JP2011208428A - コンクリート構造体のせん断補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】充填材と補強部材との付着力を向上させることにより、補強部材のせん断耐力を充分に発揮させることができるコンクリート構造体のせん断補強構造を提供する。
【解決手段】コンクリート構造体3の内壁面1aに形成された所定深さの直線溝5と、この溝5内に深さ方向に挿入される板状の補強部材6と、前記溝5内に充填される充填材7とを備えたコンクリート構造体3のせん断補強構造1において、補強部材6に貫通孔6m、又は、凹凸部より成る係合部を形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、既設のコンクリート構造体のせん断補強構造に関する。
従来、既設のカルバートの外壁に所定の間隔で内側から鉛直方向にスリットを形成し、スリット内に鋼板を挿入し、スリット内にグラウト材を充填して鋼板と外壁とを一体化させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−3556号公報
しかしながら、特許文献1によれば、鋼板とグラウト材との一体性が充分ではないために、せん断力が作用すると、両者間が、部分的又は全面的に剥離して、鋼板とグラウト材との間の付着に滑りが発生することがある。付着に滑りが発生してしまうと、グラウト材から補強部材にせん断力が充分に伝達されずに、鋼板のせん断耐力を充分に発揮することができず、壁部に崩れが発生する場合があった。そこで、本発明は、充填材と補強部材との付着力を向上させることにより、補強部材のせん断耐力を充分に発揮させることができるコンクリート構造体のせん断補強構造を提供する。
本発明によるコンクリート構造体のせん断補強構造によれば、コンクリート構造体の壁面に形成された所定深さの直線溝と、この溝内に深さ方向に挿入される板状の補強部材と、溝内に充填される充填材とを備えたコンクリート構造体のせん断補強構造において、補強部材に貫通孔、又は、凹凸部より成る係合部を形成したので、充填材と補強部材との付着力が向上するので、補強部材のせん断耐力を充分に発揮させることができる。
貫通孔はスリット孔又はスロット孔又は円孔又は楕円孔又は三角形状の異形孔より成るので、貫通孔内にも充填材を充填させることができるので、補強部材と充填材との間の付着に滑りが発生するのを防止することができ、補強部材の引き抜き耐力を増加することができる。
溝は、縦方向又は横方向又は傾斜方向に延長するので、補強部材がせん断力に対して広い範囲で直接抵抗することができる。
板状の補強部材は、貫通孔の周縁に凸部を形成したので、補強部材と充填材との間の付着に滑りが発生するのを更に防止することができ、補強部材の引き抜き耐力を更に増加することができる。
(a)はコンクリート構造体の斜視図、(b)は図1(a)のA−A断面図(実施の形態1)。 (a)はコンクリート構造体の縦断面図、(b)はせん断補強された溝を正面から見た図(実施の形態1)。 補強部材を示す拡大図(実施の形態1)。 (a)はせん断力による斜めひび割れの発生を示す断面図、(b)はせん断補強されたコンクリート構造体の縦断面図(実施の形態1)。 補強部材の斜視図(実施の形態1)。 溝に挿入される補強部材の取付説明図(実施の形態1)。 補強部材と充填材との付着を示す図(実施の形態1)。 貫通孔を有する補強部材を示す斜視図(実施の形態1)。 凹凸を有する補強部材を示す斜視図(実施の形態1)。 鉄筋避溝部を備えた補強部材を示す図(実施の形態2)。 (a)はせん断補強構造の縦断面図、(b)はせん断補強構造の横断面図(実施の形態2)。 (a)はせん断補強構造の縦断面図、(b)はせん断補強構造の横断面図(実施の形態2)。 (a)は補強部材の斜視図、(b)はせん断補強構造の縦断面図(実施の形態3)。 (a)は補強部材の斜視図、(b)はせん断補強構造の縦断面図(実施の形態3)。 (a)は補強部材の斜視図、(b)はせん断補強構造の縦断面図(実施の形態3)。
実施の形態1
