JP2011218832A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、「接地面積の増加」と「エッジ圧の増加」を両立させ、氷上性能をさらに向上した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、ブロックを接地面積の増加を担う第1ブロック片と、エッジ圧の増加を担う第2ブロック片とに分け、役割を分担させ、それぞれのブロック片の形状を適切に設定したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤのトレッド踏面に複数のサイプを有し、特に氷上ブレーキ性能を向上した空気入りタイヤに関するものである。
従来、冬用の空気入りタイヤでは、氷上における発進時の加速性、制動性を改良するため、タイヤトレッドパターンのブロックやリブ(以下、ブロックと総称する)にトレッド幅方向に延びるサイプを付加することがなされてきた。
特に、氷上ブレーキ性能を向上させる従来技術として、特許文献1には、ブロックの両端にある小ブロックを捩じれた形状としたことを特徴とする空気入りタイヤが記載されている。
この空気入りタイヤでは、ブロックの両端にある小ブロックは、路面からの圧力により圧縮された際に、互いに反対方向の回転力を生じるため、サイプ本数を増加した際にも制動駆動時における小ブロックの倒れこみを抑制することができ、これにより、接地面積の減少を抑制することができる。
特開平11−208222号公報
タイヤの氷上摩擦特性の向上を考えた場合、「ブロックと氷の接地面積」および、「ブロックのエッジ部による氷の掘り起こす力」をともに増加させることが必要となる。しかし、上述した空気入りタイヤでは、ブロックの倒れこみの抑制により接地面積減少を抑制することができる一方で、サイプにより分断した小ブロックごとのエッジ圧は減少してしまうこととなる。このため、サイプ付加による効果が十分に得られず、氷上性能について改善する余地があった。
そこで、本発明の目的は、上述した問題点を解消して、「接地面積の増加」と「エッジ圧の増加」という背反する特性を両立させ、氷上性能をさらに向上した空気入りタイヤを提供することにある。
発明者は、「接地面積の増加」と「エッジ圧の増加」とを両立することのできるタイヤについて鋭意研究を重ねた。
その結果、ブロックを接地面積の増加を担う第1ブロック片と、エッジ圧の増加を担う第2ブロック片とに分け、役割を分担させることで、上記の問題を解決し、タイヤの氷上性能を向上させることができることの新規知見を得た。
さらに、発明者は、トレッド踏面における、上記第1ブロック片と第2ブロック片の形状を適切に設定することにより、第1のブロック片が担うエッジ効果を高め、タイヤの氷上性能をさらに向上させることができることの新規知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づくものであり、その要旨は、以下のとおりである。
(1)タイヤのトレッド踏面に、トレッド周方向に延びる複数の周方向溝と、トレッド幅方向に延びる複数の幅方向溝とにより複数のブロックを区画し、該ブロックにトレッド幅方向に延びる複数のサイプを設けた空気入りタイヤであって、
前記ブロックは、前記サイプにより複数のブロック片に分断され、かつ該ブロック片のトレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸減する第1ブロック片と、トレッド表面に向かって漸増する第2ブロック片とが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組有し、
前記第1ブロック片の少なくともトレッド表面での前記トレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸減し、前記第2ブロック片の少なくとも前記トレッド表面での前記トレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸増し、
前記トレッド表面の、前記ブロックのタイヤ幅方向中央部における、前記第1ブロック片のタイヤ周方向の幅u1と、前記第2ブロック片のタイヤ周方向の幅u2との比u1/u2が、0.2以上0.3以下の範囲にあり、且つ
前記トレッド表面の、前記ブロックのタイヤ幅方向端部における、前記第1ブロック片のタイヤ周方向の幅t1と、前記第2ブロック片のタイヤ周方向の幅t2との比t1/t2が、0.4以上0.6以下の範囲にあることを特徴とする、空気入りタイヤ。
(2)前記第1ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸増した後漸減し、
