JP2015181591A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネルを備えた遊技機において信号の送受信を適切に制御する。【解決手段】遊技機は、遊技の基本動作を制御するメインCPU290と、遊技の演出的動作を制御するサブCPU310と、演出の画像を表示する演出表示装置60と、演出表示装置60に表示される画像を生成する表示CPU320と、演出表示装置60の画面に併設された、メインCPU290に対する指示入力を受け付けるためのメイン用タッチパッド67と、サブCPU310に対する指示入力を受け付けるためのサブ用タッチパッド68とを備える。表示CPU320は、メインCPU290、サブCPU310、遊技機外部に設けられて前記遊技機に接続された遊技の結果に応じて遊技者に付与される利益を管理するICカード処理装置2450から送信される信号に基づいて生成した画像を、それぞれ、第1の領域、第2の領域、第3の領域に表示する。【選択図】図41
Description
遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
このような遊技機において、遊技中に遊技者による指示入力を受け付けるために、入力ボタンを設けたものがある。遊技機は、入力ボタンを介して遊技者から指示入力を受け付け、遊技又は演出を制御する。指示入力を受け付けるための手段として、タッチパネルも広く一般に普及している。
遊技機においては、遊技の基本的動作を制御する主制御装置と、遊技の演出的動作を制御する副制御装置とが別個に設けられ、副制御装置から主制御装置へは信号を送信することができないように構成されている。したがって、遊技機にタッチパネルを設け、主制御装置や副制御装置などに対する遊技者の指示入力を受け付ける場合、主制御装置から副制御装置への信号の一方向性を保つための技術的考慮が求められる。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、タッチパネルを備えた遊技機において信号の送受信を適切に制御する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の遊技機は、遊技の基本動作を制御する主制御装置と、遊技の演出的動作を制御する副制御装置と、副制御装置により制御される演出の画像を表示する演出表示装置と、演出表示装置に表示される画像を生成する演出表示制御装置と、演出表示装置の画面に併設された、遊技者から主制御装置に対する指示入力を受け付けるための第1の入力検出手段と、第1の入力検出手段が併設された演出表示装置の画面と同一の画面に第1の入力検出手段とは別に併設された、遊技者から副制御装置に対する指示入力を受け付けるための第2の入力検出手段と、を備える。第1の入力検出手段は、主制御装置と電気的に接続され、第2の入力検出手段は、副制御装置と電気的に接続され、演出表示制御装置は、主制御装置から送信される信号に基づいて生成した遊技の基本動作に関する画像を演出表示装置の第1の領域に表示し、副制御装置から送信される信号に基づいて生成した演出の画像を演出表示装置の第2の領域に表示し、遊技機外部に設けられて遊技機に接続された遊技の結果に応じて遊技者に付与される利益を管理する利益管理装置から送信される信号に基づいて生成した利益に関する画像を演出表示装置の第3の領域に表示し、第1の入力検出手段のうち、第1の領域に対応する領域に対する指示入力は主制御装置により受け付けられ、第2の入力検出手段のうち、第2の領域に対応する領域に対する指示入力は副制御装置により受け付けられ、第1の入力検出手段、第2の入力検出手段、又は、第1の入力検出手段及び第2の入力検出手段とは別に演出表示装置の画面に併設された第3の入力検出手段のうち、第3の領域に対応する領域に対する指示入力は利益管理装置により受け付けられる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の遊技機によれば、タッチパネルを備えた遊技機において信号の送受信を適切に制御する技術を提供することができる。
遊技者の指などによる接触を検知可能なタッチパッドを表示装置に併設し、タッチパッドを介して遊技者による指示入力を受け付ける技術について説明する。ぱちんこやスロットマシンなどの遊技機においては、遊技の基本動作を制御する主制御装置と、遊技の演出的動作を制御する副制御装置とが別個に設けられ、副制御装置から主制御装置へ信号を送信することはできないように構成されている。したがって、タッチパッドについても、主制御装置に対する指示入力を受け付けるためのメイン用タッチパッドと、副制御装置に対する指示入力を受け付けるためのサブ用タッチパッドを別個に設け、メイン用タッチパッドは主制御装置に、サブ用タッチパッドは副制御装置に、それぞれ電気的に接続する。
まず、第1の実施例において、このような技術をぱちんこ遊技機に適用した実施例について説明する。つづいて、第2の実施例において、スロットマシンに適用した実施例について、第3の実施例において、じやん球遊技機に適用した実施例について、第4の実施例において、利益管理装置を備えた遊技機に適用した実施例について説明する。
(第1の実施例)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否抽選手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否抽選手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否抽選手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否抽選手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否抽選手段221および第2当否抽選手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否抽選手段221および第2当否抽選手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否抽選手段221および第2当否抽選手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否抽選手段221および第2当否抽選手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否抽選手段221および第2当否抽選手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否抽選手段221による第1当否抽選と第2当否抽選手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否抽選手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否抽選手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否抽選手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否抽選手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否抽選手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選または第2当否抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選または第2当否抽選に対する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。第1当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶し、第2当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否抽選手段221および第2当否抽選手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否抽選手段221および第2当否抽選手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
図10は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEXTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図11は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
図12は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図13は、図12におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図14は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図16は、図15におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図15のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S580はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS580の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図17は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図16のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図18は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図19は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図20は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図21は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否抽選手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否抽選手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否抽選手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否抽選手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図22は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図23は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図24は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
