図1は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した装置構成を示す図の一例である。
この遊技機1の側面には台間機が設置され、台間機に投入された有価貨幣に応じた数量の遊技媒体、例えば遊技玉が貸与され、操作ハンドル3を遊技者により回動されると、操作ハンドル3内部に設けられたタッチセンサ3bがこれを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。
この発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。
そして、操作ハンドル3が回動された回転角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。電圧が印加された発射用ソレノイド4aでは、印加電圧に応じて操作ハンドル3に直結しているギアを回転させ、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。
これによって、貸与された遊技玉が遊技領域6に向けて発射される。
遊技玉が発射されて送られた遊技領域6は、遊技盤2に設けられており、この遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。
遊技領域6に発射された遊技玉は、レール5a、5b間の搬送路を上昇移動して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6には、複数の釘や風車が設けられており、遊技玉はこれらの障害物に当たりながら予測不能に落下することとなる。
また、この遊技領域6には、複数の一般入賞口7が設けられている。
各一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aがそれぞれ設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技玉の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が追加貸与される。
さらに、遊技領域6内の一般入賞口7の上方には、普通図柄ゲート8が遊技玉を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
また、第1始動口9の真下には、第2始動口10が設けられている。
この第2始動口10の入り口部分には、一対の可動片10bが設けられており、これら一対の可動片10bが第2始動口10を塞いでいる閉状態にある第1の態様と、この一対の可動片10bが第2始動口10への遊技玉の流入をガイドする開状態にある第2の態様となるように可動制御されている。
なお、第2始動口10が第1の態様にあるときには、当該第2始動口10の真上に位置する第1始動口9が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。その一方で、第2始動口10が第2の態様にあるときには、一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。
この第1始動口9および第2始動口10には、遊技玉の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9aおよび第2始動口検出スイッチ10aがそれぞれ設けられており、これらの検出スイッチが遊技玉の入球を検出すると、後述する特別遊技(当たり遊技)を実行する権利獲得の抽選(以下、「当たりの抽選」ともいう)が行われるほか、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が追加貸与される。
さらに、第2始動口10のさらに下方には、大入賞口11が設けられている。
この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技玉の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉11bが開放されて開状態に維持されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技玉を大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口11に入球可能となる。
この大入賞口11には、大入賞口検出スイッチ11aが設けられており、大入賞口開閉扉11bにガイドされて遊技玉が入球するとこれを検知し、あらかじめ設定されている賞球(例えば9個の遊技玉)が追加貸与される。
この大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、および大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技玉を遊技領域6から排出するための排出口12が設けられている。
また、遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる液晶表示装置13が設けられており、この液晶表示装置13の右側面には、演出用役物装置14、15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
液晶表示装置13は、遊技が行われていない待機中に当該遊技を紹介する画像を表示したり、遊技中には遊技の進行に応じた演出画像を表示したりする。この液晶表示装置13は、通常液晶表示装置13Aおよび透過型液晶表示装置13Bを具備し、その構成を図5に示しており、以下で詳細に示す。
この液晶表装置13は、なかでも、第1始動口9または第2始動口10に遊技玉が入球したときには、上記に示すような権利獲得の抽選が行われて得た抽選結果を遊技者に報知する「演出図柄30」を演出画像として変動表示する。
この演出図柄30は、例えば3つの数字若しくは文字からなる図柄をそれぞれ上下方向にスクロール回転させて表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロール回転を停止させて図柄を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄の組み合わせによる抽選結果が遊技者に報知する。
この演出図柄30の変動表示中には、さまざまな画像やキャラクター画像等の演出画像を表示すること若しくは演出用役物装置14、15により所定の演出を行うことによって大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えている。
また、演出用照明装置16は、複数の照明装置であるライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色、濃淡を変更しながらさまざまな演出を行う。
