JP2011219168A - 市販の大きさの封筒の内容積を規制するファイル化可能な封筒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連続した表シートと裏シートからなり表シートの上部端には封緘片を持つ封筒の裏シートの下部端から裏シートの上部端近傍および表シートの封緘部折り線の近傍ならびに表シートの側部端の周辺を経由して表シートの下部端に至るまでの連続した分離線を有し、表シートと裏シートがその側部端で一体化して側部端結合部を形成し、表シートと裏シートがその下部端で一体化して下部端結合部を形成した封筒において、側部端結合部と分離線の間に表シートと裏シートとを接合した接合部を設けたことからなる分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
【選択図】図1
Description
上記の特許文献2に記載のような封書は、再利用の点に注目され、封書としての機能等についてはいまだ重視されることはなかった。
従来封筒は多種類の収納物の大きさに対応できるようにいくつもの種類が用意されているがその種類は限られ、適切な大きさの市販封筒が見出せない場合にしばしば遭遇する。収納物の大きさに対して封筒が大きすぎると封筒内で移動することにより収納物の破損や封筒を内部から破損する恐れがあるので、特に、重量のある物品や、何冊ものパンフレットを同じ封筒に入れるような場合には、物品と封筒との空間を少なくすることが望ましい。しかしながら、適切な大きさの封筒を市販品から見出すことは困難であることが多い。そこで、市販の大きさの封筒の内容積を自由に規制できる封筒の出現が望まれていた。
また、封筒でのダイレクトメールや書面送付、あるいは封筒に入った広告物の手渡し等により入手した封筒類は不要物として破棄されることが多く、再利用するとしてもその用途には限りがあるばかりか、多くの手間がかかり有用な再利用はなかなか実現できなかったが、分離線を設けた封筒を作成し、本来の目的で使用した後には分離線に沿って切り離す事で該封筒を容易にファイリング材として有効活用することができることに注目した。
(1)封筒の表面および裏面を構成する連続した表シートと裏シートからなり、その表シートの上部端には封緘片を持った一枚の封筒展開シートを折って、表シートと裏シートがその側部端で一体化した側部端結合部を形成し、表シートと裏シートがその下部端で一体化した下部端結合部を形成して組み立てた封筒であって、封筒の上側および右側の端部を封筒本体から切り離すことができる分離線を有し、かつ、側部端結合部と分離線の間に表シートと裏シートとを接合した接合部を設けたことを特徴とする、分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(2)分離線が、(a)裏シート側端の近傍に、裏シート側端と並行に下部端から上部端の近傍に至る裏シートの縦分離線、(b)前記(a)と直角をなし、かつ、連続するように裏シート上部端の近傍と表シートの封緘部折り線の近傍に、裏シート上部端と封緘部折り線に並行した横分離線、および(c)前記(b)と連続して、かつ直角をなし、前記(a)の縦分離線と重なり合うように、表シート側端の近傍に、表シート側端と並行に表シート下部端に至る表シートの縦分離線からなり、該封筒の上端部および側部端を分離線に沿ってL字状に切り離すことができるようになっている、上記(1)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(3)結合部および/または接合部が、溶着および/または接着剤による接着により形成されている上記(1)または(2)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(4)分離線が、封筒展開シートに、印刷線、ミシン目線、または半切り加工により形成されたものである、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(5)封筒の内部空間が、接合部により上部端から下部端の方向に向かって、同一間隔で狭められている、または順次狭められている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(6)接合部が、上記の分離線を有する封筒展開シートに塗布した連続した線状、断続した複数の線状、点状または帯状の形状の接着剤を接合して設けたものである、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(7)接合部が、上記の分離線を有する封筒展開シートに、結合部の形成のための接着剤の塗布と同一工程で塗布された接着剤を接合して設けたものである、上記(6)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(8)接