図1は、本発明の実施の形態における遊技機、表示制御方法および表示制御プログラムを適用して構成した遊技機の装置構成図の一例である。
この遊技機1の側面には台間機が設置され、台間機に投入された有価貨幣に応じた数量の遊技媒体、たとえば遊技球が貸与され、操作ハンドル3を遊技者により回動されると、操作ハンドル3内部に設けられたタッチセンサ3bがこれを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。
この発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。
そして、操作ハンドル3が回動された回転角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。電圧が印加された発射用ソレノイド4aでは、印加電圧に応じて操作ハンドル3に直結しているギアを回転させ、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。
これによって、貸与された遊技球が遊技領域6に向けて発射される。
遊技球が発射されて送られた遊技領域6は、遊技盤2に設けられており、この遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。
遊技領域6に発射された遊技球は、レール5a、5b間の搬送路を上昇移動して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6には、複数の釘や風車が設けられており、遊技球はこれらの障害物に当たりながら予測不能に落下することとなる。
また、この遊技領域6には、複数の一般入賞口7が設けられている。
各一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aがそれぞれ設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が追加貸与される。
さらに、遊技領域6内の一般入賞口7の上方には、普通図柄ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
また、第1始動口9の真下には、第2始動口10が設けられている。
この第2始動口10の入り口部分には、一対の可動片10bが設けられており、これら一対の可動片10bが第2始動口10を塞いでいる閉状態にある第1の態様と、この一対の可動片10bが第2始動口10への遊技球の流入をガイドする開状態にある第2の態様となるように可動制御されている。
なお、第2始動口10が第1の態様、すなわち閉状態にあるときには、当該第2始動口10の真上に位置する第1始動口9が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。その一方で、第2始動口10が第2の態様、すなわち開状態にあるときには、一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。
この第1始動口9および第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9aおよび第2始動口検出スイッチ10aがそれぞれ設けられており、これらの検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する特別遊技(当たり遊技)を実行する権利獲得の抽選(以下、「当たりの抽選」ともいう)が行われるほか、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が追加貸与される。
さらに、第2始動口10のさらに下方には、大入賞口11が設けられている。
この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉11bが開放されて開状態に維持されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技球を大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口11に入球可能となる。
この大入賞口11には、大入賞口検出スイッチ11aが設けられており、大入賞口開閉扉11bにガイドされて遊技球が入球するとこれを検知し、あらかじめ設定されている賞球(例えば9個の遊技球)が追加貸与される。
この大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、および大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を遊技領域6から排出するための排出口12が設けられている。
また、遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる画像表示装置13が設けられており、この画像表示装置13の右側面には、演出用役物装置14、15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
この画像表示装置13は、第1表示装置13Aおよび第2表示装置13Bが前後となるように設置された2つの液晶表示装置であって、背面には第1表示装置13Aを設置し、この第1表示装置13Aの前面には第2表示装置13Bを設置している。
このときの第1表示装置13Aは、通常の液晶表示装置であるが、前面に設けられた第2表示装置13Bは、画像を映し出す画像光を偏光、調光させることによってこの第2表示装置に表示された演出画像の見え方を変更するほか遊技者の観る角度によって異なる見え方をする演出画像を表示する透過型液晶表示装置である。
この第2表示装置13Bは、画像が表示されていない場合には背面に設けられた第1表示装置13Aに表示された演出画像を透過する透過状態にある。また、第2表示装置13Bに画像(以下では「役物画像」ともいう)を表示した場合には、その役物画像の一部が第1表示装置13Aに表示された演出画像を非透過とし、他の一部によって第1表示装置13Aに表示された演出画像を透過させる。
また、第1表示装置13Aと第2表示装置13Bとの間には、遊技球が通過することができる経路が設けられているとともに、この経路上には入球口13Cが設けられている。この入球口13Cには、遊技球の入球を検知する入球口検出スイッチ13Caが設けられており、大当たり遊技状態にある場合にこの入球口検出スイッチ13Caが遊技球の入球を検出すると、第2表示装置13Bに演出画像を表示する。
また、大当たり遊技状態への移行が指示されることによって、この経路への入球を可能とする開閉扉を開放して遊技球が入球できるようにしてもよい。
この画像表示装置13の第1表示装置13Aには、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球することにより、上記に示すような権利獲得の抽選が行われて得た抽選結果を遊技者に報知する「演出図柄30」が変動表示される。また、第2表示装置13Bは、大当たり遊技状態への移行指示が行われることによって演出画像を表示する。
演出図柄30は、例えば3つの数字若しくは文字を含む図柄をそれぞれ上下方向にスクロール回転させたように表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロール回転の表示を停止させて図柄を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄の組み合わせによる抽選結果を遊技者に報知する。
この演出図柄30の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示すること若しくは演出用役物装置14、15により所定の演出を行うことによって大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えることも可能である。
