JP2011220140A - 流体輸送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本体ユニットとカートリッジユニットとが着脱可能な流体輸送装置を実現する。
【解決手段】流体輸送装置1は、カム70と、カム70を回転するカム駆動手段13と、を有する本体ユニット10と、弾性を有するチューブ40とフィンガー51〜57とを有し、本体ユニット10に装着すると、フィンガー51〜57がチューブ40を閉塞可能な状態となるカートリッジユニット20と、が備えられている。カートリッジユニット20を本体ユニット10へ装着する過程において、カム70及びフィンガー51〜57に通常駆動範囲よりも大きい過負荷が発生した場合に、カム70またはカム駆動手段13のいずれかに前記過負荷を吸収する回転滑り機構が備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、チューブを押圧して流体を輸送する技術に関する。
流体を輸送する装置として、チューブを押圧部材で押圧する方式のポンプ(チューブポンプと呼称されることがある)が用いられている。チューブポンプは、弾性材料で形成されたチューブと、チューブを押圧してチューブの少なくとも一箇所を閉塞させる押圧部材とを有して構成され、ステップモーター等の駆動手段によって回転するローターに、チューブを押える押圧部材としてのローラーが取り付けられたものが用いられる。ローターの回転によってローラーが移動すると、チューブの閉塞箇所も移動していくので、チューブ内の流体が下流側に押し出されるとともに、ローラーが通過した後はチューブの復元力によって上流側から流体が吸い込まれるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
このようなチューブポンプは、低速で安定した流体輸送が可能であることから、例えば、規定量の薬液の投与といった高い輸送精度が求められる医療分野に適している。
特開平2−280763号公報
特許文献1によるチューブポンプは、ステップモーターと出力ギヤ機構と制御回路を含むモーターモジュールと、チューブとローラーを含むポンプモジュールとを重ねて装着して、連結機構を用いて両者を結合して駆動する。ポンプモジュールとモーターモジュールとを装着する前のポンプモジュールの状態では、チューブがローラーで長時間閉塞されていることがあるため、チューブの復元力が劣化し、吐出精度が低下するという課題を有している。
そこで、ポンプモジュール単体の状態では、ローラー(押圧部材)がチューブを押圧しないようにしておき、モーターモジュールとチューブモジュールとを装着したときにローラー(押圧部材)がチューブを押圧可能な状態となるように構成される流体輸送装置が考えられる。
しかし、このような構成では、モーターモジュールとチューブモジュールとを装着する過程で、モーターモジュールとチューブモジュールとの連結部が干渉して通常駆動時よりも大きな過負荷が発生し、連結部やそれらの保持部材が変形してしまうことや、破壊されることが考えられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る流体輸送装置は、弾性を有するチューブを、押圧部材を用いて押圧することにより前記チューブの少なくとも一箇所を閉塞させ、閉塞箇所を移動させることによって、前記チューブ内の流体を輸送する流体輸送装置であって、回転しながら前記押圧部材を押動するカムと、前記カムを回転するカム駆動手段と、を有する本体ユニットと、前記チューブと前記押圧部材とを有し、前記本体ユニットに装着すると、前記押圧部材が前記チューブを閉塞可能な状態となるカートリッジユニットと、が備えられ、前記カートリッジユニットを前記本体ユニットへ装着する過程において、前記カム及び前記押圧部材に通常駆動範囲よりも大きい過負荷が発生した場合に、前記カムまたは前記カム駆動手段のいずれかに前記過負荷を吸収する回転滑り機構が備えられていることを特徴とする。
