JP2011219741A - 顔料分散液、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、並びに液晶表示装置及び有機elディスプレイ - Google Patents
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Abstract
Description
近年、技術革新の流れは急速であり、カラーフィルタに対しては、より高透過率(以下、「輝度」と称することもある。)・高コントラスト、且つ高色濃度が要求されるようになった。カラーフィルタの色を決める色材としては、耐熱性、耐光性等の観点から一般には顔料が用いられる。顔料としては、可視光波長領域における固有の透過吸収スペクトルが、バックライトの蛍光体発光スペクトルと合致するものが好適に用いられている。又、高コントラスト、高輝度のカラーフィルタを製造するには、高い透過率を有する顔料を高度に微粒化し、更に顔料の粒度分布を粒子サイズの小さい領域で狭く制御して分散する必要があり、顔料粒径の制御技術も急速に発展している。
しかしながら、一般的に顔料は配向性が高く、外部からのエネルギーで再配向することにより容易に結晶化してしまう。従って、微粒化工程にて粒子径を小さくする目的でエネルギーを加えれば加えるほど、磨砕及び熱等のエネルギーにより顔料の結晶転移が起こりやすくなる。又、カラーフィルタ製造工程での焼成においても同様な結晶転移が容易に起こる。
こうした問題を解決するために、例えば、特許文献1、2、3では顔料分散液を調製する際に、ジケトピロロピロール系顔料に、スルホ基やその塩を導入したジケトピロロピロール系顔料誘導体を混ぜることが示されており、実施例ではC.I.ピグメントレッド254(以下、「PR254」と称することがある。)に、スルホ基を導入したC.I.ピ
グメントレッド254が併用されている。
上記顔料誘導体は、母骨格に顔料を適用しているので、顔料との親和性が高く顔料表面に吸着しやすいという利点がある。この様な顔料誘導体を微粒化及び分散時に添加した際、顔料に容易に吸着することができ、又、顔料誘導体に導入されたスルホ基やその塩の立体反発により顔料由来の高い配向性が阻害され、顔料の結晶成長を抑制できると考えられる。又、上記顔料誘導体は、導入されたスルホ基もしくはその塩の静電反発及び分散剤などとの相互作用により、分散安定性の向上にも一定の効果がある。
(1)近年の高度に微粒化された顔料を、顔料自身の輝度を下げることなく、少量の添加量で効率よく安定に分散でき、その結果、高輝度・高コントラスト且つ高色濃度のカラーフィルタを製造し得る顔料分散液及び着色樹脂組成物を提供すること。
(2)上記着色樹脂組成物を用いた高輝度・高コントラスト且つ高色濃度、高品質のカラーフィルタを提供すること。
(1)(A)顔料、及び(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩を含有することを特徴とする顔料分散液。
(2)(A)顔料が、C.I.(カラーインデックス)ピグメントレッド177、ピグメントレッド242、ピグメントレッド254、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー180、ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36、及びピグメントグリーン58からなる群より選択された少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする前記(1)に記載の顔料分散液。
(3)(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩の含有量が、(A)顔料100重量部に対し、0.01〜60重量部であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の顔料分散液。
(4)(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩が、モノアゾ化合物、ビスアゾ化合物、又はジアゾアミノ化合物のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の顔料分散液。
(5)(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩が、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の顔料分散液。
一般式(2)におけるR22は、置換基を有していてもよい芳香族基、下記一般式(3)〜(5)で表される構造を示す。nは0又は1を表す。
上記一般式(5)におけるR5は前記一般式(3)中のR1、R2、及び前記一般式(4)中のR3、R4と同義である。*は、一般式(2)中のアゾ基と結合する部位を示す。)
又、一般式(1)におけるXは直接結合もしくは下記構造式(1−1)〜(1−11)で表されるいずれかの連結基を示す。
構造式(1−3)中のR111は、水素原子、水酸基、又は−NA1A2(A1及びA2は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基を示す。)で表される基を示す。)
又、一般式(2)中のZは、直接結合、もしくは下記構造式(2−11)〜(2−13)で表されるいずれかの構造である(尚、下記構造式(2−11)〜(2−13)における*は、一般式(2)中のベンゼン環及びR22と結合する部位を示す。)
尚、一般式(1)及び(2)中のベンゼン環は、更に、ニトロ基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、スルホ基、スルホン酸塩の基、カルボキシ基、カルボン酸塩の基、フォスホ基、燐酸塩の基、並びに置換基を有していてもよい芳香族基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基を有していてもよい。
(6)更に(C)分散剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の顔料分散液。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の顔料分散液、及び(D)バインダ樹脂を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
(8)(A)顔料、(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩、及び(D)バインダ樹脂を含有し、(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩が、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
一般式(2)におけるR22は、置換基を有していてもよい芳香族基、下記一般式(3)で表される構造、下記一般式(4)で表される構造、又は下記一般式(5)で表される構造を示す。nは0又は1を表す。
基と結合する部位を示す。
上記一般式(5)におけるR5は前記一般式(3)中のR1、R2、及び前記一般式(4)中のR3、R4と同義である。*は、一般式(2)中のアゾ基と結合する部位を示す。)
又、一般式(1)におけるXは直接結合もしくは下記構造式(1−1)〜(1−11)で表されるいずれかの連結基を示す。
構造式(1−3)中のR111は、水素原子、水酸基、又は−NA1A2(A1及びA2は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してい
てもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基を示す。)で表される基を示す。)
又、一般式(2)中のZは、直接結合、もしくは下記構造式(2−11)〜(2−13)で表されるいずれかの構造である(尚、下記構造式(2−11)〜(2−13)における*は、一般式(2)中のベンゼン環及びR21と結合する部位を示す。)
尚、一般式(1)及び(2)中のベンゼン環は、更に、ニトロ基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、スルホ基、スルホン酸塩の基、カルボキシ基、カルボン酸塩の基、フォスホ基、燐酸塩の基、並びに置換基を有していてもよい芳香族基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基を有していてもよい。
(9)更に(C)分散剤を含有することを特徴とする前記(8)に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
(10)更に(E)重合性モノマーを含有することを特徴とする前記(7)〜(9)のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
(11)更に(F)光重合開始剤類及び/又は熱重合開始剤類を含有することを特徴とする前記(7)〜(10)のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
(12)前記(7)〜(11)のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を用いて作製された画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
(13)前記(12)に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。(14)前記(12)に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする有機ELディスプレイ。
ィルタの焼成工程において顔料の結晶転移を十分に抑制でき、なお且つ顔料自身の輝度(透過率)を下げることなく、少量の添加量で効率よく分散することができる。又、当該顔料分散液及当該着色樹脂組成物を使用することにより、高輝度・高コントラスト且つ高色濃度のカラーフィルタを製造し得、結果として高品質の液晶表示装置及び有機ELディスプレイを提供することができる。