また、演出用照明装置16は、遊技者に視覚を通じた情報伝達、光の照射方向や発光色を変更することによりさまざまな遊技効果を提供する点灯部材を備えており、この点灯部材はたとえばLED等のランプによって構成される。
また、演出ボタン17は、たとえば液晶表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示された場合に遊技者が当該演出ボタン17を押下すると、演出ボタン17に設けられた演出ボタン検出スイッチ17aが遊技者の操作を検出してさらなる演出が実行される。
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18(図3参照)が設けられており、各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、当たりの抽選結果に対応する特別の図柄(以下、「特別図柄」という)が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。
なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。
すなわち、第1始動口9に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は「第1保留」として留保され、第2始動口10に遊技球が入球して保留される大当たりの抽選の権利は「第2保留」として留保される。
これら「第1保留」、「第2保留」は、それぞれ上限留保個数を4個に設定されており、その留保個数は、第1保留として保留された権利は第1特別図柄保留表示器22に表示され、第2保留として保留された権利は第2特別図柄保留表示器23に表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器23においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、第1特別図柄保留表示器22および第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(図示せず)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
図2は、図1に示す遊技機1の裏面からみた構成を示した斜視図を示している。
この図2に示すように、ガラス枠110は、左右方向の一端側(たとえば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠(前枠)100に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機に正対して右側)を外枠(前枠)100から開放させる方向に回動可能とされている。
ガラス枠110は、ガラス板とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠(前枠)100の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠(前枠)100に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。
また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠(前枠)100から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33(図3参照)も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に電力を給電するための電源プラグ50や、図示しない電源スイッチが設けられている。
図3は、本発明の実施の形態における遊技機の機能構成を示すブロック図である。
図3において、主制御基板101は遊技の基本動作を制御する装置である。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。
メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号にもとづいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板101には、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第1大入賞口検出スイッチ11a、第2大入賞口検出スイッチ90aが接続されており、遊技球の検出信号が入力される。
また、この主制御基板101には、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cとが接続されているほか、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20と普通図柄表示装置21と、保留表示器を構成する第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23と普通図柄保留表示器24とが接続されており、これらに対して各種信号を出力する。
さらに、この主制御基板101は、複数の遊技機を1グループとして「島」を形成した各「島」をコントロールする島コントローラ装置や各「島」の島コントローラ装置を管理するターミナルコントローラ装置に対して自遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板108に出力する。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、メインROM101bには、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル、高確率遊技状態を終了するか否かを判定するための転落判定テーブル特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄にもとづいて遊技状態変更フラグを決定する決定テーブル、遊技状態変更フラグと遊技状態バッファにあるデータとにもとづいて遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、長当たり用開放態様決定テーブル、短当たり用開放態様決定テーブル、小当たり用の開放態様決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数記憶領域、第2特別図柄保留数記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数記憶領域、ラウンド遊技回数記憶領域、開放回数記憶領域、大入賞口入球数記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。
そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、電源プラグ50を介して遊技機に電力を給電するものであり、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、又は、上記演出ボタン検出スイッチ17a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータをランプ制御基板104又は画像制御基板105に送信する。
サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブル等が記憶されている。
