JP2011206680A - アスベストプラズマ溶融装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 このアスベスト廃材の処理が今大きな問題となっている。従来の溶融装置、特に、連続式で行う場合には、融解し無害化したものを連続的に系外に出すためと、一定量を維持するため、さらにはポンプ等を使用しないため、溶融物が一定量を超えた分だけオーバーフローさせて流出させる方法が簡単である。しかし、このオーバーフロー法では、まだ溶融していないアスベストが、溶融したものと一緒に流出する危険性があった。
【解決手段】 高温を発生するためのプラズマ発生装置、アスベストを溶融させる溶融炉、被処理アスベストを溶融炉に投入するための投入筒体を有するものであって、該投入筒体の開口先端が、溶融アスベストの液面よりも低い位置にあり、該溶融炉は上層部と下層部の2層構造であり、該下層部は駆動装置によって回転するもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アスベストプラズマ溶融装置に関するものである。
プラズマ溶融装置とは、アークプラズマによって高温を達成し、種々のもの、特に廃棄物を溶融処理するものである。
アスベストは、以前、その耐熱性、防火性その他の理由から非常に多くの機械、建造物に使用されていた。現在は製造禁止になっているが、以前に施工されたものがそのまま使用されている所も多い。また、このような機械や建造物は廃棄したり建て替えたりすると、アスベストの廃材が発生する。
このアスベスト廃材の処理が今大きな問題となっている。アスベストの処理の方法はいくつか提案されており、実施もされている。例えば、薬剤で固化して封じ込める方法、高温で溶融させる方法等がある。
高温で溶融させる方法は、1520℃以上に加熱するもので、アスベストの微細繊維の結晶形態がこわれ無害化する。よって、この方法が最も確実である。
従来の溶融装置では、アスベストを投入し、高温にして溶融させて、それを流し出す、いわゆるバッチ式であった。これでは連続運転ができないため、加熱のエネルギーが無駄であった。
また、連続式で行う場合には、融解し無害化したものを連続的に系外に出すためと、一定量を維持するため、さらにはポンプ等を使用しないため、溶融物が一定量を超えた分だけオーバーフローさせて流出させる方法が簡単である。
しかし、このオーバーフロー法では、まだ溶融していないアスベストが、溶融したものと一緒に流出する危険性があった。
そこで、特許文献1のように、溶融装置を上部のみ仕切り、下方でのみ連通する構造にし、上方の未溶解のものが一緒にオーバーフローしないようにしたものも提案されている。
このような溶融装置では、プラズマによる加熱が1ヶ所に偏っているため、全体として均一に加熱できない。よって、完全に溶融していないものが流出するおそれがあった。
このような溶融装置は、すべての部分で十分にアスベストが溶融していることが必要である。
特開2008−249220
そこで、このような欠点をできるだけ軽減したアスベストプラズマ溶融装置を提供する。
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果、本発明アスベストプラズマ溶融装置を完成したものであり、その特徴とするところは、アスベストを無害化するためのものであって、高温を発生するためのプラズマ発生装置、アスベストを溶融させる溶融炉、被処理アスベストを溶融炉に投入するための投入筒体を有するものであって、該投入筒体の開口先端が、溶融アスベストの液面よりも低い位置にあり、該溶融炉は上層部と下層部の2層構造であり、該下層部は駆動装置によって回転し、該下層部の上部内周には複数のブレードが設けられており、該上層部には溶融物がオーバーフローする流出口が設けられ、該流出口近傍に溶融物を誘導する遮蔽壁を設けた点にある。
本発明でいうアスベストは、アスベストが含まれるもの、アスベストが付着しているもの、アスベストが混合されているもの等を含む概念で使用する。即ち、アスベストといっても単独のアスベストのみを指すのではない。
プラズマ発生装置は、通常2つのタイプに大別される。移行型プラズマ方式と非移行型プラズマ方式である。移行型プラズマ方式は、陽極を被加熱物側に設け、トーチ先端部に設けた陰極との間で発生させる放電により電極間の雰囲気を電離状態(プラズマ状態)とした後、トーチ側陰極から被加熱物の陰極へプラズマ流を移行させるものである。被加熱物に直接プラズマ電流が流れるため、加熱効率はよい。陰陽が逆のものもある。
非移行型プラズマ方式は、トーチに陰極と陽極の両方を設け、この間でプラズマを発生させ、作動ガスによりトーチ先端から前方へプラズマを成長させ、被加熱物に作用させるものである。
本発明では、この移行型、非移行型のどちらも採用可能である。
まず移行型について説明する。
移行型の場合、溶融炉の上方に電極(陰極でも陽極でもよい)を設け、溶融炉自体を他の電極(底部に別途電極を設けてもよい)とし、その両極間で放電させプラズマ状態にするのである。電極上方から作動ガス(アルゴンやヘリウム等の不活性ガスその他)が噴射され被処理物にあたる。この高温プラズマ状態の中で溶融される。作動ガスはなくてもよい。
移行型の場合、被処理物が放電を妨げないように、被処理物はあまり量が多くない方がよい。
非移行型は、溶融炉の上方にトーチ(プラズマ発生機で陽極、陰極の両方を有する)を設け、そこでプラズマを発生させ、そのプラズマを作動ガスによって成長させ被加熱物に作用させるものである。
この非移行型の場合、プラズマを溶融炉全体に作用させることが難しいが、本発明の場合には、後述するように溶融炉が回転するため、この問題は解決されている。
このプラズマアーク発生装置には、当然アークを発生させるための種々の装置が接続されている。本発明においては、それらも通常のものでよく、特別なものである必要はない。この発生装置(プラズマトーチ等)は、1つでも2つ以上設けてもよい。
投入筒体は、被処理アスベストを溶融炉に投入するための投入部である。これも溶融炉と同様の耐熱性を有することは当然である。
この投入筒体の先端は、定常運転時には、常に溶融物の液面より下にあるようにする。即ち、常に液に浸かっているということである。
これは、液面を制御するというより、後述する流出口の下面より投入筒体の先端が下であればよい。
溶融炉自体は、アスベストの溶融に使用される通常のものでよい。アスベストが溶融する温度(1520℃以上)に耐えるものであればよい。
さらに、本発明では溶融炉が上下2層になっていることが大きなポイントである。
そして下層部は駆動装置によって回転する。これは、溶融炉自体をターンテーブルのような回転可能な台に載置し、それをモーターやエンジン等で回転させればよい。回転速度としては、限定しがいが、例えば、1時間に1〜20回転等である。
この下層部の上方の内周には、複数のブレードが設けられている。ブレードの大きさは、高さが下層部の内壁の高さの1/4〜1/2程度であり、長さは下層部の内半径の1/4〜1/2程度が好適である。
ブレードも溶融炉と同様の耐熱性が必要である。
これらの材質は、タイルや磁器のようなものが好適である。
ブレードの枚数は、特に限定はしないが、4枚〜20枚程度、好ましくは6〜12枚程度である。
上層部は、下層部と異なり回転はしない。よって、下層部と上層部の接点は、回転可能に気密にシールされている。
流出口とは、該上層部に設けられた溶融物がオーバーフローする開口や溝である。
さらに、該流出口近傍に溶融物を誘導する遮蔽壁が設けられている。この遮蔽壁は、回転している溶融物を順次流出口から排出するためのものである。大きさは限定はしないがブレードと同じ程度でよい。材質もブレードと同様でよい。
本発明には次のような大きな効果がある。
(1) 被処理物の投入筒が溶融物に浸漬しているため、溶融物オーバーフローに未溶融物が混入しない。
(2) 溶融炉が回転しているため、プラズマによる加熱が均一化する。
(3) 回転炉にブレードが設けられているため、溶融物が渦状になり、よく攪拌され完全に融解する。
本発明のアスベストプラズマ溶融装置1の1例を示す概略端面図である。 本発明のブレードの位置を示す1例を示す上方からの端面図である。 本発明の遮蔽板の位置の1例を示す上方からの端面図である。
以下実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明のアスベストプラズマ溶融装置1の1例を示す概略端面図である。全体として、溶融炉2、投入筒体3、プラズマ発生装置4、回転台5から構成されている。上部を覆う屋根等はあってもよい。
溶融炉2は、上層部6と下層部7から構成されている。下層部7は、回転台5に載置され回転台5に従って回転する。回転台5は適当な駆動装置(図示せず)によって駆動される。下層部7の上方には、ブレード8が8ヶ所取り付けられている。
上層部6は、下層部7に気密に接しているが、他の支持部材で支持されており、下層部7と共に回転することはない。上層部6の下方1ヶ所にオーバーフロー流出口9が設けられている。この流出口9の近傍に、遮蔽板10が流体の回転を阻害するように取り付けられている。
溶融物の液面は、この流出口9の下面(厳密には少し上)ということになる(図では破線で示す)。この液面よりも下にその先端部が位置するように、投入筒体3が設けられている。この中に被処理物が送られてくる。
プラズマ発生装置4は、液面上方に設けられている。この例では、非移行型のもので、陰陽両極がトーチに設けられ、そので発生したプラズマを作動ガスによって、被処理物に送り、高温になる。
本発明では、溶融炉2が回転しているため、プラズマ発生装置のトーチが1ヶ所であっても、全体がほぼ均一に高温になる。
図2は、下層部7の平面視であり、内周にブレード8が8枚設けられているのが分かる。これが矢印のように回転(逆でもよい)して渦を生じさせ、溶融部分を均一化する。
図3は、図2と同様の図であり、上層部6の平面視である。左端部に流出口9があり、その横に遮蔽板10が設けられている。この図では、流出口より上方(図面で)に位置するが、回転が逆ならば、下側に設けることになる。
この遮蔽板10によって、流出がスムーズになる。
1 溶融装置
2 溶融炉
3 投入筒体
4 プラズマ発生装置
5 回転台
6 上層部
7 下層部
8 ブレード
9 流出口
10 遮蔽板