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、側部端結合部の形成のための接着剤の塗布と同一工程で同一接着剤を用いて同時に塗布されたものである、上記(7)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(9)接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、結合部を形成する接着剤と一体に形成されている上記(8)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(10)接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、結合部を形成する接着剤と同一接着剤でかつ同一の連続した線状の糊線に形成されたものである、上記(8)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(11)高速塗布機により、側部端結合部と接合部および下部端結合部を形成するための連続した線状の糊線を塗布する、上記(10)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(12)接合部を形成するための連続した線状の糊線は、縦分離線に近接した位置に塗布される上記(10)または(11)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(13)接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、側部端の連続した線状の結合部形成接着剤から内方に向かう複数の線状に形成されている上記(8)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(14)接合して接合部を形成する接着剤は、上部端から下部端方向に同一間隔になっている、または幅が広くなっている側部端の結合部形成接着剤と一体に形成されている上記(8)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(15)接合部が、表シートまたは裏シートの側部端に横接着片を設けるとともに、横接着片、または横接着片および上部端には複数の切り欠き部を設けることにより形成されている、上記(14)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(16)横接着片が、上部端から下部端方向に幅が広くなっている上記(15)に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(17)封筒の表面に情報記載欄を設けてある上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
(18)上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒からなる、分離線に沿って分離するとファイルが形成できるダイレクトメール用封筒。
本発明は、(1)裏シート側端の近傍に、裏シート側端と並行に下部端から上部端の近傍に至る裏シートの縦分離線、(2)前記(1)と直角をなし、かつ、連続するように裏シート上部端の近傍と表シートの封緘部折り線の近傍に、裏シート上部端と封緘部折り線に並行した横分離線、および(3)前記(2)と連続して、かつ直角をなし、前記(1)の縦分離線と重なり合うように、表シート側端の近傍に、表シート側端と並行に表シート下部端に至る表シートの縦分離線を入れた構成により、封筒の上端部および側部端を分離線に沿ってL字状に切り取ることができる。上記(2)の横分離線において、開口部、つまり表シートおよび裏シートの上端縁を他の部分から分離すれば、封筒を開封することができる。重なり合った縦分離線において右側端部を封筒の他の部分から分離すれば、封筒が、下端部と左側端部だけで表裏一対のシートが連結された形状となり、市販されている2辺が開口部となった書類ホルダと実質同様の形状となる。よって、郵送されてきた封筒から、上方部分および右方部分をL字状に分離すれば、封筒を書類ホルダとして使用することが可能となるから、封筒の再利用が容易となる。また、展開シートの形成と、各分離線の形成を同時に行うことができるから、加工工数を少なくすることができ、封筒の製造コストを低減することができる。
