JP2011213670A - 水系固形化粧料 - Google Patents

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JP2011213670A JP2010084150A JP2010084150A JP2011213670A JP 2011213670 A JP2011213670 A JP 2011213670A JP 2010084150 A JP2010084150 A JP 2010084150A JP 2010084150 A JP2010084150 A JP 2010084150A JP 2011213670 A JP2011213670 A JP 2011213670A
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亮 萩野
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Abstract

【課題】 充填時の流動性に優れ、仕上がりも均一で美しく、化粧膜の耐水性も良好な水系固形化粧料を提供する。
【解決手段】 次の成分(A)〜(D);(A)寒天、(B)水、(C)特定の含フッ素共重合体で被覆した表面処理粉体、(D)多価アルコール、を配合したことを特徴とする水系固形化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、みずみずしい使用感の水系化粧料でありながら、携帯性に優れる固形状の水系固形化粧料に関し、更に詳細には、充填時の流動性に優れ、化粧膜の仕上がりが均一で美しく、耐水性も良好な水系固形化粧料に関する。
水系固形化粧料とは、粉末や油剤を分散した水系成分と、寒天、ゼラチンなどの水溶性固化剤とを加熱溶解して混合し、金属製や樹脂製の容器に流し込んだ後、冷却固化して成型して得られる化粧料である。このような水系固形化粧料を、メイクアップ化粧料や日焼け止め化粧料として使用する場合、化粧膜の耐水性や耐油性を向上させる必要があり、配合する粉体の表面をフッ素系化合物や、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、油脂、炭化水素等の疎水性物質で処理することにより疎水化して配合する方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−178723号公報
しかしながら、特許文献1のように疎水性物質で表面処理した粉体を配合した水系固形化粧料においては、化粧膜の耐水性の向上は見られるものの、疎水性物質で表面処理した粉体と水性成分とのなじみが悪いため、化粧膜の均一性が不十分であった。また、特に加熱溶融充填する際にはそれらの粉体が凝集を起こしやすく、その結果、充填時の流動性が悪くなり、冷却した際に成型品の表面が平らにならなかったり、色ムラを生じたりして、水系固形化粧料として外観の美観を損なうことがあった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、寒天と水と特定の含フッ素共重合体で被覆した表面処理粉体と多価アルコールとを配合した水系固形化粧料が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)寒天
(B)水
(C)粉体粒子の表面を特定の表面処理剤で被覆した表面処理粉体であって、前記表面処理剤が、下記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a)、下記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(b)とを必須に含む単量体を共重合して得られる含フッ素共重合体である表面処理粉体
CH=C(−X)−CO−Y−[−(CH−Z−]−(CH−Rf ・・・・・(1)
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
CH=C(R)−COO−(RO)−R ・・・・(2)
[式中、Rは、水素原子又はメチル基であり;Rは、水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基であり;qは、1〜50の整数である。]
(D)多価アルコール
を配合したことを特徴とする水系固形化粧料である。
また、本発明は、上記成分(A)〜(D)に加えて、成分(E)油剤と(F)界面活性剤、成分(G)水溶性粘着剤を配合したことを特徴する水系固形化粧料である。
本発明の水系固形化粧料は、加熱溶融充填を必要とするものであるが、適度な親水撥油性を有する成分(C)の処理粉体を用いることにより、充填時の流動性に優れ、化粧膜の仕上がりも均一で美しく、均一性と耐水性も良好なものである。
本発明に用いられる成分(A)寒天は、水系成分を固化し、使用性と携帯性に耐え得る硬度を与えるものである。成分(A)寒天のゼリー強度に関しては、特に限定されないが、強度及び使用感の点から20〜2000g/cmのものが望ましく、より望ましくは30〜1000g/cmである。ここでゼリー強度とは、1.5質量%(以下、単に%と略す)となるように寒天を水に加熱溶解し、20℃で15時間放置、凝固せしめたゲルについて、その表面を1cm当たり20秒間耐え得る最大質量のことを言う。
本発明の水系固形化粧料における成分(A)の配合量は、特に制限はないが、0.2〜5%が好ましく、0.5〜4%がより好ましい。この範囲であれば、寒天によるゲル化力が適当で、固形化粧料としての形状を保持できない程に柔らかくなることもなく、反対に化粧料が固くなりすぎることもなく、美しい成形品が得られる。また、肌への伸び広がりが良好で、均一で美しい仕上がりの水系固形化粧料が得られる。
本発明に用いられる成分(B)水は、本発明において、みずみずしい使用感を発現するために必須のものである。水系固形化粧料における成分(B)の配合量は、特に制限はないが、みずみずしい使用感を充分に発現するためには40〜95%が好ましく、50〜80%がより好ましい。