例えば、サブROM102bには、主制御基板101から受信した変動パターン指定コマンドにもとづいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、当該変動演出パターン決定テーブルは、本実施形態のテーブルのうち特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。例えば、サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域等が設けられている。なお、これらの記憶領域は、本実施形態の記憶領域のうち特徴的な記憶領域を一例として列挙しているに過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機1に電源が供給されているときには遊技機1からの電源によって動作し、遊技機1の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板102上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
また、RTC102dを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するサブRAM102cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。
この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマからの入力信号にもとづいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
また、払出制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドにもとづいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているかを確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号及び発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるので約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
画像制御基板105は、上記液晶表示装置13の画像表示制御を行うための画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、図示しない音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記液晶表示装置13および音声出力装置18を接続している。
上記画像ROMには、第1表示装置13Aおよび第2表示装置13Bからなる液晶表示装置13に表示される演出図柄30や背景等の画像データや演出画像等が多数格納されており、画像CPUが演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに第1表示装置13Aおよび第2表示装置13Bのいずれの表示装置に表示するかを決定し、所定の画像データや演出画像を画像ROMからVRAMに読み出して、第1表示装置13Aおよび第2表示装置13Bのいずれかに表示する表示制御を行う。
なお、画像CPUは、液晶表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクター画像は、液晶表示装置13の第1表示装置の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
また、上記音声ROMには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力を制御する。
この画像制御基板105は、画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMを用いて構成される表示制御部400を具備し、表示制御部400は、液晶表示装置13に表示する画像の表示制御を行う。
この表示制御部400において行われる処理の詳細な構成を図4に示す。
図4は、本発明の実施の形態における遊技機、表示制御方法および表示制御プログラムを適用して構成される表示制御部400の詳細な構成を示すブロック図である。
図4において、表示制御部400は、図3に示す遊技機の画像制御基板105により実現され、送受信部401、指示判断部402、表示処理部403、解析部404、特別画像演出処理部405、演出画像記憶部406を具備して構成される。
送受信部401は、演出制御基板102を介して主制御基板101から画像表示要求を受信する。この画像表示要求は、遊技機が提供する遊技状態を指定した表示要求であって、この画像表示要求を受信した送受信部401は、指示判断部402へと画像表示要求を送出する。
この指示判断部402は、送受信部401から送出された画像表示要求に遊技状態の移行指示が含まれているかを判断する。この画像表示要求に移行指示が含まれておらず、遊技状態が指定されている場合には、その遊技状態における演出画像の表示を表示処理部403へと指示する。
このときの表示処理部403は、遊技状態に応じた演出画像を演出画像記憶部406から取得し、液晶表示装置13へとその演出画像を表示させる。
また、指示判断部402において、画像表示要求に移行指示が含まれていると判断する場合には、解析部404へとその移行指示を送出する。このとき、解析部404では、移行指示されている移行後の遊技状態を解析する。
移行後の遊技状態が「大当たり遊技状態」でない場合には、表示処理部403へと移行後の遊技状態を通知する。
これにより、表示処理部403は、解析部404より通知された移行後の遊技状態に応じた演出画像を演出画像記憶部406から取得して液晶表示装置13に表示させる。
それに対して、「大当たり遊技状態」の移行指示が行われている場合には、特別画像演出処理部405に対して大当たり遊技状態への移行指示が行われたことを通知する。
特別画像演出処理部405では、大当たり遊技状態への移行指示が行われたことが通知されると、第1表示装置に表示する背面演出画像(単に、「背面画像」ともいう)および第2演出画像(以下、「役物画像」ともいう)を演出画像記憶部406から読み出す。
この背面画像は、遊技者が正面(第1姿態)から観たときの第1の部分からみえる画像(第1画像)と、その第1姿態から少し傾いて(第2姿態)観たときの画像(第2画像)とから構成されている。また、役物画像は、遊技者が第2表示装置を正面(第1の姿態)からみたときに第1表示装置に表示された背面画像を透過する透過領域(第1の部分画像)と、第2の表示装置を斜め(第2の姿態)からみたときに第1表示装置に表示された背面画像を隠蔽する隠蔽領域(第2の部分画像)とから構成されている。
背面画像を透過する透過領域(第1の部分画像)を遊技者が第1の姿態にて観ると、背面画像の第1画像をみることができ、背面画像を透過する透過領域(第1の部分画像)を遊技者が第2の姿態にて観ると、背面画像の第2画像をみることができる。このときの遊技者による画像の見え方を図6(b)を用いて以下で説明する。
なお、斜めとは、第1の姿態から遊技者の目線や姿勢を例えば45度程度傾けた状態をいう。
このようにして、特別画像演出処理部405が読み出した背面画像および役物画像を表示処理部403へと送出し、表示処理部403が第1表示装置13Aに表示している演出画像を背面画像へと切り換えて表示し、第2表示装置13Bに役物画像を表示する。
図4に示す表示処理部の詳細な構成を示すブロック図を図5に示す。
図5において、表示処理部403は、表示処理制御部501、第2表示装置表示処理部502、演出画像読出し部503、調光処理部504を具備して構成される。
演出画像の表示要求が行われる表示処理制御部501にてこれを受信し、表示処理制御部501では、表示要求された演出画像の種類(種別)を識別し、その演出画像の種類が「背面画像」であると識別される場合に、この演出画像の読み出しを演出画像読出し部503へと指示する。
