図1は、本発明の実施の形態における遊技機、演出方法および演出プログラムを適用して構成した遊技機の装置構成を示す図の一例である。
この遊技機1の側面には台間機が設置され、台間機に投入された有価貨幣に応じた数量の遊技媒体、例えば遊技玉が貸与され、操作ハンドル3を遊技者により回動されると、操作ハンドル3内部に設けられたタッチセンサ3bがこれを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。
この発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。
そして、操作ハンドル3が回動された回転角度に応じた電圧が、遊技玉発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。電圧が印加された発射用ソレノイド4aでは、印加電圧に応じて操作ハンドル3に直結しているギアを回転させ、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。
これによって、貸与された遊技玉が遊技領域6に向けて発射される。
遊技玉が発射されて送られた遊技領域6は、遊技盤2に設けられており、この遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。
遊技領域6に発射された遊技玉は、レール5a、5b間の搬送路を上昇移動して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6には、複数の釘や風車が設けられており、遊技玉はこれらの障害物に当たりながら予測不能に落下することとなる。
また、この遊技領域6には、複数の一般入賞口7が設けられている。
各一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aがそれぞれ設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技玉の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技玉)が追加貸与される。
さらに、遊技領域6内の一般入賞口7の上方には、普通図柄ゲート8が遊技玉を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技玉の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技玉の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
また、第1始動口9の真下には、第2始動口10が設けられている。
この第2始動口10の入り口部分には、一対の可動片10bが設けられており、これら一対の可動片10bが第2始動口10を塞いでいる閉状態にある第1の態様と、この一対の可動片10bが第2始動口10への遊技玉の流入をガイドする開状態にある第2の態様となるように可動制御されている。
なお、第2始動口10が第1の態様にあるときには、当該第2始動口10の真上に位置する第1始動口9が障害物となって、遊技玉の受入れを不可能または困難としている。その一方で、第2始動口10が第2の態様にあるときには、一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技玉の入球が容易となる。
この第1始動口9および第2始動口10には、遊技玉の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9aおよび第2始動口検出スイッチ10aがそれぞれ設けられており、これらの検出スイッチが遊技玉の入球を検出すると、後述する特別遊技(当たり遊技)を実行する権利獲得の抽選(以下、「当たりの抽選」ともいう)が行われるほか、所定の賞球(例えば3個の遊技玉)が追加貸与される。
さらに、第2始動口10のさらに下方には、大入賞口11が設けられている。
この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技玉の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉11bが開放されて開状態に維持されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技玉を大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技玉が大入賞口11に入球可能となる。
この大入賞口11には、大入賞口検出スイッチ11aが設けられており、大入賞口開閉扉11bにガイドされて遊技玉が入球するとこれを検知し、あらかじめ設定されている賞球(例えば9個の遊技玉)が追加貸与される。
この大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、および大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技玉を遊技領域6から排出するための排出口12が設けられている。
また、遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる液晶表示装置13が設けられており、この液晶表示装置13の右側面には、演出用役物装置14、15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
液晶表示装置13は、遊技が行われていない待機中に当該遊技を紹介する画像を表示したり、遊技中には遊技の進行に応じた演出画像を表示したりする。
なかでも、第1始動口9または第2始動口10に遊技玉が入球したときには、上記に示すような権利獲得の抽選が行われて得た抽選結果を遊技者に報知する「演出図柄30」を演出画像として変動表示する。
この演出図柄30は、例えば3つの数字若しくは文字からなる図柄をそれぞれ上下方向にスクロール回転させて表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロール回転を停止させて図柄を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄の組み合わせによる抽選結果が遊技者に報知する。
この演出図柄30の変動表示中には、さまざまな画像やキャラクター画像等の演出画像を表示すること若しくは演出用役物装置14、15により所定の演出を行うことによって大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えている。