図1(a),(b)は本発明によるコンクリート構造体を示す図であり、図2(a),(b)は本発明によるコンクリート構造体のせん断補強構造の一実施形態を示す図である。各図において、本願のせん断補強を目的とするせん断補強構造1は、コンクリート構造体3の壁部3nの内壁面1aに形成され、この内壁面1aには、縦方向の溝5と、上記溝5内に挿入される図2(a),(b)に示す補強部材6と、溝5内の補強部材の左,右に充填される充填材7とを備える。コンクリート構造体3は、例えば、橋脚、ボックスカルバート等のコンクリートにより構築された穴(空間部)3aを有する長尺な既設のコンクリート構造物である。コンクリート構造体3は鉄筋コンクリート構造物、無鉄コンクリート構造物、鉄骨鉄筋コンクリート構造物等でもよい。本発明ではコンクリート構造体3としてボックスカルバート20を用いて説明する。
ボックスカルバート20は、下水道、共同溝、地下横断歩道、鉄道、水路、工場などの地下に構築される地下構造物である。ボックスカルバート20は底部3mと、底部3mの両端部より立上がる一対の壁部3n,3nと、壁部3nの頂点同士を結ぶ天井部3hとを備え、当該底部3mと壁部3nと天井部3hとにより囲まれた穴3aの中心軸に沿った方向に当該底部3mと壁部3nと天井部3hとが延長することで構築される。ボックスカルバート20において、内壁面1aの深さ方向の肉厚Dは比較的厚肉となり、この内壁面1aに縦方向の溝5が形成され、この溝5の深さD1も比較的深く設定される。補強部材6は薄肉となっており、深さ方向の長さは溝5の深さD1とほぼ等しい。補強部材6は溝5の幅方向中央に縦長に位置されて、補強部材6の左,右に間隙6a,6bが形成され、この間隙6a,6bに充填材7が圧力をもって充填される。充填材7は補強部材6の貫通孔6m,6mにも充填される。
溝5は、図外の穿孔装置によりボックスカルバート20の壁部3nの内壁面1aに真直ぐ(直線状)に形成される。例えば、ボックスカルバート20の延長方向と直交する方向に形成されて、当該溝5はボックスカルバート20の延長方向に沿って所定の間隔を隔てて複数形成される。なお、溝5はボックスカルバート20の延長方向と直交する方向に形成されるのが望ましいが、他の方向でもかまわない。例えば、溝5は、内壁面1aの鉛直方向(縦方向)や、内壁面1aの頂部1cと底部1dとの間に斜めに(傾斜方向に)所定長さ形成されてもよい。また、溝5はボックスカルバート20の延長方向(横方向)に沿って形成されてもよい。溝5をボックスカルバート20の延長方向に沿って形成する場合には、後述のように、溝5の間隔を10cm未満となるように、複数形成することが望ましい。また、溝5はボックスカルバート20自体の強度が低下しない程度に形成することが望ましい。穿孔装置は、例えば、コンクリートカッターやウォールソー等の機器を用いればよい。溝5の縦の長さ、溝5の深さD1、溝5の内壁面6u,6u間の幅は、溝5に挿入される補強部材6の大きさに対応するように適宜決定される。また、溝5の間隔は、等間隔のピッチ、又は、不等間隔のピッチに設定される。
補強部材6は係合部10を備えた金属板より成り、この金属板としては、鋼製、鉄製、ステンレス製、アルミ製の帯状の板が用いられる。例えば図3に示すようなエキスパンドメタルが用いられ、係合部10は複数のスリットを拡開した複数の貫通孔6m、又は凹凸部16を有する。貫通孔6mは、複数の金属線Mが千鳥状に設けられることにより形成される複数の菱形の貫通孔6m、又は、複数の金属線Mが格子状に設けられることにより形成される複数の直角四角形状の貫通孔6mにより形成される。貫通孔6mとしては打抜き孔により形成してもよく、その形状は、図5(a)に示すような細幅孔(スリット孔6f)、図5(b)に示すような太幅孔(スロット孔6g)、図5(c)に示すような円孔6h、図5(d)に示すような楕円孔6i、図5(e)に示すような三角孔6j、図5(f)に示すような四角孔6k等種々のものが考えられる。また、凹凸部16としては、図5(g)に示すように、スリット孔やスロット孔をプレスして切起し片(凸部)18aを形成してもよい。あるいは、図5(h)に示すように、貫通孔6mの周縁に凸部18bを形成してもよい。つまり、円孔をプレスして凸部18bを形成することで充填材7がこれらに喰い付くようにしてもよい。つまり、補強部材6の係合部10により充填材7との補強部材6との付着力を増加させればよい。