これによって、演出画像読出し部503は、図4に示す演出画像記憶部406から該当する背面画像を読み出し、表示処理制御部501へと応答する。これにより、表示処理制御部501は、画像表示装置13の第1表示装置13Aに読み出した背面画像に切り換えて表示する。
また、表示処理制御部501によって、表示要求された演出画像の種類が「役物画像」であると識別される場合、第2表示装置表示処理部502に役物画像の表示指示を行う。
これにより、第2表示装置表示処理部502は、演出画像読出し部503に役物画像の読み出しを指示し、演出画像読出し部503が図4に示す演出画像記憶部406から読み出した役物画像を受信すると、その役物画像を調光処理部504へと送出する。
このとき、調光処理部504では、調光処理を行い、第2表示装置表示処理部502へと応答する。
これによって、第2表示装置表示処理部502は、調光処理後の役物画像を第2表示装置13Bに表示する。
図6は、第1表示装置13Aおよび第2表示装置13Bからなる画像表示装置13の構成および画像表示装置13を遊技者がみたときの状態を示す図の一例である。
図6(a)において、第1表示装置13Aは、通常の液晶表示装置であって、この第1表示装置と正対するように前面に第2表示装置が設けられた構成からなる。
この第2表示装置13Bに画像が表示されていない場合には、背面に設けられた第1表示装置に表示された演出画像を透過する。
それに対して、第2表示装置13Bに演出画像(役物画像)を表示すると、遊技者が第1の姿態でその役物画像の透過領域をみることによって第1表示装置13Aに表示された背面画像の第1画像がみることができ、遊技者が第2の姿態にてその役物画像の透過領域をみることによって第1表示装置13Aに表示された背面画像の第2画像をみることができる。
役物画像の隠蔽領域は、第1表示装置13Aに表示された背面画像を構成する第1画像若しくは第2画像のいずれかを隠蔽し、第1の姿態で隠蔽領域をみると第1表示装置13Aに表示された背面画像の第2画像が隠蔽された状態となり、第2の姿態で隠蔽領域をみると第1表示装置13Aに表示された背面画像の第1画像が隠蔽された状態となる。
図6(b)は、第1表示装置13Aと第2表示装置13Bとから構成される表示装置を遊技者が第1の姿態および第2の姿態から覗いたときに上部からみえる状態を示す図である。
第1表示装置13Aには、第1画像と第2画像とから構成される背面画像を表示した状態を示しており、第2表示装置13Bには、第1の部分画像と第2の部分画像とから構成される役物画像を表示した状態を示している。
遊技者がこれらの表示装置に正対して正面(第1の姿態)から画像を覗くことによって役物画像の透過領域を介して遊技者が観ることができる背面画像が第1画像であって、また、遊技者がこれらの表示装置を斜め(第2の姿態)から画像を覗くことによって役物画像の透過領域を介して遊技者が観ることができる背面画像が第2画像である。
これら図6(a)および図6(b)の第1表示装置13Aと第2表示装置13Bとの間には、遊技球が通過することができる経路が設けられており、その経路の途中には入球口13Cが設けられている。入球口13Cには、遊技球の入球を検知する入球口検出スイッチ13Caが設けられており、大当たり遊技状態にある場合にこの入球口検出スイッチ13Caが遊技球の入球を検出すると、図4に示す送受信部401はこれを受信し、特別画像演出処理部405へと送出する。
これにより、特別画像演出処理部405は、大当たり遊技状態への移行指示を受信してから経過した時間の計時を行い、所定時間内に入球口13Cに遊技球が入球されたことを入球口検出スイッチ13Caが検知することによって、演出画像記憶部406から役物画像を取得して第2表示装置に役物画像を表示するように構成してもよい。
このとき、所定時間内に入球口13Cに遊技球が入球されたことを入球口検出スイッチ13Caが検知しない場合には、第2表示装置13Bに役物画像を表示せず、通常の大当たり遊技状態を実行することとすることも可能である。
図11は、役物画像を第2表示装置13Bへと表示することによって表示される第2の特別画像の一例を示す図である。
図11に示す第2の特別画像は、操作ボタンの画像と「3回押して」という情報の画像とから構成され、操作ボタンを所定時間内に3回押下することによって稀少画像等を表示する特別な大当たり遊技状態とするという遊技情報を有する。
図7は、本発明の実施の形態における遊技機、表示制御方法および表示制御プログラムを適用して遊技機において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図7において、遊技機が通常遊技状態による遊技を提供している場合、第1表示装置には、その通常遊技状態における演出画像を表示している(S701)。
通常遊技状態において第1表示装置に演出画像が表示された状態で、遊技状態を移行する移行指示が行われたかを判断して(S702)、移行指示が行われるまでは(S702でNO)、通常遊技状態における演出画像の表示を継続する。
また、移行指示が行われた場合(S702でYES)には、移行指示された移行後の遊技状態を解析する(S703)。この解析処理によって、移行指示された移行後の遊技状態が特別遊技状態である大当たり遊技状態であるかを判断する(S704)。移行指示された遊技状態が大当たり遊技状態でない場合(S704でNO)には、移行指示された遊技状態における演出画像の表示を行う。
それに対して、大当たり遊技状態への移行指示が行われた場合(S704でYES)には、通常遊技状態の演出画像を表示している第1表示装置の前面に設けられた第2表示装置に表示する役物画像を読み出し(S705)、読み出した役物画像を第2表示装置に表示する(S706)。
このとき、遊技者がその第2表示装置に正対して正面からみたときの画像(第1特別画像)と第2の表示装置を斜めからみたときの画像(第2特別画像)とが異なる。
そして、第2表示装置に表示した役物画像(斜めからみたときの第2特別画像)に基づく演出情報により指定した操作を遊技者が行ったかを判断する(S707)。その演出情報に基づいて遊技者が操作を行った場合(S707でYES)、例えば、図11に示すような第2特別画像が表示されたときに、遊技者が操作ボタンを「3回押下した」と判断する場合には、この第2特別画像により示される演出情報に基づく大当たり遊技の演出処理を行う(S708)。
また、その演出情報に基づく処理が行われない場合(S707でNO)には、通常の大当たり遊技を実行する(S709)。
図8は、本発明の実施の形態における遊技機、表示制御方法および表示制御プログラムを適用して遊技機において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、図7のフローチャートと類似することから異なる点を中心に説明する。
まず、遊技機が通常遊技状態による遊技を提供している場合、第1表示装置には、その通常遊技状態における演出画像を表示している(S801)。
次に、通常遊技状態において第1表示装置に演出画像が表示された状態で、遊技状態を移行する移行指示が行われたかを判断して(S802)、移行指示が行われるまでは(S802でNO)には通常遊技状態における演出画像の表示を継続する。
また、移行指示が行われた場合(S802でYES)には、移行指示された移行後の遊技状態を解析する(S803)。この解析処理によって、移行指示された移行後の遊技状態が特別遊技状態である大当たり遊技状態であるかを判断する(S804)。移行指示された遊技状態が大当たり遊技状態でない場合(S804でNO)には、移行指示された遊技状態における演出画像の表示を行う。
