JP2011208083A - ポリイミド樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波吸収特性に優れた電磁波吸収体を得ることが可能な、フェライト粒子含有のポリイミド樹脂を提供する。
【解決手段】無水カルボン酸及びジアミンを有機溶媒中に溶解させるとともに、フェライト粒子を前記有機溶媒中に分散させて、フェライト粒子が分散してなるポリアミック酸溶液を得る。次いで、前記ポリアミック酸溶液に対して熱処理を行い、前記ポリアミック酸を重合させて、前記フェライト粒子が分散してなるポリイミド樹脂を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、電波吸収性材、特にマイクロ波吸収材として有用な、フェライト粒子含有のポリイミド樹脂の製造方法に関する。
近年、レ−ダや通信機器等の通信分野では使用周波数がミリ波帯の高い領域に移行されつつあり、これに伴い電磁波吸収シ−トの開発が要求されている。
例えば、長さ100〜1000μm、コイル直径1〜10μm、コイルピッチ0〜1μmのマイクロコイル状カ−ボン繊維が10GHz前後の周波数帯の電磁波吸収材として開発されている。このマイクロコイル状カ−ボン繊維は、ニッケル粉末触媒を塗布したグラファイト基板を内部に配置した反応管にアセチレン系原料ガス(アセチレンに水素、窒素、チオフェン等の不純物を混合)を上方から、かつ温度約750℃で流動接触させて基板上に炭素繊維をコイル状に成長させ、これを研削剥離し、更に必要に応じ粉砕機で粉砕することにより得られる。
かかるマイクロコイル状カ−ボン繊維が電磁波を吸収する機構は、マイクロコイル状カ−ボン繊維が電磁気的にコイルとして作用し、レンツの法則に従いコイル内に誘導起電力による誘導電流が流れジュ−ル熱損失が発生し、かかる現象が電磁波の円偏波のために増大される結果であるとされている。
一方、配線基板等の電子機器の分野では、近年における高密度実装を背景として、密集するIC(IntegratedCircuit)等の電子部品や配線等の電子デバイス相互間の電磁界干渉(EMI;Electro-Magnetic Interference )が問題となっている。そこで、電子部品や配線からの電磁波放射を抑えるために、電磁波吸収体として、配線基板の上面に接着剤を介して強磁性材料を混練して成る電磁波吸収シートを貼り付ける方法が用いられている。
例えば特許文献1には、ポリイミド樹脂中にフェライト粒子を分散させてなる電磁波吸収体(シート)が開示されている。ポリイミド樹脂は耐熱性に優れるので、電磁波吸収体(シート)を配線基板に貼付した場合において、上述した電子部品等の発熱によって劣化することなく、電子部品等から放射される電磁波を効果的に抑えることができるとされている。
しかしながら、実際に特許文献1に記載の方法に従ってポリイミド樹脂を製造し、配線基板に貼付しても、その電子部品等から発せられる電磁波を十分に吸収することができず、電磁波吸収体として実用に供するには不十分であった。
特開2003−258482号
本発明は、電磁波吸収特性に優れた電磁波吸収体を得ることが可能な、フェライト粒子含有のポリイミド樹脂を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
無水カルボン酸及びジアミンを有機溶媒中に溶解させるとともに、フェライト粒子を前記有機溶媒中に分散させて、フェライト粒子が分散してなるポリアミック酸溶液を得る工程と、
前記ポリアミック酸溶液に対して熱処理を行い、前記ポリアミック酸を重合させて、前記フェライト粒子が分散してなるポリイミド樹脂を得る工程と、
を具えることを特徴とする、ポリイミド樹脂の製造方法に関する。
本発明者らは、特許文献1に記載のフェライト粒子含有のポリイミド樹脂が十分に電磁波を吸収することができず、電磁波吸収体として実用に供することができない原因について鋭意検討を行った。その結果、特許文献1に記載の方法では、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸に対してフェライト粒子を配合するものであるため、フェライト粒子の分散性が低く、後に重合を行って得たポリイミド樹脂中においても、良好な分散性を得ることができない場合が多々あり、この結果、前記ポリイミド樹脂から所望の電磁波吸収特性を有する電磁波吸収体を得ようとした場合においても、当該電磁波吸収体を得ることができないことを見出した。