尚、「(メタ)アクリル」等は「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一つ」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一つ」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一つ」を意味するものとする。
本発明において、特に断りの無い限り、重量平均分子量(Mw)とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<顔料分散液の構成成分>
以下に本発明の顔料分散液の各構成成分を説明する。本発明の顔料分散液は、(A)顔料及び(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩を必須成分とし、更に要すれば、これら成分以外の他の添加物、及び溶媒等が配合されていてもよい。
<(A)顔料>
本発明の顔料分散液は、(A)顔料を必須成分としており、発明の効果の点から、(A)顔料として、通常、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を使用することができる。
尚、本発明に使用できる顔料は、以下にその具体例をピグメントナンバーで示すが、これら例示によって限定されるものではない。
9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、242、254等である。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、並びに特開2005−325350号公報及び特開2007−25687号公報に記載の顔料等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、及び前記2公報記載の顔料等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180、及び前記2公報記載の顔料等である。
32、37、39、42、44、47、49、50等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23等である。
本発明に使用する(A)顔料としては、後述する(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩と併用する際、顔料分散液の色味の点からは、赤色又は黄色顔料が好ましく、主に水素結合により顔料化するジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料が好ましい。 ジケトピロロピロール系顔料としては、例えば前記ピグメントレッド254、ピグメントレッド255、ピグメントレッド264、及びピグメントレッド272が好ましい。
一方、前記一般式(1)で表される化合物は平面性も非常に高いため、分子間π―π相互作用も可能である。従って分子間π―π相互作用にて顔料化するもの、即ちピグメントレッド242、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー180、ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36が好ましい。
これらのうち、透過性が良好である点から、特にC.I.ピグメントレッド254、ピグメントイエロー138が最も好ましい。
尚、上記各種の顔料は、複数種を併用することもできる。例えば、色度の調整のために、(A)顔料として、赤色顔料と黄色顔料とを併用したり、緑色顔料と黄色顔料とを併用したりすることができる。
使用する(A)顔料の平均一次粒径を上記範囲とすることにより、消偏特性を良好に保ち、高いコントラストや透過率などを実現し、又、分散安定性が良好で、耐熱性や耐光性にも優れたカラーフィルタ画素形成用組成物を得ることができる。
先ず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。但し、有機顔料の場合は、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
本発明における(A)顔料の含有量は、固形分全量に対し、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下であり、又、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。
<(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩>
本発明の顔料分散液は、前記(A)顔料及び以下に説明する(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩(以下、「(B)成分」と称することがある。)を含有することを特徴とする。
又、水溶性染料とは、水への溶解を促進するために水酸基、酸性基、及び塩基性基のいずれかを有し、可視光波長領域において吸収スペクトルを有する化合物である。尚、本発明の(B)成分における水溶性染料は酸性基を有する。これらの多くは、カラーインデックスに収録されている。例えば2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[(4−ヒドロキシフェニル)アゾ]ベンゼンスルホン酸]二ナトリウム、2−[4−[[6−[[[[4−(アセチルアミノ)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]−1−ヒドロキシ−3−スルホ−2−ナフチル]アゾ]−3−スルホフェニル]−6−メチル−7−ベンゾチアゾールスルホン酸三ナトリウム、4−[[7−[(2,4−ジアミノフェニル)アゾ]−1−ヒドロキシ−3−スルホナフタレン−2−イル]アゾ]−4’−[(4−ヒドロキシフェニル)アゾ][1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジスルホン酸トリナトリウム等の化合物等の化合物等が挙げられる。
また、アルカリ土類金属とは、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第2族から選ばれる金属をいう。
モノアゾ化合物としては、例えば、2’,2’’’−[アゾビス(4,1−フェニレン)]ビス(6−メチル−2,6’−ビベンゾチアゾール−7−スルホン酸カルシウム)、3,3’−[[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルビス(アゾ)]ビス[6−ヒドロキシ安息香酸カルシウム]、6−メチル−2’−[4−[2−オキソ−1−(フェニルアミノカルボニル)プロピルアゾ]フェニル]−2,6’−ビベンゾチアゾール−7−スルホン酸マグネシウム、5−[[4−[[6−[(4−アミノベンゾイル)アミノ]−1−ヒドロキシ−3−スルホ−2−ナフタレニル]アゾ]ベンゾイル]アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸バリウム、2−[4−[[6−[[[[4−(アセチルアミノ)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]−1−ヒドロキシ−3−スルホ−2−ナフチル]アゾ]−3−スルホフェニル]−6−メチル−7−ベンゾチアゾールスルホン酸カルシウム)−エトキシ−4−ヒドロキシ−3−[[4−(6−メチルベンゾチアゾール−2−イル)フェニル]アゾ]−2,7−ナフタレンジスルホン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明に用いる(B)成分は、π−π相互作用による顔料への吸着の強さ等といった観点から、下記一般式(1)で表される化合物を使用することが好ましい。
アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデカニル基、ドデカニル基など、炭素数1〜20の直鎖、分岐、又は環状アルキル基を挙げることができる。より好ましくメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基などの炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基である。
R1、R2、R3及びR4のいずれかは、前記アルキル基又はアルコキシ基であった場合、そのアルキル基が更に任意の置換基を有していてもよい。前記アルキル基又はアルコキシ基が更に有していてもよい任意の置換基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、スルホン酸塩の基、カルボン酸塩の基、フォスホ基、リン酸塩の基等が好ましい。
又、一般式(1)におけるXは直接結合もしくは下記構造式(1−1)〜(1−11)で表されるいずれかの連結基を示す。
構造式(1−3)中のR111は、水酸基、又は−NA1A2(A1及びA2は、前記R1、R2、R3及びR4と同義である。)で表される基を示す。R111は、より好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、フェニルアミノ基等である。尚、フェニルアミノ基中のフェニル部位につき更に任意の置換基を有していてもよい。
本発明に用いる(B)成分として上記一般式(1)で表される化合物を使用する場合、一般式(1)中のベンゼン環は、更に、ニトロ基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、スルホ基、スルホン酸塩の基、カルボキシ基、カルボン酸塩の基、フォスホ基、燐酸塩の基、並びに置換基を有していてもよい芳香族基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基を有していてもよい。係るアルキル基、アルコキシ基、及芳香族基は、例えば前記R1〜R4と同じ基等を挙げることができる。
尚、本発明において、(B)成分として上記一般式(1)で表される化合物を使用する場合、上記一般式(1)におけるR11及びR12、一般式(3)及び(4)におけるR1、R2、R3、R4、構造式(1−3)におけるR111、並びに上記一般式(1)におけるベンゼン環と結合する置換基のうち、少なくとも1つが酸性基のアルカリ土類金属塩の基であるか、酸性基のアルカリ土類金属塩の基を有する基である。