それに対して、大当たり遊技状態への移行指示が行われた場合(S804でYES)には、通常遊技状態の演出画像を表示している第1表示装置の前面に設けられた第2表示装置に表示する役物画像を読み出し(S805)、読み出した役物画像を第2表示装置に表示する(S806)。
このようにして第2表示装置に役物画像が表示されると、この役物画像を構成する画素若しくは複数の画素からなるブロックを単位として第1特別画像および第2特別画像が所定時間間隔ごとに切り換えられて表示された状態となるような調光処理を行う(S807)。
このときの調光処理の詳細な流れを図9に示す。
この調光処理によって、遊技者は、第2表示装置に表示された役物画像をみるタイミングによって、第1特別画像と第2特別画像とが切り換えられてみることができるようになる。
そして、第2表示装置に第2特別画像が表示されたタイミングによってこの第2特別画像により示される演出情報に基づいて、遊技者が操作を行ったかを判断する(S808)。図7に示すフローチャートでも説明するように、その演出情報に基づいて操作が行われた場合(S808でYES)、例えば、図11に示すような第2特別画像が表示されたときに、遊技者が操作ボタンを「3回押した」と判断する場合には、この第2特別画像により示される演出情報に基づく大当たり遊技の演出処理を行う(S809)。
また、その演出情報に基づく処理が行われない場合(S808でNO)には、通常の大当たり遊技を実行する(S810)。
図9は、図8示す調光処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図9において、役物画像が表示されると、この役物画像を表示するための光量を調整し(S901)、役物画像を構成する画素単位若しくは複数の画素により構成されるブロック単位に、露出される画素若しくはブロックを選定、露出レベルを設定するフィルタを適用して表示される露出量を低減する(S902)。
図10は、図7のS708および図8のS809に示す「演出情報に基づく大当たり遊技の演出処理」の詳細な流れを示すフローチャートである。
図10における処理は、例えば、図11に示すような「3回押して」という演出情報が第2特別画像として表示された状態において処理が開始され、遊技者によって操作ボタンが所定時間内に3回押下されたかを判断する(S1001)。
所定時間内に操作ボタンが3回押下された場合(S1001でYES)には、稀少画像等を表示して(S1002)、大当たり遊技を実行する(S1003)。
それに対して、操作ボタンが所定時間内に3回押下されない場合(S1001でNO)には、稀少画像等を表示することなく、大当たり遊技を実行する(S1003)。
図12は、本発明の実施の形態における遊技機、表示制御方法および表示制御プログラムを適用して構成した遊技機の装置構成図の一例である。
図12に示す装置構成は図1に示す遊技機の装置構成と類似する。
この遊技機1の側面には台間機が設置され、台間機に投入された有価貨幣に応じた数量の遊技媒体、たとえば遊技球が貸与され、操作ハンドル3を遊技者により回動されると、操作ハンドル3内部に設けられたタッチセンサ3bがこれを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。
この発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。
そして、操作ハンドル3が回動された回転角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。電圧が印加された発射用ソレノイド4aでは、印加電圧に応じて操作ハンドル3に直結しているギアを回転させ、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。
これによって、貸与された遊技球が遊技領域6に向けて発射される。
遊技球が発射されて送られた遊技領域6は、遊技盤2に設けられており、この遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。
遊技領域6に発射された遊技球は、レール5a、5b間の搬送路を上昇移動して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6には、複数の釘や風車が設けられており、遊技球はこれらの障害物に当たりながら予測不能に落下することとなる。
また、この遊技領域6には、複数の一般入賞口7が設けられている。
各一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aがそれぞれ設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が追加貸与される。
さらに、遊技領域6内の一般入賞口7の上方には、普通図柄ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
また、第1始動口9の真下には、第2始動口10が設けられている。
この第2始動口10の入り口部分には、一対の可動片10bが設けられており、これら一対の可動片10bが第2始動口10を塞いでいる閉状態にある第1の態様と、この一対の可動片10bが第2始動口10への遊技球の流入をガイドする開状態にある第2の態様となるように可動制御されている。
なお、第2始動口10が第1の態様、すなわち閉状態にあるときには、当該第2始動口10の真上に位置する第1始動口9が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。その一方で、第2始動口10が第2の態様、すなわち開状態にあるときには、一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。
この第1始動口9および第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9aおよび第2始動口検出スイッチ10aがそれぞれ設けられており、これらの検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する特別遊技(当たり遊技)を実行する権利獲得の抽選(以下、「当たりの抽選」ともいう)が行われるほか、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が追加貸与される。
さらに、第2始動口10のさらに下方には、大入賞口11が設けられている。
この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉11bが開放されて開状態に維持されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技球を大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口11に入球可能となる。
この大入賞口11には、大入賞口検出スイッチ11aが設けられており、大入賞口開閉扉11bにガイドされて遊技球が入球するとこれを検知し、あらかじめ設定されている賞球(例えば9個の遊技球)が追加貸与される。
この大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、および大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を遊技領域6から排出するための排出口12が設けられている。
図12に示す遊技機1の遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられており、具体的には、遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる画像表示装置13が設けられており、この画像表示装置13の右側面には、演出用役物装置14、15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