本発明者らは、上記原因の究明に基づいてさらなる検討を行った結果、本発明のポリイミド樹脂の製造方法に従って、フェライト粒子をポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸ではなく、ポリアミック酸を合成する際のモノマー中に分散させることによって、フェライト粒子をポリアミック酸中に良好に分散させることができ、後の重合を経ることによって、ポリイミド樹脂中にも良好に分散させることを見出したものである。
したがって、本発明のポリイミド樹脂の製造方法によれば、ポリイミド樹脂中にフェライト粒子を均一に分散させることができ、電磁波吸収特性に優れた電磁波吸収体を得ることが可能な、フェライト粒子含有のポリイミド樹脂を提供できるものである。
本発明の一例においては、フェライト粒子を有機溶媒中に分散させる以前に、追加の無水カルボン酸で表面処理することができる。この場合、フェライト粒子の表面に無水カルボン酸が付着するようになるので、フェライト粒子を上記有機溶媒中に分散させた場合において、ジアミンと反応してポリアミック酸中に取り込まれるようになる。結果として、フェライト粒子の、ポリアミック酸中の分散性を向上させることができ、さらには後の重合を経て得たポリイミド樹脂中の分散性をも向上させることができる。
また、本発明の一例においては、フェライト粒子を有機溶媒中に分散させる以前であって、追加の無水カルボン酸で表面処理した後において、前記フェライト粒子に対してマイクロ波を照射することができる。この場合、フェライト粒子の表面に付着した無水カルボン酸が活性化されて、種々のラジカルが生成されると推定され、有機溶媒中のジアミンとの反応が促進されるとともに、フェライト粒子のポリアミック酸中の分散性を向上させることができ、さらには後の重合を経て得たポリイミド樹脂中の分散性をも向上させることができる。
以上、本発明によれば、電磁波吸収特性に優れた電磁波吸収体を得ることが可能な、フェライト粒子含有のポリイミド樹脂を提供することができる。
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について、実施の形態に基づいて説明する。
本発明のポリイミド樹脂の製造方法においては、最初に、無水カルボン酸及びジアミンを有機溶媒中に溶解させるとともに、フェライト粒子を前記有機溶媒中に分散させて、フェライト粒子が分散してなるポリアミック酸溶液を得る。
無水カルボン酸としては、特に限定されるものではないが、無水カルボン酸を用いることが好ましい。無水カルボン酸としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸、無水フタル酸、無水イソフタル酸、無水テレフタル酸、無水ヘミメリット酸、無水トリメリット酸、無水トリメシン酸、無水メロファン酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、無水ジフェン酸、無水トルイル酸、無水キシリル酸、無水ヘメリト酸等を例示することができる。なお、これらの無水カルボン酸は、その一部がアルキル基や他の官能基、エステル化誘導体で置換されていてもよい。
好適にはビフェニルテトラカルボン酸が挙げられ、例えば3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもある)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある)が好ましいが、2,3,3’,4’−又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、あるいは2,3,3’,4’− 又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸の塩またはそれらのエステル化誘導体であってもよい。ビフェニルテトラカルボン酸は、上記の各ビフェニルテトラカルボン酸類の混合物であってもよい。なお、これらビフェニルテトラカルボン酸は、その一部がアルキル基や他の置換基、エステル化誘導体で置換されていてもよい。
ジアミンとしては、(3,3’− ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(D D M)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(D P E)、4,4’−ビス(4− アミノフェノキシ)ビフェニル(B A P B)、1,4 ’− ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(T P E - R)、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,6’−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4 ,4’−ジアミノベンゾフェノン、4 ,4’−ジアミノビベンジル、R( + )−2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、1,2−ジアミノメタン、1,4− ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン、イソホロンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミンのほか、3,4 − ジアミノピリジン、1,4−ジアミノ−2−ブタノン、2,2ビス[4(4アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)等を使用することができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
有機溶媒としては、パラクロロフェノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノ−ル、クレゾ−ルなどが挙げられる。
無水カルボン酸及びジアミンは、上記有機溶媒中に溶解させ、適宜攪拌することによって室温においても自発的に反応が進行し、ポリアミック酸を生成する。一方、上記有機溶媒中にはフェライト粒子が分散しているので、上記自発反応に伴うポリアミック酸の生成過程において、フェライト粒子はポリアミック酸中に取り込まれることになる。この結果、フェライト粒子は、ポリアミック酸中に均一に分散するようになる。
なお、無水カルボン酸とジアミンとは略等モルにおいて反応させ、上記ポリアミック酸を生成する。ポリアミック酸が生成されると溶液中の粘度が増大し、例えば対数粘度(30℃、濃度;0.5g/100mL NMP)で0.3以上、特には0.5〜7程度まで増大する。
無水カルボン酸及びジアミンの反応は必要に応じて加熱下でも行うことができる。この場合は、反応に要する時間を短縮することができる。
本発明においては、上述のようにして得たポリアミック酸溶液に対して熱処理を行い、ポリアミック酸を重合させる。上述したように、ポリアミック酸中にはフェライト粒子が均一に分散しているので、ポリアミック酸を重合して生成するポリイミド樹脂中においても、フェライト粒子は均一に分散するようになる。この結果、ポリイミド樹脂中にフェライト粒子を均一に分散させることができ、電磁波吸収特性に優れた電磁波吸収体を得ることが可能な、フェライト粒子含有のポリイミド樹脂を提供できるものである。
上記重合は、例えば200℃〜300℃の温度で、数分〜数十分間行う。また、必要に応じて、イミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミド化剤を用いることもできる。
なお、本発明においては、フェライト粒子を有機溶媒中に分散させる以前に、追加の無水カルボン酸で表面処理することができる。この場合、フェライト粒子の表面に無水カルボン酸が付着するようになるので、フェライト粒子を上記有機溶媒中に分散させた場合において、ジアミンと反応してポリアミック酸中に取り込まれるようになる。結果として、フェライト粒子の、ポリアミック酸中の分散性を向上させることができ、さらには後の重合を経て得たポリイミド樹脂中の分散性をも向上させることができる。
追加の無水カルボン酸は、上記無水カルボン酸と同様のものを用いることができる。この場合、上記無水カルボン酸と追加の無水カルボン酸とを同一とすることもできるし、互いに相異なるようにすることもできる。
また、本発明においては、フェライト粒子を有機溶媒中に分散させる以前であって、追加の無水カルボン酸で表面処理した後において、前記フェライト粒子に対してマイクロ波を照射することができる。この場合、フェライト粒子の表面に付着した無水カルボン酸が活性化され、種々のラジカルが生成されるようになるので、有機溶媒中のジアミンとの反応が促進され、フェライト粒子のポリアミック酸中の分散性を向上させることができ、さらには後の重合を経て得たポリイミド樹脂中の分散性をも向上させることができる。
マイクロ波照射は、例えば電波法で定められている2.45GHzのマイクロ波を、その出力を調整するとともに、照射時間を数秒から数十秒に調整することによって行う。なお、必要に応じて、上述した照射時間の範囲内で複数回マイクロ波照射を行うこともできる。マイクロ波を過度に照射すると、フェライト粒子の表面に付着した無水カルボン酸が分解して、上述のようにジアミンとの反応が促進されないばかりか、当該反応が困難となる場合がある。
