JP2011217858A - 移乗支援装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で被介護者に合った適切なプレイバック動作を提供すると共に、プレイバック動作時において被介護者が挟み込まれて圧迫されるといった事態を効果的に防止すること。
【解決手段】本発明に係る移乗支援装置10は、支持台12と、支柱13と、身体保持具30と、駆動部20と、位置検出センサ80と、記憶装置70と、接触検出センサ40と、制御部50と、を備える。制御部50は、着座物60に着座する被介護者Pを身体保持具30に保持させるべく、身体保持具30を被介護者Pに近付ける動作において、予め設定された目標軌道に追従するように身体保持具Pの位置を移動させている際に、接触検出センサ40により接触を検出した場合に身体保持具30の移動を停止すると共に当該停止位置を記憶装置70に記憶し、当該記憶した位置での停止回数に基づいて駆動部20を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、移乗支援装置及びその制御方法に関する。
近年、自立歩行が困難な人の移乗動作を支援する装置が多く開発されている。移乗を支援する装置として、例えば特許文献1には、回転盤上に支柱を傾動可能に起立させ、支柱先端に受板(身体保持具)を設けた移乗支援装置が開示されている。被介護者は、この身体保持具を保持した状態で支柱を傾動させ、移乗動作を行うことができる。
ところで、このような移乗支援装置において、移乗動作の都度、操作者(介護者或いは被介護者自ら)が手動操作により身体保持具の位置を操作していては手間がかかり、負担が大きなものとなる。このため、モータ駆動により身体保持具の位置制御を行う移乗支援装置では、予め必要な動作を移乗支援装置に教示しておき、移乗支援動作の実行時に教示動作を再生するティーチングプレイバック機能が求められる。
特許文献2には、産業用ロボットに関して、例えば溶接作業を行うロボットについて、そのロボットアームのティーチングデータの生成方法が開示されている。
特開2006−305092号公報 特開平7−141016号公報 特開2008−167931号公報
しかしながら、移乗支援装置による移乗動作の支援対象となる被介護者は、体格や症状などの特徴がそれぞれ異なり、また、これら特徴が変化することも想定される。産業用ロボットに関する従来のティーチングプレイバック方式では、教示時に設定した動作の再生時に、いかにして正確に教示動作を再現するかに主眼を置いたものであるため、様々なタイプの特徴を有する被介護者に合わせることが必要とされる移乗支援装置に関しては、必ずしも適切なプレイバック動作とはならない。
移乗支援装置においては、例えば、被介護者が移乗動作を行う際に、移乗支援装置の身体保持具を抱きかかえるように保持する。そこで、車椅子やベッド等の着座物に着座する被介護者を移乗させるべく、当該被介護者に身体保持部を近付ける動作をティーチング時に設定しておき、ティーチング時に設定した動作をプレイバックすることになる。しかし、プレイバック動作の際に、様々な特徴を有する被介護者に対しても毎回同じ再生動作を繰り返すものとしては、毎回同じ場所で、身体保持具により被介護者が着座物との間に挟み込まれて圧迫される恐れがある。
尚、特許文献3には、ベッド動作時に、柵との間に腕が挟みこまれるおそれを判定する技術が開示されている。特許文献3に開示された技術では、外部から電動ベッドを撮像手段により記録し、記録した画像集にエラーが集中している場合に、腕などを挟み込むおそれがあるとしてベッドの動作を停止する。しかし、特許文献3に開示された技術では、撮像手段を別途必要とする上に、様々な特徴を有する被介護者による利用が想定される移乗支援装置においては、被介護者ごとの画像データを記録しておく必要があり、データの保管コストが高くなるという問題がある。
従って、本発明は、上述した課題を解決して、簡易な構成でそれぞれの被介護者に合った適切なプレイバック動作を提供することができると共に、プレイバック動作時において被介護者が挟み込まれて圧迫されるといった事態を効果的に防止することが可能な移乗支援装置及び移乗支援装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る第一の態様に係る移乗支援装置は、被介護者の着座物からの移乗を支援する装置であって、支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、前記被介護者が保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる駆動部と、前記身体保持具の位置情報を取得する位置取得部と、前記身体保持具の位置情報を時系列で記憶する記憶装置と、前記身体保持具と前記被介護者とが接触していることを直接または間接的に検出する接触検出センサと、前記駆動部を制御するための制御部と、を備え、前記制御部は、ティーチング動作時に設定された目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記接触検出センサの検出信号に基づいて、接触の有無を検知する接触検知部と、前記接触検知部が接触を検出した場合に、前記身体保持具の移動を停止すると共に当該停止位置を前記記憶装置に記憶する停止位置記憶部と、前記停止位置記憶部が前記記憶装置に記憶した位置での停止回数が所定の閾値を上回っているか否かを判別する停止回数判別部と、を備えるものである。