本発明は、封筒を形成する表シートと裏シートとの側部端結合部と該分離線の間に表シートと裏シートとを接合させた接合部を設けたことにより封筒内での収納物の移動を規制したものであり、具体的には、(a)接合部が、連続したまたは断続した1または複数の線状、点状または帯状の形状をしている封筒(図1、2、6〜8参照)、(b)高速塗布機により、糊線を塗布して結合部と接合部を高速かつ同時に形成した封筒(図1参照)、(c)表シートの側部端に横接着片を、下部端には底接着片を設けるとともに、裏シートの上端部および表シートの側部端には複数の切り欠き部を設け、裏シート側部端および裏シート下部端の近傍に接着面を設けた封筒(図3〜5参照)、(d)封筒の内部空間が、接合部により下端方向に向かって狭められている封筒(図7〜10参照)等を提供することができる。また、結合部の形成と、接合部の形成を同時にかつ高速に行うことができるから、1枚当たりの加工時間を少なくすることができ、封筒の製造コストを低減することができる。
さらにまた、線状の糊線という帯状塗布に比べて接着剤の使用量も少なく、高速で塗布が可能であり、かつ、郵送中に破損のない結合部を形成できる特定の接着剤を選択して使用することにより、封筒の製造コストをより低減することができる。
また、本発明の封筒を用いることによって、封筒本体が内容物により破損されることはなく内容物は所定に位置に固定されている。また、受取人は封筒に収納された目的物を取り出した後、分離線に沿って切断または分離された本体をファイルとして活用できるため、限りある資源の有効活用に繋がる。また、封筒の表面には記入可能な余白を設けることにより受取人が封筒本体に自由にメモ書きを記すことが容易であり、かつ筆記具を選ぶ必要がなく鉛筆で記すことによっては、修正や再利用することが抜群に容易となる。また、封筒のまま保管しようとすれば封筒の寸法は用紙サイズよりも大きいためストックするための事務用具、例えばファイルケースには収まらないことが多いため封筒を単純に積み重ねて保管する光景を見かけるが、本発明の封筒を分離線で分離した後には市販ファイルサイズと同じにできるため、容易にファイルケース等に保管することができる。また、ダイレクトメールや街頭での配布した広告の内容を見ないでそのまま破棄されることが減少し、封筒が開封される機会が増加することが期待される。
本発明の封筒の構造についついて、結合部および/または接合部が、溶着および/または接着剤による接着により形成されているものの内、結合部および接合部が、接着剤による接着により形成されている実施の態様の基本的な構造の一例について図1を参照しながら説明する。図1は本発明の好ましい実施態様である封筒展開シートの図面であり、連続した表シート1と裏シート2を有し、表紙1の上部端には封緘片4を持つ。この封筒には3方の周囲を容易に切り取ることができるようにするために連続した分離線9a、10、9bが設けられている。これらの分離線は、裏シート2の下部端12から裏シート2の上部端11の近傍に至る裏シート側端13に並行した裏シート縦分離線9aを設け、この縦分離線9aと直角をなし、縦分離線9aと連続するように裏シート上部端11の近傍と表シート1の封緘部折り線6aの近傍に、裏シート上部端11と封緘部折り線6aに並行した横分離線10を設け、横分離線10と連続して横分離線10とは直角をなし、表シート側端24の近傍に、表シート側端24と並行に表シート下部端25に至る表シートの縦分離線9bが設けてある。横分離線10は、封緘片4を接着した際に封緘片4によって覆われない位置に設けられている。これらの分離線9a、9bは表裏シートを貼り合わせた際には、重なり合って一本の分離線となるように形成されている。表裏シートに形成されている横分離線10も貼り合わせた際には一体となるように設けられる。
結合部および/または接合部が、溶着および/または接着剤による接着により形成されているが、以下、接着剤による接着により形成されている結合部を「接着面」と言うことがある。
裏シート側端13、裏シート下端12の内部には側部接着面14および下部接着面15が設けられ、表シートの端部24,25との接着により封筒を形成する。好ましい態様においては、側部接着面14および下部接着面15は2〜3mm幅の糊線として形成される。糊線の位置は、できるだけ端部に近い位置に設けられるが、表裏シートが接着された際に糊が端部から外部に漏れ出すことがない位置である。
表シート縦分離線9bには、封筒から3方の外周を切り取った後にファイルとして使用する際に、収納した書類等を取り出しやすくするための切り込み部20を設けることができる。また、ファイルを開ける際の力を分散させてファイル下部端の損傷を防止しするために、表シート縦分離線9bの表シート端部25の近傍に切り込み部21を設けることができる。
裏シート2の縦分離線9aと側部接着面14との間には、封筒内での収納物の移動を規制する接合部23が設けられている。接合部23は、図1の実施態様においては、接着剤(糊)からなり、縦線糊部16としては1mm強で塗布され、接合後は2〜3mm幅の糊線(接合部23)として形成される。当該糊線は、表裏シートが接着された際には、接着剤が縦分離線9aを覆うことがない範囲で、できるだけ分離線9aに近接した位置に設けることが好ましい。接合部(糊線)23を設ける位置は封筒内に収納する書類等の大きさに応じて接合部23を分離線9aと側部接着面との間で移動させることができるが、例えば、A4を収納する封筒であれば、切り取るファイルはA4用のサイズとし、縦分離線9aと接合部(糊線)23はできるだけ接近させておき分離線による封筒の強度低下を抑えることが好ましい。
