JP2011212170A - 生分解性使い捨てカイロ - Google Patents

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Abstract

【課題】使用時に内袋が十分な物理的特性(強度)を備えつつ、使用後の生分解性が優れている使い捨てカイロを提供すること。
【解決手段】塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムを配合した発熱性組成物を、酸化分解剤を配合した内袋に収容することによって、使用時に物理的特性(強度)を十分に維持しつ、使用後の生分解性を向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、生分解性使い捨てカイロに関する。より詳細には、使用時に内袋の物理的特性(強度)を十分に維持しつつ、使用後の生分解性が優れている使い捨てカイロに関する。
従来の一般的な使い捨てカイロは、通気性の内袋(収納袋)に、空気の存在下で発熱する発熱性組成物が収容されており、使用時に非通気性の外袋から取り出されて使用されている。使い捨てカイロは、身体の保温具として利便性に優れ、安価に供給されていることもあり、近年では大量に消費されている。使い捨てカイロは、使用後は、埋め立てや焼却によって廃棄処理されている。しかしながら、従来の使い捨てカイロに使用されている内袋は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の石油系プラスチック素材(耐加水分解性素材)で構成されているため、焼却処理すると有毒ガスが発生し、埋め立て処理した場合にも土中で生分解されず、環境に悪影響を及ぼすという問題点があった。
そこで、近年、使い捨てカイロに生分解性を備えさせることにより上記問題点を解決する試みがなされている。従来、使い捨てカイロに生分解性を備えさせる技術として、加水分解による低分子化とそれに伴う微生物分解を経て分解される生分解性プラスチック(即ち、加水分解型生分解性プラスチック)をその内袋に使用することが報告されている。例えば、特許文献1には、セルロース系の天然繊維をキトサンで固着させた不織布と、デンプンを主成分とするフィルムシートを積層させたシート素材を、生分解性使い捨てカイロの内袋として使用する技術が提案されている。また、特許文献2には、ポリ乳酸フィルムと天然繊維の積層体を、生分解性使い捨てカイロの内袋として使用する技術が提案されている。更に、特許文献3では、鉄粉を主成分とし非ナトリウム系塩類を含む発熱性組成物を、生分解性内袋に収容した生分解性使い捨てカイロが提案されている。
一方、使い捨てカイロでは、使用時に、揉みほぐし、折りたたみ等の物理的負荷を受けると共に、発熱による加熱負荷も強いられ、内袋が過酷な環境に晒されるため、内袋には過酷な環境に耐え得る物理的特性(強度)を備えておくが求められている。しかしながら、加水分解型生分解性プラスチックを使用した内袋は、強度が弱く、使い捨てカイロの使用時に次第に脆くなるという欠点がある。このため、従来の報告されている生分解性使い捨てカイロでは、使用時間の経過と共に、使用感が悪化したり、発熱性組成物が漏出し易くなるという問題点があった。
このように、従来の使い捨てカイロでは生分解性と所望の物理的特性(強度)を兼ね備えることができず、生分解性使い捨てカイロは、実際には市場では殆ど流通されていないのが現状である。
一方、近年、プラスチック素材を酸化分解によって低分子化させる酸化分解剤が開発されている(特許文献4)。当該分解剤を配合したプラスチック素材は、埋め立て処理等に供されると、酸化分解によって低分子化され、その後、微生物分解を経て自然分解される。当該分解剤は、強度が高い石油系プラスチック素材(耐加水分解性素材)にも適用できるため、加水分解型生分解性プラスチックを代替する技術として注目されている。但し、埋め立て等で処理される廃棄物は、分解速度を高めて、環境に対する負荷を極力低下することが重要であるが、上記分解剤を配合したプラスチック素材の分解速度を向上させる技術については十分に検討されていない。
特開平6−75436号公報 特開2003−250830号公報 特開2002−301099号公報 特表2002−542313号公報
本発明は、使用時に内袋が十分な物理的特性(強度)を備えつつ、使用後の生分解性が優れている使い捨てカイロを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムを配合した発熱性組成物を、酸化分解剤を配合した内袋に収容した使い捨てカイロは、使用時に物理的特性(強度)を十分に維持しつ、使用後の生分解性を向上できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる使い捨てカイロを提供する。
