JP2011217358A - 無線機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電波による無線通信を介して検出信号を送信又は受信する無線機において、機器の小型化とアンテナ利得の両立を図る。
【解決手段】回路基板20に設けられた切り欠き部に高さ寸法の大きな部品である電池12などが配置される。回路基板20の切り欠き部を挟んで一端側20aにアンテナ25aが配置され、他端側20bから回路基板20のグランドと接続された導体29が筐体10の内壁に沿って延出される。これにより、回路基板20のグランドが強化され、アンテナ25aの利得が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、無線にて信号の送信又は受信を行う無線機に関するものである。
近年、人体の接近に応じて照明器具の点灯を制御するために、人体感知センサが広く用いられている。従来の人体感知センサは、壁面や天井からセンサ部のみが露出し、回路基板などの本体部は壁面又は天井の内側に設置されており、壁面や天井の裏面に配設された電線を介して商用電源や照明装置などに接続されている。
一方、特許文献1には、電波による無線通信を介して検出信号を送信する人体感知センサが提案されている。ただし、この人体感知センサは電線を介して電力が供給されるので、設置に際して配線作業を必要とする。すなわち、従来の人体感知センサを既存の住宅に追加的に設置するには、壁や天井に穴を開け、壁や天井の裏側に配線作業を必要としている。
このような配線作業を廃するために、リチウム電池などの長寿命電池を電源とし、無線により信号を送信する人体感知センサが提案されている。こうした電池及び無線送信回路を内蔵した人体感知センサは、従来の人体感知センサと異なり、センサ部だけでなく回路基板や電池及びアンテナ装置なども壁面や天井から露出されるため、近傍を通過する通行者に違和感を感じさせないようにすべく、外観上目立たなくするために如何にコンパクトに設計するかが重要である。
ところが、単に回路基板をコンパクトに設計する場合、それに伴い、無線通信に用いられる電波の波長に対して無線送信回路のグランドの長さが短くなるために、アンテナの利得が低下するという問題が生ずる。
同様の問題は、人体感知センサに限られず、無線にて信号の送信又は受信を行う無線機に共通する問題である。
特開2006−253092号公報
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、電波による無線通信を介して検出信号を送信又は受信する無線機において、機器の小型化とアンテナ利得の両立を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の無線機は、アンテナと、前記アンテナが接続された無線通信回路を備え、電波による無線通信を介して信号を送信又は受信する無線機において、前記無線通信回路は、凹状の切り欠き部を有する回路基板上に形成され、前記切り欠き部を挟んで一端側にアンテナが配置され、他端側から前記回路基板のグランドと接続された導体が延出されていることを特徴とする。
この発明において、前記アンテナを除き前記回路基板に実装される配線パターン及び電気電子回路の全ての等価的な電気長と、前記導体の電気長との、合成の電気長が、無線通信に用いられる搬送波の波長の1/4であることが好ましい。
この発明において、前記回路基板を収容する樹脂成形によってなる筐体を備え、前記導体は、前記筐体の内壁に沿って延出されていることが好ましい。
この発明において、前記導体は、前記回路基板の他端側から一端側に亘って延出されていることが好ましい。
この発明において、前記導体の表面には、絶縁性を有する被覆が形成されていることが好ましい。
この発明において、前記切り欠き部には、前記回路基板の前記無線通信回路に電力を供給する電池が配設され、前記導体の前記グランドと接続されていない側の先端部は、前記電池の負電極に直接的に接続されていることが好ましい。
この発明において、前記筐体の内壁には、該筐体を補強するためのリブが形成され、前記リブには、前記導体を挟み込んで保持するための凹部が形成されていることが好ましい。
本発明の無線機によれば、切り欠き部を挟んで一端側にアンテナが配置され、他端側から回路基板のグランドと接続された導体が延出されているので、無線通信回路のグランドが強化され、アンテナの利得を向上させることができる。また、回路基板の切り欠き部に高さ寸法の大きな部品を配置することができるので、無線機の高さ寸法を抑制することが容易となる。