補強部材6の縦の長さは、溝5の縦の長さと対応するように設定される。また、溝5を内壁面1aより壁部3nの高さと同程度の長さに形成して、補強部材6の長さを溝5の長さと同程度の長さに設定することが望ましい。つまり、図4(a)に示すように、せん断力Sが作用した時に発生する斜めひび割れHが、補強部材6が設けられていない部分に発生することによって、ボックスカルバート20は壁部3nが矢印A方向に引張られて破壊されてしまう恐れがある。しかしながら、図4(b)に示すように、ボックスカルバート20の壁部3nの底部1dと頂部1cとに渡って補強部材6が設置されることによって、補強部材6が斜めひび割れHによって壁部3nが矢印A方向に引張られることを直接的に抑制できるので、せん断耐力を向上できる。つまり、補強部材6が内壁面1aに鉛直方向に形成された溝5に挿入されることにより、せん断力Sに対して直接抵抗する範囲を大きくできる。
充填材7は、グラウト、モルタル、セメントミルク、レジンコンクリート等により形成されて、図外の注入用ホース及びポンプ等の充填材充填装置により溝5内に充填される。溝5内に充填される充填材7は、補強部材6の係合部10にも充填させる。つまり、充填材7を補強部材6の貫通孔6m内にも充填される。
次に、図2及び図6を用いて、コンクリート構造体3のせん断補強方法を説明する。
まず、ボックスカルバート20の内壁面1aより内部に向けて鉛直方向(縦方向)に図外の穿孔装置により溝5を形成する。次に、図6(a)、(b)に示すように、溝5内に補強部材6を設置する。次に、図外の充填材充填用ホースを挿入して、充填材充填装置のポンプを駆動することにより充填材7を溝5内に圧力を加えて充填させる。充填材7は補強部材6の貫通孔6m内部、及び、補強部材6と溝5の内面との間すなわち補強部材6の左右の間隙6a,6bにも隙間無く充填される。これにより、せん断補強構造1が構築される。なお、本発明において、溝5への補強部材6の配置と、溝5への充填材7の充填とは、この順序にて実施することに限定されない。つまり、溝5内に充填材7を充填した後、充填材7が硬化する前に補強部材6を溝5に挿入して、溝5内にて補強部材6の周囲が充填材7で満たされた状態とし、補強部材6を充填材7と固着させるようにしてもよい。
充填材7が補強部材6の貫通孔6mにも充填されることにより、貫通孔6mと充填材7とが係合するので、補強部材6と充填材7との付着力を増加させることができる。つまり、補強部材6と充填材7との間で付着に滑りが発生することを防止させることができる。また、せん断力Sによる壁部3nの引張りを抑制させることができる。すなわち、図7に示すように、せん断力Sがボックスカルバート20の壁部3nに作用すると斜めひび割れHが発生しようとするが、補強部材6に引張力が働くために、貫通孔6mを囲んだ金属線Mには矢印B方向に引抜く力が作用する。金属線Mの内側にある貫通孔6m内のコンクリートCには、反力として支圧力が作用して、矢印D方向への圧縮応力が作用する。つまり、貫通孔6m内のコンクリートCは横からの拘束を受けて、斜め引張りに対して抵抗力が増加する。貫通孔6m内のコンクリートCに矢印D方向へ圧縮応力が作用するので、ボックスカルバート20のせん断力Sに対する耐力を向上させることができるとともに、補強部材6は貫通孔6mが形成されているのでじん性を向上させることができる。このように、補強部材6と充填材7とを一体化することで、既設のボックスカルバート20のせん断耐力及びじん性を増大させることができる。
補強部材6はエキスパンドメタルとしたが、図8に示すように、鋼板6Aの両面に貫通する複数の貫通孔6mを備えてもよい。この場合、係合部10は複数の貫通孔6mとなる。複数の貫通孔6mを備えた補強部材6を溝5内に設置して、貫通孔6m内部と溝5内に充填材7を充填させることにより、貫通孔6mと充填材7とが係合するので充填材7との付着力を増加させることができる。
板の表面17に凹凸部16を備えた補強部材6を形成してもよい。凹凸部16は板の表面17の複数の凹凸により形成される。図9に示すように、例えば、凹凸部16は板の表面17の突起により形成される凸部18と、凸部18と板の表面17とにより形成される凹部19とを備える。凹凸部16を備えた補強部材6は、縞鋼板、又は、チェッカープレートと呼ばれる鋼板6Bにより構成される。この場合、係合部10は凸部18と凹部19とにより形成される。凹凸部16を備えた補強部材6を溝5内に設置して、凹部19と溝5内とに充填材7を充填させることにより、凸部18と凹部19とが充填材7と係合するので充填材7との付着力を増加させることができる。また、凹凸部16を備えた補強部材6には貫通孔6mが形成されないため、貫通孔6mを有する補強部材6よりも剛性を向上できるのでせん断耐力を増加させることができる。