この画像表示装置13には、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球することにより、上記に示すような権利獲得の抽選が行われて得た抽選結果を遊技者に報知する「演出図柄30」が変動表示される。また、この画像表示装置13は、大当たり遊技状態への移行指示が行われることによって背面画像に切り換えて表示する。
この背景画像13は、大当たり遊技状態への移行指示が行われることによって当該大当たり遊技状態における演出画像を表示するに際して、遊技者が正面(第1姿態)から観たときの第1の部分からみえる画像(第1画像)と、その第1姿態から少し傾いて(第2姿態)観たときの画像(第2画像)とから構成される。
演出図柄30は、例えば3つの数字若しくは文字を含む図柄をそれぞれ上下方向にスクロール回転させたように表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロール回転の表示を停止させて図柄を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄の組み合わせによる抽選結果を遊技者に報知する。
この演出図柄30の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示すること若しくは演出用役物装置14、15により所定の演出を行うことによって大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えることも可能である。
この演出用役物装置14、15は、画像表示装置13の少なくとも一部を被覆し、被覆されたことによって画像表示装置13に表示された演出画像に示された画像の内容を判別可能とするほか、画像表示装置13に表示された演出画像をみる遊技者の姿態に基づいて異なる画像(第1画像、第2画像)が表示されるようにする。
このときの演出用役物装置14、15は、抽選の結果、大当たり遊技状態への移行が指示されると、画像表示装置13の少なくとも一部を被覆するように移動する演出部材である。なお、この演出部材が被覆された状態で所定の操作が行われた場合若しくは所定の操作が一定時間以上行われない場合には、画像表示装置13に表示された演出画像が遊技者によって参照できる状態とする。すなわち、画像表示装置13に被覆するように移動した演出部材を被覆しないように移動する。
この演出部材は、液晶表示装置13に表示された背面画像の一部を遊技者の覗く姿態に応じて変化させることができる部材であって、遊技者が液晶表示装置13を正面(第1の姿態)からみたときにその液晶表示装置13に表示された背面画像を透過する透過領域(第1の部分画像)と、液晶表示装置13を斜め(第2の姿態)からみたときにその液晶表示装置13に表示された背面画像を隠蔽する隠蔽領域(第2の部分画像)とから構成されている。
また、演出用照明装置16は、遊技者に視覚を通じた情報伝達、光の照射方向や発光色を変更することによりさまざまな遊技効果を提供する点灯部材を備えており、この点灯部材はたとえばLED等のランプによって構成される。
また、演出ボタン17は、たとえば液晶表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示された場合に遊技者が当該演出ボタン17を押下すると、演出ボタン17に設けられた演出ボタン検出スイッチ17aが遊技者の操作を検出してさらなる演出が実行される。
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18(図3参照)が設けられており、各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、当たりの抽選結果に対応する特別の図柄(以下、「特別図柄」という)が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。
なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。
すなわち、第1始動口9に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は「第1保留」として留保され、第2始動口10に遊技球が入球して保留される大当たりの抽選の権利は「第2保留」として留保される。
これら「第1保留」、「第2保留」は、それぞれ上限留保個数を4個に設定されており、その留保個数は、第1保留として保留された権利は第1特別図柄保留表示器22に表示され、第2保留として保留された権利は第2特別図柄保留表示器23に表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器23においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、第1特別図柄保留表示器22および第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(図示せず)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
また、図12に示す遊技機1の裏面からみた構成を示した斜視図は、実施例1で説明した図2と同様である。
図13は、本発明の実施の形態における遊技機の機能構成を示すブロック図である。
図13において、主制御基板101は遊技の基本動作を制御する装置である。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。
メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号にもとづいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板101には、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、第1大入賞口検出スイッチ11a、第2大入賞口検出スイッチ90aが接続されており、遊技球の検出信号が入力される。
また、この主制御基板101には、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cとが接続されているほか、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20と普通図柄表示装置21と、保留表示器を構成する第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23と普通図柄保留表示器24とが接続されており、これらに対して各種信号を出力する。
さらに、この主制御基板101は、複数の遊技機を1グループとして「島」を形成した各「島」をコントロールする島コントローラ装置や各「島」の島コントローラ装置を管理するターミナルコントローラ装置に対して自遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板108に出力する。