図25は、タッチパッドが併設された演出表示装置の例を示す。メイン用タッチパッド67は、演出表示装置60の画面に併設され、遊技者からメイン基板200に対する指示入力を受け付ける。サブ用タッチパッド68は、メイン用タッチパッド67が併設された演出表示装置60の画面と同一の画面にメイン用タッチパッド67とは別に併設され、遊技者からサブ基板300に対する指示入力を受け付ける。
メイン用タッチパッド67は、メイン基板200のメインCPU290と電気的に接続され、遊技者の指などによる接触を検知すると、メインCPU290へ信号を送信する。サブ用タッチパッド68は、サブ基板300のサブCPU310と電気的に接続され、遊技者の指などによる接触を検知すると、サブCPU310へ信号を送信する。メイン用タッチパッド67は、サブ基板300とは電気的に接続されておらず、メイン用タッチパッド67からサブCPU310へ信号は送信されない。サブ用タッチパッド68は、メイン基板200とは電気的に接続されておらず、サブ用タッチパッド68からメインCPU290へ信号は送信されない。このように、メイン基板200に対する指示入力を受け付けるためのメイン用タッチパッド67と、サブ基板300に対する指示入力を受け付けるためのサブ用タッチパッド68とを、物理的にも電気的にも分離することにより、メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性を保つことができる。
メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68は、既知の任意の方式のタッチパッドであってもよい。例えば、メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68は、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、赤外線方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式、抵抗膜方式、マトリクススイッチ方式などのタッチパッドであってもよい。メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68は、同一の方式のタッチパッドであってもよいし、それぞれ異なる方式のタッチパッドであってもよい。
メインCPU290は、特別図柄や普通図柄など、遊技の基本的動作に関する画像を演出表示装置60の画面に表示するための信号を演出表示制御装置313の表示CPU320へ送信する。表示CPU320は、メインCPU290から受信した信号をメイン用表示RAM350に格納し、その信号に基づいて、遊技の基本的動作に関する画像を生成して演出表示装置60に表示する。表示CPU320は、遊技の基本的動作に関する画像を生成するときに、必要に応じて、メイン用データROM360に格納されたデータを読み出して使用する。
メインCPU290は、遊技球の発射のオンオフや、発射強度の調整など、遊技の基本的動作に関する指示入力を遊技者から受け付けるときに、オンオフ切替ボタンや調整ボタンなど、指示入力を受け付けるためのユーザインタフェースを演出表示装置60の画面に表示するための信号を表示CPU320へ送信する。表示CPU320は、メインCPU290から受信した信号をメイン用表示RAM350に格納し、その信号に基づいて、遊技者から指示入力を受け付けるためのユーザインタフェースを含む画像を生成して演出表示装置60に表示する。表示CPU320は、ユーザインタフェースを含む画像を生成するときに、必要に応じて、メイン用データROM360に格納されたデータを読み出して使用する。
メインCPU290は、演出表示装置60に表示したユーザインタフェースに対する指示入力を受け付けたメイン用タッチパッド67から信号を受信すると、その信号に基づいて、遊技の基本的動作を制御する。メインCPU290は、遊技の基本的動作を制御するときに、必要に応じて、サブCPU310へコマンドを送信する。
サブCPU310は、装飾図柄や演出画像など、遊技の演出的動作に関する画像を演出表示装置60の画面に表示するための信号を演出表示制御装置313の表示CPU320へ送信する。表示CPU320は、サブCPU310から受信した信号をサブ用表示RAM352に格納し、その信号に基づいて、遊技の演出的動作に関する画像を生成して演出表示装置60に表示する。表示CPU320は、遊技の演出的動作に関する画像を生成するときに、必要に応じて、サブ用データROM362に格納されたデータを読み出して使用する。
サブCPU310は、演出に関する操作指示や、音量や明るさなどの調整など、遊技の演出的動作に関する指示入力を遊技者から受け付けるときに、操作ボタンや調整ボタンなど、指示入力を受け付けるためのユーザインタフェースを演出表示装置60の画面に表示するための信号を表示CPU320へ送信する。表示CPU320は、サブCPU310から受信した信号をサブ用表示RAM352に格納し、その信号に基づいて、遊技者から指示入力を受け付けるためのユーザインタフェースを含む画像を生成して演出表示装置60に表示する。表示CPU320は、ユーザインタフェースを含む画像を生成するときに、必要に応じて、サブ用データROM362に格納されたデータを読み出して使用する。
サブCPU310は、メインCPU290から受信したコマンドに基づいて、遊技の演出的動作を制御する。サブCPU310は、演出表示装置60に表示したユーザインタフェースに対する指示入力を受け付けたサブ用タッチパッド68から信号を受信すると、その信号に更に基づいて、遊技の演出的動作を制御する。
メインCPU290が制御する遊技の基本的動作に関する画像のうち、メインCPU290が直接制御すべきであって、サブCPU310に表示を担当させるべきではないもの、例えば、特別図柄や普通図柄などは、メインCPU290が直接表示CPU320に信号を送信し、表示CPU320に表示させるが、サブCPU310に表示を担当させてもよいもの、例えば、保留球数などは、メインCPU290からコマンド又は信号を受信したサブCPU310が表示CPU320に信号を送信し、表示CPU320に表示させてもよい。これにより、遊技の基本的動作に係る情報のうち重要なものはサブCPU310を介さずに適切に表示させつつ、メインCPU290の処理負荷を軽減させることができる。
メインCPU290及びサブCPU310は、それぞれ異なる種類又は方式の操作入力を、自身に対する指示入力として受け付けてもよい。例えば、メインCPU290は、所定期間以上のタッチ、所定回数以上のタッチ、又は所定数以上の位置におけるタッチを指示入力として受け付け、サブCPU310は、所定期間未満のタッチ、所定回数未満のタッチ、又は所定数未満の位置におけるタッチを指示入力として受け付けてもよい。すなわち、メインCPU290が2回以上のタッチを指示入力として受け付ける場合、メインCPU290は、1回のタッチを指示入力として受け付けず、サブCPU310は、1回のタッチを指示入力として受け付け、2回以上のタッチを指示入力として受け付けない。また、タッチ入力、フリック入力、ドラッグ入力などの操作入力のうち、それぞれ異なる方式の操作入力を指示入力として受け付けてもよい。これにより、誤入力又は誤操作を低減させることができる。メインCPU290は、遊技者が意図して入力したものであることをより確実に担保するために、より困難な入力方式、例えば、所定回数以上のタッチを指示入力として受け付けてもよい。サブCPU310は、演出に関する多様な指示入力を受け付けるために、メインCPU290よりも多くの方式の入力、例えばフリック入力及びドラッグ入力などを受け付け、メインCPU290は、単一の方式の入力、例えばタッチ入力のみを受け付けてもよい。
メイン用表示RAM350とサブ用表示RAM352は、物理的に異なる記憶装置に設けられてもよいし、同一の記憶装置の異なる記憶領域に設けられてもよい。同様に、メイン用データROM360とサブ用データROM362は、物理的に異なる記憶装置に設けられてもよいし、同一の記憶装置の異なる記憶領域に設けられてもよい。これにより、遊技の基本的動作に関する処理と遊技の演出的動作に関する処理に用いられるデータを厳密に分離し、データの独立性を保つことができる。
表示CPU320についても、メインCPU290から送信される信号に基づいて遊技の基本的動作に関する画像を生成するメイン用表示CPUと、サブCPU310から送信される信号に基づいて遊技の演出的動作に関する画像を生成するサブ用表示CPUが、物理的に異なる装置として別個に設けられてもよい。これにより、更に、遊技の基本的動作に関する処理と遊技の演出的動作に関する処理に用いられるデータを厳密に分離し、データの独立性を保つことができる。