項1. 塩化カリウム及び塩化ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む発熱性組成物が、酸化分解剤を含む内袋に収容されていることを特徴とする、生分解性使い捨てカイロ。
項2. 内袋が、通気性樹脂フィルムが織布又は不織布に積層されている積層体である、請求項1に記載の生分解性使い捨てカイロ。
項3. 通気性樹脂フィルムを形成する樹脂がポリオレフィンである、項2に記載の生分解性使い捨てカイロ。
項4. 織布又は不織布を形成する繊維素材が、合成繊維である、項2又は3に記載の生分解性使い捨てカイロ。
項5. 発熱性組成物が、塩化カリウム、鉄粉、保水剤、及び水を含むものである、項1乃至4のいずれかに記載の生分解性使い捨てカイロ。
項6. 酸化分解剤が、カルボン酸金属塩、ヒドロキシカルボン酸、遷移金属化合物、希土類化合物、及び芳香族ケトンよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1乃至5のいずれかに記載の生分解性使い捨てカイロ。
項7. 酸化分解剤が、カルボン酸塩及び希土類化合物の組合せである、項1乃至6のいずれかに記載の生分解性使い捨てカイロ。
本発明の生分解性使い捨てカイロでは、酸化分解剤による内袋の分解を、発熱性組成物に含まれる塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムによって特異的に促進することができるので、使用後に埋め立てや山野への廃棄処理等に供しても、迅速に分解し、環境汚染を生じさせることがない。
更に、本発明の生分解性使い捨てカイロによれば、カイロの発熱時に、内袋が脆くなる、内袋から発熱性組成物が漏出する等、使用上の問題を来す物理的特性(強度)の劣化は生じないので、実用的価値も十分に備えている。
試験例1において、使い捨てカイロ(実施例1及び2)について、発熱温度の経時変化を測定した結果を示す。 試験例1において、使い捨てカイロ(実施例1及び2)の内袋について、分解促進率を測定した結果を示す。 参考試験例1において、非発熱性組成物収容製品(参考例1及び2)の内袋について、分解促進率を測定した結果を示す。 比較試験例1において、非発熱性組成物収容製品(参考例3−7)の内袋について、分解促進率を測定した結果を示す。
本発明の生分解性使い捨てカイロは、塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムを含む発熱性組成物を、酸化分解剤を含む内袋に収容していることを特徴とする。以下、本発明の生分解性使い捨てカイロについて詳述する。
発熱性組成物
本発明では、使い捨てカイロの発熱源として、塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムを含む発熱性組成物が使用される。発熱性組成物に含まれる塩化カリウム及び塩化ナトリウムは、後述する酸化分解剤による内袋の分解を特異的に促進させ、本発明の生分解性使い捨てカイロの使用後の生分解特性を向上させる作用を発揮する。更に、塩化カリウム及び塩化ナトリウムは、発熱性組成物中の鉄粉の表面を活性化させて、鉄の酸化反応を促進させる作用も発揮する。特に、塩化カリウムは、酸化分解剤による内袋の分解を特異的に促進させる作用が顕著に高く、本発明において好適に使用される。
本発明では、塩化カリウム又は塩化ナトリウムのいずれか一方を単独で使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。
本発明において、発熱性組成物中の塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムの配合割合としては、特に制限されるものではないが、例えば、発熱性組成物の総質量当たり、0.5〜10質量%程度、好ましくは0.5〜5質量%程度、更に好ましくは0.5〜3質量%程度が挙げられる。
また、本発明の使い捨てカイロの生分解性を一層向上させるために、発熱性組成物中の塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウムは、内袋に含まれる酸化分解剤100質量部に対して、例えば4〜2800質量部程度、好ましくは10〜2600質量部程度、更に好ましくは50〜24000質量部程度を充足することが望ましい。
本発明において、発熱性組成物とは、空気と接触することにより発熱するものであり、塩化カリウム以外に当該発熱に必要とされる成分が含まれる。当該発熱に必要とされる成分については、特に制限されないが、本発明に使用される発熱性組成物の好適な一例として、塩化カリウム及び塩化ナトリウムよりなる群から選択される少なくとも1種、鉄粉、保水剤、並びに水を含む組成物が挙げられる。
上記発熱性組成物において、塩化カリウム及び/又は塩化ナトリウム、鉄粉、保水剤、並びに水の合計質量は、80〜100質量%程度が好ましい。