又、酸性基のアルカリ土類金属塩の基として、例えば、スルホン酸カルシウム、スルホン酸マグネシウム、スルホン酸バリウム、燐酸カルシウム、燐酸バリウム、カルボン酸カルシウム等が挙げられ、より好ましくは、スルホン酸カルシウム、又はカルボン酸カルシウム等である。
本発明の(B)成分として使用する上記一般式(1)で表される化合物の具体例を、以下に例示するが、これらに限定されるわけではない。
[一般式(2)で表される化合物]
ただ、(B)成分の(A)顔料との分子間水素結合による顔料表面への吸着性能を考慮すれば、R22は、前記一般式(3)で表される構造、前記一般式(4)で表される構造、又は下記一般式(5)で表される構造のいずれかであることが好ましい。より好ましくは、前記一般式(3)で表される構造もしくは下記一般式(5)で表される構造である。
又、一般式(2)におけるZは、直接結合、もしくは下記構造式(2−11)〜(2−13)で表されるいずれかの構造である(尚、下記構造式(2−11)〜(2−13)における*は、一般式(2)中のベンゼン環及びR21と結合する部位を示す。)。π−π相互作用による顔料への吸着性能を向上させる点から、Zは直接結合であることが好ましい。
上記一般式(2)におけるR21は、1つ以上の窒素原子が含まれる5又は6員複素環基を示すが、より具体的には、例えば、下記構造式(2−21)〜(2−33)で表される複素環基等を挙げることができる。より好ましくは、ベンゾチアゾリル基又はピリミジル基等である。
基を有していてもよい芳香族基からなる群より選択された少なくとも1つの基を有していてもよい。該アルキル基、アルコキシ基、及び芳香族基の具体例としては、例えば前記R1〜R5と同じ基等を挙げることができる。
尚、本発明において、(B)成分として上記一般式(2)で表される化合物を使用する場合、上記一般式(2)におけるR22、一般式(3)〜(5)におけるR1、R2、R3、R4、R5、並びに上記一般式(2)におけるベンゼン環と結合する置換基のうち、少なくとも1つが酸性基のアルカリ土類金属塩の基であるか、酸性基のアルカリ土類金属塩の基を有する基である。
又、酸性基のアルカリ土類金属塩の基については、例えば前記一般式(1)におけると同様の基等を挙げることができる。
本発明の(B)成分として使用する上記一般式(2)で表される化合物の具体例を、以下に例示するが、これらに限定されるわけではない。分散安定性及び顔料の結晶転移を効率的に抑制するなどの点から、より好ましくは下記構造式(2−101)で表される化合物、構造式(2−104)で表される化合物、構造式(2−105)で表される化合物、構造式(2−108)で表される化合物、構造式(2−112)で表される化合物、構造式(2−115)で表される化合物、構造式(2−117)で表される化合物、構造式(2−149)で表される化合物、構造式(2−150)で表される化合物、構造式(2−159)で表される化合物、及び構造式(2−160)で表される化合物である。
又、(B)成分の含有量は、(A)顔料100重量部に対し、通常、0.01重量部以上、1重量部以上、また通常90重量部以下、好ましくは60重量部以下、更に好ましく
は40重量部以下である。
上記範囲内であると、イオンの溶出がし難いため、電気特性への影響が小さく、また分散安定性及び顔料の結晶転移に十分な効果が得られる点で好ましい。
本発明の顔料分散液は、(C)分散剤を含有する。
該(C)分散剤としては、本発明の(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩を用いるのが好ましいが、その他の分散剤を含んでいてもよい。
その他の分散剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されないが、分散安定性の点から、(C−1)窒素原子を含有するグラフト共重合体(以下、(C−1)分散剤と称することがある。)、及び/又は(C−2)窒素原子を含有するアクリル系ブロック共重合体(以下、(C−2)分散剤と称することがある。)を含有することが好ましい。より好ましくは(C−2)分散剤である。
(C−1)窒素原子を含有するグラフト共重合体は、(C)顔料を極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は、明らかではないが、顔料と分散剤との吸着の障害となる部分(分子)が、顔料への吸着部周辺に配置することを、積極的に排斥し得る構造を有しているためと推察される。窒素原子を含有するグラフト共重合体としては、主鎖に窒素原子を含有する繰り返し単位を有するものが好ましい。中でも、下記一般式(I)で表される繰り返し単位、及び/又は下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
一般式(I)中、R51は、メチレン、エチレン、プロピレン等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜5のアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜3であり、更に好ましくはエチレン基である。Aは水素原子又は下記一般式(III)〜(V)のいずれかを表すが、好ましくは下記一般式(III)である。
(C−1)分散剤における一般式(I)又は(II)で表される繰り返し単位の含有率は、高い方が好ましく、合計で通常50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。一般式(I)で表される繰り返し単位と、一般式(II)で表される繰り返し単位の、両方を併有してもよく、その含有比率に特に制限は無いが、一般式(I)の繰り返し単位を多く含有していた方が好ましい。一般式(I)又は(II)で表される繰り返し単位の合計数は、1分子中に通常1〜100、好ましくは10〜70、更に好ましくは20〜50である。
尚、(C−1)分散剤はグラフト共重合体であれば、主鎖が直鎖状であっても分岐していてもよい。
アミン価が低すぎると、分散安定性が低下し、粘度が不安定になる可能性があり、また逆に高すぎると、残渣が増加したり、液晶パネルを形成した後の電気特性が低下したりする可能性がある。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/L HClO4酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[wt%]を表す。)
又、(C−1)分散剤の酸価は、当該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般的に低い方が好ましい。
料の凝集を防ぐことができず、高粘度化ないしはゲル化してしまう可能性があり、また逆に、100000を超えるとそれ自体が高粘度となり、有機溶媒への溶解性が不足する場合がある。更に、現像性、解像性が低下する恐れがある。
更に(C−1)分散剤としては、上述のものと同様の構造を有する市販のグラフト共重合体を適用することもできる。
<(C−2)アクリル系ブロック共重合体>
(C−2)アクリル系ブロック共重合体は、(A)顔料を極めて効率よく分散しうる点で好ましい。その理由は明らかではないが、分子配列が制御されていることにより、分散剤が顔料に吸着する際に障害となる構造が少ないためと推察される。
具体的には、窒素原子含有官能基を有するBブロックとして、側鎖に4級アンモニウム塩基、及び/又はアミノ基を有する単位構造が挙げられ、一方、親溶媒性のAロックとして、4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さない単位構造が挙げられる。
又、係るBブロックとして、4級アンモニウム塩基を有する場合、当該4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。又、このような4級アンモニウム塩基としては、特に下記一般式(VI)で表される部分構造を含有するものが好ましい。
又、上記一般式(VI)において、2価の連結基X1としては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R35−、−COO−R36−(但し、
R35及びR36は、それぞれ独立に、直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のエーテル基(−R37−O−R38−:R37及びR38は、各々独立にアルキレン基を表す。)等が挙げられ、好ましくは−COO−R36−である。
又、上記特定の4級アンモニウム塩基を含有する部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上の4級アンモニウム塩基含有部分構造は、当該Bブロック中において、ランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。更に、当該4級アンモニウム塩基を含有しない部分構造が、Bブロック中に含まれていてもよく、又、当該部分構造の例としては、後述の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。4級アンモニウム塩基を含まない部分構造のBブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、4級アンモニウム塩基非含有部分構造はBブロック中に含まれないことが最も好ましい。
一方、係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックとして、1〜3級アミノ基を含む場合、当該1〜3級アミノ基を有する単量体の含有割合は、当該共重合体を構成する単量体組成において、20モル%以上であることが好適であり、より好ましくは50モル%以上である。
中でも、R41及びR42はメチル基が好ましく、R43はメチレン基、エチレン基が好ましく、R44は水素原子もしくはメチル基であるのが好ましい。このような部分構造としては下記一般式で表されるジメチルアミノエチルアクリレートやジメチルアミノエチルメタアクリレート由来の構造等が、特に好適に用いられる。
