JP2011214042A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工具等へのめっきの凝着を低減すると共に、外観性状が良好で、且つ、めっき密着性を向上させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】素地鋼板を加熱炉で加熱して素地鋼板の表面に酸化層を形成する第一の工程(a)、前記酸化層を形成した素地鋼板を還元炉で加熱して前記酸化層を還元する第二の工程(b)、溶融亜鉛めっきを施した後、合金化する第三の工程(e)、をこの順で含み、前記第一の工程は、前記加熱炉内の酸素量を0.3体積%以下、水蒸気量を10〜30体積%に制御した雰囲気下にて、前記素地鋼板を45〜120秒で750〜850℃の温度まで加熱するものであり、且つ、前記第一の工程は、7.5〜28℃/秒の昇温速度(X)で450〜600℃の温度まで加熱する加熱前段工程と、0.30X〜0.80Xの昇温速度でさらに750〜850℃の温度まで加熱する加熱後段工程と、を含むめっき鋼板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関し、特に、工具等へのめっきの凝着が抑制できると共に、外観性状(具体的には、不めっきおよび合金化不良発生の防止)が良好で、且つ、素地鋼板と合金化溶融亜鉛めっき層との密着性(以下、「めっき密着性」と呼ぶことがある。)を向上させる技術に関するものである。
自動車や家電等の軽量化の目的で、強度、延性、加工性に優れた鋼板の需要が急増している。鋼板にSiやMnを添加すると、強度を損なうことなく延性や加工性を向上できることから、このような特性を満たす鋼板としてSiとMnを積極的に添加した鋼が使用されている。また、上記鋼板には耐食性も要求されることから、SiやMnを含有する鋼に耐食性を付与した合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA鋼板)のニーズが年々高まりつつある(以下、「めっき鋼板」と呼ぶことがある。)。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、一般に以下の方法で製造される。まず、スラブを熱延、冷延の後、必要に応じて熱処理を行なった薄鋼板(母材鋼板)を用意する。母材鋼板の表面は、前処理工程にて脱脂および/または酸洗して洗浄してもよい。次に、予熱炉内で母材鋼板表面の油分を燃焼除去した後、非酸化性雰囲気または還元性雰囲気の焼鈍炉内で加熱して再結晶焼鈍を行う。その後、非酸化性雰囲気中または還元性雰囲気中で鋼板をめっきに適した温度まで冷却し、大気に触れることなく微量のAl(約0.1〜0.2質量%程度)を添加した溶融亜鉛めっき浴中に浸漬する。溶融亜鉛めっき浴面から垂直方向に取り出した素地鋼板の表面は溶融亜鉛で濡れているため、ワイピングノズルから圧縮空気を鋼板表面に対して垂直に吹き付けて余分な溶融亜鉛めっきを除去した後、合金化炉内で熱処理することによって合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
しかしながら、SiやMnは易酸化性元素であり、鋼板表面に濃化し易い。すなわち、易酸化性元素を含有する鋼板を加熱処理すると、これらの元素が選択的に酸化され、鋼鈑表面(鋼板とめっき層との界面側)に濃化して酸化物(Si−Mn−Oなど)を形成する。これらの酸化物は、めっき処理時の溶融亜鉛との濡れ性を著しく低下させるため、不めっきや合金化不良が発生し、外観性状が悪くなるという問題が発生する。これらの易酸化性元素は、非酸化性雰囲気中または還元雰囲気中でも濃化を抑制することが困難なため、Si及びMn含有鋼板では、上記酸化物による問題の改善が求められている。
そこで、SiやMnの易酸化性元素含有鋼板を用いて合金化溶融亜鉛めっきを行なうにあたり、所謂「酸化−還元法」が用いられている。この「酸化−還元法」は、熱延および冷延を行なった鋼板に対し、酸化性雰囲気下での酸化および還元性雰囲気下での還元を行なってから、所定の溶融亜鉛めっき処理を行った後に合金化処理を行なう方法である。詳細には、まず、焼鈍炉を酸化性雰囲気として加熱(酸化)することにより、鋼板の表面に、鋼板側から順に、Feと、Si、Mnなどの易酸化性元素の酸化物(Fe−Si−Mn−O)から主に構成される内方酸化層と;鉄酸化物(Fe−O)から主に構成される外方酸化層が形成される(図1(a)参照)。次に、還元炉を還元性雰囲気として加熱(還元)することにより、上記の鉄酸化物が還元されてめっき濡れ性に優れた還元鉄(Fe)の層が鋼板表層(外側)に形成される(図1(b)参照)。次いで、めっき処理した後、合金化処理が行なわれる。
しかしながら、この「酸化−還元法」によれば、めっき層と鋼鈑との界面にSiやMnなどの易酸化性元素の酸化物(Si−Mn−O)が不適切に濃化する場合があり、その結果、めっき鋼板が成形加工時等に応力を受けると素地鋼板から合金化溶融亜鉛めっき層が剥離するなどの問題(界面のめっき剥離)が発生する。更にめっき鋼板の加工時に工具等にめっきが凝着するという問題や不めっきやめっきムラが生じて外観性状が悪化するという問題も発生する。
例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車や建材、家電等の最終製品に用いられる場合、種々の成形加工が施されるが、加工時に工具へのめっき凝着量が多くなると、成形性が劣るという問題が生じるだけでなく、耐食性に悪影響を及ぼすと共に、場合によってはめっき層からの剥離粉がプレス形成時の表面欠陥を引き起こす原因になることが知られている。
こうした問題を解決する技術として、特許文献1には、高Si含有鋼板を母材とした場合に不めっきのない美麗な表面外観を有し、めっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造する技術が提案されている。具体的には、O2≧0.1%、H2O≧1%を含有する雰囲気中で、400〜750℃の温度で加熱(A帯加熱)し、次いで、O2<0.1%、H2O≧1%を含有する雰囲気中で、600〜850℃の温度で加熱(B帯加熱)し、次いで、H2=1〜50%を含み露点が0℃以下の雰囲気中で、加熱(C帯加熱)した後、溶融亜鉛めっき処理を施す酸化−還元法が開示されている。しかし本発明者らが検討したところ、特許文献1に開示されている技術では、めっきの凝着やめっき層からの剥離粉が生じる恐れがあることがわかった。