また、本発明の製造方法で使用するフェライト粒子は、マイクロ波照射による水熱反応を経て製造することが好ましい。この方法によれば、平均粒子径5nm〜50nmのフェライト粒子を簡易に製造することができ、ポリイミド樹脂中へ比較的多量に分散させることができるようになるとともに、その柔軟性を保持することができるようになる。したがって、ポリイミド樹脂自体の電磁波吸収特性をより高く保持することができるとともに、上記ポリイミド樹脂をフィルム化した際においても、フィルムとしての柔軟性を損なうことなく、高い電磁波吸収特性を保持することができる。なお、上記平均粒子径はTEM観察によって直接的に測定した値である。
フェライト粒子をマイクロ波照射による水熱反応を経て製造するに際しては、例えば以下に示すような工程で行うことができる。
最初に、例えば、耐圧性マイクロ波反応容器中に、フェライト粒子を構成する金属元素を含む金属塩の水溶液を入れ、次いでこの水溶液中にアルカリを添加する。すると、前記金属元素の水酸化物が共沈してなるゲル状のフェライト前駆体を含むアルカリ性水溶液が得られる。なお、この段階では、未だ水熱反応を行わないので、上記アルカリ性水溶液はビーカー等のガラス容器中で調整することもできる。
前記金属塩は、前記金属元素の塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩等とすることができる。なお、このような金属塩は、上記フェライト粒子を構成する金属元素の種類に応じて適宜に選択する。例えば、ニッケルフェライトを得ようとする場合は、FeCl及びNiCl等を用いることができる。
また、アルカリは、金属塩水溶液に対してアルカリとして作用し、中和反応を進行させるためのものをいい、本来アルカリ性を呈するものの他、分解等の反応の結果アルカリ性を呈するものでもよい。具体的には、アンモニア、水酸化ナトリウムなどを例示することができる。
次いで、アルゴンなどの不活性ガスによる加圧下にマイクロ波出力を制御しながら加熱して急速昇温し、所定時間一定温度に保持して反応させる。初期圧力は数MPaから数十MPa程度が望ましいが、その範囲に限定されるものではない。反応温度は130℃から250℃であるが、原料金属の種類によって最適温度が異なり、Niフェライトの場合は160℃以上が必要であるが、Coフェライトの場合は130℃で結晶化が進行する。温度が高いほど結晶化が進行するが、200℃以上ではほぼ一定となり、最適温度は金属の種類によって130℃から250℃の範囲で選ばれるものである。
なお、アルカリ性水溶液をガラス容器中で調整した場合においては、上記水熱反応を行うに際し、上述した耐圧性マイクロ波反応容器等にアルカリ性水溶液を移し替えておく必要がある。
反応時間、すなわち所定温度での保持時間は数分から1時間程度である。反応時の圧力は初期圧力を加えて加熱した平衡圧力条件である。
マイクロ波加熱に用いられるマイクロ波は、一般的に電波法に定められている2.45GHzの周波数のマイクロ波が用いられている。マイクロ波を用いることによって、分子内の双極子モーメントの大きいものが配向運動によって摩擦熱を生じ、内部から加熱されるようになる。水は永久双極子材料であり、誘電損失係数が大きく、マイクロ波で加熱されやすい。また、共沈によって生成したゲル状のフェライト前駆体はマイクロ波吸収性が優れており、ある程度の大きさになるとマイクロ波を吸収して局所的に加熱され、結晶化などの反応が促進される。この結果、イオンの拡散速度に比べ、核生成・結晶化速度が大きく、溶液からのイオンの供給が不足するため、大量のナノサイズのフェライト粒子が生成するものである。
上記フェライト粒子の大きさ、すなわち粒径をより小さくするためには、アルカリ性水溶液からゲル状のフェライト前駆体を取り出して水洗浄し、フェライト前駆体に付着したアルカリや塩を除去してフェライト前駆体を略中性とし、このようにして得た略中性のフェライト前駆体を再び脱イオン水等の水中に浸漬させ、これに対してマイクロ波を照射することにより実現できる。すなわち、フェライト前駆体を含む中性の水に対してマイクロ波照射を行うことにより、より狭小化されたナノサイズのフェライト粒子を得ることができる。
なお、フェライト前駆体を含む中性の水に対してマイクロ波を照射する際の反応温度、反応時間等は、上述したアルカリ性水溶液を用いた場合と同様である。
(実施例1)
(フェライト粒子の製造)
内容積100mlのガラスビーカーに脱イオン水30mlを入れ、塩化第二鉄(FeCl・6HO)及び塩化ニッケル(NiCl・6HO)をそれぞれ10mmol及び12.5mmolの濃度となるように加えて溶解した後、これに25%濃度のアンモニア水20mlを添加して共沈物を得た。この状態で暫く静置すると共沈物がビーカー底に沈積したため、上澄み液を傾注、除去し、その後ビーカーに新たな脱イオン水50mlを添加して共沈物を洗浄した。この洗浄操作を計4回(洗浄用脱イオン水の総量200ml)繰り返して共沈物に同伴した過剰のアンモニアあるいは中和によって生成した塩化アンモニウムを除去した。