演出ボタン17には、遊技者による押下操作を検知する演出ボタン検出スイッチ17aが設けられており、例えば液晶表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示された状態で遊技者が当該演出ボタン17を押下すると、さらなる演出が実行され得る。
さらに、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18(図3参照)が設けられており、各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技玉が入球したことを契機として行われた当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、当たりの抽選結果に対応する特別の図柄(以下、「特別図柄」という)が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口9に遊技玉が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技玉が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。
なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9または第2始動口10に遊技玉が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。
すなわち、第1始動口9に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は「第1保留」として留保され、第2始動口10に遊技球が入球して保留される大当たりの抽選の権利は「第2保留」として留保される。
これら「第1保留」、「第2保留」は、それぞれ上限留保個数を4個に設定されており、その留保個数は、第1保留として保留された権利は第1特別図柄保留表示器22に表示され、第2保留として保留された権利は第2特別図柄保留表示器23に表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器23においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、第1特別図柄保留表示器22および第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(図示せず)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
図2は、図1に示す遊技機1の裏面からみた構成を示した斜視図を示している。
この図2に示すように、ガラス枠110は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠(前枠)100に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠(前枠)100から開放させる方向に回動可能とされている。
ガラス枠110は、ガラス板とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠(前枠)100の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠(前枠)100に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。
また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠(前枠)100から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33(図3参照)も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に電力を給電するための電源プラグ50や、図示しない電源スイッチが設けられている。
図3は、本発明の実施の形態における遊技機、演出方法および演出プログラムを適用して構成した遊技機の機能構成を示すブロック図である。
図3において、主制御基板101は遊技の基本動作を制御する装置である。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。
メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号にもとづいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板101には、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第1大入賞口検出スイッチ11a、第2大入賞口検出スイッチ90aが接続されており、遊技玉の検出信号が入力される。
また、この主制御基板101には、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cとが接続されているほか、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20と普通図柄表示装置21と、保留表示器を構成する第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23と普通図柄保留表示器24とが接続されており、これらに対して各種信号を出力する。
さらに、この主制御基板101は、複数の遊技機を1グループとして「島」を形成した各「島」をコントロールする島コントローラ装置や各「島」の島コントローラ装置を管理するターミナルコントローラ装置に対して自遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を情報出力端子板108に出力する。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、メインROM101bには、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル、高確率遊技状態を終了するか否かを判定するための転落判定テーブル特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄にもとづいて遊技状態変更フラグを決定する決定テーブル、遊技状態変更フラグと遊技状態バッファにあるデータとにもとづいて遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、長当たり用開放態様決定テーブル、短当たり用開放態様決定テーブル、小当たり用の開放態様決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数記憶領域、第2特別図柄保留数記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数記憶領域、ラウンド遊技回数記憶領域、開放回数記憶領域、大入賞口入球数記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。
そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、電源プラグ50を介して遊技機に電力を給電するものであり、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、又は、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータをランプ制御基板104又は画像制御基板105に送信する。
サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブル等が記憶されている。
例えば、サブROM102bには、主制御基板101から受信した変動パターン指定コマンドにもとづいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、当該変動演出パターン決定テーブルは、本実施形態のテーブルのうち特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。例えば、サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域等が設けられている。なお、これらの記憶領域は、本実施形態の記憶領域のうち特徴的な記憶領域を一例として列挙しているに過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機1に電源が供給されているときには遊技機1からの電源によって動作し、遊技機1の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板102上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
また、RTC102dを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するサブRAM102cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。
この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマからの入力信号にもとづいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
また、払出制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドにもとづいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているかを確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
また、ランプ制御基板104は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりするための、ランプCPU、ランプROM、ランプRAMを備えている。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータにもとづいて、上記各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に液晶表示装置13を接続している。
この画像制御基板105では、液晶表示装置13に表示される演出図柄や背景画像等の演出画像を画像ROMに格納し、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて画像CPUが所定のプログラムを読み出すとともに、所定の演出画像を画像ROMからVRAMに読み出して液晶表示装置13における表示制御をする。
なお、画像CPUは、液晶表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクター画像表示処理などの各種画像処理を実行する。
この画像制御基板105では、さらに表示制御部400を具備し、通常液晶表示装置13Aおよび透過型液晶表示装置13Bにより構成される液晶表示装置13にさまざまな演出画像を表示させる制御処理を行う。
すなわち、演出図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。
このとき、同一位置に背景画像、図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各演出画像のZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
図4は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板を構成する表示制御部の詳細な構成を示す図である。
図4において、表示制御部400は、受信部401、条件判断部402、条件記憶部403、画像読出し部404、画像記憶部405、表示出力部406、計時部407、演出制御部408、操作受付部409、操作識別部410、情報記憶部411、情報読出し部412、操作内容比較部413を具備して構成される。
図3に示す主制御基板101からの演出状態の移行指示に基づく画像表示要求を受信した演出制御基板102を構成する表示制御部400では、受信部401でこの画像表示要求を受信し、条件判断部402へと送出する。
条件判断部402では、条件記憶部403で記憶する演出実行条件を読み出し、受信部401から送出されたその画像表示要求における演出状態の移行指示が演出実行条件を満たす移行指示であるかを判断する。
この条件判断部402において、移行指示が演出実行条件を満たさないと判断する場合には、演出制御部408へと当該画像表示要求に基づく演出画像の表示指示を演出制御部408へと送出する。このとき演出制御部408では、画像記憶部405で記憶する演出画像のうち、当該表示指示に基づく演出画像を読み出して液晶表示装置13に表示させる。
このとき、当該演出画像は、液晶表示装置13を構成する通常液晶表示装置13Aに表示させ、透過型液晶表示装置13Bには透過画像を表示させるほか、何も表示しない状態としてもよい。
続いて、条件判断部402において、移行指示が演出実行条件を満たすと判断する場合には、画像読出し部404に対して通常液晶表示装置13Aおよび透過型液晶表示装置13Bに表示させる演出画像の読み出しを指示する。
このとき、画像読出し部404では、演出実行条件を満たす画像表示要求に対して液晶表示装置13の通常液晶表示装置13Aおよび透過型液晶表示装置13Bに表示させる演出画像を画像記憶部405から読み出す。
液晶表示装置13を構成する通常液晶表示装置13A、透過型液晶表示装置13Bは、通常液晶表示装置13Aの表示面と透過型液晶表示装置13Bの表示面が並行するように前後に配置されており、例えば、図5に示すような配置関係からなる。