更に、上記アミノ基を含有する部分構造は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上のアミノ基含有部分構造は、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。又、アミノ基を含有しない部分構造が、Bブロック中に一部含まれていてもよく、そのような部分構造の例としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の部分構造等が挙げられる。係るアミノ基を含まない部分構造の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるが、係るアミノ基非含有部分構造はBブロック中に含まれないことが最も好ましい。
で表される部分構造を有するAブロックが特に好ましい。
上記一般式(VIII)で表される部分構造は、当該(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体換算で1分子中に3〜20モル%含まれていることが好ましく、3〜10モル%含まれていることが最も好ましい。
前記一般式(VIII)で表わされる部分構造は、1つのAブロック中に2種以上含有されていてもよい。勿論、当該Aブロックは、更にこれら以外の部分構造を含有していてもよい。2種以上のモノマー由来の部分構造がAブロック中に存在する場合、各部分構造は該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。
リビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。具体的には、例えば特開2007−270147号公報に記載の方法が挙げられる。
即ち、(C−2)分散剤のABブロック共重合体及びABAブロック共重合体の、Bブロックが4級アンモニウム塩基を有する場合、当該共重合体1g中の4級アンモニウム塩
基の量は、0.1〜10mmolであることが好ましい。この範囲外では、良好な耐熱性と分散性を兼備することができない場合がある。このようなブロック共重合体中には、製造過程で生じたアミノ基が含有される場合があり、そのアミン価は、通常、共重合体1gあたり1〜100mgKOH/g程度、好ましくは1〜50mgKOH/g、より好ましくは1〜30mgKOH/gである。
又、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、一般に低い方が好ましく、通常100mgKOH/g以下であり、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは40mgKOH/g以下、最も好ましくは30mgKOH/g以下である。又、その分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で通常1000以上、100,000以下の範囲である。
<その他の分散剤>
(C)分散剤としては、上記各種(C−1)、及び(C−2)分散剤以外の分散剤(以下、(C−3)分散剤と称することがある。)を含有していてもよい。
本発明において、顔料分散液に更に(C)分散剤を含有する場合、その(C)分散剤の含有割合が、(A)顔料に対して0〜200重量%程度使用することが好ましく、10〜150重量%程度使用することがより好ましい。
<分散助剤>
本発明の顔料分散液には、更に分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤、即ち顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、及び特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
本発明の顔料分散液には、後述する(D)バインダ樹脂もしくはその他のバインダ樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する分散処理工程において、前述の(C)分散剤等の成分とともに、(D)バインダ樹脂を含有させることにより、当該(D)バインダ樹脂が、(C)分散剤との相乗効果で(A)顔料の分散安定性に寄与する。結果として(C)分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
分散樹脂としては、後述する各種(D)バインダ樹脂を使用することができる。
分散樹脂の酸価は0mgKOH/g以上が好ましく、1mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上が最も好ましく、また300mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下が最も好ましい。酸価を上記の範囲に制御することにより、アルカリ現像性が良好となり、合成上等においても、取り扱いやすくなる。
本発明の着色樹脂組成物は、少なくとも、前述した(A)顔料、(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩及び下記(D)バインダ樹脂を含有し、更に要すれば、これらの成分以外の添加物等を含有していてもよい。又、後述する溶媒、及び(E)重合性モノマー、(F)光重合開始剤類、及び/又は熱重合開始剤類等を含有することが特に好ましい。
これら必須成分以外の成分としては、本願明細書に記載された各種成分以外にも、カラーフィルタ形成材料として使用できるものであれば、特に制限無く使用できる。
本発明の着色樹脂組成物に使用する(D)バインダ樹脂としては、カラーフィルタの画素形成に使用可能なものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、特開昭60−184202号公報等に記載された所謂リフトオフ方式のカラーフィルタ製造工程に用いる熱硬化性樹脂組成物や、特開2004−220036号公報等に記載されたインクジェット方式のカラーフィルタ製造工程に用いる熱硬化性樹脂組成物などに含まれる樹脂、或いは後述する光重合性樹脂等が挙げられる。
このようなバインダ樹脂としては、例えば、特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号、特開2007−270147号などの各公報等に記載された様々な高分子化合物を使用することができるが、好ましくは、
(D−1):特定の構造を有するモノ(メタ)アクリレート、及びエポキシ基含有(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸、を含むエチレン性不飽和基含有単量体を反応させて得られる(メタ)アクリル系アルカリ可溶樹脂、
(D−2):主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂、
(D−3):前記カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂、
(D−4):(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
以下、これら各樹脂について説明する。
<(D−1)特定の構造を有するモノ(メタ)アクリレート、及びエポキシ基含有(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸、を含むエチレン性不飽和基含有単量体を反応させて得られる(メタ)アクリル系アルカリ可溶樹脂>
本発明の着色樹脂組成物に用いる(D)バインダ樹脂の中でも、特に好ましい(D)バインダ樹脂として、「エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる樹脂(以下、(D−1)樹脂と称することがある。)」が挙げられる。
<(D−1−1)(a)下記一般式(D1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート、及び(b)エポキシ基含有(メタ)アクリレートを含むエチレン性不飽和基含有単量体を反応させて得られる(メタ)アクリル系共重合体(以下、(D−1−1)共重合体と称することがある。)>
(D−1−1)共重合体は、(a)下記一般式(D1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート由来の部分構造を必須成分とする。
又、上記一般式(D1)において、R95及びR96並びにR97及びR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
又、前記一般式(D1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、当該構造を有する限り、公知の各種のものが使用できるが、特に下記一般式(D2)で表されるものが好ましい。
又(D−1−1)共重合体は、(b)エポキシ基含有(メタ)アクリレート(以下、(b1)エポキシ基含有(メタ)アクリレートと称することがある。)由来の部分構造を必須成分とする。
溶媒の使用量は、得られる(D−1−1)共重合体100重量部に対し、通常30〜1000重量部、好ましくは50〜800重量部である。溶媒の使用量は、この範囲外であると、共重合体の分子量の制御が困難となる。
有機過酸化物触媒やアゾ化合物触媒を使用したラジカル重合開始剤の中から、重合温度に応じて、適当な半減期のラジカル重合開始剤が1種又は2種以上使用される。ラジカル重合開始剤の使用量は、共重合反応に使用される単量体の合計100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
(e)その他の単量体としては、特に制限はなく、(a)、(b1)、及び(b2)(メタ)アクリル酸と共重合しうる化合物であればよい。
この(e1)芳香族炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体に由来する部分構造が(D−1−1)共重合体に含まれる場合、その含有割合は、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものがより好ましい。
酸を付加反応させ、生じた水酸基の少なくとも一部に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られる共重合体(以下、(D−1−2)共重合体と称することがある。)であってもよい。