本発明の水系固形化粧料に用いられる成分(C)は、粉体粒子の表面を特定の表面処理剤で被覆した表面処理粉体である。成分(C)で使用される表面処理剤とは、前記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a)と、前記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(b)とを必須に含む単量体を共重合して得られる含フッ素共重合体である。
含フッ素単量体(a)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
CH=C(−X)−CO−Y−[−(CH−Z−]−(CH−Rf ・・・・・(1)[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
上記一般式(1)において、pが0であることが好ましい。Xの好ましい例は水素原子である。また、上記一般式(1)において、Rfは一般にはパ−フルオロアルキル基および/または部分的にフッ素化されたフルオロアルキル基を表し、パ−フルオロアルキル基であることが好ましい。Rfのアルキル基の炭素数は1〜6であり、4、5または6が好ましく、特に6が好ましい。Rfの例は、−CF、−CFCF、−CFCFCF、CF(CF、−CFCFCFCF、−CFCF(CF、−C(CF、−(CFCF、−(CFCF(CF、−CFC(CF、−CF(CF)CFCFCF、−(CFCF等が挙げられる。
含フッ素単量体(a)は単独で使用することはもちろんのこと、二種以上を混合して用いてもよい。含フッ素単量体(a)としては、例えば、次のものが挙げられる。
CH=C(−X)−C(=O)−O−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−X)−C(=O)−O−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−X)−C(=O)−O−(CH−Rf
CH=C(−X)−C(=O)−NH−(CH−Rf
[式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
含フッ素単量体(a)のさらに具体的な例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
CH=C(−H)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−H)−COO−(CH−Rf
CH=C(−H)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−H)−COO−CHCHN(C)SO−Rf
CH=C(−H)−COO−CHCHN(CH)SO−Rf
CH=C(−H)−COO−CHCH(OCOCH)SO−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CH)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COO−CHCHN(C)SO−Rf
CH=C(−CH)−COO−CHCHN(CH)SO−Rf
CH=C(−CH)−COO−CHCH(OCOCH)CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−Rf
CH=C(−F)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CF)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CN)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−F)−COO−(CH−Rf
CH=C(−F)−CO−NH−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−Cl)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFH)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CN)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−S−(CH−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−Rf
CH=C(−CFCF)−COO−(CH−SO−(CH−Rf
[上記式中、Rfは、1〜6のフルオロアルキル基である。]
これらのうち、特に
CH=C(−H)−COO−(CH−Rf
CH=C(−CH)−COO−(CH−Rf
が好ましい。
アルコキシ基含有単量体(b)は、非フッ素単量体であり、下記一般式(2)で表わされる化合物である。
CH=C(R)−COO−(RO)−R ・・・・(2)
[式中、Rは、水素原子又はメチル基であり;Rは、水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基であり;qは、1〜50の整数である。]
一般式(2)において、Rは水素原子が好ましい。また、qは1〜30が好ましく、より好ましくは2〜10であり、特に2〜5であることが好ましい。さらに、一般式(2)において、Rは、エチレン又はプロピレンが好ましく、特にエチレンであることが好ましい。一般式(2)中のRは一種または二種類以上のアルキレンの組み合わせであっても良い。その場合、少なくともRの一つはエチレンであることが好ましい。Rの組合せとしては、例えば、エチレン基/プロピレン基の組合せ、エチレン基/ブチレン基の組合せが挙げられる。
アルコキシ基含有単量体(b)は、二種類以上の混合物であっても良い。アルコキシ基含有単量体(b)としては、例えば以下のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