前記第2ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後漸増することを特徴とする、前記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記第1ブロック片と前記第2ブロック片に挟まれる前記サイプの開口幅が一定であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記第1ブロック片の少なくともサイプ底でのトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸増し、前記第2のブロック片の少なくとも前記サイプ底でのトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸減することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記ブロックのタイヤ周方向両端にあるサイプは、共にタイヤ幅方向に屈曲しながら延び、且つタイヤ径方向に屈曲しながら延びる3次元サイプであることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間に、前記第1ブロック片と前記第2ブロック片とを接続する少なくとも1つの底上げ部を設けたことを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(7)前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間の前記サイプの壁面の少なくとも一箇所に、サイプ幅の半分以上の高さの突起が形成されることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(8)前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間の前記サイプの壁面の少なくとも一部に、サイプ幅の1/50以上1/10未満の範囲の高さの微細構造部を形成したことを特徴とする、前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、第1ブロック片および第2ブロック片にて役割を分担させて、接地面積の増加とエッジ圧の増加とを両立させることができる。さらに、トレッド踏面における、上記第1ブロック片と第2ブロック片の形状を適切に設定することにより、第1のブロック片が担うエッジ効果を高められるため、特に氷上性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。 本発明の空気入りタイヤの第1実施形態に係るブロックの斜視図である。 (a)は、図2のA−A線におけるブロックの断面図であり、(b)は、図2のB−B線におけるブロックの断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第2実施形態に係るブロックの斜視図である。 (a)は、図4のC−C線におけるブロックの断面図であり、(b)は、図4のD−D線におけるブロックの断面図である。 本発明の空気入りタイヤの作用効果を説明するための図である。 本発明の一実施形態のトレッドパターンを示す図である。 本発明の空気入りタイヤのブロック表面の一例を示す図である。 (a)サイプに底上げ部を設けたブロックを示す図である。(b)底上げしたサイプのブロックにおける配置を説明するための図である。 ブロック表面の様々なパターンを示す図である。 各試供タイヤのサイプ形状の模式図である。 各試供タイヤのサイプ形状の模式図である。 従来例のタイヤの説明図である。
以下に、本発明の空気入りタイヤの実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、タイヤの内部補強構造等は、一般的なラジアルタイヤのそれと同様であるので図示を省略する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。
図示のトレッドパターンは、タイヤのトレッド踏面1に、タイヤ赤道CLと平行なトレッド周方向に延びる複数の周方向溝3と、トレッド幅方向に延びる複数の幅方向溝4とにより複数のブロック20を区画してなる。このブロック20には、トレッド幅方向に延びる複数のサイプ21を設けている。
これらのサイプ21は、隣り合う周方向溝3同士を接続するように、ブロック20を貫通し、このブロック20を、複数、図示例で7個のブロック片に分断する。
なお、この図示例では、ブロック20がトレッド周方向に並ぶブロック列は、タイヤ赤道CLを挟んでトレッド幅方向に2列ずつ配置しているが、ブロック20の配置数はこの図示例に限定されるものではない。例えば、タイヤ赤道CLを挟んでトレッド幅方向一方側に2列、他方側に3列のように非対称な配置も可能である。
図2に、本発明の空気入りタイヤの第1の実施形態に係るブロック20の斜視図を示す。
図中矢印でトレッド周方向C、トレッド幅方向W、タイヤ径方向R(矢印方向がタイヤ径方向内側)を表す。
各ブロック20は、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組有する。
