JP2011214253A - 盛土の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】地中鋼製壁体で盛土を補強する構造において、施工を改善して施工期間の短縮を図るとともに、安価で盛土の決壊や土砂の流出を抑制しつつ、地中鋼製壁体として透水性を有する盛土の補強構造を提供する。
【解決手段】地中鋼製壁体2は、矢板部8を盛土1の延長方向に沿って複数並べて配置することにより設けられている。矢板部8は、盛土1の延長方向に沿って鋼矢板4を連結して構成されている。隣り合う矢板部8どうしは、盛土1の幅方向に離れている。また、隣り合う矢板部8は、盛土1の延長方向には一部重なり合うように配置されている。これにより、隣り合う矢板部8は、少なくともその端部どうしが盛土の幅方向から見て、重なっている。また、一つおきの矢板部8は、盛土の幅方向に沿った位置が同じとなるようになっており、各矢板部8が千鳥配置となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、河川等の堤防、道路・鉄道盛土等の河川、道路、鉄道等に沿って長く延在する盛土の補強構造に関する。
従来、法尻(法面下端部)を除く盛土の内部に盛土を貫通し、土圧のつり合いが確保される地盤に根入れされる深さを持つ少なくとも1列の矢板壁を盛土の延長方向に連続的に配置し、盛土を構成する地盤中に矢板壁と、矢板壁で締め切られた地盤からなる構造骨格部を形成する盛土の補強構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1には、盛土の左右の法肩(法面上端部)にそれぞれ、盛土の延長方向に沿って鋼矢板を打設することにより、二重の鋼矢板壁を設置し、左右の鋼矢板壁の頭部をタイロッドで結合するものが提案されている。
これらの工法によれば、地震時に盛土の沈下を抑制し、さらに、盛土を堤防とした場合に、遮水性に優れる鋼矢板が堤体としての盛土の高さを確保することにより、高水時の浸透破壊と越水による破堤を防止でき、盛土構造物の補強として効果的な工法である。
二重の鋼矢板壁で補強された盛土を河川の堤防として用いた場合に、河川側の水は、二重の鋼矢板壁の下端を廻り込むように堤内側へ浸透するが、雨水など二重の鋼矢板壁内に流入する水は排水されず貯留されることが懸念される。そこで、二重の鋼矢板壁の少なくとも片方の鋼矢板に透水性を持たせることで、二重の鋼矢板壁内の水を常時排水することを可能とする堤防の補強構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2では、二重の鋼矢板壁のうちの一方の鋼矢板壁に透水性を持たせる構造として、いくつかの提案がなされている。例えば、鋼矢板壁に透水性を持たせる構成として、孔の開いた透水性鋼矢板を用いる例が示されている。また、鋼矢板壁の上部だけ継手の無い鋼矢板を用いて鋼矢板壁を設けることで、鋼矢板壁上部では、鋼矢板同士の連結部に間隙ができ、この間隙により鋼矢板壁に透水性を持たせる例が示されている。さらに、鋼矢板の全長に渡って継手の無い構造とし、鋼矢板どうしが略接触した状態として、透水性を有する構造となる例が示されている。
また、二重の鋼矢板壁のうちの一方の鋼矢板壁において、鋼矢板どうしを連結せずに、互いに間隔をあけて配置し、各鋼矢板を他方の鋼矢板壁に水平な連結部材で連結することにより、高い透水性を有する構造とする例や、鋼矢板どうしを連結せずに、水平方向に互いに間隔をあけて配置し、各鋼矢板を、堤防の延長方向に沿って水平に配置されたH形鋼で固定することにより、透水性を有する構造となる例が示されている。
特開2003−13451号公報 特開2010−24745号公報
鋼矢板壁の構築においては、先に打設された鋼矢板の継手に、その次に打設される鋼矢板の継手を連結させながら鋼矢板を打設する。鋼矢板は、土圧のつり合いが確保される地盤まで根入れされるよう、かなり長尺なものであるため、先に打設された鋼矢板とその次に打設される鋼矢板に傾きや位置ずれが生じ易く、一旦位置ずれが生じると、鋼矢板の継手に大きな抵抗力が作用することになり、次の鋼矢板の打設が難しくなる。特に盛土の延長方向に全て連結した鋼矢板壁の構築において、長尺の鋼矢板を全て嵌合させて施工すると、施工誤差の積み重なりも加わり、さらに施工時間がかかる。