CH=C(R)COO−(CHCHO)−R
CH=C(R)COO−(CHCH(CH)O)−R
CH=C(R)COO−(CO)q’−(CHCH(CH)O)q”−R
[式中、q’+q”=q]
さらにより具体的な例としては、以下のもの等が挙げられる。
CH=C(H)COO−CHCHO−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)30−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)23−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)50−H
CH=C(CH)COO−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CHCHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CO)−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(CH)COO−(CO)−(CHCH(CH)O)−H
CH=C(H)COO−(CO)−(CHCH(CH)O)−CH
これらのうち、特に
CH=C(H)COO−CHCHO−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(H)COO−(CHCHO)−H
CH=C(CH)COO−CHCHO−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)−H
CH=C(CH)COO−(CHCHO)−H
が好ましい。
成分(C)で使用される含フッ素共重合体は、表面処理剤としての効果を損なわない範囲であれば、上記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a)と、上記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(b)と、さらに他の共重合可能な単量体(c)とを共重合して得られる共重合体であってもよい。
他の共重合可能な単量体(c)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリル酸アミドメチルプロパンスルホン酸、アクリル酸アシッドホスホアキシアルキル等の重合性酸、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル等の重合性エステル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等の重合性ビニル誘導体、シリコーンマクロマー、ポリアクリルマクロモノマー、ポリエステルマクロモノマー、ポリアミドマクロモノマー、ポリオキシアルキレンマクロモノマー等の重合性マクロモノマーや、重合性糖、スチレン等を挙げることができる。
また、他の共重合可能な単量体(c)としては、架橋性単量体を含んでもよい。架橋性単量体は、少なくとも2つの反応性基および/または炭素−炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない化合物とすることができる。架橋性単量体は、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する化合物、あるいは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物とすることができる。反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックドイソシアネート、カルボキシル基などである。本発明においては、アミノ基を有する単量体を使用しない。
架橋性単量体は非フッ素架橋性単量体であることが好ましく、ジ(メタ)アクリレートであることがより好ましい。また、架橋性単量体は、下記一般式(3)で示される化合物(アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート)であることが特に好ましい。
CH=C(R)−COO−(RO)−CO−C(R)=CH ・・・(3)
[式中、それぞれのRは、水素原子またはメチル基であり;Rは、水素原子の一部または全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルキレン基であり;sは、1〜50の整数である。]
なお、Rの炭素数は、2〜10、例えば2〜6、特に2〜4であることが好ましく、Rが、エチレン基であることが好ましい。
成分(C)で使用される含フッ素共重合体は、共重合体を構成する各モノマーの分子量やモル比をコントロールすることで、含フッ素共重合体の粉体粒子への被覆特性や皮膜形成能、表面処理粉体の分散能、吸湿・保湿能等を付与できる。含フッ素共重合体の重量平均分子量は、1000〜1000000程度、好ましくは5000〜500000程度とすることができる。1000未満であると皮膜形成能が弱く、本発明の効果を有する表面処理に適さず、1000000より大きいとポリマーの溶解性が悪くなるばかりか、表面処理粉体の分散性が悪化する。なお、この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算で求めた値である。
また、このような含フッ素共重合体において、含フッ素単量体(a)100質量部に対するアルコキシ基含有単量体(b)の量は、10〜400質量部、好ましくは25〜150質量部、より好ましくは43〜100質量部である。(b)の量が少ないと親水性が得られない場合があり、多いと撥油性が低下する場合がある。また、他の共重合可能な単量体(c)を用いる場合は、その割合は共重合体に対し30質量%未満が好ましい。特に、架橋性単量体を含有させる場合、架橋性単量体の量は、含フッ素単量体(a)100質量部に対し、30質量部以下、例えば0.1〜20質量部、特に0.5〜10質量部が好ましい。30質量部より多いと硬い皮膜になり使用感触が悪くなる場合がある。
