JP2011214795A - マルチ形空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】室内熱交換器47を有し、室外機3に並列に接続された複数台の室内機11A,11Bと、冷房運転時、圧縮機13が冷房目標低圧を目標に運転され、室内機11A,11Bでは、冷房過熱度で制御される室外制御部65と、を備えるマルチ形空気調和装置1であって、室内熱交換器47には、第一パスにおける液側部分の冷媒温度を検出する液側温度センサ61、第二パスにおける中間部分の冷媒温度を検出するベンド部温度センサ63およびガス側の冷媒温度を検出するガス側温度センサ59が備えられ、室外制御部65には、冷房運転時に、液側温度センサ61あるいはベンド部温度センサ63の検出温度がガス側温度センサ59の検出温度を超えると冷房目標低圧が低下するように変更する目標圧力変更部77が備えられている。
【選択図】図1
Description
マルチ形空気調和装置では、圧縮機は各室内機の要求能力に基づき設定された目標圧力、すなわち、冷房運転時は冷房目標低圧あるいは暖房運転時は暖房目標高圧、に対応する回転数で運転され、一方、各室内機では、暖房過冷却度あるいは冷房過熱度が所定範囲内に入るように制御されている。
複数のパスを有する室内熱交換器では、各パスを通過した冷媒の出口温度を略一定にすることが熱交換性能を向上させるために重要であり、このために各パスへの冷媒の分配比率が最適になるようにする必要がある。
各パスへの分配比率は、導入される冷媒量によって変化することがよく知られており、冷媒循環量が変化した際に、各パスへの冷媒の分配比率を調節するために種々の工夫が提案されている。
たとえば、特許文献1に示されるものでは、各パスにそれぞれ流量調整弁を設けて個別に流量を調整できるようにしている。
冷房運転時には、室内熱交換器に導入される冷媒は、一般的に液およびガスの二相状態である。二相状態の冷媒は、ガス冷媒と比較して一律な分配が難しいので、冷媒量、配管の形状等によって分配比率が大きく変動する。特に、冷媒量が低い低循環量の状態あるいは運転開始時では、分配不良が起きやすくなる。
分配不良が起きると、一部のパスで所定の熱交換量が確保できなくなるので、室内機の冷房能力が低下することになる。熱交換量が確保できているパスの温度を過熱度の判定に用いている場合では、この冷房能力が低下したパスはその低下した状態のままで室内機の運転が安定するので、いわゆる不冷に至り、空調フィーリングを著しく損なうという課題がある。
すなわち、本発明の一態様は、回転数が可変とされた圧縮機を有する室外機と、複数の冷媒通路を有する室内熱交換器および室内膨張弁を有し、前記室外機に並列に接続されている複数台の室内機と、冷房運転時、前記圧縮機が前記各室内機の要求能力に基づき設定された冷房目標低圧に対応する回転数で運転され、前記各室内機では、冷房過熱度が所定範囲内に入るように制御される構成を有する制御部と、が備えられているマルチ形空気調和装置であって、前記室内熱交換器には、前記冷媒通路内の第一冷媒通路における液側部分の冷媒温度を検出する液側温度センサ、前記冷媒通路内の第二冷媒通路における中間部分の冷媒温度を検出するベンド部温度センサおよびガス側の冷媒温度を検出するガス側温度センサが備えられ、前記制御部には、冷房運転時に、前記液側温度センサあるいは前記ベンド部温度センサの検出温度が前記ガス側温度センサの検出温度を超えると前記冷房目標低圧が低下するように変更する目標圧力変更部が備えられているマルチ形空気調和装置である。
冷房運転時に、冷媒の導入量が低い低循環量の状態の室内熱交換器、すなわち、室内機があると、複数の冷媒通路で分配不良が発生することがある。分配不良が発生すると、一部の冷媒通路で冷媒導入量が所定量よりも少なくなるので、冷媒の流れが少なくなって、滞留することとなる。これにより、当該冷媒通路で冷媒温度が上昇し、冷房能力が低下することとなる。
なお、予め、試験を行って複数の冷媒通路の内冷媒の流れが最も悪い冷媒通路を第一冷媒通路あるいは第二冷媒通路とすることが好適である。
このように、冷媒の分配不良が解消されると、圧縮機の冷房目標低圧が元に戻るように上昇させるので、当該室内熱交換器以外の室内熱交換器における無駄な能力増加を抑制でき、運転効率の低下を抑制することができる。
なお、分配不良は、低循環量で、かつ、運転開始時に発生することが多いので、所定時間は可能な範囲で小さくすることが好ましい。
このようにすると、より確実に分配不良の発生を把握することができる。
図1には、本実施形態にかかるマルチ形空気調和装置1の冷媒回路が示されている。
マルチ形空気調和装置1は、1台の室外機3と、室外機3から導出されるガス側配管5および液側配管7と、このガス側配管5および液側配管7間に分岐器9を介して並列に接続されている複数台の室内機11A,11Bと、から構成されている。
