JP2011216420A - 電気化学セル、及び回路基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極缶2の側面5に端子10が溶接部6で固定されている。端子10は、回路基板100の方へ延設されており、端部12が電気化学セル1の外側方向にL字型(直角)に屈曲している。端部12の表面と負極缶3の表面は同一平面に形成されており、Auなどのハンダ濡れ性のよい金属でメッキされている。このように形成された端子10付きの電気化学セル1は、ハンダクリームの塗布された回路基板100に設置され、加熱した路を通過することによりリフローハンダ付けされる。電気化学セル1は、正極缶2の端面に端子を有しないため、回路基板100に実装した場合の高さがその分だけ小さくなる。
【選択図】図1
Description
図11(a)は、従来の電気化学セル1の実装状態を示した図である。
正極缶2と負極缶3には、それぞれ、端子15、25が溶接16、26により取り付けられており、電気化学セル1は、メッキ層17、27をハンダ付けすることにより回路基板100に取り付けられている。
そこで、特許文献1では、負極缶3を回路基板100に直接ハンダ付けする技術が提案されている。
負極缶3は、回路基板100に端子35の一端は、溶接36で正極缶2に固定され、他端は、メッキ層37をハンダ付けすることにより回路基板100に固定されている。
負極缶3を回路基板100に直接ハンダ付けすることにより、電気化学セル1の実装時の厚さを薄くすることができる。
請求項2に記載の発明では、前記端子は、前記側面から前記第1の端面の方向に延設され、前記接続部は、前記第1の端面の外側方向、又は内側方向に屈曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セルを提供する。
請求項3に記載の発明では、前記接続部は、前記側面の外周が内接する矩形の内側に形成されていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の電気化学セルを提供する。
請求項4に記載の発明では、前記端子は、前記側面の周方向に沿った延設部分を有し、前記延設部分が前記側面に固定されていることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の電気化学セルを提供する。
請求項5に記載の発明では、前記延設部分は前記側面の全周に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電気化学セルを提供する。
請求項6に記載の発明では、前記端子は、前記側面の周方向に形成され、複数回屈曲して前記側面に接する延設部分を有し、前記接する延設部分が前記側面に固定されていることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の電気化学セルを提供する。
請求項7に記載の発明では、前記端子は、レーザ溶接により前記側面に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載の電気化学セルを提供する。
請求項8に記載の発明では、前記レーザ溶接は、1の方向に複数回重ねて行われていることを特徴とする請求項7に記載の電気化学セルを提供する。
請求項9に記載の発明では、前記第1の端面と、前記端子の接続部の少なくとも一部には、Au、Sn、Sn合金又はNiが配設されていることを特徴とする請求項8に記載の電気化学セルを提供する。
請求項10に記載の発明では、前記電気化学セルは、コイン形、又はボタン形電池であることを特徴とする請求項1から請求項9までのうちの何れか1の請求項に記載の電気化学セルを提供する。
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の電気化学セルと、前記電気化学セルの第1の端面と、端子の接続部が接続された電子回路と、前記電子回路に接続し、前記電気化学セルの供給する電力で動作する電子素子と、を具備したことを特徴とする回路基板を提供する。
正極缶2(図1)の側面5に端子10が溶接部6で固定されている。
端子10は、回路基板100の方へ延設されており、端部12が電気化学セル1の外側方向にL字型(直角)に屈曲している。
端部12の表面と負極缶3の表面は同一平面に形成されており、Auなどのハンダ濡れ性のよい金属でメッキされている。
電気化学セル1は、正極缶2の端面に端子を有しないため、回路基板100に実装した場合の高さがその分だけ小さくなる。
図1(a)は、電気化学セル1を回路基板100に表面実装したところを示した側面図であり、図1(b)は、平面図である。