その後共沈物を含む総量が50mlになるようにガラスビーカーに脱イオン水を添加した後、このビーカー内原料をフッ素樹脂製の耐圧反応容器に充填した。次いでこの反応容器を周波数2.45GMHzのマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.5kWのマイクロ波を照射することによって、230℃、25分間加熱処理を行った。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径15nmのニッケルフェライト粒子が生成していることが判明した。
(ポリイミド樹脂の製造)
上述のようにして得られた平均粒子径15nmのニッケルフェライト粒子15g、イソプロピルアルコール(IPA)70g、ジメチルアセトアミド(DMAC)30g及びビーズ径2φのジルコニアビーズ100mlを、200mlのビーズミルポットに入れ、アイメックス社製ビーズミルを用いて1500rpmで4時間分散した。ろ過を行なった後、ビーズ径0.2φのジルコニアビーズを用いて同様に分散した。再度ろ過した後、ビーズ径0.05φのジルコニアビーズを用いて再度分散・ろ過を行なった。最後に添加溶媒のIPAをエバポレーターで除去してフェライト含有量33質量%のDMAC溶媒のニッケルフェライト粒子分散スラリーを作製した。
次いで、攪拌羽根を入れた窒素封入の4つ口フラスコにDMAC35gとジアミンである2,2ビス[4(4アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)4.11gとを入れ、さらに上記ニッケルフェライト粒子分散スラリー14.0gを入れ、5分間攪拌した。
その後、無水カルボン酸である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)2.94gを少量ずつ添加して、室温にて2時間攪拌した。溶液の粘度が増加した時点で攪拌を終了し、自転公転式ミキサー(シンキー製:練太郎)を用いて2000rpmで10分混合・脱泡処理を行なうことでニッケルフェライト粒子分散のポリアミック酸溶液を作製した。
次いで、上記ニッケルフェライト粒子分散のポリアミック酸溶液を厚み50μmの離型剤が塗布されたPETフィルムにドクターブレード法にて塗布して、熱風高温炉において70℃、100℃、120℃で各10分放置してDMACを除去した。120℃で加熱処理後は、乾燥したフィルムをPETフィルムから剥がしとり、金属の金型でフィルムに端面のみを貼り付け、200℃から300℃まで10℃毎に加熱処理を行って脱水イミド化を進行させ、厚みが約30μmの、ニッケルフェライト粒子を40質量%含有するポリイミド樹脂フィルムを作製した。
(評価)
作製したポリイミド樹脂フィルムをTEM観察によりフェライト粒子の分散状態を観察した。TEM観察では、フェライト粒子が数10個凝集した2次凝集粒子が存在するものの、その大きさは1μm〜0.1μmであって全体的に分散しており、分散性は良好であった。
(実施例2)
(フェライト粒子の製造)
内容積100mlのガラスビーカーに脱イオン水20mlを入れ、塩化第二鉄(FeCl・6HO)、塩化ニッケル(NiCl・6HO)及び塩化亜鉛(ZnCl)をそれぞれ40mmol、10mmol及び10mmolの濃度となるように加えて溶解した後、これに25%濃度のアンモニア水20mlを添加して共沈物を得た。この状態で暫く静置すると共沈物がビーカー底に沈積したため、上澄み液を傾注、除去し、その後ビーカーに新たな脱イオン水50mlを添加して共沈物を洗浄した。この洗浄操作を計4回(洗浄用脱イオン水の総量200ml)繰り返して共沈物に同伴した過剰のアンモニアあるいは中和によって生成した塩化アンモニウムを除去した。
その後共沈物を含む総量が50mlになるようにガラスビーカーに脱イオン水を添加した後、このビーカー内原料をフッ素樹脂製の耐圧反応容器に充填した。次いでこの反応容器を周波数2.45GMHzのマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.5kWのマイクロ波を照射することによって、230℃、25分間加熱処理を行った。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径15nmのニッケル亜鉛フェライト粒子が生成していることが判明した。