また、演出用照明装置16は、複数の照明装置であるライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色、濃淡を変更しながらさまざまな演出を行う。
さらに、この液晶表示装置13には、表示された演出図柄30やキャラクター画像などの演出画像のほか、所定の操作が遊技者によって行われることにより予め登録された登録情報を表示することができる。
例えば、後述する演出ボタン17を押下することによって、登録情報として、液晶表示装置13に表示された演出図柄30やキャラクター画像などの演出画像における遊技状態に応じた任意の遊技情報を表示することができる。
演出ボタン17には、遊技者による押下操作を検知する演出ボタン検出スイッチ17aが設けられており、例えば液晶表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示された状態で遊技者が当該演出ボタン17を押下すると、さらなる演出が実行され得る。
さらに、この演出ボタン17は、任意のタイミングで押下することができ、上記の演出ボタン17を操作するようなメッセージが液晶表示装置13に表示された場合以外に遊技者による押下操作を演出ボタン検出スイッチ17aが検出すると、その押下時における演出状態に応じた演出画像に変更されてその演出状態に応じた遊技に関する遊技情報が演出画像とともに表示される。詳細については以下で説明する。
さらに、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18が設けられており、各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技玉が入球したことを契機として行われた当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、当たりの抽選結果に対応する特別の図柄(以下、「特別図柄」という)が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口9に遊技玉が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10に遊技玉が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技玉が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。
なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技玉が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9または第2始動口10に遊技玉が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。
すなわち、第1始動口9に遊技玉が入球して留保される大当たりの抽選の権利は「第1保留」として留保され、第2始動口10に遊技玉が入球して保留される大当たりの抽選の権利は「第2保留」として留保される。
これら「第1保留」、「第2保留」は、それぞれ上限留保個数を4個に設定されており、その留保個数は、第1保留として保留された権利は第1特別図柄保留表示器22に表示され、第2保留として保留された権利は第2特別図柄保留表示器23に表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器23においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、第1特別図柄保留表示器22および第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(図示せず)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
図2は、図1に示す遊技機1の裏面からみた構成を示した斜視図を示している。
この図2に示すように、ガラス枠110は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠(前枠)100に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠(前枠)100から開放させる方向に回動可能とされている。
ガラス枠110は、ガラス板とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠(前枠)100の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠(前枠)100に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。
また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠(前枠)100から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33(図3参照)も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に電力を給電するための電源プラグ50や、図示しない電源スイッチが設けられている。
図3は、本発明の実施の形態における遊技機、遊技態様切換方法および遊技態様切換プログラムを適用して構成した遊技機の機能構成を示すブロック図である。
図3において、主制御基板101は遊技の基本動作を制御する装置である。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。
メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマーからの入力信号にもとづいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板101には、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第1大入賞口検出スイッチ11a、第2大入賞口検出スイッチ90aが接続されており、遊技玉の検出信号が入力される。
また、この主制御基板101には、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cとが接続されているほか、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20と普通図柄表示装置21と、保留表示器を構成する第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23と普通図柄保留表示器24とが接続されており、これらに対して各種信号を出力する。
