JP2011205736A - 分散型電源および分散型電源制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生部と、連系点電圧を検出する電圧検出部と、連系点に出力される電力を第1所定の発電量まで下げる指示を生成する出力電力指示生成部と、定格電力または最大電力時の第1連系点電圧に対する第1所定の発電量時の第2連系点電圧の差分である第1電圧変動値と、任意時刻の第3連系点電圧に対する第1所定の発電量時の第4連系点電圧の差分である第2電圧変動値と、第2所定の力率に相当する無効電力とに基づき電力発生部を制御する制御部とを備える。
【選択図】図1
Description
さらに、連系点電圧依存制御方式では、式(10)の関係、および図12のように、予め定められた連系点電圧の上限値VH(例えば106[V]〜107[V])と下限値VL(例えば96V)との範囲内にある場合、連系点電圧Vの変化に対して無効電力QGVを式(10)のPG×(tanφ)×(V−VL)/(VH−VL)基づいて直線的に変化させるが、連系点電圧Vが上限値VHを越える場合には、無効電力QGVを式(10)のPG×(tanφ)に基づき一定力率=0.85に相当するものに固定し、また、連系点電圧Vが下限値VLを下回る場合、無効電力QGVを式(10)の0、すなわち一定力率=1に相当するものに固定する。図12は、従来技術による系統インピーダンス依存方式による無効電力の制御手法の特徴を示す模式図である。
式(10)、図12において、QGVは無効電力、VLは連系点電圧の下限値、VHは連系点電圧の上限値、Vは連系点電圧値、PGは有効電力、φは力率cosφにおける位相である。さらに、系統インピーダンスには、下限値と上限値が設定されている。
図1は、本発明の第1実施形態に係る配電設備の系統図である。本実施形態は、最大の電圧変動と電圧変動とを用いて無効電力を生成して制御する分散型電源PW1を具備する配電設備に関する。
電圧計1は、低圧配電線C2の連系点における電圧(連系点電圧V)の瞬時値を検出して検出電力演算部3に出力する。電流計2は、分散型電源PW1の出力電流の瞬時値を検出して検出電力演算部3に出力する。
一方、入力された検出電力が定格電力(または最大電力)Pmではないと判定された場合、出力電力判定部4は、検出電力演算部3の出力の測定と演算を継続する。
この電力指令値は、インバータ9から出力する有効電力PGを指示する有効電力指令値と無効電力QGを指示する無効電力指令値とからなる。なお、力率の下限値は、インバータ9から出力する無効電力QGの上限を規定するものであり、既存の配電系統で許容される値(例えば0.85)である。また、有効電力指令値は、直流電源10の発電電力に定常的に一致させる必要がある。さらに、最適出力電力演算部5は、無効電力指令値を生成するに当たり、既存の配電系統およびその上位系統を含めた系統インピーダンスZを所定の推定手法を用いて推定する。そして、最適出力電力演算部5は、系統インピーダンスZの推定値、力率の下限値、連系点電圧Vm、連系点電圧Vom、連系点電圧Vおよび定格電力(または最大電力)Pm等に基づき、後述する方法で有効電力PGをインバータ9から連系リアクトル11を介して連系点に出力した場合の連系点電圧Vの変動を最小値に抑制でき、かつ、インバータ9の最大出力容量を抑制できる両方を満足する無効電力QGを最適値として算出する。そして、最適出力電力演算部5は、算出した無効電力QGの最適値の出力を指示する無効電力指令値を、出力電流設定部7に出力する。
出力電流制御部8は、出力電流設定部7が出力する電流指令値に基づいてインバータ9を制御するための制御信号、例えばPWM(Pulse Width Modulatuion)信号を生成してインバータ9に出力する。
インバータ9は、直流電源10から供給された直流電圧を出力電流制御部8が生成した制御信号に基づきスイッチングすることにより交流電圧に変換する。また、インバータ9は、リアクトル11の両端の電圧差と位相差を調整して負荷電流の分担を決める。
連系リアクトル11は、リアクトル(絶縁した電線をらせん状に巻いたコイル)であり、インダクタンスを付与するためにインバータ9の出力端に設けられている。
