JP2011207688A - 複合焼結体 - Google Patents

複合焼結体 Download PDF

Info

Publication number
JP2011207688A
JP2011207688A JP2010078136A JP2010078136A JP2011207688A JP 2011207688 A JP2011207688 A JP 2011207688A JP 2010078136 A JP2010078136 A JP 2010078136A JP 2010078136 A JP2010078136 A JP 2010078136A JP 2011207688 A JP2011207688 A JP 2011207688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle size
composite sintered
sintered body
component
gaussian distribution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010078136A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5504519B2 (ja
Inventor
Akiyoshi Kajii
昭佳 梶井
Miki Teramoto
三記 寺本
Takashi Harada
高志 原田
Akira Kukino
暁 久木野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Original Assignee
Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Hardmetal Corp filed Critical Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Priority to JP2010078136A priority Critical patent/JP5504519B2/ja
Publication of JP2011207688A publication Critical patent/JP2011207688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5504519B2 publication Critical patent/JP5504519B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、耐衝撃チッピング性と耐クレーター摩耗性との両者を十分に向上させることにより工具寿命をさらに長くした複合焼結体を提供することにある。
【解決手段】本発明の複合焼結体は、立方晶窒化硼素と結合材とを含み、該立方晶窒化硼素は、該複合焼結体中に25体積%以上80体積%以下含まれ、該結合材は、Ti系化合物群を含み、該Ti系化合物群は、少なくともTiを含む化合物を1種以上含むものであって、かつ互いに異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分から構成されることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、立方晶窒化硼素を含む複合焼結体に関する。
立方晶窒化硼素は、ダイヤモンドに次ぐ高硬度物質であることから、各種の切削工具に用いられている。このような立方晶窒化硼素は、通常、それ単独で用いられるよりも結合材とともに複合焼結体として用いられる。
昨今、被削材や切削条件が多様化していることから立方晶窒化硼素を用いた切削工具に対する要求は高度化しており、とりわけ耐摩耗性と耐欠損性とを両立させることにより長い工具寿命を有することが所望されている。
このような要求に応えるために、立方晶窒化硼素として異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分を用いて複合焼結体を構成することが提案されている(特許文献1〜3)。
特表2008−517868号公報 特表2008−517869号公報 特表2009−513471号公報
立方晶窒化硼素として異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分を用いて複合焼結体を構成するという提案によって、ある程度工具寿命を長くすることは期待できるものの、耐衝撃チッピング性と耐クレーター摩耗性とを十分に向上させることはできなかった。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、耐衝撃チッピング性と耐クレーター摩耗性との両者を十分に向上させることにより工具寿命をさらに長くした複合焼結体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、焼き入れ鋼の切削において耐衝撃チッピング性と耐クレーター摩耗性への寄与は立方晶窒化硼素よりも結合材の影響が大きく、特に結合材の粒径に大きく影響されるという知見を得、この知見に基づきさらに検討を重ねることにより、ついに本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明の複合焼結体は、立方晶窒化硼素と結合材とを含み、該立方晶窒化硼素は、該複合焼結体中に25体積%以上80体積%以下含まれ、該結合材は、Ti系化合物群を含み、該Ti系化合物群は、少なくともTiを含む化合物を1種以上含むものであって、かつ互いに異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分から構成されることを特徴とする。
ここで、上記Ti系化合物群は、少なくとも第1成分と第2成分とを含む2つ以上の成分により構成され、上記複合焼結体の少なくとも一断面における該Ti系化合物群の粒度分布を、横軸を所定の粒径範囲で区分し、縦軸を該各粒径範囲の粒子が占める割合とする粒度分布曲線で示す場合において、該粒度分布曲線は、極大値を2つ以上有する形状を有し、その極大値のうち最大の極大値を示す場合の粒径をd1とすると、該第1成分は、平均粒径をd1とし、該d1は、0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。
また、上記粒度分布曲線において、2番目に大きい極大値を示す場合の粒径をd2とすると、該第2成分は、平均粒径をd2とし、該d2は、0.15μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。