主制御基板101のメインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、メインROM101bには、特別図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル、高確率遊技状態を終了するか否かを判定するための転落判定テーブル特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄にもとづいて遊技状態変更フラグを決定する決定テーブル、遊技状態変更フラグと遊技状態バッファにあるデータとにもとづいて遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉11bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、長当たり用開放態様決定テーブル、短当たり用開放態様決定テーブル、小当たり用の開放態様決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数記憶領域、第2特別図柄保留数記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数記憶領域、時短遊技状態の残り変動回数記憶領域、ラウンド遊技回数記憶領域、開放回数記憶領域、大入賞口入球数記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。
そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、電源プラグ50を介して遊技機に電力を給電するものであり、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、又は、上記演出ボタン検出スイッチ17a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータをランプ制御基板104又は画像制御基板105に送信する。
サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブル等が記憶されている。
例えば、サブROM102bには、主制御基板101から受信した変動パターン指定コマンドにもとづいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、当該変動演出パターン決定テーブルは、本実施形態のテーブルのうち特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。例えば、サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域等が設けられている。なお、これらの記憶領域は、本実施形態の記憶領域のうち特徴的な記憶領域を一例として列挙しているに過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機1に電源が供給されているときには遊技機1からの電源によって動作し、遊技機1の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板102上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
また、RTC102dを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するサブRAM102cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。
この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマからの入力信号にもとづいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理にもとづいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
また、払出制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドにもとづいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているかを確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号及び発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるので約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
画像制御基板105は、上記液晶表示装置13の画像表示制御を行うための画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、図示しない音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記液晶表示装置13および音声出力装置18を接続している。
上記画像ROMには、液晶表示装置13に表示される演出図柄30や背景等の画像データや演出画像が多数格納されており、画像CPUが演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出し、所定の画像データや演出画像を画像ROMからVRAMに読み出して、表示する表示制御を行う。
なお、画像CPUは、液晶表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクター画像は、液晶表示装置13の液晶表示装置の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
また、上記音声ROMには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力を制御する。
この画像制御基板105は、画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMを用いて構成される表示制御部400を具備し、表示制御部400は、液晶表示装置13に表示する画像の表示制御を行う。
この表示制御部400において行われる処理の詳細な構成を図14に示す。
図14は、本発明の実施の形態における遊技機、表示制御方法および表示制御プログラムを適用して構成される表示制御部400の詳細な構成を示すブロック図である。
図14においては、表示制御部400は、送受信部401、指示判断部402、表示処理部403、解析部404、演出画像記憶部406、演出部材制御部1401を具備して構成される。
送受信部401は、演出制御基板102を介して主制御基板101から画像表示要求を受信する。この画像表示要求は、遊技機が提供する遊技状態を指定した表示要求であって、この画像表示要求を受信した送受信部401は、指示判断部402へと画像表示要求を送出する。
この指示判断部402は、送受信部401から送出された画像表示要求に遊技状態の移行指示が含まれているかを判断する。この画像表示要求に移行指示が含まれておらず、遊技状態が指定されている場合には、その遊技状態における演出画像の表示を表示処理部403へと指示する。
このときの表示処理部403は、遊技状態に応じた演出画像を演出画像記憶部406から取得し、液晶表示装置13へとその演出画像を表示させる。
また、指示判断部402において、画像表示要求に移行指示が含まれていると判断する場合には、解析部404へとその移行指示を送出する。このとき、解析部404では、移行指示されている移行後の遊技状態を解析する。
移行後の遊技状態が「大当たり遊技状態」でない場合には、表示処理部403へと移行後の遊技状態を通知する。これにより、表示処理部403は、解析部404より通知された移行後の遊技状態に応じた演出画像を演出画像記憶部406から取得して液晶表示装置13に表示させる。
それに対して、「大当たり遊技状態」の移行指示が行われている場合には、表示処理部403へと移行後の遊技状態を通知するとともに、演出部材制御部1401に対して大当たり遊技状態への移行指示が行われたことを通知する。
