JP2011220186A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンにおける各種の特性や制約を所定の目標範囲内とする最適な適合点を求めて燃焼室内での燃焼の最適化を図るようにした内燃機関の燃焼制御装置を提供する。
【解決手段】要求図示トルク、要求回転数、要求着火時期を満たす要求図示トルク熱発生率特性値を燃焼率波形の最大値として規定する。上記各要求を満たす要求図示トルク熱発生率特性値の一つに対し、燃焼音等に基づく制約値熱発生率特性値が制約の範囲内にあるか否かを判定し、この制約値熱発生率特性値が制約の範囲内となるまで、上記各要求を満たす他の要求図示トルク熱発生率特性値に変更していく。また、各要求を満たす要求図示トルク熱発生率特性値が複数存在する場合には、最も圧縮上死点に近い図示トルク熱発生率特性値を採用し、その図示トルク熱発生率特性値が得られるようにインジェクタ等のアクチュエータを駆動する。
【選択図】図9

Description

本発明は、ディーゼルエンジンに代表される内燃機関の燃焼制御装置に係る。特に、本発明は、内燃機関に課される制約(例えば燃焼音や排気エミッション等の制約)を満足しながらも目標出力の達成を可能にするための対策に関する。
従来から周知のように、自動車用エンジン等として使用されるディーゼルエンジン(以下、単にエンジンと呼ぶ場合もある)では、動力性能、燃焼音、排気エミッション、燃焼安定性、燃料消費率等といった各種の特性や制約が所定の目標範囲内となるように複雑な制御が行われている(例えば下記の特許文献1や特許文献2を参照)。
具体的には、各種の特性や制約が所定の目標範囲内となる適合点を求めるようにしている。例えば、エンジン運転状態において、所定のエンジン出力が得られた状態で、燃焼音の大きさ、排気中に含まれるNOxやSoot等の量、燃焼の不安定性等をセンシングし、これら制約が所定の範囲内(許容範囲内)となるように、燃料噴射量等の各種制御パラメータを調整しながら適合値を求めて制御用マップを作成する。そして、これをエンジン制御用の電子制御ユニット(エンジンECU)に記憶させている。エンジンの運転時には、この制御用マップ上の適合値を参照しながらエンジンECUがエンジンの制御を行う。このように、従来では、燃焼音や排気エミッション等といった各種制約を満足するための制御量をエンジンの種類毎に試行錯誤で適合(エンジンの種類毎にそれに適した燃料噴射パターン等を構築すること)を実施していた。
特開2005−232990号公報 特開2004−3415号公報
このように、従来では、試行錯誤によって適合点を求めていたため、種々のエンジンに共通した体系的な燃焼制御手法が構築されていなかった。つまり、上記特性や制約を目標範囲内とする適合点(各種制御パラメータの組み合わせ)が複数存在することから、最適な適合点を見出すことができないものであった。
具体的に説明すると、例えばエンジンのNOx排出量は燃焼室内の火炎温度によって大きく左右される。また、この火炎温度は、着火時点での混合気の状態(燃焼室内の圧力及び温度、混合気の組成)に依存する。この混合気の状態をコントロールするアクチュエータとしては、スロットルバルブ、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブ、VVT(Variable Valve Timing)機構等がある。また、燃料噴射形態をコントロールするアクチュエータとしては、インジェクタ、燃料ポンプがある。そして、上記特性や制約を目標範囲内とする各アクチュエータの操作量の組み合わせとしては、例えば同一NOx排出量であったとしても複数が存在し、最適な適合点を見出すことが困難であった。
このように試行錯誤で各アクチュエータの操作量を決定していたため、エンジンの運転状態が変化した場合に、上記適合の連続性を維持することができなくなり、各アクチュエータの操作量変化が安定しなくなったり、過渡的に上記制約を満たすことができない運転領域が存在したりする可能性があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンにおける各種の特性や制約を所定の目標範囲内とする最適な適合点を求めて燃焼室内での燃焼の最適化を図るようにした内燃機関の燃焼制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、内燃機関に要求される特性(例えば要求図示トルク)を満たすことが可能な熱発生率波形に相関のある熱発生率特性値を規定し、ある熱発生率特性値でのエンジン運転状態において、エンジンに課される制約(燃焼音や排気エミッションの制約)が許容範囲内にあるか否かを判定する。そして、その制約が許容範囲内に無い場合には、上記内燃機関に要求される特性を満たす他の熱発生率特性値を求め、その熱発生率特性値でのエンジン運転状態において上記制約が許容範囲内にあるか否かを判定する。このようにして上記制約が許容範囲内となるまで熱発生率特性値を変更していくようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関の燃焼室内における燃焼状態を制御する燃焼制御装置を前提とする。この内燃機関の燃焼制御装置に対し、熱発生率特性値規定手段、着火時期熱発生率特性値規定手段、要求制約値熱発生率特性値規定手段、熱発生率特性値調整手段を備えさせる。熱発生率特性値規定手段は、上記燃焼室内における燃焼に伴う熱発生率の波形を特定するための熱発生率特性値を規定する。着火時期熱発生率特性値規定手段は、上記燃焼室内における燃焼の開始時点を熱発生率の波形上において特定するための着火時期熱発生率特性値を規定する。要求制約値熱発生率特性値規定手段は、要求される所定の制約を熱発生率の波形上において特定するための要求制約値熱発生率特性値を規定する。熱発生率特性値調整手段は、上記着火時期熱発生率特性値規定手段によって熱発生率波形上の着火時期熱発生率特性値を規定した状態で、上記熱発生率特性値規定手段により規定される熱発生率特性値が、上記要求制約値熱発生率特性値規定手段により規定される要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となるように上記熱発生率特性値を調整する。
この特定事項により、上記熱発生率特性値調整手段により調整された熱発生率特性値は、要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となるものとして得られることになる。つまり、熱発生率特性値規定手段により規定される熱発生率特性値を予め要求トルクや要求回転数が得られるものとして規定しておけば、この要求を満たしながらも内燃機関に課される制約(燃焼音や排気エミッション等の制約)を満たしたものとして熱発生率特性値が自動的に得られることになる。従来技術では、試行錯誤によって燃料噴射パターン等の適合点を決定していたため、種々のエンジンに共通した体系的な燃焼制御手法が構築されておらず、最適な適合点を見出すことができなかった。これに対し、本解決手段によれば、内燃機関における特性や制約を所定の目標範囲内とする最適な適合点を自動的に求めることが可能となり、燃焼室内での燃焼の最適化を図ることが可能になる。
上記熱発生率特性値規定手段の構成として具体的には以下のものが挙げられる。先ず、上記熱発生率特性値規定手段を、内燃機関要求トルク及び内燃機関要求回転数に基づき、熱発生率の波形を特定するための熱発生率特性値を規定する構成としたものである。
これにより、上述した如く、熱発生率特性値調整手段により調整された熱発生率特性値は、内燃機関要求トルク及び内燃機関要求回転数を満たしたものとして得られることになる。
また、上記熱発生率特性値規定手段を、熱発生率波形の最大値を熱発生率特性値として規定する構成としたり、熱発生率波形の燃焼重心位置を熱発生率特性値として規定する構成とすることも挙げられる。
これら熱発生率特性値の規定によれば、比較的簡単な演算等の手法により熱発生率波形を正確に特定することが可能になる。つまり、燃料噴射弁から噴射された燃料の燃焼によって発生する一般的な熱発生率波形は、燃焼開始時点から燃焼終了時点までの期間を底辺とし、最大値での熱発生率を高さとする二等辺三角形に近似した波形と見なすことができる。このため、要求トルクと着火時期が規定されれば、上記熱発生率波形の最大値によって熱発生率波形の形状は略一義的に決定されることになる。このため、上記熱発生率波形の最大値を熱発生率特性値として規定することで、熱発生率波形の形状が略推定されることになる。また、熱発生率波形の燃焼重心位置は、燃料噴射弁から噴射された燃料が燃焼室内で燃焼する際に、その全ての燃料の燃焼が完了する完全燃焼状態を燃焼度合い「100%」とした場合において、燃焼度合いが「50%」に達したときであるため、この燃焼重心位置を熱発生率特性値として規定することによっても、熱発生率波形の形状が推定可能である。
上記着火時期熱発生率特性値規定手段の構成として具体的には以下のものが挙げられる。先ず、着火時期熱発生率特性値規定手段を、燃料噴射弁からの燃料噴射後、燃焼室内での熱発生率が所定値に達した時点を着火時期熱発生率特性値として規定する構成とするものである。また、着火時期熱発生率特性値規定手段を、ピストンの圧縮上死点に対応するクランク角度位置を着火時期熱発生率特性値として規定する構成とするものである。このようにして燃焼室内での着火時期を規定することで、熱発生率波形が容易に特定されることになり、適切な熱発生率特性値を得ることが可能になる。
また、上記要求制約値熱発生率特性値規定手段の構成として具体的には、熱発生率波形の最大値を要求制約値熱発生率特性値として規定する構成が挙げられる。これは、内燃機関に課される制約を、例えば燃焼音とした場合が挙げられる。つまり、内燃機関の燃焼行程で発生する燃焼音は、燃焼室内の圧力変化との相関が強いため、この熱発生率波形の最大値を要求制約値熱発生率特性値として規定することで、燃焼音を制約の範囲内とするための熱発生率特性値が適切に得られることになる。
上記熱発生率特性値調整手段による熱発生率特性値の調整動作としてより具体的には以下のものが挙げられる。つまり、上記熱発生率特性値規定手段が、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射圧を変化させていくことにより、要求トルクが得られる複数の熱発生率特性値を取得する構成とする。そして、熱発生率特性値調整手段が、上記取得された熱発生率特性値のうちの一つを初期値とし、この熱発生率特性値を変更していくことにより、上記要求制約値熱発生率特性値規定手段により規定される要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となる熱発生率特性値を求める構成とするものである。
上記要求制約値熱発生率特性値規定手段の具体構成としては、燃料噴射弁からの燃料噴射量を変化させていくことにより、それぞれの熱発生率波形における最大値を要求制約値熱発生率特性値として取得し、これら要求制約値熱発生率特性値に基づいて内燃機関制約に関する制約の範囲を規定する構成としている。
内燃機関の燃料消費率の最適化を考慮した構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記要求制約値熱発生率特性値規定手段により規定される要求制約値熱発生率特性値に基づいて設定される制約の範囲内となる熱発生率特性値が複数存在する場合、上記熱発生率特性値調整手段が、そのうち最もピストンの圧縮上死点に近い熱発生率特性値を実行熱発生率特性値として取得する構成としている。
これにより、上述した要求トルク及び要求回転数が得られ且つ内燃機関に課される制約が満たされるばかりでなく、燃料消費率の最適化を図ることも可能になる。