また、上記Ti系化合物群は、少なくとも第1成分と第2成分とを含む2つ以上の成分により構成され、上記複合焼結体の少なくとも一断面における該Ti系化合物群の粒度分布を、横軸を所定の粒径範囲で区分し、縦軸を該各粒径範囲の粒子が占める割合とする粒度分布曲線で示す場合において、該粒度分布曲線は、最小二乗法で複数のガウス分布の和で近似でき、その複数のガウス分布において、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が最大となるガウス分布を第1ガウス分布とし、その平均値をμ1とする場合、該第1成分は、該第1ガウス分布を示し、その平均粒径はμ1であり、該μ1は、0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。
また、上記複数のガウス分布において、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が該第1ガウス分布の次に大きくなるガウス分布を第2ガウス分布とし、その平均値をμ2とする場合、該第2成分は、該第2ガウス分布を示し、その平均粒径はμ2であり、該μ2は、0.15μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。
また、上記結合材は、上記Ti系化合物群と、(i)Zr、Hf、V、Cr、Al、W、およびCoからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、(ii)該少なくとも一種の元素と、窒素、炭素、硼素、および酸素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とからなる化合物、または(iii)該化合物の固溶体、のいずれかにより構成される他の成分を少なくとも一種含むことが好ましい。また、上記複合焼結体は、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物のいずれかを2質量%以下で含むことが好ましい。
また、上記複合焼結体の少なくとも一断面における上記Ti系化合物群は、主にTiCxy(0≦x≦0.90、0≦y≦0.90、x+y≦0.90)で構成され、上記第1成分を構成する原子数の比(C+N)/TiをX1、上記第2成分を構成する原子数の比(C+N)/TiをX2としたときに、X1/X2≦0.95またはX2/X1≦0.95であることが好ましい。
本発明の複合焼結体は、上記のような構成を有することにより、耐衝撃チッピング性と耐クレーター摩耗性との両者を十分に向上させることにより工具寿命を長くすることができるという優れた効果を有する。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<複合焼結体>
本発明の複合焼結体は、立方晶窒化硼素と結合材とを含む。このような複合焼結体は、以上の2成分を含む限り他の成分を含んでいてもよく、また使用する原材料や製造条件等に起因する不可避不純物を含み得る。
このような本発明の複合焼結体は、切削工具をはじめとする種々の工具類に使用することができるとともに、各種の産業資材としても有用である。特に本発明の複合焼結体を少なくとも一部に含む切削工具として用いる場合に、本発明の効果が有効に発揮される。
このような切削工具としては、たとえばドリル、エンドミル、ドリル用刃先交換型切削チップ、エンドミル用刃先交換型切削チップ、フライス加工用刃先交換型切削チップ、旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、クランクシャフトのピンミーリング加工用チップなどを挙げることができる。
本発明の複合焼結体は、このような切削工具に用いられる場合、該工具の全体を構成する場合のみに限られるものではなく、その一部(特に切れ刃部等)のみを構成する場合も含まれる。たとえば、超硬合金等からなる基材の切れ刃部のみが本発明の複合焼結体で構成されるような場合も含まれる。
<結合材>
本発明の結合材は、Ti系化合物群を含む限り特に限定されるものではない。このような結合材は、この種の用途に用いられる従来公知の結合材と同様に、基本的には複合焼結体中において立方晶窒化硼素を結合し、切削において優れた耐熱性を発揮するという作用を示すものである。
このような結合材は、本発明の複合焼結体において、20体積%以上75体積%以下含まれることが好ましい。より好ましくは、30体積%以上70体積%以下であり、さらに好ましくは40体積%以上70体積%以下である。結合材の含有割合が20体積%未満の場合、結合力が不足し耐衝撃チッピング性が低下するとともに、耐熱性が不足し耐摩耗性も低下し、75体積%を超えると結合材厚みが厚くなり強度が低下し耐摩耗性が低下する。
なお、このような含有割合(体積%)は、原料粉末の含有割合が原則として反映されたものとなるが、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、複合焼結体の組織の反射電子像を撮影し、これを画像解析することにより、立方晶窒化硼素と結合材の面積比率を求め、これを体積%とみなすことにより測定することができる。
<Ti系化合物群>
本発明のTi系化合物群は、少なくともTiを含む化合物を1種以上含むものであって、かつ互いに異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分から構成されることを特徴とする。すなわち、当該Ti系化合物群は、化学組成的にはTiを含むことを共通の特徴とする複数の化合物(ただし、互いに異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分を含む限り、化学組成的に1種の化合物のみからなる場合を排除するものではない)からなり、粒径的には互いに異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分(粒子群)から構成されることを特徴とする。
ここで、互いに平均粒径を異にする各粒子成分(たとえば、後述の第1成分および第2成分に相当する粒子群)のそれぞれは、同一組成の化合物から構成されていてもよいし、異なる組成の複数の化合物で構成されていてもよい。また、それぞれの粒子群同士を比較すると、構成化合物の種類および比率は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
