JP2011213220A - 電動船外機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ11と、前記電動モータ11の出力を船体の推進する方向の出力に変換するギアが収容されたギアケース27とが、上下に離間して配設された電動船外機であって、前記電動モータ11と前記ギアケース27との間に、キャリングハンドル30が配置されている。また、前記キャリングハンドル30は、前記電動モータ11の外形と前記ギアケース27の外形とを結ぶ外形接線の内側に配置されている。
【選択図】図3
Description
また、前記キャリングハンドルは、前記電動モータの外形と前記ギアケースの外形とを結ぶ外形接線の内側に配置されていることを特徴とする。
また、前記キャリングハンドルは、格納可能であることを特徴とする。
また、例えばキャリングハンドルは、電動モータの外形とギアケースの外形とを結ぶ外形接線の内側に配置されていることから、電動船外機を地面から離して搬送することができるので、さらに電動船外機の搬送性を向上させることができる。
また、例えばキャリングハンドルは、格納可能であることから、電動船外機を搬送しない場合に格納しておくことができるので、電動船外機の操縦の妨げにならず、操縦性を向上させることができる。
(第1の実施形態)
図1および図2を参照して本実施形態に係る電動船外機100の全体構成について説明する。図1は本実施形態に係る電動船外機の外観図であり、図2は電動船外機を含む電動船外機システムを示す図である。
図1に示すように、電動船外機100は、電動船外機本体10と、電源/制御ユニット60とを備え、両者が別体に構成されている。また、電動船外機本体10と電動/制御ユニット60とは、ケーブル80で電気的に接続されている。電動船外機本体10と電源/制御ユニット60とを別体で構成することで、電源/制御ユニット60を電動船外機本体10から離し、船体内の重心バランスが安定した位置に配置できるので、電動船外機100の操縦性を向上させることができる。なお、以下に示す図では、必要に応じて電動船外機本体10の前方を矢印Frにより、後方を矢印Rrにより示し、電動船外機本体10の右側を矢印Rにより、左側を矢印Lにより示す。なお、電動船外機本体10の前方とは、電動船外機本体10を船体に取り付けた状態で、船体が前方に進む方向である。
まず、電動船外機本体10の構成について図1〜図4を参照して説明する。図3は、電動船外機本体の一部側断面図である。
電動船外機本体10は、電動モータ11と、推進部25と、船体取付部40と、操舵ハンドル45とを有している。
電動モータ11は、電動船外機本体10すなわち推進部25のプロペラ35を回転させるための動力源である。本実施形態の電動モータ11には永久磁石式同期モータが用いられている。図3に示すように、電動船外機本体10を船体に取り付けた状態では、電動モータ11は出力軸12が鉛直下方向に延出するように配置される。また、電動モータ11の形状は、水平方向寸法Dが高さ寸法Hよりも大きくした略扁平形状に形成されている。したがって、電動モータ11は、扁平形状ではない電動モータと比べて低速時に高トルクを出力することができる構造となっている。
図4に示すように、電動モータ11は、アッパハウジング13とロアハウジング14との間に、永久磁石15およびロータ16が外部と遮蔽された状態で配設されている。アッパハウジング13の上部は、外部と連通する開口がシール部材17によって密閉されている。
図3に示すように、ドライブシャフト26は、電動モータ11の出力軸12に結合され、鉛直下方に向かってギアケース27まで延出している。ドライブシャフト26は、出力軸12に同軸であって、出力軸12に同期して回転する。このドライブシャフト26の周囲は、ドライブシャフトハウジング28によって囲まれている。
ドライブシャフトハウジング28の上部は、電動モータ11のロアハウジング14に結合されている。また、ドライブシャフトハウジング28の略中間部から上方は、スイベルブラケット29によって水平方向に回動可能に支持されている。ドライブシャフトハウジング28が水平方向に回動するときの回動軸は、ドライブシャフト26と同軸である。