これにより、簡易な構成でそれぞれの被介護者に合った適切なプレイバック動作を提供することができると共に、プレイバック動作時において被介護者が挟み込まれて圧迫されるといった事態を効果的に防止することができる。
また、前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記停止回数判別部が、前記身体保持具の現在位置に対応する前記記憶装置に記憶した位置での停止回数が、第一の閾値を超えたと判別した場合には、前記制御部は、前記身体保持具の移動を停止するようにしてもよい。これにより、特定の位置についてその停止回数が第一の閾値を超えて危険性の傾向が見られる場合には、その位置に到達する前に一時停止することで急停止を回避し、被介護者への負担を低減させることができる。
さらにまた、前記記憶装置には、前記身体保持具の位置として移動可能な範囲が複数の格子単位に分割されると共に、前記停止位置が記憶されており、前記制御部は、前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記記憶装置に記憶した複数の格子単位のうち前記身体保持具の現在位置を含む格子単位について、当該格子単位に含まれる停止位置の個数を前記身体保持具の現在位置での第一の停止回数として求め、前記停止回数判別部は、前記第一の停止回数が前記第一の閾値を超えるか否かを判別するようにしてもよい。
また、前記制御部は、前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記停止回数判別部が、前記身体保持具の現在位置に対応する前記記憶装置に記憶した位置での停止回数が、第二の閾値を超えたと判別した場合に、前記目標軌道の再設定を操作者に対して通知するやり直し通知部を更に備えるようにしてもよい。これにより、ティーチング動作時に設定した移乗軌道が、被介護者に対して適切な移乗動作であるか否かを判断し、適切でない場合には、再設定を通知することができる。
さらにまた、前記記憶装置には、前記身体保持具の位置として移動可能な範囲が複数の格子単位に分割されると共に、前記停止位置が記憶されており、前記制御部は、前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記記憶装置に記憶した複数の格子単位のうち前記身体保持具の現在位置を含む格子単位について、当該格子単位の枠上の停止位置の個数を前記身体保持具の現在位置での第二の停止回数として求め、前記停止回数判別部は、前記第二の停止回数が前記第二の閾値を超えるか否かを判別するようにしてもよい。
また、前記制御部は、前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記接触検出検知部が接触を検出した場合には、前記身体保持具の移動を停止した後に、当該停止位置から、所定の秒数前の前記目標軌道上の位置へと至る軌道を補間処理により求め、当該求めた軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させる逆再生部を更に備えるようにしてもよい。これにより、接触による危険性を検知した場合には、接触状態前へと身体保持具の位置を復帰させることで、被介護者の身動きがとれない状況の発生を防止することができる。
さらにまた、前記制御部は、前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置の移動を開始させる際に、前記身体保持具の現在位置が前記目標軌道上の開始時の位置と異なる場合に、前記身体保持具の現在位置から、前記目標軌道上の開始時の位置へと至る軌道を補間処理により求め、当該求めた軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させる自動補正部を更に備えるようにしてもよい。これにより、プレイバック動作の開始時に身体保持具の位置が初期位置と異なっている場合には、その都度、身体保持具の位置を初期位置に移動させた後に再生を開始させるという無駄な動作を行わずに、身体保持具の位置を初期位置へと自動的に移動させることができる。
また、前記制御部は、前記補間処理で用いる距離を設定する補正距離設定部を更に備え、前記補間処理において、前記補正距離設定部で設定された距離内で前記身体保持具の現在位置から前記目標軌道上の所望の位置へと到達可能な軌道を求めるようにしてもよい。これにより、設定した距離に基づいて、現在位置からプレイバック動作軌道へと至る複数の軌道を柔軟に設定することができる。