また、室外機3には、室外熱交換器19に対して外気を送風する室外ファン41が設けられている。さらに、油分離器15と圧縮機13の吸入配管37Eとの間には、油分離器15内で吐出冷媒ガスから分離された冷凍機油を所定量ずつ圧縮機21側に戻すための油戻し回路43が設けられている。
ガス側配管5および液側配管7の途中には、適宜数の分岐器9が設けられ、この分岐器9を介してそれぞれ適宜台数の室内機11A,11Bが接続されている。これによって、密閉された1系統の冷凍サイクル45が構成されている。
室内熱交換器47には、吸込む室内空気の温度を検出する吸込み空気温度センサ57と、分岐ガス側配管5A,5Bの温度、すなわち、分岐ガス側配管5A,5Bを流れるガス冷媒の温度を検出するガス側温度センサ59と、第一パス53における入口部分、すなわち、液側部分の冷媒温度を検出する液側温度センサ61と、第二パス55における中間部分の冷媒温度を検出するベンド部温度センサ63とが備えられている。
室内制御部67は、吸込み空気温度センサ57、ガス側温度センサ59、液側温度センサ61、ベンド部温度センサ63等からの入力情報に基づいて室外制御部65に必要な制御情報を送信するとともに、室内膨張弁49の開度や室内ファン51による風量等を適宜制御するように構成されている。
また、室内制御部67は、吸込み空気温度センサ57が検出する室内温度と設定温度との差分から要求能力を計算し、室外制御部65へ送信するように構成されている。
要求能力に換えて圧縮機13での相当回転数に変換した要求周波数を送信するようにしてもよい。
また、室外制御部65は、暖房運転時、高圧センサ71の検出値に基づいて高圧圧力を暖房目標高圧(目標圧力)HPに制御でき、冷房運転時、低圧センサ73の検出値に基づいて低圧圧力を冷房目標圧力(目標圧力)LPに制御できるように構成されている。
目標圧力変更部77は、ガス側温度センサ59の検出温度が液側温度センサ61あるいはベンド部温度センサ63の検出温度よりも低い場合に、圧縮機13の回転数が増加するように冷房目標圧力LPを低下させるように変更し、ガス側温度センサ59の検出温度が液側温度センサ61およびベンド部温度センサ63の検出温度よりも高くなる状態が所定時間、たとえば、1分間継続すると、冷房目標圧力LPに戻るように目標圧力を変更させる。
圧縮機13により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管37Aに吐出され、油分離器15で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離された後、四方切換弁17によりガス配管37D側に循環される。
この冷媒は、ガス側操作弁33、ガス側配管5を経て室外機3から導出され、更に分岐器9、室内側の分岐ガス側配管5A,5Bを経て室内機11A,11Bへと導入される。
この液冷媒は、液配管37Cを介して室外膨張弁(EEVH)23に供給され、そこで断熱膨張された後、過冷却コイル21を経て室外熱交換器19へと流入される。
この冷媒は、室外熱交換器19からガス配管37B、四方切換弁17、吸入配管37Eを経て過冷却用分岐配管37Fからの冷媒と合流され、アキュムレータ31に導入される。アキュムレータ31では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離されてガス分のみが圧縮機13へと吸入され、圧縮機13において再び圧縮される。以上のサイクルを繰り返すことによって暖房運転が行われる。
圧縮機13で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管37Aに吐出され、油分離器15で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離される。
その後、冷媒ガスは、四方切換弁17によりガス配管37B側に循環され、室外熱交換器19で室外ファン41により送風される外気と熱交換されて凝縮液化される。
この液冷媒は、過冷却コイル21で更に冷却された後、室外膨張弁23を通過し、レシーバ25にいったん貯留される。
この液冷媒は、液側操作弁35を経て室外機3から液側配管7へと導出され、更に液側配管7に導出された液冷媒は、分岐器9により各室内機11A,11Bの分岐液側配管7A,7Bへと分流される。
室内熱交換器47では、気液二相流となった冷媒は第一パス53および第二パス55に分流され、それぞれ室内ファン51により循環される室内空気とが熱交換される。
この熱交換により室内空気は冷却されて室内の冷房に供される。一方、冷媒はガス化され、分岐ガス側配管5A,5Bを経て分岐器9に至り、他の室内機からの冷媒ガスとガス側配管5で合流される。
アキュムレータ31では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離され、ガス分のみが圧縮機13へと吸入される。
この冷媒は、圧縮機13において再び圧縮され、以上のサイクルを繰り返すことによって冷房運転が行われる。