図26は、演出表示装置60に表示される画面の例を示す。演出表示装置60の画面400には、遊技の基本的動作に関する画像が表示されるメイン表示領域402と、遊技の演出的動作に関する画像が表示されるサブ表示領域404が設けられる。前述したように、メイン表示領域402に表示される画像は、メインCPU290から送信される信号に基づいて表示CPU320により生成され、サブ表示領域404に表示される画像は、サブCPU310から送信される信号に基づいて表示CPU320により生成される。メイン表示領域402には、例えば、特別図柄410、普通図柄412、大入賞口20及び普通電動役物90の動作状態、特別遊技のラウンドなどが表示されてもよい。サブ表示領域404には、例えば、装飾図柄430、リーチ演出などにおける演出画像432、背景画像、キャラクタなどが表示されてもよい。
表示CPU320は、メイン表示領域402とサブ表示領域404とが互いに重ならないように制御する。表示CPU320は、メイン表示領域402及びサブ表示領域404の位置及び大きさを予め定めておき、定められたメイン表示領域402及びサブ表示領域404内にそれぞれの画像を表示してもよいし、後述するように、遊技状態などに応じてメイン表示領域402及びサブ表示領域404の位置又は大きさを動的に変更してもよい。エラーなどにより、メイン表示領域402とサブ表示領域404とが重なってしまう場合には、表示CPU320は、メイン表示領域402に表示すべき画像を優先的に表示する。例えば、表示CPU320がメイン表示領域402とサブ表示領域404とを異なるレイヤに描画して表示する場合、メイン表示領域402を描画するレイヤをサブ表示領域404を描画するレイヤよりも常に上に表示してもよい。表示CPU320がメイン表示領域402とサブ表示領域404とを同じレイヤに描画して表示する場合、メイン表示領域402に表示すべき表示対象の奥行き方向の座標(Z値)を、サブ表示領域404に表示すべき表示対象の奥行き方向の座標(Z値)よりも手前になるように設定してもよい。また、サブ表示領域404に表示すべき表示対象を先に描画した後、メイン表示領域402に表示すべき表示対象を上書きして描画してもよい。これにより、遊技の基本的動作に関わる重要な画像が演出画像などにより隠されてしまうことを防ぐことができる。
メイン表示領域402には、遊技球の発射をオンオフするためのボタン420、遊技球の発射強度を調整するためのスライダー422などのユーザインタフェースが表示される。遊技者がボタン420にタッチすると、メイン用タッチパッド67は、信号をメインCPU290に送信し、メインCPU290は、送信された信号に基づいて遊技球の発射をオンオフする。また、遊技者がスライダー422をドラッグすると、メイン用タッチパッド67は、信号をメインCPU290に送信し、メインCPU290は、送信された信号に基づいて遊技球の発射強度を調整する。
サブ表示領域404には、演出に関する操作を遊技者から受け付けるための操作ボタン440、演出に関する各種の設定を遊技者から受け付けるためのメニュー画面を表示するためのメニューボタン442などのユーザインタフェースが表示される。遊技者が操作ボタン440にタッチすると、サブ用タッチパッド68は、信号をサブCPU310に送信し、サブCPU310は、送信された信号に基づいて演出を制御する。また、遊技者がメニューボタン442にタッチすると、サブ用タッチパッド68は、信号をサブCPU310に送信し、サブCPU310は、送信された信号に基づいてメニュー画面を表示する。サブCPU310は、サブ表示領域404に表示されたキャラクタなどの演出画像に対する指示入力を受け付け、演出の内容を変化させてもよい。
図27は、タッチパッドと演出表示装置の構成例を示す。図27(a)は、メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68が併設された演出表示装置60の側面を示す。この例では、遊技者に近い側から順に、メイン用タッチパッド67、サブ用タッチパッド68、及び演出表示装置60の画面が、層状に重なるように構成される。図27(b)は、演出表示装置60の上面を示す。図26に示したように、演出表示装置60のメイン表示領域402には、遊技の基本的動作に関する画像が表示され、サブ表示領域404には、遊技の演出的動作に関する画像が表示される。図27(c)は、メイン用タッチパッド67の上面を示す。メイン用タッチパッド67のうち、メイン表示領域402に対応する領域は、遊技者からメインCPU290に対する指示入力を受け付けるメイン入力領域450とされ、それ以外の領域は、遊技者による指示入力を受け付けない無効領域とされる。図27(d)は、サブ用タッチパッド68の上面を示す。サブ用タッチパッド68のうち、サブ表示領域404に対応する領域は、遊技者からサブCPU310に対する指示入力を受け付けるサブ入力領域452とされ、それ以外の領域は、遊技者による指示入力を受け付けない無効領域とされる。メイン入力領域450とサブ入力領域452は、隣接して設けられてもよいし、図27に示すように、それらの間に無効領域が設けられてもよい。前者の場合、限られた領域を有効に利用して遊技者の指示入力を受け付けることができる。後者の場合、遊技者が誤って意図したものとは異なる入力領域に接触して、誤った指示入力をしてしまうことを低減することができる。無効領域にウインドウ枠などを表示し、無効領域における指示入力が無効であることを遊技者に示してもよい。無効領域における指示入力を検知したときに、その指示入力が無効領域に対するものであって無効であることを遊技者に報知してもよい。また、無効領域における演出表示装置60の前面に、遊技者による無効領域に対する接触を防ぐための枠材などの固形物を設けてもよい。
図27に示した例では、遊技者に近い側から順に、メイン用タッチパッド67、サブ用タッチパッド68、及び演出表示装置60の画面が、層状に重なるように構成されるが、別の例では、遊技者に近い側から順に、サブ用タッチパッド68、メイン用タッチパッド67、及び演出表示装置60の画面が、層状に重なるように構成されてもよい。
メイン用タッチパッドとサブ用タッチパッド68が同一の方式のタッチパッドである場合、図27に示すように、メイン用タッチパッド67が遊技者に近い側に配置され、サブ用タッチパッド68が演出表示装置60の画面に近い側に配置されてもよい。これにより、メイン用タッチパッド67が遊技者による接触を検知する際にサブ用タッチパッド68から受ける影響を最小限に抑え、より精確に指示入力を受け付けることができる。
メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68が異なる方式のタッチパッドである場合、遊技者に近い側に配置されるタッチパッドは、遊技者の指などが近づくだけで検知可能な静電容量方式などのタッチパッドとし、演出表示装置60の画面に近い側に配置されるタッチパッドは、遊技者の指などにより実際に押されたときに接触を検知可能な抵抗膜方式や表面弾性波方式などのタッチパッドとしてもよい。これにより、2層以上にタッチパッドを重ねても、それぞれのタッチパッドによる検知の精度を良好に保つことができる。この場合、サブ用タッチパッド68が遊技者に近い側に配置され、メイン用タッチパッド67が演出表示装置60の画面に近い側に配置されてもよい。これにより、メイン用タッチパッド67は、遊技者が指を近づけただけでなく、実際に指で押したときに接触を検知するので、遊技の基本的動作に関わる指示入力をより確実に受け付けることができる。
メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68は、無効領域における接触を検知したときに、メインCPU290又はサブCPU310へ信号を送信しないように構成されてもよいし、信号を送信するように構成されてもよい。メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68が、無効領域における接触を検知したときに、メインCPU290又はサブCPU310へ信号を送信しない場合、メイン用タッチパッド67は、層状の基板のうち、メイン入力領域450のみに設けられ、サブ用タッチパッド68は、層状の基板のうち、サブ入力領域452のみに設けられてもよい。また、遮蔽材などで無効領域を覆うことにより、無効領域における接触の検知を物理的に不能としてもよい。メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68が無効領域における接触を検知したときに、メインCPU290又はサブCPU310へ信号を送信する場合、メインCPU290及びサブCPU310は、無効領域における接触を検知したことを示す信号を受信しても、その信号を遊技者による指示入力として受け付けない。メインCPU290及びサブCPU310は、メイン用タッチパッド67又はサブ用タッチパッド68が無効領域における接触を検知している間は、メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68の全ての領域における接触を無効としてもよい。
メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68が、無効領域における接触を検知したときに、メインCPU290又はサブCPU310へ信号を送信する場合、メインCPU290及びサブCPU310は、メイン入力領域450とサブ入力領域452とが互いに重ならないように制御する。メインCPU290及びサブCPU310は、メイン入力領域450及びサブ入力領域452の位置及び大きさを予め定めておき、定められたメイン入力領域450及びサブ入力領域452内における接触をそれぞれに対する指示入力として受け付けてもよいし、後述するように、遊技状態などに応じてメイン入力領域450及びサブ入力領域452の位置又は大きさを動的に変更してもよい。