次に、透水性鋼矢板を使用する場合、鋼矢板に穴あけ加工を施す分、コストが高くなるという課題がある。
また、堤防の延長方向に沿って鋼矢板の上部側に間隙を有する構造では、地震時および越水時にこの間隙が弱点となり、盛土の決壊や盛土内の土砂流出の虞がある。
本発明は、地中鋼製壁体で盛土を補強する構造において、施工性を改善して施工期間の短縮を図るとともに、安価で盛土の決壊や土砂の流出を抑制しつつ、地中鋼製壁体として透水性を有する盛土の補強構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の盛土の補強構造は、1枚の矢板もしくは連結された複数枚の矢板からなる矢板部が盛土の延長方向に並べて配置されて構成される地中鋼製壁体が盛土の延長方向に沿って1列以上設けられ、
前記地中鋼製壁体の隣り合う前記矢板部どうしは、前記盛土の幅方向には離れて、かつ、前記盛土の延長方向には一部重なり合うように配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、地中鋼製壁体を構成する矢板が一列に連結されて設けられるのではなく、1枚の矢板もしくは連結された複数枚の矢板からなる矢板部が並べて配置されている。隣り合う矢板部どうしは連結されておらず、盛土の幅方向には離れて、かつ、幅方向から見て一部が重なりあっている。
この地中鋼製壁体によれば、隣り合う矢板部の間の間隙を介して透水性を有する状態となり、例えば、地中鋼製壁体を二列以上とした場合に、地中鋼製壁体同士の間に浸入する雨水を容易に排水することができる。一列の場合も地中鋼製壁体に透水性を持たせて、地中鋼製壁体の一方側から他方側への地下水の移動を可能とすることができる。地中鋼製壁体に透水性を持たせるためにコストの高い透水孔を有する透水性鋼矢板を必要としない。
また、矢板部どうしの間隙は、盛土の延長方向に設けるものではなく、盛土の幅方向に矢板部の一部が重なった空間に設けるものとなるので、盛土の土砂の流出を抑制しながら透水性を確保することができる。
また、盛土の延長方向に長く連結した矢板壁を構築するのではなく、複数の矢板部を盛土の延長方向に並べて地中鋼製壁体を構築するので、矢板部毎に施工誤差が生じても次の矢板部に施工誤差が持ち越されない。したがって、施工誤差が積み重なって大きくなることがないので、施工管理が容易となる。
なお、一つおきの矢板部は、盛土の幅方向の位置が略同じとなるよう千鳥配置となることが好ましい。
請求項2に記載の盛土の補強構造は、請求項1に記載の発明において、連続する盛土の略天端の範囲内に盛土の延長方向に沿って少なくとも二列に前記地中鋼製壁体が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、二列の前記地中鋼製壁体により締め切られた構造骨格部が形成され、地中鋼製壁体が盛土の高さを確保することにより、この盛土構造を河川の堤防とした場合には、高水時の浸透破壊と越水による破堤を防止できる。また、盛土の天端に鉄道や道路が設けられている場合に、地震時の天端の大きな沈下や洗掘を防止し、復旧作業を容易なものとすることができる。
さらに、上述のように、盛土の土砂の流出を抑制しつつ、二列の地中鋼製壁体の間に浸入した水を常時排水することができる。
請求項3に記載の盛土の補強構造は、請求項2に記載の発明において、前記盛土は河川等の堤防であり、二列の前記地中鋼製壁体のうちの河川等に近い側となる前記地中鋼製壁体と、この地中鋼製壁体より河川等から遠い側となる前記地中鋼製壁体とで、前記隣り合う矢板部どうしの重なり合う部分の長さが異なることを特徴とする。ここで、河川等の堤防とは、河川の堤防のほか、貯水池、湖沼、海岸等の堤防も含むものとする。
請求項3に記載の発明においては、堤防となる盛土の二列の地中鋼製壁体において、前記隣り合う矢板部どうしが重なりあう部分の長さを異なるものとすることにより透水性を異なるものとすることができ、堤防に適した補強構造とすることができる。
例えば、河川堤防において、河川側の地中鋼製壁体の透水性を小さくして、河川側から浸透した水の流れを阻止し、河川から遠い側の地中鋼製壁体においては、二列の地中鋼製壁体に締め切られた部分の水を逃がすために河川側の地中鋼製壁体より透水性を高いものとすることができる。
請求項4に記載の盛土の補強構造は、請求項1に記載の発明において、前記盛土は河川等の堤防であり、盛土の略天端の範囲の河川等に近い側に矢板を連結してなる矢板壁が盛土の延長方向に沿って設けられ、