本発明の無線機が組み込まれた人体感知センサの使用状態を示す斜視図。 本発明の第1実施形態による人体感知センサのカバーを外した状態における構成を示す正面図。 同人体感知センサの筐体の周辺部の構成を示す断面図。 本発明の第2実施形態による人体感知センサのカバーを外した状態における構成を示す正面図。 本発明の変形例として、無線機が組み込まれた電子機器のカバーを外した状態における構成を示す正面図。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による無線機を用いて構成された人体感知センサについて説明する。人体感知センサ1は、電池を電源とし、電波による無線通信を介して検出信号を送信するものであって、図1に示すように、例えば天井に両面粘着テープや接着剤、ねじ等によって取り付けられる。壁面に設けられたスイッチ2には、人体感知センサ1から送信される検出信号を受診するための無線受信部が設けられている。また、スイッチ2は天井に設けられた照明装置3に電線4を介して接続されている。
スイッチ2は、例えばトライアックなどの無接点スイッチ素子を用いた電子式スイッチ(負荷制御装置)であり、機械的に接点を開閉させる従来の2線式スイッチを配線工事不要で置き換えることが可能である。それに合わせて、人体感知センサ1も配線工事不要で既存の住宅などに追加的に設置可能である。人体感知センサ1及びスイッチ2の間は、例えば特定小電力無線などの電波による無線通信が可能であり、人体感知センサ1によって人の存在が検出されると、検出信号がスイッチ2に対して送信され、スイッチ2は照明装置3を点灯させる。さらに、人体感知センサ1によって人の存在が検出されなくなると一定時間経過後、非検出信号がスイッチ2に対して送信され、スイッチ2は照明装置3を消灯させる。
図2に、人体感知センサ1の一例として人体感知センサ1Aのカバーを外した状態における構成を示す。この人体感知センサ1Aは、上記のように両面粘着テープなどによって天井に取り付けられるものであり、その筺体10は、正面視で略円形であり、人体感知センサ1Aの外部から無線送信部25を絶縁し、不意な静電気の飛来から無線送信部25を保護するために、樹脂成形によって形成されている。筺体10の実装面(上記両面粘着テープなどによって天井に取り付けられる面とは反対側の面)10aの中央には、赤外線センサ、照度センサなどで構成されたセンサ部11が設けられている。センサ部11は、例えば正面視円形である。また、実装面10aには、回路基板20及び電池12などが実装されている。
回路基板20は、その外周の一部が筐体10の円形に対応して円弧状であり、また外周の他の一部がセンサ部11及び電池12を避けるように直角に切り欠かれている。すなわち、回路基板20は、互いに直交する第1辺21及び第2辺22を有し、第1辺21と第2辺22が90度をなす側が切り欠き部である。さらに、センサ部11に対して第1辺21及び第2辺22がそれぞれほぼ等距離となるように(図1の構成例では、センサ部11の円形にほぼ外接するように)、実装面10aに配置されている。このように、回路基板20の切り欠き部に高さ寸法の大きな部品であるセンサ部11及び電池12を配置することができるので、人体感知センサ1Aの高さ寸法を抑制することが容易となる。
回路基板20には、センサ部11の検出信号を電波による無線通信を介して送信する無線送信部(無線通信回路)25と、センサ部11及び無線送信部25を制御する制御部26と、さらにこの人体感知センサ1Aを設置する際に正しく電波が送信されているかどうかを確認するための操作部27などが設けられている。
制御部26は、例えば演算処理を行うCPUや制御プログラムなどを記憶したROMや演算結果を一時的に記憶するためのRAMなどで構成され、センサ部11による検出結果、具体的には、赤外線センサが特定波長の赤外線を検出した又はそれを検出しなくなったこと、照度センサによる周囲の明るさが一定の輝度以上又は未満であることなどを総合的に判断し、判断結果に応じて所定の検出信号又は非検出信号を送信するか否かを決定する。無線送信部25は、制御部26からの検出信号又は非検出信号を所定周波数の電波信号に変換してアンテナ25aから送信する。アンテナ25aは、筐体10に設けられた水平な回転軸の周りに回転可能である。アンテナ25aの電気長(electrical length)は、無線通信に用いられる搬送波の波長の1/4程度が望ましい。
また、無線送信部25は、発振回路などを備えており、所定の周波数の搬送電波を発振し、その搬送信号に検出信号などを重畳させて送信する。操作部27は、通常の使用モードと新規設定時又は設定変更時における登録モードを切り替えるための動作モード切替スイッチ27a、人体感知センサ1Aによる照明装置3の点灯及び消灯を自動的に制御する周囲環境の明るさを選択するための明るさ設定トリマ27b、人体感知センサ1Aによって人の存在が確認されなかった後、照明装置3を点灯させるための点灯保持時間設定スイッチ27c、登録モード時に使用される確認スイッチ27d及び登録スイッチ27eなどが設けられている。