メインCPU290及びサブCPU310は、通常遊技における図柄変動中又はリーチなどの演出の実行中、特別遊技における開始デモ演出及び終了デモ演出の実行中など、遊技者が演出画像に注視するような状況においては、サブ表示領域404及びサブ入力領域452を相対的に広くし、メイン表示領域402及びメイン入力領域450を相対的に狭くしてもよい。逆に、通常遊技における図柄変動の停止中など、遊技者が比較的演出画像に注視しないような状況においては、メイン表示領域402及びメイン入力領域450を相対的に広くし、サブ表示領域404及びサブ入力領域452を相対的に狭くしてもよい。
図28は、タッチパッドと演出表示装置の別の構成例を示す。図28(a)は、メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68が併設された演出表示装置60の側面を示す。この例では、図27の例と同様に、遊技者に近い側から順に、メイン用タッチパッド67、サブ用タッチパッド68、及び演出表示装置60の画面が、層状に重なるように構成されるが、遊技者に近い側から順に、サブ用タッチパッド68、メイン用タッチパッド67、及び演出表示装置60の画面が、層状に重なるように構成されてもよい。
図28(b)は、演出表示装置60の上面を示し、図28(c)は、メイン用タッチパッド67の上面を示し、図28(d)は、サブ用タッチパッド68の上面を示す。図27及び図28の例では、リーチ演出の演出画像432を表示するために、サブ表示領域404が広くとられていたが、図28の例では、演出画像432を表示しないので、サブ表示領域404が図27の例よりも狭くされ、それに対応して、サブ入力領域452も狭くされている。これに伴って、メイン表示領域402及びメイン入力領域450は、図27の例よりも広くされている。これにより、遊技の状況に応じて、遊技者が必要とする情報を見やすく表示することができるとともに、より効果的な演出を実行することができる。ボタン420及びスライダー422は、図27の例よりも拡大され、配置が変更されている。このように、遊技の状況に応じて、異なる指示入力を受け付けるための複数の入力領域の大きさ、配置又は機能を適切に調整することにより、遊技者の利便性を向上させることができる。
メインCPU290及びサブCPU310は、メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68から送信された信号に、それぞれの信号を一意に識別するための管理キーを付与して管理してもよい。管理キーは、時間情報を含んでもよい。これにより、メインCPU290及びサブCPU310は、遊技の状況などに応じてメイン入力領域450及びサブ入力領域452の位置又は大きさや、メイン入力領域450及びサブ入力領域452に含まれる入力領域の大きさ、配置又は機能が変更されたとしても、それぞれの信号に対応付けられた管理キーを参照することにより、それぞれの信号に対応する指示入力が、いずれの入力領域に対するものかを適切に把握することができる。管理キーは、メインCPU290及びサブCPU310によりそれぞれの信号に付与されてもよいし、メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68により付与されてもよい。
図29は、タッチパッドと演出表示装置の別の構成例を示す。図29(a)は、メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68が併設された演出表示装置60の側面を示す。この例では、図27の例と同様に、遊技者に近い側から順に、メイン用タッチパッド67、サブ用タッチパッド68、及び演出表示装置60の画面が、層状に重なるように構成されるが、遊技者に近い側から順に、サブ用タッチパッド68、メイン用タッチパッド67、及び演出表示装置60の画面が、層状に重なるように構成されてもよい。
図29(b)は、演出表示装置60の上面を示し、図29(c)は、メイン用タッチパッド67の上面を示し、図29(d)は、サブ用タッチパッド68の上面を示す。図29の例では、図28の例と同様に、図27の例よりもメイン表示領域402が広く、サブ表示領域404が狭くされているが、図28の例と異なり、メイン入力領域450及びサブ入力領域452は、図27の例のまま位置も大きさも変更されていない。この場合、メインCPU290は、メイン表示領域402のうち、メイン入力領域450に対応する領域内に、メインCPU290に対する指示入力を受け付けるためのユーザインタフェースを表示させ、サブCPU310は、サブ表示領域404のうち、サブ入力領域452に対応する領域内に、サブCPU310に対する指示入力を受け付けるためのユーザインタフェースを表示させる。これにより、表示については遊技の状況に応じて動的に変更し、遊技者が見やすい表示を実現しつつ、入力については遊技の状況に応じて変更せず、誤入力及び誤作動を低減させることができる。ボタン420及びスライダー422は、図27の例と同じ位置に同じ大きさで表示されている。このように、遊技球の発射のオンオフや、遊技球の発射強度の調整など、遊技中に遊技者が頻繁に入力する必要がある重要なユーザインタフェースを常に同じ位置に配置することにより、遊技者の誤入力を低減し、遊技者の利便性を向上させることができる。
図28及び図29に示した例において、メイン表示領域402、サブ表示領域404、メイン入力領域450、サブ入力領域452、それぞれに含まれる複数の表示領域又は入力領域などの大きさ、配置、機能などを、遊技者がカスタマイズすることを可能としてもよい。この場合であっても、それぞれの表示領域又は入力領域の大きさの最大値又は最小値を設けてもよい。遊技の開始前、例えば、遊技待機状態が所定時間以上継続されたとき、ICカード処理装置にICカードが挿入されていないとき、封入式ぱちんこ遊技機においてクレジットがないときなどには、遊技者によるカスタマイズを可能とし、遊技中には、遊技者によるカスタマイズを禁止してもよい。これにより、遊技者が操作しやすい入力環境を提供しつつ、遊技中に不用意に入力領域のレイアウトなどが変更されて誤入力や誤操作が発生することを低減させることができる。
図30は、タッチパッドと演出表示装置の別の構成例を示す。図30(a)は、メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68が併設された演出表示装置60の側面を示す。この例では、これまでの例と異なり、メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68が同じ層を構成するように配置される。図30(b)は、演出表示装置60の上面を示し、図30(c)は、メイン用タッチパッド67の上面を示し、図30(d)は、サブ用タッチパッド68の上面を示す。メイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68は、同じ平面上に、重ならないように配置される。この場合も、メイン表示領域402とサブ表示領域404の位置又は大きさは、遊技の状況に応じて動的に変更されてもよい。また、メイン用タッチパッド67にメイン入力領域450と無効領域が設けられ、サブ用タッチパッド68にサブ入力領域452と無効領域が設けられ、メイン入力領域450及びサブ入力領域452の位置又は大きさが遊技の状況に応じて動的に変更されてもよい。
(第2の実施例)
第2の実施例においては、第1の実施例において説明した、メイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドを併設した表示装置を、スロットマシンに設ける技術について説明する。
第2の実施例においては、第1の実施例において説明した、メイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドを併設した表示装置を、スロットマシンに設ける技術について説明する。
図31は、スロットマシン1010の外面における基本的な構造を示す斜視図である。スロットマシン1010は、主に箱状体である筐体基部1102と、筐体基部1102の前面に設けられた筐体扉部1104と、筐体基部1102および筐体扉部1104に設けられた各種装置と、を備える。筐体扉部1104は、筐体基部1102の開口部に開閉自在に取り付けられた扉体であり、筐体基部1102と筐体扉部1104とが一体となることによりスロットマシン1010の筐体を形成する。筐体扉部1104は、遊技店の営業時間中は施錠され、スロットマシン1010の内部への不正なアクセスが防止される。遊技店の従業員によって筐体扉部1104が解錠されたときにはじめて内部へのアクセスが可能となる。
筐体扉部1104には、その前面略中央に透明窓1132が設けられ、内部で回転するリールが透明窓1132を通じて視認される。筐体扉部1104の前面上部には、演出的な内容が表示される演出表示装置1130が設けられる。筐体扉部1104における透明窓1132の下方に設けられた操作領域には、第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、精算ボタン1113、十字キー1118、演出ボタン1120、メダル投入口1110が設けられる。第1ベットボタン1112aは、メダルを1枚掛ける(以下、「ベットする」ともいう)ためのボタンであり、第2ベットボタン1112bは、いわゆるマックスベットボタンであり、最大ベット枚数である3枚のメダルを掛けるためのボタンである。精算ボタン1113は、メダル投入口1110から投入されて貯留メダルとして記憶されたメダルまたはベットされたメダルを遊技者に払い出す指示をするボタンである。十字キー1118および演出ボタン1120は演出としての遊技者の操作入力を受け付ける操作入力手段である。ベットボタン1112a、bの下方には、遊技者がリールの回転開始を指示するためのスタートレバー1114が設けられる。スタートレバー1114の右方には、3つのリールの回転停止をそれぞれ指示するための左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが設けられる。筐体扉部1104の下方にはメダルの払出口1108とその前方にメダル受け皿1106が設けられ、払出口1108の左右にスピーカー1122が設けられる。筐体扉部1104の外周など複数箇所に複数の演出ランプ1124が設けられる。