鉄粉は、空気中の酸素と反応することにより発熱する作用を有している。前記発熱性組成物に使用される鉄粉としては、還元鉄、鋳鉄等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
鉄粉の形状については、特に制限されず、粒状、繊維状等のいずれであってもよい。
粒状の鉄粉の粒径は、特に制限されないが、通常10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度の範囲内を充足することが望ましい。なお、鉄粉の上記粒径は、測定対象となる試料(鉄粉等)100gを、700μm、650μm、500μm、400μm、300μm、250μm、100μm、50μm、10μmの篩を上から順に設けた電動振動篩機にかけ、15分間振動させた後、各篩に残った量及び通過した量を測定することにより算出できる。例えば、粒径が10〜300μmの鉄粉を使用する場合には、300μmの篩は全て通過し、且つ10〜250μmのいずれか又は全ての篩上に残る鉄粉を用いればよい。
上記発熱性組成物における鉄粉の配合割合としては、特に制限されるものではないが、例えば、発熱性組成物の総質量当たり、30〜80質量%程度、好ましくは45〜65質量%程度が挙げられる。
保水剤とは、水を保持する機能を有する物質である。前記発熱性組成物に使用される保水剤としては、特に制限されないが、例えば多孔質物質、吸水性樹脂等が挙げられる。
保水剤として使用される多孔質物質としては、具体的には、活性炭、木粉、パーライト、バーミキュライト、ヒル石等が挙げられる。
活性炭は、表面の微孔に空気を取り込んで酸素の供給を促したり、熱を保って放熱温度がばらつかないように保温することができる。活性炭は内部構造が非常に多孔性であり、そのため特に良好な水保持能を与える。さらに、活性炭は水を良く吸収するのみならず、発熱性組成物の熱の発生により蒸発される水蒸気も吸収し、水蒸気の逃げの防止を助ける。従って、活性炭は水保持物質としても役立つことができる。更に、活性炭は鉄粉の酸化により生ずる臭いも吸収することができる。前記活性炭としては、例えば、ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭等から調製された活性炭を好適に使用できる。前記活性炭の形状としては、粒状、繊維状等が挙げられる。これらの形状の活性炭を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。特に、本発明では、粒状の活性炭を使用することが好ましい。粒状の活性炭を使用する場合、その粒径は、10〜300μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好ましい。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。
上記多孔質物質の中でも、好ましくは、活性炭、ヒル石、バーミキュライトであり、更に好ましくは活性炭及びヒル石、特に好ましくは活性炭である。これらの多孔質物質は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、保水剤として使用される吸水性樹脂としては、具体的には、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール−アクリル酸共重合体、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体、ポリアクリル酸塩架橋物、アクリル酸塩−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体、ポリアクリルニトリル酸塩架橋物等が挙げられる。これらの吸水性樹脂の中でも、好適なものとして、ポリアクリル酸塩架橋物が挙げられる。これらの吸水性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。吸水性樹脂の粒径は、通常100〜500μm程度、好ましくは250〜400μm程度である。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。
上記発熱性組成物において、保水剤は、多孔質物質及び吸水性樹脂のいずれか一方を使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。発熱性組成物に使用される保水剤として、好ましくは、多孔質物質、多孔質物質と吸水性樹脂の組合せ;更に好ましくは活性炭、活性炭と他の多孔質物質(活性炭以外の多孔質物質)と吸水性樹脂の組合せ;より好ましくは活性炭とヒル石とポリアクリル酸塩架橋物の組合せが例示される。