演出部材制御部1401では、大当たり遊技状態への移行指示が行われたことが通知されると、演出部材を移動させることによって画像表示装置13を被覆する。この画像表示装置13に被覆される演出部材は、上記に示すように、液晶表示装置13に表示された背面画像の一部を遊技者の覗く姿態に応じて変化させることができる部材であって、遊技者が液晶表示装置を正面(第1の姿態)からみたときに液晶表示装置に表示された背面画像を透過する透過領域(第1の部分画像)と、第2の表示装置を斜め(第2の姿態)からみたときに液晶表示装置に表示された背面画像を隠蔽する隠蔽領域(第2の部分画像)とから構成されている。
この演出部材が被覆されることによって、遊技者が画像表示装置13に表示された演出画像を正対して正面からみたときの画像(第1画像)と斜めからみたときの画像(第2画像)とが異なるものとなる。
大当たり遊技状態が通知された表示処理部403では、演出画像記憶部406で記憶している背面画像を取得して液晶表示装置13に表示する。
これによって、画像表示装置13は、大当たり遊技状態への移行指示が行われることによって演出画像を表示するに際して、遊技者が正面(第1姿態)から観たときの第1の部分からみえる画像(第1画像)と、その第1姿態から少し傾いて(第2姿態)観たときの画像(第2画像)とから構成される背面画像を表示する。
演出部材制御部1401では、図16(a)に示すような演出部材を図15(a)および図15(b)のように画像表示装置13の前面に被覆することによって、第1画像および第2画像を表示する。
図15(a)には、画像表示装置13の上部から画像表示装置13全体を覆う演出部材によって被覆される状態を示し、また、図15(b)には、画像表示装置13の前面の左右からその画像表示装置13の半分を覆う演出部材がそれぞれ移動することによって全体が被覆される状態を示す。
この演出部材は、画像表示装置13に表示された演出画像と重ね合わせて、正面からみたときと斜めからみたときにみえる画像が異なるものである。
この図15(a)および図15(b)に示すような演出部材において画像表示装置13が被覆された状態を図16に示す。
図16(a)は、画像表示装置13の全体が演出部材によって覆われた状態を示し、このときの演出部材は、画像表示装置13に表示した演出画像を格子状に覆うものであって、格子状によって演出画像を覆う部分以外は透明の演出部材によって構成されている。
このときの状態を図16(b)に示している。
図16(b)は、液晶表示装置13の前面に演出部材14を被覆させた状態で、遊技者が第1の姿態および第2の姿態から覗いたときに上部からみえる状態を示す図である。
液晶表示装置13には、第1画像と第2画像とから構成される背面画像を表示した状態を示している。
遊技者がこれらの表示装置に正対して正面(第1の姿態)から画像を覗くことによって演出部材の透過領域を介して遊技者が覗けることができる背面画像が第1画像であって、また、遊技者が演出部材を通して液晶表示装置13を斜め(第2の姿態)から画像を覗くことによって演出部材の透過領域を介して遊技者が覗けることができる背面画像が第2画像である。
液晶表示装置13と演出部材14との間には、遊技球が通過することができる経路が設けられており、その経路の途中には入球口13Cが設けられている。入球口13Cには、遊技球の入球を検知する入球口検出スイッチ13Caが設けられており、大当たり遊技状態にある場合にこの入球口検出スイッチ13Caが遊技球の入球を検出すると、図14に示す送受信部401はこれを受信し、演出部材制御部1401へと送出する。
これにより、演出部材制御部1401は、大当たり遊技状態への移行指示を受信してから経過した時間の計時を行い、所定時間内に入球口13Cに遊技球が入球されたことを入球口検出スイッチ13Caが検知することによって、表示処理部403に対して所定時間内に入球を検知したことを通知する。
これにより、表示処理部403は、演出画像記憶部406から背面画像を取得して液晶表示装置13に表示させる。
図17は、本発明の実施の形態における遊技機、表示制御方法および表示制御プログラムを適用して遊技機において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図17において、遊技機が通常遊技状態による遊技を提供している場合、液晶表示装置には、その通常遊技状態における演出画像を表示している(S1701)。
通常遊技状態において液晶表示装置に演出画像が表示された状態で、遊技状態を移行する移行指示が行われたかを判断して(S1702)、移行指示が行われるまでは(S1702でNO)には通常遊技状態における演出画像の表示を継続する。
また、移行指示が行われた場合(S1702でYES)には、移行指示された移行後の遊技状態を解析する(S1703)。この解析処理によって、移行指示された移行後の遊技状態が特別遊技状態である大当たり遊技状態であるかを判断する(S1704)。移行指示された遊技状態が大当たり遊技状態でない場合(S1004でNO)には、移行指示された遊技状態における演出画像の表示を行う。
それに対して、大当たり遊技状態への移行指示が行われた場合(S1704でYES)には、液晶表示装置の前面にその液晶表示装置に表示された第1演出画像の少なくとも一部を覆う演出部材(「役物」ともいう)を被覆する(S1705)。また、液晶表示装置を背面画像に切り換えて表示する。
これにより、遊技者がその演出部材を正対して正面(第1の姿態)から背面画像を覗いたときに背面画像を構成する第1画像をみることができ、また、遊技者がその演出部材を斜め(第2の姿態)から背面画像を覗いたときに背面画像を構成する第2画像をみることができる。
そして、演出部材が液晶表示装置の演出画像に被覆されることによって遊技者が観ることができる第2画像に基づいて、遊技者が操作を行ったかを判断する(S1706)。例えば、図11に示すような第2画像が表示されたときに、遊技者が操作ボタンを「3回押した」と判断する場合(S1706でYES)には、この第2画像により示される演出情報に基づく大当たり遊技の演出処理を行う(S1707)。
また、その演出情報に基づく処理が行われない場合(S1707でNO)には、通常の大当たり遊技を実行する(S1708)。
図18は、図17に示す「演出情報に基づく大当たり遊技の演出処理」の詳細な流れを示すフローチャートである。
図18における処理は、例えば、図11に示すような「3回押して」という演出情報が第2画像として表示された状態において処理が開始され、演出部材が表示装置を被覆してから経過した時間を計時する(S1801)。
続いて、遊技者によって操作ボタンが3回押下されたかを判断する(S1802)。
操作ボタンが3回押下されていない場合(S1802でNO)には、続いて、計時した時間が予め指定した所定時間を経過したかを判断し(S1803)、所定時間を経過してもなお操作ボタンが押下されない場合(S1803でYES)には、表示装置の前面に被覆された演出部材を移動させて(S1804)、予め設定した通常の大当たり遊技を実行する(S1805)。
それに対して、操作ボタンが押下される前であっても予め指定した所定時間を経過する前である場合(S1803でNO)には、所定時間を経過するまで待機する。
また、所定時間内に操作ボタンが押下された場合(S1802でYES)には、表示装置の前面に被覆された演出部材を移動させて(S1804)演出部材が移動後、表示装置に稀少画像等を表示して(S1806)大当たり遊技を実行する(S1805)。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
なお、本発明は、上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行するコンピュータを構成することも可能である。このときのコンピュータには、システムバスを介してCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続され、CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。