図32は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体扉部1104の背面図である。略中央には、透明窓1132が設けられる。上部には、遊技における演出を制御する、いわゆるサブ基板と呼ばれる副制御装置1300が設置される。透明窓1132の下方には、メダルセレクタ1150と、その右方にメダル誘導路1152、下方にメダル返却路1154が設けられる。メダルセレクタ1150は、後述するメダル投入口にメダルが投入されたとき、メダルを受付可能な状態の場合はメダル誘導路1152に振り分け、受付不可の状態の場合はメダル返却路1154に振り分ける。メダル誘導路1152に振り分けられたメダルは、メダル誘導路1152を通じて後述するホッパータンクに貯留される。
図33は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体基部1102の内部構成を示す正面図である。筐体基部1102の略中央部には、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cが回転可能に設けられる。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cは、それらの外周面に複数の図柄が印字された回転部材であり、それぞれステッピングモータの駆動力によって回転することで図柄の回転移動が透明窓132を通じて遊技者に視認される。
筐体基部1102の上部には、遊技の進行を制御する、いわゆるメイン基板である主制御装置1200が設置される。主制御装置1200において、その右部分に設定変更スイッチ1168が設けられる。設定変更スイッチ1168は、6段階ある遊技仕様を変更するためのボタンと、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する鍵穴と、設定された設定値を記憶する設定メモリと、を含む。それぞれ異なる遊技仕様に対応付けられた6段階の設定値は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様となる。遊技店の従業員が設定キーを鍵穴に挿入して回すと、ボタンを操作して設定変更できる状態となる。
筐体基部1102の下部にはホッパータンク1162が設けられ、ホッパータンク1162の下方にはメダルを払出口1108から払い出す払出装置1164が設けられる。ホッパータンク1162の左方には、スロットマシン1010の各部へ電力を供給する電源ユニット1166が設けられる。
図34は、リールの図柄配列を示す図である。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cのそれぞれの外周面には、図の表に示されるような図柄列が印字されている。各リールには、それぞれ図柄番号0〜19に対応する20個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄のうち有効ライン上に停止した図柄の組合せが所定の役が成立する所定の同じ図柄や所定の組合せとなった場合に、その役の入賞が決まる。一方、図柄が並ぶラインには、有効ラインとして設定されないラインであって所定の同じ図柄や所定の組合せが停止したとしても役の入賞とは扱わないこととする組合せラインも含まれる。
以上のスロットマシン1010において、遊技者はメダル投入口1110から1枚〜3枚のメダルを投入することでメダルを掛ける。クレジットとしてメダルが貯留されている場合は、遊技者は第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、または精算ボタン1113を押下することで1枚または3枚のメダルを掛ける。遊技者がスタートレバー1114を操作すると、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が開始し、リール上の図柄列が縦方向に高速移動する。遊技者が任意の順序で左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cを押下すると、その押下順序に対応する順序で左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が停止し、それぞれいずれかの図柄が停止位置に表示される。所定の有効ライン上に停止した図柄の組合せ態様が複数種類の役のいずれかに該当した場合に「入賞」と判定され、その役の種類に応じた数のメダルが払い出され、または遊技状態の移行が実行される。
図35は、スロットマシン1010の機能ブロック図である。スロットマシン1010は、主制御装置1200と副制御装置1300とを備える。主制御装置1200は、リール1160a〜c、ベットボタン1112a、b、精算ボタン1113、スタートレバー1114、ストップボタン1116a〜c、設定変更スイッチ1168と電気的に接続され、副制御装置1300は、演出ランプ1124、演出表示装置1130、スピーカー1122、十字キー1118、演出ボタン1120と電気的に接続される。主制御装置1200および副制御装置1300は、それぞれハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成されるが、本図では主にソフトウェア的な観点から捉えた機能ブロックを説明する。
なお、主制御装置1200に含まれる各機能ブロックは、いずれかが主制御装置1200ではなく副制御装置1300に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、副制御装置1300に含まれる各機能ブロックは、いずれかが副制御装置1300ではなく主制御装置1200に搭載されるかたちで構成されてもよい。ただし、主制御装置1200と副制御装置1300の間におけるデータの送受信は主制御装置1200から副制御装置1300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成が主制御装置1200と副制御装置1300に配置される。このように主制御装置1200から副制御装置1300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、副制御装置1300に含まれる構成から主制御装置1200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、主制御装置1200で生成された情報は、主制御装置1200が副制御装置1300へ一方的に送信しない限り副制御装置1300から参照することはできない。
主制御装置1200は、役抽選手段1202、乱数判定手段1204、当選フラグ制御手段1206、リール制御手段1208、停止位置決定テーブル1210、操作順序検出手段1212、入賞判定手段1214、払出手段1216、特別遊技制御手段1218、設定変更手段1220を備える。
役抽選手段1202は、遊技者によりスタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、複数種類の役から当選役を決定する役抽選を実行するとともに、役抽選の結果を副制御装置1300へ送信する。役の種類には、小役、特別役、再遊技役があり、いずれの当選役も決定されない場合は外れとなる。小役には複数種類があり、その種類に応じた数のメダルが払い出される。特別役には、レギュラーボーナス(「RB」ともいう)とビッグボーナス(「BB」ともいう)がある。再遊技役は「リプレイ」とも呼ばれ、新たなメダル投入をせずに同数のメダルが投入されたのと同じ状態となり、再び遊技ができる役である。乱数判定手段1204は、役抽選に用いる乱数の値を抽選値として取得する。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。役抽選手段1202は、役抽選として、乱数判定手段1204により取得される抽選値が役ごとに割り当てられたいずれかの抽選値範囲に該当するか否かによって当選役を決定する。
当選フラグ制御手段1206は、各役に対応する複数のフラグのうち、当選役に対応するフラグをオンする。フラグをオンした当選役が小役の場合、その当選の持ち越しはないため、当該遊技が終了するときに入賞有無を問わずフラグをオフする。フラグをオンした当選役が特別役の場合、その当選は入賞まで持ち越されるため、入賞があるまでフラグをオンのまま維持し、入賞した時にフラグをオフする。フラグをオンした当選役が再遊技役の場合、その当選も持ち越しはないため、当該遊技が終了するときにフラグをオフする。
リール制御手段1208は、スタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を開始させる制御をするとともに、スタートレバー1114の操作を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、役抽選の結果に応じて、複数の停止位置決定テーブル1210からいずれかを選択する。リール制御手段1208は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cの個別の押下を契機とし、その押下に対応して左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を停止させる制御をするとともに、ストップボタンの押下を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、それぞれに設けられるステッピングモータの駆動を制御することによって左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cを回転および停止を制御する。