成分(C)で使用される含フッ素共重合体の重合方法は、特に限定されず、塊状重合、溶液重合、乳化重合、放射線重合などの種々の方法を選択できる。例えば、一般的には有機溶剤を用いた溶液重合や、有機溶剤と水を併用する乳化重合が選定される。また、重合後に水で希釈したり、乳化剤を加えて水に乳化することで処理液に調製される。具体的には、例えば、特開2000−290640号公報やWO2009/142047号パンフレットの共重合体の製造例として開示される方法で製造可能であるが、これに限定されるものではない。
また、成分(C)の表面処理粉体に使用される表面処理剤は、溶液、エマルション又はエアゾールの形態であることが好ましい。このような表面処理剤は、成分(C)で使用される含フッ素共重合体及び媒体(例えば、有機溶媒及び水などの液状媒体)を含んでなる。このような表面処理剤において、含フッ素共重合体の濃度は、例えば、0.01〜50質量%とすることができる。
成分(C)で使用される粉体粒子(表面処理される前の粉体)としては、化粧料に使用可能な粉体が選択される。無機粉体及び有機粉体の何れを選択してもよく、粉体の形状は粉末状でも繊維状でもよい。粒子径は1nm〜2000μm程度の範囲のもので化粧料に配合が可能であればよい。
例えば、無機粉体としては、窒化硼素、セリサイト、天然マイカ、焼成マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、アルミナ、マイカ、タルク、ヘキ開タルク、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化クロム、紺青、群青、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ストロンチウム、炭化ケイ素、フッ化マグネシウム、タングステン酸金属塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロルヒドロキシアルミニウム、クレー、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、スピネル、ムライト、コージエライト、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ケイ素、ランタン、サマリウム、タンタル、テルビウム、コーロピウム、ネオジウム、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、シリコーンカーバイト、チタン酸コバルト、チタン酸バリウム、チタン酸鉄、リチウムコバルトチタネート、アルミン酸コバルト、アンチモン含有酸化スズ スズ含有酸化インジウム、マグネタイト、アルミニウム粉、金粉、銀粉、白金粉、銅粉、貴金属コロイド、鉄粉、亜鉛粉、コバルトブルー、コバルトバイオレット、コバルトグリーン、低次酸化チタン、微粒子酸化チタン、バタフライ状硫酸バリウム、花びら状酸化亜鉛、テトラポット状酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、パール顔料としては酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化チタン被覆タルク、酸化亜鉛被覆シリカ、酸化チタン被覆着色雲母、ベンガラ被覆雲母チタン、ベンガラ・黒酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、・コンジョウ被覆雲母チタン等のパール顔料が挙げられる。また、アルミフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク、ガラスフレーク等のエフェクト顔料、ベンガラ被覆雲母、カルミン、酸化チタン被覆ホウケイ酸(ナトリウム/カルシウム)、酸化チタン被覆ホウケイ酸(カルシウム/アルミニウム)、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ステンレスパウダー、トルマリン粉末、サファイアやルビー等の宝石を粉砕したパウダー、マンゴバイオレット、ガラスファイバー、カーボンファイバー、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、β−ウォラストナイト、ゾノライト、チタン酸カリウム繊維、硼酸アルミニウム繊維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、窒化ケイ素繊維等が挙げられる。
有機粉体としては、例えば、金属石鹸、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸、アミドスルホン酸多価金属、塩琥珀パウダー、カーボンブラック、タール色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ペンゾグアナミンパウダー、ポリメチルペンゾグアナミンパウダー、PTFEパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー(KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−105、KSP−300;信越化学工業社製、トレフィルE506S、E508、E505、E506、E701;東レ・ダウコーニング社製、トスパール2000B、150KA、120A、105、145A;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂パウダー、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の微結晶繊維粉体、澱粉粉末、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジ等が挙げられる。タール色素としては赤色3号、赤色10号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン、クロロフィル、β−カロチン、ベニバナパウダー等の天然色素等の粉体が挙げられる。