(ポリイミド樹脂の製造)
平均粒子径15nmのニッケルフェライト粒子に代えて、平均粒子径15nmのニッケル亜鉛フェライト粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚みが約30μmの、ニッケル亜鉛フェライト粒子を40質量%含有するポリイミド樹脂フィルムを作製した。
作製したポリイミド樹脂フィルムをTEM観察によりフェライト粒子の分散状態を観察したところ、2次凝集粒子が存在するもののその大きさは0.1μm以下であって全体的に分散しており、分散性は良好であった。
(実施例3)
実施例2と同様にして、平均粒子径15nmのニッケル亜鉛フェライト粒子を生成した後、このニッケル亜鉛フェライト粒子15g、イソプロピルアルコール(IPA)70g、ジメチルアセトアミド(DMAC)30g及びビーズ径2φのジルコニアビーズ100mlを、200mlのビーズミルポットに入れ、アイメックス社製ビーズミルを用いて1500rpmで4時間分散した。ろ過を行なった後、ビーズ径0.2φのジルコニアビーズを用いて同様に分散した。再度ろ過した後、ビーズ径0.05φのジルコニアビーズを用いて再度分散・ろ過を行なった。最後に添加溶媒のIPAをエバポレーターで除去してフェライト含有量33質量%のDMAC溶媒のニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリーを作製した。
次いで、上記分散スラリー20gに無水カルボン酸としてメチルテトラヒドロ無水フタル酸を0.4g添加した後、自転公転式ミキサー(シンキー製:練太郎)を用いて2000rpmで10分混合して、無水カルボン酸処理したニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリーを作製した。
次いで、攪拌羽根を入れた窒素封入の4つ口フラスコにDMAC35gとジアミンである2,2ビス[4(4アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)4.11gとを入れ、さらに上記無水カルボン酸処理したニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリー14.0gを少量ずつ添加して、室温にて2時間攪拌した。溶液の粘度が増加した時点で攪拌を終了し、自転公転式ミキサー(シンキー製:練太郎)を用いて2000rpmで10分混合・脱泡処理を行なうことでニッケル亜鉛フェライト粒子分散のポリアミック酸溶液を作製した。
次いで、上記ニッケル亜鉛フェライト粒子分散のポリアミック酸溶液を厚み50μmの離型剤が塗布されたPETフィルムにドクターブレード法にて塗布して、熱風高温炉において70℃、100℃、120℃で各10分放置してDMACを除去した。120℃で加熱処理後は、乾燥したフィルムをPETフィルムから剥がしとり、金属の金型でフィルムに端面のみを貼り付け、200℃から300℃まで10℃毎に加熱処理を行って脱水イミド化を進行させ、厚みが約30μmの、ニッケル亜鉛フェライト粒子を40質量%含有するポリイミド樹脂フィルムを作製した。
作製したポリイミド樹脂フィルムをTEM観察によりフェライト粒子の分散状態を観察したところ、2次凝集粒子が存在するもののその大きさは1μm〜0.1μmであって全体的に分散しており、分散性は良好であった。
(実施例4)
実施例3と同様にして、無水カルボン酸処理したニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリーを作製した後、このスラリーに対して2.45GHz、700Wのマイクロ波(SANYO電子レンジ)を1回当たり30秒間照射し、これを4回間欠的に行うことによって、マイクロ波処理した。
次いで、無水カルボン酸処理したニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリーに代えて、上述のように、マイクロ波処理及び無水カルボン酸処理したニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリーを用い、実施例3と同様にして、厚みが約30μmの、ニッケル亜鉛フェライト粒子を40質量%含有するポリイミド樹脂フィルムを作製した。
作製したポリイミド樹脂フィルムをTEM観察によりフェライト粒子の分散状態を観察したところ、2次凝集粒子が存在するもののその大きさは0.1μm以下であって全体的に分散しており、分散性は良好であった。
(実施例5)