盛土の略天端の範囲の前記矢板壁より前記河川等から遠い側に前記矢板部を並べた前記地中鋼製壁体が盛土の延長方向に沿って設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、例えば河川堤防において、盛土の河川側に矢板を連結してなる遮水性の高い矢板壁が設けられ、盛土の河川から遠い側に、矢板部を上述のように並べて設けられた透水性を有する地中鋼製壁体が設けられているので、矢板壁により河川側から浸透した水の流れを阻止し、河川から遠い側の地中鋼製壁体を通じて二列の地中鋼製壁体に締め切られた部分の水を河川から遠い側に逃がすことができる。また、この際に、上述のように盛土の土砂の流出を抑制することができる。
請求項5に記載の盛土の補強構造は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の地中鋼製壁体において、透水性を必要としない範囲には、この範囲の長さにわたって矢板が連結された矢板部が配置され、透水性を必要とする範囲に複数の矢板部が並べて配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、透水性の必要がない範囲には、この範囲にわたってて矢板が連結された矢板部(矢板壁)が配置される。透水性を必要とする部分では、短い矢板部が並べて配置され、矢板部どうしの間隙を介して透水性を確保することができる。
請求項6に記載の盛土の補強構造は、盛土の延長方向に沿って、連結された複数枚の矢板からなる矢板部が前記盛土の延長方向に並べて配置されて地中鋼製壁体が設けられ、
前記矢板部は、盛土の延長方向に沿って連結された複数枚の矢板からなる一対の矢板本体部と、前記一対の矢板本体部の間に盛土の延長方向に斜めに交差する方向に沿って連結された斜矢板部とを備え、
盛土の幅方向から見て、隣り合う前記矢板部の矢板本体部間の間隙に前記斜矢板部が重なるように、前記各矢板部が配置されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明においては、隣り合う矢板部各々の矢板本体部間に間隙があるので、地中鋼製壁体が透水性を有するものとなる。また盛土の幅方向から見てこの間隙と重なるように斜矢板部が配置されている。したがって、地中鋼製壁体は、土砂の流出を抑制しつつ、浸透した水を通過させることができる。
さらに、地中鋼製壁体が連続した矢板壁ではなく、矢板部を盛土の延長方向に並べたものとなっているので、地中鋼製壁体の全長に渡って施工誤差が積み重なって大きくなることがなく、施工管理が容易となる。
本発明によれば、互いに連結されていない矢板部を盛土の延長方向に並べて配置し、かつ、隣り合う矢板部が盛土の幅方向から見て一部が重なった状態となるので、透水性を確保しつつ、土砂の流出を防止できる。また、長く連結された矢板壁を設ける構成ではないので、施工誤差が積み重なって大きくなることがなく、施工管理を容易なものとすることができる。
本発明の第1実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略平面図である。 第1実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略平面図である。 第2実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略平面図である。 第3実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略平面図である。 第4実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略断面図である。 本発明の第5実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略平面図である。 本発明の第6実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態の盛土の補強構造は、例えば、河川の堤防、道路・鉄道盛土等の盛土を補強するためのものである。盛土1の左右には法面1aが形成されている。