また、上記熱発生率特性値調整手段により要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となるように調整された熱発生率特性値が得られる熱発生率波形で燃焼室内での燃焼が行われるように、燃料噴射系のアクチュエータが駆動される。
本発明では、熱発生率の波形を特定するための熱発生率特性値が、内燃機関制約に関する制約値を熱発生率の波形上において特定するための要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となるように上記熱発生率特性値を調整している。これにより、内燃機関における特性や制約を所定の目標範囲内とする最適な適合点を自動的に求めることが可能となり、燃焼室内での燃焼の最適化を図ることが可能になる。
実施形態に係るエンジン及びその制御系統の概略構成図である。 ディーゼルエンジンの燃焼室及びその周辺部を示す断面図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 図示トルク熱発生率特性値を説明するための熱発生率波形の一例を示す図である。 着火時期熱発生率特性値を説明するための熱発生率波形の一例を示す図である。 制約値熱発生率特性値を説明するための熱発生率波形の一例を示す図である。 等図示トルク熱発生率特性線を説明するための熱発生率波形の一例を示す図である。 等制約値熱発生率特性線を説明するための熱発生率波形の一例を示す図である。 第1実施形態に係る燃焼形態制御の手順を示すフローチャート図である。 第1実施形態における図示トルク熱発生率特性値及び制約値熱発生率特性値に係る適合点を説明するための熱発生率波形の一例を示す図である。 第2実施形態に係る燃焼形態制御の手順の前半を示すフローチャート図である。 第2実施形態に係る燃焼形態制御の手順の後半を示すフローチャート図である。 第2実施形態における各制約値熱発生率特性値及び各要求等制約値熱発生率特性値の関係を示す図である。 燃焼音及び失火限界それぞれを制約値とした場合における図示トルク熱発生率特性値及び複数の制約値熱発生率特性値に係る適合点を説明するための熱発生率波形の一例を示す図である。 第3実施形態に係る制御系の概略構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る燃焼形態制御の手順の一部を示すフローチャート図である。 第4実施形態における各制約値熱発生率特性値及び各要求等制約値熱発生率特性値の関係を示す図である。 第4実施形態において着火時期を遅角側に移行させた場合の各制約値熱発生率特性値及び各要求等制約値熱発生率特性値の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1及びその制御系統の概略構成図である。また、図2は、ディーゼルエンジンの燃焼室3及びその周辺部を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部とするディーゼルエンジンシステムとして構成されている。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、後述するECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から所望の燃料が適宜のタイミングで排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に噴射供給される構成となっている。
吸気系6は、シリンダヘッド15(図2参照)に形成された吸気ポート15aに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ(吸気絞り弁)62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッド15に形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、NOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75及びDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。以下、これらNSR触媒75及びDPNR触媒76について説明する。
NSR触媒75は、吸蔵還元型NOx触媒であって、例えばアルミナ(Al23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金(Pt)のような貴金属とが担持された構成となっている。
このNSR触媒75は、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。即ち、NSR触媒75に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整することにより、排気中のHC、CO、NOxを浄化することができるようになっている。本実施形態のものでは、この排気中の酸素濃度やHC成分の調整を上記燃料添加弁26からの燃料添加動作によって行うことが可能となっている。
一方、DPNR触媒76は、例えば多孔質セラミック構造体にNOx吸蔵還元型触媒を担持させたものであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると、吸蔵したNOxは還元・放出される。さらに、DPNR触媒76には、捕集したPMを酸化・燃焼する触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とする酸化触媒)が担持されている。
ここで、ディーゼルエンジンの燃焼室3及びその周辺部の構成について、図2を用いて説明する。この図2に示すように、エンジン本体の一部を構成するシリンダブロック11には、各気筒(4気筒)毎に円筒状のシリンダボア12が形成されており、各シリンダボア12の内部にはピストン13が上下方向に摺動可能に収容されている。
ピストン13の頂面13aの上側には上記燃焼室3が形成されている。つまり、この燃焼室3は、シリンダブロック11の上部にガスケット14を介して取り付けられたシリンダヘッド15の下面と、シリンダボア12の内壁面と、ピストン13の頂面13aとにより区画形成されている。そして、ピストン13の頂面13aの略中央部には、キャビティ(凹陥部)13bが凹設されており、このキャビティ13bも燃焼室3の一部を構成している。
尚、このキャビティ13bの形状としては、その中央部分(シリンダ中心線P上)では凹陥寸法が小さく、外周側に向かうに従って凹陥寸法が大きくなっている。つまり、図2に示すようにピストン13が圧縮上死点付近にある際、このキャビティ13bによって形成される燃焼室3としては、中央部分では比較的容積の小さい狭小空間とされ、外周側に向かって次第に空間が拡大される(拡大空間とされる)構成となっている。
上記ピストン13は、コネクティングロッド18の小端部18aがピストンピン13cにより連結されており、このコネクティングロッド18の大端部はエンジン出力軸であるクランクシャフトに連結されている。これにより、シリンダボア12内でのピストン13の往復移動がコネクティングロッド18を介してクランクシャフトに伝達され、このクランクシャフトが回転することでエンジン出力が得られるようになっている。また、燃焼室3に向けてグロープラグ19が配設されている。このグロープラグ19は、エンジン1の始動直前に電流が流されることにより赤熱し、これに燃料噴霧の一部が吹きつけられることで着火・燃焼が促進される始動補助装置として機能する。
上記シリンダヘッド15には、燃焼室3へ空気を導入する吸気ポート15aと、燃焼室3から排気ガスを排出する上記排気ポート71とがそれぞれ形成されていると共に、吸気ポート15aを開閉する吸気バルブ16及び排気ポート71を開閉する排気バルブ17が配設されている。これら吸気バルブ16及び排気バルブ17はシリンダ中心線Pを挟んで対向配置されている。つまり、本エンジン1はクロスフロータイプとして構成されている。また、シリンダヘッド15には、燃焼室3の内部へ直接的に燃料を噴射する上記インジェクタ23が取り付けられている。このインジェクタ23は、シリンダ中心線Pに沿う起立姿勢で燃焼室3の略中央上部に配設されており、上記コモンレール22から導入される燃料を燃焼室3に向けて所定のタイミングで噴射するようになっている。
更に、図1に示す如く、このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト51を介して連結されたタービンホイール52及びコンプレッサホイール53を備えている。コンプレッサホイール53は吸気管64の内部に臨んで配置され、タービンホイール52は排気管73の内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイール52が受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール53を回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール52側に可変ノズルベーン機構(図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられている。これらEGR通路8、EGRバルブ81、EGRクーラ82等によってEGR装置(排気還流装置)が構成されている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62の上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、図3に示すように、CPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104などを備えている。ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105及び出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、上記レール圧センサ41、スロットル開度センサ42、エアフローメータ43、A/Fセンサ44、排気温センサ45、吸気圧センサ48、吸気温センサ49が接続されている。さらに、この入力インターフェース105には、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ46、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ47、及び、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ40などが接続されている。一方、出力インターフェース106には、上記インジェクタ23、燃料添加弁26、スロットルバルブ62、及び、EGRバルブ81などが接続されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。例えば、ECU100は、インジェクタ23の燃料噴射制御として、パイロット噴射(副噴射)とメイン噴射(主噴射)とを実行する。
上記パイロット噴射は、インジェクタ23からのメイン噴射に先立ち、予め少量の燃料を噴射する動作である。また、このパイロット噴射は、メイン噴射による燃料の着火遅れを抑制し、安定した拡散燃焼に導くための噴射動作であって、副噴射とも呼ばれる。また、本実施形態におけるパイロット噴射は、上述したメイン噴射による初期燃焼速度を抑制する機能ばかりでなく、気筒内温度を高める予熱機能をも有するものとなっている。つまり、このパイロット噴射の実行後、燃料噴射を一旦中断し、メイン噴射が開始されるまでの間に圧縮ガス温度(気筒内温度)を十分に高めて燃料の自着火温度に到達させるようにし、これによってメイン噴射で噴射される燃料の着火性を良好に確保するようにしている。