なお、このような少なくともTiを含む化合物としては、たとえばTiC、TiCN、TiN、TiB2、およびそれらを2種以上含んだ固溶体等を挙げることができる。また、これらの化合物には、Tiの一部をZr、Hf、V、Cr等の元素で置換したものも含まれるとともに、Ti単体も含まれる。
本発明者の研究によれば、複合焼結体中において結合材を構成する化合物の粒子径を微粒にすると耐衝撃チッピング性(外部から急激な負荷が加えられた場合に生じるチッピングに対する耐性)は向上するが、耐クレーター摩耗性(切削加工時におけるすくい面の耐摩耗性)および靭性は低下するという傾向を示すことが明らかとなり、逆に結合材を構成する化合物の粒子径を粗粒にすると耐クレーター摩耗性および靭性は向上するが耐衝撃チッピング性は低下するという傾向を示すことが明らかとなった。さらに、このような傾向は、Ti系化合物群の粒径を調整することにより制御できるという知見が得られた。本発明は、このような知見に基づきなされたものであって、結合材としてTi系化合物群を含み、このTi系化合物群が互いに異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分により構成されることにより、耐衝撃チッピング性と耐クレーター摩耗性との両者を飛躍的に向上させることに成功したものであり、これにより工具寿命を極めて長期化することを達成したものである。
このようなTi系化合物群を採用することによって示される上記のような優れた効果は、Ti系化合物群と他の金属系化合物群とを採用し、これら両者の平均粒径を異にするものを採用すること(この場合Ti系化合物群の粒径は単一となる)によっては決して得ることはできない。
本発明のTi系化合物群は、より好ましくは、以下のような少なくとも第1成分と第2成分とを含む2つ以上の成分により構成されることが好適である。これにより、上記のような効果がより顕著に示される。
すなわち、上記Ti系化合物群は、少なくとも第1成分と第2成分とを含む2つ以上の成分により構成され、上記複合焼結体の少なくとも一断面における該Ti系化合物群の粒度分布を、横軸を所定の粒径範囲で区分し、縦軸を該各粒径範囲の粒子が占める割合とする粒度分布曲線で示す場合において、該粒度分布曲線は、極大値を2つ以上有する形状を有し、その極大値のうち最大の極大値を示す場合の粒径をd1とすると、該第1成分は、平均粒径をd1とし、該d1は、0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。また、上記粒度分布曲線において、2番目に大きい極大値を示す場合の粒径をd2とすると、該第2成分は、平均粒径をd2とし、該d2は、0.15μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。
一方、上記のような粒度分布曲線が、上記のように極大値を2つ以上有するような形状を有さない場合(すなわち、極大値が一見ひとつしかないように見える形状を有する場合)、該粒度分布曲線を最小二乗法で複数のガウス分布の和で近似し、その複数のガウス分布において、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が最大となるガウス分布を第1ガウス分布とし、その平均値をμ1とする場合、該第1成分は、該第1ガウス分布を示し、その平均粒径はμ1であり、該μ1は、0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。また、上記複数のガウス分布において、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が該第1ガウス分布の次に大きくなるガウス分布を第2ガウス分布とし、その平均値をμ2とする場合、該第2成分は、該第2ガウス分布を示し、その平均粒径はμ2であり、該μ2は、0.15μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。
ここで、上記d1またはμ1が0.15μmを超える場合は微粒の特徴である耐衝撃チッピング性の効果が低下し、0.05μm未満である場合は凝集する傾向があり好ましくない場合がある。
また、上記d2またはμ2が0.15μm未満である場合は粗粒の特徴である耐クレーター摩耗性の効果が低下し、0.5μmを超える場合は結合材厚みが大きくなり強度が低下する傾向を示すため好ましくない場合がある。該d2またはμ2のより好ましい平均粒径は、上記の通り0.15μm以上0.3μm以下である。
なお、上記の第1成分および第2成分の規定をより詳細に説明すると次のようになる。
まず、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて複合焼結体の少なくとも一断面を5万倍で写真撮影(反射電子像)し、同時に同視野のEDS(エネルギー分散型X線分析法)マッピングを実施する。EDSにてTiが検出された領域をTi系化合物と判断し、反射電子像写真からこの範囲を抽出する。さらに、この範囲から、画像解析ソフト(たとえば、商品名「WinROOF」、三谷商事株式会社製)を用いて、Ti系化合物の個々の粒子を抽出し、その面積(S)から各粒子の粒径(D)を、同じ面積を有する円の直径(D=2√(S/π))として算出する。このようにして、Ti系化合物粒子の粒径を求めることができる。
次いで、上記のようにして求めた各粒子の粒径に基づいて、これを所定の粒径範囲ごとに区分する。この場合、粒径範囲に基づく分割数は、測定した粒子の総数をNとし、このNから「1+(logN/log2)」を算出し、この数値に最も近い整数を分割数とする。また、このようにして分割された各分割幅は「((測定した粒径の中で最大の粒径)−(測定した粒径の中で最小の粒径))/分割数」を計算した数値とする。なお、データは視野の偏りを防止するために複数の写真を分析するものとする。
そして、上記の分析結果に基づき、粒度分布曲線を作成する。この場合、横軸は、上記で分割した粒径の範囲(すなわち所定の粒径範囲)で区分する。縦軸は「その分割された各粒径範囲の粒子が占める断面中における総面積」を「測定した全ての粒径の総面積」で除することにより、各粒径範囲の粒子が占める割合とする。そして、各粒径範囲ごとにその粒径範囲の粒子が占める割合をプロットすることにより、そのプロットを直線で結ぶと粒度分布曲線が得られる。この場合、各プロットは、三点平均(ある任意の粒径範囲を第1粒径範囲とし、その左右両隣の粒径範囲をそれぞれ第2粒径範囲および第3粒径範囲とすると、第1粒径範囲のプロットは第1粒径範囲の実測値、第2粒径範囲の実測値、および第3粒径範囲の実測値を平均した数値をプロットする方法)により行なうものとする。この粒度分布曲線は、複合焼結体の少なくとも一断面におけるTi系化合物群(を構成する粒子)の粒度分布を示すものとなる。