上記発熱性組成物における保水剤の配合割合としては、特に制限されるものではないが、例えば、発熱性組成物の総質量当たり、2〜30質量%程度、好ましくは5〜20質量%程度が挙げられる。より具体的には、保水剤として、多孔質物質を単独で使用する場合であれば、発熱性組成物の総質量当たり、10〜30質量%程度、好ましくは10〜20質量%程度が挙げられる。また、保水剤として、吸水性樹脂を単独で使用する場合であれば、発熱性組成物の総質量当たり、2〜10質量%程度、好ましくは2〜7質量%程度が挙げられる。更に、保水剤として、多孔質物質と吸水性樹脂を組み合わせて使用する場合であれば、発熱性組成物の総質量当たり、多孔質物質5〜20質量%及び吸水性樹脂1〜10質量%、好ましくは多孔質物質7〜20質量%及び吸水性樹脂1〜5質量%が挙げられる。特に、保水剤として、活性炭と他の多孔質物質と吸水性樹脂の組合せを使用する場合であれば、発熱性組成物の総質量当たり、活性炭3〜20質量%、他の多孔質物質1〜10質量%、及び吸水性樹脂1〜10質量%、好ましくは活性炭5〜15質量%、他の多孔質物質1〜5質量%、及び吸水性樹脂1〜5質量%が挙げられる。
上記発熱性組成物に配合される水としては、例えば、蒸留水、水道水等を使用できる。上記発熱性組成物における水の配合割合としては、特に制限されるものではないが、例えば、発熱性組成物の総質量当たり、1〜40質量%程度、好ましくは20〜30質量%程度が挙げられる。
また、上記発熱性組成物には、前述する成分の他に、必要に応じて、発熱性組成物に配合可能な他の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、塩化カリウム又は塩化ナトリウム以外の金属塩が挙げられる。塩化カリウム又は塩化ナトリウム以外の金属塩の具体例としては、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;塩化第二銅、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マンガン、塩化マグネシウム、塩化第一銅等の塩化物等が例示される。
上記発熱性組成物は、各配合成分を混合することによって調製される。上記発熱性組成物の調製は、調製時の発熱を抑制するために、必要に応じて、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。上記発熱性組成物は、例えば、米国特許第4,649,895号に記載された方法に従って混合し、調製することができる。
内袋
本発明では、上記発熱性組成物を収容する内袋として、酸化分解剤を含む内袋が使用される。
内袋は、通気性を有し、且つ発熱性組成物を収容できる限り、特に制限されないが、収容した発熱性組成物の漏出を抑制し、更には使い捨てカイロの使用感を良好にするために、通気性樹脂フィルムが織布又は不織布に積層されている積層体が好適である。ここで、内袋として、当該積層体を使用する場合、通気性樹脂フィルムがカイロの内側(発熱性組成物と接する側)、織布又は不織布はカイロの外側(外界と接する側)に配置される。
上記積層体に使用される通気性樹脂フィルムを形成する樹脂としては、特に制限されるものではないが、好適には熱可塑性合成樹脂が使用される。通気性樹脂フィルムを構成する熱可塑性合成樹脂としては、具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート等が例示される。これらの熱可塑性樹脂の中でも、使用時に強度を維持し、使用後に優れた生分解性を備えさせるという観点から、好ましくはポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド等の加水分解耐性を備える樹脂;更に好ましくはポリオレフィン;より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン;特に好ましくはポリエチレンが挙げられる。これらの熱可塑性合成樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
通気性樹脂フィルムでは、空気を通すための細孔が設けられることによって、通気性が確保される。当該細孔は、収容される発熱性組成物を通さない程度であることが望ましい。樹脂フィルムに細孔を設ける方法についても公知であり、例えば、樹脂フィルムを円盤状の工具網の円周上に刃を設けた回転刃を並べたロールに通し細孔を形成する方法;炭酸カルシウム等の無機質充填剤を含んだ樹脂シートを延伸し、延伸された樹脂フィルムに細孔を形成させる方法等が例示される。
また、上記通気性樹脂フィルムと積層される織布又は不織布を形成する繊維素材としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル等の合成繊維;綿、麻、絹等の天然繊維等が挙げられる。これらの繊維素材の中でも、使用感、及び使用後の生分解性を共に良好に備えさせるという観点から、好ましくはポリオレフィン;更に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン;特に好ましくはポリプロピレンが挙げられる。織布又は不織布の目付けは好ましくは20〜100g/m2程度である。