この盛土1の補強構造においては、盛土1の略天端1cの範囲内に鋼矢板4(鋼管矢板を含む)を盛土1の延長方向に連結した矢板部8が盛土1の延長方向に並べられた地中鋼製壁体2が設置されている。なお、略天端1cの範囲内には、天端1cより少し外側となる法面1aの上端部である法肩1b部分も含まれる。
地中鋼製壁体2を構成する矢板部8の鋼矢板4は、盛土1とその直下の基礎地盤5を貫通し、土圧の釣り合いが確保される地盤に根入れされる深さを持ち、盛土1の延長方向に沿って設置されている。地中鋼製壁体2の上端部は、盛土1の天端1cの高さ付近となる高さに位置している。
各矢板部8は、盛土1の延長方向に沿って鋼矢板4を連結して構成されている。また、各矢板部8は、盛土1の延長方向に沿って並べて配置されている。隣り合う矢板部8は、盛土1の幅方向に少しだけ間隔をあけられ、また、幅方向から見て少し重なり合っている。
また、一つおきの矢板部8は、盛土の幅方向に沿った位置が略同じとなるようになっており、各矢板部8が千鳥配置となっている。サイズの例をあげると、
各矢板部8は、鋼矢板4を連結することにより100m程度の長さであり、隣り合う矢板部8どうしが盛土1の幅方向からみて重なる部分の長さ(a)は、鋼矢板4を3枚から5枚連結した長さであり、また、隣り合う矢板部8の間隙7の幅、すなわち、隣り合う矢板部8の盛土1の幅方向に沿った距離は、30cmから50cmとなっている。
なお、矢板部8の延長方向の長さは、状況に応じて短くなってもよい。例えば、部分的に高い透水性を確保するために矢板部8の一部が鋼矢板4の最小構成枚数(例えばハット形鋼矢板なら一枚、U形鋼矢板やZ形鋼矢板なら二枚)からなっていてもよい。この場合に、隣り合う矢板部8の盛土1の幅方向からみて重なる部分の長さ(a)が鋼矢板4の最小構成枚数分の幅より短くなる。
このような地中鋼製壁体2によれば、矢板部8どうしの間の間隙7が盛土1の延長方向ではなく、盛土1の幅方向に沿っている。これにより、透水性を確保しつつ、地震時や洪水時にこの間隙から土砂が流出するのが抑制される。
また、地震や洪水により地中鋼製壁体2に変形が生じたような場合には、各矢板部8同士は連結されず縁が切れているので、矢板部8どうしでの力の伝達はほとんどなく、実際に外力を受けた矢板部8だけが変形することになる。そのため、変形の影響が狭い範囲に限定される。また、修復にあたっても、変形した矢板部8だけ修復すればよいので、地中鋼製壁体2の修復を容易なものとすることができる。
また、各矢板部8毎に、新たに鋼矢板4を打設し始めるので、打設された矢板部8における施工誤差が次の矢板部8に持ち越されない。したがって、施工管理が容易になる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図3および図4に示すように、第2実施形態の盛土の補強構造では、第1実施形態の地中鋼製壁体2が盛土1の延長方向に沿って二列に設けられている。
盛土1中に、二列に設けられた地中鋼製壁体2で締め切られた地盤からなる構造骨格部6が形成されている。
また、二列の地中鋼製壁体2の上端部間には、連結部材としてのタイロッド9が盛土1の幅方向に沿って架け渡されて、その両端部がそれぞれ地中鋼製壁体2の矢板部8に固定されている。また、タイロッド9は、盛土1の延長方向に間隔をあけて複数配置されており、各矢板部8に少なくとも1つのタイロッド9が配置されている。この第2実施形態では各矢板部8において、複数のタイロッド9が配置されている。なお、タイロッド9を設けない構成としてもよい。
この盛土の補強構造においては、二列の地中鋼製壁体2がそれぞれ上述のように透水性を有することから、二列の地中鋼製壁体2,3の間に雨水等の水が溜まるのを防止することができる。また、タイロッド9により、各列の地中鋼製壁体2間で、矢板部8同士が繋がれて補強された状態となり、地震時や洪水時に外力が作用して各矢板部8が変形するのを防止することができる。特に、各列の矢板部8が外側に向って変形するのを防止することができる。
また、各地中鋼製壁体2は、第1実施形態の地中鋼製壁体2と同様の構成を有し、同様の優れた作用効果を奏することができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図5および図6に示すように、第3実施形態の盛土の補強構造においては、盛土1が河川10の堤防となっている。盛土1には、第2実施形態の地中鋼製壁体2と同様の地中鋼製壁体2,3が二列に設けられるが、河川10に近い側の地中鋼製壁体3と、この地中鋼製壁体2より河川10に遠い側となる地中鋼製壁体2とで、矢板部8同士が重なる部分の長さ(a)、(b)が異なるものとなっている。