第1ブロック片22Tは、そのトレッド周方向の幅がトレッド表面に向かって漸減し、第2ブロック片22Rは、トレッド周方向の幅がトレッド表面に向かって漸増している。すなわち、図2に示すように、サイプ21はトレッド踏面に対して垂直ではなく傾斜している。
また、図示例においてトレッド踏面に着目すると、第1ブロック片22Tは、その周方向幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部S1、S2から中央部Cに向かって漸減する。一方、第2ブロック片22Rは、その周方向幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部S1、S2から中央部Cに向かって漸増する。
なお、トレッド幅方向におけるブロック20の中央部Cとは、ブロック20のトレッド幅方向中央線を含み、当該中央線を中心としてブロック20の幅WBの50%以下の幅の領域を指すものとし、トレッド幅方向におけるブロック20の端部S1、S2とは、中央部Cの両側の領域を指すものとする。
次に、図3を参照して、この第1の実施形態に係る第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rについて説明する。
図3(a)は、図2のA−A線、すなわち、ブロック20のトレッド幅方向中央部におけるブロック20の断面図であり、図3(b)は、図2のB−B線、すなわち、トレッド幅方向のブロック20の端部におけるブロック20の端面図である。
図3(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTCは、図3(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTSより短い。すなわち、第1ブロック片22Tは、その周方向幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸減しているため、第1ブロック片22Tの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より減少している。
また、図3(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRC1、WRC2は、図3(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRS1、WRS2よりそれぞれ長い。すなわち、第2ブロック片22Rは、その周方向幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸増しているため、第2ブロック片22Rの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より増加している。
また、図2に示す例では、トレッド踏面の、ブロックのタイヤ幅方向中央部における、第1ブロック片のタイヤ周方向の幅u1と、第2ブロック片のタイヤ周方向の幅u2との比u1/u2は0.25であり、且つブロックのタイヤ幅方向端部における、第1ブロック片のタイヤ周方向の幅t1と、第2ブロック片のタイヤ周方向の幅t2との比t1/t2は0.5である。
図4に、本発明の空気入りタイヤの第2の実施形態に係るブロック20の斜視図を示す。
図2との構成の違いは、図4に示すように、サイプ21の傾斜方向が、ブロック20のタイヤ径方向中央付近、具体的には、サイプ21の径方向の長さの中央で変わっているということである。
すなわち、第1ブロック片22Tは、そのトレッド周方向の幅が、タイヤの径方向内側から外側に向かって漸増した後、サイプ21の径方向長さの中央で漸減に転じ、第2ブロック片22Rは、そのトレッド周方向の幅が、タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後、サイプ21の径方向長さの中央で漸増に転じている。
なお、u1/u2、t1/t2の値も第1の実施形態と同様にそれぞれ、0.25、0.5である。
次に、図5を参照して、この第2の実施形態に係る第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rについて説明する。図5(a)は、図4のC−C線、すなわち、ブロック20のトレッド幅方向中央部におけるブロック20の断面図であり、図5(b)は、図4のD−D線、すなわち、トレッド幅方向のブロック20の端部におけるブロック20の端面図である。
第1ブロック片22Tは、トレッド周方向の幅が、タイヤの径方向内側から外側に向かって漸増した後漸減している。一方、第2ブロック片22Rは、タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後漸増している。図5の例では、タイヤ周方向の断面図において、第1ブロック片22Tは、トレッド周方向の幅がサイプ21の深さ中心部分で最大の、いわゆるタル形状であり、断面図で見るサイプ21の溝壁はなだらかな弧を描き、曲率中心は溝壁に対して第1ブロック片22Tの内側方向に存在する。一方、第2ブロック片22Rは、トレッド周方向の幅がサイプ21の深さ中心部分で最小の、いわゆるラッパ形状であり、断面図で見るサイプ21の溝壁はなだらかな弧を描き、曲率中心は溝壁に対して第2ブロック片22Rの外側方向に存在する。