上記メイン噴射は、エンジン1のトルク発生のための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)である。このメイン噴射での噴射量は、基本的には、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じ、要求トルクが得られるように決定される。また、後述する燃焼形態制御動作(燃焼形態の適合動作)により、このメイン噴射の噴射形態(噴射量、噴射時期、噴射回数、噴射圧力等)は決定される。この燃焼形態制御動作の詳細については後述する。また、吸入空気量(気筒内への空気充填量)を調整するための上記スロットルバルブ62の開度、ターボチャージャ5の可変ノズルベーン機構の開度、EGR量を調整するための上記EGRバルブ81の開度等も後述する燃焼形態制御動作により決定されることになる。
尚、上述したパイロット噴射及びメイン噴射の他に、アフタ噴射やポスト噴射が必要に応じて行われる。このアフタ噴射は、排気ガス温度を上昇させるための噴射動作である。具体的に、本実施形態では、このアフタ噴射により供給された燃料の燃焼エネルギがエンジンのトルクに変換されることなく、その大部分が排気の熱エネルギとして得られるタイミングでアフタ噴射を実行するようにしている。また、ポスト噴射は、排気系7に燃料を直接的に導入して上記マニバータ77の昇温を図るための噴射動作である。例えば、DPNR触媒76に捕集されているPMの堆積量が所定量を超えた場合(例えばマニバータ77の前後の差圧を検出することにより検知)、ポスト噴射が実行されるようになっている。
−燃焼形態制御動作−
次に、本実施形態の特徴である燃焼室3内での燃焼形態を制御するための動作(上記各アクチュエータの操作量(以下、機関操作量と呼ぶ場合もある)の制御による燃焼形態の制御動作)についての複数の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
本実施形態では、運転者が要求するエンジン出力(エンジントルクとエンジン回転数との積として表される)が確保され、且つ燃焼行程時の燃焼音を制約の範囲内(許容範囲内)とするための燃焼形態の制御動作について説明する。また、以下の説明では、燃焼形態を制御するための基本思想である燃焼形態決定動作について説明した後、具体的な燃焼形態制御手順について説明する。
<燃焼形態決定動作>
先ず、燃焼形態決定動作について説明する。ここでは、先ず、後述する各熱発生率特性値や各熱発生率特性線の定義、及び、それらの検出動作または算出動作について説明する。その後、これら熱発生率特性値及び熱発生率特性線を用いた燃焼形態決定動作について説明する。
具体的には、先ず、(1)図示トルク熱発生率特性値、(2)着火時期熱発生率特性値、(3)制約値(燃焼音)熱発生率特性値、(4)等図示トルク熱発生率特性線、(5)等制約値(等燃焼音)熱発生率特性線についての定義、及び、それらの検出動作または算出動作について順に説明する。その後、(6)要求着火時期算出動作、(7)図示トルク熱発生率特性値決定動作、(8)機関操作量決定動作について順に説明する。尚、以下の検出動作及び算出動作は、エンジン1の実機による実験またはシミュレーションによって行われる。
(1)図示トルク熱発生率特性値
図示トルク熱発生率特性値は、エンジン1の燃焼行程における熱発生率(クランク軸の単位回転角度当たりの熱発生量)の波形を特定するための値として検出される。つまり、実機を用いた実験によって、要求された図示トルク(以下、要求図示トルクと呼ぶ場合もある)を発生しているエンジン1の燃焼行程時における熱発生率波形を求め、この熱発生率波形を特定するための値が、この図示トルク熱発生率特性値として検出されることになる(熱発生率特性値規定手段による熱発生率特性値の規定動作)。
ここでは、燃焼行程時の熱発生率波形の最大値(ピーク値)を図示トルク熱発生率特性値として取得するようにしている。図4は、横軸をクランク角度(deg)とし縦軸を熱発生率(J/deg)とした燃焼行程時における熱発生率波形の一例を示している(この図4では、メイン噴射として2回のメイン分割噴射を実行した場合の熱発生率波形を示している)。また、この図4におけるTDCは、ピストン13の圧縮上死点に対応するクランク角度位置である。この図4に示す熱発生率波形では、図示トルク熱発生率特性値として図中のA(J/deg)が求められることになる。
インジェクタ23から1回の燃料噴射が行われた場合の燃焼によって発生する一般的な熱発生率波形は、燃焼開始時点から燃焼終了時点までの期間を底辺とし、最大値(ピーク値)での熱発生率を高さとする二等辺三角形に近似した波形と見なすことができる。このため、要求図示トルクと燃焼開始時点が規定されれば、上記最大値(ピーク値)によって熱発生率波形の形状は略一義的に決定されることになる。このことを利用し、この最大値を、熱発生率波形を特定するための図示トルク熱発生率特性値として利用するようにしている。
尚、この図示トルク熱発生率特性値としては、上記燃焼行程時の熱発生率波形の最大値に代えて、熱発生率波形の燃焼重心位置(燃焼重心におけるクランク角度位置)としてもよい。ここでいう燃焼重心とは、インジェクタ23から噴射された燃料(メイン噴射で噴射された燃料)が燃焼室3内で燃焼する際に、その全ての燃料の燃焼が完了する完全燃焼状態を燃焼度合い「100%」とした場合において、燃焼度合いが「50%」に達したときをいう。言い換えると、燃焼室3内での熱発生量の累積が、噴射された燃料の全量が燃焼した場合の熱発生量に対して「50%」に達したときであって、熱発生開始から終了までの期間における熱発生率波形の面積の重心位置を幾何学的に算出する(上述した二等辺三角形の重心位置を算出する)ことによって燃焼重心位置は得られる。そして、図4に示す熱発生率波形にあっては、図示トルク熱発生率特性値(燃焼重心位置)として図中のB(deg)が求められることになる。
また、エンジン1の圧縮比や連桿比等の設計情報と理論計算式とより所定の図示トルクとなるような熱発生率を算出し、これによって上記熱発生率波形の最大値や上記熱発生率波形の燃焼重心位置を算出するようにしてもよい。
(2)着火時期熱発生率特性値
着火時期熱発生率特性値は、エンジン1の燃焼行程における熱発生率波形上での着火時期を特定する値として検出される。つまり、実機を用いた実験によって、要求された図示トルクを発生する際のエンジンの燃焼行程時における熱発生率が、燃料噴射後(メイン噴射の開始後)所定値に達した時点を、この着火時期熱発生率特性値として検出することになる(着火時期熱発生率特性値規定手段による着火時期熱発生率特性値の規定動作)。
ここでは、燃焼行程時の熱発生率が10J/degに達した時点を着火時期熱発生率特性値として取得するようにしている。この値はこれに限定されるものではなく、任意に設定可能である。例えば、ピストン13の圧縮上死点に対応するクランク角度位置(TDC)を着火時期熱発生率特性値として設定してもよい。
図5は、横軸をクランク角度とし縦軸を熱発生率とした燃焼行程時における熱発生率波形の一例を示している。この熱発生率波形では、着火時期熱発生率特性値として図中のC(deg)が求められることになる。つまり、クランク角度がCdeg(BTDC)の時点で熱発生率が所定値(例えば10J/deg)に達している。
尚、ガソリンエンジンの場合には、この着火時期熱発生率特性値は点火プラグの点火時期が該当する。
(3)制約値熱発生率特性値
制約値熱発生率特性値は、エンジン1の運転時における制約の許容限界値が、燃焼行程における熱発生率波形の特性値として算出されるものである(要求制約値熱発生率特性値規定手段による要求制約値熱発生率特性値の規定動作)。
このエンジン1の運転時における制約としては、燃焼音(燃焼音を所定音量以下に制約すること)、失火(失火を発生させないこと)、燃焼変動(燃焼変動量を所定量以下に抑えること)といった商品性の制約や、NOx,PM,Soot等といった有害物質の排出量を所定量以下に抑えるといった排気エミッションの制約が挙げられる。ここでは、理解を容易にするために、燃焼音に係る制約値を上記制約値熱発生率特性値として算出する場合について説明する。
燃焼音は、燃焼行程時における燃焼室3内の圧力変化に起因する。このため、この燃焼室3内の圧力の時間微分との相関が強い熱発生率波形の最大値(ピーク値)を制約値熱発生率特性値として利用する。図6は、横軸をクランク角度とし縦軸を熱発生率とした燃焼行程時における熱発生率波形の一例を示している。この熱発生率波形においては、制約値熱発生率特性値として図中のD(J/deg)が求められることになる。
(4)等図示トルク熱発生率特性線
等図示トルク熱発生率特性線は、エンジン1に対する要求トルクと要求回転数、つまり、要求出力(要求パワー)を得る際における目標着火時期から決まる上記図示トルク熱発生率特性値に基づいて得られる。具体的には、同一図示トルクで効率が互いに異なる複数の熱発生率波形を規定した場合に、それぞれの熱発生率波形における図示トルク熱発生率特性値を算出し、これら熱発生率波形の図示トルク熱発生率特性値同士を結ぶことによって得られる。
より具体的には、実機を用いた実験において、着火時期を同一とし且つ図示トルクを一定に維持した状態で、燃料噴射圧力を変化させていく。この場合、燃料噴射圧力が低くなるほど燃料噴射期間は長くなる。その結果、燃焼行程時の熱発生率波形の最大値(ピーク値)は遅角側に移行(リタード)していく。そして、これら熱発生率波形の最大値(図示トルク熱発生率特性値)同士を結ぶことによって等図示トルク熱発生率特性線が取得されることになる。
図7は、ピストン13の圧縮上死点に対応するクランク角度位置(TDC)を着火時期(熱発生率が10J/degに達した時点)とし且つ図示トルクを一定に維持した状態で、燃料噴射圧力を4段階に変化させた場合に得られる等図示トルク熱発生率特性線を示している。つまり、図中の破線は、各燃料噴射圧力での燃焼行程時における熱発生率波形を示しており、これら熱発生率波形の最大値同士を結ぶことによって図中実線で示す等図示トルク熱発生率特性線が取得される。
(5)等制約値熱発生率特性線
等制約値熱発生率特性線は、同一着火時期で燃料噴射量が互いに異なる複数の熱発生率波形を規定した場合に、それぞれの熱発生率波形における制約値熱発生率特性値を算出し、これら熱発生率波形の制約値熱発生率特性値同士を結ぶことによって得られる。
具体的には、実機を用いた実験において、着火時期を一致させた状態で、燃料噴射量を変化させていく。この場合、燃料噴射量が多くなるほど熱発生率波形の最大値(ピーク値)は高くなっていく。この最大値は燃焼音を左右するものであるが、この最大値が遅角側に移行していくほど燃焼音が小さくなっていく傾向にある。そして、これら熱発生率波形の最大値同士を結ぶことによって等制約値熱発生率特性線が取得されることになる。
図8は、ピストンの圧縮上死点に対応するクランク角度位置(TDC)を着火時期とした状態で、燃料噴射量を4段階に変化させた場合に得られる等制約値熱発生率特性線を示している。つまり、図中の破線は、各燃料噴射量での燃焼行程における熱発生率波形を示しており、これら熱発生率波形の最大値同士を結ぶことによって図中実線で示す等制約値熱発生率特性線が取得される。この等制約値熱発生率特性線は、燃焼音の許容限界を示す曲線であって、この等制約値熱発生率特性線を含みこの特性線よりも遅角側に図示トルク熱発生率特性値が位置する場合には燃焼音は許容範囲内(制約の範囲内)にあることになり、この特性線よりも進角側に図示トルク熱発生率特性値が位置する場合には燃焼音は許容範囲外(制約の範囲外)にあることになる。
以上が、「図示トルク熱発生率特性値」、「着火時期熱発生率特性値」、「制約値熱発生率特性値」、「等図示トルク熱発生率特性線」、「等制約値熱発生率特性線」の定義、及び、それらの検出動作または算出動作である。
(6)要求着火時期算出動作
要求着火時期算出動作は、要求図示トルクと要求回転数(つまり、要求出力)から要求着火時期を算出する動作である。