本適用例によれば、カムまたはカム駆動手段のいずれかに回転滑り機構を設けることにより、本体ユニットとカートリッジユニットとの連結部であるカム駆動手段や押圧部材に通常駆動範囲よりも大きい過負荷が発生した場合に、回転滑り機構が空転してこれらの構成部品に過大な負荷を与えないことからカム駆動手段や押圧部材、及びそれらの保持部材が変形されることや、破壊されることを防止できる。また、カートリッジユニットと本体ユニットとの装着時に、上記過負荷によって所定の位置に装着できなくなることを防止できる。
[適用例2]上記適用例に係る流体輸送装置は、前記回転滑り機構が、通常駆動範囲の負荷より大きい固定トルクを有し、前記過負荷よりも小さい固定トルクを有していることが好ましい。
このようにすれば、流体輸送装置を通常駆動するときには回転滑り機構は空転することなく固定されており流体輸送を行うことができ、本体ユニットとカートリッジユニットとを装着する過程で過負荷が発生した場合には回転滑り機構が空転することで、上記構成部品の変形や破壊を防止することができる。
[適用例3]上記適用例に係る流体輸送装置は、前記回転滑り機構が、前記カム駆動手段から前記カムに至る回転伝達部材のうちの軸部材と、前記軸部材に対して回転可能に装着される回転部材と、前記回転部材を前記軸部材の軸方向に押圧するバネ部材と、を有していることが好ましい。
ここで、回転部材とは、例えば回転伝達を行う歯車や回転されるカムである。
回転伝達部材を構成する要素は、軸部材と上記回転部材であって、回転部材を軸部材に対してバネ部材の弾性力を用いて付勢することで回転部材の両者の摩擦力による固定トルクが発生する。そして、本体ユニットとカートリッジユニットとを装着する過程で過負荷が発生した場合には回転滑り機構がスリップし空転する。よって、簡単な構成で、上記適用例の目的を実現できる。
[適用例4]上記適用例に係る流体輸送装置は、前記回転滑り機構が、前記カム駆動手段から前記カムに至る回転伝達部材のうちの軸部材と、前記軸部材に回転可能に装着されると共に、前記軸部材の側面を押圧する複数の弾性アームが形成された回転部材と、を有していることが望ましい。
このような構成では、軸部材に対する回転部材の固定トルクは、弾性アームの側圧に伴う摩擦力で律することが可能で、上述したようなバネ部材が不要となり、より一層、構成を簡単にすることができる。
実施形態1に係る流体輸送装置の概略構成を説明する斜視図。 実施形態1に係る流体輸送装置を示す断面図。 実施形態1に係るカム駆動手段を示す断面図。 実施形態1に係る流体輸送作用を示す説明図。 実施形態1に係る本体ユニットにカートリッジユニットを装着するときの第1の状態を示す部分平面図。 実施形態1に係る本体ユニットにカートリッジユニットを装着するときの第2の状態を示す部分平面図。 実施形態1に係るカム及びフィンガーにかかる負荷について説明する説明図。 実施形態2に係る回転滑り機構の一部を示す平面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る流体輸送装置の概略構成を説明する斜視図、図2は、流体輸送装置を示す断面図である。図1において、流体輸送装置1は、カム70とカム駆動手段13を含む本体ユニット10と、チューブ40と押圧部材としてのフィンガー51〜57とを含むカートリッジユニット20と、本体ユニット10とカートリッジユニット20とを装着した後に両者を固定する蓋ユニット30と、から構成されている。
本体ユニット10には、カム70及びカム駆動手段13が、上ケース14及び下ケース15からなる筐体11の内部に収容されており、筐体11には、カム駆動手段13の上部からカートリッジユニット20側端部にかけて空間12が形成されている。
カートリッジユニット20は、薬液等の流体を収容するリザーバー80(図2、参照)を収納するリザーバー収納部21と、チューブ閉塞機構部22と、を有しており、チューブ閉塞機構部22は、弾性を有するチューブ40と、チューブ40を押圧して閉塞する押圧部材としてのフィンガー51〜57とを有している。フィンガー51〜57は、第1チューブ枠23に形成された溝内に装着され、第2チューブ枠24(図2、参照)によって軸方向に進退可能に上部方向を保持されている。