これら(d)多塩基酸又はその無水物は、通常、前記共重合体が有する(b1)由来のエポキシ基に、(c)不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
その他の単量体としては、(D−1−1)共重合体におけるのと同様の化合物が挙げられる。又、好ましいものも同様に、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート等の(e1)芳香族炭化水素を有するエチレン性不飽和単量体である。
本発明において、(D)バインダ樹脂として使用できる(D−1)樹脂は、(a)前記一般式(D1)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート、及び(b2)(メタ)アクリル酸を含むエチレン性不飽和基含有単量体を反応させて得られる(メタ)アクリル系共重合体(以下、(D−1−3)共重合体と称することがある。)であってもよい。
尚、本発明の着色樹脂組成物に使用される(D−1)樹脂のGPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000であることが好ましく、4000〜50000であることがより好ましい。分子量が3000未満であると、耐熱性や膜強度に劣る可能性があり、100000を超えると現像液に対する溶解性が不足する傾向がある。又、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
<(D−2)主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂(以下、(D−2)樹脂と称することがある。)>
(D−2)主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基を有していれば特に限定されず、通常、カルボキシル基を含有する重合性モノマーを重合して得られる。
クリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、或いはそれらの無水物等の酸或いは無水物を付加させたモノマー等が挙げられる。これらは複数種使用してもよい。
又、(D−2)樹脂は、上記のカルボキシル基含有重合性モノマーに、カルボキシル基を有さない他の重合性モノマーを共重合させてもよい。
他の重合性モノマーとしては、特に限定されないが、特開2009−52010号公報に記載されているもの等が挙げられる。又、これら重合性モノマーのうち、顔料分散性に優れる点からは、特にベンジル(メタ)アクリレートを含む共重合体樹脂が好ましい。
前記(D−2)主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂の、カルボキシル基部分にエポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂も好ましい。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、分子内にエチレン性不飽和基及びエポキシ基を有するものであれば、特に限定されるものではない。
一般式(3a)〜(3m)における、R12のアルキレン基は、炭素数1〜10であるものが好ましい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が例示できるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。
中でも、一般式(3c)で表される化合物が好ましく、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば特開2006−161035号公報等に記載の下記一般式(D41)で示される化合物を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー等が挙げられる。
を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を示す。)
尚、本発明の着色樹脂組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、上述の(D−1)〜(D−4)樹脂以外のバインダ樹脂を含有していてもよい。又、本発明の着色樹脂組成物に用いる(D)バインダ樹脂としては、前述の各種樹脂のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒は、本発明において、上記成分のほか、場合により配合したこれら以外の成分等を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
溶媒としては、特に制限がなく、各成分を溶解又は分散させることができるものであればよい。このような溶媒としては、例えば国際公開公報WO2009/107734等に記載の溶剤等が挙げられる。
<(E)重合性モノマー>
本発明の着色樹脂組成物は、必要に応じ更に上記以外の成分を含有していてもよい。このような成分としては、(E)重合性モノマー、(F)光重合開始剤類及び/又は熱重合開始剤類、界面活性剤、熱重合防止剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤、染料等が挙げられる。
これらモノマーは1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。又、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
<(F)光重合開始剤類及び/又は熱重合開始剤類>
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(F)光重合開始剤類、及び/又は熱重合開始剤類を更に含むことが好ましい。但し、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
<光重合開始剤類>
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(F)光重合開始剤類は、通常、(F−1)光重合開始剤と、必要に応じて添加される(F−3)増感色素、(F−2)重合加速剤等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応または水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物において、更に(F)光重合開始剤類に、感応感度を高める目的で(F−3)増感色素が用いられることがある。(F−3)増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号、特開昭54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号、特開昭59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
(F−3)増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<熱重合開始剤類>
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい熱重合開始剤類の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物、及び過酸化水素等を挙げることができる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。
尚、上述した(F−1)光重合開始剤の中には、例えばα―アミノアルキルフェノン誘導体のように熱重合開始剤としても働くものがある。そのため、熱重合開始剤として、(F−1)光重合開始剤の例として挙げた中から選択した化合物を使用してもよい。
尚、本発明において、熱重合開始剤類の含有割合は、着色樹脂組成物の全固形分中0〜30重量%、特に0〜20重量%の範囲とすることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明の着色樹脂組成物は、更に界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、電圧保持率や有機溶媒に対する相溶性等の諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。
。
これら界面活性剤の含有割合は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分中において、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上である。又、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下の範囲で用いられる。
本発明の着色樹脂組成物は、当該組成物を構成する材料を一度に、又は順次混合して調製してもよいが、以下に述べるように、予め顔料分散液を調製し、これに他の成分を混合することが好ましい。
以下、本発明の顔料分散液及び着色樹脂組成物を調製する方法の一例を説明するが、調製方法に特に制限はなく、以下に述べる方法に限定されるわけではない。
尚、本発明の顔料分散液及び着色樹脂組成物は、適用したいカラーフィルタの製造プロセスに応じて、光硬化性(光重合性)であっても熱重合性であってもよい。
本発明における(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩は、特に微粒化工程及び/又は分散処理工程に用いるのが好ましい。
微粒化工程としては、顔料及び添加剤を機械的に粉砕して粒径を細かくする磨砕法が挙げられる。磨砕法は顔料及び/又は添加剤をボールミル、サンドミル又はニーダーを用いて、磨砕剤として食塩などの水溶性無機塩、及び必要に応じてそれらを溶解しない水溶性有機溶剤とともに磨砕した後に、水洗などにより磨砕剤及び水溶性有機溶剤を除去して一次粒子を細かくする方法で、比較的均一な顔料及び/又は添加剤粒子が得られる。しかしながらこの微粒化工程時に発生する熱などのエネルギーにより顔料微粒子が結晶転移する現象が起こりやすいが、本発明における(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩の共存下ではこの現象を抑制することが可能となる。