電気化学セル1は、正極缶2、負極缶3、ガスケット4、端子10などから構成されている。
電気化学セル1は、例えば、コイン形電池、ボタン形電池、キャパシタとして利用される。
正極缶2の内部には、起電力を生ずる電解液などが収納される。正極缶2は、正極として機能する。
正極缶2の外周部を構成する壁面により正極缶2の側面5が形成されている。
電気化学セル1は、負極缶3が回路基板100に固定されるが、この場合、正極缶2は、電気化学セル1の回路基板100と反対側に位置する。
負極缶3の端面は平坦に形成されており、その表面には、回路基板100とハンダ付けするためのメッキ層が形成されている。メッキ層は、Au、Sn、Sn合金又はNiなどのハンダ濡れ性のよい金属で構成されている。メッキ層は、回路基板100に対向する面の少なくとも一部に形成されていればよい。
端子10の回路基板100と反対側の端部11は、正極缶2の側面5に沿って湾曲しており、溶接部6によって正極缶2の側面5に固定されている。
また、端子10は、端部11が正極缶2の端面より上に突出しないように位置決めされている。
中心線上で溶接したのは、端部11の曲率半径が側面5の曲率半径以上に設定されており、端部11の全面、あるいは中心線で側面5と接するためである。
例えば、端部11は側面5に沿って湾曲しているため、回路基板100に垂直方向の線で側面5に接する。この部分を複数溶接すると強固に溶接することができる。
また、離散的ではなく、重なりをもってこの溶接をするとより強度を高めることができる。
端部12の表面は、負極缶3の表面と同一平面となるように位置決めされており、回路基板100とハンダ付けするためのメッキ層7が形成されている。メッキ層7の成分は負極缶3のメッキ層と同様である。メッキ層7は、回路基板100に対向する面の少なくとも一部に形成されていればよい。
このように、端子10の端部12をL字型に屈曲することにより、回路基板100へのハンダ付け部の面積が確保でき、安定して回路基板100に固定することができる。
一般的な電子部品は四角形状のものが多いが、電気化学セル1は、円形であるため四隅にデッドスペースができる。
そのため、端子10の先端が四角形200の内側になるように配置することによりコンパクトな実装が可能となる。
まず、回路基板100のハンダ付けを行う部分にハンダクリームを塗布しておき、その上に電気化学セル1を設置する。
次に、これを200〜260℃となるように設定された高温雰囲気の炉内を通過させてハンダを溶融させ、電気化学セル1を回路基板100にハンダ付けする。
又は、回路基板100の上に電気化学セル1を設置し、ハンダ小球をハンダ付け部分に供給して炉内を通過させてもよい。
また、端子10の端部11が正極缶2の側面5に沿って湾曲しているため、端子10を安定して溶接できると共に溶接強度を向上させることができる。
次に、電気化学セル1の変形例1について説明する。
図2(a)は、電気化学セル1を回路基板100に表面実装したところを示した側面図であり、図1(b)は、平面図である。
端子10には、正極缶2の側面5に沿って、正極缶2と同心となる円弧状の延設部15、15が端子10の中心線に対して対称に設けられている。
そして、端子10は、中心線上、及び延設部15、15に形成された溶接部6、6、6により側面5に固定されている。
なお、端子10が全体的に側面5と密着するように、端子10の曲率半径と、側面5の曲率半径が等しくなるように端子10を加工するのが望ましい。
次に、電気化学セル1の変形例2について説明する。
図3(a)は、電気化学セル1を回路基板100に表面実装したところを示した側面図であり、図3(b)は、平面図である。
端子10は、正極缶2の側面5に沿って、正極缶2と同心となる円環部18が設けられている。
そして、端子10は、端子10の中心線上、及び上から見て90度ごとに形成された溶接部6により正極缶2に固定されている。
また、図3(c)のように、円環部18に間隙部19を設け、円環部18の弾性力で円環部18が側面5に密着するように構成してもよい。
次に、電気化学セル1の変形例3について説明する。
図4は、電気化学セル1を回路基板100に表面実装したところを示した平面図である。
端子10は、正極缶2の周方向に延びる延設部21、21が、端子10の中心線に対して対称に設けられている。
延設部21は、2カ所の屈曲部22で側面5に沿って折り曲げられており、平坦形状を有している。
端子10は、これら側面5に接する箇所で溶接部6、6、6が形成され、正極缶2に固定されている。