なお、直流電源10は発電電力が例えば太陽から照射される光の光量に依存する。このため、インバータ9、長期間にわたって一定の値に制御された有効電力PGを連系点に出力することはできず、直流電源10の発電電力に定常的に適合した有効電力を出力することになる。すなわち、配電設備における分散型電源PW1は、有効電力PGを一定の値に制御できず、直流電源10の発電電力に依存してランダムに変動する有効電力PGを連系点に出力する。
また、電圧発生部は、インバータ9、直流電源部10、連系リアクトル11から構成され、電圧検出部は、電圧計1、電流計2、検出電力演算部3から構成され、出力電力指示生成部は、最適出力電力演算部5と記憶部6から構成され、制御部は、出力電力判定部4、出力電流設定部7、出力電流制御部8から構成されている。
=R(P−PG)+X(Q−QG)
=(R×P+X×Q)−(R×PG+X×QG)・・・(1)
判定の結果、出力電力が定格電力(または最大電力)Pmの場合(ステップS3;Yes)、出力電力判定部4は、発電量を0に下げる指示を出力設定部7に出力する。また、検出電力演算部3は、定格電力Pmに対応する連系点電圧Vmを算出する。
次に、検出電力演算部3は、発電電力=0に対応する連系点電圧Vomを算出し、ΔVm=Vm−Vomを算出する(ステップS5)。
次に、出力電流設定部7は、入力された発電量を定格電力(または最大電力)Pmに戻す指示に基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力されている発電量を定格電力(または最大電力)Pmに戻す(ステップS6)。なお、発電量を0から定格電力(または最大電力)Pmに戻すとき、例えば、1秒毎に定格電力(または最大電力)Pmに対して10%ずつ10秒間かけて上げていく。
また、ステップS4〜ステップS6の処理は、ステップS1の判定により、時間T1間隔で行われ、例えば、電力使用量の多い日中に1日に1回程度行われる。
まず、検出電力演算部3は、任意時刻における発電電力PGに対応する連系点電圧Vを算出する。
次に、出力電力判定部4は、発電量を0に下げる指示を出力設定部7に出力する。次に、出力電流設定部7は、入力された発電量を0に下げる指示に基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力されている発電量を0に落とす(ステップS7、図3(a)PG=0、VG=V0)。なお、発電量を任意時刻の発電電力PGから0に落とすとき、例えば、1秒毎に電力PGから10%ずつ10秒間かけて落としていく。
次に、検出電力演算部3は、電力=0に対応する連系点電圧V0を算出する(ステップS8)。
次に、出力電流設定部7は、入力された発電量を発電電力PGに戻す指示に基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力されている発電量を発電電力PGに戻す(ステップS9)。なお、発電量を0から発電電力PGに戻すとき、例えば、1秒毎に発電電力PGに対して10%ずつ10秒間かけて上げていく。
また、ステップS7〜ステップS9の処理は、ステップS2の判定により、時間T2間隔で行われ、例えば、数分に1回程度行われる。
任意時刻の発電電力PGに対応する連系点電圧Vを算出後、検出電力演算部3は、算出した連系点電圧VとV0を用いて、電圧変動値ΔV=V−V0を算出する(ステップS11)。
次に、最適出力電力演算部5は、ステップS12の判定に基づき式(2)を用いて無効電力出力を演算する。
0<ΔV<ΔVmの場合(ステップS12;0<ΔV<ΔVm)、最適出力電力演算部5はQGΔV=PG×(tanφ)×ΔV/ΔVmを算出する(ステップS14)。
ΔV<ΔVmの場合(ステップS12;ΔV<ΔVm)、最適出力電力演算部5はQGΔV=PG×(tanφ)を算出する(ステップS15)。
次に、最適出力電力演算部5は、算出した無効電力出力QGΔVを出力電流設定部7に出力し、出力電流設定部7は、入力された無効電力出力QGΔVに基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力する。
なお、図4のフローチャートの開始から終了までの一連の処理は、時間T3間隔で行い、例えば、数秒に1回程度行う。この結果、ステップS10〜ステップS15の処理は、時間T3間隔で行われる。なお、時間T1の長さは時間T2の長さより長く、且つ、時間T2の長さは時間T3の長さより長い。また、時間T1は、例えば、1日程度であり、時間T2は、例えば、数分程度であり、時間T3は、例えば、数秒程度である。