図2に示すように、流体を収容するリザーバー80は、第2チューブ枠24に形成された凹形状のリザーバー形成部25と、リザーバーシート81とから構成され、リザーバーシート81の縁部82はリザーバー形成部25の周縁部に密着固定されている。
リザーバーシート81は弾性を有しており、流体注入前ではリザーバー形成部25の底面に沿った形状であって、流体を内部に注入することで図示するように膨らむ。リザーバーシート81は、流体が注入された状態で、第1チューブ枠23と第2チューブ枠24との間に形成される空間27内の範囲で膨らむことが可能である。
なお、リザーバー形成部25には、流体注入部材(例えば、セプタム:図示せず)が設けられており、流体を注入できるように構成されている。
チューブ40は、図1に示すように上流側に流入口部41、下流側に吐出口部42を有している。流入口部41は、リザーバー80から流体を供給する流路(図示せず)と接続され、吐出口部42は、吐出管43に接続されている。図示は省略するが、リザーバー80と流入口部41とを接続する流路は、チューブ40を保持する第1チューブ枠23と第2チューブ枠24とで構成されている。
なお、カートリッジユニット20が単体の状態では、フィンガー51〜57は押圧されていないフリー状態であるため、チューブ40の弾性力(復元力)で本体ユニット10側に位置しているため、チューブ40は閉塞されていない。
続いて、本体ユニット10とカートリッジユニット20との装着方法について図1、図2を参照して説明する。まず、カートリッジユニット20を、本体ユニット10の空間12内に、矢印A方向にスライド装着する。カートリッジユニット20は、この空間12内に全体が収納される。チューブ閉塞機構部22は、カム駆動手段13の上部まで移動し、フィンガー51〜57のいくつかがカム70に当接し、チューブ40を閉塞する位置に達する。この際、吐出管43の先端部は、筐体11の外部に突出する。
本体ユニット10にカートリッジユニット20を装着した後、蓋ユニット30を用いて本体ユニット10とカートリッジユニット20とを、それぞれの基準となる端面を矢印B方向から押さえバネ34で押圧しながら固定する。
蓋ユニット30は、蓋部材31と、蓋部材31に回動可能に植立された着脱操作軸32と、着脱操作軸32と共に回動可能な固定部材33(図2、参照)と、着脱操作軸32とは遊勘の関係にある押さえバネ34と、を有する。
次に、蓋ユニット30による本体ユニット10とカートリッジユニット20との固定方法について、図2を参照して説明する。本体ユニット10にカートリッジユニット20を装着した後、本体ユニット10とカートリッジユニット20とを蓋ユニット30で固定する。ここで、着脱操作軸32を一方方向に90度回転すると、固定部材33の両先端部が、上ケース14に形成された溝14aと、下ケース15に形成された溝15aと係合し、蓋部材31を上ケース14及び下ケース15の端面に固定する。固定部材33は板バネであって、板バネの弾性力で蓋部材31は、上ケース14及び下ケース15の端面に強く密接される。
この際、押さえバネ34は、カートリッジユニット20を本体ユニット10に押圧し、両者はそれぞれの基準面で密接される。このような状態において、フィンガー51〜57の幾つかの端部がカム70のカム面(側面)に当接し、他方の端部がチューブ40を第1チューブ枠23に形成されたチューブ規制壁23aに向かって押圧してチューブ40を閉塞し、フィンガー51〜57の他の幾つかはチューブ40を開放する。つまり、流体を輸送可能な状態となる。
また、着脱操作軸32を他の方向に90度回転、または、固定位置からさらに90度回転すると、固定部材33の両先端部は、上ケース14に形成された溝14aと、下ケース15に形成された溝15aとの係合が解除され、本体ユニット10からカートリッジユニット20を取り外すことができる。
次に、カム駆動手段13の構成及び流体輸送作用について図面を参照して説明する。まず、図3を参照してカム駆動手段13の構成を説明する。
図3は、カム駆動手段を示す断面図である。カム駆動手段13は、駆動源である振動体130と、振動体130により回転される回転伝達部材としてのローター車100と、ローター車100の回転を伝達する伝達車110と、伝達車110によって回転されるカム車60とを有している。