特開2007−291498号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、工具等へのめっきの凝着を低減すると共に、外観性状が良好で、且つ、めっき密着性を向上させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明のめっき鋼板の製造方法は、C:0.04〜0.20%(質量%の意味。以下化学成分について全て同じ。)、Si:0.1〜3.0%、Mn:0.1〜3.0%、を満足する素地鋼板の表面に、合金化溶融亜鉛めっき層が形成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、上記化学成分組成を満足する素地鋼板を加熱炉で加熱して素地鋼板の表面に酸化層を形成する第一の工程、前記酸化層を形成した素地鋼板を還元炉で加熱して前記酸化層を還元する第二の工程、溶融亜鉛めっきを施した後、合金化する第三の工程、をこの順で含み、前記第一の工程は、前記加熱炉内の酸素量を0.3体積%以下、水蒸気量を10〜30体積%に制御した雰囲気下にて、前記素地鋼板を45〜120秒で750〜850℃の温度まで加熱するものであり、且つ、前記第一の工程は、7.5〜28℃/秒の昇温速度(X)で450〜600℃の温度まで加熱する加熱前段工程と、0.30X〜0.80Xの昇温速度でさらに750〜850℃の温度まで加熱する加熱後段工程と、を含むところに要旨を有する。
好ましい実施形態において、前記素地鋼板は、更にNi:2%以下(0%を含まない)、Cu:2%以下(0%を含まない)、Mo:2%以下(0%を含まない)、およびB:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有している。
好ましい実施形態において、前記素地鋼板は、更にCr:2%以下(0%を含まない)、Nb:1%以下(0%を含まない)、V:1%以下(0%を含まない)、およびW:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有している。
好ましい実施形態において、前記素地鋼板は、更にAl:0.06%以下(0%は含まない)、および/またはTi:0.1%以下(0%は含まない)を含有するものである。
好ましい実施形態において、前記素地鋼板は、更にCa、Mg、およびREM よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素:合計量で0.03%以下(0%を含まない)を含有している。
本発明では、易酸化性元素であるSiとMnを含む素地鋼板の表面に、適切な加熱条件で酸化層を形成してから還元した後に、溶融亜鉛めっき処理および合金化処理を行っているため、めっき層に含まれる亜鉛量を適切に制御できると共に、素地鋼板と合金化溶融亜鉛めっき層との間に形成される酸化物含有層における合金元素の分布状態を適切に制御できる。その結果、工具等へのめっきの凝着を低減することができると共に、めっき鋼板の外観性状、及びめっき密着性を向上させることができる。
図1は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造過程を模式的に示した図である。 図2は、酸化処理後の表面状態を模式的に示した図である。 図3は、EPMAによる元素マッピング結果を示した図である。
本発明者らは、易酸化性元素を含有する素地鋼板(具体的には、Siを0.1〜3.0%とMnを0.1〜3.0%を含有する素地鋼板)に合金化溶融亜鉛めっき層を形成した合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、工具等へのめっきの凝着を低減すると共に、不めっきや合金化不良の発生を防止することにより外観性状を良好にし、且つ素地鋼板に対するめっき層の密着性を高めるために鋭意検討を重ねてきた。その結果、(A)めっきの凝着はめっき鋼板のめっき層に含まれる亜鉛量が影響していること、(B)まためっき層に含まれる亜鉛量、めっき鋼板の外観性状、及びめっき密着性は、溶融亜鉛めっき浴に浸漬する前の素地鋼板の上に形成される酸化層に影響を受けること、(C)この酸化層は酸化処理工程で形成されるため、特に酸化処理工程における加熱条件を適切に制御すれば、工具等へのめっきの凝着、外観性状、及びめっき密着性を改善できることを見出し、本発明を完成した(以下、これらをまとめて単に「めっき性状」と呼ぶことがある)。
本明細書では、めっき鋼板を構成するめっき層と鋼板のうち、当該鋼板を特に「素地鋼板」と呼ぶ。上記「素地鋼板」は、めっき鋼板の製造過程では、熱延および冷延を行なった後であって、めっき前の鋼板に対応している。以下では、説明の便宜上、「素地鋼板」を、単に「鋼板」と略記する場合がある。
まず、本発明を完成した経緯について説明する。
[1]めっきの凝着について
本発明者らは、酸化、還元、溶融亜鉛めっき、合金化の各処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するにあたり、酸化処理工程で形成される酸化層に着目し、この酸化層とめっき層に含まれる亜鉛量との関係性について検討した。
図1は素地鋼板に対し、前述した「酸化−還元法」を施したときの、酸化処理後、還元処理後、溶融亜鉛浸漬処理後、合金化処理後の各段階における表面状態(めっき前の鋼板内部または鋼板表層の状態、及びめっき後の鋼板とめっき層界面近傍の状態)を模式的に示した図であり、図2は酸化処理後の表面状態(めっき前の鋼板内部または鋼板表層の状態)を模式的に示した図である。
まず、図1(a)、図2に示すように、素地鋼板を加熱炉で加熱すると(酸化処理)、素地鋼板の表面に酸化層が形成される。素地鋼板表面から外側(めっき層側)に向かってFeの酸化物(Fe−O)が生成し、内側(素地鋼板側)に向かってFeとSiとMnを含む酸化物層(Fe−Si−Mn−O)が生成する。素地鋼板表面から外側に向かって成長して生成する酸化物層は「外方酸化層」、内側に向かって成長して生成する酸化物層は「内方酸化層」と一般に呼ばれている。
次に、酸化層が形成された素地鋼板を還元炉で加熱して還元すると(還元処理)、図1(b)に示すように、外方酸化層(Fe−O)は還元されて純鉄層(Fe)となるが、内方酸化層(Fe−Si−Mn−O)や粒界酸化物(Si−O)中の酸化物(Si−Mn−OまたはSi−O)は還元されず、そのまま残留する。
めっき処理前に内方酸化層が素地鋼板から剥離すると、剥離した内方酸化層と素地鋼板との間に隙間が形成される(図1(c))。この状態で鋼板を溶融亜鉛めっき浴に浸漬すると、図1(d)に示すように、最表面に溶融亜鉛めっきが付着するだけでなく、この隙間部分にも溶融亜鉛めっきが侵入する。
このような状態で合金化処理を行うと、図1(e)に示すように、最表面に合金化めっき層(Fe−Zn合金)が形成されるだけでなく、隙間部分に侵入した溶融亜鉛めっきも合金化されるため、該隙間部分の単位体積当たりの亜鉛量が過多となることが判明した。
本発明者らが亜鉛量過多となった部分についてEPMAによる元素マッピング分析を行った結果、図3に示すように、合金層と母材(素地鋼板)との間に、内方酸化層由来のSiまたはMnが濃化したSi/Mn濃化層が波打った状態で存在することが確認された。これに対し、亜鉛量正常部分ではこのようなSi/Mn濃化層は形成されなかった。