これにより、各地中鋼製壁体2,3の透水性が異なるものとなっている。この例では、河川10に近い側の地中鋼製壁体3の矢板部8どうしが重なる部分の長さ(b)が、河川10から遠い側の地中鋼製壁体2の矢板部どうしが重なる部分(a)の長さより長くなっている。これにより、河川10に近い側の地中鋼製壁体3の透水性が低く、それより河川10から遠い側の地中鋼製壁体2の透水性が高くなっている。
これにより、河川10に近い側の透水性の低い地中鋼製壁体3により、盛土1に向かって河川10から浸透する水の侵入を抑え、かつ、主に河川10に遠い側の透水性の高い地中鋼製壁体2を通じて二列の地中鋼製壁体2,3の間に溜まる雨水等の水を排水することができる。
また、各地中鋼製壁体2,3は、第1実施形態と同様の優れた作用効果を奏することができる。
なお、河川10に近い側の地中鋼製壁体3と、河川10から遠い側の地中鋼製壁体2とで、各矢板部8の盛土1の延長方向に沿った長さを異なるものとしたり、隣り合う矢板部8どうしの間隙7の幅を異なるものとすることで、さらに透水性に差をつけるものとしてもよい。矢板部8の盛土1の延長方向の長さを短くするほど、矢板部8どうし間隙の数が増えて透水性が高くなり、間隙7の幅を広くするほど透水性が高くなる。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図7および図8に示すように第4実施形態では、盛土1が河川10の堤防とされるとともに、盛土1の略天端1cの範囲内の河川から遠い側に、第1実施例の地中鋼製壁体2と同様の地中鋼製壁体2が設けられ、地中鋼製壁体2より河川10に近い側に、盛土1の延長方向に沿って鋼矢板4を連結した地中鋼製壁体(鋼矢板壁)11が設けられている。この形態では、河川10に近い側の鋼矢板壁11は高い遮水性を有するのに対して、河川10から遠い側の地中鋼製壁体2は第1実施形態と同様に透水性を有する。
これにより、第3実施形態と同様に、河川10に近い側の遮水性の高い鋼矢板壁11により、盛土1に向かって河川10から浸透する水の侵入を抑え、かつ、河川10から遠い側の透水性の高い地中鋼製壁体2を通じて、地中鋼製壁体2と鋼矢板壁11との間に溜まる雨水等の水を排水することができる。
なお、上記第1実施形態から第4実施形態において、矢板部8を並べて形成される地中鋼製壁体2、3において、盛土1の延長方向の略全長に渡って、矢板部8を並べて配置する構造してよいが、盛土1において、必ずしも透水性を必要としない部分がある場合には、その部分を鋼矢板4を連結した鋼矢板壁からなるものとしてもよい。
すなわち、透水性を必要としない部分では、その部分の盛土1の延長方向に沿った長さにわたって鋼矢板4を連結して長い矢板部8を設け、透水性を必要とする部分では、前記矢板部8より短い矢板部8を複数並べて配置する構成としてもよい。この構成は、一つの地中鋼製壁体の中に第4実施形態の鋼矢板壁11と、矢板部8を並べた地中鋼製壁体2とが混在した状態である。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図9に示すように、第5実施形態の盛土の補強構造においては、盛土1の略天端1cの範囲内に複数の鋼矢板4を盛土1の延長方向に連結して形成され、盛土1の延長方向に沿った矢板本体部13と、盛土1の延長方向(矢板本体部13の長さ方向)に対して斜めに複数の鋼矢板4を連結して形成された斜矢板部14とからなる矢板部15が、盛土1の延長方向に並んで配置され、これら矢板部15から地中鋼製壁体16が構成されている。
矢板部15は、略天端1cの幅の範囲で、一方の法肩1bの近傍に設けられた矢板本体部13と、他方の法肩1b近傍に設けられた矢板本体部13と、これらの矢板本体部13に架け渡されるように連結された斜矢板部14とから構成されている。
図9では、各矢板部15のサイズは略同じとし、略等間隔で配置されている。また、一方の法肩1b側の矢板本体部13と、他方の法肩1bの矢板本体部13とは、長さが同じとなっており、隣り合う矢板部15の矢板本体部13の間隙17も同じ長さとなっている。さらに、間隙17と斜矢板部14とが盛土1の幅方向に重なった状態となっている。