本発明に係る第二の態様に係る移乗支援装置の制御方法は、被介護者の着座物からの移乗を支援する移乗支援装置の制御方法であって、前記移乗支援装置は、支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、前記被介護者が保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる駆動手段と、前記支柱の動作軸の位置情報を検出する位置検出手段と、前記身体保持具の時系列の位置情報を記憶する記憶手段と、前記身体保持具と前記被介護者とが接触していることを直接または間接的に検出する接触検出手段と、前記駆動手段を制御するための制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記着座物に着座する前記被介護者を前記身体保持具に保持させるべく、前記身体保持具を前記被介護者に近付ける動作において、予め設定された目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記接触検出手段により接触を検出した場合に前記身体保持具の移動を停止すると共に当該停止位置を前記記憶手段に記憶し、当該記憶した位置での停止回数に基づいて前記駆動手段を制御するものである。
これにより、簡易な構成でそれぞれの被介護者に合った適切なプレイバック動作を提供することができると共に、プレイバック動作時において被介護者が挟み込まれて圧迫されるといった事態を効果的に防止することができる。
本発明によれば、簡易な構成でそれぞれの被介護者に合った適切なプレイバック動作を提供することができると共に、プレイバック動作時において被介護者が挟み込まれて圧迫されるといった事態を効果的に防止することが可能な移乗支援装置及び移乗支援装置の制御方法を提供することができる。
実施の形態1に係る移乗支援装置を側面視した様子を概略的に示す図である。 実施の形態1に係る移乗支援装置の制御構成図ある。 実施の形態1に係る移乗支援装置の動作例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る移乗支援装置の自動補正機能の仕組みを説明する図である。 実施の形態1に係る移乗支援装置の停止位置の傾向を説明する図である。 実施の形態1に係る移乗支援装置の操作部の例を示す図である。 実施の形態1に係る移乗支援装置のリカバリ機能の仕組みを説明する図である。 実施の形態1に係る移乗支援装置の動作例を説明する図である。
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る移乗支援装置10を側面視した様子を概略的に示すものであり、被介護者Pが着座物であるベッド60から他の着座物に移動するための移乗動作を支援する様子を示している。
図1に示すように、移乗支援装置10は、台座11と、台座に対して支持された支持台12と、支持台12に対してその一端が傾動自在に取り付けられた支柱13と、操作部21(ジョイスティック210、操作レバー210a)と、支持台12に対して支柱13の他端に設けられた身体保持具30と、被介護者Pが身体保持具30との間で接触や挟まれる危険性を検知する接触検出センサ40と、を備えている。尚、図1には示していないが、移乗支援装置10は、支柱13を傾動させる駆動部20と、駆動部20を制御するための制御部50と、移乗動作時の身体保持具30の位置情報などを記憶する記憶装置70と、身体保持具30を含む移乗支援装置10の各部位の位置を検出する位置検出センサ80と、を備えている。
台座11は、その底面において、略水平な床面上を移動可能とするための車輪を複数備えている。これらの車輪は、回転自由な状態と、固定した状態とを切り替えることが可能であるように構成されている。被介護者Pが移乗動作を行う場合には、これらの車輪を固定した状態として、移乗支援装置10を安定させることができる。
支持台12は、台座11の表面上から略鉛直方向に伸びる略板状材であり、その内部に回動軸を備えることで、駆動部20により付与されたトルクにより台座11に対して水平回転自在に構成されており、身体保持具30の水平方向についての相対的な位置を変更することができる。本実施の形態においては、被介護者Pの移乗動作を行うために支持台12を水平方向について回転させる必要は特にないものとし、支持台12が水平方向に回転する状態についての説明は省略するものとする。
支柱13は、略円柱形状の柱材である。支柱13の一端は、支持台12の端部に回転可能に連結されている。支柱13の他端は、身体保持具30に回転可能に連結されても良いが、本実施の形態では説明を簡潔にするために固定されているものとする。この支柱13は、被介護者Pの身体の大きさなどに応じてその長さを変更できるように、例えば径の異なる複数のパイプをスライド可能に嵌合させて保持する構造を備えている。なお、支柱13の支持台12に対する傾動動作は、駆動部20により付与されるトルクにより行われる。
操作部21は、ジョイスティック210を備えている。このジョイスティック210は、台座11に設けられており、被介護者P又は外部の介護者が、当該ジョイスティック210を手動操作すると、支柱13を傾動させる速度が選択され、選択された速度を制御部50に対して指令する。詳細には、ジョイスティック210の操作レバー210aは、上下方向のみの傾動操作が可能となるような構造を有しており、操作レバー210aを手動操作することで、操作方向に応じ、且つ操作量に比例した支柱13の傾動速度を指令する指令信号が制御部50に対して送信される。