なお、表面処理される前の粉体は、2種以上が複合化された粉体でもよい。例えば、マイカやパール顔料粒子表面に水酸化アルミニウムを複合化した粉体、やセリサイトやパール顔料表面にハイドロキシアパタイトと酸化亜鉛を複合化した粉体、微粒子酸化チタンと微粒子酸化亜鉛を分散混合した粉体、タルクと微細亜鉛華、微粒子酸化チタンを分散混合した粉体、タルクと酸化マグネシウム、微粒子酸化チタンを分散混合した粉体、タルクと微粒子酸化チタンを複合化した粉体等が挙げられる。
また、表面処理される前の粉体の表面が、成分(C)で使用される含フッ素共重合体以外の表面処理剤で被覆されているものであっても良い。他の表面処理剤としては、例えばパーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロポリエーテルリン酸エステル、パーフルオロポリエーテルシラン、パーフルオロアルキルシラン等の含フッ素化合物、反応性オルガノポリシロキサン、アルキルシラン、ポリエーテル変性シラン、有機チタネート、ポリオレフィン、水添レシチン(塩の形態にあるものを含む。)、アシル化アミノ酸(塩又は組成物の形態にあるものを含む。)、酸性エステル油、脂肪酸(塩の形態にあるものを含む。)、デキストリン脂肪酸エステル、及びフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル等の化合物である。さらには、本願発明の効果を損なわない範囲において、これらの化合物と含フッ素共重合体とを、複合的に表面処理してもよい。
また、成分(C)の表面処理粉体は、表面処理剤と粉体粒子との親和性や固着性の向上を図るべく、例えばアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、セリウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、ニッケル及びスズ等の酸化物又は含水酸化物などの第3化合物を含有してもよい。その場合、これらの第3化合物は、表面処理剤で粉体粒子を表面処理する前にあらかじめ被覆してもよく、表面処理時に複合的に被覆してもよい。また、表面処理される前の粉体粒子の表面上で析出させてもよい。これら第3化合物の被覆量は、成分(C)で使用される含フッ素化合物の機能を、表面処理粉体により発現させ得るのに必要な最少量が好ましい。
本発明に用いられる成分(C)の表面処理粉体において、粉体粒子への含フッ素共重合体の被覆量は、表面処理される粉体の化学組成やその粒子径、ポーラス性の有無、吸油量、吸水量、比表面積により異なるが、粉体粒子100質量部に対して、0.1〜40質量部であることが好ましい。より好ましくは0.5〜35重量部である。これより少ないと十分な被覆効果が得られず、これより多いと共重合体による粉体粒子の凝集が発生し、表面処理粉体の機能の低下や、化粧料に配合した場合の効果が不充分となる場合がある。
また、成分(C)の表面処理粉体において、表面処理剤を粉体粒子に被覆する方法は特に制限なく、公知の方法で実施できる。表面処理方法は大別すると乾式法と湿式法がある。例えば、ヘンシルミキサーやボールミル、ジェットミル、ニーダー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、サンドミル、アトライター、リボンブレンダー、ディスパーミキサー、ホモミキサー、エクストルーダー等の攪拌機や粉砕機、混合機、分散機を用いて本発明において使用する表面処理剤と粉体を一定時間混合接触することにより処理される。この時にメカノケミカル的な機械力、プラズマ、火炎、紫外線、電子線、過熱水蒸気、レーザー光、電磁波等のエネルギーを与えながら処理しても構わない。湿式法としては、水や溶剤、超臨界流体(水、CO2等)に粉体と表面処理剤を分散させ混合接触させてその後溶媒を蒸発させることより処理が可能である。
また、成分(C)で使用される含フッ素共重合体と、他の化合物を複合的に表面処理する場合についても、前記含フッ素共重合体のみで表面処理する場合と同様に、粉体を、前記化合物を更に含む表面処理剤と混合接触させることにより表面処理することができる。また、複合的に表面処理する場合、含フッ素共重合体を先に被覆処理した後、他の表面処理剤を被覆する方法、含フッ素共重合体と他の表面処理剤を同時に被覆する方法、含フッ素共重合体以外の他の表面処理剤を先に被覆した後、含フッ素共重合体を被覆する方法等が挙げられる。
好ましい被覆方法は、前記含フッ素共重合体のみで表面処理する場合及び複合的に表面処理する場合の何れにおいても、被覆される粉体粒子を予め空気中や液中でまたは他の粉体と共存下で分散した後被覆するか同時に被覆する方法である。具体的には、例えば、WO2009/142047号パンフレットで開示される方法で製造可能であるが、これらに限定されるものではない。
成分(C)に使用される含フッ素共重合体は、その分子中に撥油性基と親水性基を有するため、表面処理粉体においては、粉体粒子表面より撥油性基のみを露出させると、撥水撥油性が発現する。一般に、撥油性を有する表面処理粉体において、化粧料製剤に配合される他の成分との優れた親和性や分散性を得るためには、親水撥油性が有利である。成分(C)の含フッ素共重合体は、被覆方法や被覆量をコントロールすることにより粉体粒子表面上に撥油性基と親水性基の両方を露出させることができ、これにより親水撥油性が発現する。
本発明の水系固型化粧料における成分(C)の配合量は、特に制限されないが、1〜40%が好ましい。成分(C)をこの範囲で配合すると、充填時の流動性に優れ、仕上がりも均一で美しく、化粧膜の耐水性が良好な水系固型化粧料を得ることができる。