また、分散処理工程においては、(A)顔料を分散させてインキ状液体(顔料分散体又は顔料分散液)とする。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を使用することができる。この分散処理を行なうことによって顔料が微粒子化されるため、着色樹脂組成物の塗布特性が向上し、製品のカラーフィルタ基板等の透過率が向上する。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶媒中に溶解或いは分散された状態である。これが基板上へ供給され、カラーフィルタや、表示装置の構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)並びに有機ELディスプレイについて説明する。
次に、本発明のカラーフィルタ(以下、「カラーフィルタ基板」と称することがある。)について説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に上述の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする。
カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラス等が挙げられる。これらの中で、耐熱性の観点からガラスまたは耐熱性樹脂が好ましい。
上述の透明基板上にブラックマトリックスを設け、更に通常は赤色、緑色、青色の画素画像を形成することにより、本発明に係るカラーフィルタを製造することができる。本発明の着色樹脂組成物は、通常赤色、緑色および青色である画素の形成用塗布液として使用される。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸、及び/又は硝酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリックスを形成することができる。
ている遮光機能のみならず、画素バンク内に打ち込まれたRGBインクが混色しないための隔壁としての機能も果たしているため、従来のフォトリソグラフィ法によるカラーフィルタの場合に比べ、膜厚が厚い(通常は膜厚1.5μm以上、好ましくは1.8〜2.5μm程度、より好ましくは2.0〜2.3μm程度の厚さである。)という特徴がある。また、RGBインクの混色を防ぐために、ブラックマトリックスの上面に撥液処理を施す場合が多い。
インクジェット方式にて本発明のカラーフィルタを作製する場合、樹脂ブラックマトリックスは上述のようにブラックマトリックス用感光性着色樹脂組成物を用いて、一般的なフォトリソグラフィ法にて形成すればよい。続いて、透明基板表面の親水化とブラックマトリックスパターンの撥液化を、各々化学的処理あるいは物理的処理により施す。
画素の形成方法は、使用する着色樹脂組成物の種類により異なる。まずは、着色樹脂組成物として光重合性組成物を用い、フォトリソグラフィ法にて画素を形成する場合を例に説明する。
ブラックマトリックスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色樹脂組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化又は光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色の着色樹脂組成物について各々行なうことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
樹脂ブラックマトリックスを設けた基板上の画素バンク内に、本発明の着色樹脂組成物を用いてインクジェット装置により描画し、乾燥および光硬化および/または熱硬化にて該組成物を完全に硬化させ、画素を形成することによりカラーフィルタを得る。なお、画素形成用の着色樹脂組成物としては、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色が使用される場合が多いが、これらに限定されない。
基板に着色樹脂組成物を塗布してなる塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させる。
予備乾燥の条件は、前記溶媒成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて適宜選択することができる。乾燥温度及び乾燥時間は、溶媒成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて選択されるが、具体的には、乾燥温度は通常40℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常80℃以下、好ましくは70℃以下の範囲であり、乾燥時間は通常15秒以上、好ましくは30秒以上、また、通常5分間以下、好ましくは3分間以下の範囲である。
<露光工程>
画像露光は、着色樹脂組成物の塗布膜上に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行なう。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を形成した後に露光を行なってもよい。
<現像工程>
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物を用いた塗布膜に対し、上記の光源によって画像露光を行なった後、有機溶媒、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いて現像を行なうことによって、基板上に画像を形成して製造することができる。この水溶液には、更に有機溶媒、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が挙げられる。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処理を施すことが好ましい。この際の熱硬化処理条件は、温度は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、また、通常280℃以下、好ましくは250℃以下の範囲で選ばれ、時間は5分間以上、60分間以下の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
尚、本発明のカラーフィルタは、上記した製造方法の他に、(1)バインダ樹脂としてポリイミド系樹脂を含む、本発明の着色樹脂組成物を、基板に塗布し、エッチング法により画素画像を形成する方法によっても作製することができる。又、(2)本発明の着色樹脂組成物を着色インキとして用い、印刷機によって、透明基板上に直接画素画像を形成する方法、(3)本発明の着色樹脂組成物を電着液として用い、基板をこの電着液に浸漬させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析出させる方法、更に、(4)本発明の着色樹脂組成物を塗布したフィルムを、透明基板に貼りつけて剥離し、画像露光、現像し画素画像を形成する方法、(5)本発明の着色樹脂組成物を着色インキとして用い、インクジェットプリンターにより画素画像を形成する方法等によっても作製することができる。
<透明電極の形成>
本発明のカラーフィルタは、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。
次に、本発明の液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。本発明の液晶表示装置は、通常、上記本発明のカラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜上にスペー
サを散布した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、対向電極に結線して完成する。配向膜は、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常1×10-2Pa以上、好ましく
は1×10-3以上、また、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。
本発明のカラーフィルタを用いて有機ELディスプレイを作成する場合、例えば図4に示すように、まず透明支持基板10上に、着色樹脂組成物により形成されたパターン(画素20、または隣接する画素20の間に設けられた樹脂ブラックマトリックス(図示せず))が形成されてなるカラーフィルタを作製し、該カラーフィルタ上に有機保護層30および無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって、有機EL素子を作製することができる。なお、画素20の内、少なくとも一つは本発明の着色樹脂組成物を用いて作製されたものである。
[1]化合物の合成
<合成例1:化合物1の合成>
2,2’−ベンジジンジスルホン酸(6.88g、0.020mol)を水(200ml)に加えて温度を5℃にした後、35%塩酸(10.3g、0.080mol)、及び23%亜硝酸ナトリウム水溶液(13.2g、0.044mol)を加え、30分間攪拌してテトラゾニウム塩を得た。アセト酢酸アニリド(7.09g、0.040mol)をメタノール/水混合溶液(240ml/120ml)に溶解させ、5℃に冷却した液に上記のテトラゾニウム塩液を5℃〜10℃で20%炭酸ナトリウム水溶液を加えながら、溶液のpH=6〜8に保ち、30分間かけて滴下した。更に2時間5℃で攪拌した。得られた沈殿物をろ過して水で洗浄し、60℃の減圧下で乾燥してナトリウム塩のアゾ化合物を得た(3.8g、収率25%)。
9.1[Mw−(Ca−H)]のピークを観測し目的の下記化合物1が生成していることを確認した。
上記化合物1の合成において、カップラー成分としてアセト酢酸アニリドの代わりに5−(アセトアセトアミド)−2−ベンズイミダゾリノンを用いた以外、前記合成例1と同様に行った。
得られた化合物2を前記合成例1と同様の手法により質量分析を行ったところ、m/z=831.1[Mw−(Ca−H)]のピークを観測し目的の下記化合物2が生成していることを確認した。