通気性樹脂フィルムと織布又は不織布を積層させるには、通常はラミネート法によって行うことができる。ラミネート法は従来公知の任意の方法を適用することができる。例えば、熱接合により積層する方法、ホットメルト接着剤、アクリル系接着剤、又はウレタン系接着剤等の接着剤で積層する方法が挙げられる。また、内袋に使用される積層体は、通気性樹脂フィルムと織布又は不織布が、全面的に接合されていてもよく、また柔軟性を確保するために部分的に接合されていてもよい。
本発明で使用される内袋には、酸化分解剤(化学分解剤と称されることもある)が含まれる。このように酸化分解剤が含まることにより、内袋が自然分解できない素材で構成されていても、使用後に当該素材を酸化分解して低分化でき、微生物分解に供することが可能になる。更に、本発明の使い捨てカイロにおいて、内袋に含まれる酸化分解剤と発熱性組成物に含まれる塩化カリウムが共存することにより、使用後の内袋の分解速度が著しく向上されている。
本発明において、酸化分解剤は内袋に含まれている限り、その包含態様についても特に制限されない。例えば、内袋が通気性樹脂フィルムと織布又は不織布の積層体である場合には、通気性樹脂フィルムと、織布又は不織布の積層体の少なくともいずれか一方に含まれていればよいが、使用後の生分解性を一層高めるという観点から、通気性樹脂フィルムと、織布又は不織布の積層体の双方に含まれていることが望ましい。
本発明において、酸化分解剤とは、内袋を形成するポリマーを酸化分解して、微生物分解が可能な程度に当該ポリマーを低分子化する物質である。
酸化分解剤は、当該技術分野で公知である(例えば、米国特許第3,840,512号、第3,994,855号、第4,101,720号、第4,156,666号、第4,256,851号、第4,360,60号、第4,461,853号、4,476,255号、第4,517,318号、第4,931,488号、第4,983,645号、第5,096,939号、第5,308,906号、第5,565,503号、第5,854,304号;WO88/09354号、WO92/11298号、WO94/13735号、WO00/59996号等)。酸化分解剤の好適な一例としては、例えば、カルボン酸金属塩、ヒドロキシカルボン酸;遷移金属化合物(米国特許第5,308,906号)、希土類化合物、芳香族ケトン等が例示される。また、酸化分解剤として、カルボン酸金属塩とヒドロキシカルボン酸の組合せ(米国特許第5,854,304号)、カルボン酸金属塩と充填剤の組合せ(米国特許第5,565,503号)等を使用してもよい。本発明では、これらの酸化分解剤を1種単独で使用してもよく、又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
酸化分解剤として使用されるカルボン酸金属塩の好適な例としては、例えば、炭素数10〜20の脂肪族カルボン酸の金属塩、好ましくはステアリン酸金属塩が例示される。カルボン酸金属塩を構成する金属原子としては、例えば、コバルト、セリウム、鉄、アルミニウム、アンチモン、バリウム、ビスマス、カドミウム、クロミウム、銅、ガリウム、ランタン、鉛、リチウム、マグネシウム、水銀、モリブデン、ニッケル、カルシウム、希土類、銀、ナトリウム、ストロンチウム、錫、タングステン、バナジウム、イットリウム、亜鉛、ジルコニウム等が例示される。酸化分解剤として使用されるカルボン酸金属塩として、好ましくは、コバルト、セリウム、及び鉄等の金属のステアリン酸塩が挙げられる。
酸化分解剤として使用されるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸等のモノヒドロキシトリカルボン酸;トリヒドロキシグルタル酸、サッカリン酸等のポリヒドロキシジカルボン酸;酒石酸等のジヒドロキシジカルボン酸;タルトロン酸、リンゴ酸等のモノヒドロキシジカルボン酸;erythric acid、アラビン酸、mannitic acid等のポリヒドロキシモノカルボン酸;グリオキシル酸、グリセリン酸等のジヒドロキシモノカルボン酸等が例示される。これらのヒドロキシカルボン酸は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
酸化分解剤の一成分として使用される充填剤としては、例えば、無機炭酸塩、合成カーボネート、霞石閃長岩、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、珪藻土、天然又は合成シリカ、焼成クレー等が例示される。これらの充填剤は、150メッシュ未満の粒径を備えていることが望ましい。これらの充填剤は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