リール制御手段1208は、停止位置決定テーブル1210に基づき、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下されたタイミングおよび押下順序に応じて左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの停止位置を決定する。操作順序検出手段1212は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下された順序を検出する。リール制御手段1208は、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転位置を、それぞれに対応するフォトセンサによって基準位置を検出する。
停止位置決定テーブル1210には、役抽選の結果と、ストップボタン1116a〜cが押下されたときのリール1160a〜cの位置と、ストップボタン1116a〜cの押下順序と、リール1160a〜cの複数の図柄のうちいずれを有効ライン上に停止させるかの対応関係が定められる。すなわち、小役の種類、特別役の種類、再遊技役の種類に応じて個別の停止位置決定テーブル1210が用意され、役ごとの入賞条件として、ストップボタン1116a〜cが押下タイミングおよび押下順序がそれぞれの停止位置決定テーブル1210に定められる。いずれかの役に当選している場合、その当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づき、ストップボタン1116a〜cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たした場合に、リール制御手段1208は当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃うようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。いずれかの役に当選している場合であっても、ストップボタン1116a〜cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たしていない場合は、リール制御手段1208はその当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づいて当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。いずれの役にも当選していない場合、外れに対応する停止位置決定テーブル1210に基づき、リール制御手段1208は役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。
なお、本明細書において「テーブル」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」とも称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
入賞判定手段1214は、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合に入賞したと判定し、入賞した役に対応する払出メダル数を決定する。払出手段1216は、入賞判定手段1214で決定された払出メダル数を貯留メダル数に加算する。ただし、貯留メダル数が50を超えるときは超えた分のメダルを払出装置1164により払い出す。また、入賞した役が再遊技役の場合は前回遊技で掛けられた投入メダル数と同数のメダルが再び掛けられた状態にする。入賞判定手段1214は、入賞に関する情報や払出メダル数の情報を副制御装置1300へ送信する。
特別遊技制御手段1218は、特別役に入賞した場合に通常遊技から特別遊技へ移行させ、特別遊技の終了条件を満たしたときに特別遊技から通常遊技へ移行させる制御をする。特別遊技としては、RBに入賞した場合に移行するRB遊技と、BBに入賞した場合に移行するBB遊技がある。RB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に8回停止したとき、または、12回の遊技結果が得られたときに終了する。BB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に停止したことによるメダルの払出枚数の合計が465枚を超えるときに終了する。
設定変更手段1220は、6段階の遊技仕様のうち、設定変更スイッチ1168により設定された設定値に対応する遊技仕様に決定し、役抽選手段1202による役抽選における各役の当選確率を変更する。6段階の遊技仕様は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど当選確率が高い。設定変更スイッチ1168を操作するたびに「設定1」→「設定2」→「設定3」→・・・→「設定6」→「設定1」のように設定値を1ずつインクリメントするとともに、「設定6」から「設定1」に戻すことによりインクリメントを循環させる。最後にスタートレバー1114を操作することにより、その時点で選択されている設定値に決定され、設定変更が確定する。
副制御装置1300は、パターン記憶手段1302、演出決定手段1304、演出制御手段1306を備える。パターン記憶手段1302は、複数種類の演出パターンを記憶する。演出パターンには、遊技の進行に合わせて演出表示装置1130に表示させる演出内容や、演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122から出力する音声パターンなどが定められている。演出決定手段1304は、スタートレバー1114の操作を示す情報やストップボタン1116の押下を示す情報、役抽選の結果を示す情報、入賞に関する情報、払出メダル数の情報などの情報を主制御装置1200から受信する。演出決定手段1304は、スタートレバー1114やストップボタン1116a〜cの操作やリール1160a〜cの停止を契機として、役抽選手段1202による役抽選の結果や入賞状況、遊技状態にしたがってパターン記憶手段1302に記憶される複数種類の演出パターンからいずれかを選択する。演出制御手段1306は、演出決定手段1304により選択された演出パターンにしたがい、演出表示装置1130の表示、演出ランプ1124の点灯、およびスピーカー1122からの出力を制御する。演出制御手段1306は、演出ボタン1120や十字キー1118の入力内容に応じて演出表示装置1130への表示内容や演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122からの音声出力などを変化させる。演出パターンによる演出を制御する間に、あらたにベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作がなされた場合、演出制御手段1306は表示中の演出をキャンセルし、演出決定手段1304はあらたな遊技に対応する演出パターンを選択し、選択した演出パターンによる演出を演出制御手段1306が開始する。
図36は、スロットマシン1010における基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。まず、リール1160a〜cのいずれもまだ回転していない場合であって(S10のN)、メダルのベットもされていない状態(S12のN)を想定する。その状態において、クレジットとしてメダルの貯留がある場合(S14のY)、ベットボタン1112a、bのいずれかが押下されれば(S16のY)、押下されたベットボタンに対応するメダル枚数のベットを設定する(S18)。クレジットがない場合はメダル投入等がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S14のN)。S16においてベットボタン1112a、bの押下がない場合も押下がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S16のN)。S12においてすでにベットがなされた状態であればS14からS18までをスキップする(S12のY)。
ベットが設定された状態で、スタートレバー1114の操作があれば(S20のY)、役抽選手段1202が役抽選を実行し(S22)、当選フラグ制御手段1206は役抽選の結果に応じて当選役に対応するフラグをオンし(S24)、役抽選の結果に応じた停止位置決定テーブル1210を選択する(S25)。前の遊技終了から4.1秒が経過していなければ待機し(S26のN)、経過していれば(S26のY)、リール制御手段1208はリール1160a〜cの回転を開始して(S28)、本フローのルーチンを抜ける。S20においてスタートレバー1114の操作がなければ本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S20のN)。
S10において、リール1160a〜cのうち少なくともいずれかが回転中の場合(S10のY)、ストップボタン1116a〜cのいずれかの押下があれば(S30のY)、当選役を示すフラグの状態、ストップボタンの押下タイミング、押下順序、および停止位置決定テーブル1210に基づいてリールの停止位置を決定し(S32)、押下されたストップボタンに対応するリールを停止させる(S34)。ストップボタンの押下がなければS32およびS34をスキップする(S30のN)。リール1160a〜cがすべて停止状態となった場合(S36のY)、それらの停止位置に基づいて当選役の入賞を判定し(S38)、入賞があれば当選役に対応する払出数にてメダルを払い出す(S40)。全リールが停止された状態でなければS38およびS40をスキップする(S36のN)。
主制御装置1200及び副制御装置1300のハードウェア構成は、図10及び図11に示したぱちんこ遊技機100のメイン基板200及びサブ基板300のハードウェア構成と同様である。
第2の実施例においても、演出表示装置1130にメイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドが併設される。タッチパッドが併設された演出表示装置の構成は、図25に示した例と同様である。