上記化合物1の合成において、カップラー成分としてアセト酢酸アニリドの代わりにp−アセトアセトフェネチジドを用いた以外、合成例1と同様に行った。得られた化合物3を前記合成例1と同様の手法により質量分析を行ったところ、m/z=807.2[Mw−(Ca−H)]のピークを観測し目的の下記化合物3が生成していることを確認した。
上記化合物1の合成において、カップラー成分としてアセト酢酸アニリドの代わりに4’−クロロ−2’−メチルアセトアセトアニリドを用いた以外合成例1と同様に行った。化合物4を前記合成例1と同様の手法により質量分析を行ったところ、m/z=817.1[Mw−(Ca−H)]のピークを観測し目的の下記化合物4が生成していることを確認した。
上記化合物1の合成において、カップラー成分としてアセト酢酸アニリドの代わりに3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンを用いた以外、合成例1と同様に行った。
6−メチル−2−[4−[[2−オキソ−1−[(フェニルアミノ)カルボニル]プロピル]アゾ]フェニル]−7−ベンゾチアゾールスルホン酸ナトリウム(143g、0.27mol)を水(14300ml)に加えて1時間攪拌した。その後20%塩化カルシウム水溶液(300g、0.54mol)を加えて3時間攪拌した。得られた沈殿物をろ過して水(7000ml)で洗浄したのち乾燥して下記化合物6(128g、収率90%)を得た。化合物6を前記合成例1と同様の手法により質量分析を行ったところ、m/z=508.1[Mw−(Ca−H)]のピークを観測し目的の下記化合物6が生成していることを確認した。
6−メチル−2−[4−[[2−オキソ−1−[(フェニルアミノ)カルボニル]プロピル]アゾ]フェニル]−7−ベンゾチアゾールスルホン酸ナトリウムの代わりに2,2’−(トリアゼン−1,3−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス(6−メチル−7−ベンゾチアゾールスルホン酸)二ナトリウムを用いた以外、合成例5と同様に行った。
6−メチル−2−[4−[[2−オキソ−1−[(フェニルアミノ)カルボニル]プロピル]アゾ]フェニル]−7−ベンゾチアゾールスルホン酸ナトリウムの代わりに3,3’−[カルボニルビス[イミノ(2−メチル−4,1−フェニレン)アゾ]]ビス[1,5−ナフタレンジスルホン酸]四ナトリウムを用いた以外合成例5と同様に行った。
6−メチル−2−[4−[[2−オキソ−1−[(フェニルアミノ)カルボニル]プロピル]アゾ]フェニル]−7−ベンゾチアゾールスルホン酸ナトリウムの代わりに,3‘
−[(カルボニルジイミノ)ビス(3−メトキシ−4,1−フェニレン)ビス(アゾ)]ビス[ベンゼンスルホン酸ナトリウム]を用いた以外合成例5と同様に行った。
6−メチル−2−[4−[[2−オキソ−1−[(フェニルアミノ)カルボニル]プロピル]アゾ]フェニル]−7−ベンゾチアゾールスルホン酸ナトリウムの代わりに3,3’−[カルボニルビス(イミノ−4,1−フェニレンアゾ)]ビス[6−ヒドロキシ安息香酸]二ナトリウムを用いた以外合成例5と同様に行った。
合成例1にて2,2’−ベンジジンジスルホン酸の代わりにデヒドロチオ−p−トルイジンスルホン酸を、アセト酢酸アニリドの代わりに5−(アセトアセトアミド) −2−
ベンズイミダゾリノンを用いた以外同様に行い、化合物11を得た。
合成例1にて2,2’−ベンジジンジスルホン酸の代わりにデヒドロチオ−p−トルイジンスルホン酸を、アセト酢酸アニリドの代わりに3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンを用いた以外同様に行い、化合物12を得た。
PR254(100g)を25%発煙硫酸(900g)に添加し、50℃で4時間反応させた。冷却後、反応混合物を氷水中(10000ml)に析出させ、析出物を濾過及び水洗し、乾燥後水に懸濁させてPH=7になるまでアンモニア水を添加、その後イソプロピルアルコールで晶析し、濾過、洗浄を行い、水ペーストを得た。この水ペーストを乾燥させてスルホン酸アンモニウム基が導入されたジケトピロロピロール誘導体、即ち顔料誘導体1(70g)を得た。尚、スルホ基の導入は1分子あたり平均0.8〜1であった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10重量部、グリシジルメタクリレート85.2重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA−513M)66重量部を滴下し、および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたバインダ樹脂のGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400 酸価80mgKOH/gであった。
<実施例1:化合物1を使用した赤色顔料分散液(1)の調製>
レーキ化染料(即ち、(B)成分)として合成例1で得られた化合物1を4.4重量部、顔料誘導体として合成例11で得られた顔料誘導体を5.2重量部、顔料として微粒化されたC.I.ピグメントレッド254を100重量部、合成例12にて得られた樹脂Sを固形分量にて34.1重量部、分散剤としてビックケミー社製「BYK−LPN691
9」((C−2)分散剤に相当する)を38.6重量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と称することがある。)を669重量部を配合し、ジルコニアビーズを1793重量部加え、ペイントシェーカーで8時間分散を行い、赤色顔料分散液(1)を調製した。
メタクリル酸系ABブッロク共重合体であり、アミン価は、121mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
Bブロックに含まれる窒素原子含有官能基を有する繰り返し単位のうち、約100モル%が下記式(i)で表わされる構造であり、又、下記式(ii)で表わされる繰り返し単位は、当該メタクリル酸系ブッロク共重合体を構成する単量体換算で1分子中における割合は7.5モル%であった。
レーキ化染料として合成例2〜10で得られた化合物2〜10をそれぞれ用いた以外、実施例1と同様に調製を行った。
<実施例11:化合物6を使用した赤色顔料分散液(11)の調製>
合成例11で得られた顔料誘導体を使用せず、レーキ化染料として合成例6で得られた化合物6を9.6重量部使用した以外は、実施例1と同様の調製を行った。
レーキ化染料として化合物7、化合物10をそれぞれ用いた以外、実施例11と同様に調製を行った。
<比較例1:赤色顔料分散液(14)の調製>
合成例1で得られた化合物1及び参考合成例1で得られた顔料誘導体1を使用しない以外は、実施例1と同様の調製を行ったところ、著しく粘度が上昇して分散液を作成することができなかった。
合成例1で得られた化合物1を使用せず、合成例11で得られた顔料誘導体を9.6重量部使用した以外は、実施例1と同様に調製を行った。
[3]着色樹脂組成物の調製
続いて、上記[2]にて得られた各種赤色顔料分散液(1)〜(15)に、下記表1記載の各成分を混合し、各種着色樹脂組成物を調製した。
透明ガラス基板(旭硝子社製「AN−100」)上に、上記[3]にて得られた各種着色樹脂組成物をそれぞれスピンコート塗布し、80℃のホットプレートにて3分間プリベークを行い、乾燥塗布膜を得た。
続いて、得られた乾燥塗布膜に対し、高圧水銀灯により60mJ/cm2で露光を行った後、230℃のオーブンにて30分間ポストベークを行い、各種着色樹脂膜を作製した。
得られた着色樹脂膜の膜厚は2.4μm程度であった。この様に、透明ガラス基板上に着色樹脂膜を有する各種着色板を作製した。
[5]輝度(Y値)の測定
上記[4]にて得られた各種着色板を分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計「U−3010」)を用いC光源での色度(Y,x,y)を測定した。Y値の結果を
表2に示す。
図2(a)及び(b)は、いずれも、着色板の平行透過光及び直交透過光の色度を測定する方法を説明するための模式的な図である。
先ず、図2(a)に示すように、得られた着色板(以下、「着色板34」と称することがある。)の両側に偏光板33及び35を重ねて、偏光板33及び35の偏光軸を互いに平行にした状態で、一方の偏光板35の側からバックライト37の光36を当てて、他方
の偏光板33を透過した光の輝度Lp(平行透過光の輝度)を色彩輝度計トプコンテクノハウス製「BM−5A」32を使用して、2゜視野の条件で測定した。
尚、バックライト37は、図3に示すような発光スペクトルを有するものを用いた。このスペクトルの測定は、コニカミノルタ製分光放射輝度計CS−1000Aと、光量を制御し測定を容易にするため、ケンコー社製のフィルター「NDフィルターND4」を用いて測定し算出した。
各種着色板のコントラストは、平行透過光の輝度Lpと直交透過光の輝度Lcから式Lp/Lcを用いて算出した。尚、各種着色板の代わりに、素ガラスを用いて測定したときのブランク値は12000であった。測定結果を表2に示す。
[7]焼成後の異物発生に関する評価
上記[4]にて得られた各種着色板の表面を光学顕微鏡を用いて50倍の倍率にて目視観察を行い、1cmx1cmの範囲にて着色基板表面を観測した際に、顔料由来の結晶がほとんどない場合(0〜10%)を○、若干観測される場合(10〜20%)を△、大量に観測される場合(20%〜)を×とした。その結果を表2に示す。
<実施例14:化合物1を使用した赤色微粒化顔料(R−1)の作製>
微粒化助剤として合成例1で得られた化合物1(3.0重量部)、C.I.ピグメントレッド254(50重量部)、塩化ナトリウム(550重量部)、ジエチレングリコール
(110重量部)、合成例13で得られた樹脂S(固形分量にて15重量部)を双腕型ニーダーに仕込み、50℃で4時間ソルベントソルトミリング法により微粒化した。この混練物を水7000重量部に投入し、30分間攪拌後、ろ過と水洗を行い、塩化ナトリウムとジエチレングリコールを除いた後、50℃で乾燥、粉砕し、赤色微粒化顔料(R−1)を得た。
[9]顔料分散液の調製
<化合物1を含む赤色微粒化顔料(R−1)を使用した赤色顔料分散液(R−1)の調製>