すなわち、第1実施形態で説明したように、分散装置PW1の出力による電圧変動の最大値ΔVmを予め測定もしくは推定し、任意時刻の電圧変動ΔVにより力率が決まり、電圧変動ΔVが予め測定もしくは推測した最大値に近づくほど力率が低くなるように無効電力QGΔVを生成して連系点電圧の変化量を制御するため、分散型電源PW1に起因する電圧上昇を有効に補償できる。
次に、第2実施形態について、図1、図3、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態における電圧補償制御のフローチャートである。なお、第1実施形態と同じ処理は、同じステップ番号を用いて説明を省略する。第2実施形態は、分散型電源PW1が定格電力(または最大電力)Pmを行えない場合、最大の電圧変動ΔVmを推定し、電圧補償を行う方法である。
図3(a)において、分散型電源PW1が、直線A上で動作しているとして説明する。また、検出電力演算部3は、分散型電源PW1における定格電力(または最大電力)Pmが記憶されている。
判定の結果、出力電力が定格電力(または最大電力)Pmではない場合(ステップS3;No)、出力電力判定部4は、発電量を0に下げる指示を出力設定部7に出力する。次に、出力電流設定部7は、入力された発電量を0に下げる指示に基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力されている発電量を0に落とす(ステップS103)。なお、発電量を任意時刻の発電電力PGから0に落とすとき、例えば、1秒毎に電力PGから10%ずつ10秒間かけて落としていく。
次に、検出電力演算部3は、電力=0に対応する連系点電圧V0mを算出する(ステップS104)。
次に、出力電流設定部7は、入力された発電量を発電電力PGに戻す指示に基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力されている発電量を発電電力PGに戻す(ステップS105)。なお、発電量を0から発電電力PGに戻すとき、例えば、1秒毎に発電電力PGに対して10%ずつ10秒間かけて上げていく。
発電量を発電電力PGに戻した後、検出電力演算部3は、任意時刻の発電電力PGに対応する連系点電圧Vを算出する(ステップS106)。
なお、ステップS3〜ステップS107またはステップS3〜ステップS6の処理は、ステップS101の判定により、時間T1間隔で行われ、例えば、電力使用量の多い日中に1日1回程度行われ、ステップS7〜ステップS9の処理は、ステップS102の判定により、時間T2間隔で行われ、例えば、数分程度に1度行われる。
以下、ステップS5で算出されたΔVmまたはステップS107で推定されたΔVmを用いて、第1実施形態のステップS12〜ステップS15を繰り返し、最適出力電力演算部5は、算出した無効電力出力QGΔVを出力電流設定部7に出力し、出力電流設定部7は、入力された無効電力出力QGΔVに基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力する。
なお、図5のフローチャートの開始から終了までの一連の処理は、時間T3間隔で行い、例えば、数秒に1回程度行う。この結果、ステップS10〜ステップS15の処理は、時間T3間隔で行われる。なお、時間T1の長さは時間T2の長さより長く、且つ、時間T2の長さは時間T3の長さより長い。また、時間T1は、例えば、1日程度であり、時間T2は、例えば、数分程度であり、時間T3は、例えば、数秒程度である。
すなわち、定格電力(または最大電力)Pmを出力できないときのみ、ステップS103〜ステップS107を行い、最大の電圧変動ΔVmを推定し、定格電力(または最大電力)Pmを出力できる場合、第1実施形態と同様に実測により最大の電圧変動ΔVmを算出する(ステップS4〜ステップS6)。
さらに、実測により最大の電圧変動ΔVmを算出したときの値の方が、推定による最大の電圧変動ΔVmの値よりも精度が高いことから、S101の判定において、前回ステップS4〜ステップS6の実施により最大の電圧変動ΔVmを取得したときは、T1は大きな値(例えば10日)とし、前回ステップS103〜ステップS107の実施により最大の電圧変動ΔVmを推定したときは、T1は小さな値(例えば1日)とすることにより、より精度の高い最大の電圧変動ΔVmの値による分散型電源PW1の動作期間を長くすることも可能である。