そして亜鉛量正常部分と亜鉛量過多部分のめっきの凝着性を調べたところ、亜鉛量正常部分では加工時に工具へのめっきの凝着が生じなかった。一方、亜鉛量過多部分では、加工時に工具へのめっきの凝着が生じた。
こうした知見に基づいて、本発明者らは、めっき前に生じる内方酸化層や外方酸化層の剥離を防止できれば、亜鉛量過多を抑制できるのではないかと考え、酸化工程で形成される酸化層の性状について検討を重ねた。その結果、内方酸化層に含まれるSi濃度を高めれば素地鋼板と内方酸化層との密着性が向上し、溶融亜鉛めっき浴浸漬前に図1(c)に示すような素地鋼板と内方酸化層との剥離を防ぐことができるため、亜鉛量過多を解消できることを見出した。
すなわち、内方酸化層に含まれるSi濃度を高めると、素地鋼板の表面にSiとFeの複合酸化物(ファイアライト:Fe2SiO4)が緻密に形成され、この緻密なファイアライトが素地鋼板と内方酸化層の結晶粒の整合性を高めるため、素地鋼板と内方酸化層との密着性が向上するものと考えられる。
そして本発明者らが検討した結果、Si濃度を高めてファイアライトによる素地鋼板と内方酸化層との密着性向上作用を有効に発揮させるためには、素地鋼板の酸化条件を制御することが重要であることを見出した。
すなわち、素地鋼板を酸化処理して素地鋼板の表面に酸化層を形成する際、素地鋼板が加熱初期段階で低温域に長く晒されると、ファイアライトではなく、ヘマタイト(Fe)主体の酸化物が生成する。ヘマタイトを多く含む酸化層が生成すると、素地鋼板からのFeの外方拡散や雰囲気からの酸素の内方拡散が阻害されるため、酸化層の成長速度は著しく遅延する。またファイアライトは高温域で生成するが、一旦、素地鋼板表面にヘマタイトを多く含む酸化層が形成されると、その後、加熱温度を高めてもファイアライトの生成が抑制されてしまうため、素地鋼板と内方酸化層との密着性を十分に高めることができないことが分かった。
[2]外観性状について
上記酸化層と、めっき鋼板の外観性状との関係について検討したところ、めっき鋼板の外観性状は、酸化層のうち外方酸化層の厚みに影響を受けることが分かった。即ち、外方酸化層が薄くなると、この外方酸化層が還元炉で還元されて形成されるFe層(還元層)が薄くなるため、溶融亜鉛めっきとの濡れ性が悪くなり、不めっきが発生しやすくなる。また、外方酸化層が薄くなると、めっき層に含まれるFe量が不足するため、合金化処理したときに合金化不良が発生する傾向が認められる。そこでめっき鋼板の外観性状を改善するには、外方酸化層が薄くならないようにするのがよいと考えられる。一方、外方酸化層を厚くし過ぎると、還元炉で還元して形成されるFe層が厚くなり過ぎるため、この表面に溶融亜鉛めっき層を形成し、これを合金化するとFe層がめっき層に取り込まれる結果、めっき層が厚くなり過ぎ亜鉛量過多の場合と同じ問題が生じる。そこで本発明者等は外観性状が良好で、かつ亜鉛量過多を抑制するために検討を重ねた結果、加熱炉での酸素量、水蒸気量を適切に制御することによって外方酸化層を所望の厚さに調整できることを知見した。
[3]めっき層の剥離について
一方、めっき密着性について検討したところ、めっき層が応力を受けたときに素地鋼板とめっき層の界面に応力が集中し、この界面から剥離する現象(界面のめっき剥離)は、素地鋼板として少なくともSiを含むSi添加鋼板を用いたときに見られるものであり、パウダリングが発生しない場合であっても、界面のめっき剥離が発生することがあることがわかった。
そこで本発明者らは素地鋼板としてSi添加鋼板を用いたときに、界面のめっき剥離を防止するために更に検討を重ねた。その結果、内方酸化層の厚みを小さくしてやれば、界面のめっき剥離を防止できることが判明した。
内方酸化層は、還元炉で加熱した後や、溶融亜鉛めっき層や合金化溶融亜鉛めっき層を形成した後においても素地鋼板とめっき層の界面に酸化物の形態で残留する。そのため、素地鋼板としてSi添加鋼板を用いると、内方酸化層に含まれるSi量が多くなるため、素地鋼板とめっき層の界面にSiO2やFe2SiO4のようなSi酸化物が多く残留する。こうしたSi酸化物は、他の元素の酸化物に比べてもろいため、応力を受けたときにSi酸化物に応力が集中し易く、その結果、めっき層が素地鋼板から剥離することが分かった。そこで本発明者等はめっき密着性を改善するために検討を重ねた結果、内方酸化層に含まれるSi量が多くなりすぎないようにすれば界面のめっき剥離を防止できることを知見した。
この知見に基づき加熱炉内の酸素量、水蒸気量、加熱温度、及び加熱時間が内方酸化層に含まれるSi量に及ぼす影響について調べた。その結果、内方酸化層に含まれるSi量は素地鋼板に含まれるSi量に応じて増加すること、加熱時間が長くなるほど内方酸化層に含まれるSi量が増加すること、また加熱温度が高くなるほど内方酸化層に含まれるSi量が増加することが分かった。
[4]外観性状とめっき密着性の両立について
上述したようにめっき鋼板の外観性状を改善するには、外方酸化層を厚くする必要があるが、外方酸化層を厚くし過ぎるとパウダリングが発生する。また、界面のめっき剥離を防止してめっき密着性を改善するには、内方酸化層に含まれるSi量を抑える必要がある。しかし内方酸化層に含まれるSi量は、内方酸化層が厚くなるほど増加するため、内方酸化層に含まれるSi量を抑えるには、内方酸化層の厚みを薄くする必要がある。ところが外方酸化層と内方酸化層の厚みは相関しており、一方の厚みを増大させようとすると他方の厚みも増大する。そのため、外観性状とめっき密着性の両方を改善するには、酸化層全体の厚みに対する外方酸化層の厚みは大きく、内方酸化層の厚みは小さくする必要がある。
そこで本発明では、内方酸化層のみを薄くすることを目指して検討した。その結果、内方酸化層の厚みは、高温に加熱したときに、雰囲気中に含まれる酸素量に大きく影響を受けることが明らかとなった。即ち、550〜700℃程度の温度以上に加熱される加熱炉内の雰囲気中に含まれる酸素量が増加するに伴って外方酸化層と内方酸化層の厚みはいずれも大きくなる。しかし酸素量の増加量に対する内方酸化層の厚みの増加量は、酸素量の増加量に対する外方酸化層の厚みの増加量よりも小さいため、加熱炉内に含まれる酸素量を減らすほど、酸化層全体の厚みに対する内方酸化層の厚みを小さくできることが分かった。
[5]めっき密着性とめっきの凝着性の両立について
上述したようにめっきの凝着を抑制するには、内方酸化層に含まれるSi濃度を高める必要があるが、Si濃度を高め過ぎると、めっき密着性が劣化する。そこで本発明ではめっきの凝着を抑制するには単にSi濃度を高めればよいのではなく、上述したようにファイアライトを緻密に形成することが必要であるとの知見に基づき、加熱炉内における加熱条件を検討した。その結果、ヘマタイトの生成を抑えてファイアライトの生成を促進するには、加熱炉内での昇温速度を制御することが重要であり、詳細には加熱前段での昇温速度を上げる(前段高負荷)と共に、加熱後段の昇温速度を加熱前段の昇温速度よりも遅くする二段昇温パターンを採用すればよいことを見出した。このような昇温速度を採用することで、めっきの凝着を抑制しつつ、めっきの密着性も確保できることを見出した。