酸化分解剤として使用される遷移金属化合物としては、具体的には、コバルト又はマグネシウムの塩、好ましくはコバルト又はマグネシウムの脂肪族カルボン酸(炭素数12〜20)塩、更に好ましくはステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウムが挙げられる。これらの遷移金属化合物は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
酸化分解剤として使用される希土類化合物としては、例えば、周期率表3A族に属する希土類、又はその酸化物が挙げられ、より具体的には、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)、希土類の酸化物、水酸化物、希土類の硫酸塩、希土類の硝酸塩、希土類の酢酸塩、希土類の塩化物、希土類のカルボン酸塩等が例示され、具体的には、酸化セリウム、硫酸第二セリウム、硫酸第二セリウムアンモニウム、硝酸第二セリウムアンモニウム、酢酸セリウム、硝酸ランタン、塩化セリウム、硝酸セリウム、水酸化セリウム、オクチル酸セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化スカンジウム等が挙げられる。これらの希土類化合物は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
酸化分解剤として使用される芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、アセチルベンゾフェノン、4−オクチルベンゾフェノン等が例示される。これらの芳香族ケトンは、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の生分解性使い捨てカイロにおいて、使用後の生分解性を一層促進させるとの観点から、酸化分解剤として、カルボン酸塩及び希土類化合物の組合せが好適に使用される。また、本発明に使用される酸化分解剤の好適な一例として、商品名「P-life」(ピーライフ・ジャパン・インク株式会社製)が挙げられる。
酸化分解剤は、一般的に、光、熱、空気等の作用下で、樹脂成型体を形成するポリマーを酸化分解して、微生物分解が可能な程度に当該ポリマーを低分子化するが、本発明では、酸化分解剤の中でも、光(紫外線)曝露によってポリマーの酸化分解作用を発揮する酸化分解剤(以下、光要求性酸化分解剤)が好適に使用される。光要求性酸化分解剤を含む内袋は、遮光条件下では分解されないため、製造時、流通値、保存時等の使用前段階では遮光雰囲気(遮光空間、遮光容器、遮光袋等)で保管することにより、使用時まで耐久性の劣化を招くことなく、内袋としての所望の機能を保持させることが可能になる。このような光要求性酸化分解剤としては、例えば、希土類化合物を含む酸化分解剤が挙げられ、より具体的には商品名「P-life」(ピーライフ・ジャパン・インク株式会社製)が例示される。
本発明において、内袋に配合される酸化分解剤の配合割合については、使用する酸化分解剤の種類、内袋の構成素材の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、内袋の総重量に対して、0.48〜3.8質量%、好ましくは0.72〜3.1質量%、更に好ましくは0.96〜2.4質量%が例示される。
また、より具体的には、内袋として通気性樹脂フィルムが織布又は不織布の積層体を使用する場合であれば、通気性樹脂フィルムの総重量に対して、酸化分解剤が0.4〜3質量%、好ましくは0.6〜2.5質量%、更に好ましくは0.8〜2質量%;及び、織布又は不織布の総重量に対して、酸化分解剤が0.08〜0.8質量%、好ましくは0.12〜0.6質量%、更に好ましくは0.16〜0.4質量%が例示される。
酸化分解剤を含む内袋は、公知の方法で製造できる。例えば、以下の点順の製造方法が例示される:(1)内袋を形成するポリマーの溶融液に所定量の酸化分解剤を添加し、当該溶解液をペレット状に成型する、(2)次いで、ペレット状成型体を溶融して、内袋を形成する素材の形状(繊維状、フィルム状等)に成型する、(3)繊維状、フィルム状等に成型された素材を、内袋形状に加工する。
生分解性使い捨てカイロ
本発明の生分解性使い捨てカイロは、上記発熱性組成物を上記内袋の内部に含ませた状態で、内袋の端部を接着して密封することによって調製される。
斯くして調製された使い捨てカイロは、空気を透過させない外袋(好ましくは遮光性)によって気密状態で包装された状態で提供され、使用に当たり、当該外袋から内袋を取り出すことによってカイロとして使用される。