さらに、この主制御基板101は、複数の遊技機を1グループとして「島」を形成した各「島」をコントロールする島コントローラ装置や各「島」の島コントローラ装置を管理するターミナルコントローラ装置に対して自遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を情報出力端子板108に出力する。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、メインROM101bには、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル、高確率遊技状態を終了するか否かを判定するための転落判定テーブル特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄にもとづいて遊技状態変更フラグを決定する決定テーブル、遊技状態変更フラグと遊技状態バッファにあるデータとにもとづいて遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、長当たり用開放態様決定テーブル、短当たり用開放態様決定テーブル、小当たり用の開放態様決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数記憶領域、第2特別図柄保留数記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数記憶領域、ラウンド遊技回数記憶領域、開放回数記憶領域、大入賞口入球数記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。
そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、電源プラグ50を介して遊技機に電力を給電するものであり、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、又は、上記演出ボタン検出スイッチ17a、タイマーからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータをランプ制御基板104又は画像制御基板105に送信する。
サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブル等が記憶されている。
例えば、サブROM102bには、主制御基板101から受信した変動パターン指定コマンドにもとづいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、当該変動演出パターン決定テーブルは、本実施形態のテーブルのうち特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。例えば、サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域等が設けられている。なお、これらの記憶領域は、本実施形態の記憶領域のうち特徴的な記憶領域を一例として列挙しているに過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機1に電源が供給されているときには遊技機1からの電源によって動作し、遊技機1の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板102上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
また、RTC102dを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するサブRAM102cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを用いて構成される遊技態様切換部400をさらに具備し、遊技者に提供する遊技態様(以下、「遊技モード」という)の切り換え処理を行う。
遊技モードは、遊技者に提供する遊技の態様であって、その態様として遊技を遊技者に提供するに際してその遊技の補助を行う「補助遊技モード」(以下、「初心者遊技モード」ともいう)、遊技の補助を必要としない「通常遊技モード」とがある。
これらの遊技態様の切り換えを行う遊技態様切換部400の詳細な機能構成を図4および図5を用いて以下で説明する。
次に、払出制御基板103は、遊技玉の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。
この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技玉が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマーからの入力信号にもとづいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
また、払出制御基板103の出力側には、遊技玉の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドにもとづいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技玉貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているかを確認し、遊技玉貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技玉を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号及び発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技玉を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるので約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技玉は約0.6秒毎に発射されることになる。
ランプ制御基板104は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりするための、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えている。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータにもとづいて、上記各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に液晶表示装置13を接続している。