また、本実施形態では、時間T2の長さを数分程度として、任意時刻の出力PGから発電量0に下げて連系点電圧V0を算出する頻度を数分に1回行う例を説明したが、同様に連系点電圧V0を算出する頻度は、例えば10分に1回等、分散型電源PW1を含む配電系の電力変動に合わせて、他の頻度でも良い。さらに、時間T3の長さを数秒程度として、連系点電圧Vを常時測定し、電圧変動ΔVを算出する頻度を数秒に1回行う例を説明したが、同様に連系点電圧V0を算出する頻度は、例えば10秒に1回等、分散型電源PW1を含む配電系の電力変動に合わせて、他の頻度でも良い。
次に、第3実施形態について、図1、図3、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態における電圧補償制御のフローチャートである。なお、第1実施形態と同じ処理は、同じステップ番号を用いて説明を省略する。第3実施形態は、無効電力QGΔVを徐々に注入し、電圧変動ΔVが所定の範囲内か発電出力の力率0.85に相当する無効電力QGmaxになった時点でリミッタを掛けることで電圧補償を行う方法である。
次に、検出電力演算部3は、ステップS5〜ステップS9を実行し、任意時刻の発電電力PG時の連系点電圧Vを算出し、任意時刻の発電電力PG時から発電量を0に落としたときの連系点電圧V0を算出し、電圧変動ΔVを算出する。
次に、算出された電圧変動ΔVを補償するために、最適出力電力演算部5は、無効電力QGΔV=PG×(tanφ)×ΔV/ΔVmを算出する(ステップS201)。
そして、算出された無効電力QGΔVを出力電流設定部7に出力し、出力電流設定部7は、入力された無効電力QGΔVに基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力することで、無効電力QGΔVを配電設備の系統に注入する(ステップS202)。
ステップ203の判定の結果、QGΔVがQGmax未満の場合(ステップS203;Yes)、検出電力演算部3は、電圧変動ΔV(=V−V0)の絶対値が所定のε以下であるか否かを判定する(ステップS204)。εは、例えば電圧計1の精度相当とし、電圧計1の精度が定格電圧に対して1%の場合はε=1%とする。
ステップS204の判定の結果、電圧変動ΔVの絶対値が所定のε以下でない場合(ステップS204;No)、ステップS8に戻り、ステップS8〜ステップS204を電圧変動ΔVの絶対値が所定のε以下、または、ステップS203の判定の結果、QGΔVがQGmax以上になるまで繰り返す。
次に、最適出力電力演算部5は、ステップS204の判定の結果、電圧変動ΔVの絶対値が所定のε以下の場合のQGΔV、またはステップS205後、発電出力PGの力率0.85に相当する無効電力QGmaxを無効電力QGΔVに決定する(ステップS206)。そして、最適出力電力演算部5は、決定したQGΔVに基づいて電流指令値を生成し、生成した電流指令値に基づき出力電流制御部8、インバータ9、連系リアクトル11を介して連結点に出力することで、無効電力QGΔVを配電設備の系統に出力する。
次に、第4実施形態について、図1、図7〜図11を用いて説明する。図7は、本実施形態における重み付け係数を説明する図である。図8は、本実施形態における重み付け係数の決定条件と判定基準を説明する図である。
また、QGZは、式(7)のように表される。
最適電力演算部5は、記憶部6に記憶されている系統に関する情報を読み出し(ステップS301)、クラス1の情報、クラス2の情報、クラス3の情報を抽出する(ステップS302)。クラス1は系統構成変更の頻度に関する情報、クラス2は高圧線・低圧線の亘長(架空送電線路の長さのことで、発変電所等の起点から鉄塔等の支持物の中心間を結んで、変電所等の終点に至るまでの水平距離を累積した長さ)に関する情報、クラス3は連系前の常時の系統電圧の上限電圧に対する余裕度に関する情報である。