本発明の生分解性使い捨てカイロは、その廃棄処理方法については、制限されないが、優れた生分解性を備えるという特筆すべき特性を備えているため、埋め立て処理に供されることが望ましい。発明の生分解性使い捨てカイロは、使用後に、埋め立てや山野に廃棄処理されると、内袋が酸化分解を経て微生物分解される。発明の生分解性使い捨てカイロが最終的に分解されるまでの期間は、廃棄された環境によって変動するが、通常0.5〜3年程度で、内袋が視認できなくなる程度にまで分解される。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において使用した酸化分解剤含有物(酸化分解剤を80〜90%含有)は、商品名「P-life」(ピーライフ・ジャパン・インク株式会社製;脂肪族モノカルボン酸50〜70重量%、希土類化合物10〜20重量%、潤滑剤10〜20%含有)である。
実施例1:使い捨てカイロの調製
1.発熱性組成物の調製
平均粒径50μmの鉄粉55質量%、平均粒径200μmの活性炭13質量%、塩化カリウム1質量%、水26質量%、粒径100μmのヒル石3質量%、及び粒径380μmのアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物2質量%を混合することにより発熱性組成物を調製した。
2.内袋素材の調製
ポリエチレン98質量%及び酸化分解剤含有物2質量%を含む樹脂シートを円盤状の工具網の円周上に刃を設けた回転刃を並べたロールに通し、JIS P 8117-1998「紙及び板紙-透気度試験方法-ガーレー試験機法」に従って測定された値が13.5〜14.5秒/100ccとなる程度の細孔が形成された通気性樹脂フィルム(厚み40μm)を調製した。また、別途、ポリプロピレン99.75質量%及び酸化分解剤含有物0.25質量%を含む合成繊維を用いて、スパンボンド法にて不織布(目付け25g/m2)を調製した。
上記通気性樹脂フィルムに、上記不織布をラミネートすることにより、縦9.5cm、横120cmの積層体(内袋;通気性生分解性樹脂フィルム0.7gと生分解性不織布0.3gの積層体)1gを調製した。
3.使い捨てカイロの調製
上記で調製した積層体に上記で調製した発熱性組成物を3方シールにて封入した。具体的には、上記で調製した積層体を2枚に折り、その外側から約7mmの部分を130℃で熱圧着して接着させた。また、上下開いている1端を同様に外側から約7mmの部分を130℃で熱圧着して接着させた。次いで、接着されていない1辺の内袋部分から、上記で調製した発熱性組成物20gを入れた後、接着されていない1辺を外側から約7mmの部分で130℃で熱圧着して接着することにより、発熱性組成物を内袋に収容し、使い捨てカイロを調製した。次いで、調製された使い捨てカイロを素早く、ポリ塩化ビニリデンコートフィルムからなる外袋(空気非透過性且つ遮光性)に入れて、外袋を密封した。以下の試験例では、試験開始時に、外袋から使い捨てカイロ取り出して使用した。
実施例2:使い捨てカイロの調製
塩化カリウム1質量%の代わりに塩化ナトリウム1質量%を使用すること以外は、上記実施例1と同じ条件で、使い捨てカイロを調製した。
試験例1:使い捨てカイロの分解性及び発熱性の評価
実施例1及び2の使い捨てカイロを外袋から取り出し、発熱が終了するまで、室温で24時間放置した。その後、発熱が終了した使い捨てカイロを50℃の恒温槽に入れて、12日間保存した。
発熱終了直後、50℃で3日後、6日後、及び12日保存後に、使い捨てカイロを解体して、発熱性組成物を取り出し、穿孔していない内袋部分を2×7cmにカットして、引張試験機(AGS-H、島津製作所製)にてMD方向に引っ張り、引張強度を測定した。また、コントロールとして、発熱性組成物を収容していない内袋のみを用いて、上記と同条件で保存を行った後に、引張強度の測定を行った。次いで、下記の算出式に従って、実施例1及び2で使用された内袋の分解促進率を測定した。なお、内袋の分解率が高くなる程、引張強度が低下するため、当該技術分野で引張強度は、内袋の分解の程度を評価するために一般的に用いられている指標である。
Figure 2011212170
更に、実施例1及び2の使い捨てカイロについて、JIS S 4100「使い捨てカイロ」の測温方法を用いて発熱温度の経時変化を測定した。具体的には、先ず、温熱器と循環式恒温水槽からなる温熱装置を用い、その温熱部に下敷材及び被覆材を重ねて温熱部表面を30℃に昇温させ±1℃に保持した。次に、20℃±1℃、相対湿度55〜70%の雰囲気の恒温恒湿室に、外袋に収容した状態の使い捨てカイロを2時間以上放置した後に、外袋から使い捨てカイロを取り出して、使い捨てカイロの発熱を開始させ発熱性組成物を内袋内の一端にできるだけ片寄せ、下敷材、検温部、使い捨てカイロ、被覆材の順に積み重ねてた状態にし、上記雰囲気の恒温恒湿室に静置し、使い捨てカイロの発熱温度の経時変化を測定した。
実施例1及び2の使い捨てカイロについて、発熱温度の経時変化を測定した結果を図1に示す。また、実施例1及び2の使い捨てカイロの内袋について、分解促進率を測定した結果を図2に示す。