以上、[1]〜[5]の知見に基づいて、導き出された本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法はC:0.04〜0.20%、Si:0.1〜3.0%、Mn:0.1〜3.0%、を満足する素地鋼板の表面に、合金化溶融亜鉛めっき層が形成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、上記化学成分組成を満足する素地鋼板を加熱炉で加熱して素地鋼板の表面に酸化層を形成する第一の工程、前記酸化層を形成した素地鋼板を還元炉で加熱して前記酸化層を還元する第二の工程、溶融亜鉛めっきを施した後、合金化する第三の工程、をこの順で含み、前記第一の工程は、前記加熱炉内の酸素量を0.3体積%以下、水蒸気量を10〜30体積%に制御した雰囲気下にて、前記素地鋼板を45〜120秒で750〜850℃の温度まで加熱するものであり、且つ、前記第一の工程は、7.5〜28℃/秒の昇温速度(X)で450〜600℃の温度まで加熱する加熱前段工程と、0.30X〜0.80Xの昇温速度でさらに750〜850℃の温度まで加熱する加熱後段工程と、を含むものである。
以下、このような範囲を規定した理由について説明する。
まず、本発明の製造方法で用いる素地鋼板の成分組成について説明する。
上記素地鋼板は、C:0.04〜0.20%、Si:0.1〜3.0%、Mn:0.1〜3.0%を含有している。
C:0.04〜0.20%
Cは、鋼板の強度向上に必要な元素であり、このような効果を発揮させるためには0.04%以上含有させる。好ましいC量は0.05%以上、より好ましくは0.06%以上である。しかし、Cを過剰に添加すると冷間加工性が低下するため、0.20%以下とする。好ましいC量は0.15%以下、より好ましくは0.12%以下である。
Si:0.1〜3.0%
Siは、延性や加工性を劣化させることなく強度を高めるのに有用な元素であり、このような作用を有効に発揮させるためには0.1%以上含有させる。Siは易酸化性元素であるため、従来では、Siを0.1%以上含有させると外観性状とめっき密着性が劣化するという問題があった。これに対し、本発明では、加熱炉内の雰囲気および加熱条件を適切に制御して酸化層を形成しているため、素地鋼板とめっき層との間に形成される酸化物含有層にSiを濃化させることができ、素地鋼板にSiを0.1%以上含有させても良好な外観性状とめっき密着性を確保できる。好ましいSi量は0.5%以上、より好ましくは0.8%以上である。しかしSiを過剰に添加すると延性が劣化するため、3.0%以下とする。好ましいSi量は2.5%以下、より好ましくは2.0%以下である。
Mn:0.1〜3.0%
Mnは、強度と靭性を確保するために必要な元素であり、このような作用を有効に発揮させるためには0.1%以上含有させる。本発明によれば、後述するように加熱炉での酸化加熱条件を適切に制御しているため、Mnを0.1%以上添加してもめっき密着性の低下などを回避することができる。好ましいMn量は、0.2%以上、より好ましくは0.5%以上である。しかしMnを過剰に添加すると延性が劣化するため、3.0%以下とする。好ましいMn量は、2.5%以下であり、より好ましくは2.3%以下である。
本発明に用いられる素地鋼板は、上記元素を基本元素として含有し、残部は鉄および不可避不純物である。不可避不純物のうち、例えばPは0.02%以下(0%は含まない)、Sは0.004%以下(0%は含まない)、Nは0.01%以下(0%は含まない)とすることが好ましい。
P:0.02%以下(0%は含まない)
Pは、セメンタイトの析出を遅延して変態を抑制する作用があるが、過剰に含まれると素地鋼板の延性やめっき密着性を低下させる原因となる。したがってPは0.02%以下、好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.005%以下とする。
S:0.004%以下(0%は含まない)
Sは、過剰に含まれるとMnSなどの硫化物系介在物(例えば、MnS)を多く形成し、この介在物が熱間圧延時に偏析して鋼板を脆化させる原因となる。したがってSは0.004%以下、好ましくはS0.003%以下、より好ましくは0.002%以下とする。
N:0.01%以下(0%は含まない)
Nは、過剰に含まれると粗大な窒化物を多く形成し、鋼板の曲げ性や穴拡げ性を劣化させ、また溶接時のブローホールの原因となる。したがってNは0.01%以下、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.002%以下とする。
本発明に用いられる素地鋼板は、更に他の元素として以下の元素を必要に応じて含有することができる。
Ni、Cu、Mo、およびBは焼き入れ性向上に有用な元素であり、これらの元素を単独又は併用することができる。具体的には以下の通りである。
Ni:2%以下(0%を含まない)
Niは、焼入れ性向上に有用な元素である。Niを適量を添加するとCAL焼鈍、冷却時にマルテンサイト比率が増大し、またマルテンサイトのラス構造が微細化され、次工程のCGL焼鈍時における2相域再加熱・冷却処理時の焼入れ性が良好となる。また冷却後の最終的な複合組織が良好なものとなるため、各種成形加工性を向上させることができる。このような作用を有効に発揮させるためにはNiは好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上含有させる。しかしNiは高価な元素であり、過剰に添加すると製造コストの上昇を招くため、好ましくは2%以下とする。より好ましいNi量は1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下である。
Cu:2%以下(0%を含まない)
Cuは、Niと同様、焼入れ性向上に有用な元素である。CuもNiと同様の作用により各種成形加工性を向上させることができる。このような作用を有効に発揮させるためにはCuは好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上含有させる。しかしCuは高価な元素であり、過剰に添加すると製造コストの上昇を招くため、好ましくは2%以下とする。より好ましいCu量は1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下である。
Mo:2%以下(0%を含まない)