この画像制御基板105では、液晶表示装置13に表示される演出図柄や背景画像等の演出画像のほか、識別画像を画像ROMに格納し、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて画像CPUが所定のプログラムを読み出すとともに、所定の演出画像を画像ROMからVRAMに読み出して液晶表示装置13における表示制御をする。
なお、画像CPUは、液晶表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクター画像表示処理などの各種画像処理を実行し、これらの処理による背景画像、演出図柄画像、キャラクター画像からなる演出画像は、液晶表示装置13の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。
このとき、同一位置に背景画像、図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各演出画像のZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
なお、識別画像とは、第四図柄とも称され、演出図柄である数字(飾り図柄や色図柄)(第一特別図柄、第二特別図柄、第三特別図柄)等が変動した状態にあることを表示する画像(図柄)であってその変動状態に応じて可変表示される。例えば、変動状態に応じて色分けして表示される。
この識別画像は、演出図柄等の演出画像を表示することができない場合においても遊技者に対して変動中であることを示しており、演出画像より上位階層の最前面に表示し、遊技者は演出図柄が表示されていない状態でもこの識別画像を参照することにより常に変動中であることを認識することができる。
図4は、本発明の実施の形態における遊技機、遊技態様切換方法および遊技態様切換プログラムを適用して構成される遊技態様切換部の詳細な構成を示すブロック図である。
図4において、遊技態様切換部400は、受信部401、操作レベル判別制御部402、演出制御部403、遊技モード設定保持部404、遊技モード切換部405、切換回数制限処理部406、切換制限回数記憶部407、切換制御部408を具備して構成される。
遊技が開始した開始通知を受信部401で受信し、この受信部401が発射制御基板106により主制御基板101等を介して遊技に用いる遊技玉の発射状態に関する発射情報を受信すると、この開始通知および発射情報を操作レベル判別制御部402へと送出し、開始通知を切換制御部408へ送出する。
また、この受信部401では、各種の演出制御の指示を受信すると、演出制御部403へと送出する。この演出制御部403では、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを用いて、遊技中や待機中等の各演出を制御する。
そして、遊技機では、上記にも示すように、遊技者が、操作ハンドル3内部に設けられたタッチセンサ3bに触れて操作ハンドル3を回動することによって、操作ハンドルの回転角度に応じた電圧が、発射用ソレノイド4aに印加されてギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転することによって、貸与された遊技玉が遊技領域6に向けて発射される。
このことから、受信部401を介して受信する発射情報は、例えば(1)操作ハンドル3の回転角度に基づく発射強度(ストローク)や、(2)当該発射強度(ストローク)の変化状態を示す標準偏差、さらには(3)単位時間あたりに発射した遊技玉の数(遊技玉数)や、(4)大当たり遊技状態や通常遊技状態などの各遊技状態における発射した遊技玉の数の情報によって構成される。
このような発射情報が送出された操作レベル判別制御部402は、まず、切換制限回数記憶部407で記憶する切換制限回数、後述する図5に示す判別制限回数記憶部506で記憶する判別制限回数を初期化し、禁止されている処理を解除する。
続いて、受信した発射情報に基づいて、遊技を提供している遊技者が、補助する必要がある遊技者である「初心者レベル」であるか、または補助を必要としない「通常レベル」であるかを判別する。遊技者に対する補助は、提供している遊技に関しての操作方法の説明や遊技の各遊技状態におけるヒント情報を表示するほか、入賞口へ遊技玉が入賞し得ない発射状態、例えば発射強度が弱すぎる等にある場合に警告情報を表示するものである。
このとき、遊技者の操作レベルを判別する操作レベル判別制御部402の詳細な構成を図5に示し、後述する。
操作レベル判別制御部402によって遊技者の操作レベルが判別されると、遊技モード切換部405に対して判別した操作レベルの情報を通知する。これによって、遊技モード切換部405は、遊技モード設定保持部404で保持した遊技態様(以下、「遊技モード」という)の情報を取得し、その遊技モードと、操作レベル判別制御部402から受信した操作レベルの遊技者に対して提供する遊技モードとを比較して同一であるかを判断する。
すなわち、操作レベル判別制御部402から受信した操作レベルが「初心者レベル」である場合には、その初心者レベルの遊技者に対して提供する遊技モードが「初心者遊技モード」であると設定されていることから、遊技モード設定保持部404から取得した遊技モードとこの初心者遊技モードとを比較する。また、操作レベル判別制御部402から受信した操作レベルが「通常レベル」である場合には、その通常レベルの遊技者に対して提供する遊技モードが「通常遊技モード」であると設定されていることから、遊技モード設定保持部404から取得した遊技モードとこの通常遊技モードとを比較する。
遊技モード設定保持部404には初期設定として、「初心者遊技モード」が設定されており、遊技開始から初めて遊技モードの比較を行う場合には、この初心者遊技モードと比較することとなる。
このようにして遊技モードの比較がされた遊技モード切換部405では、遊技モードが同一であるかを判断し、同一である場合にはその旨を操作レベル判別制御部402へと通知する。このとき、操作レベル判別制御部402では再度、遊技者の操作レベルを判別する処理を行う。
それに対して、遊技モードが同一でないと判断する場合には、操作レベル判別制御部402が判別した操作レベルに対する遊技モードへと遊技モードの切り換えを行う。