なお、図8の各重み付け係数K1〜K4への重み付け条件は一例であり、判定基準及びクラスの種類や数、そして、重み付けの決定条件(クラス分け)と重み付け係数との組み合わせは他の組み合わせであっても良い。また、系統構成変更の頻度情報、高圧線・低圧線の亘長情報、連系前の常時の系統電圧の上限電圧に対する余裕度情報は、予め分散型電源PW1の記憶部6に書き込んで記憶させておいても良く、あるいは、設置時に電力会社から得た情報や測定した情報に基づき生成し、生成した各情報を記憶部6に書き込んで記憶させても良く、さらには、先に設置されている他の分散型電源から情報に基づき各情報を生成して、生成した各情報を記憶部6に書き込んで記憶するようにしてもよい。
また、系統構成変更の頻度が所定のしきい値より低い場合(ステップS303;No)、最適電力演算部5は、重み付け係数K3とK4に、他の重み付け係数K1とK2より配分を多くする(ステップS305)。一例として、最適電力演算部5は、各重み付け係数にK1=0、K2=0、K3=0.5、K4=0.5を選択する。
また、高圧線・低圧線の亘長が引き込み線の長さが短くない場合(ステップS306;No)、最適電力演算部5は、重み付け係数K2に、他の重み付け係数K1、K3、K4より配分を多くする(ステップS308)。一例として、最適電力演算部5は、各重み付け係数にK1=0、K2=1.0、K3=0、K4=0.5を選択する。
また、連系前の常時の系統電圧の上限電圧に対する余裕度が所定のしきい値以上ではない場合(ステップS309;No)、最適電力演算部5は、重み付け係数K4に、他の重み付け係数K1〜K3より配分を多くする(ステップS311)。一例として、最適電力演算部5は、各重み付け係数にK1=0、K2=0、K3=0、K4=1.0を選択する。
この結果、K1=1.5、K2=0.5、K3=1.0、K4=0、K(総和)=3.0が算出される。そして、最適電力演算部5は、各重み付け係数K1〜K4をK(総和)=3.0で除算し、除算によりK1=0.5、K2=0.17、K3=0.33、K4=0を設定する。すなわり、最適電力演算部5は、K1+K2+K3+K4=1になるように各各重み付け係数K1〜K4を配分する。
一例として、系統構成変更の頻度=高、高圧線・低圧線の亘長が引き込み線の長さ=長、連系前の常時の系統電圧の上限電圧に対する余裕度=大の場合、最適電力演算部5は、各重み付け係数にK1=0.5625、K2=0.1875、K3=0.1875、K4=0.0625を選択する。このようにして選択された各重み付け係数K1〜K4を用いて、最適電力演算部5は、無効電力QGを式(5)により算出して連結点に出力する。
している系統あるいは電力系統と連系して運転している系統にも適用可能である。このような電力系統から自立して運転している系統あるいは電力系統と連系して運転している系統の1つとして、例えばマイクログリッドがある。
現状では、マイクログリッドについて統一された定義は存在しないが、マイクログリッドは、分散型電源や電力貯蔵システムを組み合わせて構成され、分散型電源の発電量を調節することによって需要電量に見合った電力供給を実現するものであり、通常では電力系統から自立して運転されるが、必要に応じて電力系統と連系して運転される場合もある。このようなマイクログリッドの一構成要素として、本発明を適用することができる。
なお、マイクログリッドの定義の1つとして、自然エネルギーを利用した分散型電源を含む多様な分散型電源を構成要素とする、というものがあるが、本発明はこれに限定されない。ガスタービン等を利用し、自然エネルギーを利用していない分散型電源であり分散型電源の種類が1種類であっても良い。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、USB(Universal Serial Bus) I/F(インタフェース)を介して接続されるUSBメモリー、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
C1・・・高圧配電線
T1、T2・・・配電用変圧器(柱上変圧器)
C2・・・低圧配電線
PW1・・・分散型電源
L・・・負荷
1・・・電圧計
2・・・電流計
3・・・検出電力演算部
4・・・出力電力判定部
5・・・最適出力電力演算部
6・・・記憶部
7・・・出力電流設定部
8・・・出力電流制御部
9・・・インバータ
10・・・直流電源
11・・・連系リアクトル
Claims (13)
- 有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生部と、