このように、周方向に延びる延設部分に複数の屈曲箇所を設けて、正極缶2の壁面と複数の接点で接するようにすると、接点では壁面との隙間が無いため、容易に溶接することができる。
次に、電気化学セル1の変形例4について説明する。
図5(a)は、電気化学セル1を回路基板100に表面実装したところを示した側面図である。
電気化学セル1は、負極缶3に、図11(a)の従来例と同様の端子25を備えている。
端子25は、ステンレスなどの金属板を板金加工して形成されており、負極缶3に溶接部26によって固定されている。
端子25は、中央付近で回路基板100方向に屈曲しており、ハンダ付けされた場合、電気化学セル1を回路基板100から浮いた状態で保持する。
このように、従来と同様に端子25を介して負極缶3を回路基板100に接続すると共に、正極缶2の端面に端子が無い分、電気化学セル1の厚さを薄くすることができる。
次に、電気化学セル1の変形例5について説明する。
図5(b)は、電気化学セル1を回路基板100に表面実装したところを示した側面図である。
端子10は、回路基板100側の端部13が負極缶3の中心部に向かってL字型に屈曲している。
端部13の表面と負極缶3の表面は同一平面上となるように端子10の長さが設定されている。
このように、端部13を内向きに屈曲させて形成するため、電気化学セル1の実装面積を更に小さくすることができる。
図6(a)〜(g)において、上の図に示した例ほど溶接強度が高くなっている。
図6(a)は、5点で溶接した例である。
この例では、端部11の4隅と中央に溶接部6が形成されており、溶接点が多く、溶接面積も大きいため、強度が高い。
図6(b)は、4点で溶接した例である。
この例では、端部11の4隅に溶接部6が形成されている。
図6(c)の例では、3つの溶接部6が端部11の中心線で重なりを持つように形成されており、溶接部6が楕円形状に形成されていると見ることもできる。また、この例では、端子10の幅を狭く形成することができる。あるいは、端子10の幅が狭い場合に、当該溶接を行うことができる。
図6(d)の例では、端部11の上端の2隅、及び下端の中心線上に溶接部6が形成されている。
図6(f)の例では、端部11の左端の中央、右端の上下端に溶接部6が形成されている。
図6(g)の例では、端部11の中央付近で回路基板100面と平行な方向に重ねて溶接部6が形成されている。
図7(h)、(i)は、3点で溶接した例である。
図7(h)の例では、端部11の中央付近で溶接部6が重なりをもって形成されている。
図7(i)の例では、側面5に沿って端部11を延設した部分の両端、及び端部11の中心線に溶接部6が形成されている。
図7(j)は、端部11の中心線に溶接部6が重なりを持たずに形成されている。溶接部6が中心線に形成されているため、端子10の幅を狭くすることができる。あるいは、端子10の幅が狭い場合に、当該溶接を行うことができる。
図7(k)の例では、端子10の対角線の両端部分に溶接部6が形成されている。
図7(l)の例では、端部11の中央付近で回路基板100面と平行な方向に重なりを持たず溶接部6が形成されている。
図7(m)の例では、幅の狭い端部11の中心に溶接部6が形成されている。
この例では、端子10の幅を狭くすることができる。あるいは、端子10の幅が狭い場合に、当該溶接を行うことができる。
図7(n)の例では、幅の広い端部11の中心に溶接部6が形成されている。
図8(a)〜(d)において、上の図に示した例ほど溶接強度が高くなっている。
図8(a)は、円環部18の4点を等間隔で溶接した例であり、端子10の中心線から90度おきに溶接部6が形成されている。
図8(b)も4点を等間隔で溶接した例であり、端子10の中心線から45度オフセットした位置から、90度おきに溶接部6が形成されている。
図8(d)は、2点を等間隔で溶接した例であり、端子10の中心線とこれに対向する位置に溶接部6が形成されている。
端子10には、側面5方向に突出する凸部31が形成してある。
溶接時には、凸部31を側面5に当接させ、凸部31の反対側からレーザを照射する。
このように、レーザを照射する箇所に形成された凸部31が側面5に当接するため、レーザ溶接が容易になる。
まず、作業者が、レーザパワーを調節し(ステップ5)、次いで、パルス幅を調節する(ステップ10)。
次に、治工具を用いて電気化学セル1本体と端子10を固定して端子10の位置を設定する(ステップ15)。
次に、画像認識などを用いて、端子10の溶接点位置、形状を設定し(ステップ20)、レーザ溶接を実行する(ステップ25)。
以上で溶接工程を終える。
まず、剥離強度を確認し(ステップ30)、溶接点位置を確認し(ステップ35)、感応強度を確認する(ステップ40)。