遊技モード設定保持部404に設定された遊技モードが「初心者遊技モード」であって、遊技者の操作レベルに基づいて判断された遊技モードが「通常遊技モード」である場合には、「初心者遊技モード」から「通常遊技モード」へと切り換えを行う。また、遊技モード設定保持部404に設定された遊技モードが「通常遊技モード」であって、遊技者の操作レベルに基づいて判断された遊技モードが「初心者遊技モード」である場合には、「通常遊技モード」から「初心者遊技モード」へと切り換えを行う。
このようにして、遊技モードの切り換え処理が行われると、切り換え処理を行ったことを切換回数制限処理部406へと通知し、さらに、切り換えた遊技モードの情報を遊技モード設定保持部404に登録する。
これによって、切換回数制限処理部406は、切り換え処理によって実行回数を加算してその加算後の切換実行回数を記録する。そして、切換制限回数記憶部407に記憶する切換制限回数の情報を取得し、記録した切換実行回数がその切換制限回数となったかを判断する。
記録した切換実行回数が、切換制限回数未満である場合にはその切換実行回数を記録した状態としておく。
また、記録した切換実行回数が、切換制限回数となった場合には、判別処理の禁止通知を操作レベル判別制御部402へと通知する。このとき、操作レベル判別制御部402では、遊技者の操作レベルを判別する処理を禁止する。
続いて、遊技者が演出ボタン17(以下、「操作ボタン」ともいう)を用いて所定の操作が、遊技中で演出ボタン17のボタン操作を必要としている場面以外で行われた場合であって、演出ボタン検出スイッチ17aがこの操作を検知して演出ボタン検出スイッチ17aから検知通知を受信部401が受信すると、その検知通知を切換制御部408へと通知する。
切換制御部408では、受信部401から遊技の開始通知を受信することによって計時を開始しており、受信部401からさらに検知通知を受信した場合には、この検知通知を計時開始から所定時間内にボタン操作が行われたことを通知するものであるかを判断する。
すなわち、所定時間内に検知通知を受信したと判断する場合には、遊技モード切換部405に対して遊技モードを「通常遊技モード」とする切換通知を送出する。これは、遊技機に不慣れな初心者等は、表示装置に遊技モードを選択する画面等が表示されていない場合には遊技モードの切り換えが可能であることさえも知り得ないことが多く、さらには切り換えが可能であることを知っていたとしてもその切り換え方法は知らない場合が多い。このため、所定時間内(例えば遊技開始から10秒以内にボタン操作が行われた場合には、操作者の操作レベルを通常レベルであると判断してその通常レベルに対する遊技モードである「通常遊技モード」へと切り換えを行う。
それに対して、所定時間内に検知通知を受信したのではない場合には、現在設定されている遊技モードとは異なる他の遊技モードへと切り換えることを遊技モード切換部405へと指示する。
これにより、遊技モード切換部405では、遊技モード設定保持部404で保持する遊技モードを取得して当該遊技モード以外の他の遊技モードへと切り換えを行う。例えば、遊技モード設定保持部404で保持している遊技モードが初期設定等の「初心者遊技モード」である場合には、「通常遊技モード」へと切り換え、遊技モード設定保持部404で保持している遊技モードが「通常遊技モード」である場合には、「初心者遊技モード」へと切り換える。
この遊技モード切換部405によって、遊技モードが切り換えられると、遊技モードの切り換えを行ったことを切換回数制限処理部406へと通知し、さらに、切り換えた遊技モードの情報を遊技モード設定保持部404に登録する。また、上記同様に、切換回数制限処理部406は、切り換え処理によって実行回数を加算してその加算後の切換実行回数を記録する。そして、切換制限回数記憶部407に記憶する切換制限回数の情報を取得し、記録した切換実行回数がその切換制限回数となったかを判断する。
切り換え実行回数が切換制限回数となったと判断する場合には、操作レベル判別制御部402に対して通知し、操作レベル判別制御部402は判別処理に基づく遊技モードの切り換えを禁止する。
図5は、図4に示す操作レベル判別制御部402の詳細な構成を示すブロック図である。
図5において、操作レベル判別制御部402は、計時処理部501、発射情報取得部502、判定条件判断部503、操作レベル判別部504、判別回数制限処理部505、判別制限回数記憶部506、判定条件記憶部507、禁止処理部508を具備して構成される。
受信部401から通知された遊技の開始通知を計時処理部501で受信すると、計時処理部501は、タイマー等により計時を開始する。また、発射情報を発射情報取得部502で取得すると、取得通知を計時処理部501へと通知し、取得した発射情報を条件判断部503へと送出する。
取得通知を受信した計時処理部501では、タイマー等による計時により経過した時間が予め設定した所定時間(以下、「判別間隔時間」という)内である場合には、続けて発射情報の取得を発射情報取得部502へと指示する。また、判別間隔時間を超えている場合には、その旨を条件判断部503へと通知する。
発射情報が送出された条件判断部503では、計時処理部501から取得通知を受信したのが判別間隔時間を超えていることを受信すると、判定条件記憶部507で記憶する判定条件を読み出して、発射情報取得部502から受信した発射情報が当該判定条件を満たすかを判断する。
このときの判断結果を操作レベル判別部504へと送出する。
操作レベル判別部504では、送出された判断結果に基づいて、遊技を行っている遊技者の操作レベルを判別する。発射情報が判定条件を満たすと判断する場合には、操作レベルを「通常レベル」と判断し、発射情報が判定条件を満たさないと判断する場合には、操作レベルを「初心者レベル」と判断する。
このときの判定条件は、発射情報取得部502が取得する発射情報に対応して設けられた条件であって、例えば、発射情報が、(1)操作ハンドルの回転角度に基づく発射強度(ストローク)や、(2)当該発射強度の変化状態を示す標準偏差、さらには(3)単位時間あたりに発射した遊技玉数や、(4)大当たり遊技状態や通常遊技状態などの遊技状態における発射玉の数の情報によって構成されている場合、これらの各情報に対して設定されている。
判定条件としてたとえば以下のような条件がある。
(1)発射ハンドルの回転角度に基づく平均的な発射強度(ストローク)が、遊技領域へ遊技玉が到達するためにガイドレールを越えた位置へ到達するための強度であること、(2)発射強度の変化状態を示す標準偏差が一定範囲内であること、(3)単位時間あたりに発射した遊技玉数が一定数以上であること、(4)大当たり遊技状態や通常遊技状態などの遊技状態における発射玉の数が各遊技状態に対する所定数以下であること
これらの判定条件全て(4つ)を満たさない場合には、遊技者の操作レベルを「初心者レベル」と判断する。また、この判定条件全てを満たす場合には、遊技者の操作レベルを「通常レベル」と判断する。