Claims (1)

  1. アスベストを無害化するためのものであって、高温を発生するためのプラズマ発生装置、アスベストを溶融させる溶融炉、被処理アスベストを溶融炉に投入するための投入筒体を有するものであって、該投入筒体の開口先端が、溶融アスベストの液面よりも低い位置にあり、該溶融炉は上層部と下層部の2層構造であり、該下層部は駆動装置によって回転し、該下層部の上部内周には複数のブレードが設けられており、該上層部には溶融物がオーバーフローする流出口が設けられ、該流出口近傍に溶融物を誘導する遮蔽壁を設けたことを特徴とするアスベストプラズマ溶融装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106734166A (zh) * 2016-12-23 2017-05-31 核工业西南物理研究院 低温等离子体处理持久性有机物污染土壤的装置
KR20190091106A (ko) 2018-01-26 2019-08-05 주식회사 모노리스 일메나이트 또는 탄소계 물질을 이용한 석면 함유 물질의 무해화 방법
WO2021101126A1 (ko) * 2019-11-19 2021-05-27 전남대학교산학협력단 규산칼슘 제조방법
JP7528807B2 (ja) 2021-02-05 2024-08-06 住友金属鉱山株式会社 硫黄溶融設備及びこれを用いた溶融硫黄の製造方法

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