つまり、この着火時期の設定は、上記要求図示トルク及び要求回転数を変数とする関数により算出される。または、要求図示トルク及び要求回転数と、着火時期との関係を規定した着火時期設定マップに従って行われる。つまり、予め実験やシミュレーションによって、上記要求図示トルク及び要求回転数と、着火時期との関係を規定した着火時期設定マップを作成して上記ROM102に書き込んでおき、要求図示トルク及び要求回転数に応じた着火時期が、この着火時期設定マップから読み出されることにより着火時期が設定されることになる。
尚、例えば燃料消費率を最優先とする燃焼形態を実現するためには、エンジン回転数やエンジン負荷に関わらず、着火時期をピストン13の圧縮上死点に対応するクランク角度位置(TDC)に規定することになる。
また、燃料消費率を最優先とはせず、その他の要求に応じて着火時期を規定する場合には、上記圧縮上死点(TDC)とは異なるタイミングに着火時期を規定することになる。例えば、触媒の早期活性化のために触媒暖機性能を優先する場合には、着火時期を圧縮上死点(TDC)よりも遅角側に規定する。また、燃焼音が制約範囲外となる場合にも着火時期を圧縮上死点(TDC)よりも遅角側に規定することになる。
(7)図示トルク熱発生率特性値決定動作
図示トルク熱発生率特性値決定動作は、上記要求着火時期算出動作によって設定された着火時期での着火が行われた場合に、要求トルクを満たすような上記等図示トルク熱発生率特性線上の図示トルク熱発生率特性値を算出する動作である(熱発生率特性値調整手段による熱発生率特性値の調整動作)。
具体的には、上記等図示トルク熱発生率特性線(図7の実線を参照)上に最大値が位置するような熱発生率波形が得られる燃料供給系2や吸気系6の各種アクチュエータの操作量をマップ化しておき、要求トルクに応じた各種アクチュエータの操作量をこのマップから読み込むことによりその操作量に応じた図示トルク熱発生率特性値を得るものである。
(8)機関操作量決定動作
機関操作量決定動作は、上記図示トルク熱発生率特性値決定動作によって決定された図示トルク熱発生率特性値が、上記等制約値熱発生率特性線上、または、この等制約値熱発生率特性線に対して制約を下回る側(本実施形態の場合には燃焼音が小さくなる側)に位置しているか否かを判定し、この図示トルク熱発生率特性値が等制約値熱発生率特性線に対して制約を上回る側(燃焼音が大きくなる側)に位置している場合には、図示トルク熱発生率特性値を変更する動作である。つまり、上記図示トルク熱発生率特性値決定動作によって初期値としての図示トルク熱発生率特性値を得ておき、その図示トルク熱発生率特性値が等制約値熱発生率特性線に対して制約を上回る側に位置している場合には図示トルク熱発生率特性値を所定の変更量だけ変更し、その変更後の図示トルク熱発生率特性値が等制約値熱発生率特性線に対して制約を下回る側に位置するようになるまで上記図示トルク熱発生率特性値の変更動作を繰り返すものである。
そして、この変更された図示トルク熱発生率特性値が、上記等制約値熱発生率特性線上、または、この等制約値熱発生率特性線に対して制約を下回る側に位置する場合には、その図示トルク熱発生率特性値に対応する熱発生率波形が得られる機関操作量を指令機関操作量として決定するようにしている。
<燃焼形態制御手順>
次に、上述した燃焼形態決定動作を実行する際の燃焼形態制御手順について図9のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップST1において、要求図示トルク(Tq)及び要求回転数(Ne)を読み込む。これはアクセル開度等、運転者が要求しているエンジン出力に基づいて求められる。その後、ステップST2に移り、要求着火時期(θ_igtrq)の算出を行う。具体的には、要求回転数(Ne)及び要求図示トルク(Tq)を変数とする関数(func1)により要求着火時期(θ_igtrq)を算出する(上記の要求着火時期算出動作)。
次に、ステップST3において、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)の算出を行う。具体的には、要求回転数(Ne)、要求図示トルク(Tq)、上記ステップST2で算出された要求着火時期(θ_igtrq)を変数とする関数(func2)により要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を算出する(上記の図示トルク熱発生率特性値決定動作)。
そして、ステップST4では、上記要求着火時期(θ_igtrq)及び要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を共に満たす機関操作量値(P_qpl)の算出を行う。具体的には、上記ステップST2で算出された要求着火時期(θ_igtrq)、上記ステップST3で算出された要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を変数とする関数(func3)により機関操作量値(P_qpl)を算出する。
その後、ステップST5において、上記機関操作量値(P_qpl)等に基づいて制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)を算出する。具体的には、上記ステップST4で算出された機関操作量値(P_qpl)等を変数とする関数(func4)により制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)を算出する。
ステップST6では、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)を算出する。具体的には、上記ステップST5で算出された制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)を変数とする関数(func5)により要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)を算出する。
そして、ステップST7では、上記算出された制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)が要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)の制約を超えているか否かを判定する。つまり、現在のエンジン運転状態が制約値(本実施形態の場合は燃焼音に関する制約値)を超える状況にあるか否かを判定する。これは、例えば図8で示した等制約値熱発生率特性線に対して、図示トルク熱発生率特性値が遅角側(図中のOK側:制約の範囲内)にあるか進角側(図中のNG側:制約の範囲外)にあるかを判定する動作である。
そして、制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)が要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)の制約を超えておらず、ステップST7でNO判定された場合には、現在の要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)が適正な要求図示トルク熱発生率特性値(実行熱発生率特性値)であり、この現在のエンジン1の運転状態における各機関操作量を適正な機関操作量であるとして、ステップST10において、その指示信号を出力する。つまり、要求図示トルク及び要求回転数を満たし、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)の制約を満たした機関操作量が得られているとして、その指示信号を出力する。これが、運転者の要求するエンジン出力に適した適合値として取得されることになる。
一方、制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)が要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)の制約を超えており、ステップST7でYES判定された場合には、ステップST8に移る。
このステップST8では、上記制約を超えた量に基づいて、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)を算出する。具体的には、上記制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)から要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)を減算した値を変数とする関数(func6)により上記補正値(ddQ_tq_cal)を算出する。
このようにして補正値(ddQ_tq_cal)を算出した後、ステップST9に移り、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を変更する。具体的には、現在の要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対して上記算出された補正値(ddQ_tq_cal)を加算することで、新たな要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を算出する。
その後、ステップST4に移り、再び、上記要求着火時期(θ_igtrq)及び要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal:変更後の要求図示トルク熱発生率特性値)を変数として関数(func3)により機関操作量値(P_qpl)の算出を行う。
このようにして、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を変更していきながら、上記ステップST7でNO判定されるまで、つまり、制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)が要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)の制約を超えなくなり、燃焼音が制約範囲内に移行するまで上記の動作を繰り返す。
図10は上述した燃焼形態制御手順による適合点の変化を示す図である。例えば、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)の初期値(上記ステップST3で算出される初期値)が図中の点Iであった場合、この要求図示トルク熱発生率特性値Iは等制約値熱発生率特性線よりも進角側に位置している。つまり、燃焼音は許容範囲外(制約の範囲外)となっている。この場合、上記制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)が要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)の制約を超えていることになり、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)が変更される(上記ステップST8及びステップST9の動作)。この補正が適切に行われて要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)が図中の点IIとなると、この要求図示トルク熱発生率特性値IIは等制約値熱発生率特性線上に位置することになる。つまり、燃焼音は許容範囲内(制約の範囲内)となる。この場合、上記制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)は要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)の制約を超えないことになり、この際の機関操作量の指示信号が適合値として出力されることになる。