本発明の材質としては、封筒、ファイルとして使用されている材質のものであれば何れのものも使用することができるが、例えば、天然パルプ紙、再生パルプ紙、クラフト紙等の紙類やポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂類からなるシート類、ポリエステルやポリエチレン等の素材を特殊加工して、表面に白色顔料をまぜたものを塗工し紙のような印刷適性を持たせた紙状の素材(合成紙)、紙、プラスチック、金属箔等を積層した材料によるものなど各種の素材が使用される。ファイルとして使用できる強度を有するシート類であることが好ましい。封筒が窓あき封筒の場合、封筒に設ける窓は、不透明な材料からなる封筒の場合には、予め所定の位置を打ち抜いて、透明なフィルムを前記窓部に貼るか、あるいは、予め所定の位置を打ち抜いた封筒用紙の裏側全面に、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の透明フィルムを貼ることにより得られる。その他、特殊な透かし効果のあるインキを印刷することにより、紙の一部を変質させて透明にする方法によっても得られる。フィルムに比べて透過性は劣るが、剥がれない、封入作業の場合に引っ掛かりがないなどの利点がある。また、打ち抜く・フィルムを貼る行程がないので、スピード面・コスト面に利点がある。印刷方法として、コーターユニットでインキ塗布量を増やすと効果が出る。窓部の大きさ、形状等は、封入する封入物および、窓部周縁に設けるイラスト、写真等との関係により設計する。また、封入物開示用の窓は、通常の用途としては、1ケ所でよいが、2ケ所以上の窓を設けて、封入物の訴求力を高めてもよい。さらに、イラストや写真は、封筒の窓部周縁に設けるだけでなく、窓部に貼られた透明フィルムに印刷されてもよい。
透明な材料からなる封筒の場合には、予め所定の位置を残して、その他の部分は印刷で不透明することで窓あき封筒とすることができる。
結合部および/または接合部が、溶着および/または接着剤による接着により形成されているが、結合部および接合部が、接着剤による接着により形成されている実施の態様において用いられる接着剤について説明する。
本発明の封筒を作成するには、材質に応じた接着方法が採用される。例えば、紙と紙や紙とプラスチック類の接着には、例えば、酢酸ビニル系の接着剤が用いられ、プラスチック相互の接着には融着、EVA系ホットメルトが主に用いられる。接着剤としては、通常の種類のものであれば何でも差し支えないが、高速塗布機を用いる際のさらに正確な加工工程は、接着剤の種類によって決められる。紙と紙、紙とプラスチックフィルムを貼り合わせるには、接着剤を基材(例えば紙)に塗布する時、多くは高速塗布機を使用している。
接着剤としては、酢酸ビニル系、エチレン/酢酸ビニル系接着剤が多く使用される。酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂を主体とした、合成樹脂エマルジョンタイプの水性接着剤が、紙/紙用の接着、金属箔、プラスチックフィルム/紙用の接着等、各種用途に使用されている。接着剤の塗布性を制御するためには、粘度や粘性(例、チクソトロピック、ニュートニアン、ダイラタンシー)を制御することができる。また、保護コロイドとしてポリビニルアルコールを使用した酢酸ビニル樹脂のエマルジョンに対しては、無機および/または有機電解質を添加することにより粘性を制御して、「糊飛び」を防止する方法により接着性能を損なうことなしに、接着剤塗布時に「糊飛び」が発生しない接着剤とすることができる。
上記酢酸ビニル系接着剤として使用する望ましいエマルジョンについて更に、詳述すると、(1)酢酸ビニルが50〜100質量%と、(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のラジカル重合能を有する不飽和基含有モノマーの1種または2種以上が0〜50質量%とを乳化重合より合成したものである。酢酸ビニルが50質量%未満であると、望ましい粘性が得られず、接着剤塗布時に塗布ムラが発生する場合がある。
ラジカル重合能を有する不飽和基含有モノマーの使用量は、酢酸ビニル系エマルジョンの場合は、モノマーに対して、0〜50質量%であるが、より好ましくは0〜40質量%である。一方、エチレン/酢酸ビニル系エマルジョンの場合は、モノマーに対して、0〜45質量%であるが、より好ましくは0〜30質量%である。
乳化重合には、公知のあらゆる乳化重合法を採用することができる。モノマーおよびその他の重合助剤(例えば、過硫酸アンモニウム等の重合開始剤、メルカプタン類等の連鎖移動剤、炭酸ソーダ等のpH調整剤、各種消泡剤他)を初期に一括添加してもよいし、連続的に添加してもよいし、その一部を重合中に連続または分割して添加してもよい。