次いで、端子強度を確認し(ステップ45)、外観を確認し(ステップ50)、電気特性を確認する(ステップ55)。
以上で、品質検査を終了し、電気化学セル1は、次工程に送られる。
(1)正極缶2の側面5に端子10を設置することにより、正極缶2の端面に端子10を設置する必要が無く、回路基板100に実装した場合に、その分だけ高さを小さくすることができる。
(2)正極缶2の側面5に端子10をレーザ溶接して固定することができる。
(3)電気化学セル1に外接する四角形200内に端子10を形成することにより、他の素子の邪魔にならないように電気化学セル1を回路基板100に設置することができる。
(4)負極缶3と端子10の回路基板100と接する面をハンダ濡れ性のよい金属でメッキしたため、容易にハンダ付けすることができる。
(5)実装時の総高を低く設定することができるため、携帯機器の薄型要求に対応することができる。
電気化学セル1において、負極缶3の端面は、第1の電極(ここでは負極)を構成する第1の端面として機能している。
正極缶2の端面は、負極缶3の端面から電気化学セル1の厚さ分だけ隔てた位置にあるため、前記第1の端面と所定距離を隔てて設けられた第2の端面として機能している。
側面5は、負極缶3の端面と正極缶2の端面の間に形成されており(ここでは正極缶2と一体形成されている)、ガスケット4で負極缶3から絶縁されて正極として機能しているため、前記第1の端面と絶縁されて前記第1の端面と前記第2の端面の間に形成され、第2の電極(ここでは正極)を構成する側面として機能している。
端子10は、側面5にレーザ溶接などで固定されており、リフローハンダ付けなどで回路基板100に接続する接続部として端部12を有しているため、前記側面に固定され、回路基板と接続する接続部を有する端子として機能している。
2 正極缶
3 負極缶
4 ガスケット
5 側面
6 溶接部
7 メッキ層
10 端子
11 端部
12 端部
13 端部
15 延設部
18 円環部
19 間隙部
21 延設部
22 屈曲部
31 凸部
100 回路基板
Claims (11)
- 第1の電極を構成する第1の端面と、
前記第1の端面と所定距離を隔てて設けられた第2の端面と、
前記第1の端面と絶縁されて前記第1の端面と前記第2の端面の間に形成され、第2の電極を構成する側面と、
前記側面に固定され、回路基板と接続する接続部を有する端子と、
を備えたことを特徴とする電気化学セル。 - 前記端子は、前記側面から前記第1の端面の方向に延設され、前記接続部は、前記第1の端面の外側方向、又は内側方向に屈曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
- 前記接続部は、前記側面の外周が内接する矩形の内側に形成されていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の電気化学セル。
- 前記端子は、前記側面の周方向に沿った延設部分を有し、前記延設部分が前記側面に固定されていることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の電気化学セル。
- 前記延設部分は前記側面の全周に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電気化学セル。
- 前記端子は、前記側面の周方向に形成され、複数回屈曲して前記側面に接する延設部分を有し、前記接する延設部分が前記側面に固定されていることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の電気化学セル。
- 前記端子は、レーザ溶接により前記側面に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載の電気化学セル。
- 前記レーザ溶接は、1の方向に複数回重ねて行われていることを特徴とする請求項7に記載の電気化学セル。
- 前記第1の端面と、前記端子の接続部の少なくとも一部には、Au、Sn、Sn合金またはNiが配設されていることを特徴とする請求項8に記載の電気化学セル。
- 前記電気化学セルは、コイン形、又はボタン形電池であることを特徴とする請求項1から請求項9までのうちの何れか1の請求項に記載の電気化学セル。
- 請求項10に記載の電気化学セルと、
前記電気化学セルの第1の端面と、端子の接続部が接続された電子回路と、
前記電子回路に接続し、前記電気化学セルの供給する電力で動作する電子素子と、
を具備したことを特徴とする回路基板。
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