このようなタル形状、ラッパ形状のブロック片の場合も、図5(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTCは、図5(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅WTSより短い。すなわち、第1ブロック片22Tは、その周方向幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸減しているため、第1ブロック片22Tの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より減少している。
また、図5(a)に示す、トレッド幅方向のブロック20の中央部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRC1、WRC2は、図5(b)に示す、トレッド幅方向のブロック20の端部における第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅WRS1、WRS2よりそれぞれ長い。すなわち、第2ブロック片22Rは、その周方向幅が、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸増しているため、第2ブロック片22Rの接地面積は、ブロック20のトレッド幅方向中央部ではトレッド幅方向端部より増加している。
第1及び第2の実施形態において示したように、本発明のタイヤは、まず、ブロック片のトレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸減する第1ブロック片と、トレッド表面に向かって漸増する第2ブロック片とが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組有することが肝要である。
図6を参照して、この第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rの作用効果について説明する。
図6に示すように、タイヤが矢印方向に、例えば氷路面15を転動しているときに制動力がはたらくと、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとには、進行方向と逆向きに倒れこむ力が働く。ここで、第1ブロック片22Tには、倒れこみが容易に発生し、図中点線の丸で囲んで示すエッジ部の局所変形が大きくなるため、エッジ部のエッジ圧が向上する。これは、第1ブロック片の路面に対して漸減する形状とすることで、第1ブロック片のエッジ部が鈍角となり、荷重負荷時におけるエッジ部のゴムの膨出方向が、路面に平行ではなく、路面に向かう方向となる結果、路面に対してエッジ端が拘束されやすいためである。
一方、第2ブロック片22Rは、ブロック片表面に向かって幅が拡がる形状であることから倒れこみが発生せず、エッジ部が接地面から離れず、荷重下では氷路面に対して拡がるように変形をする。そのため、第2ブロック片22Rは無負荷時よりも接地面積が大きくなり、該ブロック片22Rの浮き上がりが抑制される。このように、エッジ圧増加と接地面積増大の機能をブロック片毎に分離させることにより、ブロックとして見たとき氷上摩擦特性、特に氷上ブレーキ性能を向上させることができる。
また、本発明のタイヤは、少なくともトレッド表面での第1ブロック片22Tのトレッド周方向の幅を、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸減させ、かつ、第2ブロック片22Rのトレッド周方向の幅を、トレッド幅方向におけるブロック20の端部から中央部に向かって漸増させることが肝要である。
これにより、エッジ効果および接地面積増加効果のそれぞれがより強調され、大幅に氷上摩擦性能を向上させることができる。
これは、エッジ圧が小さくなりがちなタイヤ幅方向中央部において、第1ブロック片のエッジ部の鈍角形状がより強調され、上記の路面に対してエッジ端が拘束されやすくなる効果を増大させ、結果として高いエッジ圧を得ることができるからである。
また、第2のブロック片は、タイヤ幅方向中央部において、ブロック片の路面に接する側の周方向幅が大きく、サイプ底側の周方向幅が小さくなり、より路面からの入力に対して安定した形状となり、接地面積が増加するからである。
また、第2の実施形態において示したように、第1ブロック片22Tを、そのサイプ21の溝底部分の幅を短く、くびれた形状にすることによって、第1ブロック片22Tの剛性を低下させ、第1ブロック片22Tの倒れこみをさらに発生しやすくすることが好適である。
さらに、本発明では、トレッド踏面の、ブロックのタイヤ幅方向中央部における、第1ブロック片のタイヤ周方向の幅u1と、第2ブロック片のタイヤ周方向の幅u2との比u1/u2が0.2以上0.3以下の範囲にあり、且つ