振動体130の構成及び駆動作用は、特開2003−35281号公報(図3、図4、参照)に記載の振動体を用いることができるので説明を省略する。
ローター車100は、小歯車102が形成されたローター車軸101と、ローター車軸101に固定されたローター103とから形成され、第1機枠16と第2機枠17との間で回転可能に支持されている。
伝達車110は、小歯車113が形成された伝達車軸112と、伝達車軸112に固定された伝達歯車111とから構成され、第1機枠16と第2機枠17との間で回転可能に支持されている。伝達歯車111は、ローター車100の小歯車102と歯合している。
カム車60は、カム軸61と、カム軸61に固定されるカム70と、カム軸61に回転可能に装着されるカム歯車62と、カム歯車62をカム軸61に形成された鍔部61aに押圧するバネ部材としての椀状のスリップバネ65と、スリップバネ65の軸方向位置を固定する固定座金66とから構成されている。カム歯車62は伝達車110の小歯車113と歯合している。カム車60は、第1機枠16と第2機枠17との間に回転可能に保持されており、回転摩擦負荷を減らすために、軸受としてボールベアリング90を用いている。
スリップバネ65は、その弾性力でカム歯車62を鍔部61aに押圧し、カム軸61に対してカム歯車62が所定の固定トルクを有する。つまり、カム歯車62は、通常の流体輸送時における最大負荷トルク以下では単独では回転せず、カム軸61と一体で回転し、フィンガー51〜57をチューブ40に向かって押動する。また、カム歯車62は、通常駆動時に必要な固定トルクよりも大きいある一定の回転トルク以上ではスリップし、カム軸61に対して単独で回転する。よって、本実施形態では、回転滑り機構はカム車60に含まれる。
なお、本体ユニット10には、図示は省略するが、振動体130を駆動するための制御回路や、電源としての小型電池が備えられている。
続いて、流体輸送装置の流体輸送作用について図3、図4を参照して説明する。
図4は、流体輸送作用を示す説明図である。また、図4は、流体輸送装置1を駆動している途中の一状態を例示している。振動体130は楕円運動によりローター車100を一定方向に回転し、伝達車110を介してカム車60を反時計回りに所定の回転速度で回転させる。カム歯車62は、カム軸61に対して共に回転可能な固定トルクを有しているので、カム70もカム歯車62と一体で回転する。
カム70は、回転中心Pを回転軸として反時計回り方向に一定の速度で回転する。図4の状態では、フィンガー51がカム70の頂部71により押動されチューブ40をチューブ規制壁23aの間で閉塞する。フィンガー53,54は、カム70の押動部72にあるためチューブ40に向かって押動されているが、チューブ40を完全には閉塞していない。
また、フィンガー55,56は、カム70の解除部73にあるためチューブ40の復元力でカム70側に押されているのでチューブ40は開放されている。フィンガー52は頂部71にかかる直前の状態で、まだチューブ40を完全には閉塞していない。フィンガー57は、カム70の頂部74から落下部75にかかる直前の状態で、チューブ40を閉塞している。チューブ40のフィンガーにより閉塞されていない流路には流体が入り込んでいる。
さらにカム70を反時計回りに回転させると、フィンガー51,57は、それぞれ落下部76,75を解除部73の位置までチューブ40の弾性力で戻されチューブ40を開放する。フィンガー52は頂部71に乗り上げてチューブ40を閉塞する。このようにして、カム70は、フィンガー51〜57を上流側から下流側に向かってチューブ40の少なくとも一箇所閉塞し、この閉塞箇所を上流側から下流側に移動させる。つまり、これらフィンガー51〜57の蠕動運動により流体をカム70の回転方向に輸送し、吐出口部42から吐出する。なお、カム駆動中ではフィンガー51〜57のうち少なくとも一つ、好ましくは二つが、チューブ40を常時閉塞するように構成されている。なお、このように流体を輸送する装置をチューブポンプということがある。