Moは、めっき性を損ねることなく、固溶強化を図る上で重要な元素である。またNiやCuと同様、焼入れ性向上に有用な元素である。MoもCuやNiと同様の作用により各種成形加工性を向上させることができる。このような作用を有効に発揮させるためにはMoは好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上含有させる。しかしMoは高価な元素であり、過剰に添加すると製造コストの上昇を招くため、好ましくは2%以下とする。より好ましいMo量は1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下である。
B:0.01%以下(0%を含まない)
Bは、焼入れ性向上に有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるためにはBは好ましくは0.0001%以上、より好ましくは0.0002%以上含有させる。しかしBを過剰に添加すると、めっき性が低下するため、好ましくは0.01%以下とする。より好ましいB量は0.005%以下、更に好ましくは0.001%以下である。
Cr、Nb、V、およびWは強度向上に有用な元素であり、これらの元素を単独又は併用することができる。具体的には以下の通りである。
Cr:2%以下(0%を含まない)
Crは、鋼板の強度向上に有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるためにはCrは好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上有させる。しかしCrを過剰に添加すると延性の低下を招くため、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下とする。
Nb:1%以下(0%を含まない)
Nbは、微量の添加で微細組織を得ることができ、靱性を劣化させることなく強度を高めるのに有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるためにはNbは好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.005%以上含有させる。しかしNbを過剰に添加すると、Nb炭化物が過剰に生成し、マルテンサイトの体積率減少やその析出強化によって強度と加工性のバランスを失わせる原因となる。したがってNbは好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.1%以下とする。
V:1%以下(0%を含まない)
Vは、Nbと同様、強度を高めるのに有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるためにはVは好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.005%以上含有させる。しかしVを過剰に添加すると、製造コストの上昇を招くだけでなく、降伏点(降伏比)が上昇して加工性が低下する原因となる。したがってVは好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.1%以下とする。
W:0.3%以下(0%を含まない)
Wは、析出物強化や、フェライト結晶粒の成長を抑制して細粒強化、および再結晶の抑制による転移強化によって、強度を高めるのに有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるためにはWは好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.005%以上とする。しかしWを過剰に添加すると、炭窒化物の析出が過剰となって成形性が低下する原因となる。したがってWは好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下、更に好ましくは0.1%以下とする。
Al、及びTiは脱酸剤として有用な元素である。具体的には以下の通りである。
Al:0.06%以下(0%は含まない)
Alは、脱酸剤として作用する元素である。またAlは焼鈍の際にオーステナイト結晶粒が粗大化するのを防止し、材質改善作用を有する元素である。しかしAlを過剰に添加しても上記作用は飽和する。また、結晶粒が不安定になって材質にムラが生じ易くなる。したがってAlは好ましくは0.06%以下、より好ましくは0.05%以下、更に好ましくは0.04%以下とする。
Ti0.1%以下(0%は含まない)
Tiは、脱酸剤として作用する元素である。このような作用を有効に発揮させるためにはTiは好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上とする。しかしTiを過剰に添加すると靱性が低下する原因となる。したがってTiは好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.008%以下、より好ましくは0.005%以下とする。
Ca、Mg、およびREMよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素:合計量で0.03%以下(0%を含まない)
Ca、Mg、およびREMは、脱酸剤として作用する元素である。これらの元素を単独又は併用することができる。このような作用を有効に発揮させるためにはCa、Mg、およびREMよりなる群から選ばれる1種以上の元素を合計量で好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.003%以上とする。しかし、これら元素を過剰に添加すると成形性が低下する原因となる。したがってCa、Mg、およびREMよりなる群から選ばれる1種以上の元素の合計量は好ましくは0.03%以下、より好ましくは0.02%以下、更に好ましくは0.01%以下とする。
なお、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLuまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味である。これらの元素のなかでも、La、CeおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、より好ましくはLaおよび/またはCeを含有するのがよい。
上記成分組成を満足する素地鋼板を用い、上記第一から第三の工程を経ることで合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造できるが、特に、本発明の製造方法を最も特徴付ける上記第一の工程(酸化工程)を行うときの条件は次の通りである。
第一の工程(酸化工程)
第一の工程は、素地鋼板の表面に酸化層を形成する酸化工程を規定したものであり、このとき
(a)加熱炉内の酸素量は0.3体積%以下、水蒸気量は10〜30体積%に制御した雰囲気下で、
(b)素地鋼板を45〜120秒で750〜850℃の温度まで加熱し、
(c)7.5〜28℃/秒の昇温速度(X)で450〜600℃まで加熱すると共に(加熱前段工程)、