本発明に用いられる成分(D)多価アルコールは、成分(C)の表面処理粉体を水系成分中に均一に分散させ、充填時の流動性を高めるものである。成分(D)は、通常の化粧料に用いられるものであればいずれのものも用いることができ、具体的には、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の水系固型化粧料における成分(D)の配合量は、特に制限されないが、1〜30%が好ましく、3〜25%がより好ましい。成分(D)をこの範囲で配合すると、充填時の流動性に優れ、仕上がりも均一で美しい化粧料を得ることができる。
さらに本発明の水系固型化粧料には、前記成分(A)〜(D)に加えて、成分(E)油剤と成分(F)界面活性剤を用いることができる。
成分(E)油剤としては、仕上がりの均一性や化粧膜の耐水性を向上させるためのものであり、特に制限はなく、通常化粧料に用いられる固型、半固型、液体の各種動植物油、鉱物油及び合成油を使用することができる。具体的には、例えばオリーブ油、ホホバ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類;ミツロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;セタノール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類;ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体;デンプン脂肪酸エステル;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、三次元架橋構造を有するジメチルポリシロキサン重合物等のシリコーン化合物等が挙げられる。これら油剤を配合する場合は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(E)の配合量は、特に制限されることなく、1〜30%が好ましく、2〜20%が更に好ましい。
成分(F)界面活性剤としては、成分(E)の油剤を化粧料中に安定に配合するためのものであり、特に制限はなく、通常化粧料に用いられる非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができ、これら界面活性剤を配合する場合は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(F)の配合量は、特に制限されることなく、0.1〜5%が好ましく、0.2〜3%が更に好ましい。
さらに本発明の水系固型化粧料には、前記成分(A)〜(D)に加えて、成分(G)水溶性粘着剤を配合することができる。水溶性粘着剤とは、それ自体は固化しない、化粧料に配合される水溶性高分子であり、前記成分(A)のみで得られるゲルではもろく崩れやすい場合に、それを補強する目的で用いられるものである。かかる水溶性粘着剤としては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、キサンタンガム、ペクチン等の天然高分子;ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル、ポリビニルピロリドン等の合成高分子などが挙げられる。これら水溶性粘着剤を配合する場合は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、0.05〜2%が好ましく、0.1〜1%が更に好ましい。
本発明の水系固形化粧料には、前記必須成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば本発明に用いられる成分(C)以外の粉体、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、美容成分、香料、低級一価アルコール等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明の水系固形化粧料は、例えば、成分(A)と場合により成分(G)を、80〜95℃で成分(B)に加熱溶解した後、成分(C)と、成分(D)と、場合により成分(E)と成分(F)とを加えて、攪拌混合し、皿状の容器等に流し込んだ後、20℃以下に冷却固化することにより製造することができる。かくして得られる本発明の水系固形化粧料は、外相となる水相に粉体と場合により油剤が分散した形態のものである。また、下地クリーム、サンカットクリーム、ファンデーション、アイシャドウ、ホホ紅等の固形状の製品とすることができる。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[表面処理剤の製造]
処理粉体に使用する含フッ素共重合体の参考製造例を以下に示す。
(共重合体製造例1)
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、含フッ素モノマーCH=C(H)COO−CHCH13(以下「C6FA」と記す)を18.6g、ポリエチレングリコールアクリレートCH=C(H)COO−(CHCHO)−H(BLEMMER AE90 日油株式会社製 nの平均値は2.0、以下)を11.4gとメチルエチルケトン(以下「MEK」と記す)を45g仕込んで、30分間窒素バブリングした。窒素気流下で内温を50〜65℃に昇温後、重合開始剤としてパーブチルPV(以下「PV」と記す)を0.4g添加し、60〜65℃で6時間反応させた。得られた溶液を減圧条件下にて約70℃でMEKを留去、淡黄色ポリマー残渣を得た後、精製水を122.4g添加し、内温を約80℃で1時間以上保った後、冷却して固形分濃度が約20質量%の水分散液を調製した。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて18200であった。
(共重合体製造例2)
