JP2011215128A - Glonass受信機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測位演算部15は、各チャネルの信号に基づく測位に先立って、温度センサ13で取得した信号受信部11の温度、および第二記憶部18に記憶した信号受信部11の個体ごとに固有の特性データに基づいて、その温度および特性データに対応するチャネルと群遅延との関係を示す関数を第一記憶部14から読み出す。そして、測位演算部15は、読み出したチャネルと群遅延との関係を示す関数を用いて、各チャネルごとに受信時刻を補正するための群遅延オフセットを設定する。測位演算部15は、設定した信号受信部11の温度および個体差の影響を含む群遅延オフセットにより、各チャネルごとに受信時刻を補正して測位する。
【選択図】図1
Description
(第1実施形態)
図1に第1実施形態による受信機10の電気的な構成を示す。受信機10は、信号受信手段としての信号受信部11、信号処理部12、温度検出手段としての温度センサ13、第一記憶部14、および測位手段としての測位演算部15を備えている。また、受信機10は、上記の構成に加え、アンテナ16、テスト回路部17および第二記憶部18を備えている。上記の構成のうち、少なくとも信号受信部11、信号処理部12、温度センサ13、テスト回路部17および第二記憶部18は、同一のチップ上のIC19として構成されている。また、信号受信部11、信号処理部12、温度センサ13、第一記憶部14、測位演算部15、テスト回路部17および第二記憶部18は、いずれも電気回路によるハードウェアとして構成されている。
上述の通り、信号受信部11のバンドパスフィルタは、フィルタリングの対象となる周波数ごとに群遅延特性に差が生じる。すなわち、人工衛星から受信した複数の周波数の信号は、バンドパスフィルタを通過する際、周波数ごとに相対的な時間差が生じる。そのため、第一記憶部14は、この周波数ごとに生じる群遅延を、群遅延特性データとして記憶している。図2に示すように、信号受信部11における温度が例えば40℃で一定の場合でも、群遅延(単位:ns)は、チャネルごとに異なっている。図2では、一例として信号受信部11の温度を40℃、および信号受信部11の個体ばらつきを平均品(ばらつき±0%)としたときに「0チャネル:f0」における群遅延を「基準値S」とし、この「基準値S」に対する差を群遅延オフセットとして図示している。図2からも分かるように、温度が40℃で一定であっても、群遅延は、信号の周波数ごと、すなわち信号を送信する人工衛星ごとに異なる。そこで、第一記憶部14は、図2に示すようなチャネルの周波数と群遅延との関係を、周波数に対する群遅延の関数で示される群遅延特性データとして記憶している。これにより、測位演算部15は、信号処理部12で生成された各周波数の復調信号に含まれる受信時刻を、第一記憶部14に記憶した群遅延特性データに基づいて補正する。
信号受信部11は、人工衛星から送信された信号をアンテナ16から受信すると、受信した信号を増幅した後、ダウンコンバートおよびバンドパスフィルタによるフィルタリング処理を施して中間周波信号を生成する。受信した信号は、この信号受信部11のバンドパスフィルタを通過するとき、周波数に応じた群遅延を生じる。
上記の第1実施形態では、各チャネルごとの群遅延オフセットを、各チャネルの周波数に対する群遅延の関数として第一記憶部14に記憶する例について説明した。しかし、各チャネルの周波数に対する群遅延は、関数に代えて図4に示すようにテーブル30として第一記憶部14に記憶してもよい。群遅延オフセットの設定に図4に示すようなテーブル30を用いる場合、測位演算部15は、温度センサ13で検出した信号受信部11の温度および第二記憶部18に記憶されている信号受信部11の個体差を示す特性データに基づいて群遅延オフセットを設定する。具体的には、図4に示すように、テーブル30は、チャネルすなわち周波数を第一軸とし温度を第二軸として作成された二次元テーブルを、特性データすなわち容量Cと抵抗値Rとのばらつきの度合ごとにそれぞれ有している。これにより、測位演算部15は、取得した信号受信部11の温度および特性データから、チャネルごとの群遅延オフセットを抽出する。
このように、測位演算部15は、関数に代えてテーブル30を用いる場合でも、信号受信部11の温度および個体差を示す特性データに相関する群遅延オフセットを設定することができる。
さらに、信号受信部11のバンドパスフィルタおよび第二記憶部18を1チップのICとして構成してもよい。この場合、特性データとして、例えば1チップ化としたICの製造条件に含まれる容量C、抵抗Rおよびトランジスタの閾値電圧Vthなどを採用することができる。そして、この1チップ化したICの検査工程において、特性データを検出しつつ第二記憶部18に記憶させることにより、1チップ化したICの製造工程の効率化を図ることができる。