そして、この粒度分布曲線が極大値を2つ以上有するような形状を有する場合は、その極大値のうち最大の極大値の粒径(その粒径範囲の平均値)をd1とし、2番目に大きい極大値の粒径をd2とすると、該第1成分は、平均粒径をd1とする一群の粒子群となり、該第2成分は、平均粒径をd2とする一群の粒子群となる(同様にN番目に大きい極大値の粒径をdNとすると、該第N成分は、平均粒径をdNとする一群の粒子群となる)。
一方、この粒度分布曲線が、上記のように極大値を2つ以上有するような形状を有さない場合(すなわち、極大値が一見ひとつしかないように見える形状を有する場合)は、該粒度分布曲線を最小二乗法で複数のガウス分布の和で近似し、その複数のガウス分布において、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が最大となるガウス分布を第1ガウス分布(その平均値をμ1)とし、次に大きくなるガウス分布を第2ガウス分布(その平均値をμ2)として、該第1成分は、該第1ガウス分布を示し、その平均粒径をμ1とする一群の粒子群となり、該第2成分は、該第2ガウス分布を示し、その平均粒径をμ2とする一群の粒子群となる。
この後者の態様を、より詳しく説明すると次の通りとなる。まず、上記の粒度分布曲線をガウス分布の和と仮定し、最小二乗法で近似して以下の数式(I)を得る。
Figure 2011207688
なお、上記式(I)は、上記のように実測値に基づく粒度分布曲線を数式で形式化したものであり、式(I)において、x:結合材粒径(Ti系化合物群)、F(x,An,μn,σn 2):面積割合、An:比例項(ただしAn>0である)、μn:平均値(ただしμn>0である)、σn 2:分散値を示す。
まず、粒度分布曲線において、最大値の粒径を平均値μ1とするガウス分布を求める。このガウス分布は、ガウス分布曲線が当該粒度分布曲線を超えないという条件下で、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が最大となるものを選択し、これを第1ガウス分布とする。なお、ガウス分布曲線で囲まれた領域とは、ガウス分布曲線と横軸とで囲まれた領域をいう。
次に、当該粒度分布曲線から第1ガウス分布を数学的に差し引いた残余曲線において、最大値の粒径を平均値μ2とするガウス分布を求める。このガウス分布は、ガウス分布曲線が当該残余曲線を超えないという条件下で、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が最大となるものを選択し、これを第2ガウス分布とする(上記操作をN回繰り返すと平均値μNとする第Nガウス分布が求められる)。
このようにして、第1ガウス分布を示す第1成分と、第2ガウス分布を示す第2成分とを規定することができる。
さらに、本発明のTi系化合物群は、複合焼結体の少なくとも一断面において、主にTiCxy(0≦x≦0.90、0≦y≦0.90、x+y≦0.90)で構成され、第1成分の(C+N)/Tiの比X1と第2成分の(C+N)/Tiの比X2は異なり、X1/X2≦0.95またはX2/X1≦0.95であることが好ましい。(C+N)/Tiの比が小さいTiCxyはより金属的な性質を示すために、複合焼結体中に(C+N)/Tiの比が小さいTiCxyが含まれると、複合焼結体の靱性を向上させる効果があるが、この比が小さすぎると耐熱性が低下するおそれがある。このため、(C+N)/Tiの比の異なる結合材を準備し、両者を混在させることにより、靭性と耐熱性を両立することができる。
複合焼結体中の(C+N)/Tiの比は、複合焼結体を薄片に加工し、透過電子顕微鏡(TEM)に電子エネルギー損失分光法を組み合わせた、TEM−EELSを用いることにより、求めることができる。
<他の成分>
本発明の結合材は、Ti系化合物群とともに、たとえば(i)Zr、Hf、V、Cr、Al、W、およびCoからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、(ii)該少なくとも一種の元素と、窒素、炭素、硼素、および酸素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とからなる化合物、または(iii)該化合物の固溶体、のいずれかにより構成される他の成分を少なくとも一種含むことが好ましい。これにより、結合材において優れた耐熱性が発揮され、特に焼入鋼の切削加工に優れた複合焼結体を得ることができる。
このような他の成分としては、より具体的には、たとえばAlN、AlB2、Al23、WC、ZrN、HfC、およびそれらを2種以上含んだ固溶体を挙げることができる。
<WおよびCo>
本発明の複合焼結体は、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物のいずれかを2質量%以下で含むことが好ましい。このようなW、Co、およびWまたはCoを含む化合物は、複合焼結体の製造条件に起因して必然的に含まれる可能性があるが、このW、Co、およびWまたはCoを含む化合物のいずれかが2質量%を超えて複合焼結体中に含まれると、その強度が低下する場合があるからである。これは、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物が多量に含まれると脆化するためであると考えられる。
したがって、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物のいずれかを2質量%以下で含む場合、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物の含有量は可能な限り低くすることが好ましく、さらにW、Co、およびWまたはCoを含む化合物の含有率を低くすることで焼結工程での粒成長を抑制することができ、上記のような結合材によってもたらされる優れた効果を助長することができる。このため、本発明の複合焼結体は、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物の合計含有量が2質量%以下とすることがより好ましい。
なお、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物の含有量は、ICP(誘導結合プラズマ)分析により求めることができる。