また、スイベルブラケット29は、前方に一部が突出し船体取付部40が取り付けられ、後方に電動船外機本体10を持ち運ぶためのキャリングハンドル30が形成されている。また、ドライブシャフトハウジング28の下方、すなわちプロペラ35側には、プロペラ35がエアを吸い込むのを防ぐためのキャビテーションプレート31が形成されている。
上述したように電動モータ11は低速時に高トルクを出力するので、電動モータ11の出力軸12の出力を、減速機を介さずに直接ドライブシャフト24に接続させている。したがって、推進部25の構造を簡略化させることができると共に減速機に噛合するときの騒音を削減できる。また、電動モータ11は低速時に高トルクを出力するので、第1のベベルギア32から第2のベベルギア33への減速比を小さくできる。すなわち、第2のベベルギア33を小さくできるので、それだけギアケース27を小さくでき、走行時におけるギアケース27の水中抵抗を低減させることができる。
本実施形態では、図3に示すように重量物である電動モータ11がチルトピン42を通る水平線(図3に示す二点鎖線L1を参照)よりも上方、具体的にはチルトピン42の後斜め上方に位置している。したがって、操船者はチルトアップ操作を容易に行うことができる。
操船者が船体の進行方向を操舵する場合、操船者が操舵ハンドル45を水平方向に回動することにより、操舵ハンドル45と一体に電動モータ11が水平方向に回動され、それと同期してスイベルブラケット29に支持されたドライブシャフトハウジング28およびプロペラ35が水平方向に向きを変位し、船体1の進行方向が変化する。
また、操舵ハンドル45の先端には、スロットルグリップ48が設けられている。操船者がスロットルグリップ48をツイストする方向(シフト方向)および量(スロットル量)を調整することで、進行方向および加減速の情報が電源/制御ユニット60に伝えられる。また、図1に示すように、操舵ハンドル45の側面には、緊急停止用のエマージェンシースイッチ49が取り付けられている。
電源/制御ユニット60は、電源部61と、表示部64と、制御部65とがユニットケース68によって一体化されて構成されている。
図5に示すように、電源部61は、電動モータ11に電力を供給するためのパッケージ化された電池パック(バッテリ)62と、ユニットケース68の側面に配設され電池パック62が装着される電池パック装着部63とを備えている。本実施形態の電源部61は、同時に2つの電池パック62を装着できるように2つの電池パック装着部63を備えている。
電池パック62はリチウムイオン電池のセルの集合体がケース内に収められて構成されていて、操船者が電池パック62を電池パック装着部63から取り外して持ち運ぶことができる。電池パック62は、後述する充電器によって充電することで繰り返し使用することができる。
なお、本実施形態では、2つの電池パック装着部63を備える場合について説明しているが、この場合に限られず、3つ以上の電池パック装着部を備えていてもよく、1つの電池パック装着部のみを備えていてもよい。3つ以上の電池パック装着部を備える場合は、操船者は3つ以上の電池パック装着部のうち少なくとも1つに、電池パックを選択的に装着できるように構成することができる。
電池パック装着部63に電池パック62が装着された状態では、電池パック62から電動モータ11を駆動するための電力が供給可能となる。
さらに、複数の電池パック装着部63のうち少なくとも1つに、電池パック62を選択的に装着できるために、使用用途に応じて装着する電池パック62の数を変更することができる。また、複数の電池パック装着部63のうち2つ以上の電池パック62を装着させておくことで、航行中に1つの電池パック62の残量がなくなったときの予備電源にすることができる。
制御部65は、図5に示すように、ユニットケース68の内部に配設され、電池パック62を制御する電池パック制御部(電源制御部)66と、電動モータ11を制御するモータ制御部67とを有している。電池パック制御部66は、各電池パック装着部63に電池パック62が装着されているか否かを検出して、装着されている電池パック62の電池残量の情報を取得し、その情報をモータ制御部67に送信する。モータ制御部67は、インバータを含んで構成され、電動モータ11に供給する電力を制御したり、表示部64に表示する情報を表示部64に送信したりする。