尚、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)の初期値(上記ステップST3で算出される初期値)が図中の点IIIであった場合、この要求図示トルク熱発生率特性値IIIは等制約値熱発生率特性線よりも遅角側に位置している。つまり、燃焼音は許容範囲内(制約の範囲内)となっている。この場合、上述した要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)の変更動作を行うことなく、この際の機関操作量の指示信号が適合値として出力されることになる。
以上の動作により、要求図示トルクを満たし、且つ燃焼音が許容範囲内(制約の範囲内)とされた適合点が自動的に取得されることになる。
以上のような動作が種々の要求図示トルク及び要求回転数に対して行われることにより、各種要求出力に対する適合点が求められることになる。
従来技術では、試行錯誤によって燃料噴射パターン等の適合点を決定していたため、種々のエンジンに共通した体系的な燃焼制御手法が構築されておらず、最適な適合点を見出すことができなかった。本実施形態によれば、エンジン1における特性や制約を所定の目標範囲内とする最適な適合点を自動的に求めることが可能となり、燃焼室3内での燃焼の最適化を図ることが可能になる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、制約値熱発生率特性値を燃焼音に係るものとし、この一つの制約値熱発生率特性値に対して図示トルク熱発生率特性値の適合点を求めていた。本実施形態では、複数の制約値熱発生率特性値に対して図示トルク熱発生率特性値の適合点を求めるものである。また、本実施形態では、燃料消費率の最適化についても考慮して適合点を求めるものとなっている。尚、各熱発生率特性値や各熱発生率特性線の定義、及び、それらの検出動作または算出動作は、上述した第1実施形態のものと同一である。以下の説明では、上記第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図11は、本実施形態に係る燃焼形態制御の手順の前半を示すフローチャート図である。また、図12は、本実施形態に係る燃焼形態制御の手順の後半を示すフローチャート図である。
図11に示すフローチャートにおける各ステップST11〜ステップST19の動作は、上述した第1実施形態において図9を用いて説明した燃焼形態制御手順の各ステップST1〜ステップST9の動作と同一であるのでここでの説明は省略する。但し、上述した如く、本実施形態では、複数の制約値熱発生率特性値に対して適合点を求めるものであるため、上記制約値熱発生率特性値及び要求等制約値熱発生率特性値としては、それぞれ第1及び第2の制約値熱発生率特性値(第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)、第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq))が設定される。そして、ステップST11〜ステップST19の動作にあっては、第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)及び第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)を使用して適合点を求める動作となっている。
ステップST20以降の動作(図12)は、上記ステップST17の判定において、第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)が第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)の制約を超えておらずNO判定された場合に行われる。つまり、現在のエンジンの運転状態にあっては、一つの制約値熱発生率特性値(例えば上記第1実施形態と同様の燃焼音に係る制約値熱発生率特性値)に対しては許容範囲内(制約の範囲内)と判定された場合にステップST20以降の動作に移り、他の制約値熱発生率特性値(例えばNOx排出量に係る制約値熱発生率特性値やエンジン1の失火限界に係る制約値熱発生率特性値等)に対して許容範囲内(制約の範囲内)であるか否かの判定を行いながら適合点を求めていくといった動作が行われる。以下、具体的に説明する。
上記ステップST17でNO判定されてステップST20に移ると、上記機関操作量値(P_qpl)等に基づいて第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)を算出する。具体的には、上記ステップST14で算出された機関操作量値(P_qpl)を変数とする関数(func6)により第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)を算出する。
ステップST21では、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を算出する。具体的には、上記ステップST20で算出された第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)を変数とする関数(func7)により第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を算出する。
そして、ステップST22では、上記算出された第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の制約を超えているか否かを判定する。つまり、現在のエンジン運転状態が制約値(本実施形態の場合は例えばNOx排出量に係る制約値や失火限界に関する制約値)を超える状況にあるか否かを判定する。例えば、燃料噴射量を一定にした場合、熱発生率特性の最大値が所定値を越えるとNOx排出量が許容値を超えることになる。このため、このNOx排出量に関する制約値は、熱発生率波形の最大値によって規定されることになる。また、熱発生率波形の最大値の遅角側への移行量が所定量を超えると失火が発生する。このため、この失火限界に関する制約値は、熱発生率波形の最大値のクランク角度位置によって規定されることになる。つまり、このステップST22での判定動作は、第2の制約に対して、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)が超えているか(制約の範囲外)にあるか否かを判定する動作である。
そして、第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の制約を超えておらず、ステップST22でNO判定された場合には、この現在のエンジンの運転状態における各機関操作量を適正な機関操作量であるとして、ステップST24以降の動作に移る。
一方、第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の制約を超えており、ステップST22でYES判定された場合には、ステップST23に移る。
このステップST23では、上記制約を超えた量に基づいて、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)を算出する。具体的には、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値を変数とする関数(func8)により上記補正値(ddQ_tq_cal)を算出する。
このようにして補正値(ddQ_tq_cal)を算出した後、ステップST19(図11)に移り、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を変更する。具体的には、現在の要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対して上記算出された補正値(ddQ_tq_cal)を加算することで、新たな要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を算出する。
その後、ステップST14に移り、再び、上記要求着火時期(θ_igtrq)及び要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal:変更後の要求図示トルク熱発生率特性値)を変数として関数(func3)により機関操作量値(P_qpl)の算出を行う。
このようにして、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を変更していきながら、ステップST22でNO判定されるまで、つまり、第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)が第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)の制約を超えなくなり、且つ第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の制約を超えなくなるまで上記の動作を繰り返す。
これにより、図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)が、上記各制約の範囲内に位置し、且つ要求図示トルクを満たす適合点が自動的に取得されることになる。
更に、ステップST24以降の動作は、上記要求及び制約を満たしながらも燃料消費率の最適化を図るための機関操作量を求める手順である。
先ず、ステップST24では、制約1(上記ステップST15〜ステップST19が対象としていた制約)までの余裕分の要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する第1補正値(ddQ_tq1_cal)を算出する。具体的には、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)を減算した値を変数とする上記関数(func6)により上記第1補正値(ddQ_tq1_cal)を算出する。また、ステップST25では、制約2(上記ステップST20〜ステップST23が対象としていた制約)までの余裕分の要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する第2補正値(ddQ_tq2_cal)を算出する。具体的には、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値を変数とする上記関数(func8)により上記第2補正値(ddQ_tq2_cal)を算出する。
以上の如く各補正値(ddQ_tq1_cal,ddQ_tq2_cal)を算出した後、ステップST26では、これら補正値を比較する。具体的には、上記第1補正値(ddQ_tq1_cal)よりも上記第2補正値(ddQ_tq2_cal)の方が大きいか否かを判定する。
そして、上記第1補正値(ddQ_tq1_cal)よりも上記第2補正値(ddQ_tq2_cal)の方が大きく、ステップST26でYES判定された場合、ステップST27に移り、この第2補正値(ddQ_tq2_cal)は「0」以下の値であるか否かを判定する。そして、第2補正値(ddQ_tq2_cal)が「0」以下の値であり、ステップST27でYES判定された場合には、ステップST28に移って上記第2補正値(ddQ_tq2_cal)を、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)として設定する。