なお、凸部18は、ショットブラストにより、例えば、板の両面又は片面に小さい鋼の粒を圧縮空気で吹き付けて形成してもよい。
また、板の表面17より複数の有底の穴部を形成して凹凸部16を形成してもよい。
また、板の表面17より複数の有底の穴部を形成するとともに、板の表面17に複数の凸部を形成して凹凸部16を形成してもよい。
1つの溝5内に複数の補強部材6を配置してもよい。例えば、複数の補強部材6を溝5内に溝5の延長方向に沿って配置して、互いに隣り合う補強部材6の端部同士を離間させるようにしてもよい。例えば、補強部材6を溝5内に縦列に設置すればよい。当該端部同士の離間する間隔は狭いほうが望ましく、例えば、上記間隔は10cm未満と設定すればよい。間隔が狭ければ、補強部材6は壁部3nの斜めひび割れに対して直接的に抵抗する範囲を広げることができる。1つの溝5内に複数の補強部材6を配置するようにすれば、補強部材6の取扱いが容易となり補強部材6を溝5内に容易に設置できる。また、補強部材6が設置される長さを任意に調整できる。
実施の形態1によれば、補強部材6の係合部10に充填材7が充填されることにより、係合部10と充填材7とが係合するので、充填材7と補強部材6との付着力が増加するので、補強部材6がもつせん断耐力を充分に発揮させることができる。つまり、せん断力Sにより斜めひび割れHが発生しようとする場合に、充填材7から補強部材6へせん断応力による引張力を効率よく伝達させることができるので、せん断力Sに対する耐力を増加させることができる。
実施の形態2
図10に示すように、実施の形態1で用いた補強部材6に、コンクリート構造体3に配筋された鉄筋を避ける鉄筋避溝部25を備えた。図11(a),(b)に示すように、コンクリート構造体3としては鉄筋コンクリートで構築されたボックススカルバート20Aが用いられる。ボックスカルバート20Aは、ボックスカルバート20Aの壁部3n内部に縦方向に配置された既設の鉄筋(主筋26)と、当該鉄筋と直交するように横方向に配置される鉄筋(配力筋27)とを備える。主筋26と配力筋27とは穴3aとの間に約5〜8cm程度のかぶり厚さを有して壁部3n内部に配筋されている。なお、主筋26はボックスカルバート20Aの延長方向と直交する方向に延長した状態で、ボックスカルバート20Aの延長方向に沿って複数設置される。配力筋27はボックスカルバート20Aの延長方向に沿って延長した状態で、互いに離間して複数配置されている。
図10で示すように、鉄筋避溝部25は、配力筋27を避けるように補強部材6に設けられた溝である。例えば、鉄筋避溝部25は、補強部材6の一方の縁部28より他方の縁部29に向けて形成される。鉄筋避溝部25は、傾斜して形成してもよいし、縁部28と直交するように形成してもよい。鉄筋避溝部25を傾斜して形成する場合には、一方の縁部28から他方の縁部29に向けて上方に傾斜するように形成するか、若しくは、一方の縁部28から他方の縁部29に向けて下方に傾斜するように形成する。鉄筋避溝部25は、補強部材6の一方の縁部28にのみ形成されて、他方の縁部29(補強部材6の背部)には形成されない。鉄筋避溝部25の大きさは配力筋27の径に合わせて適宜設定される。
次に、鉄筋避溝部25を備えた補強部材6を用いたせん断補強方法について説明する。
まず、ボックスカルバート20Aの内壁面1aよりボックスカルバート20Aの内部に向けて図外の穿孔装置により鉛直方向に溝5を形成する。溝5は、壁部3nの内壁面1a側の鉄筋(主筋26,配力筋27)よりも壁部3nの外面3q側に突出するような長さに設定される。溝5はボックスカルバート20Aの壁部3nの内部に配筋された鉄筋(主筋26,配力筋27)を避けて形成される。次に、溝5内に鉄筋避溝部25を備えた補強部材6を設置する。補強部材6の他方の縁部29を溝5の底面5a(穿孔装置により形成された溝5の最深面)と当接させるとともに配力筋27を鉄筋避溝部25内に挿入させる。つまり、補強部材6の他方の縁部29を、主筋26と配力筋27を避けて主筋26と配力筋27よりも壁部3nの底面5a側に挿入した後、主筋26に沿った方向に移動させる。そして、補強部材6を主筋26に沿った方向を中心として回転させることで配力筋27を鉄筋避溝部25内に挿入させればよい。次に、充填材7は図外の充填材充填用ホースを溝5内に挿入して、充填材充填装置のポンプを駆動することにより、補強部材6の貫通孔6m内部、及び、溝5と補強部材6との間隙6a,6bとの間に圧力をもって充填される。また、充填材7は内壁面1a側の鉄筋(主筋26,配力筋27)よりも内壁面1aの溝5内にも充填される。