電源/制御ユニット60は、ケーブル80を電源/制御ユニット60側で接続するカプラ70を備えている。カプラ70は、ユニットケース68の上面に設置されていて、ケーブル80の端部に結合されたカプラ84と着脱可能である。
このように、ケーブル80と電源/制御ユニット60との間の着脱を容易に行うことができるので、電動船外機本体10と電源/制御ユニット60とが容易に分離可能である。したがって、電動船外機本体10と電源/制御ユニット60とを、それぞれ別々に船体1に取り付けたり取り外したりすることができ、電動船外機100の使い勝手が向上する。
管理ユニット88は、例えばコンピュータを備えた端末装置であって、電源/制御ユニット60に接続し、故障の診断を行うことができる。また、管理ユニット88は、制御部65に記憶されているプログラムを操船者の航行に応じたプログラムに書き換えることができる。
電動船外機本体10と電源/制御ユニット60とを別体で構成したことにより、電源/制御ユニット60を自由に配置することができる。本実施形態では、図9Aおよび図9Bに示すように、電動船外機本体10をクランプブラケット41を介して船体1のトランサムボード2に取り付け、電源/制御ユニット60を船体1内に配置することができる。電動船外機本体10がトランサムボード2に取り付けられた状態では、図9Aの平面図に示すように、電動モータ11の前部の一部がトランサムボード2に対して重なっている。なお、本実施形態では、図9Aに示すように、電源/制御ユニット60を船体1の後方左側(ポート側)の船底に配置している。
上述したように電動船外機100が配置された船体1において、操船者は操舵ハンドル45を操縦できる範囲で、船体1の右側後方(スターボード側)に着座し、左手にスロットルグリップ48を握り、体全体または顔を前方に向けて操舵する。
また、電源/制御ユニット60を被水し難くい船体1内に配置することで、電動船外機本体10では防水が必要な部品を電動モータ11のみとすることができる。したがって、電動モータ11自体を水密構造にすることで、電動船外機本体10に防水カバーをする必要がなく、電動モータ11を外部に露出させることができる。したがって、外気が電動モータ11に直接当たり、電動モータ11を駆動させたときに発生する熱を冷却する冷却効率を向上させることができる。また、電動モータ11は、構造が簡略な空冷式を採用することができ、電動船外機本体10の構造の簡略化、小型化および軽量化を図ることができる。
また、電動船外機100では、電動モータ11と制御部65とが信号ケーブル81を介して通信可能に接続されている。したがって、制御部65では、例えば電動モータ11のロータ16の位相の情報を取得することができるので、電動モータ11に三相モータを用いることができる等、使用できる電動モータの形式の幅が広がると共に電動モータ11に対して精度の高い制御を行うことができる。
図10Aおよび図10Bは、電動船外機本体10をチルトアップ操作する前の状態を示す平面図および側面図である。図10Aおよび図10Bに示すように、本実施形態の電動船外機本体10は、スイベルブラケット29の上方には、略扁平形状の電動モータ11が配置されているだけである。したがって、船外機90に比べて、電動船外機本体10は非常に小型である。
逆に、操船者がスロットルグリップ48を中立点から反対方向にツイストすると、モータ制御部67は電動モータ11の回転を逆回転にした上で、開度(スロットル量)に応じて、電動モータ11の回転数を高めることで、スラスト力が上昇する。スロットルグリップ48は、電動モータ11の出力を調整するための操作の他、進行方向を指示する操作も行うことができるので、操縦性を向上させることができる。
また、上述した実施形態では信号ケーブルが有線である場合についてのみ説明したが、この場合に限られず、光通信等の無線であってもよく、信号伝達手段としての機能を有していれば、その形態は限定されない。
図15Aおよび図15Bは、キャリングハンドル30を持って電動船外機本体10を搬送している状態を示し、それぞれ電動モータ11およびドライブシャフトハウジング28が、スイベルブラケット29に対して180°回転した状態を示す図である。上述したようにドライブシャフトハウジング28は、スイベルブラケット29に回動自在に軸支されていることから、ドライブシャフトハウジング28およびドライブシャフトハウジング28に結合されている電動モータ11も回動可能である。このように図15Aまたは図15Bに示す状態の電動船外機本体10であっても、同様に搬送することができる。