ところで、人体感知センサ1Aの筐体10の小型化を図りつつ、アンテナの利得の低下を抑制するためには、回路基板20に形成されているグランドの長さを長くすることが有効である。しかしながら、筐体10のサイズダウンが要求されるなか、限られた回路基板20の大きさで無線送信部25グランドを強化する必要がある。そこで、本実施形態においては、回路基板20の切り欠き部を挟んで一端側20aにアンテナ25aを配置し、他端側20bから回路基板20のグランド端子(コネクタ)28と接続された導体29を引き出すことにより、グランドを強化している。すなわち、グランド端子28は、回路基板20の他端側20bにおいてグランドと接続されているため、無線送信部25のグランドは、導体29の先端まで延長され、筐体10の内壁の略全周に亘って形成されることとなる。これにより、無線送信部25のグランドが強化され、アンテナ25aの利得を向上させることができる。
導体29は、いわゆる地線(counterpoise)と呼ばれるものであって、筐体10の内壁に沿って、回路基板20の他端側20bから一端側20aに亘って延出されている。これにより、限られたサイズの筐体10にあっても、導体29の長さを最大に獲ることが可能となり、効率よく無線送信部25のグランドを強化することができる。このとき、電波による無線通信の搬送周波数の逆数と伝搬速度(光速)の積で表される当該無線通信の搬送波の波長であるλ(ラムダ)なる長さの値に対して、凹状の切り欠き部を有する回路基板の、アンテナ25aの取付け部(図2の符号AA)から回路基板20の外周に沿う経路Cを経て最遠端の位置である他端(図2の符号BB)に至るまでの長さが、以下の関係を有することが望ましい。すなわち、アンテナ25aを除いて回路基板20に実装されるグランド電位パターンや各種電位を伝達する配線パターン及び回路基板20に実装される電気電子回路の全ての等価的な電気長と、導体29の電気長との、合成の電気長が、λの1/4倍(四半波長)に相当することが望ましい。ここで、回路基板20の他端側20bから一端側20aに亘る電気長(electrical length)をλの1/4倍(四半波長)に相当する電気長に設計するため、一般的に知られたアンテナ利得試験において、導体29の長さをパラメータとして、無線信号の搬送波が設計上の規定の受信レベルを超えて受波できるように導体29の長さを決定すればよい。このように設計した回路基板20は、アンテナ25aを除いて回路基板20に実装される配線パターン及び電気電子回路の全ての等価的な電気長と、導体29の電気長との、合成の電気長が、無線通信に用いられる搬送波の波長の1/4倍(四半波長)と等価になっているのである。このように導体29の長さを適切に設定することにより、アンテナ利得を十分に確保できるようになる。
図3は、筐体10の周縁部と導体の断面を示している。筐体10の周縁部には、適宜間隔を隔てて、リブ10bが形成されている。リブ10bは、筐体10の実装面10aから周縁部の内壁10cに亘って形成され、筐体10の強度を高めている。また、リブ10bと内壁10cの接合部には、導体29を保持するための凹部10dが形成されている。
導体29は、金属線29aと、金属線29aの表面に形成された絶縁性を有する被覆29bなどによって構成されている。絶縁性を有する被覆29bによって、金属線29aと他の電気的構成との短絡を防止できる。なお、リブ10bに形成されている凹部10dは、導体29と同等かそれより僅かに小さい幅寸法で形成されている。従って、凹部10dに導体29が嵌挿されることにより、導体29が確実に保持され、アンテナ25aの利得の向上機能の信頼度が高められる。
本実施形態の人体感知センサ1Aにおいて、無線送信部25は、センサ部11の検出信号を電波による無線通信を介して送信する送信機能を司っているが、用途に応じて種々の変形が可能である。例えば、無線による受信機能が必要な無線機器(上述の実施形態においては、スイッチ2)に本発明の無線機を適用する場合にあっては、無線送信部25に替えて無線受信部(無線通信回路)を設ければよい。また、無線による送信機能と受信機能を必要とする機器にあっては、無線送信部25及び無線受信部を設ければよい。このことは、本願発明の導体29を適用する対象が、無線受信機のみならず、無線送信機でも、無線送受信機でもよく、一般の無線機に広く適用できることを意味している。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態による無線機を用いて構成された人体感知センサ1Bを示している。人体感知センサ1Bは、導体29が電池12の負電極に直接的に接続されている。すなわち、導体29のグランド端子28と接続されていない側の先端部には、電池12が装填されたとき、負電極と接続される端子29cが設けられている。