また、1乃至3のいずれかの判定条件を満たさない場合には、上記の判定条件のうち、予め指定した特別な判定条件を満たしていない場合に「初心者レベル」と判断する。特別な判定条件として、例えば「(1)発射ハンドルの回転角度に基づく平均的な発射強度(ストローク)が、遊技領域へ遊技玉が到達するためにガイドレールを越えた位置へ到達するための強度であること」とした場合、取得した発射情報により、発射ハンドルの回転角度に基づく平均的な発射強度(ストローク)が、遊技領域へ遊技玉が到達するためにガイドレールを越えた位置とならない場合には、「初心者レベル」と判断する。
このように、操作レベル判別部504によって遊技者の操作レベルを判別すると、判別回数制限処理部505へと判別処理を行ったことを通知し、判別回数制限処理部505では、操作レベルを判別した判別回数を計数し、判別制限回数記憶部506から読み出した判別制限回数となったかを判断する。
判別回数が判別制限回数となっていない場合には、判別した操作レベルの情報を図4に示す遊技モード切換部405へと送出する。また、判別回数が判別制限回数となった場合には、禁止処理部508へと判別回数が判別制限回数となったことを通知し、さらに計時処理部501に計時の終了を指示する。
これにより、計時処理部501は計時を終了し、禁止処理部508は、計時処理部501、発射情報取得部502、条件判断部503、操作レベル判別部504に対して判別処理の禁止を指示する。
また、禁止処理部508が、図4に示す切換回数制限処理部406から、切換実行回数が切換制限回数となったことによる判別処理の禁止通知を受信すると、計時処理部501、発射情報取得部502、条件判断部503、操作レベル判別部504に対して判別処理の禁止を指示する。
図6は、本発明の実施の形態における遊技機、遊技態様切換方法および遊技態様切換プログラムを適用して構成する遊技機によって行われる遊技モードの切り換え処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図6において、初期設定として遊技者に提供する遊技のモード(遊技モード)である「初心者遊技モード」が設定されている状態で、遊技玉の貸し出しが行われること若しくは当該遊技玉が貸し出されて発射装置から遊技玉が発射されること等により遊技が開始されると処理が開始され、当該遊技を行う遊技者の操作レベルを遊技者によって行われる遊技操作を元に判別する(S601)。
上記にも示すように、遊技者が、操作ハンドル3内部に設けられたタッチセンサ3bに触れて操作ハンドル3を回動することによって、操作ハンドルの回転角度に応じた電圧が、発射用ソレノイド4aに印加されてギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転することによって、貸与された遊技玉が遊技領域6に向けて発射される。
このとき、その回転角度における発射強度や当該発射強度の変化状態により示される遊技操作を元にして遊技者の操作レベルを判別する。
なお、このときの操作レベルは、上記にも示すように、遊技に際して当該遊技の補助を必要とするか否かであって、遊技の補助を必要とする場合には操作レベルが「初心者レベル」であって、遊技の補助を必要としない場合には操作レベルが「通常レベル」である。
このような判別処理によって、遊技者の操作レベルが判別されると、この操作レベルと、設定されている遊技モードに対する遊技者の操作レベルとが異なっているかを判断する(S602)。
すなわち、操作レベルが「初心者レベル」であると判断する場合には当該初心者レベルに対する遊技モードである「初心者遊技モード」での遊技を提供することから、初期設定として「初心者遊技モード」が設定されている状態では、判別した遊技者の操作レベルと設定されている操作レベルとが同一であると判断する。
反対に、遊技者の操作レベルが「通常レベル」であると判断する場合には、当該通常レベルに対する遊技モードである「通常遊技モード」での遊技を提供することから、判別した遊技者の操作レベルと設定されている操作レベルとが異なっていると判断する。
このような判断処理によって、遊技者の操作レベルが異なっていると判断する場合(S602でYES)には、判別した遊技者の操作レベルに対する遊技モードに切り換える(S603)。
例えば、判別した遊技者の操作レベルが「通常レベル」であり、設定されている遊技モードが「初心者遊技モード」である場合には当該初心者遊技モードに対する操作レベルが「初心者レベル」であることから、この「初心者遊技モード」を操作レベルが「通常レベル」である場合の遊技モードである「通常遊技モード」へと切り換えを行う。
そして、遊技モードが切り換えられた場合(S603)および操作レベルが異なっていないと判断する場合(S602でNO)には、遊技が終了したか否かを判断して(S604)遊技を終了した場合(S604でYES)には処理を終了する。
それに対して、遊技が終了していない場合(S604でNO)には、再度、遊技者の操作レベルを判別する処理(S601)以降を繰り返し行う。
図7は、図6に示すフローチャートと類似し、本発明の実施の形態における遊技機によって行われる遊技モードの切り換え処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図7において、まず、初期設定として遊技者に提供する遊技モードである「初心者遊技モード」が設定されている状態で、遊技玉の貸し出しが行われること若しくは当該遊技玉が貸し出されて発射装置から遊技玉が発射されること等により遊技が開始されると処理が開始され、当該遊技を行う遊技者の操作レベルを遊技者によって行われる遊技操作を元に判別する(S701)。
次に、判別した遊技者の操作レベルと、すでに設定されている遊技モードに対する遊技者の操作レベルとが異なっているかを判断する(S702)。判別した操作レベルと設定されている遊技モードに対する操作レベルが異なっている場合(S702でYES)には、設定されている遊技モードから、判別した遊技者の操作レベルに対する遊技モードに切り換える(S703)。
このようにして遊技モードが切り換えられると(S703)若しくは設定されている遊技モードに対する操作レベルと、判別した操作レベルとが異なっていない場合(S702でNO)には、続いて、遊技モードの切り換え処理が行われた回数である切換回数が、予め設定した当該切換処理を制限した切換制限回数、実行したかを判断する(S704)。
このときの切換制限回数は、切り換え方法を識別する切換種別に対応付けて保存されており、例えば図8のような形式にて保存している。