身体保持具30は、被介護者Pがその上半身を接触させた状態で、両腕部で抱きかかえて保持できる程度の大きさの弾力性を有する部材から構成されている。
図2は、本実施の形態1に係る移乗支援装置10の制御構成図である。
制御部50は、自動補正部51と、補正距離設定部52と、接触検知部53と、停止位置記憶部54と、逆再生部55と、停止回数判別部56と、やり直し通知部57と、を備えている。制御部50と位置取得部58は、演算処理装置や所定の記憶領域を含むECUなどのコンピュータから構成されている。尚、制御部50が備える各要素の詳細については後述する。
駆動部20は、支柱13を所定の速度で支持台12に対して傾動させるため、移乗支援装置10が備える各動作軸を駆動する。詳細な構造の説明は省略するが、電源やモータ、及びワイヤ、及びワイヤを巻き取るためのプーリ、又はワイヤの巻き取り量を検出するためのセンサなどから構成されている。駆動部20は、制御部50より送信された制御電流信号に基づいて、モータによりワイヤを巻き取るなどの処理を行う結果、支柱13を傾動させるために所定の大きさ及び方向のトルクを、当該支柱13に対して付与する。
位置検出センサ80は、移乗動作時における各動作軸の位置を検出するセンサである。位置検出センサ80は、移乗支援装置10の各動作軸に設けられ、各動作軸の回転角度を検出する。位置検出センサ80は、例えばロータリーエンコーダを用いて構成すればよい。
接触検出センサ40は、被介護者Pが身体保持具30との間で接触や挟まれる危険性を検知するセンサであり、被介護者Pが身体保持具30に接触していることを直接または間接的に検出するセンサである。接触検出センサ40は、例えば身体保持具30と被介護者Pとの接触を検出するテープスイッチなどの接触センサや、身体保持具30と被介護者Pとの間隔を計測する赤外線や超音波等の反射を利用した近接センサを用いて構成すればよい。接触検出センサ40は、被介護者Pと身体保持具30との間で接触や挟まれる危険性がある箇所に設けられ、例えば、身体保持具30の下端部に設けられる。
制御部50は、移乗動作時における移乗支援装置10の移乗軌道を計測及び記憶する機能と、記憶した移乗軌道を再生する機能とを備えている。このため、制御部50は、ティーチング動作時には、操作者によって操作される移乗軌道を計測及び記憶し、プレイバック動作時には、記憶した移乗軌道の再生や停止を行う。
ティーチング動作時には、前述のジョイスティック210(操作レバー210a)を操作者が操作することで、移乗支援装置10に対して移乗動作の実行が指示される。制御部50は、ジョイスティック210により得られた指令信号などに基づいて、支柱13の傾動速度を実現するための制御電流信号を生成し、当該制御電流信号を駆動部20に対して送信する。これを受けた駆動部20により移乗支援装置10の各動作軸が駆動される。この際、位置検出センサ80により各動作軸の位置が検出される。
位置取得部58は、身体保持具30の位置情報を取得し、取得した位置情報を時系列で、メモリ等の記憶装置70に記憶する。位置取得部58は、位置検出センサ80を用いて各動作軸の位置情報を検出し、検出した各動作軸の位置情報から身体保持具30の位置情報を取得する。これにより、記憶装置70には、ティーチング動作時における身体保持具30の時系列の位置情報が記憶される。位置取得部58は、位置検出センサ80により検出した各動作軸の位置と移乗支援装置10の幾何的な構成に基づき、身体保持具30や支柱13などの移乗支援装置10の各部位の位置を算出することができる。このため、本実施の形態では、記憶装置70に記憶された身体保持具30の時系列の位置情報を、移乗動作時の移乗軌道とも称する。
プレイバック動作時には、ティーチング動作時に記憶した移乗軌道の再生が指示される。記憶装置70に記憶した目標値(次に目指す身体保持具30の位置に到達するために必要な、各動作軸の位置の指令値など)が、制御部50に出力される。位置検出センサ80などから現在値(現在の各動作軸の位置など)が検出され、制御部50へとフィードバックされる。制御部50は、目標値と現在値とを比較し、これら値の偏差に応じた偏差信号を出力する。制御部50は、偏差信号に応じて制御電流信号を生成し、当該制御電流信号を駆動部20へと出力する。目標値と現在値との偏差が0になった場合に、各動作軸の位置が指令した位置となり、移乗支援装置10の身体保持具30を含む各部位は目標とする位置に到達することになる。
自動補正部51は、プレイバック動作時に、ティーチング動作時に設定された移乗軌道(プレイバック動作時に目標とする移乗軌道であり、以下、プレイバック動作軌道と称する場合がある。)に対して身体保持具30の現在位置が離れている場合に、現在位置からプレイバック動作軌道の位置へと至るための軌道を求める補間処理を行う。ここでは、プレイバック動作軌道へと到達するまでの距離が補正距離設定部52によって設定され、自動補正部51は、当該設定された距離に基づいて、身体保持具30の現在の位置からプレイバック動作時の再生軌道の位置へと到達するまでの補間処理を行う。尚、補間処理の詳細については後述する。