連系点電圧を検出する電圧検出部と、
前記連系点に出力される電力を第1所定の発電量まで下げる指示を生成する出力電力指示生成部と、
定格電力または最大電力時の第1連系点電圧に対する前記第1所定の発電量時の第2連系点電圧の差分である第1電圧変動値と、任意時刻の第3連系点電圧に対する前記第1所定の発電量時の第4連系点電圧の差分である第2電圧変動値と、第2所定の力率に相当する前記無効電力とに基づき前記電力発生部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする分散型電源。 - 前記制御部は、
前記任意時刻の第3連系点電圧を取得し、前記任意時刻の発電電力から前記第1所定の発電量まで下げ、前記第1所定の発電量時の第4連系点電圧を取得し、前記第3連系点電圧に対する前記第4連系点電圧の差分を算出することで前記第2電圧変動値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の分散型電源。 - 前記制御部は、
前記定格電力または最大電力時の第1連系点電圧を取得し、前記定格電力または最大電力から前記第1所定の発電量まで下げ、前記第1所定の発電量時の第2連系点電圧を取得し、前記第1連系点電圧に対する前記第2連系点電圧の差分を算出することで前記第1電圧変動値を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の分散型電源。 - 前記制御部は、
予め定められている前記定格電力または最大電力と、前記任意時刻の発電電力と、前記第3連系点電圧と、前記第4連系点電圧とを用いて前記第1電圧変動値を推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の分散型電源。 - 前記第2電圧変動値の算出を行う頻度が前記第4連系点電圧を取得する頻度より多く且つ前記第4連系点電圧を取得する頻度が前記第1電圧変動値の算出を行う頻度より多い
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の分散型電源。 - 前記制御部は、
前記第2電圧変動値が0より大きく且つ前記第2電圧変動値が前記第1電圧変動値未満の範囲の場合、前記有効電力と前記第2所定の力率と前記第1連系点電圧と前記第2連系点電圧と前記第3連系点電圧および前記第4連系点電圧に基づく無効電力を生成して前記電力発生部を制御し、
前記第2電圧変動値が前記第1電圧変動値より大きい場合、前記有効電力と前記第2所定の力率とに基づく無効電力を生成して前記電力発生部を制御し、
前記第2電圧変動値が0未満の場合、0の無効電力を生成して前記電力発生部を制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の分散型電源。 - 前記制御部は、
前記第2電圧変動値が0より大きく且つ前記第2電圧変動値が前記第1電圧変動値未満の範囲の場合、前記有効電力PGと前記第2所定の力率に基づくtanφと前記第1連系点電圧Vmと前記第2連系点電圧V0mと前記第3連系点電圧Vおよび前記第4連系点電圧V0からなる関係式PG×(tanφ)×(V−V0)/(Vm−V0m)に基づく無効電力を生成して前記電力発生部を制御し、
前記第2電圧変動値が前記第1電圧変動値より大きい場合、前記有効電力PGと前記第2所定の力率に基づくtanφからなる関係式PG×(tanφ)とに基づく無効電力を生成して前記電力発生部を制御し、
前記第2電圧変動値が0未満の場合、0の無効電力を生成して前記電力発生部を制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の分散型電源。 - 前記制御部は、
前記第2電圧変動値の絶対値が第3所定の範囲になるまで制御を行うか、あるいは、前記無効電力が発電出力の前記第2所定の力率に基づく値になるまで制御を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の分散型電源。 - 前記第2所定の範囲は、前記電圧検出部の電圧測定の精度、あるいは、電流測定の精度に基づく
ことを特徴とする請求項8に記載の分散型電源。 - 前記制御部は、