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、含フッ素モノマーC6FAを18.6g、ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業社製、以下「HEA」と記す)を2.5g、ポリエチレングリコールアクリレートCH=C(H)COO−(CHCHO)−H(BLEMMER AE200 日油株式会社製 nの平均値は4.5、以下「AE200」と記す)を8.0g、ポリエチレングリコールジアクリレートCH=C(H)COO−(CHCHO)−CO−CH=CH(BLEMMER ADE300 日油株式会社製 nの平均値は7.0、以下「ADE300」と記す)を0.9gとイソプロピルアルコール(以下「IPA」と記す)を45g仕込んで、30分間窒素バブリングした。窒素気流下で内温を50〜65℃に昇温後、PVを0.4g添加し、60〜65℃で6時間反応させた。得られた溶液を減圧条件下にて70℃でIPAを除去し、淡黄色ポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて16280であった。
(共重合体製造例3)
還流冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた100ml四つ口フラスコに、含フッ素モノマーC6FAを18.6g、HEAを3.5g、AE200を7.2g、ADE300を0.7gとIPAを45g仕込んで、共重合体製造例2と同様の重合反応を行い、固形分濃度が約40%のIPA溶液を調整した。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定にて17200であった。
[表面処理粉体の製造]
(製造例1)
タルクJA−46R(浅田製粉社)100gを高速混合機に仕込み、共重合体製造例1の共重合体を固形分で4.0gとIPAと水の混合物(50:50wt%)50gを加えて30分間混練した。混合物を80℃で3時間乾燥後、更に110℃で10時間乾燥した。アトマイザー粉砕して含フッ素共重合体(5%)処理タルクを得た。
(製造例2)
酸化チタンCR−50(石原産業社製)100gに共重合体製造例2の含フッ素共重合体を固形分で3.0gとなるようにIPAにて希釈し、加えた。ミキサーで15分間混合後、250℃の加熱水蒸気を導入し、ミキサー内が200℃に達した時点で攪拌を止め、含フッ素共重合体(3%)処理酸化チタンを得た。
(製造例3)
製造例1記載の方法と同様に、イエローLL−100P(チタン工業社製)100gと共重合体製造例3の含フッ素共重合体を固形分で5.0g混合し、含フッ素共重合体(5%)処理黄酸化鉄を得た。
(製造例4)
製造例1記載の方法と同様に、レッドR−516PS(チタン工業社製)100gと共重合体製造例3の含フッ素共重合体を固形分で4.0g混合し、含フッ素共重合体(4%)処理赤酸化鉄を得た。
(製造例5)
製造例1記載の方法と同様に、ブラックBL−100P(チタン工業社製)100gと共重合体製造例3の含フッ素共重合体を固形分で2.0g混合し、含フッ素共重合体(2%)処理黒酸化鉄を得た。
(製造例6)
製造例1記載の方法と同様に、微粒子酸化チタンMT−500SA(テイカ社製)100gと共重合体製造例3の含フッ素化合物を固形分で7.0g混合し、含フッ素共重合体(7%)処理微粒子酸化チタンを得た。
実施例1〜5及び比較例1〜3:ファンデーション
表1に示す組成により下記製造方法で水系固形ファンデーションを製造し、表1中の評価項目について下記の評価方法及び評価基準によりそれぞれ官能評価を行った。
*1(シリコーン処理)
イソプロピルアルコールに各粉体及びジメチルポリシロキサン(シリコン KF−96(100CS)(信越化学工業社製)を加え(粉体97に対して3)、120℃で2時間焼付け処理を行った後、粉砕して得た。
*2(パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩処理)
水中に各粉体を加えスラリー状態とし、そこにパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩(アサヒガードAG530(旭硝子社製))の水分散物を徐々に加え(粉体95に対して5)混合した後、室温で静置し、パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩処理を行った後、粉砕して得た。
*3:UP−37(伊那寒天社製 ゲル強度700g/cm
(製造方法)
A.(22)〜(27)を95℃に加温溶解する。
B.Aを50℃まで冷却し、(1)〜(20)を加え混合分散する。
C.Bに(21)を加え混合した後、容器(直径50mm、深さ10mmの円筒トレー状)に充填し、冷却する。
(評価方法)
イ.
充填時の流動性
容器に充填した際に、表面が平らになったものを○、ならなかったものを×とした。
ロ.
表面の色ムラ
容器に充填し、冷却した成形品の表面に、色ムラを生じなかったものを○、僅かに色ムラを生じたものを△、明らかに色ムラが生じたものを×とした。
ハ.
仕上がりの均一性
10名の専門パネラーによる使用テストを行い、以下の評価基準によって各人の絶対評価により採点し、10人の平均点により判定した。
<評価基準>
非常に良い:3点
良い :2点
普通 :1点
悪い :0点
<判定基準>
◎:2.5点以上
○:1.5点以上2.5点未満
△:0.5点以上1.5点未満
×:0.5点未満
ニ.
化粧膜の耐水性
人工皮革(BEAULAX社製 バイオスキン(黒))にファンデーション用のマットで各試料を3mg/cm塗布し、2分放置乾燥した後、試料調製者がこの時点での化粧膜の状態を肉眼にて観察すると共に、色差計(MINOLTA社製 分光色差計CM−503d)で測色した。
そして、各試料を塗布した人工皮革を流水中(0.5L/S)に3分間浸した後、10分間室温にて乾燥し、再度、肉眼観察及び色差計で測色して、流水に浸す前と浸した後の化粧膜の変化及び色の変化(ΔE値)を下記判定基準により評価した。
<判定基準>
◎:肉眼観察では特に変化が見られず、流水に浸す前後でのΔE値が3.0以下。
○:僅かに化粧膜が流れているが、あまり変化がなく、
ΔE値が3.0を超えて6.0以下。
△:かなり化粧膜が流れ落ちていて、ΔE値が6.0を超えて9.0以下。
×:殆ど化粧膜が残っておらず、ΔE値が9.0を超える。