補正距離設定部52は、自動補正部51による補間処理の実行時において、プレイバック動作軌道へと到達するまでの距離を設定する。詳細は後述するが、このような距離を設定可能とすることで、現在位置からプレイバック動作軌道へと至る複数の軌道を柔軟に設定することができる。
接触検知部53は、接触検出センサ40の検出信号に基づいて、被介護者Pが身体保持具30との間で接触や挟まれる危険性を検知する。接触検知部53は、接触センサの検出値により、被介護者Pが身体保持具30と接触する場合や、接触して挟まれる場合などを検知することに加えて、近接センサの検出値により、被介護者Pが身体保持具30と接触する危険性を検知するものとしてもよい。
停止位置記憶部54は、移乗動作時における身体保持具30の停止位置を記憶装置70に記憶する。移乗動作時に、接触検知部53により接触や挟まれる危険性が検知され移乗支援装置10が停止された場合に、停止位置記憶部54は、かかる停止位置を記憶する。
逆再生部55は、身体保持具20の再生位置を、現在の位置から、予め設定した秒数前におけるプレイバック動作軌道の位置へと逆再生する。移乗動作時に、接触検知部53により危険性が検知された場合には、移乗支援装置10は即座に停止され、逆再生部55は、かかる停止位置から逆再生を行う。逆再生する場合には、自動補正部51により、現在の位置から、予め設定した秒数前におけるプレイバック動作軌道の位置へと補間処理が行われる。尚、逆再生の詳細については後述する。
停止回数判別部56は、移乗支援装置10の身体保持具30の特定位置について、その位置での停止回数が、予め設定した閾値を上回っているか否かを判別する。閾値としては、第一の閾値と、第一の閾値よりも大きな第二の閾値とが設定される。ここで、第一の閾値及び第二の閾値は、急停止による被介護者Pへの負担を与えない範囲で、被介護者Pの体格などによって適時、設定される。また、第一の閾値及び第二の閾値は、予め実験やシミュレーション等によって導出し、設定するものとしてもよい。
やり直し通知部57は、移乗支援装置10の特定位置についての停止回数が、第二の閾値を上回るものと停止回数判別部56により判別されたときに、ティーチングのやり直しを操作者に対して通知する。すなわち、停止が頻繁に発生するプレイバック動作軌道に対しては、ティーチングのやり直しが指示される。やり直しの通知は、例えば、ブザーやランプなどの操作者が判断可能な通知装置(不図示)を用いて行えばよい。
次に、図3乃至図8を参照して、本実施の形態に係る移乗支援装置の動作例について説明する。尚、ここでのプレイバック動作は、ティーチング動作時に設定された移乗動作のうち、ベッド60に着座する被介護者Pを身体保持具30に保持させるべく、支柱13を上方に傾動させた状態から、当該支柱13を下方に傾動させて身体保持具30を被介護者Pに近付ける動作、つまり移乗動作中の準備段階におけるプレイバック動作を中心に説明する。
図3は、本実施の形態に係る移乗支援装置の動作例を示すフローチャートである。
まず、操作者により、移乗支援装置10に対して移乗動作のティーチング動作が行われ、プレイバック動作軌道が設定される(S101)。ティーチング動作時に複数のプレイバック動作軌道を登録した場合には、操作者は、プレイバック動作時に再生させる動作パターンのプレイバック動作を選択する(S102)。
図4を参照して、S103〜S106にかかる処理について説明する。図4は、自動補正機能の仕組みを説明する図である。図4の縦軸は身体保持具30の移動速度Vを示し、横軸は、身体保持具30の基準位置からの横方向(Reach)又は縦方向(Height)における位置を示すグラフである。例えば、基準位置を支柱11の基部に定め、身体保持具30の先端部を身体保持具30の位置とする。図では、身体保持具30の位置の軌道を曲線により示している。ティーチング動作時に設定されたプレイバック動作軌道を実線により示し、補間処理の際に考慮されうる軌道を破線により示している。
移乗支援装置10は、プレイバック動作を開始させるに先立って、身体保持具30の現在の位置が、選択したプレイバック動作軌道の初期位置にあるか否かを判定する(S103)。初期位置にない場合には(S103でNOの場合)、身体保持具30の横方向の位置が、初期位置より手前にあるか否かを判定する(S104)。尚、ここでは、移乗支援装置10から見て、被介護者Pに向かう方向を奥方向、被介護者Pから離れる方向を手前方向とする。
身体保持具30の位置が初期位置よりも手前方向に位置していた場合には(S104でYESの場合)、移乗支援装置10は、身体保持具30の位置を初期位置へと移動させる(S105)。例えば、図4(a)に示すように、身体保持具30の現在の位置がP1である場合には、再生させるプレイバック動作軌道の初期位置P0に比べて手前側に位置するため、身体保持具30の位置を、速度変化(加速度)が直線移動における所定の閾値a1を超えない値で、P1からP0へと直線移動させ、P0到達後は、一旦停止をして、その後、プレイバック動作を開始する。