図37は、演出表示装置1130に表示される画面の例を示す。演出表示装置1130の画面500には、遊技の基本的動作に関する画像が表示されるメイン表示領域502と、遊技の演出的動作に関する画像が表示されるサブ表示領域504が設けられる。メイン表示領域502には、例えば、貯留メダル数510、払出メダル数などが表示されてもよい。サブ表示領域504には、例えば、3つのストップボタンを押す順番を遊技者に指示するための押し順ナビ530、演出画像532、背景画像、キャラクタなどが表示されてもよい。
メイン表示領域502には、ベットボタン520、スタートレバー522、ストップボタン524などのユーザインタフェースが表示される。これらのボタンは、それぞれ、ベットボタン1112a、b、スタートレバー1114、ストップボタン1116a〜cと同様の機能を有する。遊技者がこれらのユーザインタフェースにタッチすると、メイン用タッチパッド67は、信号をメインCPU290に送信し、メインCPU290は、送信された信号に基づいて遊技を制御する。
サブ表示領域504には、演出に関する操作を遊技者から受け付けるための操作ボタン540、演出に関する各種の設定を遊技者から受け付けるためのメニュー画面を表示するためのメニューボタン542などのユーザインタフェースが表示される。遊技者がこれらのユーザインタフェースにタッチすると、サブ用タッチパッド68は、信号をサブCPU310に送信し、サブCPU310は、送信された信号に基づいて演出を制御する。
メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68のその他の構成及び動作については、第1の実施例と同様である。また、第1の実施例において説明した技術は、第2の実施例においても適用可能である。
(第3の実施例)
第3の実施例においては、第1の実施例において説明した、メイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドを併設した表示装置を、じやん球遊技機に設ける技術について説明する。
第3の実施例においては、第1の実施例において説明した、メイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドを併設した表示装置を、じやん球遊技機に設ける技術について説明する。
じやん球遊技機は、ぱちんこ遊技機に類似した遊技領域を有しており、遊技領域には、複数の麻雀牌などの図柄に対応した複数の入球口が設けられる。遊技者がメダルを投入してゲームを開始すると、まず、遊技者の配牌が演出表示装置60に表示される。遊技者は、配牌の中から不要な牌を選択して捨てる。つづいて、遊技者がハンドルを操作して遊技球を発射する。遊技球がいずれかの入球口に入球すると、遊技球が入球した入球口に対応した牌が遊技者の手牌に加えられる。遊技者は、手牌の中から不要な牌を選択して捨てる。以降、遊技球の発射による自摸と打牌を所定回数繰り返し、所定のアガリ役が完成すれば遊技者にメダルが付与される。ゲームごとに、ビッグゲーム又はチャンスゲームに移行するためのアガリ役が抽選により決定される。遊技者がそれらのアガリ役を完成すると、ビッグゲーム又はチャンスゲームに移行し、更に多くのメダルが遊技者に付与される。その他の主な構成及び動作は、第1の実施例のぱちんこ遊技機100と同様である。
第3の実施例においても、演出表示装置60にメイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドが併設される。タッチパッドが併設された演出表示装置の構成は、図25に示した例と同様である。
図38は、演出表示装置60に表示される画面の例を示す。演出表示装置60の画面600には、遊技の基本的動作に関する画像が表示されるメイン表示領域602と、遊技の演出的動作に関する画像が表示されるサブ表示領域604が設けられる。メイン表示領域602には、例えば、手牌610、ビッグゲームに移行するためのアガリ役612、チャンスゲームに移行するためのアガリ役614などが表示されてもよい。サブ表示領域604には、例えば、キャラクタ630、遊技者に対するナビゲーション632などが表示されてもよい。
メイン表示領域602には、遊技球の発射をオンオフするためのボタン620、遊技球の発射強度を調整するためのスライダー622、捨て牌を選択するためのカーソル624などのユーザインタフェースが表示される。遊技者がこれらのユーザインタフェースにタッチすると、メイン用タッチパッド67は、信号をメインCPU290に送信し、メインCPU290は、送信された信号に基づいて遊技を制御する。
サブ表示領域604には、演出に関する操作を遊技者から受け付けるための操作ボタン640、演出に関する各種の設定を遊技者から受け付けるためのメニュー画面を表示するためのメニューボタン642などのユーザインタフェースが表示される。遊技者がこれらのユーザインタフェースにタッチすると、サブ用タッチパッド68は、信号をサブCPU310に送信し、サブCPU310は、送信された信号に基づいて演出を制御する。
メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68のその他の構成及び動作については、第1の実施例と同様である。また、第1の実施例において説明した技術は、第3の実施例においても適用可能である。
(第4の実施例)
第4の実施例においては、第1の実施例において説明した、メイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドを併設した表示装置を、封入式ぱちんこ遊技機に設ける技術について説明する。
第4の実施例においては、第1の実施例において説明した、メイン用タッチパッドとサブ用タッチパッドを併設した表示装置を、封入式ぱちんこ遊技機に設ける技術について説明する。
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、封入式ぱちんこ遊技機と呼ばれるものであり、遊技機内に封入した一定数の遊技球を遊技機内で循環させ、遊技機外への賞球排出や遊技機外からの遊技球の投入を不要とする。このように遊技機内を遊技球が循環するため、必要な遊技球数も一定数で足り、遊技店内のいわゆる島設備からの遊技球の補給が不要となり、島設備自体も不要となる。また、遊技機外への賞球排出もなく、島設備からの補給もない分、騒音レベルを減少させることができる。
このぱちんこ遊技機は、遊技店に設置された従来でいう台間玉貸機ないしCRカードユニットに相当する、専用のICカード処理装置に接続され、投入金額や遊技機ID、遊技状況等の情報を暗号化通信により送受信する。遊技機内では、一定数の遊技球を循環させて遊技機外との間で遊技球の出入りをなくす代わりに、遊技機内に球磨き装置を備え遊技球を自動で研磨することで遊技球の状態を良好に保つ。
遊技者が直接遊技球を触れることはなく、また遊技盤へのアクセスをなくすために隙間が生じないように密閉し、不正行為者や不正手段による内部へのアクセスを防止する。この遊技機は持玉表示手段としてタッチパネル式の液晶表示装置が設置され、持ち玉や投入金額などの情報や遊技店による広告などの情報が表示される。持ち玉は、投入金額に応じた投入遊技球数から発射球数を減算し、賞球数を加算した数である。発射に失敗した遊技球は発射球数から相殺されるが、発射位置を遊技盤上部に設けて戻り球自体が発生しないように構成してもよい。発射ハンドルには任意の回転位置で固定できるロック機能が設けられており、遊技者の長時間遊技による疲労を抑制することができる。
遊技者の在席有無を感知するセンサを備え、遊技者不在と判断した場合には電力消費を抑制する節電機能を有する。夜間などの電源オフの間に遊技機の前枠が開放された場合にこれを検知する監視装置を備え、開放されたことを検知した場合は電源投入時に外部へ通知する。
図39は、ぱちんこ遊技機の筐体における正面側の構成を示す。ぱちんこ遊技機2100は、主に筐体としての遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機2100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、操作ボタン2106、発射ハンドル107、スピーカ108、遊技球数表示装置140、球循環装置142を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機2100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。前枠102の前面左下部には操作ボタン2106およびスピーカ108が設けられている。操作ボタン2106は、遊技者が遊技機側へ所定の指示入力をするために操作するボタンである。スピーカ108からは遊技状態などに応じた効果音が出力される。
前枠102の中央下部には、持玉表示手段として、タッチパネル式の液晶表示装置である遊技球数表示装置140が設けられる。遊技球数表示装置140は、従来は上球皿や下球皿に貯留されていた、いわゆる持ち玉の数などの遊技状況を示す情報を表示する機能のほか、遊技店から提供される広告などの情報を表示する機能を有する。前枠102に覆われた部位(本図において破線で示す部位)であって遊技球数表示装置140の背面側には、遊技球の循環手段として球循環装置142を備える。球循環装置142は、遊技領域81を転動して遊技領域81から排出される遊技球を受容し、ぱちんこ遊技機2100の外へ排出させずに再び遊技領域81へ送出することで遊技機内で遊技球を循環させる装置である。発射ハンドル107が操作されると、球循環装置142から遊技球が送り出され、図示しない発射装置により遊技領域へ発射される。
ICカード処理装置2450は、表示操作部2452およびカード挿入口2454を有する。表示操作部2452は、液晶表示装置であってタッチパネル式の操作部を兼ねる。カード挿入口2454は、プリペイドカードである遊技カードを挿入する部位である。遊技者は、遊技カードをカード挿入口2454に挿入した後、表示操作部2452に表示されるボタンを操作して投入金額を入力すると、金額に応じて投入される遊技球数を示す情報がICカード処理装置2450からぱちんこ遊技機2100へ送信される。ICカード処理装置2450とぱちんこ遊技機2100の間は暗号化通信が用いられる。