乳化重合に用いられる重合開始剤として、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2,2’−ジアミジノ−2,2’−アゾプロパンジ塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物が挙げられる。また、公知のレドックス系開始剤、例えば過硫酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウム等も挙げられる。重合開始剤の使用量は、モノマーに対して、通常は0.1〜5質量%、望ましくは0.2〜2質量%である。
このようにして得られた酢酸ビニル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系接着剤(エマルジョン)には、必要に応じ、可塑剤、溶剤等を混合してもよい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、トリエチルフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンモノフェニルエーテル類、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールまたはそのエステル類等が挙げられる。
可塑剤添加量は、酢酸ビニルおよび/またはエチレン/酢酸ビニルエマルジョンに対して、通常は0〜30質量%、望ましくは0〜20質量%である。可塑剤添加量が30質量%を超えると、接着剤の皮膜強度が小さくなり、接着力が低下する場合がある。
分離線は印刷線、ミシン目線、または半切り加工により形成されている。本発明の封筒は受取人がファイルとして再利用することをも目的とするものであり、封筒の形状からファイルを得るためにその一部を分離または切断することが必要である。分離を行う位置は予め封筒に設けられた縦分離線9aおよび9b並びに横分離線10に沿って切り離されるが、この分離線構造は最も簡単な手法として封筒の表面に印刷線を設け切り取り部分を示すことで最低限の目的を果たせる。
結合部および/または接合部は、溶着および/または接着剤による接着により形成されている。
結合部は、表シートと裏シートを結合または接着することにより形成されている。表シートと裏シートとの結合により結合部の形成には、通常、シートから封筒を完成する前に封筒の内面となる適宜位置に接着剤層を形成しておいて封筒の完成時には結合部を形成するか、封筒を完成させた後に表シートを裏シートとを融着させる等により結合部を形成することができる。
接合部は、封筒の内部形状を規制させるために形成されるものであり、切り取り作業後はファイルに残らないようにしなければならない。したがって、接合部は完成した封筒の端部と分離線との間に設けられ、その構造は、一または複数の連続した線状、帯状であってもよく、不連続の線、間隔をあけたスポットの列であってもよい。接合部は、封筒の開口部から下方に向けて収納部が狭まるように設けることが好ましい。そうすることにより、開口周辺は広いため封筒内に収納物を挿入するには容易であり、収納後は、特に、収納物の下端部分が結合部により動きを制限されるため、収納物の移動等により収納物や封筒が破損されることが防止できる。
結合部と接合部は同一の手段により形成する場合は同一の工程で、好ましくは同時に行うことができる。接合部は、側部端の結合部と一体に形成することができ、その場合、接合部は、例えば、表シートまたは裏シートの側部端に横接着片を設けるとともに、横接着片、または横接着片および上部端には複数の切り欠き部を設けることにより形成される。
また、接合部は、側部端結合部の形成に用いた接着剤と同一接着剤で接合して設けることができる。その好ましい態様は、接合部が、側部端結合部および下部端結合部の形成に用いた接着剤と同一接着剤でかつ同一の連続した線状の糊線を接合して設けたもの、好ましくは高速塗布機により、側部端結合部と接合部および下部端結合部を形成するための連続した線状の糊線を塗布する。接合部を形成するための連続した線状の糊線は、縦分離線に近接した位置に塗布される。
本発明の封筒は、郵便やメール便用に使用する場合には、住所、あて先人の名前を印刷したラベルを表に貼り付けることができるが、封筒の表面および裏面には広い余白があるので様々に利用される。例えば、ファイルの表面となる封筒表面シートは透明に形成して内容物を確認できるようにし、裏面は全面に広告を印刷することができる。また、スポンサーの広告、宣伝を一部に印刷した格安の封筒兼ファイルとして販売することも可能である。ファイル表面には、鉛筆、筆、ペンによるメモ書きができるように、白色の筆記可能面を一部に設けておくと便利である。このようにして、封筒の再利用に便利な機能を付加することにより、ダイレクトメールの受取人による開封率を向上させ、通信販売や宣伝効果を増進されることができる。