この第2実施形態の人体感知センサ1Bによれば、導体29の先端部が電池12の負電極に直接的に接続されているので、電池12の負電極と回路基板20のグランドを接続する導体を別途設ける必要がない。これにより、人体感知センサの構成を簡素なものとすることができ、コストダウンを図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも回路基板20の切り欠き部を挟んで一端側20aにアンテナ25aが配置され、他端側20bから回路基板20のグランドと接続された導体29が延出されていればよい。
また、本発明は種々の変形が可能であり、グランドを延長するために用いられる導体の長さや形状は、通信に用いられる電波の波長に応じて設定することができる。例えば、リブ10bを筐体10の内壁全周に亘って追加し、必要に応じて導体29を筐体10の内壁に沿って周回させることにより、波長に対応する長さの導体29を確実に保持できるようになる。また、導体を螺旋状に巻回したり、筐体10の内壁に沿ってミアンダ状に形成することにより、グランドの長さを長くすることができる。また、導体29とグランドとの接続は、図2等に示すコネクタによるものに限られず、はんだによるものであってもよい。
また、無線機は上述した円盤状の人体感知センサに組み込まれた形態に限られることなく、例えば、図5に示すように、通常の箱形の無線機能を備えた電子機器にも広く適用できる。この電子機器1Cにおいては、無線機はアンテナ25aと、無線通信回路を構成する回路基板40と、回路基板40の切り欠き部に配置される電池12と、回路基板40及び電池12などを収容する筐体30等によって構成されている。アンテナ25aは、回路基板40の一端側40aに配置され、切り欠き部を挟んだ他端側40bから回路基板40のグランド端子48と接続された導体49が引き出される。この電子機器1Cにおいても、回路基板40のグランドを強化する観点から、導体49は筐体30の内壁に沿って回路基板40の一端側40aまで延出される形態が望ましい。
1A 人体感知センサ(無線機)
10 筐体
12 電池
20 回路基板
25a アンテナ
29 導体

Claims (7)

  1. アンテナと、前記アンテナが接続された無線通信回路を備え、電波による無線通信を介して信号を送信又は受信する無線機において、
    前記無線通信回路は、凹状の切り欠き部を有する回路基板上に形成され、
    前記切り欠き部を挟んで一端側にアンテナが配置され、他端側から前記回路基板のグランドと接続された導体が延出されていることを特徴とする無線機。
  2. 前記アンテナを除き前記回路基板に実装される配線パターン及び電気電子回路の全ての等価的な電気長と、前記導体の電気長との、合成の電気長が、無線通信に用いられる搬送波の波長の1/4であることを特徴とする請求項1に記載の無線機。
  3. 前記回路基板を収容する樹脂成形によってなる筐体を備え、
    前記導体は、前記筐体の内壁に沿って延出されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線機。
  4. 前記導体は、前記回路基板の他端側から一端側に亘って延出されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の無線機。
  5. 前記導体の表面には、絶縁性を有する被覆が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の無線機。
  6. 前記切り欠き部には、前記回路基板の前記無線通信回路に電力を供給する電池が配設され、
    前記導体の前記グランドと接続されていない側の先端部は、前記電池の負電極に直接的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の無線機。
  7. 前記筐体の内壁には、該筐体を補強するためのリブが形成され、
    前記リブには、前記導体を挟み込んで保持するための凹部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の無線機。
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