(d)その後、0.30X〜0.80Xの昇温速度(℃/秒)でさらに750〜850℃の温度まで加熱する(加熱後段工程)ことが重要である。
[(a)加熱炉内の雰囲気]
酸素量:0.3体積%以下
上述のとおり、酸素量を多くし過ぎると、内方酸化層が厚くなり過ぎて内方酸化層に含まれるSi量が過剰になるため、界面のめっき剥離が発生する。したがって酸素量は0.3体積%と以下とする。好ましい酸素量は0.2体積%以下、より好ましくは0.15体積%以下である。一方、外観性状を向上させるには酸素量を0.00001体積%以上とすることが好ましい。酸素量が少ないと外方酸化層が十分生成されず、この外方酸化層が還元炉で還元されて形成されるFe層(還元層)が薄くなるため、不めっき等の問題が発生する。好ましい酸素量は0.001体積%以上、より好ましくは0.01体積%以上である。
水蒸気量:10〜30体積%
水蒸気は、外方酸化層と内方酸化層の両方の成長を促進する作用を有している。水蒸気量が10体積%を下回ると、外方酸化層の厚さが不足するため、不めっきや合金化不良が発生して外観性状が悪くなる。水蒸気量は10体積%以上、好ましくは15体積%以上とする。しかし水蒸気量が過剰になると外方酸化層の成長が促進され過ぎる他、内方酸化層の成長も促進されるため、めっき層に含まれるSi量が多くなり、界面のめっき剥離が発生する。従って水蒸気量は30体積%以下、好ましくは25体積%以下とする。
なお、加熱炉内の雰囲気に含まれる酸素量と水蒸気量は、加熱炉内を加熱するときに用いるバーナーに供給する燃焼ガスの流量や、燃焼ガスと空気の流量比(空燃比)を調整すれば制御できる。また加熱炉内の酸素量は、例えば、磁気式濃度計を用いれば測定でき、水蒸気量は、例えば、露点計を用いれば測定できる。
[(b)加熱炉内での加熱時間]
加熱時間:45〜120秒
素地鋼板を45〜120秒で、750〜850℃まで加熱する。直火式の加熱炉の場合、加熱時間が短いと短時間のうちに酸化工程を完了させなければならず、設備への負担が大きくなり、メンテナンスコストが増大する。また加熱時間が短いと所望の材料特性が得られない。したがって加熱時間は45秒以上とする。好ましい加熱時間は55秒以上である。一方、加熱時間が長くなると生産性が低下する。また内方酸化層が厚くなりすぎて内方酸化層に含まれるSi量が多くなり、界面のめっき剥離が発生する。したがって加熱時間は120秒以下とする。好ましい加熱時間は110秒以下である。なお、この加熱時間は、加熱炉入口温度、すなわち、素地鋼板の温度が室温からスタートする場合の時間である。したがって素地鋼板の温度を室温よりも高くする場合は、それに伴って加熱時間を適宜調整すればよい。
[(c)加熱前段工程]
7.5〜28℃/秒の昇温速度(X)で、450〜600℃まで加熱する
加熱前段の温度:450〜600℃
本発明では加熱炉入口から450〜600℃までの範囲を加熱前段工程とし、加熱前段工程での昇温速度を7.5〜28℃/秒とする。加熱炉入口温度は室温が望ましいが、これに限定されない。450〜600℃を加熱前段の終了温度とし、その後、加熱後段工程に移行する。450℃よりも低い温度で加熱後段工程に移行すると、低温度域での処理時間がなくなるため、ヘマタイト主体の酸化物層が生成してしまい、上記のとおり素地鋼板と内方酸化層との密着性を十分に高めることができない。したがって加熱前段の終了温度は450℃以上とする。より好ましい加熱前段の終了温度は470℃以上である。一方、前段の終了温度が600℃を超えた場合は、後段の昇温速度の制約から高温度域(加熱後段工程)の在炉時間が短くなり、合金化不良が発生する原因となる。したがって加熱前段工程の終了温度は600℃以下とする。より好ましい加熱前段工程の終了温度は580℃以下である。
加熱前段工程の昇温速度:7.5〜28℃/秒
本発明では、7.5〜28℃/秒の昇温速度で、450〜600℃の温度まで加熱する。加熱前段での昇温速度が遅すぎると、生産性が低下するだけでなく、低温域で生成するヘマタイト主体の酸化物が多くなり、上述のようにめっきの凝着が発生する原因となる。したがって加熱前段の昇温速度は、7.5℃/秒以上、好ましくは10℃/秒以上とする。一方、加熱前段の昇温速度を速くし過ぎると、加熱前段を早く完了させなければならず、設備への負担が大きくなる。また加熱時間が短いと所望の材料特性が得られない。したがって加熱前段の昇温速度は28℃/秒以下、好ましくは25.5℃/秒以下とする。
[(d)加熱後段工程]
0.30X〜0.80Xの昇温速度(℃/秒)で、更に750〜850℃まで加熱する
本発明では、加熱前段工程終了温度から750〜850℃までの範囲を加熱後段工程とし、加熱後段工程での昇温速度を0.30X〜0.80X[Xは加熱前段工程での昇温速度(℃/秒)]とする。
加熱後段工程の終了温度が低すぎると素地鋼板に含まれるFeの拡散が十分でないため外方酸化層の厚み不足となり、合金化不良等が発生し、外観性状劣化の原因となる。したがって加熱後段工程の終了温度は750℃以上とする。好ましい終了温度は770℃以上である。一方、加熱後段工程の終了温度が高くなりすぎると、素地鋼板に含まれるSiが内方酸化層に濃化し過ぎて素地鋼板とめっき層との密着性を低下させる原因となる。したがって加熱後段の終了温度は850℃以下とする。好ましい終了温度は840℃以下である。
加熱後段工程の昇温速度:0.30X〜0.80X[Xは加熱前段工程の昇温速度(℃/秒)]
前述したように、外方酸化層は、素地鋼板内部のFeが表面側に拡散し、この拡散したFeが酸化することで形成されるため、素地鋼板の高温域滞在時間が長くなりすぎると、Feの拡散が過度に促進されて外方酸化層が厚くなりすぎる。その結果、後述する還元処理工程において、外方酸化層の還元により形成される純Fe層が厚くなり過ぎるため、溶融亜鉛めっき処理した際に、亜鉛と反応する還元鉄量が増大し、亜鉛付着量過多になる原因となる。また、素地鋼板の表面に拡散してきたSiの酸化も多くなり、内方酸化層の厚さも増加するため、上記のとおりこの界面からめっきが剥離する原因となる。したがって昇温速度は0.30X以上とする。好ましい昇温速度は0.35X以上である。一方、昇温速度が速すぎると、素地鋼板の表面に拡散してきたSiの酸化も十分でないため、ファイアライトの生成不足によって素地鋼板と内方酸化層の密着性が低下し、界面のめっき剥離が発生する。そのため図1(d)に示すように溶融亜鉛めっき浴浸漬時に該剥離によって生じた隙間部分に溶融亜鉛が侵入し、亜鉛付着量過多が生じる。またFeの拡散が十分でないため外方酸化層が薄くなる。その結果、還元工程において、外方酸化層の還元により形成される還元層の厚さが薄くなるため、不めっきや合金化不良が発生し、外観性状が悪くなる。また、アンモニア水溶液に浸漬させて合金化溶融亜鉛めっき層を除去した後の露出面に観察されるSi酸化物量が少なくなる。その結果、合金化不良の発生が一層促進されるようになる。したがって昇温速度は0.80X(℃/s)以下とする。より好ましい昇温速度は0.75X以下である。