<立方晶窒化硼素>
本発明の複合焼結体は、上記の通り、立方晶窒化硼素を25体積%以上80体積%以下含むものである。
<製造方法>
本発明の複合焼結体は、たとえば以下のようにして製造することができる。すなわち、まず結合材(Ti系化合物群)用の原料粉末を準備する。これは、該原料粉末をボールミル等の粉砕装置により粉砕することにより得られるが、その粉砕条件として二種以上の異なった条件を採用することにより、異なった平均粒径を有する二種以上の粒子成分として得ることができる。
そのような粉砕条件としては、たとえばボールミルを用いる場合、直径が異なる粉砕用ボールを用いたり、粉砕時間や撹拌速度を変更したりするなどして、種々の条件を設定することができる。
次いで、結合材の原料粉末と別途準備した立方晶窒化硼素の原料粉末とを均一に混合し、所望の形状とした後、真空炉中で一定の加熱処理後、焼結することにより本発明の複合焼結体を得ることができる。
なお、焼結条件としては、たとえば700〜2000℃程度の温度で、3〜10GPa程度の圧力で、10〜120分程度保持するという条件を採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
<結合材の原料粉末の調製>
Tiの炭化物(平均粒径:5μm)、Tiの窒化物(平均粒径:5μm)、Tiの炭窒化物(平均粒径:5μm)、およびAl粉末(平均粒径:20μm)を、後述の結合材の組成に適合するように選択し、それらを均一に混合した。そして、この混合粉末を真空炉中、1000℃で30分間保持した。なお、各成分の配合比率は特に限定されず、従来公知の任意の配合比率を採用することができる。また、結合材として上記の金属種以外の金属(たとえばZr、Hf等)を含める場合は、たとえばZrの窒化物(平均粒子径:5μm)やHfの炭化物(平均粒子径:5μm)を添加することができる。
次いで、上記の粉末を質量比で7:3となるように二分した(No.1は二分せずに使用。そのため、No.1の第2成分は存在しない)。この場合、質量比が大きい方の原料粉末を第1成分用原料粉末とし、小さい方の原料粉末を第2成分用原料粉末とした。
また、異なった平均粒径を有する3種以上の粒子成分により構成する場合は、上記の粉末を質量比で6:3:1、5:3:1:1、5:2:1:1:1などのように分け、質量比が一番大きい原料粉末を第1成分用原料粉末とし、質量比が二番目に大きい原料粉末を第2成分用原料粉末とした。
そして、超硬合金製のボールを用いたボールミルにより第1成分用原料粉末と第2成分用原料粉末とを、それぞれ表1および表2に記載した粉砕条件(回転速度はそれぞれ0.5m/秒)で粉砕した。なお、ここでの回転速度とは、ポット内側の速度を意味する。
Figure 2011207688
Figure 2011207688
また、No.35〜37の第3成分(Ti系化合物群を構成する粒子群であって、第1成分および第2成分以外の成分をいう。以下の第4成分および第5成分も同様である)用原料粉末は、ボール径4mm、粉砕時間40時間、第4成分用原料粉末は、ボール径8mm、粉砕時間25時間、第5成分用原料粉末は、ボール径4mm、粉砕時間25時間の粉砕条件(回転速度はそれぞれ0.5m/秒)で粉砕した。
なお、最終的に得られる複合焼結体中における結合材の組成は、No.1〜37がTiN、TiB2、AlN、AlB2、Al23、WCであり、No.38、42がTiCN、TiB2、AlN、AlB2、Al23、WCであり、No.39、43がTiC、TiB2、AlN、AlB2、Al23、WCであり、No.40、44がTiN、TiB2、AlN、AlB2、Al23、WC、ZrNであり、No.41、45がTiC、TiB2、AlN、AlB2、Al23、WC、HfCとなるように、上記の原料粉末の配合を調製した。各結合材中、TiN、TiB2、TiC、TiCNがTi系化合物群である。
<加熱処理および焼結>
別途準備した立方晶窒化硼素用の原料粉末(平均粒径:1μm)と上記で準備した結合材の原料粉末(第1成分用原料粉末および第2成分用原料粉末)とを、表3および表4に記載した立方晶窒化硼素の体積%(立方晶窒化硼素含有率)となるような体積割合で均一に混合した。なお、この立方晶窒化硼素と結合材との体積割合は最終的に得られる複合焼結体中における体積割合に等しくなる。
上記の混合は、樹脂製ポットとZrO2製のボール(ボール径:8mm)を用いるボールミルにより行なった(回転速度:0.5m/秒、時間:10時間)。No.16、17、33、34についてはW粉末やWC粉末、Co粉末を添加しW、Co、およびWまたはCoを含む化合物の合計含有量(ICPによる分析結果として表3および表4中の「W/Co含有量」の欄に記載)を表3および表4に記載した値に調節した。
そして、上記のようにして得られた混合粉末を所望の形状とし、これを真空炉中で1000℃で20分間保持し、脱ガスした。
引き続き、4〜6GPaの圧力で、1400℃、60分間焼結することにより、各複合焼結体を作製した(No.1〜45)。なお、このようにして作製された複合焼結体の表面を研磨後、SEM(走査型電子顕微鏡)を用い、反射電子像の観察を行なったところ、結合材中のマトリックス中に立方晶窒化硼素が分散し、結合材が連続な組織となっていることが確認できた。このような組織は、弗硝酸が蒸発しない密封容器中で弗硝酸により結合材を溶解すると、立方晶窒化硼素は弗硝酸に溶解しないため、複合焼結体が有する元の形状を保持できなくなることを示している。
そして、各複合焼結体について、上記で既に説明した方法によりTi系化合物群の粒度分布を示す粒度分布曲線を作成し、その極大値の数を確認した。そして、その極大値の数に応じて上記のそれぞれの方法に基づき、Ti系化合物群の第1成分および第2成分の平均粒径を求めた。その結果を表3および表4に示す。また、No.35〜37の第3成分の平均粒径は0.2μm、第4成分の平均粒径は0.35μm、第5成分の平均粒径は0.4μmであった。
<切削試験>
上記のようにして作製された各複合焼結体を用いて、切削工具(ISO型番:CNGA120408)を成形した。この切削工具中における各複合焼結体の配置は、頂角を80°とする1辺が2mmの二等辺三角形である三角柱状の形状のものが各コーナー部に計2個配置されている。
そして、この切削工具を用いて以下の切削条件により切削試験(断続切削)を行なった。その結果を表3および表4に示す。結果は、断続切削により欠損するまでの時間を表わしており、時間が長いもの程、工具寿命が長くなることを示す。
切削速度:V=180m/min.