トレッド踏面の、ブロックのタイヤ幅方向端部における、第1ブロック片のタイヤ周方向の幅t1と、第2ブロック片のタイヤ周方向の幅t2との比t1/t2が、0.4以上0.6以下の範囲にあることが肝要である。
なぜなら、u1/u2が0.2未満であると、接地に際し、第1ブロック片が極度に倒れこんでしまい、十分なエッジ効果が得られず、一方0.3より大きいと第1ブロック片の倒れこみが小さく、この場合もまた、十分なエッジ効果が得られないからである。
同様に、t1/t2が0.4未満であると、接地に際し、第1ブロック片が極度に倒れこんでしまい、十分なエッジ効果が得られず、一方0.6より大きいと第1ブロック片の倒れこみが小さく、十分なエッジ効果が得られないからである。
また、第1ブロック片の少なくともサイプ底でのトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向におけるブロックの端部から中央部に向かって漸増し、第2のブロック片の少なくともサイプ底でのトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸減することが好ましい。
これにより、ブロックの幅方向中央部において、第1のブロック片はサイプ底側の周方向幅が大きくなることで、より倒れ込みが生じやすくなり、エッジ圧がより増大し、一方で、第2のブロック片は、サイプ底側の周方向幅が小さくなることで、第2のブロック片は、倒れ込む力に対し、より安定的になり、接地面積の減少をさらに抑制できるからである。
さらに、本発明のタイヤは、図7に示すように各ブロックにおいて、ブロックをブロック片に分断するサイプ21の少なくとも1つは、タイヤ幅方向に屈曲しながら延び、タイヤ径方向にも屈曲しながら延びる3次元サイプ21aであることが好ましい。
これにより、路面からのあらゆる方向の入力に対しても、3次元サイプの壁面間の高い接触力により、ブロック片の倒れこみを抑制し、接地面積の減少を抑制することができる。
また、3次元サイプをブロックのタイヤ周方向両端側の少なくともいずれかに配置することが好ましく、両端に配置することがより好ましい。
なぜなら、ブロックの踏み込み端、蹴り出し端に3次元サイプを配置することで、より効果的にブロック片の倒れこみを抑制し、接地面積の減少を抑制することができるからである。
また、3次元サイプをタイヤ周方向両端に加えて、タイヤ周方向中央部にも設けることで、様々な方向からの入力に対し、さらにブロック片の倒れこみを抑制し、接地面積の減少を抑制することができる。
ところで、サイプ21の開口幅が広すぎると、ブロック20におけるブロック片の割合が少なくなり、ブロック剛性が低下するので好ましくない。それゆえ、サイプ21を挟んで向かい合う溝壁が同形状で、サイプ21の開口幅が一定であることが好ましい。
また、第1ブロック片22Tの周方向幅を第2ブロック片22Rの周方向幅より小さくすることで、第1ブロック片22Tの剛性を低下させ、第1ブロック片22Tの倒れこみをさらに発生しやすくすることが好適である。
さらに、1つのブロック20の全体にわたって、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとがトレッド周方向に向かって交互に配置されることが好適である。
しかし、1つのブロック20において、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとが隣り合わせに配置されてなる組が少なくとも1組存在すればよく、例えば図8にブロック表面を例示するように、第1ブロック片22T相互および第2ブロック片22R相互が隣り合って配置されてもよい。
図9(a)(b)に、本発明の空気入りタイヤの第3実施形態に係るブロック20の斜視図を示す。図4との構成の違いは、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとの間のサイプ21に当該サイプの深さを変化させて、他のサイプに比し、一部又は全てのサイプ底をタイヤ径方向外側に隆起させる底上げを設けている点である。
図9(a)の例では、サイプ21の底に、第1ブロック片22Tと第2ブロック片22Rとを接続する少なくとも1つの、図示例では3つの底上げ部24を設けている。この底上げ部24を設けることにより、第2ブロック片22Rの倒れこみがさらに抑制されるので、確実に接地面積を確保することができる。
なお、図示例では、図面手前のサイプ21にのみ底上げ部24を設けた例を示しているが、全てのサイプ21に底上げ部24を設けることもできる。