図5には、通常液晶表示装置13A、透過型液晶表示装置13Bが示されており、通常液晶表示装置13Aは、光源により照射された照射光を元に演出画像を液晶表示パネルに表示するものであって、透過型液晶表示装置13Bは、左右周辺の外部に設けられた表示駆動部による駆動制御によって演出画像を表示する照射光を液晶表示パネルの背面に貼り付けられた調光フィルター若しくは調光スクリーンに照射して、当該調光スクリーンにて調光された照射光を液晶表示パネルに表示するものである。
この透過型液晶表示装置13Bでは、調光スクリーンに任意の電圧をかけることにより当該調光スクリーン内部の分子配列を変えることによって背面に設けられた通常液晶表示装置13Aに表示された演出画像を透過する透過状態および当該演出画像を隠蔽する隠蔽状態の切り換えを行う。
さらに、この透過型液晶表示装置13Bは、通常液晶表示装置13Aに表示された演出画像の一部を透過させ、一部を隠蔽させる状態とさせることも可能であるほか、任意の演出画像を表示させることができる。
また、図5では、通常液晶表示装置13Aと透過型液晶表示装置13Bとが一定の間隔を経て設けられており、この一定の間隔を「最適画像視認距離」と称する。この最適画像視認距離は、透過型液晶表示装置13Bに表示される演出画像と通常液晶表示装置13Aに表示される演出画像との位置関係により遊技者が最適に当該演出画像を視認できる距離である。
このような配置関係からなる通常液晶表示装置13Aおよび透過型液晶表示装置13Bに対して、画像読出し部404によって画像記憶部405から読み出した演出画像を表示出力部406が表示出力する。
このとき画像読出し部404によって画像記憶部405から読み出す演出画像は、通常液晶表示装置13Aに表示させる、第1演出画像および第2演出画像によって構成される「背面演出画像」のほか、透過型液晶表示装置13Bに表示させる、透過画像と隠蔽画像とから構成される「格子画像」である。
そして、これら背面演出画像および格子画像を表示出力部406で表示出力する。
このようにして表示出力部406で表示すると、表示出力部406は、計時部407および操作受付部409に対して背面演出画像および格子画像が表示されたことを通知する。計時部407では、この通知を受信することによって計時を開始する。
また、操作受付部409では、演出ボタン検出スイッチ17aからの検出信号を受信することによって演出ボタンの操作が行われた場合若しくは主制御部101を介して発射ボリューム3aからの発射ハンドルの回動量の情報を受信することによって発射ハンドルの操作が行われた場合であって、計時部407により所定時間の計時が行われたことが通知される前であるときには、操作識別部410に対してその操作内容の識別要求を行う。
これによって、操作識別部410は、遊技者によって行われた操作を識別する。例えば、上記の例では演出ボタンの操作が連続して押下操作されたこと、連続して行われた押下操作の押下回数、発射ハンドルの回動量が所定回動量以上、回動されたことなどを識別する。
このように操作識別部410によって操作内容が識別されると、操作識別部410は、操作内容比較部413へと識別した操作内容を通知するとともに、操作受付部409に対して操作内容を識別したことを通知し、このとき、操作受付部409は、計時部407による計時を停止する。
これによって、操作内容比較部413は、識別された操作内容と、情報記憶部411で記憶している背面演出画像を構成する第1演出画像、第2演出画像に対する操作内容とを比較する。
操作内容比較部413による比較結果を情報読出し部412へと通知する。
このとき情報読出し部412は、その比較結果に応じた演出指定情報を情報記憶部411から読み出す。
例えば、操作内容比較部413により、識別した操作に対して第1演出画像若しくは第2演出画像が対応付けられている場合には、情報読出し部412では、対応付けられた演出画像(第1演出画像若しくは第2演出画像のいずれかの演出画像)に対して同様に対応付けられた演出指定情報を読み出す。
また、操作内容比較部413により、識別した操作に対して第1演出画像若しくは第2演出画像のいずれもが対応付けられていない場合には、情報読出し部412では、予め指定された演出指定情報を読み出す。
また、操作識別部410において、いずれの演出画像をも対応付けられていないと判断する場合には、その旨を操作受付部409に通知する。このとき操作受付部409では、計時部407により所定時間の計時が行われたことを受信していない場合には、再び他の操作が行われるまで待機する状態となる。
また、計時部407によって所定時間の計時が行われると、計時部407は、操作受付部409および情報読出し部412に対して所定時間を計時したことを通知する。このとき、操作受付部409では、操作の受付を停止するほか、受け付けた操作内容を破棄する。
以上のようにして、情報読出し部412によって演出指定情報が読み出されると、情報読出し部412は、読み出した演出指定情報を演出制御部408へと送出し、演出制御部408ではその演出指定情報に基づく演出画像記憶部405で記憶する演出画像を読み出して液晶表示装置13に表示する。
このときの演出指定情報は、移行指示された移行後の演出状態に対応させた演出を指定するための情報であって、その演出を行うために表示する演出画像をも特定しうるものである。
図6乃至図8は、本発明の実施の形態における遊技機が具備する液晶表示装置の構成において演出画像が表示された状態を示す図である。
図6(a)および図7(a)および図8(a)は、通常液晶表示装置13Aおよび透過型液晶表示装置13Bに表示された「背面演出画像」および「格子画像」の表示構成を示す図である。
通常液晶表示装置13Aには、背面演出画像を表示した状態を模式的に表したものであり、この背面演出画像は、第1演出画像および第2演出画像が交互に配列された構成されており、これらの各演出画像は等間隔の画像幅から構成される。
続いて、透過型液晶表示装置13Bには、格子画像を表示した状態を模式的に表したものであり、この格子画像は、透過画像および隠蔽画像から構成されており、この透過画像および隠蔽画像は同一の幅からなる。
透過画像はこの透過画像を透過型液晶表示装置13Bに表示させたときに、通常液晶表示装置13Aの相対(対向)する位置に第1演出画像と第2演出画像とのそれぞれ一部が設けられており、かつ、隠蔽画像を透過型液晶表示装置13Bに表示させたときに、通常液晶表示装置13Aの相対する位置に第1演出画像と第2演出画像のそれぞれ一部が設けられている。
また、図6(b)および図7(b)および図8(b)は、それぞれ図6(a)および図7(a)および図8(a)に示すような構成からなる演出画像が表示された状態で遊技者が視認する状態を示している。
図6(b)は、遊技者が液晶表示装置13に正対したときに視認できる表示状態であって、透過画像を介して背面演出画像の第1演出画像および第2演出画像の一部と、隠蔽画像とが視認できる状態である。