身体保持具30の位置が初期位置よりも奥方向に位置していた場合には(S104でNOの場合)、移乗支援装置10は、設定したプレイバック動作軌道に対する補間処理を行い、補間処理後のプレイバック動作を開始する(S106)。例えば、図4(b)に示すように、身体保持具30の現在の位置がP1である場合には、初期位置P0に比べて奥側に位置するため、現在の位置から目標とする位置までの軌道を補間処理により求めた後、求めた軌道に従って移動させる。
プレイバック動作軌道の停止位置P3へと至る軌道としては、様々な軌道が想定されるが、ここでは、現在位置P1から、プレイバック動作軌道へ合流する位置へと到達するまでに必要なReach方向距離(E)を設定し、その間の軌道(以下、補間軌道と呼ぶ)を算出する。なお、現在位置P1から停止位置P3までの距離が、Eより小さい場合、P1からP3までの距離をEとし、P1がP3よりも奥方向に位置する場合は補間処理やプレイバック動作を行わない。
P0からP2へ至る再生軌道をr1、P1からP2へ至る補間軌道をr2、r1におけるP2での速度をVとしたとき、P2でr1とr2の速度が等しくなるように速度の補間処理をかける。また、r2を生成する際、P2でr1との位置が等しくなるような位置に対する補間処理をかける。特に、速度に関する補間処理については、r2におけるP1での速度を0、P2での速度をV、r2における加速度の閾値をa2としたとき、0→Vへの加速度がa2を超えないものとする。
このような軌道は、スプライン曲線などによって、再生軌道に対して補間処理をかけることにより求めることができる。尚、補間処理により求める軌道の算出方法としては、現在の位置からP2へと至る軌道であって、再生軌道に近づく軌道のうち、躍度の積分値が最小となるような軌道を採用する。
身体保持具30の位置が初期位置に位置していた場合(S103でYESの場合)、又は、S105で身体保持具30の位置を初期位置へと移動した場合には、移乗支援装置10は、設定したプレイバック動作軌道の再生を開始する(S107)。
図5を参照して、S108〜S112にかかる処理について説明する。図5は、停止位置の傾向を説明する図である。図5の縦軸は身体保持具30の縦方向(Height)の位置を示し、横軸は横方向(Reach)の位置を示す。図では、これまでの移乗動作中に、接触検出センサ40の検出値に基づいて移乗支援装置10が停止した場合の、身体保持具30の停止位置を×印により示している。これら停止位置は、記憶装置70に記憶されている。また、図では、縦軸及び横軸(Y軸及びX軸)のそれぞれを、所定の距離単位の格子線により分割し、身体保持具30が移動可能な範囲を、複数の格子単位に区分して示している。
移乗支援装置10は、プレイバック動作軌道(ティーチング動作時に設定した再生軌道又はS106で求めた軌道)の再生中、現在の身体保持具30の位置について、その位置での停止回数が第一の閾値を上回るか否かを判定する(S108)。ここでは、再生軌道の中で、身体保持具30の現在の位置が、今までに衝突や接触などで停止した位置であって、後述する逆再生処理時にカウントされる第一の停止回数が予め設定した第一の閾値を上回る位置(又はその近傍位置)に差し掛かったか否かを判定する。
移乗支援装置10は、身体保持具30の現在の位置が、その位置での第一の停止回数が第一の閾値を上回る位置である場合には(S108でYESの場合)、移乗支援装置10は、身体保持具30の移動を一旦、停止し、また、一旦停止の回数(第二の停止回数)を計測するカウントの値を1増やす(S109)。第二の停止回数は、身体保持具30の現在の位置が、今までに衝突や接触などで何回も停止したような位置に差し掛かったことを理由として停止した場合における、その停止位置での停止回数を示す。
例えば、図5に示すように、身体保持具30の現在の位置が格子G内に差し掛かった場合、格子Gに含まれる停止位置の個数を第一の停止回数(カウント値)として、その第一の停止回数が第一の閾値を上回るか否かを判定する。第一の閾値を上回る場合には、移乗支援装置10は、身体保持具30の移動を一旦、停止し、さらに、第二の停止回数を1増やす。
さらに、移乗支援装置10は、一旦停止した身体保持具30の位置に関して、その位置についての停止回数が第二の閾値を上回るか否かを判定する(S110)。ここでは、第二の停止回数(例えば、図5に示す、格子Gの枠上に位置する停止位置の個数が第二の停止回数(カウント値)に相当する。)が第二の閾値を上回るか否かを判定する。第二の閾値を上回る場合には(S110でYESの場合)、移乗支援装置10は、ティーチング動作のやり直しを操作者に対して通知する(S111)。移乗支援装置10は、第二の閾値を上回っていない場合には(S110でNOの場合)、プレイバック動作軌道の再生による身体保持具20の移動を中止し、操作者による手動操作を行うため、マニュアルモードに切り替える(S112)。
移乗支援装置10の操作は、上述した操作部21と例えば図6に示すような操作パネルを操作することで行うことができる。操作パネル90は、ティーチング動作時に設定した複数の移乗動作を割り当てる登録番号ボタンと、現在選択中の移乗動作の登録番号に基づき、その移乗動作を再生、一時停止、停止、記憶させるボタンと、移乗支援装置10の各部位を初期状態の位置姿勢へと変化させるボタンと、移乗動作を手動から自動に切り替えるボタンと、などを有している。なお、ステップS112でマニュアルモードに切替えた場合には、再生ボタンを押下することで、プレイバック動作軌道の再生を継続することができる。