切り込み:d=0.15mm
送 り:f=0.2mm/rev.
湿式乾式:乾式(DRY)
被削材 :浸炭焼入鋼SCM415(HRC62)
軸方向にV字形状の5本の溝有り。
Figure 2011207688
Figure 2011207688
表3および表4より明らかなように、本発明の実施例(No.2〜10、12〜14、16〜26、28〜31、33〜45)の複合焼結体は、比較例(No.1、11、15、27、32)に比べて欠損するまでに要する時間が長く、明らかに工具寿命が延長されていることが確認できた。これは、耐衝撃チッピング性と耐クレーター摩耗性との両者が十分に向上された結果であると考えられる。
より具体的には、第1成分の平均粒径が0.05μm以上0.15μm以下である試料No.3〜5、19〜21は、第1成分の平均粒径がこの範囲を外れる試料No.2、6、18、22に比し、工具寿命が長くなっているが、これは結合材に含まれるTi系化合物群を微粒にすることによって得られる耐衝撃チッピング性の向上が寄与したものと考えられる。なお、試料No.2、18のように第1成分の平均粒径が0.05μm未満になると第1成分の凝集が多く発生することで組織が不均一となるため上記のような効果が得られなくなると考えられる。
一方、第2成分の平均粒径が0.15μm以上0.5μm以下である試料No.4、8〜9、20、24〜25は、第2成分の平均粒径がこの範囲を外れる試料No.7、10、23、26に比し、工具寿命が長くなっているが、これは結合材を粗粒にすることによって得られる耐クレーター摩耗性および靭性の向上が寄与したものと考えられる。さらに、第2成分の平均粒径が0.15μm以上0.3μm以下である場合(試料No.4、8、20、24)は、より一層上記の効果が高まる。なお、試料No.10、26のように第2成分の平均粒径が0.5μmを超えると結合材厚みが大きくなり強度が低下したため上記のような効果が得られなくなると考えられる。
また、試料No.11〜15、27〜32を比較すれば明らかなように、立方晶窒化硼素の含有率を本発明の範囲内としたものは、該範囲を外れるものに比し、工具寿命が長くなっていることを確認できた。すなわち、立方晶窒化硼素の含有率が高くなることにより結合材の含有割合が20体積%未満となる試料No.15、32は、結合力が不足し耐衝撃チッピング性が低下した結果であると考えられ、一方、立方晶窒化硼素の含有率が低くなることにより結合材の含有割合が75体積%を超える試料No.11、27は、結合材厚みが大きくなり強度が低下し耐摩耗性が低下した結果であると考えられる。
また、試料No.4、16〜17、20、33〜34を比較すれば明らかなように、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物の合計含有量が2質量%以下のものは2質量%を超えるものに比べ、工具寿命が長くなることが確認できた。 W、Co、およびWまたはCoを含む化合物を低減することで結合材の粒成長が抑制され、2種類以上の粒度分布をもつ本結合材の効果がより顕著に現れたものと考えられる。
さらに、試料No.4、20、38、39、43、44を比較すれば明らかなように、2種類以上の粒度分布をもつ本結合材の効果がTiCN、TiN、TiCの全てのTi系化合物で確認され、また、試料No.40、41、44、45より上記のTi系化合物群以外の金属(たとえばZr、Hf等)を含める場合においても同様に2種類以上の粒度分布をもつ本結合材の効果が確認された。
<実施例2>
(C+N)/Tiの比が小さくなるように実施例1で用いた原料粉末であるTiの炭化物(平均粒径:5μm)、Tiの窒化物(平均粒径:5μm)、Tiの炭窒化物(平均粒径:5μm)、およびAl粉末(平均粒径:20μm)に加えTiの粉末を選択し、それらを均一に混合した。そして、この混合粉末を真空炉中、1000℃で30分間保持した。また、結合材として上記の金属種以外の金属(たとえばZr、Hf等)を含める場合は、たとえばZrの窒化物(平均粒子径:5μm)やHfの炭化物(平均粒子径:5μm)を添加することができる。
上記原料粉末を用いることを除き、実施例1と同様にして複合焼結体を作製した(No.46〜57)。なお、第1成分用原料粉末は、ボール径4mm、粉砕時間70時間とし、第2成分用原料粉末は、ボール径8mm、粉砕時間40時間とする粉砕条件(回転速度はそれぞれ0.5m/秒)で原料粉末の粉砕を行なった。
最終的に得られる複合焼結体中における結合材の組成は、No.46〜49、54〜57がTiN、TiB2、AlN、AlB2、Al23、WCであり、No.50〜53がTiCN、TiB2、AlN、AlB2、Al23、WCとなるように、上記の原料粉末の配合を調製した。各結合材中、TiN、TiB2、TiCNがTi系化合物群である。
そして、実施例1と同様にして粒度分布の測定、切削試験を行なった。また、複合焼結体中の(C+N)/Tiの比は、複合焼結体を薄片に加工し、透過電子顕微鏡(TEM)に電子エネルギー損失分光法を組み合わせた、TEM−EELSを用いて測定した。その結果を表5および表6に示す。なお、本実施例におけるTi系化合物群は、いずれも主にTiCxy(0≦x≦0.90、0≦y≦0.90、x+y≦0.90)で構成されるものである。
Figure 2011207688
Figure 2011207688
表5および表6より明らかなように、第1成分の(C+N)/Tiの比X1と第2成分の(C+N)/Tiの比X2が、X1/X2≦0.95またはX2/X1≦0.95のときに工具寿命が長くなっている。これは、(C+N)/Tiの比が小さいTiCxyと(C+N)/Tiの比が大きいTiCxyが混在することにより靭性と耐熱性が両立され、寿命が向上したと考えられる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (10)

  1. 立方晶窒化硼素と結合材とを含む複合焼結体であって、
    前記立方晶窒化硼素は、前記複合焼結体中に25体積%以上80体積%以下含まれ、
    前記結合材は、Ti系化合物群を含み、
    前記Ti系化合物群は、少なくともTiを含む化合物を1種以上含むものであって、かつ互いに異なった平均粒径を有する2種以上の粒子成分から構成される、複合焼結体。
  2. 前記Ti系化合物群は、少なくとも第1成分と第2成分とを含む2つ以上の成分により構成され、
    前記複合焼結体の少なくとも一断面における前記Ti系化合物群の粒度分布を、横軸を所定の粒径範囲で区分し、縦軸を前記各粒径範囲の粒子が占める割合とする粒度分布曲線で示す場合において、
