、上述した実施の形態1のシステムでは、アルコール燃料を使用するエンジン10を例に挙げて説明している。しかしながら、本発明はこれに限らず、通常のガソリンや、ガソリンにアルコール以外の成分を添加した各種の燃料に対して適用することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、タンク内噴射弁40が前記第1の発明における「タンク内燃料供給手段」に相当しているとともに、ECU70が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「気化燃料生成手段」が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第1の発明における「タンク内燃料供給手段」が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第1の発明における「判定手段」が、上記ステップ208の処理を実行することにより、前記第1の発明における「筒内噴射手段」が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第1の発明における「第2の判定手段」が、それぞれ実現されている。
10 エンジン(内燃機関)
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアクリーナ
18 スロットルバルブ
20 サージタンク
22 吸気マニホールド
24 吸気ポート
26 吸気ポート噴射弁
28 筒内噴射弁
32 燃料タンク
36 スタータモータ
38 気化燃料タンク
40 タンク内噴射弁
42 気化燃料供給弁
44 大気導入弁
46 リリーフ弁
48 クランク角センサ
50 エアフローセンサ
52 水温センサ
54 タンク圧センサ
56 タンク温度センサ
58 燃料性状センサ
70 ECU

Claims (2)

  1. 燃料を貯留する燃料タンクと、
    内燃機関の吸気通路の途中に接続され、前記燃料が気化した気化燃料を蓄える気化燃料タンクと、
    前記燃料タンク内の燃料を前記気化燃料タンクに供給するタンク内燃料供給手段と、
    前記気化燃料タンクと前記吸気通路との接続部を開閉する常閉の気化燃料供給弁と、
    前記内燃機関の運転中に前記気化燃料供給弁を閉弁した状態で前記タンク内燃料供給手段を駆動し、前記気化燃料タンク内に気化燃料を生成する気化燃料生成手段と、
    前記内燃機関の始動時に前記気化燃料供給弁を開弁し、前記気化燃料タンク内に蓄えられていた気化燃料を前記吸気通路へ供給する供給制御手段と、
    前記燃料タンク内の燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内燃料噴射弁と、
    前記供給制御手段を実行した場合に、前記内燃機関の回転数が所定回転数以下か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記回転数が所定回転数以下であると判定された場合に、前記気化燃料供給手段の実行に加えて、前記筒内燃料噴射弁を用いた圧縮行程中の燃料噴射を実行する筒内燃料噴射手段と、
    前記筒内燃料噴射手段の実行した場合の回転数挙動に基づいて、前記供給制御手段による気化燃料量の供給状態を判定する第2の判定手段と、を備え、
    前記第2の判定手段は、前記回転数挙動が所定の上昇挙動を示した場合に前記気化燃料量の供給不足を判定し、前記回転数挙動が所定の上昇挙動を示さない場合に前記気化燃料量の供給過多を判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記第2の判定手段は、前記内燃機関の回転数が所定のしきい値を超えた場合に前記気化燃料量の供給不足を判定し、前記回転数が前記所定のしきい値以下である場合に前記気化燃料量の供給過多を判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019143568A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 内燃機関および内燃機関の制御方法
CN110651263A (zh) * 2017-11-21 2020-01-03 谷歌有限责任公司 用于使用具有多个相同的管芯的单片封装处理神经网络任务的设备和机制

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