次に、本体ユニット10にカートリッジユニット20を装着する過程における本体ユニット10とカートリッジユニット20との連結部であるカム70とフィンガー51〜57との関係について図面を参照して説明する。
図5は、本体ユニットにカートリッジユニットを装着するときの第1の状態を示す部分平面図である。第1の状態は、本体ユニット10の基準面17aと、カートリッジユニット20の基準面23bとの間に隙間がある状態である。この第1の状態では、カム70がフィンガー51〜57とは、接触した状態及び接触していない。よって、各フィンガーはチューブ40に接触しているだけで、各フィンガー及びカム70には負荷は発生していない。さらに、カートリッジユニット20を本体ユニット10に押し込んだ状態について説明する。
図6は、本体ユニットにカートリッジユニットを装着するときの第2の状態を示す部分平面図である。第2の状態は、第1の状態からさらにカートリッジユニット20を押し込んだ状態であって、本体ユニット10の基準面17aと、カートリッジユニット20の基準面23bとの間には、第1の状態よりも小さいが、隙間がある状態である。
この状態では、カム70の頂部74がフィンガー56,57を押動し、チューブ40を押圧し始めた状態であって、チューブ40を完全には閉塞していない。フィンガー52〜55は、カム70から離れており、チューブ40を閉塞はしていない。また、フィンガー51はチューブ40を僅かに押圧し始めた状態である。
従って、フィンガー56,57とカム70には、チューブ40を押圧した分の負荷がかかっている。しかし、この負荷は、通常の流体輸送駆動の一状態であるため、このときに発生する最大負荷は、通常駆動時の負荷よりも小さいため、カム70はカム軸61に対して回転しない。また、各フィンガーや各フィンガーを保持する第1チューブ枠23には、変形、破壊等は発生しない。
次に、本体ユニット10にカートリッジユニット20を、上記第2の状態から所定の装着状態に至る第3の状態について図面を参照して説明する。第3の状態は、装着過程においてカム70やフィンガーに最も負荷がかかる状態であって、本体ユニット10の基準面17aとカートリッジユニット20の基準面23bが密接した状態である。なお、本体ユニット10にカートリッジユニット20を装着する際、カム70の回転方向位置は特定されないため、負荷が最も大きい位置を想定して、カム70及びフィンガーにかかる負荷について図面を参照して説明する。
図7は、カム及びフィンガーにかかる負荷について説明する説明図である。なお、この状態で最も負荷が大きくなる一状態についてフィンガー55を例示して説明する。他のフィンガーは図示を簡略化している。この状態では、フィンガー56,57がカム70の頂部74により押動されてチューブ40を閉塞しており、他のフィンガーは、チューブ40を開放している。各フィンガーは、本体ユニット10にカートリッジユニット20を装着した状態で、カム70の回転中心Pから放射状に等間隔で進退可能に配置されている。従って、フィンガー56,57が、チューブ40を押圧する力(チューブ40の弾性力に相当する力)は、カム70の回転中心Pに向かって発生する。これは、通常駆動時において存在する状態の負荷の範囲内であるため問題はない。
フィンガー55は、落下部75の斜面にかかっており、チューブ40を押圧している。この際、カム70には、カートリッジユニット20を押し込む方向の力Fが発生する。この力Fは、チューブ40が閉塞されたときの最大弾性力の範囲と考えられ、この力Fは、落下部75の斜面に沿う力f1と、力f1に垂直な力f2とに分力される。この力f2は、フィンガー55の先端にかかる力f3と同じである。つまり、このとき、カム70には力f2が、フィンガー55には力f3がかかることになる。
力f2は、カム70を反時計回り方向に回転させようとする力であって、回転中心Pから落下部75とフィンガー55の接点までの距離をL0とすると、f2×L0が、押し込み負荷によるカム70の回転トルクである。