表1の結果からも明らかなように本発明の実施品である実施例1〜5のファンデーションはいずれも充填時の流動性に優れ、成形品の外観も良好であり、化粧膜の仕上がりも均一で美しく、耐水性も良好なものである。一方、成分(C)の処理粉体の代わりに未処理粉体を配合した比較例1は、粉体の撥水性が弱いため、充填時の色ムラが発生し、化粧膜の耐水性にも欠けるものであった。成分(C)の代わりに、シリコーン処理粉体を配合した比較例2は、充填時の流動性が悪く、さらに表面に色ムラを生じるものであった。また、成分(C)で使用する含フッ素共重合体以外のフッ素系化合物であるパーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩で処理した粉体を配合した比較例3は、化粧膜の耐水性には優れるものの、充填時の流動性が悪く、さらに表面に色ムラを生じるものであった。
実施例6:ほほ紅
(処方) (%)
(1)製造例2の処理酸化チタン 3
(2)製造例1の処理タルク 5
(3)雲母チタン 10
(4)黄酸化鉄 0.2
(5)ベンガラ 0.6
(6)黒酸化鉄 0.1
(7)赤色226号 0.1
(8)セスキオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 0.5
(9)大豆リン脂質 0.5
(10)香料 適量
(11)メチルパラベン 0.1
(12)1,3−ブチレングリコール 8
(13)寒天 *3 3
(14)カルボマー 0.2
(15)精製水 残量
(製造方法)
A.(11)〜(15)を加温溶解する。
B.Aに(1)〜(9)を加えて混合分散する。
C.Bに(10)を添加混合した後、容器(縦23mm、横50mm、深さ5mm)に充填し、冷却固化してほほ紅を得た。
(結果)
実施例6のほほ紅は、充填時の流動性に優れ、仕上がりも均一で美しく、化粧膜の耐水性も良好なものであった。
実施例7:日焼け止め料
(処方) (%)
(1)製造例6の処理微粒子酸化チタン 8
(2)オレイン酸ポリオキシエチレン(10)ソルビタン 1
(3)大豆リン脂質 0.5
(4)メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
(5)オクタン酸セチル 1
(6)香料 適量
(7)メチルパラベン 0.1
(8)1,3−ブチレングリコール 6
(9)寒天 *3 3
(10)キサンタンガム 0.3
(11)精製水 残量
(製造方法)
A.(7)〜(11)を加温溶解する。
B.Aに(1)〜(5)を加えて混合分散する。
C.Bに(6)を添加混合した後、容器に充填し、冷却固化して日焼け止め料を得た。
(結果)
実施例7のほほ紅は、充填時の流動性に優れ、仕上がりも均一で美しく、化粧膜の耐水性も良好なものであった。
実施例8:アイシャドウ(乳化型)
(処方) (%)
(1)製造例2の処理酸化チタン 1
(2)製造例3の処理黄酸化鉄 2
(3)製造例4の処理赤酸化鉄 0.2
(4)製造例5の処理黒酸化鉄 0.1
(5)雲母チタン 8
(6)酸化チタン被覆合成金雲母 *4 3
(7)黄色4号 0.5
(8)ポリオキシエチレン(5)ヒマシ油 1
(9)ジメチルポリシロキサン *5 5
(10)香料 適量
(11)メチルパラベン 0.2
(12)1,3−ブチレングリコール 5
(13)グリセリン 3
(14)寒天 *3 3
(15)ポリアクリル酸ナトリウム *6 0.8
(16)精製水 残量
*4:HELIOS R100S(トピー工業株式会社製)
*5:シリコンKF−96(10CS)(信越化学工業社製)
*6:アロンビスS(日本純薬社製)
(製造方法)
A.(11)〜(16)を加温溶解する。
B.Aに(1)〜(9)を加えて混合分散する。
C.Bに(10)を添加混合した後、容器(縦25mm、横30mm、深さ4mm)に充填し、冷却固化してアイシャドウを得た。
(結果)
実施例8のアイシャドウは、充填時の流動性に優れ、仕上がりも均一で美しく、化粧膜の耐水性も良好なものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)寒天
    (B)水
    (C)粉体粒子の表面を特定の表面処理剤で被覆した表面処理粉体であって、前記表面処理剤が、下記一般式(1)で表される含フッ素単量体(a)、下記一般式(2)で表されるアルコキシ基含有単量体(b)とを必須に含む単量体を共重合して得られる含フッ素共重合体である表面処理粉体
    CH=C(−X)−CO−Y−[−(CH−Z−]−(CH−Rf ・・・・・(1)
    [式中、Xは、水素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、X及びXは、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であり;Yは、−O−又は−NH−であり;Zは、直接結合、−S−又は−SO−であり;Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であり;mは1〜10、nは0〜10、pは0又は1である。]
    CH=C(R)−COO−(RO)−R ・・・・(2)
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基であり;Rは、水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、水素原子または炭素数1〜22の不飽和または飽和の炭化水素基であり;qは、1〜50の整数である。]
    (D)多価アルコール
    を配合したことを特徴とする水系固形化粧料。
  2. さらに成分(E)油剤と(F)界面活性剤を配合したことを特徴する請求項1記載の水系固形化粧料。
  3. さらに成分(G)水溶性粘着剤を配合したことを特徴する請求項1又は2に記載の水系固形化粧料。
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