    前記粒度分布曲線は、極大値を2つ以上有する形状を有し、その極大値のうち最大の極大値を示す場合の粒径をd1とすると、
    前記第1成分は、平均粒径を前記d1とし、
    前記d1は、0.05μm以上0.15μm以下である、請求項1記載の複合焼結体。
  3. 前記粒度分布曲線において、2番目に大きい極大値を示す場合の粒径をd2とすると、
    前記第2成分は、平均粒径を前記d2とし、
    前記d2は、0.15μm以上0.5μm以下である、請求項2記載の複合焼結体。
  4. 前記d2は、0.15μm以上0.3μm以下である、請求項3記載の複合焼結体。
  5. 前記Ti系化合物群は、少なくとも第1成分と第2成分とを含む2つ以上の成分により構成され、
    前記複合焼結体の少なくとも一断面における前記Ti系化合物群の粒度分布を、横軸を所定の粒径範囲で区分し、縦軸を前記各粒径範囲の粒子が占める割合とする粒度分布曲線で示す場合において、
    前記粒度分布曲線は、最小二乗法で複数のガウス分布の和で近似でき、その複数のガウス分布において、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が最大となるガウス分布を第1ガウス分布とし、その平均値をμ1とする場合、
    前記第1成分は、前記第1ガウス分布を示し、その平均粒径は前記μ1であり、
    前記μ1は、0.05μm以上0.15μm以下である、請求項1記載の複合焼結体。
  6. 前記複数のガウス分布において、ガウス分布曲線で囲まれた領域の面積が前記第1ガウス分布の次に大きくなるガウス分布を第2ガウス分布とし、その平均値をμ2とする場合、
    前記第2成分は、前記第2ガウス分布を示し、その平均粒径は前記μ2であり、
    前記μ2は、0.15μm以上0.5μm以下である、請求項5記載の複合焼結体。
  7. 前記μ2は、0.15μm以上0.3μm以下である、請求項6記載の複合焼結体。
  8. 前記複合焼結体の少なくとも一断面における前記Ti系化合物群は、主にTiCxy(0≦x≦0.90、0≦y≦0.90、x+y≦0.90)で構成され、前記第1成分を構成する原子数の比(C+N)/TiをX1、前記第2成分を構成する原子数の比(C+N)/TiをX2としたときに、X1/X2≦0.95またはX2/X1≦0.95である、請求項2〜7のいずれかに記載の複合焼結体。
  9. 前記結合材は、前記Ti系化合物群と、
    (i)Zr、Hf、V、Cr、Al、W、およびCoからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、
    (ii)前記少なくとも一種の元素と、窒素、炭素、硼素、および酸素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とからなる化合物、または
    (iii)前記化合物の固溶体、
    のいずれかにより構成される他の成分を少なくとも一種含む、請求項1〜8のいずれかに記載の複合焼結体。
  10. 前記複合焼結体は、W、Co、およびWまたはCoを含む化合物のいずれかを2質量%以下で含む、請求項1〜9のいずれかに記載の複合焼結体。
JP2010078136A 2010-03-30 2010-03-30 複合焼結体 Active JP5504519B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010078136A JP5504519B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 複合焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010078136A JP5504519B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 複合焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011207688A true JP2011207688A (ja) 2011-10-20
JP5504519B2 JP5504519B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=44939176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010078136A Active JP5504519B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 複合焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5504519B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207690A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Sumitomo Electric Hardmetal Corp 複合焼結体
US20130096351A1 (en) * 2011-09-11 2013-04-18 Council Of Scientific & Industrial Research Process for the selective hydroxylation of benzene with molecular oxygen
CN112313189A (zh) * 2018-06-18 2021-02-02 住友电气工业株式会社 烧结体和其中形成有氧化铝的固溶体的部分稳定氧化锆
JP7012923B1 (ja) * 2020-07-31 2022-01-28 住友電気工業株式会社 立方晶窒化硼素焼結体、およびそれを含む切削工具

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5978978A (ja) * 1982-10-27 1984-05-08 東芝タンガロイ株式会社 高密度相窒化硼素焼結体及びその製造方法
JPS60176973A (ja) * 1984-02-22 1985-09-11 三菱マテリアル株式会社 切削工具用立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料の製造法