図7及び図8を参照して、S113〜S115にかかる処理について説明する。図7は、リカバリ機能の仕組みを説明する図である。図8は、S114の処理に関する動作例を説明する図である。図7の縦軸及び横軸は、図5の縦軸及び横軸と同様である。図では、身体保持具30の初期位置から移動を開始した場合の、身体保持具30の移動軌道を直線により示している。なお、図7に示してある(a)〜(c)のそれぞれの位置は、図8の(a)〜(c)それぞれの状態に対応している。
移乗支援装置10は、現在の身体保持具30の位置での停止回数が第一の閾値を上回っていない場合(S108でNOの場合)、身体保持具30の接触センサ40の検出値に基づいて、接触や挟まれる危険性を検知したか否かを判定する(S113)。移乗支援装置10は、S113でNOの場合には、プレイバック動作軌道を最後まで再生する(S116)。
移乗支援装置10は、身体保持具30が被介護者Pと接触した場合(S113でYESの場合)、移乗支援装置10は即座に駆動を停止し、停止した瞬間の位置から所定の秒数前の位置まで逆再生を行い、また、逆再生時における停止の回数(第一の停止回数)を計測するカウントの値を1増やす(S114)。例えば、図7に示すように、位置D6において接触などの危険性により停止した場合に、位置D6から位置D7のプレイバック動作軌道を巻き戻して再生する。すなわち、位置D6から所定の数秒前の位置であるD7へと至るように、身体保持具30を移動させる。逆再生処理の完了後には、身体保持具30は位置D7に位置し、位置D7において停止する。
図8に示すように、移乗動作中に、ベッド60に着座する被介護者Pに対して身体保持具30が近づいた場合に(図8(a))、被介護者Pと身体保持具30との間の接触が検知される(図8(b))。かかる場合、接触する所定の秒数前の状態へと、身体保持具30の位置が逆再生される(図8(c))。
移乗支援装置10は、逆再生を行った後、操作者による手動操作を行うため、マニュアルモードに切り替える(S115)。
以上説明したように、本実施の形態に係る移乗支援装置10は、プレイバック動作時に、身体保持具30の位置を、現在の位置からティーチング動作時に設定した移乗軌道へと自動補正する機能を備えている。これにより、例えばプレイバック動作の開始時に、身体保持具30の位置が初期位置と異なっている場合には、その都度、身体保持具30の位置を初期位置に移動させた後に再生を開始させるという無駄な動作を行わずに、身体保持具30の位置を初期位置へと自動的に移動させることができる。また、例えば、プレイバック動作開始後の移乗軌道の再生中に、身体保持具30の現在の位置が、ティーチング動作時に設定した移乗軌道と異なる状況となった場合においても、身体保持具30の現在の位置から、ティーチング動作時に設定した移乗軌道へと到達する軌道を補間処理により求めた上で、その求めた軌道に追従するように身体保持具30の位置を自動的に移動させることができる。
また、本実施の形態に係る移乗支援装置10は、身体保持具30と被介護者Pとの間で接触や挟まれる危険性を検知した場合には、即座に移動を停止した上で、危険状態前の状態へと復帰する機能を備えている。プレイバック動作時の移乗動作中に、被介護者Pとの接触や挟まれるなどの危険性により身体保持具30がその場で停止すると、緊急時には、被介護者Pの身動きがとれない場合がある。このため、本実施の形態に係る移乗支援装置10では、危険性を検知した場合には、危険状態前の状態へと身体保持具30の位置を復帰させることで、被介護者Pの身動きがとれない状況の発生を防止する。
また、本実施の形態に係る移乗支援装置10は、身体保持具30が接触や挟まれる危険性を検知して停止した場合に、停止位置についての傾向を学習する機能を備えている。プレイバック動作時に、接触や挟まれる危険性を検知すると急停止するため、毎回、同じような位置で急停止しては、被介護者Pに精神的な負担をかけてしまう。このため、本実施の形態に係る移乗支援装置10では、特定の位置についてその停止回数が第一の閾値を超えて危険性の傾向が見られる場合には、その位置に到達する前に一時停止することで急停止を回避し、被介護者Pへの負担を低減させる。
また、本実施の形態に係る移乗支援装置10は、ティーチング動作時に設定した移乗軌道が、被介護者Pに対して適切な移乗動作であるか否かを判断する機能を備えている。ティーチングプレイバック方式を採用したことで、ティーチング機能により熟練した操作者の移乗動作が容易に再現可能となった一方で、様々なタイプの特徴を有する被介護者Pに対しては、プレイバック動作の都度、必ずしも適切な動作とはならない。このため、本実施の形態に係る移乗支援装置10では、特定の位置についてその停止回数が第二の閾値を超えて、もはや被介護者Pに対して適切な軌道ではなくなった場合には、操作者に対してティーチング動作のやり直しを通知し、移乗軌道を再設定させる。
その他の実施の形態.