補強部材6は鉄筋避溝部25を備えたので、せん断力Sにより斜めひび割れHが発生しようとする場合に、せん断力Sによる引張力を補強部材6から配力筋27に伝達させるので、せん断力Sをボックスカルバート20A自体で負担できる。このため、せん断力Sに対するせん断強度を増加させることができる。また、配力筋27を鉄筋避溝部25に挿入することで補強部材6が位置決めすることができるので、溝5に充填材7を充填する作業が容易となる。
溝5は、配力筋27が補強部材6の鉄筋避溝部25に挿入された位置で他方の縁部29(背部)が壁部3nの内壁面1a側の鉄筋(主筋26,配力筋27)よりも壁部3nの外面3q側に突出するように形成したが、図12に示すように、補強部材6は、壁部3nの内壁面1a側に補強部材6の他方の縁部29を向けて溝5に挿入するようにしてもよい。すなわち、溝5を壁部3nの内壁面1a側の鉄筋(主筋26,配力筋27)よりも内壁面1a側に形成し、補強部材6の鉄筋避溝部25に配力筋27が挿入されるように補強部材6を溝5内に挿入すればよい。これによれば、溝5を小さくできるので、溝5を形成する作業が容易となるとともに、ボックスカルバート20自体の強度低下を低減させることができる。また、穿孔によるコンクリート構造体3の廃棄物を削減することができるので、廃棄物の処理コストを低減できる。
なお、補強部材6の鉄筋避溝部25は主筋26を避けるように形成してもよい。
実施の形態3
補強部材6は、図13(a),(b)に示すように、上端、下端に左,右方向に折曲げられた折曲板31を設け、天井部3hの下面3iに圧接するようにしてもよい。これにより、補強部材6と天井部3hの下面3iとの摩擦力により一体性が向上し、かつ天井部3hは補強部材6により支持力を増すことができる。
又、図14(a),(b)に示すように、補強部材6をV字状に折曲して、折曲げ中央32が天井部3hの中央に圧接し、両端が溝5内の下端両側コーナー部33,33に圧接するようにすることで、補強部材6はより安全に天井部3hを支持できる。
又、図15(a),(b)に示すように、補強部材6をく字状に蛇行するように折曲して溝5の内壁面6u,6uに当接するようにしてもよい。
又、補強部材6として縦断面が波型に折曲した湾曲板を用いて、溝5の内壁面6u,6uに圧接するよう溝5内に設置してもよい。
なお、本発明のコンクリート構造体3のせん断補強構造1は、実施の形態1乃至実施の形態3のいずれか1つ以上の実施形態の構成を加味したコンクリート構造体3のせん断補強構造1であればよい。
1 せん断補強構造、1a 内壁面、3 コンクリート構造体、5 溝、
6 補強部材、6m 貫通孔、7 充填材、10 係合部、16 凹凸部、
18,18a,18b 凸部。

Claims (4)

  1. コンクリート構造体の壁面に形成された所定深さの直線溝と、この溝内に深さ方向に挿入される板状の補強部材と、前記溝内に充填される充填材とを備えたコンクリート構造体のせん断補強構造において、補強部材に貫通孔、又は、凹凸部より成る係合部を形成したことを特徴とするコンクリート構造体のせん断補強構造。
  2. 前記貫通孔はスリット孔又はスロット孔又は円孔又は楕円孔又は三角形状の異形孔より成ることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造体のせん断補強構造。
  3. 前記溝は、縦方向又は横方向又は傾斜方向に延長することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリート構造体のせん断補強構造。
  4. 板状の補強部材は、貫通孔の周縁に凸部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のコンクリート構造体のせん断補強構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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