JPH0881270A (ja) * 1994-09-13 1996-03-26 Mitsubishi Materials Corp 立方晶窒化ホウ素含有セラミックス焼結体および切削工具
JPH08229708A (ja) * 1995-02-23 1996-09-10 Mitsubishi Materials Corp 立方晶窒化硼素系超高圧複合セラミックス焼結体および切削工具
WO2008093577A1 (ja) * 2007-01-30 2008-08-07 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. 複合焼結体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5978978A (ja) * 1982-10-27 1984-05-08 東芝タンガロイ株式会社 高密度相窒化硼素焼結体及びその製造方法
JPS60176973A (ja) * 1984-02-22 1985-09-11 三菱マテリアル株式会社 切削工具用立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料の製造法
JPH0881270A (ja) * 1994-09-13 1996-03-26 Mitsubishi Materials Corp 立方晶窒化ホウ素含有セラミックス焼結体および切削工具
JPH08229708A (ja) * 1995-02-23 1996-09-10 Mitsubishi Materials Corp 立方晶窒化硼素系超高圧複合セラミックス焼結体および切削工具
WO2008093577A1 (ja) * 2007-01-30 2008-08-07 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. 複合焼結体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207690A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Sumitomo Electric Hardmetal Corp 複合焼結体
US20130096351A1 (en) * 2011-09-11 2013-04-18 Council Of Scientific & Industrial Research Process for the selective hydroxylation of benzene with molecular oxygen
US8772552B2 (en) * 2011-09-11 2014-07-08 Council Of Scientific & Industrial Research Process for the selective hydroxylation of benzene with molecular oxygen
CN112313189A (zh) * 2018-06-18 2021-02-02 住友电气工业株式会社 烧结体和其中形成有氧化铝的固溶体的部分稳定氧化锆
JP7012923B1 (ja) * 2020-07-31 2022-01-28 住友電気工業株式会社 立方晶窒化硼素焼結体、およびそれを含む切削工具
WO2022025291A1 (ja) * 2020-07-31 2022-02-03 住友電気工業株式会社 立方晶窒化硼素焼結体、およびそれを含む切削工具
CN115803468A (zh) * 2020-07-31 2023-03-14 住友电气工业株式会社 立方晶氮化硼烧结体以及包含该立方晶氮化硼烧结体的切削工具
CN115803468B (zh) * 2020-07-31 2024-04-30 住友电气工业株式会社 立方晶氮化硼烧结体以及包含该立方晶氮化硼烧结体的切削工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP5504519B2 (ja) 2014-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5568827B2 (ja) 立方晶窒化硼素焼結体、及び立方晶窒化硼素焼結体工具
KR101386763B1 (ko) 복합 소결체
JP6095162B2 (ja) 立方晶窒化ホウ素焼結体
JP6290872B2 (ja) cBN材料の製造方法
JP5499718B2 (ja) 焼結体および焼結体を用いた切削工具
JP5559575B2 (ja) サーメットおよび被覆サーメット
JP2017014084A (ja) 立方晶窒化硼素焼結体、立方晶窒化硼素焼結体の製造方法、工具、および切削工具
JP5504519B2 (ja) 複合焼結体
CN109906212B (zh) 烧结体以及包含该烧结体的切削工具
KR20150024325A (ko) 절삭 공구 어플리케이션들을 위한 초경질 소결체 및 그 제조 방법
JP2009067637A (ja) 立方晶窒化硼素焼結体及びその製造方法
JP2011207689A (ja) 複合焼結体
JP2019172477A (ja) 立方晶窒化硼素基焼結体および立方晶窒化硼素基焼結体を基体とする切削工具
JP5568822B2 (ja) 複合焼結体
JP2007126326A (ja) ダイヤモンド焼結体
JP6928196B2 (ja) 立方晶窒化硼素焼結体
JP5312095B2 (ja) 切削工具
JP6683887B2 (ja) セラミックス焼結体、インサート、切削工具、及び摩擦攪拌接合用工具
JP2011140414A (ja) 焼結体および焼結体を用いた切削工具
JPH10324943A (ja) 微粒超硬合金及びその製造方法
JP2013053022A (ja) 複合焼結体およびそれを用いた複合焼結体工具
JPH07224346A (ja) 靭性のすぐれた炭窒化チタン系サーメット
JP7388961B2 (ja) セラミックス切削工具、及び切削工具
JPH10324942A (ja) 微粒超硬合金及びその製造方法
JP2009226512A (ja) 炭化タングステン基焼結体

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20120925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5504519

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250