図8は、切換種別に対する切換制限回数を記憶した状態を示すテーブル構造を示す図であって、[切換種別]項目801、[切換制限回数]項目802を具備して構成される。
[切換種別]項目801は、切り換え方法が指定されており、図8では、遊技者の操作レベルが判別されて当該操作レベルに対応する遊技モードへの切り換えが行われる「判別処理による遊技モードの切り換え処理」と、遊技者が操作レベル判別制御部402操作ボタンを押下すること等によって遊技モードを切り換える「遊技者の操作による遊技モードの切り換え処理」とが示されている。
また、[切換制限回数]項目802は、[切換種別]項目801に示された切り換え方法によって遊技モードの切り換えを制限する回数を設定しており、例えば、[切換種別]項目801が「判別処理による遊技モードの切り換え処理」のときの切換制限回数として「2」が設定されている。また、[切換種別]項目801が「遊技者の操作による遊技モードの切り換え処理」のときの切換制限回数として「−(なし)」が設定されている。
このことから、判別処理による遊技モードの切り換え処理は「2回」を制限回数としており、2回までの切り換え処理が可能である。また、遊技者の操作による切り換え処理は制限されていないことから、何回でも可能である。
このようにして保存された切換制限回数、実行したと判断する場合(S704でYES)には、判別処理の結果に基づく遊技モードの切り換えを禁止して(S705)処理を終了する。
また、切換種別の切り換え方法による遊技モードの切り換えが切換制限回数、実行していると判断しない場合(S704でNO)には、続いて、遊技が終了したかを判断し(S706)、遊技が終了した場合(S706でYES)には、遊技モードの切り換えに関する処理を終了する。また、遊技が終了していない場合(S706でNO)には、再度、遊技者の操作レベルを判別する処理(S701)以降を行う。
図9は、図6および図7に示す判別処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図9において、図6および図7と同様に遊技が開始されると処理が開始され、タイマー等を用いて計時を開始する(S901)。また、遊技玉の発射状態における発射情報を取得する(S902)。
この発射情報は、上記に示すように、例えば(1)操作ハンドルの回転角度に基づく発射強度(ストローク)や、(2)当該発射強度の変化状態を示す標準偏差、さらには(3)単位時間あたりに発射した遊技玉数や、(4)大当たり遊技状態や通常遊技状態などの遊技状態における発射玉の数の情報によって構成される。
このような発射情報を取得すると、遊技者の操作レベルを判別するための判別間隔時間を経過したかを判断する(S903)。判別間隔時間を経過するまでは(S903でNO)、発射情報を受け付けることを可能とする状態とし、判別間隔時間を経過すると(S903でYES)、その判別間隔取得時間を経過するまでに取得した発射情報を用いて、その発射情報が、遊技者の操作レベルが初心者レベルであると判定するための判定条件全てを満たさないか否かを判断する(S904)。
全ての判定条件を満たさないと判断する場合(S904でYES)には、操作している遊技者の操作レベルを「初心者レベル」と判別する(S905)。
この判定条件は、取得した発射情報に含まれる情報に基づいて設定された条件であって、上記の例では、4つの情報により構成されていることから、各情報に基づいて遊技者の操作レベルが「初心者レベル」であると判別する4つの条件からなる。
また、取得した発射情報が少なくとも1つの判定条件を満たすと判断する場合(S904でNO)には、続いて、特別な判定条件を満たすかを判断する(S906)。
特別な判定条件を満たさないと判断する場合(S906でYES)には、遊技者の操作レベルを「初心者レベル」と判別する(S905)。それに対して、特別な判定条件を満たすと判断する場合(S906でNO)には、遊技者の操作レベルを「通常レベル」と判別する(S907)。
例えば、上記のような4つの発射情報からなる場合において、判定条件は、「(1)操作ハンドルの回転角度に基づく発射強度(ストローク)」の発射情報、「(2)当該発射強度の変化状態を示す標準偏差」の発射情報、「(3)単位時間あたりに発射した遊技玉数」の発射情報、「(4)大当たり遊技状態や通常遊技状態などの遊技状態における発射玉の数」の発射情報それぞれに対して設けられている。
このようにして、遊技者の操作レベルが判別される(S905およびS907)と、続いて、この判別処理が、予め制限した判別制限回数だけ連続して、切り換え処理によって遊技モードが切り換えられることなく行われたか否かを判断する(S908)。
すなわち、遊技者の操作レベルが判別されるたびに判定処理の実行回数を計数して当該判定処理後に切り換え処理が行われて遊技モードが現在の設定された遊技モードから他の遊技モードへと切り換え処理が行われることによってこの実行回数をリセットする。また、判定処理後に切り換え処理が行われない場合には計数した実行回数に加算していき、合計回数が判別制限回数となったかを判断する。
判別制限回数、連続して判別処理が行われた場合(S908でYES)には、以降の判別処理を禁止し(S909)、遊技モードの切り換えに関する処理を終了する。また、判別制限回数、連続して判別処理が行われていない場合(S908でNO)には、計時を終了して(S910)判別処理を終了する。
図10は、本発明の実施の形態における遊技機を遊技者が操作することによって行われる遊技モードの切り換え処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図10において、遊技が開始された状態で遊技者が操作ボタン等を押下すると処理が開始され、遊技者による操作ボタンの押下操作が遊技モードの切換操作を受け付けたかを判断する(S1001)。
このときの操作ボタンの押下操作は、操作ボタンを押下し続けるほか、連続して複数回ボタン押下を行う。
これにより、遊技モードの切り換え操作を受け付けたと判断する場合(S1001でYES)には、続いて、遊技が開始されてから所定時間内に初期設定の遊技モードからの切り換えが指示されたかを判断する(S1002)。
初期設定の遊技モードとして「初心者遊技モード」が設定されている場合、遊技が開始してから所定時間内に操作ボタンの押下等によって遊技モードの切り換え操作がされた場合(S1002でYES)には、遊技モードの切り換えが可能であることを知っており、かつ、その切り換え操作の方法を知っていることから、その操作を行った遊技者の操作レベルを「通常レベル」と決定して(S1003)、遊技モードを初期設定された「初心者遊技モード」から通常レベルに対する遊技モードである「通常遊技モード」へと切り換える(1004)。