室内機11A,11Bでは、吸込み空気温度センサ57が検出する室内温度が設定温度範囲に入るように要求能力が投入されるサーモオンあるいは遮断されるサーモオンを繰り返すオンオフ制御が行われている。
このような冷媒の導入量が小さい低循環量の状態の室内熱交換器47、すなわち、室内機11A,11Bがあると、第一パス53および第二パス55に分流される冷媒に分配不良が発生することがある。
分配不良が発生すると、第一パス53および第二パス55のいずれかで冷媒導入量が所定量よりも少なくなるので、冷媒の流れが少なくなって、滞留することとなる。これにより、当該パスで冷媒温度が上昇し、冷房能力が低下することとなる。最終的に不冷の状態となる。
室内機11A,11Bの不冷回避制御を開始する(ステップS1)と、目標圧力変更部77は、まず、当該室内機11A,11Bが冷房サーモオン(冷房運転)中であるか判定する(ステップS2)。
冷房サーモオン中である(YES)と、当該室内機11A,11Bが過熱度制御に入って1分以上経過しているかを判定する(ステップS3)。
ステップ2で冷房サーモオン中でない(NO)場合およびステップS3で過熱度制御に入って1分以上経過していない(NO)場合には、その室内機を判定対象室内機から除外する。
ステップS4で、冷媒温度R3が冷媒温度max(R1,R2)よりも低い(YES)場合、冷媒温度maxのパスで循環量不足による冷房能力低下が起きている分配不良と判断して、目標圧力変更部77は冷房目標圧力LPが小さい冷房目標圧力LP1に低下するように変更する(ステップS5)。
たとえば、冷房目標圧力LPが約0.75MPa(約2.2℃)とすると、冷房目標低圧LP1は1分間に0.015MPa(約0.5℃)の割合で下げるように設定される。
ステップS4で冷媒温度R3が冷媒温度max(R1,R2)よりも高い(NO)場合、その状態が1分間(所定時間)以上継続している時に冷房目標圧力LP1は冷房目標圧力LPに戻るように変更される(ステップS7)。
たとえば、冷房目標圧力LP1は、1分間に0.015MPa(約0.5℃)の割合で増加される。
このように設定された冷房目標圧力LP1が、目標圧力として決定される(ステップS9)。
この場合、目標圧力変更部77は、冷房目標低圧LPを下げるので、圧縮機13の回転数が増加する。これにより圧縮機13から供給される冷媒量が増加するので、当該室内熱交換器47に導入される冷媒量が増加する。供給量が不足している第一パス53あるいは第二パス55への供給量が増加するので、滞留している冷媒が流れることになる。冷媒が流れることによって当該室内熱交換器47は所定の熱交換量を確保することができる。すなわち、冷媒の分配不良を解消させることができる。
また、3通路以上備えられている場合、より確実に分配不良の発生を把握するために各通路に液側温度センサ61あるいはベンド部温度センサ63を備えるようにしてもよい。
なお、分配不良は、低循環量で、かつ、運転開始時に発生することが多いので、所定時間はできるだけ小さな1分間としている。1分間は例示であり、所定時間は適宜設定される。
3 室外機
11A,11B 室内機
13 圧縮機
59 ガス側温度センサ
61 液側温度センサ
63 ベンド部温度センサ
65 室外制御部
77 目標圧力変更部
Claims (3)
- 回転数が可変とされた圧縮機を有する室外機と、
複数の冷媒通路を有する室内熱交換器および室内膨張弁を有し、前記室外機に並列に接続されている複数台の室内機と、
冷房運転時、前記圧縮機が前記各室内機の要求能力に基づき設定された冷房目標低圧に対応する回転数で運転され、前記各室内機では、冷房過熱度が所定範囲内に入るように制御される構成を有する制御部と、が備えられているマルチ形空気調和装置であって、
前記室内熱交換器には、前記冷媒通路内の第一冷媒通路における液側部分の冷媒温度を検出する液側温度センサ、前記冷媒通路内の第二冷媒通路における中間部分の冷媒温度を検出するベンド部温度センサおよびガス側の冷媒温度を検出するガス側温度センサが備えられ、
前記制御部には、冷房運転時に、前記液側温度センサあるいは前記ベンド部温度センサの検出温度が前記ガス側温度センサの検出温度を超えると前記冷房目標低圧が低下するように変更する目標圧力変更部が備えられていることを特徴とするマルチ形空気調和装置。 - 前記目標圧力変更部は、前記ガス側温度センサの検出温度が前記液側温度センサおよび前記ベンド部温度センサの検出温度を超え、この状態が所定時間経過すると前記冷房目標低圧が元に戻るように上昇させることを特徴とする請求項1に記載のマルチ形空気調和装置。
- 前記冷媒通路のそれぞれは、前記液側温度センサあるいは前記ベンド部温度センサのいずれか一方が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチ形空気調和装置。
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