なお、加熱前段工程と加熱後段工程の境界は、素地鋼板の温度のヒートパターンを測定し、ヒートパターン中最大の変曲点の位置で加熱前段工程と加熱後段工程を分けることができる。
また加熱前段工程と加熱後段工程の昇温速度は、上記範囲内であれば、一定の昇温速度としてもよいし、途中で昇温速度を変化させてもよい。
上記第一の工程を行う加熱設備としては特に限定されず、例えば加熱炉入り口から加熱炉の中間位置までを加熱前段工程として上記処理を行い、その後、加熱炉の中間位置から加熱炉出口までを加熱炉後段工程として上記処理を行ってもよい。この場合、加熱炉前段工程と加熱炉後段工程の加熱時間を同じとし、その加熱時間内で上記処理を行うように制御することが望ましい。もちろん、加熱炉の構成によっては常に加熱炉の中間位置で加熱前段と加熱後段を分ける必要はなく、上記所定の温度範囲、昇温速度での処理を加熱前段工程、加熱後段工程としてもよい。この場合、加熱炉前段工程と加熱炉後段工程の加熱時間を同じとしてもよいし、変えてもよい。
なお、上記加熱前段工程、加熱後段工程の温度は鋼板の温度であって、具体的には放射温度計で測った鋼板の表面温度である。
以上、本発明を特徴付ける第一の工程について説明した。
第一の工程の後は、第二の工程(還元処理工程)と第三の工程(めっき・合金化処理工程)を行うが、この第二の工程と第三の工程は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に通常用いられる方法を採用できる。
《第二の工程(還元処理工程)》
第二の工程では、上記第一の工程で形成した酸化層(主に外方酸化層)を還元炉で還元することで、素地鋼板の表面に所望とする純Fe層(還元層)を形成する。このとき内方酸化層の一部も還元され、内方酸化層は、酸化物とFeが混合した層となる。
還元炉内の雰囲気は、還元性ガス雰囲気とすればよい。還元性ガス雰囲気としては、例えば、H2ガス含有N2ガス雰囲気である。還元炉内の温度は、800〜950℃程度、還元時間は30秒〜3分程度とすればよい。
《第三の工程(めっき・合金化処理工程)》
第三の工程では、上記純Fe層の表面に、溶融亜鉛めっきを施した後、これを合金化し、合金化溶融亜鉛めっき層を形成する。このとき上記酸化物とFeが混合した層に含まれるFeもZnと合金化され、Zn−Fe合金とSi−Mn酸化物が混合した酸化物含有層を形成する。
溶融亜鉛めっきの条件や合金化の条件は特に限定されず、公知の条件を採用できる。溶融亜鉛めっき浴の温度は、400〜600℃程度とすればよい。合金化温度は、500〜600℃程度とすればよい。合金化溶融亜鉛めっき層の付着量は、30〜70g/m2程度とすればよい。
本発明のめっき鋼板は、上記成分組成を満足する素地鋼板を、上述した第一の工程から第三の工程(酸化処理工程→還元処理工程→めっき・合金化処理工程)を経ることで製造できる。
このようにして得られためっき鋼板は、めっきの凝着性、外観性状、及びめっき密着性が良好に改善されている。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
まず、表1に示す化学成分を含有する鋼A〜W(残部は鉄およびP、S、N以外の不可避不純物)を溶製し、スラブを製造した。得られたスラブを1200℃に加熱し、熱間圧延して熱延鋼板を得た。得られた熱延鋼板を酸洗してスケールを除去し、冷間圧延して厚さ2.0mmの薄鋼板(素地鋼板)を作製した。
次に、得られた薄鋼板を酸洗してスケールを除去し、加熱炉で表2に示す条件で加熱して酸化層を形成し、この酸化層を還元炉で還元した後、溶融亜鉛めっき浴に侵入させた後、ワイピングを施し、溶融亜鉛めっき鋼板を得た。その後、更に合金化炉で合金化処理を行ない、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得た。
加熱炉、および還元炉における具体的な条件は次の通りである。なお、薄鋼板の表面温度は放射温度計を、酸素量は磁気式濃度計を、水蒸気量は露点計を、それぞれ用いて測定した。
加熱炉内では燃焼ガスと空気の混合ガスをバーナーで燃焼させて上記薄鋼板を加熱した。燃焼ガスとしてはCOGガスを用い、このCOGガスは、55体積%のHガスと6体積%のNガスを含み、残部は炭化水素ガスで構成されている。加熱炉内の雰囲気ガスに含まれる酸素分圧は0.1体積%、水蒸気分圧は20体積%とした。その他の加熱条件(加熱時間、昇温速度、終了温度)は表2に示したとおりである。
加熱前段工程では、加熱後段工程における加熱開始温度が下記表2に示す温度(加熱前段工程の終了温度)となるように加熱した。加熱前段工程における加熱条件は、加熱炉内の温度と通板速度を調整することによって制御した。なお、加熱炉入口温度は室温(20℃)とした。
加熱後段工程では、上記加熱前段工程と同様に、上記薄鋼板を加熱して薄鋼板の表面に酸化層を形成した。また加熱後段工程における加熱終了温度が下記表2に示す温度となるように加熱した。加熱後段工程における加熱条件は、加熱炉内の温度と通板速度を調整することによって制御した。
次に、上記薄鋼板を還元炉に供給し、酸化層を還元した。ここでは、ラジアントチューブを備えた還元炉を用い、上記薄鋼板の温度を間接的に上げる方式で、還元炉出口における鋼板温度が950℃となるように加熱した。還元炉内の雰囲気は、Hを20体積%含有するNガス雰囲気とした。
次に、上記の還元性雰囲気を維持したまま冷却し、大気と接触させることなく上記薄鋼板を溶融亜鉛めっき浴(450℃)に浸漬した後、溶融亜鉛めっき浴面から垂直方向に薄鋼板を取り出し、ワイピングノズルから圧縮空気を薄鋼板表面に対して垂直に吹き付けた。ワイピングはオンラインで測定する薄鋼板のめっき付着量が40g/mとなるように適宜ワイピングノズルと薄鋼板との間隔、およびノズル空気圧を調整した。
溶融亜鉛めっき後、合金化炉で更に500℃で加熱して合金化処理を施し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
得られた各合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、めっきの凝着性、めっき密着性、及び外観性状を次の手順で評価した。
(めっき凝着性)
溶融亜鉛めっきを施した際に、素地鋼板に付着する亜鉛量を適切に制御できない場合は、素地鋼板と酸化層との剥離が生じており、該剥離箇所に生じた隙間に溶融亜鉛めっきが入り込み、その後の合金化処理によって上述しためっきの凝着が生じることから、めっきの凝着の発生を予測する方法として以下の試験方法を採用した。
上記薄鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後のめっき付着量の制御が適切に行うことができたかで評価した。具体的には溶融亜鉛めっきを施した後のめっき付着量を蛍光X線を用いて測定し、得られた測定値に基づいてワイピングノズルと薄鋼板との間隔や、ノズルから吹き付ける空気圧を変動させ、めっき付着量を40g/mに制御する処理を行った。処理後、再度蛍光X線を用いてめっき付着量を測定した。本実施例では、めっき付着量が40±10g/mに制御できたものを合格(○)と評価した。