前記電力系統の系統インピーダンスを推定し、前記有効電力、前記系統インピーダンス推定値の抵抗分とリアクタンス分との比、前記系統インピーダンス推定値の抵抗分とリアクタンス分との前記比に関する所定の2値RBXL、RBXH(ただし、RBXLはRBXHより小さい)及び前記第2所定の力率に基づいた第1無効電力QGRXと、
前記有効電力、前記電力系統の系統インピーダンス推定値、前記系統インピーダンスに関する所定の2値ZL、ZH(ただし、ZLはZHより小さい)及び力率に基づいた第2無効電力QGZと、
前記連系点電圧、前記有効電力、前記連系点電圧に関する所定の2値VL、VH(ただし、VLはVHより小さい)及び前記第2所定の力率に基づいた第3無効電力QGVと、
前記連系点電圧、前記有効電力、前記定格電力または最大電力、前記第1連系点電圧、前記第2連系点電圧、前記第3連系点電圧、前記第4連系点電圧、及び前記第2所定の力率に基づいた第4無効電力QGΔVと、
前記第1無効電力QGRXに対する重み付け係数K1と、
前記第2無効電力QGZに対する重み付け係数K2と、
前記第3無効電力QGVに対する重み付け係数K3と、
前記第4無効電力QGΔVに対する重み付け係数K4と、
に基づく前記無効電力を用いて制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の分散型電源。 - 複数の分散型電源と高圧線と低圧線との少なくとも1つに接続されている分散型電源において、
前記制御部は、
少なくとも前記高圧線または低圧線の架空送電線路の累積長さである亘長か、前記分散型電源を含む系統構成の変更頻度か、連系前の常時の系統電圧の上限電圧値に対する余裕度かのいずれか1つに基づいて前記重み付け係数K1、前記重み付け係数K2、前記重み付け係数K3、前記重み付け係数K4の各重み付けを決定する
ことを特徴とする請求項9に記載の分散型電源。 - 前記制御部は、
前記電力系統の系統インピーダンスZを推定し、前記有効電力PG、前記系統インピーダンス推定値Zの抵抗分Rとリアクタンス分Xとの比R/X、前記比R/Xに関する所定の2値RBXL、RBXH(ただし、RBXLはRBXHより小さい)及び前記第2所定の力率cosφからなる関係式(6)に基づいた第1無効電力QGRXと、
前記有効電力PG、前記電力系統の系統インピーダンス推定値Z、前記系統インピーダンスに関する所定の2値ZL、ZH(ただし、ZLはZHより小さい)及び前記第2所定の力率cosφからなる関係式(7)に基づいた第2無効電力QGZと、
前記連系点電圧V、前記有効電力PG、前記連系点電圧に関する所定の2値VL、VH(ただし、VLはVHより小さい)及び前記第2所定の力率cosφからなる関係式(8)に基づいた第3無効電力QGVと、
前記連系点電圧V、前記有効電力PG、前記定格電力または最大電力Pm、前記第1連系点電圧Vm、前記第2連系点電圧V0m、前記第3連系点電圧V、前記第4連系点電圧V0、及び前記第2所定の力率cosφからなる関係式(9)に基づいた第4無効電力QGΔVと、
前記第1無効電力QGRXに対する重み付け係数K1と、
前記第2無効電力QGZに対する重み付け係数K2と、
前記第3無効電力QGVに対する重み付け係数K3と、
前記第4無効電力QGΔVに対する重み付け係数K4と、
に基づく前記無効電力を用いて制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項5、請求項11のいずれか1項に記載の分散型電源。
- 分散型電源の分散型電源制御方法において、
電力発生部が、有効電力及び無効電力を発生して連系点に出力する電力発生工程と、
電圧検出部が、連系点電圧を検出する電圧検出工程と、
出力電力指示生成部が、前記連系点に出力される電力を第1所定の発電量まで下げる指示を生成する出力電力指示生成工程と、
制御部が、定格電力または最大電力時の第1連系点電圧に対する前記第1所定の発電量時の第2連系点電圧の差分である第1電圧変動値と、任意時刻の第3連系点電圧に対する前記第1所定の発電量時の第4連系点電圧の差分である第2電圧変動値と、第2所定の力率に相当する前記無効電力とに基づき前記電力発生部を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする分散型電源制御方法。
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