また、図9(b)はブロック20における底上げしたサイプの配置例であり、この図示例では、まず周方向両端のサイプ21bは、幅方向両端が底上げされており、その他のサイプは千鳥足状に底上げを設けている。すなわち、図9(b)のサイプ21cは、タイヤ幅方向の正の方向(図9(b)のタイヤ幅方向Wの矢印の方向)が底上げされており、サイプ21dは、タイヤ幅方向の負の方向が底上げされており、これらサイプ21cと21dが交互に配置されている。ブロック20の周方向両端のサイプの幅方向両端に底上げを設けていることにより、ブロックの踏み込み端、蹴り出し端のブロック片の倒れこみを抑制し、接地面積の減少を抑制することができ、また、千鳥足状に底上げを設けることで第1のブロック片22Tの倒れこみによるエッジ効果を妨げず、且つ第2のブロック片の倒れこみを抑制し、接地面積を増加させることができる程度に、適度にブロック20の剛性を高めることができるからである。
また、第1ブロック片と第2ブロック片との間のサイプの壁面の少なくとも一部に、サイプ幅(開口幅)の半分以上の高さの突起を設けることが好ましい。
突起物により、ブロック片の倒れこみをさらに抑制し、接地面積の減少を抑制することができるからである。
さらに、サイプ幅(開口幅)の1/50以上1/10未満の範囲の高さの微細構造部を形成することが好ましい。
微細構造部により、サイプ21を挟む壁面同士の拘束が強化され、ブロック片の倒れこみがさらに抑制され、接地面積の減少を抑制するからである。
本発明の空気入りタイヤ(発明例タイヤ)、従来の空気入りタイヤ(従来例タイヤ)および比較例の空気入りタイヤ(比較例タイヤ)を、後述する仕様のもとに試作し、氷上ブレーキ性能を評価する試験を行ったので以下に説明する。
各供試タイヤは、一般の空気入りタイヤと同様の内部構造を有する。各供試タイヤのブロックのタイプを図10に示し、サイプ形状を図11、図12に模式的に示している。
ここで、図11、図12においては、図中上がサイプ底側、図中下がトレッド踏面側を示している。図11、図12において、点線は、サイプが平板状である場合を示している。
まず、本発明の空気入りタイヤが氷上性能に優れていることを確認すべく、図10(a)に示すブロックの構造及び図11(b)に示すサイプの形状をした空気入りタイヤと、図10(a)に示すブロックの構造及び図12(b)に示すサイプの形状をした空気入りタイヤ
以下のようにそれぞれ複数試作した。
すなわち、第1ブロック片のタイヤ周方向の幅u1と、第2ブロック片のタイヤ周方向の幅u2との比u1/u2及び第1ブロック片のタイヤ周方向の幅t1と、前記第2ブロック片のタイヤ周方向の幅t2との比t1/t2を様々変えたタイヤを試作してタイヤの氷上性能の評価を行った。
また、従来例タイヤとして、図13に示すトレッドを有するタイヤを用意した。
なお、これらのタイヤの各ブロックのサイズは共通で、周方向長さ28mm、幅方向長さ22mmである。
上記供試タイヤは、タイヤサイズがともに195/65R15である。これらのタイヤを標準リムに組み付けてタイヤ車輪とし、タイヤ内圧を200kPaに調整した。上記タイヤを乗用車に装着し、氷路において制動試験を行った。
制動試験は初速度40km/hからフルブレーキをかけて静止状態になるまでの制動距離を計測し、初速度と制動距離から平均減速度を算出した。
これらの指数は、従来例タイヤの平均減速度を100とした場合の指数で表示し、値が大きいほど良好な結果を表す。
表1にこの評価結果のグラフを示す。
Figure 2011218832
表1より、u1/u2が0.2以上0.3以下、且つt1/t2が0.4以上0.6以下であるときに、従来例より氷上性能が向上していることがわかる。
次に、サイプの形状による効果をみるため、以下のタイヤを発明例及び比較例とした。
すなわち、上記の試験結果から氷上性能が特に高かった、u1/u2が0.2でt1/t2が0.5である場合のタイヤを発明例1、9に係るタイヤとし、同様にu1/u2を0.2、t1/t2を0.5とした比較例タイヤ2、3として、図10(a)に示すブロックの構造及び図11(a)に示すサイプの形状をした空気入りタイヤと、図10(a)に示すブロックの構造及び図12(a)に示すサイプの形状をした空気入りタイヤとを試作した。
上記比較例タイヤ2、3についても上記と同様の試験、評価を行った。その結果、比較例タイヤ2、3の氷上性能指数はそれぞれ115、110となった。
このことから、本発明に係るタイヤは、u1/u2、t1/t2の比が同じで、サイプの形状のみが異なる比較例タイヤと比べても氷上性能に優れていることがわかる。
次に、本発明にかかるタイヤを更に詳細に評価するため、空気入りタイヤを以下のように試作し、同様の氷上性能試験を行った。
各試供タイヤのブロックの構成、サイプの形状に関して、以下の表2に要約する。その他のタイヤの緒元は各タイヤ共通であり、発明例及び比較例におけるu1/u2、t1/t2はそれぞれ0.2、0.5とした。
ここで、踏面が図10(a)(b)(d)、図13に示すタイヤのブロックサイズは共通で、周方向長さ28mm、幅方向長さ22mmであり、踏面が図10(c)のに示すタイヤのブロックサイズは、周方向長さ37mm、幅方向長さ22mmである。
Figure 2011218832
各供試タイヤに対して上記と同様の試験を行った評価結果を表3に示す。
Figure 2011218832
発明例1〜8は発明例9〜16のそれぞれに対し、屈曲3次元サイプ以外のサイプの形状のみを「第1ブロック片を、サイプの溝底部分の幅を短く、くびれた形状」にして対応させたものである。