この場合の各制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal,dQ_limit2_cal)、及び、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)の関係としては図13(a)に示すものが挙げられる。つまり、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)よりも高熱発生率側に位置し、各要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)は、それぞれの等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とする場合であって、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)及び第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が共に第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側に位置している場合である。この場合、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)を減算した値、及び、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は、共に負の値となるが、その絶対値は前者の方が大きいため、上記ステップST26ではYES判定されることになる。また、第2補正値(ddQ_tq2_cal)は負の値(第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は負の値)であるため、上記ステップST27ではYES判定されて、ステップST28において補正値(ddQ_tq_cal)が設定されることになる。
一方、ステップST27において、第2補正値(ddQ_tq2_cal)が正の値であり、ステップST27でNO判定された場合には、ステップST29に移り、第1補正値(ddQ_tq1_cal)は「0」未満の値であるか否かを判定する。そして、第1補正値(ddQ_tq1_cal)が「0」未満の値であり、ステップST29でYES判定された場合には、ステップST30に移って上記第1補正値(ddQ_tq1_cal)を、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)として設定する。
この場合の各制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal,dQ_limit2_cal)、及び、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)の関係としては図13(b)に示すものが挙げられる。つまり、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)よりも高熱発生率側に位置し、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)は、その等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とし、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)は、その等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とする場合であって、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)及び第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側に位置し、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側に位置している場合である。この場合、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は負の値となるのに対し、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は正の値となる。このため、上記ステップST26ではYES判定され、上記ステップST27ではNO判定され、上記ステップST29ではYES判定されて、ステップST30において補正値(ddQ_tq_cal)が設定されることになる。
また、第1補正値(ddQ_tq1_cal)が「0」以上の値であり、ステップST29でNO判定された場合には、ステップST19に移って、上述した要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)の変更動作に移行する。
この場合の各制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal,dQ_limit2_cal)、及び、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)の関係としては図13(c)に示すものが挙げられる。つまり、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)よりも高熱発生率側に位置し、各要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)は、それぞれの等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とする場合であって、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)及び第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が共に第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側に位置している場合である。この場合、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値、及び、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は、共に正の値となるが、その絶対値は後者の方が大きいため、上記ステップST26ではYES判定されることになる。また、第2補正値(ddQ_tq2_cal)及び第1補正値(ddQ_tq1_cal)は共に正の値であるため、上記ステップST27及びステップST28では共にNO判定されて、ステップST19に移ることになる。
一方、上記ステップST26の判定において、上記第2補正値(ddQ_tq2_cal)よりも上記第1補正値(ddQ_tq1_cal)の方が大きいか、または、これら両者の値が等しく、ステップST26でNO判定された場合、ステップST31に移り、この第1補正値(ddQ_tq1_cal)は「0」以下の値であるか否かを判定する。そして、第1補正値(ddQ_tq2_cal)が「0」以下の値であり、ステップST31でYES判定された場合には、現在の要求トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)が得られる機関操作量を指示信号として出力する。
この場合の各制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal,dQ_limit2_cal)、及び、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)の関係としては図13(d)に示すものが挙げられる。つまり、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)が第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)よりも高熱発生率側に位置し、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)は、その等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とし、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)は、その等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とする場合であって、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)及び第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が共に第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側に位置している場合である。この場合、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)を減算した値、及び、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は、共に負の値となるが、その絶対値は後者の方が大きいため、上記ステップST26ではNO判定されることになる。また、第1補正値(ddQ_tq1_cal)は負の値(第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)を減算した値は負の値)であるため、上記ステップST31ではYES判定されて、ステップST35に移ることになる。
一方、ステップST31において、第1補正値(ddQ_tq1_cal)が正の値であり、ステップST31でNO判定された場合には、ステップST32に移り、第2補正値(ddQ_tq2_cal)は「0」未満の値であるか否かを判定する。そして、第2補正値(ddQ_tq2_cal)が「0」未満の値であり、ステップST32でYES判定された場合には、ステップST33に移って上記第1補正値(ddQ_tq1_cal)を、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)として設定する。
この場合の各制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal,dQ_limit2_cal)、及び、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)の関係としては図13(e)に示すものが挙げられる。つまり、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)よりも低熱発生率側に位置し、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)は、その等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とし、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)は、その等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とする場合であって、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)及び第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側に位置し、第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側に位置している場合である。この場合、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は正の値となるのに対し、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は負の値となる。このため、上記ステップST26ではNO判定され、上記ステップST31ではNO判定され、上記ステップST32ではYES判定されて、ステップST33において補正値(ddQ_tq_cal)が設定されることになる。