本発明の封筒は、一つのアドレスで発送者から別のアドレスで受領者へ種々のアイテムを発送するために利用可能である。受領者のアドレスは封筒に直接印字されるか、感圧ラベルの形態で貼付されてもよい。この種のラベルは通常単一の発送者から複数の受領者へ一括でアドレス印字を可能にする列状またはシート状の複数のラベルであることが一般的である。典型的なラベル・シートは、通常下に敷かれる剥離ライナーに接着剤で接着された数枚のラベルを含んでいる積層体であって、通常感圧ラベルと呼ばれている。ラベルは、最初は、ライナー上の上面部に積層されており、ラベル裏面上の接着剤はライナーの正面側のシリコーン剥離剤と弱い接着を提供している。書信のアドレスは適切なプリンターで個々のラベル上に印字され、次に、ラベルは個々にライナーから剥離され、ラベルの裏面上に見られるのと同一の接着剤を使用して対応する封筒に貼付される。
封筒が透明な素材あるいは窓あき封筒の場合、メールオーダーDM発送、イベントや入会案内書等の発送、利用券や優待券の発送等の場合に、同一の連続フォームに顧客の宛て名と連絡内容を同時に印字し、封筒にこの連続フォームと前もって印刷してある他の印刷物を必要に応じて同封し、連続フォームに印字された宛て名欄が封筒あるいはその窓を通して見えるようにして郵送することが一般的である。また顧客に対して、イラスト、地図等の画像情報を送付する場合は、前もって封筒、メールフォームあるいは同封印刷物に印刷機によって印刷している。
本発明の封筒の基本的な構造については述べたので、さらに詳細に具体的に説明する。
まず、図2から図4に記載された封筒の例を説明する。
本発明の封筒の展開図を図3に示す。連続した表シート1と裏シート2を有し、表シート1の側部端には接着片3aおよび下部端には底接着片3bを有し、かつ、表シート1の上部端には封緘片4を持つ封筒において、裏シート2の上部端に複数個の上部切り欠き部8aを設け、表シート1の側部端に設けられた横接着片3aにも複数の横切り欠き部8b設ける。上部切り欠き部8aおよび横切り欠き部8bの形状は図によれば台形としているが半円型はもちろん三角型や楕円形でも支障なく、切り欠き数についても本発明に示した数に限定することなく自由に設計できる。
上部切欠き部8aは封緘片4により開口部を封鎖する際に横接着片3aと同様に封筒内の上部空間を規制することとなる。従って、図3から図5に示した構造の封筒は、横および上部の空間を接着により規制している。
これは、本発明の、接合して接合部を形成する接着剤が、上記の分離線を有する封筒展開シートに、結合部を形成する接着剤と一体に形成されている一例である。
他の具体例について図6を用いて説明する。この例は、横接着片、下接着片を設けることなく、裏シートの側端部に接着面14、下端部に接着面15、裏シート上端には上部切欠き部8aを設けた封筒である。裏シート縦分離線9aと裏シート側端に設けた側部接着面14との間には結合部を形成する縦線糊部23の接着剤が上端から下端に渡って単数または複数の線状に形成されている。こうした線状の結合部は、封筒を完成した後に溶着等により生成してもよい。
封筒を形成するために、裏シート2の裏シート側部端13の近傍には側部接着面14が、裏シート下部端12の近傍には下端接着面15が設けられ、この接着面には接着剤が塗布または貼付されているが、側部接着面14および下端接着面15は表シート1側に設けることもできる。
他の形態の接合部を設けた例としては図7に示すような、裏シート側部端13近傍に設けられた側部接着面14から直角方向に立て折り線5(封筒内部)に向かう複数の横線糊部17を設け、横線糊部17には接着剤が塗布または貼付されている。これは、本発明の、接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、側部端の連続した線状の結合部形成接着剤から内方に向かう複数の線状に形成されている一例である。
横線糊部17と側部接着面14は同じ材質の接着剤を使用して同時に形成してもよい。
横線糊部17は、前記に記載した側端接着面14および下端接着面15が表シート1に設けられた場合には該溶着部17を表シート1側に設けることも可能である。接着剤に関する材料は、澱粉糊や化学糊は勿論両面テープ等堅固に接着できるものであればよく、また、溶着による接合でもよい。
本発明の封筒を作成には例えば以下に記載の高速自動封筒作成装置が使用される。封筒の作成には、印刷工程や封入工程を付属させることができる。