また、フィンガー55の第1チューブ枠23で保持されている軸方向長さをL1、落下部75とフィンガー55の接点から第1チューブ枠23のフィンガー保持壁の端部23dまでの距離をL2とすると、第1チューブ枠23とフィンガー55との接触端部23cにかかる力f4は、f4=f3×L2/L1と考えられる。
本実施形態では、第1チューブ枠23はプラスチック製であって、接触端部23cにかかる力f4が大きい場合、許容強度を超えることがある。そのような場合には、接触端部23cがつぶれ、その結果、第1チューブ枠23のフィンガー案内部23eに部分的な膨らみ発生することがある。このような場合、フィンガー55の進退駆動が妨げられることになる。
そこで、本実施形態ではカム車60に回転滑り機構を設けている。本実施形態の回転滑り機構は、前述したように(図3、参照)、カム歯車62とスリップバネ65とで構成されており、通常駆動時には、カム歯車62のカム軸61との固定トルクは、カム70が各フィンガーによりチューブ40を閉塞するのに必要な大きさを有している。そして、本体ユニット10にカートリッジユニット20を装着する際に、接触端部23cがつぶれるような過負荷がかかったときには、カム軸61に固定されているカム70がカム歯車62に対して回転される。つまり、カム70が空転する。なお、カム歯車62は、前段の伝達車110に歯合しているため、伝達車110とローター車100とがブレーキとなって回転しないように、また、過負荷による回転トルクで破壊されない強度を有するよう設計されている。
本実施形態では、本体ユニット10とカートリッジユニット20とを分離可能な構成としている。これは、構成要素が多くコストが高い本体ユニット10は繰り返し使用とし、コストが低いカートリッジユニット20を使い捨て使用とすることでランニングコストを低減している。また、流体が薬液の場合には、カートリッジユニット20を一回の薬液投与毎にカートリッジユニット20を交換することが安全面から求められる。
さらに、本体ユニット10とカートリッジユニット20は一体構成とすることが可能であるが、このような構成では、チューブ40がフィンガー51〜57によって長時間閉塞されることがあるため、チューブ40の復元力が劣化し、吐出精度が低下するという課題がある。よって、本体ユニット10とカートリッジユニット20とを着脱可能にすることで、カートリッジユニット20が単体のときには、チューブ40を開放状態にすることで、吐出精度を維持できるようにしている。
このように、本体ユニット10とカートリッジユニット20とを着脱可能な構成の場合、本体ユニット10にカートリッジユニット20を装着する際に通常駆動時よりも大きな負荷が発生することがある。そこで、カム車60に回転滑り機構を設けることにより、本体ユニット10とカートリッジユニット20との連結部であるカム70やフィンガー51〜57に通常駆動範囲よりも大きい過負荷が発生した場合に、カム70がカム歯車62に対して空転して、カム70、各フィンガー及びフィンガーを保持する第1チューブ枠23に過大な負荷を与えないことから、これら構成部品が変形されることや、破壊されることを防止できる。また、本体ユニット10とカートリッジユニット20との装着時に、上記過負荷によって所定の位置に装着できなくなることを防止できる。
また、回転滑り機構が、カム軸61に回転可能に装着されるカム歯車62をカム軸61の軸方向に押圧するスリップバネ65と、を有し、カム歯車62をカム軸61に対してスリップバネ65の弾性力を用いて付勢する構造である。よって、部品数が少なく簡単な構成で、本体ユニット10とカートリッジユニット20の装着を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、カム70とカム歯車62との間に回転滑り機構を設けているが、カム70またはカム駆動手段13のいずれかに過負荷を吸収する回転滑り機構を設けることができる。例えば、カム70とカム軸61との間にスリップバネを設ける構造とし、過負荷の場合に、カム軸61に対してカム70をスリップさせる構成としてもよい。