図1から明らかなように、使い捨てカイロの発熱特性は、実施例1及び2では差が認められなかった。また、実施例1及び2の使い捨てカイロの内袋では、分解速度が、コントロールとして評価した内袋に比べて、格段に早まっていた。更に、発熱性組成物中に塩化カリウムを含む使い捨てカイロ(実施例1)は、塩化ナトリウムを含む場合(実施例2)に比べて、内袋の分解促進率が顕著に高く、優れた生分解性を備えていることが確認された。なお、実施例1及び2の使い捨てカイロの内袋は、発熱終了後でも、脆さ、発熱性組成物の漏出等、使用上の問題を来す強度の低下は認められず、カイロに備えられるべき物理的特性は維持できていた。
参考試験例1:非発熱性組成物を収容した製品の分解性の評価−1
平均粒径200μmの活性炭28.9質量%、塩化カリウム2.2質量%、水57.8質量%、粒径100μmのヒル石6.7質量%、及び粒径380μmのアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物4.4質量%を混合することにより非発熱性組成物を調製した。得られた非発熱性組成物20gを、上記実施例1で使用した内袋に収容することにより、非発熱性組成物収容製品(参考例1)を調製した。
また、別途、塩化カリウム2.2質量%の代わりに塩化ナトリウム2.2質量%を使用すること以外は、上記参考例1と同じ条件で、非発熱性組成物収容製品(参考例2)を調製した。
これらの非発熱性組成物収容製品を50℃の恒温槽内で3日間保存し、保存1日後と保存3日後に、上記試験例1と同じ方法で、内袋の分解促進率を測定した。
得られた結果を図3に示す。この結果から、上記試験例1と同様に、塩化カリウム又は塩化ナトリウムを含む製品(参考例1及び2)では、内袋の分解速度が格段に早まっていた。特に、塩化カリウムを含む製品(参考例1)では、塩化ナトリウムを含む場合(参考例2)に比べて、内袋の分解促進率が顕著に高い値を示した。本試験に供した非発熱性組成物収容製品は、鉄粉を含んでいないため、空気と接触しても発熱することはないことを考慮すると、酸化分解剤を含む内袋の分解が、塩化カリウム又は塩化ナトリウムとの共存によって促進される事象は、温度には大きく影響されないことが確認された。
参考試験例2:非発熱性組成物を収容した製品の分解性の評価−2
塩化カリウム2.2質量%の代わりに、リン酸二水素カリウム2.2質量%(参考例3)、硫酸マグネシウム2.2質量%(参考例4)、硫酸マンガン2.2質量%(参考例5)、硫酸カリウム2.2質量%(参考例6)、又は硫酸ナトリウム2.2質量%(参考例7)を使用すること以外は、上記参考例1と同じ条件で、非発熱性組成物収容製品を調製した。
上記参考例3−7の非発熱性組成物収容製品を50℃の恒温槽内で1日間保存した後に、上記試験例1と同じ方法で、内袋の分解促進率を測定した。
得られた結果を図4に示す。この結果から、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸カリウム、又は硫酸ナトリウムを含む製品(参考例3−7)では、内袋の分解は全く促進できていなかった。この結果から、上記実施例1−2及び参考例1−2で認められた内袋の分解促進効果は、金属塩の中でも、塩化カルシウム及び/又は塩化ナトリウムを配合し、これを酸化分解剤と組み合わせた場合に認められる特有のものであることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 塩化カリウム及び塩化ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む発熱性組成物が、酸化分解剤を含む内袋に収容されていることを特徴とする、生分解性使い捨てカイロ。
  2. 内袋が、通気性樹脂フィルムが織布又は不織布に積層されている積層体である、請求項1に記載の生分解性使い捨てカイロ。
  3. 通気性樹脂フィルムを形成する樹脂がポリオレフィンである、請求項2に記載の生分解性使い捨てカイロ。
  4. 織布又は不織布を形成する繊維素材が、合成繊維である、請求項2又は3に記載の生分解性使い捨てカイロ。
  5. 発熱性組成物が、塩化カリウム、鉄粉、保水剤、及び水を含むものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の生分解性使い捨てカイロ。
  6. 酸化分解剤が、カルボン酸金属塩、ヒドロキシカルボン酸、遷移金属化合物、希土類化合物、及び芳香族ケトンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1乃至5のいずれかに記載の生分解性使い捨てカイロ。
  7. 酸化分解剤が、カルボン酸塩及び希土類化合物の組合せである、請求項1乃至6のいずれかに記載の生分解性使い捨てカイロ。
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