分散助剤として合成例2で得られた化合物2を9.6重量部、顔料として実施例14で得られた微粒化されたC.I.ピグメントレッド254を100重量部、合成例13にて得られた樹脂Sを固形分量にて34.1重量部、分散剤として「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製;(D−2)分散剤に相当)を38.6重量部、溶剤としてPGMEAを669重量部を撹拌混合し、ジルコニアビーズを400重量部加え、ビーズミルで6時間分散を行い、赤色顔料分散液(R−1)を調製した。
尚、赤色顔料分散液(R−1)の調製を行って、1時間後の該分散液は、流動性があることが目視にて確認された。
<実施例15〜17:化合物6、11及び12をそれぞれ含む赤色微粒化顔料(R−2)〜(R−4)を使用した赤色顔料分散液(R−2)〜(R−4)の調製>
実施例14の[8]微粒化顔料の作製において、微粒化助剤として用いた合成例1で得られた化合物1を、それぞれ合成例6、11及び12で得られた化合物6、11及び12に変更して赤色微粒化顔料(R−2)〜(R−4)を得た他は、実施例14と同様にして、顔料分散液の調製を行い、赤色顔料分散液(R−2)〜(R−4)を調製した。
<比較例3:顔料誘導体1を含む赤色微粒化顔料(R−5)を使用した赤色顔料分散液(R−5)の調製>
実施例14の[8]微粒化顔料の作製において、微粒化助剤として用いた合成例1で得られた化合物1を、参考合成例1で得られた顔料誘導体1に変更して赤色微粒化顔料(R−5)を得た他は、実施例14と同様にして、顔料分散液の調製を行い、赤色顔料分散液(R−5)を調製した。
[10]着色樹脂組成物の調製
続いて、上記[9]にて得られた赤色顔料分散液(R−1)〜(R−5)に、前記表1記載の各成分を混合し、各種着色樹脂組成物を調製した。
[11]着色樹脂膜及び着色板の作成
上記[10]にて得られた着色樹脂組成物を用いて、前記[4]の方法で着色板を作製した。
[12]輝度(Y値)の測定
上記[11]にて得られた着色板を分光光度計「U−3310」(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いC光源での色度(Y,x,y)を測定した。
得られた結果を、表3に示す。
20 画素
30 有機保護層
32 色彩輝度計
33、35 偏光板
34 着色板
36 光
37 バックライト
40 無機酸化膜
50 透明陽極
51 正孔注入層
52 正孔輸送層
53 発光層
54 電子注入層
55 陰極
100 有機EL素子
500 有機発光体
Claims (14)
- (A)顔料、及び(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩を含有することを特徴とする顔料分散液。
- (A)顔料が、C.I.(カラーインデックス)ピグメントレッド177、ピグメントレッド242、ピグメントレッド254、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー180、ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36、及びピグメントグリーン58からなる群より選択された少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする請求項1に記載の顔料分散液。
- (B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩の含有量が、(A)顔料100重量部に対し、0.01重量部以上、60重量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の顔料分散液。
- (B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩が、モノアゾ化合物、ビスアゾ化合物、又はジアゾアミノ化合物のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料分散液。
- (B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩が、下記一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の顔料分散液。
一般式(2)におけるR22は、置換基を有していてもよい芳香族基、下記一般式(3)で表される構造、下記一般式(4)で表される構造、又は下記一般式(5)で表される構造を示す。
nは0又は1を表す。
上記一般式(5)におけるR5は前記一般式(3)中のR1、R2、及び前記一般式(4)中のR3、R4と同義である。*は、一般式(2)中のアゾ基と結合する部位を示す。)
又、一般式(1)におけるXは直接結合もしくは下記構造式(1−1)〜(1−11)で表されるいずれかの連結基を示す。
構造式(1−3)中のR111は、水素原子、水酸基、又は−NA1A2(A1及びA2は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基を示す。)で表される基を示す。)
又、一般式(2)中のZは、直接結合、もしくは下記構造式(2−11)〜(2−13)で表されるいずれかの構造である(尚、下記構造式(2−11)〜(2−13)における*は、一般式(2)中のベンゼン環及びR21と結合する部位を示す。)
尚、一般式(1)及び(2)中のベンゼン環は、更に、ニトロ基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、スルホ基、スルホン酸塩の基、カルボキシ基、カルボン酸塩の基、フォスホ基、燐酸塩の基、並びに置換基を有していてもよい芳香族基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基を有していてもよい。
更に、上記一般式(1)におけるR11及びR12、一般式(2)におけるR21、一般式(3)におけるR1及びR2、一般式(4)におけるR3及びR4、一般式(5)におけるR5、構造式(1−3)におけるR111、並びに上記一般式(1)もしく(2)中のベンゼン環と結合する置換基のうち少なくとも1つが、酸性基のアルカリ土類金属塩の基であるか、酸性基のアルカリ土類金属塩の基を有する基である。) - 更に(C)分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の顔料分散液。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の顔料分散液、及び(D)バインダ樹脂を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- (A)顔料、(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩、及び(D)バインダ樹脂を含有し、
(B)酸性基を有する水溶性染料のアルカリ土類金属塩が、下記一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
一般式(2)におけるR22は、置換基を有していてもよい芳香族基、下記一般式(3)で表される構造、下記一般式(4)で表される構造、又は下記一般式(5)で表される構造を示す。
nは0又は1を表す。
上記一般式(5)におけるR5は前記一般式(3)中のR1、R2、及び前記一般式(
4)中のR3、R4と同義である。*は、一般式(2)中のアゾ基と結合する部位を示す。)
又、一般式(1)におけるXは直接結合もしくは下記構造式(1−1)〜(1−11)で表されるいずれかの連結基を示す。
構造式(1−3)中のR111は、水素原子、水酸基、又は−NA1A2(A1及びA2は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい芳香族基を示す。)で表される基を示す。)
又、一般式(2)中のZは、直接結合、もしくは下記構造式(2−11)〜(2−13)で表されるいずれかの構造である(尚、下記構造式(2−11)〜(2−13)におけ
る*は、一般式(2)中のベンゼン環及びR21と結合する部位を示す。)
尚、一般式(1)及び(2)中のベンゼン環は、更に、ニトロ基、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、スルホ基、スルホン酸塩の基、カルボキシ基、カルボン酸塩の基、フォスホ基、燐酸塩の基、並びに置換基を有していてもよい芳香族基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基を有していてもよい。
更に、上記一般式(1)におけるR11及びR12、一般式(2)におけるR22、一般式(3)におけるR1及びR2、一般式(4)におけるR3及びR4、一般式(5)におけるR5、構造式(1−3)におけるR111、並びに上記一般式(1)もしく(2)中のベンゼン環と結合する置換基のうち少なくとも1つが、酸性基のアルカリ土類金属塩の基であるか、酸性基のアルカリ土類金属塩の基を有する基である。) - 更に(C)分散剤を含有することを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 更に(E)重合性モノマーを含有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 更に(F)光重合開始剤類及び/又は熱重合開始剤類を含有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 請求項7〜11のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を用いて作製された画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項12に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項12に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする有機ELディスプレイ。
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