例えば、封筒用紙を供給する給紙部と、この給紙部から送られた封筒用紙に対して予め設定した位置に接着剤を付着させる接着剤付着部と、この接着剤付着部から送られた一枚の封筒用紙を第一設定位置に位置決めし、長手方向の第一折部と第二折部を順次折返すことにより封筒用紙を接着する用紙折り畳部を備えた自動封筒作成装置や、ソースロールからレーザプリンタにウエブを供給し、住所、氏名および区分コードのような所定の封筒情報がプリンタによって所定の位置でウエブに印刷される。その印刷されたウエブは、プリンタから出力ロールに送られ、出力ロールは所定の印刷位置を検出する封筒切断および折り畳装置に取り付けられる。その後、印刷されたウエブは所定の位置で切断され、個々の封筒の形状に折り畳まれる。切断および折り畳の前には、エンボスのようなエンハンスメントを印刷されたウエブに対して行なうことができる各封筒の配列を維持しながら、封筒に関する可変情報を連続的に封筒に印刷する封筒製造システムが挙げられる。
本発明の封筒は、次に例示されるごとき開封装置を利用した用紙封入封緘装置により書類等の高速封入が可能となる。
封筒を搬送する第1の搬送ローラと第2の搬送ローラのうち、封筒搬送方向上流側に位置する第1の搬送ローラにより、第2の搬送ローラよりも高速で封筒を搬送させることにより封筒に撓みを発生させて封筒フラップの先端を封筒本体面から開き、さらにそのフラップを当接部材に当接させて完全に開かせる封筒フラップ開き装置。
分離線がミシン目線である本発明の封筒は下記の2種類の方法で製造することができる。好ましい実施態様である封筒展開シートの図面である図1は下記(1)のラインで製造された。
(1)印刷→打ち抜き(分離線を同時形成)→製袋(例、線糊3本の形成と折り)
(2)印刷と打ち抜き(分離線を同時形成)を同時(インラインカッティング)→断裁→製袋(例、線糊3本の形成と折り)
上記の(1)と(2)の違いは、(1)の打ち抜きはアップダウン木型(ベニヤ板に刃物を埋め込んで作る木型)を使用する。1時間当たり最高速度6,000枚である。一方、(2)の印刷と同時に打ち抜くのはロータリー 型であり、ロータリー型は金属を腐食させて刃を形成するものである。それをマグネットシリンダーに巻きつけ装着してカウンター胴との間で打ちぬかれる。上記の(1)は一旦紙が停止し、アップダウンで打ち抜くのに対し、(2)はロータリーなのでノンストップである。全部を打ち抜くとばらばらになるので一部を残しておく。そこを断裁して全体を分離させる。1時間当たり最高速度12,000枚である。上記の(1)および(2)は、製袋は同じ行程である。打ち抜いた紙を専用機械(高速塗布機)にて、例えば、線糊3本14,15,16(23)を引いて(図1参照)、折られてプレスするとでき上がりとなる。
図1で示される封筒展開シートの封筒の構造などについては段落[0017]および[0018]において説明したとおりである。なお、図1の線糊3本14,14,16(23)は、酢酸ビニル系重合体エマルジョンからなる接着剤(酢酸ビニル重合体を25〜30重量%、フタル酸-n-ブチルを5.0〜10重量%、水を55〜60重量%)を用いて巾1mm強の糊線(まず15,続いて14と16)が塗布される。それらの糊線は、折り工程で接着あるいは接合後は2〜3mm幅の結合部および接合部23を形成した。
表シート縦ミシン目9bには、封筒から3方の外周を切り取りファイルとして使用する際に、収納した書類等を取り出しやすくするための切り込み部20を設け、また、表シート縦ミシン目9bの封緘折線6の近傍に切り込み部21を設けることにより、ファイルを開ける際の力を分散させてファイル下部端の結合部を損傷することを防止しすることができる。これらの切り込み部は表シートを切断することにより設けられている。表シートの縦ミシン目9bと縦折線5との間には、封筒を組み立てた場合に裏シート2と接着して収納物の移動を規制する接合部23が縦方向に直線状に縦ミシン目9bに平行した接着剤線として形成されている。
2 裏シート
3a 横接着片
3b 底接着片
4 封緘片
5 縦折り線
6a 上部折り線
6b 下部折り線
7 接着面
8a 上部切り欠き部
8b 横切り欠き部
9a 裏シート縦分離線、裏シート縦ミシン目
9b 表シート縦分離線、表シート縦ミシン目
10 横分離線、横ミシン目
11 裏シート上部端
12 裏シート下部端
13 裏シート側端
14 側部接着面
15 下部接着面
16 縦線糊部
17 横線糊部
20、21 切欠き部
22a、22b 分離線延長部、ミシン目延長部
23 接合部
24 表シート側端
25 表シート下部端
Claims (18)