(めっき密着性の評価)
上記めっき鋼板を縦100mm×横200mm×厚2mmの板形状試験片に加工し、V曲げ曲げ戻し試験を行ってめっき密着性を評価した。このV曲げ曲げ戻し試験は、実際のプレス成形よりも厳しい条件を模擬したものであって、テープ剥離幅が5mm以下の場合は、実際のプレス加工(曲げ角度90°)でもめっき層の剥離が発生しないことを確認している。試験として具体的には、V曲げ試験用の金型(曲げ角度60°)を用いて上記試験片をV曲げ加工した後、更にプレスで上記試験片を平坦に戻す曲げ戻し加工を行った。曲げ戻し加工を行ったときの内側の面(変形部)にセロハンテープ(ニチバン社製「セロテープ(登録商標)CT405AP−24」)を貼り付け、手で剥がした後、テープに付着しためっき層の剥離幅を測定した。本実施例では、剥離幅が5mm以下のものを合格(めっき密着性に優れる)と評価した(表中の単位は全てmm)。
なお、実施例においてめっきが剥離した例を全て調べた結果、めっき剥離原因は薄鋼板からめっき層が剥離(界面のめっき剥離)したものであった。
(外観性状)
外観性状は、合金化溶融亜鉛めっき層の外観を目視で観察し、合金化不良、不めっきの有無を調べた。本実施例では、合金化不良、不めっきのいずれも発生していないものを合格(○)と評価し、不めっきおよび/または合金化不良が発生しているものを不合格(×)とした。
試験結果を表3に示す。
表3より、以下のように考察できる。
まず、No.1〜3は特に加熱後段工程の終了温度を変化させた例である。これらのうち、No.1は加熱後段工程の終了温度が低い例であり、外方酸化層の厚さが不足し、その結果、合金化不良や不めっきが発生して外観性状が悪い。No.2は、本発明で規定する要件を満足する例であり、合金化不良や不めっきの発生を防止でき外観性状が良好である。まためっき密着性や亜鉛量も改善できている。No.3は、加熱後段工程の終了温度が高い例であり、Siが濃化し過ぎてSi酸化物が多く生成し、めっき密着性が劣化している。
次に、No.4〜7、37〜40は特に加熱前段工程の終了温度を変化させた例である。これらのうち、No.4、37は、加熱前段工程の終了温度が低い例であり、素地鋼板表面にヘマタイトが生成し、その結果、めっきの付着量が多く、めっきの凝着性が悪くなった。
No.5、6、38、39は本発明で規定する要件を満足する例であり、合金化不良や不めっきの発生を防止でき外観性状が良好である。まためっき密着性や亜鉛量も改善できている。No.7、40は、加熱前段工程の終了温度が高い例であり、加熱前段工程の終了温度が600℃を超えたため、加熱後段の昇温速度が制約されて高温度域(加熱後段工程)の在炉時間が短くなり、合金化不良が発生して外観性状が劣化している。
次に、No.8〜12、32〜36は特に加熱前段工程の昇温速度(X)に対する加熱後段工程の昇温速度を変化させた例である。これらのうち、No.8、32は、加熱前段工程の昇温速度に対する加熱後段昇温の昇温速度が0.30Xを下回る例であり、加熱後段工程の滞在時間が長くなりすぎて外方酸化層が厚くなり過ぎたため、還元処理で形成される純Fe層も厚くなり過ぎ、溶融亜鉛めっき浴中で反応する還元鉄量が増大して溶融亜鉛めっきの付着量が多く、めっきの凝着性が悪くなった。また内方酸化層の厚さも増大し、その結果、めっきの凝着性が不良であり、まためっき密着性も劣化している。
No.9〜11、33〜35は本発明で規定する要件を満足する例であり、めっき凝着性、めっき密着性、及び外観性状共に良好である。
No.12、36は、加熱前段工程の昇温速度(X)に対する加熱後段工程の昇温速度が0.80Xを上回る例であり、ファイアライトの生成が不足するため、めっきの凝着性が悪くなると共に、外方酸化層の厚さが不足し、その結果、合金化不良や不めっきが発生して外観性状が悪い。
次にNo.13〜31は様々な鋼材成分の鋼板を用いた例である。No.13〜31は本発明で規定する要件を満足する例であり、めっき凝着性、めっき密着性、及び外観性状共に良好である。

Claims (5)

  1. C:0.04〜0.20%(質量%の意味。以下化学成分について全て同じ。)、
    Si:0.1〜3.0%、
    Mn:0.1〜3.0%、
    を満足する素地鋼板の表面に、合金化溶融亜鉛めっき層が形成された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    上記化学成分組成を満足する素地鋼板を加熱炉で加熱して素地鋼板の表面に酸化層を形成する第一の工程、
    前記酸化層を形成した素地鋼板を還元炉で加熱して前記酸化層を還元する第二の工程、
    溶融亜鉛めっきを施した後、合金化する第三の工程、をこの順で含み、
    前記第一の工程は、前記加熱炉内の酸素量を0.3体積%以下、水蒸気量を10〜30体積%に制御した雰囲気下にて、前記素地鋼板を45〜120秒で750〜850℃の温度まで加熱するものであり、且つ、
    前記第一の工程は、7.5〜28℃/秒の昇温速度(X)で450〜600℃の温度まで加熱する加熱前段工程と、
    0.30X〜0.80Xの昇温速度でさらに750〜850℃の温度まで加熱する加熱後段工程と、を含むことを特徴とするめっき鋼板の製造方法。
  2. 前記素地鋼板は、更にNi:2%以下(0%を含まない)、Cu:2%以下(0%を含まない)、Mo:2%以下(0%を含まない)、およびB:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1に記載のめっき鋼板の製造方法。
  3. 前記素地鋼板は、更にCr:2%以下(0%を含まない)、Nb:1%以下(0%を含まない)、V:1%以下(0%を含まない)、およびW:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載のめっき鋼板の製造方法。
  4. 前記素地鋼板は、更にAl:0.06%以下(0%は含まない)、および/またはTi:0.1%以下(0%は含まない)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のめっき鋼板の製造方法。
  5. 前記素地鋼板は、更にCa、Mg、およびREM よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素:合計量で0.03%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のめっき鋼板の製造方法。
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