表3における、この発明例1〜8と発明例9〜16との比較により、発明例1〜8は、発明例9〜16の対応するものよりも制動試験結果が優れていることがわかる。
発明例1と2との比較、及び発明例9と10との比較により、サイプ底位置でのサイプ形状を好適化した発明例2、10は、それぞれ発明例1、9より、制動試験結果が優れていることがわかる。
また、表3より3次元サイプをブロックの周方向両端に配置した、発明例3、4及び発明例11、12は、それぞれ発明例2、10よりも氷上性能が優れていることがわかる。
また、表3における、発明例2と発明例5、6、7、8との比較、及び発明例10と発明例13、14、15、16との比較により、サイプの形状、構造を好適化した発明例5、6、7、8、13、14、15、16は制動試験結果が向上していることがわかる。
CL タイヤ赤道
1 トレッド踏面
3 周方向溝
4 幅方向溝
15 氷路面
20 ブロック
21 サイプ
21a 3次元サイプ
21b 底上げしたサイプ
21c 底上げしたサイプ
21d 底上げしたサイプ
22T 第1ブロック片
22R 第2ブロック片
24 底上げ部

Claims (8)

  1. タイヤのトレッド踏面に、トレッド周方向に延びる複数の周方向溝と、トレッド幅方向に延びる複数の幅方向溝とにより複数のブロックを区画し、該ブロックにトレッド幅方向に延びる複数のサイプを設けた空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記サイプにより複数のブロック片に分断され、かつ該ブロック片のトレッド周方向の幅が、トレッド表面に向かって漸減する第1ブロック片と、トレッド表面に向かって漸増する第2ブロック片とが隣り合わせに配置されてなる組を少なくとも1組有し、
    前記第1ブロック片の少なくともトレッド表面での前記トレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸減し、前記第2ブロック片の少なくとも前記トレッド表面での前記トレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸増し、
    前記トレッド表面の、前記ブロックのタイヤ幅方向中央部における、前記第1ブロック片のタイヤ周方向の幅u1と、前記第2ブロック片のタイヤ周方向の幅u2との比u1/u2が、0.2以上0.3以下の範囲にあり、且つ
    前記トレッド表面の、前記ブロックのタイヤ幅方向端部における、前記第1ブロック片のタイヤ周方向の幅t1と、前記第2ブロック片のタイヤ周方向の幅t2との比t1/t2が、0.4以上0.6以下の範囲にあることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記第1ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸増した後漸減し、
    前記第2ブロック片の前記トレッド周方向の幅が、前記タイヤの径方向内側から外側に向かって漸減した後漸増することを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1ブロック片と前記第2ブロック片に挟まれる前記サイプの開口幅が一定であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1ブロック片の少なくともサイプ底でのトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸増し、前記第2のブロック片の少なくとも前記サイプ底でのトレッド周方向の幅が、トレッド幅方向における前記ブロックの端部から中央部に向かって漸減することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ブロックのタイヤ周方向両端にあるサイプは、共にタイヤ幅方向に屈曲しながら延び、且つタイヤ径方向に屈曲しながら延びる3次元サイプであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間に、前記第1ブロック片と前記第2ブロック片とを接続する少なくとも1つの底上げ部を設けたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間の前記サイプの壁面の少なくとも一箇所に、サイプ幅の半分以上の高さの突起が形成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記第1ブロック片と前記第2ブロック片との間の前記サイプの壁面の少なくとも一部に、サイプ幅の1/50以上1/10未満の範囲の高さの微細構造部を形成したことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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