このときの第1演出画像は、演出ボタンの画像と当該演出ボタンに対する操作を指示した指示画像とから構成され、この第1演出画像に基づき演出ボタンを「3回押して」という演出情報が示されている。また、第2演出画像は、右打ちすることを指示する画像であって、この第2演出画像に基づき「右打ち」という演出情報が示されている。
図7(b)は、遊技者が液晶表示装置13に正対する方向に対して右方向に任意の角度を保って視認できる表示状態であって、第2演出画像と隠蔽画像とが交互に視認できる状態である。
すなわち、この第2演出画像によって、右打ちすることを指示する画像であって、この第2演出画像に基づき「右打ち」という演出情報が示されている。
図8(b)は、図7(b)に示す角度の絶対値と同一の角度であって、遊技者が液晶表示装置13に正対する方向に対して左方向から当該角度を保って視認できる表示状態であって、第1演出画像と隠蔽画像とが交互に表示された状態である。
すなわち、この第1演出画像によって、演出ボタンを「3回押して」という演出情報が示されている。
上記に示す、図4における操作受付部409では、表示出力部406において液晶表示装置に図6(a)乃至図8(a)に示すようにそれぞれ演出画像が表示された状態で、演出ボタンが3回押下された操作を受け付けたときや、発射ハンドルの回動量が一定回動量以上となった右打ち操作を受け付けたときに操作識別部410に対して指示を行うものである。
これによって、操作識別部410では、遊技者によって行われた操作として、演出ボタンが3回押下された操作を受け付けたこと、発射ハンドルの回動量が一定回動量以上となった右打ちを受け付けたことを識別する。
図9は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して行われる詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図9において、遊技が開始されて所定の演出状態における演出画像を表示制御することによって遊技を提供しているとき(S901)に、演出状態の移行指示が行われたかを判断する(S902)。演出状態の移行指示が行われるまでは(S902でNO)その所定の演出状態における演出画像の表示制御を継続する。
また、演出状態の移行指示が行われると(S902でYES)、その移行指示により移行する前の演出状態および移行後の演出状態が、特別な演出を行うか否かを決定する演出実行条件を満たす移行指示であるかを判断する(S903)。
この判断によって演出実行条件を満たす移行指示であると判断しない場合(S903でNO)には、移行指示された移行後の演出状態における演出を行う(S904)。
それに対して、演出実行条件を満たす移行指示であると判断する場合(S903でYES)、例えば演出実行条件として、大当たり演出状態から確変演出状態若しくは通常演出状態への移行指示および大当たり抽選演出状態(「リーチ演出状態」ともいう)から大当たり演出状態若しくは通常演出状態への移行指示が設定されており、判断処理によって移行指示が、大当たり演出状態から確変演出状態若しくは通常演出状態への移行指示およびリーチ演出状態から大当たり演出状態若しくは通常演出状態への移行指示のいずれかである場合には、前後二重の表示装置の構成で背面に設けられた「通常液晶表示装置」に表示させる、第1演出画像および第2演出画像から構成される「背面演出画像」を読み出す(S905)。
さらに、この通常液晶表示装置の前面に設置され、通常液晶表示装置に表示された演出画像を透過する透過型の液晶表示装置(「透過型液晶表示装置」という)に表示させる「格子画像」の読み出しを行う(S906)。
この格子画像は、上記にも示すように、背面の通常液晶表示装置に表示した背面演出画像の一部を透過する「透過画像」およびその背面演出画像の一部を隠蔽する「隠蔽画像」とから構成される。二重構造からなる通常液晶表示装置と透過型液晶表示装置とは、若干の間隔(最適画像視認距離)を経て前後に設置されており、この最適画像視認距離は、遊技者が通常液晶表示装置および透過型液晶表示装置に正対して当該表示装置に表示された演出画像を視認したときに透過型液晶表示装置に表示した透過画像を介して通常液晶表示装置に表示した背面演出画像を構成するいずれかの演出画像を最適に視認できる距離である。
また、最適に視認できるとは好ましくは背面演出画像を構成するいずれかの演出画像のみを視認できることであって、遊技者がいずれかの演出画像に基づく演出情報を視認できることをいう。
そして、読み出した背面演出画像を通常液晶表示装置に表示し、格子画像を透過型液晶表示装置に表示させる表示制御処理を行う(S907)。
これらの演出画像をそれぞれの液晶表示装置に表示後、一定時間を経過したかを判断し(S908)、一定時間を経過する前には(S908でNO)、続いて、遊技者によって操作を受け付けたかを判断する(S909)。また、一定時間を経過した場合(S908でYES)には、予め指定された演出指定情報の読み込みを行う(S914)。
そして、遊技者による操作を受け付けたと判断しない場合(S909でNO)には、再度、一定時間を経過したかを判断する処理を行う(S908)。それに対して、遊技者による操作を受け付けたと判断する場合(S909でYES)には、遊技者により行われた操作を識別する(S910)。
例えば、演出ボタンの連続押下、演出ボタンの所定時間の長押し等を識別する。
そして、識別した操作と、背面演出画像を構成する第1演出画像、第2演出画像に対応付けられて記憶する操作内容とを比較する(S911)。遊技者によって行われた操作であって識別した操作が、その第1演出画像、第2演出画像に対応付けられた操作内容に含まれるかを判断する(S912)。
操作内容に含まれると判断する場合(S912でYES)、すなわち、遊技者によって行われた操作に第1演出画像若しくは第2演出画像のいずれかが対応付けられている場合には、その第1演出画像若しくは第2演出画像に対してさらに対応付けられた演出指定情報を読み込む(S913)。
また、比較した結果、識別した操作に対して、背面演出画像を構成する第1演出画像および第2演出画像のいずれもが対応付けられていない場合(S912でNO)には、予め指定された演出指定情報の読み込みを行う(S914)。
このようにして、演出指定情報が読み込まれると、その読み込んだ演出指定情報に基づく演出画像を表示して演出を実行する(S915)。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
なお、本発明は、上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行するコンピュータを構成することも可能である。このときのコンピュータには、システムバスを介してCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続され、CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。