また、伝達車110またはローター車100に実施形態1と同様なスリップバネを設けて回転滑り機構とする構造としてもよく、両方に回転滑り機構を設ける構成としてもよい。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る流体輸送装置について図面を参照して説明する。前述した実施形態1は、回転滑り機構としてスリップバネを用いる構成であるが、実施形態2は、スリップバネを用いずに、カム歯車自身が弾性部を有していることを特徴としている。
図8は、実施形態2に係る回転滑り機構の一部を示す平面図である。本実施形態の回転滑り機構は、カム車60に設けられている。
カム車60は、カム70とカム軸61とカム歯車120とによって構成され、カム70とカム軸61とは実施形態1(図3、参照)と同じであって、カム歯車120には2本の弾性アーム122,123が形成されている。弾性アーム122,123は、装着孔部121から平行に形成されている。装着孔部121の内径は、カム軸61の外径よりも小さく、カム軸61に装着したときに弾性アーム122,123の弾性力でカム軸61の側面を押圧する。
カム歯車120をカム軸61に装着しときに、カム歯車120のカム軸61に対して一定の固定トルクを有するように寸法設定されている。ここで、この固定トルクは、実施形態1で説明したように、通常駆動時には回転せず、過負荷が発生したときには、カム歯車120に対してカム70が固定されたカム軸61がスリップして空転する大きさである。
このような構成では、カム歯車120に対するカム軸61の固定トルクは、弾性アーム122,123の幅、長さ、厚さ、装着孔部121とカム軸61との締代によって律することが可能で、前述した実施形態1において用いたスリップバネ65が不要となり、構成をより一層簡単にすることができる。
なお、本実施形態では、カム歯車120の弾性アーム122,123を設けて回転滑り機構としたが、カム70自身に弾性アームを設ける構成、または伝達歯車111、またはローター103に弾性アームを設ける構成としてもよい。
1…流体輸送装置、10…本体ユニット、13…カム駆動手段、20…カートリッジユニット、40…チューブ、51〜57…フィンガー、70…カム。

Claims (4)

  1. 弾性を有するチューブを、押圧部材を用いて押圧することにより前記チューブの少なくとも一箇所を閉塞させ、閉塞箇所を移動させることによって、前記チューブ内の流体を輸送する流体輸送装置であって、
    回転しながら前記押圧部材を押動するカムと、前記カムを回転するカム駆動手段と、を有する本体ユニットと、
    前記チューブと前記押圧部材とを有し、前記本体ユニットに装着すると、前記押圧部材が前記チューブを閉塞可能な状態となるカートリッジユニットと、
    が備えられ、
    前記カートリッジユニットを前記本体ユニットへ装着する過程において、前記カム及び前記押圧部材に通常駆動範囲よりも大きい過負荷が発生した場合に、前記カムまたは前記カム駆動手段のいずれかに前記過負荷を吸収する回転滑り機構が備えられていることを特徴とする流体輸送装置。
  2. 請求項1に記載の流体輸送装置において、
    前記回転滑り機構が、通常駆動範囲の負荷より大きい固定トルクを有し、前記過負荷よりも小さい固定トルクを有していることを特徴とする流体輸送装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体輸送装置において、
    前記回転滑り機構が、前記カム駆動手段から前記カムに至る回転伝達部材のうちの軸部材と、前記軸部材に対して回転可能に装着される回転部材と、前記回転部材を前記軸部材の軸方向に押圧するバネ部材と、を有していることを特徴とする流体輸送装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の流体輸送装置において、
    前記回転滑り機構が、前記カム駆動手段から前記カムに至る回転伝達部材のうちの軸部材と、前記軸部材に回転可能に装着されると共に、前記軸部材の側面を押圧する複数の弾性アームが形成された回転部材と、を有していることを特徴とする流体輸送装置。
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