また、第2補正値(ddQ_tq2_cal)が「0」以上の値であり、ステップST32でNO判定された場合には、ステップST34に移って上記第2補正値(ddQ_tq2_cal)を、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)として設定する。
この場合の各制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal,dQ_limit2_cal)、及び、要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)の関係としては図13(f)に示すものが挙げられる。つまり、第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)が第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)よりも低熱発生率側に位置し、各要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq,dQ_limit2_rq)は、それぞれの等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とする場合であって、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)及び第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)が共に第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)の等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側に位置している場合である。この場合、上記第1制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_cal)から第1要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit1_rq)を減算した値、及び、上記第2制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_cal)から第2要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit2_rq)を減算した値は、共に正の値となるが、その絶対値は前者の方が大きいため、上記ステップST26ではNO判定されることになる。また、第1補正値(ddQ_tq1_cal)及び第2補正値(ddQ_tq2_cal)は共に正の値であるため、上記ステップST31及びステップST32では共にNO判定されて、ステップST34において補正値(ddQ_tq_cal)が設定されることになる。
以上の動作により、本実施形態においても、要求図示トルクを満たし、且つ複数の制約が許容範囲内(制約の範囲内)とされた適合点が自動的に取得されることになる。以上のような動作が種々の要求図示トルク及び要求回転数に対して行われることにより、各種要求出力に対する適合点が求められることになる。図13で示した各熱発生率波形では、図中に星印で示す点を要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)とする熱発生率波形が適合点として求められることになる。
尚、図13に示した各制約は、例えば、等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とするものとしては燃焼音やNOx排出量などが挙げられる。一方、等制約値熱発生率特性線よりも高熱発生率側を制約の範囲内(許容範囲内)とするものとしてはSootやPMの排出量などが挙げられる。
また、図14は、複数の制約を、燃焼音及び失火限界とした場合の等制約値熱発生率特性線の一例を示す熱発生率波形図である。上述した如く失火限界に関する制約値は、熱発生率波形の最大値のクランク角度位置によって規定されている。
例えば、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)の初期値が図中の点Iであった場合、この要求図示トルク熱発生率特性値Iは燃焼音に係る等制約値熱発生率特性線よりも遅角側(OK側)に位置し、失火限界に係る等制約値熱発生率特性線よりも進角側(OK側)に位置している。つまり、両方の制約を満たしている。本実施形態では、この両方の制約を満たしながらも、更に、燃料消費率の最適化についても考慮して適合点を求めるものとなっているため、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)が変更されることにより、燃料消費率が最適となる適合点(図中における要求図示トルク熱発生率特性値II)が求められることになる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、上述した図示トルク熱発生率特性値をエンジン運転状態の燃焼結果として検出し、その検出された図示トルク熱発生率特性値のフィードバック制御を行いながら機関操作量の適合値を取得するものである。
図15は、本実施形態に係るエンジン1の制御系の概略構成を示すブロック図である。この図15に示すように、ECU10に備えられる機能部分としては、エンジン1に備えられた熱発生率特性値検出センサ91からの検出値に基づいて図示トルク熱発生率特性値を検出する特性値検出処理部92、要求図示トルク熱発生率特性値と上記検出された図示トルク熱発生率特性値との差分を演算する差分演算部93、その差分に基づいて要求図示トルク熱発生率特性値を変更しながら機関操作量の適合値を演算する適合値演算部94、得られた機関操作量の適合値をエンジン1の各アクチュエータ(インジェクタ23等)に出力する指令部95とを備えている。
上記熱発生率特性値検出センサ91としては、例えば筒内圧センサが挙げられる。つまり、この筒内圧センサによって検出される筒内圧力の変化に基づいて上記特性値検出処理部92では、要求図示トルク熱発生率特性値が演算され、その要求図示トルク熱発生率特性値に応じて得られる熱発生率波形の最大値(ピーク値)や熱発生率の増加率(熱発生率波形の傾き)や燃焼期間等といった各種パラメータが取得される。
そして、上記差分演算部93では以下の図16に示すフローチャートに沿って要求図示トルク熱発生率特性値と上記検出された実図示トルク熱発生率特性値との差分が演算される。
また、上記適合値演算部94では、上記差分演算部93において算出された差分に基づいて、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)が算出され、この補正値(ddQ_tq_cal)により要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を補正していくことで、適合値が演算されるようになっている。以下、この適合値の演算手順について説明する。
先ず、ステップST41では、上記熱発生率特性値検出センサ(熱発生率特性値検出器)91からの検出信号が入力され、ステップST42において、上記特性値検出処理部92により実図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_rl)が算出される。そして、ステップST43では、この実図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_rl)が、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に一致しているか否かを判定する。
実図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_rl)が要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に一致しており、ステップST43でYES判定された場合には、ステップST44に移り、実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)を算出する。この実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)は、燃焼音を制約値とする場合にはセンシングされた燃焼音に基づいて設定され、排気エミッションを制約値とする場合にはセンシングされた排気ガス成分濃度に基づいて設定されることになる。
この実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)を算出した後、ステップST45に移り、上記実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)が、上記要求制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)に一致しているか否かを判定する。
実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)が要求制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)に一致しており、ステップST45でYES判定された場合には、ステップST46に移り、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)を「0」に設定し、上述した機関操作量値(P_qpl)の算出(図9におけるステップST4以降の動作または図11におけるステップST14以降の動作)を行うことになる。
一方、上記実図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_rl)が、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に一致しておらず、ステップST43でNO判定された場合には、ステップST47に移り、その差分に基づいて、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)を算出する。具体的には、上記実図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_rl)から要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を減算することにより補正値(ddQ_tq_cal)を求める。
一方、上記実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)が、要求制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)に一致しておらず、ステップST45でNO判定された場合には、ステップST48に移り、その差分に基づいて、上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)を算出する。具体的には、上記実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)から要求制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)を減算した値を変数とする関数(func6)により上記補正値(ddQ_tq_cal)を算出する。