この地中鋼製壁体16は、実際には、一方の法肩1b側の矢板本体部13と他方の法肩1b側の矢板本体部13とが二列に配置された状態となっており、二列の地中鋼製壁体を配置した場合と同様の作用効果を得ることができる。また、長く鋼矢板4を連結して鋼矢板壁を設けた構造ではなく、短い鋼矢板壁である矢板部8を並べた構成なので、この場合も上述のように施工誤差が大きくなることがなく、施工管理を容易なものとすることができる。さらに、間隙17の盛土1の延長方向の長さを変更することで透水性を変更することができる。例えば、河川堤防において、各矢板部15の矢板本体部13の盛土1の延長方向の長さを河川側の法肩と反対側の法肩とで異ならせて、前述の第3の実施形態同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第6実施形態を説明する。
図10に示すように、第6実施形態の盛土の補強構造は、第5実施形態の盛土の補強構造において、一方の法肩1b側の矢板本体部13と、他方の法肩1bの矢板本体部13との間に盛土1の幅方向に沿ったタイロッド9を架け渡し、タイロッド9の両端部にそれぞれ矢板本体部13を固定したものである。
この盛土の補強構造にあっては、タイロッド9により、上述のように二列の地中鋼製壁体と同様の状態となる一方の法肩1b側の矢板本体部13の変形と、他方の法肩1bの矢板本体部13の変形とを防止することができる。
なお、各実施形態において、地中鋼製壁体2に用いられる鋼矢板4としては、U形鋼矢板、ハット形鋼矢板、鋼管矢板、Z形鋼矢板等があげられる。また、各図面において矢板部8等は便宜上直線で表現されているが、実際には矢板部8等を構成する鋼矢板4に由来する形状を備える。
1 盛土
1c 天端
2 地中鋼製壁体
3 地中鋼製壁体
4 鋼矢板(矢板)
7 間隙
8 矢板部
10 河川
11 地中鋼製壁体(矢板壁)

Claims (6)

  1. 1枚の矢板もしくは連結された複数枚の矢板からなる矢板部が盛土の延長方向に並べて配置されて構成される地中鋼製壁体が盛土の延長方向に沿って1列以上設けられ、
    前記地中鋼製壁体の隣り合う前記矢板部どうしは、前記盛土の幅方向には離れて、かつ、前記盛土の延長方向には一部重なり合うように配置されていることを特徴とする盛土の補強構造。
  2. 連続する盛土の略天端の範囲内に盛土の延長方向に沿って少なくとも二列に前記地中鋼製壁体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の盛土の補強構造。
  3. 前記盛土が河川等の堤防であり、二列の前記地中鋼製壁体のうちの河川等に近い側となる前記地中鋼製壁体と、この地中鋼製壁体より河川等から遠い側となる前記地中鋼製壁体とで、前記隣り合う矢板部どうしの重なり合う部分の長さが異なることを特徴とする請求項2に記載の盛土の補強構造。
  4. 前記盛土は河川等の堤防であり、盛土の略天端の範囲の河川等に近い側に矢板を連結してなる矢板壁が盛土の延長方向に沿って設けられ、
    盛土の略天端の範囲の前記矢板壁より前記河川から遠い側に前記矢板部を並べた前記地中鋼製壁体が盛土の延長方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の盛土の補強構造。
  5. 前記地中鋼製壁体において、透水性を必要としない範囲には、この範囲の長さにわたって矢板が連結された矢板部が配置され、透水性を必要とする範囲に複数の矢板部が並べて配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の盛土の補強構造。
  6. 盛土の延長方向に沿って、連結された複数枚の矢板からなる矢板部が前記盛土の延長方向に並べて配置されて地中鋼製壁体が設けられ、
    前記矢板部は、盛土の延長方向に沿って連結された複数枚の矢板からなる一対の矢板本体部と、前記一対の矢板本体部の間に盛土の延長方向に斜めに交差する方向に沿って連結された斜矢板部とを備え、
    盛土の幅方向から見て、隣り合う前記矢板部の矢板本体部間の間隙に前記斜矢板部が重なるように、前記各矢板部が配置されていることを特徴とする盛土の補強構造。
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