このようにして、遊技の開始から所定時間内に遊技モードの切り換え操作が行われて遊技モードが「通常遊技モード」へと切り換えられると処理を終了する。
それに対して、遊技が開始されてから所定時間内に初期設定の遊技モードからの切り換え操作が行われたか否かを判断する(S1002)処理にて、所定時間内に遊技モードの切り換え操作が行われたものと判断しない場合(S1002でNO)には、現在、設定されている遊技モードを認識して(S1005)、その遊技モード以外の遊技モードを設定する(S1006)。
例えば、現在、遊技モードとして「通常遊技モード」が設定されていると認識した場合には、その通常遊技モード以外の「初心者遊技モード」を設定し、「初心者遊技モード」が設定されていると認識した場合には、その初心者遊技モード以外の「通常遊技モード」を設定する。
このようにして遊技モードが設定されると、続いて、遊技者の操作による切換制限回数だけ遊技モードの切り換えが行われたか否かを判断する(S1007)。この切換制限回数だけ遊技モードの切り換えが行われたと判断する場合(S1007でYES)には、以降の遊技者のボタン操作による遊技モードの切り換えを禁止する(S1008)。
また、切換制限回数だけ遊技モードの切り換えが行われたと判断しない場合(S1007でNO)には、再度、遊技者の操作に基づく遊技モードの切り換えを受け付ける(S1001)。
なお、図8では、「遊技者の操作による遊技モードの切り換え処理」に対する切換制限回数として、「−(なし)」が設定されていることから、この場合、遊技者のボタン操作によって何回でも遊技モードの切り換えが可能であることを示している。
図11、図12、図13には、本発明の実施の形態における遊技機において行われる遊技モードの切り換え処理の処理遷移の例を示す。
これらの各図は、「初心者遊技モード」と「通常遊技モード」との切り換えを時系列に示したものであって、「初心者遊技モード」が初期設定されている場合の処理遷移を示している。
図11では、遊技開始時点を[時間S]とし、遊技終了時点を[時間E]としたとき、[時間S]に遊技が開始されてから判別間隔時間を経過すると、遊技者の操作レベルを判別する処理が行われる。これによって、遊技者の操作レベルが「通常レベル」であると判別されたことを図11では示しており、この「通常レベル」に対する遊技モードである「通常遊技モード」へと遊技モードを切り換える処理を行う。このときの切り換え処理が、1回目である。
そして、通常遊技モードへと切り換えられてからさらに判別間隔時間を経過すると、再度、遊技者の操作レベルを判別する処理を行う。図11では、この判別処理によって遊技者の操作レベルが「初心者レベル」であると判別すると、その「初心者レベル」に対する遊技モードである「初心者遊技モード」へと切り換えられる。このときの切り換え処理が2回目となる。
この2回目の切り換え処理によって、再度、初心者遊技モードへと切り換えられると、切り換え処理の実行回数が、遊技機に設定された図8に示すような切換種別に対する切換制限回数「2」となったと判断できる。すなわち、図11に示す処理遷移では、判別処理による遊技モードの切り換え処理が2回行われたことを示しており、図8に示す当該「判別処理による遊技モードの切り換え処理」に対する切換制限回数に該当すると判断される。
このため、判別処理の結果に基づく切り換え処理は禁止されることとなる。
このようにして、初心者遊技モードへと再度切り換えられた状態となると、判別処理の結果に基づく切り換え処理は禁止されていることから、図9に示すような判別処理についても禁止された状態となる。
このような状態で、遊技者の操作による遊技モードの切り換えが行われると、設定された「初心者遊技モード」から「通常遊技モード」へと切り換えられる。
そして、通常遊技モードで遊技が行われることで[時間E]で遊技が終了する。
次に、図12では、遊技開始時点を[時間S]とし、遊技終了時点を[時間E]としたとき、[時間S]に遊技が開始されてから判別間隔時間を経過すると、遊技者の操作レベルを判別する処理が行われる。これによって、遊技者の操作レベルが「通常レベル」であると判別されたことを図12では示しており、この「通常レベル」に対する遊技モードである「通常遊技モード」へと遊技モードを切り換える処理を行う。このときの切り換え処理が、1回目である。
そして、通常遊技モードへと切り換えられてからさらに判別間隔時間を経過すると、再度、遊技者の操作レベルを判別する処理を行う。図12では、この判別処理によって遊技者の操作レベルが「通常レベル」と判別されていることから、遊技モードを「通常遊技モード」から切り換えることなく所定時間を計時する。このときの判別処理が1回目である。
そして、所定時間を経過後、再度、2回目の操作レベルの判別処理を行った場合、図12では、遊技者の操作レベルが「通常レベル」であると判別されると、判別制限回数だけ遊技モードの切り換え処理が行われることなく連続して判別処理が行われたこととなると判断する。
このため、以降は、判別処理が行われることなく、遊技者の操作による遊技モードの切り換え処理以外では遊技モードを切り換えることを禁止して[時間E]で遊技が終了する。
また、図13では、遊技開始時点を[時間S]とし、遊技終了時点を[時間E]としたとき、[時間S]に遊技が開始されてから所定時間内に、遊技者のボタン操作による遊技モードの切り換えが行われると、遊技モードを初期設定された「初心者遊技モード」から「通常遊技モード」へと切り換える。
この図13では、遊技が開始された[時間S]から所定時間内に、遊技者のボタン操作における遊技モードの切り換えが行われており、遊技モードの切り換えが可能であることを知っており、かつ、その切り換え操作の方法を知っていることから通常遊技モードによる遊技を行うこととする。
以後、遊技者の操作レベルを判定する判定処理は行わず、遊技者のボタン操作によってのみ遊技モードの切り換えを行うことを可能とする。図13では、一度も遊技者のボタン操作によって遊技モードが切り換えられていない状態を示している。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
なお、本発明は、上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行するコンピュータを構成することも可能である。このときのコンピュータには、システムバスを介してCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続され、CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。