なお、ここでは、電動船外機本体10と電源/制御ユニット60とを接続しているケーブル80を電源/制御ユニット60から分離して、電動船外機本体10のみを搬送するものとする。
また、電動船外機本体10の長手方向を略水平状態にして搬送する場合、電動船外機本体10の鉛直方向(図15Aおよび図15Bに示す矢印ve方向)における重心が、スイベルブラケット29、さらにはドライブシャフトに26に近接して位置する。したがって、この鉛直方向における電動船外機本体10の重心近傍にキャリングハンドル30を配置しているので、搬送時において電動船外機本体10の均衡を図ることができ、搬送性を向上させることができる。
なお、上述したキャリングハンドル30は、スイベルブラケット29に一体に形成する場合に限られず、キャリングハンドル30を別体で形成し、スイベルブラケット29に固定してもよい。
まず、第二のキャリングハンドル(以下、キャリングハンドル180という)について説明する。
図16Aに示すキャリングハンドル180は、ゴムや化学繊維等の可撓性があり強度に優れた材質で形成されている。キャリングハンドル180には、キャリングハンドル本体181と、両端に位置する第一の係止部182と、各第一の係止部182からそれぞれ内側に位置する第二の係止部183とを有している。各係止部182、183は、キャリングハンドル本体181の幅よりも幅広に形成されている。一方、スイベルブラケット29には、上下に離間した位置にキャリングハンドル180を挿通させるコ字状のハンドルストッパ185が設けられている。
また、キャリングハンドル180は、スイベルブラケット29の長手方向に沿って格納することができる。具体的には、図16Aに示す状態から、図16Bに示すように、キャリングハンドル180の各第二の係止部183それぞれを、各ハンドルストッパ185内に押し込み、各ハンドルストッパ185の外側に位置させるように移動させる。各第二の係止部183それぞれが各ハンドルストッパ185の外側に位置することで、キャリングハンドル180はスイベルブラケット29の上下方向に沿った、平坦な形状に変形すると共に平坦な形状で保持され、格納された状態となる。
なお、上述したキャリングハンドル180では、第一の係止部182と、第二の係止部183とを有する場合について説明したが、第二の係止部183を省略し、第一の係止部182のみを有していてもよい。
図16A、図16Bおよび図18に示すキャリングハンドル190は、電動モータ11の後方下部に位置し、電動船外機本体10の左右方向に沿って水平に配設されている。具体的には、キャリングハンドル190は、電動モータ11のロアハウジング14の下部に左右方向に離間して設けられた2つのキャリングハンドルブラケット191に懸架された状態で結合されている。搬送者は、キャリングハンドル190を把持する空間に手を入れてキャリングハンドル190を把持することで、電動船外機本体10の長手方向を略水平状態にして搬送することができる。
このように、上述したキャリングハンドルでは、電動船外機を搬送するときに、搬送者が電動船外機本体の重心に近接した位置を持つことができるので、電動船外機本体を搬送するときの電動船外機本体の均衡を図ることができ、電動船外機本体の搬送性を向上させることができる。
Claims (3)
- 電動モータと、前記電動モータの出力を船体の推進する方向の出力に変換するギアが収容されたギアケースとが、上下に離間して配設された電動船外機であって、
前記電動モータと前記ギアケースとの間に、キャリングハンドルが配置されていることを特徴とする電動船外機。 - 前記キャリングハンドルは、前記電動モータの外形と前記ギアケースの外形とを結ぶ外形接線の内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動船外機。
- 前記キャリングハンドルは、格納可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の電動船外機。
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