第2実施形態による受信機10の要部を図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図5は、第2実施形態による受信機10の信号受信部11をさらに詳細に示したブロック図である。信号受信部11は、低ノイズアンプ(LNA)21、RF用バンドパスフィルタ22、アンプ23、ミキサ24、信号発生器(SG)25、およびIF用バンドパスフィルタ26を有している。低ノイズアンプ21は、アンテナ16で受信した信号を増幅する。RF用バンドパスフィルタ22は、例えばSAWフィルタなどで構成されており、低ノイズアンプ21で増幅された信号に含まれる不要な周波数成分を除去する。すなわち、RF用バンドパスフィルタ22は、予め設定された範囲内の周波数帯域の信号の通過を許容し、この周波数帯域外の周波数の信号を減衰させる。アンプ23は、RF用バンドパスフィルタ22を通過した信号を増幅する。ミキサ24は、信号発生器25で発振された信号を用いて、RF用バンドパスフィルタ22およびアンプ23を通過した信号の周波数をダウンコンバートする。すなわち、ミキサ24および信号発生器25は、特許請求の範囲の周波数変換部に相当する。ミキサ24でダウンコンバートされた信号は、IF用バンドパスフィルタ26を通過することにより、不要な周波数成分が除去され、中間周波信号として信号受信部11から出力される。IF用バンドパスフィルタ26は、RF用バンドパスフィルタ22と同様に、予め設定された範囲内の周波数帯域の信号の通過を許容し、この周波数帯域外の周波数の信号を減衰させる。
第一記憶部14は、温度特性データおよび群遅延特性データを記憶している。温度特性データは、図6に示すように温度T(℃)と周波数補正値Δf(MHz)との関係を含んでいる。群遅延特性データは、図7の実線に示すように基準温度Ts(℃)におけるチャネルすなわち周波数f(MHz)と群遅延d(ns)との関係を含んでいる。図7の実線は、基準温度TsとしてTs=25℃を例にした基準温度特性データを示している。
Claims (6)
- 人工衛星ごとに異なる周波数の信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段の温度を検出する温度検出手段と、
前記人工衛星ごとに異なる各周波数のそれぞれについて、前記信号受信手段における各周波数ごとの前記信号の群遅延特性を群遅延特性データとして、および前記信号受信手段における各周波数ごとの前記信号の群遅延の温度特性を温度特性データとして記憶する記憶手段と、
前記信号受信手段で受信した各周波数の信号について、前記記憶手段に記憶している前記群遅延特性データを用いて前記信号に対応する受信時刻を補正し、前記温度検出手段で検出した前記信号受信手段の温度および前記記憶手段に記憶している前記温度特性データに基づいて前記信号に対応する受信時刻を補正し、補正した受信時刻から現在位置を測位する測位手段と、
を備えることを特徴とするGLONASS受信機。 - 前記信号受信手段および前記温度検出手段は、同一のチップ上に設けられていることを特徴とする請求項1記載のGLONASS受信機。
- 人工衛星ごとに異なる周波数の信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段の個体差に起因する特性を取得して前記信号受信手段に固有の特性データとして記憶する個体差記憶手段と、
前記人工衛星ごとに異なる各周波数のそれぞれについて、前記信号受信手段における各周波数ごとの前記信号の群遅延特性を群遅延特性データとして、および前記信号受信手段の個体差に起因する各周波数ごとの前記信号の個体差遅延特性を個体差特性データとして記憶する記憶手段と、
前記信号受信手段で受信した各周波数の信号について、前記記憶手段に記憶している前記群遅延特性データを用いて前記信号に対応する受信時刻を補正し、前記個体差記憶手段に記憶している前記特性データおよび前記記憶手段に記憶している個体差特性データに基づいて前記信号に対応する受信時刻を補正し、補正した受信時刻から現在位置を測位する測位手段と、
を備えることを特徴とするGLONASS受信機。 - 前記信号受信手段は、
前記人工衛星から受信した信号の周波数を変換し、中間周波信号を生成する周波数変換部と、
前記周波数変換部における周波数の変換前の信号について、予め設定された範囲内の周波数の通過を許容するRF用バンドパスフィルタと、
前記周波数変換部における周波数の変換後の信号について、予め設定された範囲内の周波数の通過を許容するIF用バンドパスフィルタと、を有し、
前記測位手段は、前記IF用バンドパスフィルタを通過した各周波数の信号について、前記記憶手段に記憶している前記群遅延特性データおよび前記温度特性データを用いて前記信号に対応する受信時刻を補正することを特徴とする請求項1、2または3記載のGLONASS受信機。 - 前記信号受信手段は、
前記人工衛星から受信した信号の周波数を変換し、中間周波信号を生成する周波数変換部と、
前記周波数変換部における周波数の変換前の信号について、予め設定された範囲内の周波数の通過を許容するRF用バンドパスフィルタと、
前記周波数変換部における周波数の変換後の信号について、予め設定された範囲内の周波数の通過を許容するIF用バンドパスフィルタと、を有し、
前記測位手段は、前記RF用バンドパスフィルタを通過した各周波数の信号について、前記記憶手段に記憶している前記群遅延特性データおよび前記温度特定性データを用いて前記信号に対応する受信時刻を補正することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のGLONASS受信機。 - 前記温度特性データは、前記信号受信手段の温度と周波数補正値との関係を含み、
前記群遅延特性データは、予め設定した基準温度における前記信号受信手段で受信した周波数と前記群遅延特性との関係を基準温度特性データとして含み、
前記測位手段は、前記温度検出手段で検出した前記信号受信手段の検出温度に基づいて、前記温度特性データを用いて前記検出温度における前記周波数補正値を特定し、特定した周波数補正値を用いて前記基準温度特性データを補正して前記検出温度における群遅延特性を特定して前記RFバンドパスフィルタを通過した前記信号について受信時刻を補正することを特徴とする請求項5記載のGLONASS受信機。
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