このようにして補正値(ddQ_tq_cal)を算出した後、上述した図9におけるステップST9以降の動作または図11におけるステップST19以降の動作により、新たな要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を算出しながら、上記実図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_rl)が要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に一致し(ステップST43でYES判定され)、且つ上記実制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rl)が要求制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)に一致する(ステップST45でYES判定する)まで、つまり、ステップST46において補正値(ddQ_tq_cal)を「0」に設定されるまで、上記の動作を繰り返す。
本実施形態に係る動作によっても、エンジン1における特性や制約を所定の目標範囲内とする最適な適合点を自動的に求めることが可能となり、燃焼室3内での燃焼の最適化を図ることが可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態は、上述した各種制約のうちNOx制約等に応じて適合点を求めるものである。ここでは、上述した各実施形態との相違点についてのみ説明する。
図17は、各制約がNOx制約及びCN制約である場合における各制約値熱発生率特性値及び各要求等制約値熱発生率特性値の関係の一例を示す図である。NOx制約は、その等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側が制約の範囲内(許容範囲内)となっている。また、このNOx制約は、等制約値熱発生率特性線の傾きによって制約が規定されるものであり、図17に示す等制約値熱発生率特性線よりも傾斜角度が大きい熱発生率波形の場合には制約を満たさないことになる。従って、この図17に示す熱発生率波形では、NOx制約を満たしていないことになる(図中の熱発生率波形の傾斜角度(dQ_limit2_cal)が等制約値熱発生率特性線(dQ_limit2_rq)の傾斜角度よりも大きくなっている)。
一方、CN制約は、その等制約値熱発生率特性線よりも低熱発生率側が制約の範囲内(許容範囲内)となっている。また、このCN制約は、熱発生率波形の最大値によって制約が規定されるものである。従って、この図17に示す熱発生率波形では、CN制約を満たしていることになる(図中の熱発生率波形の最大値(dQ_limit1_cal)が等制約値熱発生率特性線(dQ_limit1_rq)よりも低熱発生率側に位置している)。
このような場合に、本実施形態では、図18に示すように、着火時期を遅角側に移行させていき、上記NOx制約を満たすために着火時期の適合点を求めるようにしている。具体的に、熱発生率波形を遅角側に移行させると、上記NOx制約に係る等制約値熱発生率特性線(dQ_limit2_rq)の傾きが大きくなり(着火が遅角したことで、燃焼速度が高くてもNOx排出量が抑えられることになるため、許容される等制約値熱発生率特性線の傾きが大きくなり)、熱発生率波形が、この等制約値熱発生率特性線に対して制約を許容する側に移行することになる。これにより、熱発生率波形の傾斜角度がNOx制約の傾斜角度よりも小さくなることでNOx制約が満たされることになる。このように、熱発生率波形の傾斜角度がNOx制約の傾斜角度よりも小さくなるまで、着火時期を遅角側に移行させていくことで着火時期の適合点を求めるようにしている。
この着火時期を遅角側に移行させるための具体的な動作としては、燃料噴射タイミングや燃料噴射圧力の調整操作等が挙げられる。尚、着火時期を遅角側に移行することに伴って燃焼効率が低下するため、燃料噴射量としては増量補正している。
このように、本実施形態では、着火時期を補正することによって複数の制約を満たしながらも要求図示トルクを確保することができ、燃焼室3内での燃焼の最適化を図ることが可能である。
−他の実施形態−
以上説明した各実施形態は自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車以外に搭載されるディーゼルエンジンにも適用可能である。また、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンに対しても本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態では、要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)に対する補正値(ddQ_tq_cal)を、制約値熱発生率特性値(dQ_limit_cal)から要求等制約値熱発生率特性値(dQ_limit_rq)を減算した値を変数とする関数(func6)により算出するようにしていた。本発明はこれに限らず、予め設定された補正値(固定値)を用いて要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を変更していくようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、実験やシミュレーションによって要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を算出し、それに応じた機関操作量の指示値を求めるようにし、それを制御マップに書き込むようにしていた。本発明はこれに限らず、上記実施形態のアルゴリズムを実車に搭載し、車両が走行しながら上記要求図示トルク熱発生率特性値(dQ_tq_cal)を算出し、それに応じた機関操作量で各種アクチュエータの制御を行うものに対しても適用が可能である。
本発明は、自動車に搭載されるコモンレール式筒内直噴型多気筒ディーゼルエンジンにおいて、各種の特性や制約を所定の目標範囲内とする最適な適合点を求めて燃焼室内での燃焼の最適化を図る制御に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
13 ピストン
23 インジェクタ(燃料噴射弁)
3 燃焼室

Claims (11)

  1. 内燃機関の燃焼室内における燃焼状態を制御する燃焼制御装置において、
    上記燃焼室内における燃焼に伴う熱発生率の波形を特定するための熱発生率特性値を規定する熱発生率特性値規定手段と、
    上記燃焼室内における燃焼の開始時点を熱発生率の波形上において特定するための着火時期熱発生率特性値を規定する着火時期熱発生率特性値規定手段と、
    要求される所定の制約を熱発生率の波形上において特定するための要求制約値熱発生率特性値を規定する要求制約値熱発生率特性値規定手段と、
    上記着火時期熱発生率特性値規定手段によって熱発生率波形上の着火時期熱発生率特性値を規定した状態で、上記熱発生率特性値規定手段により規定される熱発生率特性値が、上記要求制約値熱発生率特性値規定手段により規定される要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となるように上記熱発生率特性値を調整する熱発生率特性値調整手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記熱発生率特性値規定手段は、内燃機関要求トルク及び内燃機関要求回転数に基づき、熱発生率の波形を特定するための熱発生率特性値を規定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記熱発生率特性値規定手段は、熱発生率波形の最大値を熱発生率特性値として規定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 請求項1または2記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記熱発生率特性値規定手段は、熱発生率波形の燃焼重心位置を熱発生率特性値として規定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記着火時期熱発生率特性値規定手段は、燃料噴射弁からの燃料噴射後、燃焼室内での熱発生率が所定値に達した時点を着火時期熱発生率特性値として規定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  6. 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記着火時期熱発生率特性値規定手段は、ピストンの圧縮上死点に対応するクランク角度位置を着火時期熱発生率特性値として規定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  7. 請求項1〜6のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記要求制約値熱発生率特性値規定手段は、熱発生率波形の最大値を要求制約値熱発生率特性値として規定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  8. 請求項1〜7のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記熱発生率特性値規定手段は、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射圧を変化させていくことにより、要求トルクが得られる複数の熱発生率特性値を取得するようになっており、
    上記熱発生率特性値調整手段は、上記取得された熱発生率特性値のうちの一つを初期値とし、この熱発生率特性値を変更していくことにより、上記要求制約値熱発生率特性値規定手段により規定される要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となる熱発生率特性値を求めるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  9. 請求項1〜8のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記要求制約値熱発生率特性値規定手段は、燃料噴射弁からの燃料噴射量を変化させていくことにより、それぞれの熱発生率波形における最大値を要求制約値熱発生率特性値として取得し、これら要求制約値熱発生率特性値に基づいて内燃機関制約に関する制約の範囲を規定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  10. 請求項1〜9のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記熱発生率特性値調整手段は、上記要求制約値熱発生率特性値規定手段により規定される要求制約値熱発生率特性値に基づいて設定される制約の範囲内となる熱発生率特性値が複数存在する場合には、そのうち最もピストンの圧縮上死点に近い熱発生率特性値を実行熱発生率特性値として取得するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  11. 請求項1〜10のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    上記熱発生率特性値調整手段により要求制約値熱発生率特性値の制約の範囲内となるように調整された熱発生率特性値が得られる熱発生率波形で燃焼室内での燃焼が行われるように、燃料噴射系のアクチュエータが駆動される構成とされていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
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