上述した実施の形態では、移乗支援装置10の制御方法に含まれる処理としてS103乃至S115の全ての処理を説明したが、一部の処理のみを実行するものとしてもよい。例えば、少なくともS106の処理のみを含むものとしてもよい。また、少なくともS103乃至S106の処理を含むものとしてもよい。また、少なくともS108及びS109の処理を含むものとしてもよい。また、少なくともS110及びS111の処理を含むものとしてもよい。また、少なくともS113及びS114の処理を含むものとしてもよい。
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されず、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 移乗支援装置、
11 台座、
12 支持台、
13 支柱
20 駆動部、
21 操作部、210 ジョイスティック、210a 操作レバー、
30 身体保持具、
40 接触検出センサ
50 制御部、
51 自動補正部、
52 補正距離設定部、
53 接触検知部、
54 停止位置記憶部、
55 逆再生部、
56 停止回数判別部、
57 やり直し通知部、
58 位置取得部、
60 ベッド(着座物)
70 記憶装置、
80 位置検出センサ、
90 操作パネル、
P 被介護者、

Claims (9)

  1. 被介護者の着座物からの移乗を支援する装置であって、
    支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、前記被介護者が保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる駆動部と、前記身体保持具の位置情報を取得する位置取得部と、前記身体保持具の位置情報を時系列で記憶する記憶装置と、前記身体保持具と前記被介護者とが接触していることを直接または間接的に検出する接触検出センサと、前記駆動部を制御するための制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    ティーチング動作時に設定された目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記接触検出センサの検出信号に基づいて、接触の有無を検知する接触検知部と、
    前記接触検知部が接触を検出した場合に、前記身体保持具の移動を停止すると共に当該停止位置を前記記憶装置に記憶する停止位置記憶部と、
    前記停止位置記憶部が前記記憶装置に記憶した位置での停止回数が所定の閾値を上回っているか否かを判別する停止回数判別部と、を備える移乗支援装置。
  2. 前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記停止回数判別部が、前記身体保持具の現在位置に対応する前記記憶装置に記憶した位置での停止回数が、第一の閾値を超えたと判別した場合には、
    前記制御部は、前記身体保持具の移動を停止する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移乗支援装置。
  3. 前記記憶装置には、
    前記身体保持具の位置として移動可能な範囲が複数の格子単位に分割されると共に、前記停止位置が記憶されており、
    前記制御部は、
    前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記記憶装置に記憶した複数の格子単位のうち前記身体保持具の現在位置を含む格子単位について、当該格子単位に含まれる停止位置の個数を前記身体保持具の現在位置での第一の停止回数として求め、
    前記停止回数判別部は、
    前記第一の停止回数が前記第一の閾値を超えるか否かを判別する
    ことを特徴とする請求項2に記載の移乗支援装置。
  4. 前記制御部は、
    前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記停止回数判別部が、前記身体保持具の現在位置に対応する前記記憶装置に記憶した位置での停止回数が、第二の閾値を超えたと判別した場合に、前記目標軌道の再設定を操作者に対して通知するやり直し通知部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移乗支援装置。
  5. 前記記憶装置には、
    前記身体保持具の位置として移動可能な範囲が複数の格子単位に分割されると共に、前記停止位置が記憶されており、
    前記制御部は、
    前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記記憶装置に記憶した複数の格子単位のうち前記身体保持具の現在位置を含む格子単位について、当該格子単位の枠上の停止位置の個数を前記身体保持具の現在位置での第二の停止回数として求め、
    前記停止回数判別部は、
    前記第二の停止回数が前記第二の閾値を超えるか否かを判別する
    ことを特徴とする請求項4に記載の移乗支援装置。
  6. 前記制御部は、
    前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記接触検出検知部が接触を検出した場合には、前記身体保持具の移動を停止した後に、当該停止位置から、所定の秒数前の前記目標軌道上の位置へと至る軌道を補間処理により求め、当該求めた軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させる逆再生部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の移乗支援装置。
  7. 前記制御部は、
    前記目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置の移動を開始させる際に、前記身体保持具の現在位置が前記目標軌道上の開始時の位置と異なる場合に、前記身体保持具の現在位置から、前記目標軌道上の開始時の位置へと至る軌道を補間処理により求め、当該求めた軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させる自動補正部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の移乗支援装置。
  8. 前記制御部は、
    前記補間処理で用いる距離を設定する補正距離設定部を更に備え、
    前記補間処理において、
    前記補正距離設定部で設定された距離内で前記身体保持具の現在位置から前記目標軌道上の所望の位置へと到達可能な軌道を求める
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の移乗支援装置。
  9. 被介護者の着座物からの移乗を支援する移乗支援装置の制御方法であって、
    前記移乗支援装置は、支持台と、前記支持台に対して一端が傾動自在に取り付けられた支柱と、前記支柱の他端部に設けられ、前記被介護者が保持する身体保持具と、前記支柱を傾動させる駆動手段と、前記身体保持具の位置情報を取得する位置取得手段と、前記身体保持具の位置情報を時系列で記憶する記憶手段と、前記身体保持具と前記被介護者とが接触していることを直接または間接的に検出する接触検出手段と、前記駆動手段を制御するための制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記着座物に着座する前記被介護者を前記身体保持具に保持させるべく、前記身体保持具を前記被介護者に近付ける動作において、予め設定された目標軌道に追従するように前記身体保持具の位置を移動させている際に、前記接触検出手段により接触を検出した場合に前記身体保持具の移動を停止すると共に当該停止位置を前記記憶手段に記憶し、当該記憶した位置での停止回数に基づいて前記駆動手段を制御する移乗支援装置の制御方法。
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