- 封筒の表面および裏面を構成する連続した表シートと裏シートからなり、その表シートの上部端には封緘片を持った一枚の封筒展開シートを折って、表シートと裏シートがその側部端で一体化した側部端結合部を形成し、表シートと裏シートがその下部端で一体化した下部端結合部を形成して組み立てた封筒であって、封筒の上側および右側の端部を封筒本体から切り離すことができる分離線を有し、かつ、側部端結合部と分離線の間に表シートと裏シートとを接合した接合部を設けたことを特徴とする、分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 分離線が、(1)裏シート側端の近傍に、裏シート側端と並行に下部端から上部端の近傍に至る裏シートの縦分離線、(2)前記(1)と直角をなし、かつ、連続するように裏シート上部端の近傍と表シートの封緘部折り線の近傍に、裏シート上部端と封緘部折り線に並行した横分離線、および(3)前記(2)と連続して、かつ直角をなし、前記(1)の縦分離線と重なり合うように、表シート側端の近傍に、表シート側端と並行に表シート下部端に至る表シートの縦分離線からなり、該封筒の上端部および側部端を分離線に沿ってL字状に切り離すことができるようになっている、請求項1に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 結合部および/または接合部が、溶着および/または接着剤による接着により形成されている請求項1または2に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 分離線が、封筒展開シートに、印刷線、ミシン目線、または半切り加工により形成されたものである、請求項1ないし3のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 封筒の内部空間が、接合部により上部端から下部端の方向に向かって、同一間隔で狭められている、または順次狭められている請求項1ないし4のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合部が、上記の分離線を有する封筒展開シートに塗布した連続した線状、断続した複数の線状、点状または帯状の形状の接着剤を接合して設けたものである、請求項1ないし5のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合部が、上記の分離線を有する封筒展開シートに、結合部の形成のための接着剤の塗布と同一工程で塗布された接着剤を接合して設けたものである、請求項6に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、側部端結合部の形成のための接着剤の塗布と同一工程で同一接着剤を用いて同時に塗布されたものである、請求項7に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、結合部を形成する接着剤と一体に形成されている請求項8に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、結合部を形成する接着剤と同一接着剤でかつ同一の連続した線状の糊線に形成されたものである、請求項8に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 高速塗布機により、側部端結合部と接合部および下部端結合部を形成するための連続した線状の糊線を塗布する、請求項10に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合部を形成するための連続した線状の糊線は、縦分離線に近接した位置に塗布される請求項10または11に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合して接合部を形成する接着剤は、上記の分離線を有する封筒展開シートに、側部端の連続した線状の結合部形成接着剤から内方に向かう複数の線状に形成されている請求項8に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合して接合部を形成する接着剤は、上部端から下部端方向に同一間隔になっている、または幅が広くなっている側部端の結合部形成接着剤と一体に形成されている請求項8に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 接合部が、表シートまたは裏シートの側部端に横接着片を設けるとともに、横接着片、または横接着片および上部端には複数の切り欠き部を設けることにより形成されている、請求項14に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 横接着片が、上部端から下部端方向に幅が広くなっている請求項15に記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 封筒の表面に情報記載欄を設けてある請求項1ないし16のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒。
- 請求項1ないし17のいずれかに記載の分離線に沿って分離するとファイルが形成できる封筒からなる、分離線に沿って分離するとファイルが形成できるダイレクトメール用封筒。
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