メチルテトラヒドロ無水フタル酸0.4gに代えて、無水ピロメリット酸0.2gでニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリーを処理した以外は、実施例4と同様にしてこのスラリーに対してマイクロ波照射処理を行い、さらに厚みが約30μmの、ニッケル亜鉛フェライト粒子を40質量%含有するポリイミド樹脂フィルムを作製した。
作製したポリイミド樹脂フィルムをTEM観察によりフェライト粒子の分散状態を観察したところ、2次凝集粒子が存在するもののその大きさは0.1μm以下であって全体的に分散しており、分散性は良好であった。
(比較例1)
実施例1で得た平均粒子径15nmのニッケルフェライト粒子6.6gを予め作製しておいたDMAC溶媒の固形分濃度が20質量%のポリアミック酸溶液50gと自転公転式ミキサー(シンキー製:練太郎)を用いて2000rpmで10分混合・脱泡処理を行い、ニッケルフェライト粒子分散のポリアミック酸溶液を作製した。
次いで、上記ニッケルフェライト粒子分散のポリアミック酸溶液を、厚み50μmの離型剤が塗布されたPETフィルムにドクターブレード法にて塗布して、熱風高温炉において70℃、100℃、120℃で各10分放置してDMACを除去した。120℃で加熱処理後は、乾燥したフィルムをPETフィルムから剥がしとり、金属の金型でフィルムに端面のみを貼り付け、200℃から300℃まで10℃毎に加熱処理を行って脱水イミド化を進行させ、厚みが約30μmの、ニッケルフェライト粒子を40質量%含有するポリイミド樹脂フィルムを作製した。
作製したポリイミド樹脂フィルムをTEM観察によりフェライト粒子の分散状態を観察したところ、大きさ10μm以上の2次凝集粒子が存在し、分散性は不良であった。
(比較例2)
実施例2で得た平均粒子径15nmのニッケル亜鉛フェライト粒子を含むスラリーを、実施例5と同様に、無水ピロメリット酸0.2gで処理し、さらにマイクロ波照射処理によって処理して、マイクロ波処理及び無水ピロメリット酸処理したニッケル亜鉛フェライト粒子分散スラリーを作製した。
次いで、上記分散スラリー14.0gと予め作製しておいたDMAC溶媒の固形分濃度が20質量%のポリアミック酸溶液50gとを自転公転式ミキサー(シンキー製:練太郎)を用いて2000rpmで10分混合・脱泡処理を行い、ニッケル亜鉛フェライト粒子分散のポリアミック酸溶液を作製した。
その後、比較例1と同様にして、厚みが約30μmの、ニッケルフェライト粒子を40質量%含有するポリイミド樹脂フィルムを作製した。
作製したポリイミド樹脂フィルムをTEM観察によりフェライト粒子の分散状態を観察したところ、大きさ10μm以上の2次凝集粒子が存在し、分散性は不良であった。
以上、実施例及び比較例から明らかなように、本発明の製造方法に従って得たポリイミド樹脂フィルムは、フェライト粒子の分散性が良好であることが分かる。したがって、上記ポリイミド樹脂フィルムによれば、電磁波吸収特性に優れた電磁波吸収体を得ることができる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。

Claims (5)

  1. 無水カルボン酸及びジアミンを有機溶媒中に溶解させるとともに、フェライト粒子を前記有機溶媒中に分散させて、フェライト粒子が分散してなるポリアミック酸溶液を得る工程と、
    前記ポリアミック酸溶液に対して熱処理を行い、前記ポリアミック酸を重合させて、前記フェライト粒子が分散してなるポリイミド樹脂を得る工程と、
    を具えることを特徴とする、ポリイミド樹脂の製造方法。
  2. 前記フェライト粒子を前記有機溶媒中に分散させる以前に、追加の無水カルボン酸で表面処理する工程を具えることを特徴とする、請求項1に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  3. 前記フェライト粒子を前記有機溶媒中に分散させる以前であって、前記追加の無水カルボン酸で表面処理した後において、前記フェライト粒子に対してマイクロ波を照射する工程を具えることを特徴とする、請求項2に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  4. 前記フェライト粒子は、マイクロ波照射による水熱反応を経て製造することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  5. 前記フェライト粒子の平均粒子径が5nm〜50nmの範囲であることを特徴とする、請求項4に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
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