ぱちんこ遊技機2100に設けられるその他の構成及び動作については、第1の実施例と同様である。
図40は、タッチパッドが併設された演出表示装置の例を示す。図40に示した例では、図25に示した構成に加えて、ECO用タッチパッド69を更に備える。その他の構成及び動作については、図25に示した例と同様である。
ECO用タッチパッド69は、メイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68が併設された演出表示装置60の画面と同一の画面にメイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68とは別に併設され、遊技者からICカード処理装置2450に対する指示入力を受け付ける。
ECO用タッチパッド69は、ぱちんこ遊技機2100の外部に設けられた利益管理装置の一例であるICカード処理装置2450と電気的に接続され、遊技者の指などによる接触を検知すると、ICカード処理装置2450へ信号を送信する。ECO用タッチパッド69は、メインCPU290と電気的に接続され、遊技者の指などによる接触を検知すると、メインCPU290へ信号を送信してもよい。ECO用タッチパッド69は、サブ基板300とは電気的に接続されておらず、ECO用タッチパッド69からサブCPU310へ信号は送信されない。
ECO用タッチパッド69は、既知の任意の方式のタッチパッドであってもよい。例えば、ECO用タッチパッド69は、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、赤外線方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式、抵抗膜方式、マトリクススイッチ方式などのタッチパッドであってもよい。ECO用タッチパッド69は、メイン用タッチパッド67又はサブ用タッチパッド68と同一の方式のタッチパッドであってもよいし、それぞれ異なる方式のタッチパッドであってもよい。
ICカード処理装置2450は、持ち玉の数など、遊技者に付与される利益に関する画像を演出表示装置60の画面に表示するための信号を演出表示制御装置313の表示CPU320へ送信する。表示CPU320は、ICカード処理装置2450から受信した信号をメイン用表示RAM350又は図示しないECO用表示RAMに格納し、その信号に基づいて、遊技者に付与される利益に関する画像を生成して演出表示装置60に表示する。表示CPU320は、遊技者に付与される利益に関する画像を生成するときに、必要に応じて、メイン用データROM360又は図示しないECO用データROMに格納されたデータを読み出して使用する。遊技者に付与される利益に関する画像に、演出画像に使用されるキャラクタなどの画像を表示する場合は、表示CPU320は、遊技者に付与される利益に関する画像を生成するときに、サブ用データROM362に格納されたデータを読み出して使用してもよい。
図41は、演出表示装置60に表示される画面の例を示す。演出表示装置60の画面700には、遊技の基本的動作に関する画像が表示されるメイン表示領域702と、遊技の演出的動作に関する画像が表示されるサブ表示領域704と、遊技者に付与される利益に関する画像が表示されるECO表示領域706が設けられる。メイン表示領域702には、例えば、特別図柄、普通図柄、大入賞口20及び普通電動役物90の動作状態、特別遊技のラウンド、遊技球の発射をオンオフするためのボタン720、遊技球の発射強度を調整するためのスライダー722などのユーザインタフェースなどが表示されてもよい。サブ表示領域704には、例えば、装飾図柄730、リーチ演出などにおける演出画像732、背景画像、キャラクタ、演出に関する操作を遊技者から受け付けるための操作ボタン740、演出に関する各種の設定を遊技者から受け付けるためのメニュー画面を表示するためのメニューボタン742などのユーザインタフェースなどが表示されてもよい。ECO表示領域706には、遊技者の持ち玉数750などが表示されてもよい。
ECO表示領域706には、遊技者が持ち玉を精算するための精算ボタン760、遊技者に付与される利益に関する操作を遊技者から受け付けるためのメニュー画面を表示するためのメニューボタン762などのユーザインタフェースが表示される。遊技者がこれらのユーザインターフェスにタッチすると、ECO用タッチパッド69は、信号をICカード処理装置2450に送信し、ICカード処理装置2450は、送信された信号に基づいて遊技者に付与される利益を管理する。
上記の例では、ECO用タッチパッド69がメイン用タッチパッド67及びサブ用タッチパッド68とは別に設けられたが、メイン用タッチパッド67の一部がECO用タッチパッドとして用いられてもよい。この場合、ECO用タッチパッドとして機能するメイン用タッチパッド67は、ICカード処理装置2450に電気的に接続されてもよい。遊技者に付与される利益は、遊技の基本的動作に関わるものであるから、サブ用タッチパッド68ではなくメイン用タッチパッド67の一部がECO用タッチパッドとして用いられ、ECO用タッチパッドとして機能するメイン用タッチパッド67の一部に対する指示入力は、メインCPU290を介して、又は直接に、ICカード処理装置2450へ送信されるのが好ましい。
上記の例では、持ち玉などの遊技者に付与される利益に関する画像を、遊技球数表示装置140と演出表示装置60の双方に表示したが、いずれか一方のみに表示してもよい。演出表示装置60のみに表示する場合は、遊技球数表示装置140は設けなくてもよい。また、遊技者に付与される利益に関する指示入力を受け付けるための手段として、表示操作部2452とECO用タッチパッド69の双方を設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。ECO用タッチパッド69のみから指示入力を受け付ける場合は、表示操作部2452は設けなくてもよい。
メイン用タッチパッド67、サブ用タッチパッド68、ECO用タッチパッド69のその他の構成及び動作については、第1の実施例と同様である。また、第1の実施例において説明した技術は、第4の実施例においても適用可能である。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の実施例においては、メイン入力領域とサブ入力領域とが重ならないように制御したが、別の例においては、メイン入力領域の一部とサブ入力領域の一部とが重なっていてもよい。メイン入力領域とサブ入力領域とが重なっている領域に、メインCPU290とサブCPU310の双方に対する指示入力を受け付けるためのユーザインタフェース、例えば、第2の実施例におけるストップボタン524を設けてもよい。これにより、1回の指示入力をメイン用タッチパッド67とサブ用タッチパッド68の双方が同時に検出し、メインCPU290とサブCPU310の双方が同時に指示入力を受け付けることができる。ストップボタン524の例では、メインCPU290がストップボタン524に対する指示入力を受け付けてリール1160の回転を停止させると同時に、サブCPU310がストップボタン524が押されたときに実行すべき演出を速やかに実行することができる。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 60 演出表示装置、 67 メイン用タッチパッド、 68 サブ用タッチパッド、 69 ECO用タッチパッド、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 210 抽選手段、 213 普図抽選手段、 220 当否抽選手段、 230 変動パターン決定手段、 260 特別遊技制御手段、 275 開閉制御手段、 290 メインCPU、 310 サブCPU、 303 演出決定手段、 304 演出制御手段、 2450 ICカード処理装置。
Claims (1)
- 遊技の基本動作を制御する主制御装置と、
前記遊技の演出的動作を制御する副制御装置と、
前記副制御装置により制御される演出の画像を表示する演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される画像を生成する演出表示制御装置と、
前記演出表示装置の画面に併設された、遊技者から前記主制御装置に対する指示入力を受け付けるための第1の入力検出手段と、
前記第1の入力検出手段が併設された前記演出表示装置の画面と同一の画面に前記第1の入力検出手段とは別に併設された、前記遊技者から前記副制御装置に対する指示入力を受け付けるための第2の入力検出手段と、
を備え、
前記第1の入力検出手段は、前記主制御装置と電気的に接続され、前記第2の入力検出手段は、前記副制御装置と電気的に接続され、
前記演出表示制御装置は、前記主制御装置から送信される信号に基づいて生成した前記遊技の基本動作に関する画像を前記演出表示装置の第1の領域に表示し、前記副制御装置から送信される信号に基づいて生成した前記演出の画像を前記演出表示装置の第2の領域に表示し、遊技機外部に設けられて前記遊技機に接続された前記遊技の結果に応じて遊技者に付与される利益を管理する利益管理装置から送信される信号に基づいて生成した前記利益に関する画像を前記演出表示装置の第3の領域に表示し、
前記第1の入力検出手段のうち、前記第1の領域に対応する領域に対する指示入力は前記主制御装置により受け付けられ、
前記第2の入力検出手段のうち、前記第2の領域に対応する領域に対する指示入力は前記副制御装置により受け付けられ、
前記第1の入力検出手段、前記第2の入力検出手段、又は、前記第1の入力検出手段及び前記第2の入力検出手段とは別に前記演出表示装置の画面に併設された第3の入力検出手段のうち、前記第3の領域に対応する領域に対する指示入力は前記利益管理装置により受け付けられる遊技機。
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